JP2004218848A - 住宅設備機器用リモコン通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】送出時の信号レベルを抑制しつつ、通信線の長さやインピーダンス不整合等によって大きく信号が減衰して通信が不能に陥ることを回避する。
【解決手段】マスター側のリモコンは、搬送波信号の振幅を順次増加しつつ試験信号を通信線を介してスレーブ側リモコンへと送り、スレーブ側リモコンは試験信号を適切に受信すると、それに呼応して応答信号を返信する。マスター側リモコンは、規定時間tp内に応答信号が戻って来た場合、直前の送信レベルを次回以降の送信レベルと決定して処理を終了するが、規定時間tp内に応答信号が戻って来ない場合には、送信レベルを上げて再度試験信号を送る。そして、送信レベルを最大にして試験信号を送っても応答信号が戻ってこなければ、通信エラーを表示する。このようにして通信路の状態に応じて過大でない適切な送信レベルを決定し、良好なデータ通信を行うことができる。
【選択図】 図10
【解決手段】マスター側のリモコンは、搬送波信号の振幅を順次増加しつつ試験信号を通信線を介してスレーブ側リモコンへと送り、スレーブ側リモコンは試験信号を適切に受信すると、それに呼応して応答信号を返信する。マスター側リモコンは、規定時間tp内に応答信号が戻って来た場合、直前の送信レベルを次回以降の送信レベルと決定して処理を終了するが、規定時間tp内に応答信号が戻って来ない場合には、送信レベルを上げて再度試験信号を送る。そして、送信レベルを最大にして試験信号を送っても応答信号が戻ってこなければ、通信エラーを表示する。このようにして通信路の状態に応じて過大でない適切な送信レベルを決定し、良好なデータ通信を行うことができる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室や台所等に給湯を行う給湯機を始めとする各種住宅設備機器を遠隔操作・制御するために使用されるリモコン通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般家庭において、浴室や台所などに給湯を行う給湯機を遠隔操作するために、浴室内や台所の壁面などにリモコンが設置され、該リモコンでのキー操作により、給湯機の始動・停止、湯温や湯量の設定などが行えるような給湯システムが普及している。図1は、こうした給湯システムの配置の一例を示す概略図である。
【0003】
この例では、屋外にガス燃焼式の給湯機(熱源)1が設置され、屋内の浴室5及び台所6に浴室リモコン2及び台所リモコン3がそれぞれ設置されている。給湯機1、浴室リモコン2及び台所リモコン3は居宅の壁面内や屋根裏等に配設された通信線4に接続されており、浴室リモコン2及び台所リモコン3のいずれからも給湯機1の運転に関する操作が可能となっている。なお、給湯機1がガス燃焼式でなく電気式である場合には通常屋内に設置されるが、その場合でも、通信線4を介してリモコン2、3と接続される点は同様である。
【0004】
こうした給湯設備を始めとする各種住宅設備機器は日常生活の基盤となるものであり、故障によって運転が行えない等の不具合が発生すると、居住者に非常な不便を強いることになる。そのため、上記のような給湯システムを始めとする住宅設備機器システムにおける、リモコン2、3と給湯機1との間の通信線4を介しての制御データ等の通信には、高い信頼性が要求される。こうした点を考慮して、住宅設備機器用の通信方式としては、従来、デジタル変調方式の1つである搬送波振幅偏移方式(以下ASK(=Amplitude Shift Keying)と称す)が利用されている(例えば、特許文献1参照)。上記システムにおいて通信線4を介して送受するデータは、主としてリモコン2、3でのキー操作に対応したデータやその他の各種の制御データであり、それほど高い伝送レートは必要ない。そこで、ASKの搬送波信号の周波数としては、200kHz〜300kHz程度の比較的低い周波数が利用されている。
【0005】
一方、最近、入浴者の安全を台所から確認する等の目的で、浴室リモコン2の操作者(入浴者)P1と台所リモコン3の操作者P2との間で通話が可能であるような、いわゆるインターホン機能を有する給湯システムが提案されている。こうしたシステムでは、制御データを送受するために利用される通信線4を介して音声情報も送受できるようにすることが望ましく、例えば特許文献2には、音声信号をアナログ変調の1つであるFM変調してASK信号に重畳する方法が開示されている。しかしながら、FM変調のようなアナログ変調方式では、耐雑音性や通信可能距離等に問題がある。また、将来的に音声品質を向上させたいような場合に、拡張性・発展性に乏しいという問題もある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−13971号公報(段落0004、図3)
【特許文献2】
特開2001−119764号公報(段落0007、0008、及び図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなインターホン機能を備える住宅設備機器システムでは、伝送品質の確保の容易性や拡張性を考えると、音声情報もデジタル化し、制御データを伝送する際のASK信号の周波数帯域と分離可能な帯域を占める信号に変換した上で、該ASK信号に重畳する方法が有利である。また、変復調等の処理回路量の規模などを考慮すると、制御データのASK信号とは異なる周波数の搬送波信号を用いたASKを利用すると都合がよい。この場合、周知の各種音声圧縮方式を利用することにより音声情報のデータ量を削減することは可能であるが、それでも圧縮音声データの伝送レートは上記のような制御データの伝送レートに比べればかなり高くなる。そのため、ASKの際の搬送波信号の周波数を高く設定しなければならず、例えば1MHz程度以上とする必要が生じてくる。その場合の搬送波信号の周波数特性の一例を図3に示す。
【0008】
しかしながら、上記のような通信路において従来より高い周波数帯域を使用した場合には、次のような問題が生じる。即ち、上記のような伝送においては、受信端でのインピーダンス整合が適切でないと、入射波の一部が反射し、入射波と反射波との干渉(合成)により図4に示すような定在波が発生する。理論的には、この定在波の波長λと周波数fとの関係は、
λ=c/f
但し、cは光速
となる。
【0009】
例えば搬送波信号の周波数が250kHzである場合、そのときの1波長は約1200m、1/4波長は約300mである。従って、送信端から受信端までのケーブルの長さが300mに近づくほどその信号減衰の程度が大きくなり、ちょうど300mであるときに信号減衰が最大となる可能性がある。但し、一般的な居宅における住宅設備機器の設置条件を考えてみると、ケーブルの長さが100mを越えるようなことはまずあり得ず、そのような長さのケーブルは始めから用意されていないことが多い。換言すれば、従来利用されていた通信の条件下では、伝送途中での信号減衰を考慮する必要は殆どなかった。これに対し、例えば搬送波信号の周波数を従来の約4倍の1MHzに上げると、その1波長は約300mとなり、1/4波長は約75mとなる。つまり、送信端から受信端までのケーブルの長さが75mに近づくほどその信号減衰の程度が大きくなり、75mであるときに信号減衰が最大になる可能性が生じる。
【0010】
住宅設備機器システムの場合、居宅の間取りや住居構造などによって、各機器の配置は様々であるとともに配線などにも様々な制約が生じる。そのため、例えば、図1に示したような給湯システムに対応する各機器の配置に関して、図2(a)に示すように給湯機1を中心に各リモコン2、3を周辺に接続する構成や、図2(b)に示すように1台のリモコン2を中継して他のリモコン3と給湯機1とを接続する構成、など様々な構成が考え得る。こうした構成によって、リモコン2、3間の通信路の長さLが変わり、また、通信線4を接続するコネクタの接続方式によって接続構成が変わり、インピーダンスの終端条件が変化することも考え得る。更にまた、3台以上のリモコンを通信線4に接続する場合もある。従って、通信線4の長さや終端条件を規定することによって、上記の如く信号減衰量が大きくなるような条件を避けるということは、現実的には不可能である。
【0011】
こうしたことから、例えば2台のリモコン間で通話を行おうとしたとき、場合によっては、一方のリモコンから送信した信号の減衰の程度が大きくて他のリモコンで復調が行えず又はエラーが多すぎて、通話が成立しないということがあり得る。また、通信線や住宅設備機器に近接している電気機器(例えばエアコンなど)が稼動していない状態では通信に支障がないものの、稼動し始めるとノイズの飛び込みにより通信が妨害されるという事態も起こり得る。
【0012】
もちろん、上記のような問題を回避するには、送信端においてできだけ大きな信号振幅で以て信号を送出することが考えられる。しかしながら、その場合、今度はこうしたリモコンや通信線が強力な電磁波発生源となってしまい、テレビ等の受信機器やそのほかの電子機器に悪影響を与える恐れもある。また、搬送波信号の振幅を上げようとすればそれだけ消費電力も大きくなるから、多くの場合、本来必要である以上に電力を無駄使いすることになり、省エネルギーの観点から好ましくない。
【0013】
本発明はかかる課題に鑑みて成されたものであり、その主たる目的とするところは、通信路のケーブルの長さや終端条件等に拘わらず、常に適切な通信状態を確立し、且つ外部への電磁波漏洩による妨害を最小限に抑えつつ消費電力も抑制することができるような住宅設備機器用リモコン通信システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明は、給湯機等の住宅設備機器と該機器を遠隔操作するためのリモコンとの間又は複数の前記リモコンの間で相互にデータの送受信を行うために、通信路に接続された少なくとも第1及び第2なる2台の送受信装置を含み、その通信方式としてデジタル変調を利用した通信を行う住宅設備機器用リモコン通信システムにおいて、
前記第1及び第2の送受信装置の間で、搬送波信号の振幅の大きさを変化させて試験的な通信を試行したときの該通信の成否に応じて、実際の通信の際の前記振幅を決定する搬送波振幅決定手段、を備えることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態、及び効果】
即ち、本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムでは、搬送波振幅決定手段は、第1の送受信装置において搬送波信号を或る振幅に設定した状態で試験信号の送信を試行し、第2の送受信装置にその試験信号が到達して受信できたか否かを検出する。受信できたことが確認された場合には通信が成功したわけであるから、そのときの振幅に基づいて実際の通信の際の搬送波振幅を決定する。一方、通信が不成功であった場合には、先に設定した搬送波信号の振幅が適切でなかったと判断し、搬送波信号の振幅を変化させて再び試験信号の送信を実行する。このようにして振幅を変化させながら試験信号の送信を繰り返し、通信が成功した時点で振幅を決定すればよい。
【0016】
本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムの具体的な一実施形態として、前記搬送波振幅決定手段は、
第1の送受信装置にあって、
a)搬送波信号の振幅を変化させる振幅調整手段と、
b)該振幅調整手段により所定の振幅を設定した状態で変調が施された所定の信号を、前記第2の送受信装置に向けて送信する試験信号送信手段と、
c)前記信号を送信した後に第2の送受信装置から返送されて来る応答信号を検出する応答信号検出手段と、
d)前記応答信号が戻って来たときには、前記設定された振幅に基づいて実際の通信の際の振幅を確定する一方、前記応答信号が得られないときには、前記振幅調整手段により搬送波信号の振幅を増加させて前記試験信号送信手段により再度送信を実行する制御手段と、
を含むとともに、第2の送受信装置にあって、
e)前記通信路を介して第1の送受信装置から送られて来た試験信号を検出する試験信号検出手段と、
f)前記試験信号の検出に応答して、第1の送受信装置に向けて応答信号を送信する応答信号送信手段と、
を含んで成る構成とすることができる。
【0017】
この構成では、本来目的とする情報の通信に先立って又はその通信の途中の適宜の時点で、第1の送受信装置において、振幅調整手段により搬送波信号の振幅を所定値に設定した上で、試験信号送信手段は通信路を介して第2の送受信装置に向けて試験信号を送信する。これに対し第2の送受信装置においては、試験信号検出手段が上記試験信号を問題なく受信すると、応答信号送信手段は第1の送受信装置に対して確認用の応答信号を返送する。第1の送受信装置において、応答信号検出手段は応答信号の返送を監視し、応答信号が戻って来るとこれを検出する。制御手段は、応答信号が戻って来た場合には、直前に送信した試験信号の搬送波振幅が適切であったと判断し、その振幅に基づいて実際の通信の際の振幅を確定させる。
【0018】
一方、例えば試験信号を送信してから規定時間以内に応答信号が戻って来なかった場合には、直前に送信した試験信号の搬送波振幅が不適切であったために試験信号が相手先(第2の送受信装置)に届かなかったものと判断する。そこで、振幅調整手段により搬送波信号の振幅を変化(一般的には増加)させ、試験信号送信手段は、搬送波振幅が変化した状態で、通信路を介して第2の送受信装置に向けて試験信号を再び送信する。送信端における搬送波信号の振幅が増加していれば受信端で受け取る信号のレベルも高くなり、その通信路での各種要因による信号減衰の影響を受けにくくなる。また、通信路に対しノイズの飛び込みがあった場合でも、信号レベルが相対的に高くなっているのでSN比としては有利になる。従って、搬送波振幅の変化前よりも、試験信号が相手先に届く可能性が高まる。このときにも先と同様に応答信号が戻って来ない場合には、更に搬送波振幅を増加させて試験信号の再送を試みればよい。
【0019】
こうして本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムによれば、通信路の長さや配設条件、機器の終端条件などの通信条件の如何に拘わらず、良好な通信が可能であるような搬送波信号の振幅を適切に定めて、通信が可能な状態を確立することができる。また、必要以上に搬送波信号の振幅を大きく定めることがなく、通信が可能な範囲で振幅を抑えることができる。それによって、送信電力を無駄に消費することがなく、機器や通信線から外部に放射される電磁波のエネルギーも抑制できるので他の電子機器等に対する影響を最小限に抑えることができる。
【0020】
更にまた、本発明によれば、良好な通信状態でデータ通信を行うことができるので、例えばデータのエラーや受信不良の際の再送要求を減らすことができ、全体として通信路の伝送レートの向上に寄与し得る。また、データの再送が減少することによって、送信側や受信側でバッファメモリに保存しておくデータ量が少なくて済むので、バッファメモリの容量を減らしてコストの削減にも有効である。
【0021】
本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムにおいて、前記試験信号送信手段は、送信する情報の一部に該時点での搬送波信号の振幅を表す情報を含ませる構成とすることが好ましい。
【0022】
これにより、試験信号を受け取った第2の送受信装置では、送信時の適切な搬送波振幅を認識することができる。第1の送受信装置から第2の送受信装置へ向けての送信と、その逆方向の送信とでは通信条件はほぼ同じであると看做すことができるから、例えば、前記応答信号送信手段は、受信した試験信号に含まれる前記搬送波信号の振幅を表す情報に基づき搬送波信号の振幅を設定した上で、応答信号を送信する構成とするとよい。また、前記第2の送受信装置は、受信した試験信号に含まれる前記搬送波信号の振幅を表す情報に基づいて、当該送受信装置からの実際の通信の際の搬送波信号の振幅を確定する構成としてもよい。
【0023】
また、本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムは、第1の周波数を有する搬送波信号を用いた第1のデジタル変調信号と、該第1の周波数よりも高い第2の周波数を有する搬送波信号を用いた第2のデジタル変調信号とを重畳して通信を行うものであって、該第2のデジタル変調信号による通信に関して、前記試験的な通信による搬送波信号の振幅の設定を行う構成とすると好ましい。
【0024】
即ち、上述した理由により、搬送波信号の周波数が比較的高い場合に、通信路での信号減衰が問題となることが多い。そこで、こうした高い周波数の搬送波信号を用いた第2のデジタル変調信号に関してのみ、試験的な通信を実行して搬送波信号の振幅の設定を行えば充分である。これにより、試験的な通信に要する時間が短くて済むとともに、回路規模や制御プログラムのデータ量を抑制するのにも有効である。
【0025】
その場合の一実施形態として、前記第1のデジタル変調信号を用い、主として住宅設備機器の制御データを送信するとともに、前記第2のデジタル変調信号を用い、圧縮された音声データを送信する構成とすることができる。また、第2のデジタル変調信号の搬送波信号の周波数は略1MHz以上とするとよい。
【0026】
また、上述したような試験的な通信による搬送波信号の振幅の設定は、任意の時点で行うことが可能であるが、少なくとも第1及び第2の送受信装置に対する電力供給開始時に実行することが好ましい。これにより、住宅設備機器が新規に設置されたり、居宅のリフォーム等によって既存の住宅設備機器の配置が変更されたりした後に、実際の通信を行うに先立って試験的な通信が実行され、適切な搬送波振幅を決定することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムの一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
本実施例のリモコン通信システムを適用するのは、基本的には、既述の図1に示したような給湯システムである。この給湯システムでは、従来通り、浴室リモコン2及び台所リモコン3からキー操作を行うと、その操作に応じた制御データが通信線4を介して給湯機1へと伝送され、給湯機1の動作が制御されるようになっている。また、それ以外に、浴室リモコン2と台所リモコン3との間で通話が行えるようになっている。
【0029】
浴室リモコン2及び台所リモコン3は基本的には同一の構成を有している。図6はこのリモコンの電気系の機能的構成を示すブロック図である。制御の中心には、CPU101、タイマ102、ROM103、RAM104等を含む中央制御部10が据えられ、中央制御部10には通信処理部11、操作部12、表示制御部13、音声入出力制御部15等が接続されている。
【0030】
通信処理部11は、機能的に搬送波信号生成部111、分離・混合部112、変復調部113等を備える。搬送波信号生成部111はASK変調に必要な250kHzと1MHzの2つの搬送波信号を生成する。図3に示したように、250kHzの搬送波は制御データのASKに、1MHzの搬送波は音声データのASKに利用される。変復調部113は変調部と復調部とから成り、変調部では中央制御部10から与えられるデジタル信号に応じて2つの搬送波信号をそれぞれ振幅変調する。一方、復調部では分離・混合部112から与えられる2系統のASK信号を検波して、元のデジタル信号列を取り出して中央制御部10へと送る。分離・混合部112は、送信時には2系統のASK信号を重畳して通信線4へと送出し、受信時には、重畳されている2系統のASK信号を周波数帯域で分離して変復調部113へと与える。
【0031】
操作部12は給湯機1の動作制御のための各種操作キーを含み、これらの操作キーが操作される度に、操作内容に応じた信号を中央制御部10へ送る。表示制御部13は中央制御部10の指示に従って、LEDやLCDから成る表示器14を用いて視覚的に情報を表示する。また、音声入出力制御部15は、マイク17から入力された音声信号を適宜に増幅した後にデジタル信号に変換して中央制御部10へと送る一方、スピーカ16を用いて他のリモコンから送られて来た音声やブザー音等を出力する。
【0032】
中央制御部10は、操作部12からの操作指示信号や、通信処理部11を通じて給湯機1から送られて来る各種信号及び他のリモコンから送られて来る音声信号を所定の方法で処理し、その処理結果に応じて表示制御部13や音声入出力制御部15へ情報表示や音声出力に関する信号を送ったり、通信処理部11を通じて給湯機1へ制御信号を送ったり、同じく通信処理部11を通じて他のリモコンへ音声信号を送ったりする。なお、中央制御部10やその周囲の回路の一部は、マイクロコンピュータを中心に具現化することができ、該マイクロコンピュータが内蔵する又は外付けのROMに格納した制御プログラムを実行することにより、各種の制御を遂行することができる。
【0033】
通信線4を通して送受される信号は、一種のパケット通信の形式になっている。その1パケットの信号形式の一例を図5に示す。各パケットの先頭にはスタート信号、最後尾にはエンド信号が付加されており、これによってパケットの始まりと終わりとが認識可能である。アドレス信号は同一の通信線に接続される機器を識別するための信号であり、送信先の機器のアドレスを付加する。送信レベル信号については後述する。なお、本実施例では、音声データの伝送レートは40kbps程度、制御データの伝送レートは10kbps程度以下に設定している。
【0034】
本実施例の給湯システムでは、台所リモコン3と浴室リモコン2との間で行われる通話のための通信路を確立すべく実行される各リモコン2、3での動作に特徴を有する。以下、この点について、上記中央制御部10による制御の下でのリモコン2、3の動作を中心に説明する。リモコン2、3間での通話の際には、いずれにも優先権が設定されないか、或いは一方に優先権が設定されるが、後述する通信レベル設定処理の際には、便宜的に一方(ここでは台所リモコン3)をマスター、他方(ここでは浴室リモコン2)をスレーブに設定する。
【0035】
図7はマスター側である台所リモコン3における通信レベル設定処理時の処理手順を示すフローチャート、図8はスレーブ側である浴室リモコン2における通信レベル設定処理時の処理手順を示すフローチャートである。まず、これら図7、図8に従って、通信レベル設定処理時の動作を説明する。なお、上記のようにマスター側とスレーブ側のリモコンの構成は同一であるが、以下、便宜上、マスター側リモコンの構成要素には上記説明した符号の末尾にa、スレーブ側リモコンの構成要素には上記説明した符号の末尾にbを付する。
【0036】
マスター側の台所リモコン3の中央制御部10aでは、電力の供給が開始された後、又はリセット動作が実行された後に、初回の通信であるか否かを判定する(ステップS10)。本システムの設置工事の後などに始めて電力が供給される場合には、初回通信であると判定されるから、ステップS11へと進み、音声データを送信するための1MHzの搬送波信号の振幅である送信レベルを最小の[000]にセットする。なお、本実施例では、送信レベルは、図12に示すように[000]〜[111]の8段階で可変できるようになっている。
【0037】
そして、図5に示したような1パケット分の送信データをセットする(ステップS13)。この送信データにおいて送信レベル信号には、上記送信レベルを表すデータ(上記の場合には[000])を埋め込み、アドレス信号には浴室リモコン2のアドレスを埋め込む。その後、搬送波信号生成部111aに対し送信レベル制御信号を出力する(ステップS14)。これにより、搬送波信号生成部111aは送信レベル[000]に対応した振幅値で周波数が1MHzである搬送波信号を生成し、変復調部113aでは中央制御部10aから出力されたデータで上記搬送波信号を振幅変調して、試験信号として通信線4に送出する。このときには、250kHzの搬送波信号によるASK信号は重畳してもしなくてもよい。
【0038】
上記試験信号を送信した後、中央制御部10aはタイマ102aにより返信待ち時間の計時を開始する(ステップS16)。その後、スレーブ側である浴室リモコン2からの応答信号を受信したか否かを判定し(ステップS17)、未だ受信していなければタイマ102aの計時がタイムアウト時間tpを経過したか否かを判定する(ステップS19)。即ち、ステップS16でタイマ102aの計時をスタートした後、タイムアウトになるまではステップS17及びS19の繰り返しにより、応答信号が来るまで待機する。この間に応答信号を受信したならば、ステップS17からS18へと進み、その時点でセットされている送信レベルを次回の送信レベルとするために、RAM104aの送信レベルデータ記憶領域に記憶する。
【0039】
一方、応答信号が受信できないままタイムアウトに到った場合には、ステップS19からステップS20へと進み、そのときの送信レベルが既に最大値[111]であるか否かを判定する。送信レベルが最大値[111]に達していなければ、送信レベルを1段階だけ増加し(ステップS21)、ステップS13へと戻って再び上記のようなステップS13→S14→S15→S16→S17の処理を実行する。従って、試験信号の送信を実行した後、タイムアウト時間内に通信線4を通して応答信号が戻って来ない場合には、図12において右方向に移動するように送信レベルは1段階ずつ増加してゆき、搬送波信号の振幅は段階的に大きくなってゆく。当然のことながら、搬送波信号の振幅が大きくなれば、それだけ受信側で受ける際の信号レベルは高くなり、また外来ノイズに対するSN比は改善される。
【0040】
上記のように段階的に送信レベルを上げていったにも拘わらず応答信号が戻って来ない場合、最終的には、ステップS20で送信レベルが最大値[111]であると判定される。このときには、本リモコンで定められている最も大きな信号振幅で試験信号を送信しても、受信側で適切に受信できなかったものと判断し、表示制御部13aを介して表示器14aに通信エラーを表示する(ステップS21)。設置作業者(又はユーザ)はこの表示を見て、通信が正常に行えないような何らかの不具合があったことを認識し、適切な処置をとることができる。
【0041】
一方、スレーブ側である浴室リモコン2の中央制御部10bでは、電力の供給が開始された後又はリセットが実行された後に、タイマ102bにより受信待ち時間の計時を開始する(ステップS30)。そして、通信線4を通して受信すべき試験信号が到来したか否かを判定し(ステップS31)、未だ受信していなければタイマ102bの計時がタイムアウト時間tqを経過したか否かを判定する(ステップS37)。即ち、ステップS30でタイマ102bの計時をスタートした後、タイムアウトになるまではステップS31及びS37の繰り返しにより、試験信号が送られて来るまで待機する。なお、ここで言う試験信号の「受信」とは、単に試験信号を検出したのではなく、その試験信号に含まれるデータが正常であることが確認された状態を言う。従って、例えばデータ中にエラー検出コードが含まれている場合には、そのコードを用いたチェックの結果、エラーがなくデータが正常であることを認識する必要がある。
【0042】
タイムアウトまでの間に試験信号を受信したならば、ステップS31からS32へと進み、受信した試験信号に含まれる送信レベルデータを抽出する。そして、この送信レベルデータで表現される送信レベルを次回の送信レベルとするために、RAM104bの送信レベルデータ記憶領域に記憶する(ステップS33)。そして、返信すべき応答信号を構成するデータをセットし(ステップS34)、その送信レベルに応じて搬送波信号生成部111bに送信レベル制御信号を出力する(ステップS35)。そして、その送信レベルに対応した搬送波振幅で以てASK変調を行い、応答信号を通信線4を介して台所リモコン3に向けて送信する(ステップS36)。
【0043】
一方、ステップS37において試験信号を受信できないままタイムアウトに到った場合には、本リモコンで定められている最も大きな信号レベルで試験信号が送られて来たにも拘わらず受信できなかったものと判断し、表示制御部13bを介して表示器14bに通信エラーを表示する(ステップS38)。設置作業者(又はユーザ)はこの表示を見て、通信が正常に行えないような何らかの不具合があったことを認識し、適切な処置をとることができる。
【0044】
理解を容易にするために、様々な場合における両リモコン2、3の状態遷移を、図9〜図11に示す。
【0045】
図9は、1回目の試験信号の送信によって、正常な受信が可能であった場合である。即ち、台所リモコン3から送られた試験信号は浴室リモコン2に到達して受信され、それに対して短時間の間に、浴室リモコン2から台所リモコン3に応答信号の返信が実行される。従って、台所リモコン3側では、タイムアウト時間tpが経過する以前に応答信号を受け取ることができ、これによって次回以降の送信レベルが確定する。
【0046】
図10は、1回目の試験信号の送信は正常でなかったが、送信レベルを1段階上げた2回目の試験信号の送信により受信が可能であった場合である。即ち、台所リモコン3から送られた1回目の試験信号は浴室リモコン2で受信されず、そのため、台所リモコン3では応答信号を受け取れないままタイムアウト時間tpが経過してしまう。その結果を受けて、台所リモコン3では送信レベルを1段階上げて試験信号の再送信を行うと、その2回目の試験信号は浴室リモコン2に到達して受信され、それに対して短時間の間に、浴室リモコン2から台所リモコン3に応答信号が返信される。従って、台所リモコン3では、2回目のタイムアウト時間tpが経過する以前に応答信号を受け取ることができ、これによって次回以降の送信レベルが確定する。
【0047】
図11は、送信レベルを最大限に上げても受信が行えなかった場合である。即ち、台所リモコン3から送信レベルを段階的に上げて試験信号を送っても、いずれも浴室リモコン2で受信されず、そのため、毎回、台所リモコン3では応答信号を受け取れないままタイムアウト時間tpが経過してしまう。その結果、台所リモコン3では通信エラーが表示器14に表示される。一方、浴室リモコン2では、台所リモコン3からの試験信号の到着を待つが、少なくとも復調可能であるような試験信号が来ないままタイムアウト時間tqが経過してしまう。その結果、浴室リモコン2でも通信エラーが表示器14に表示される。
【0048】
通信線4の通信条件によって、例えば図12に示すような受信可能レベルの状態にあった場合、上記のような送信レベル設定処理により、送信レベル[010]では試験信号の通信が成功しないが、送信レベルを更に1段階上げて[011]にすると、試験信号の通信が成功する筈である。従って、その場合には、台所リモコン3と浴室リモコン2の送信レベルは[011]に決定される。
【0049】
本実施例のような給湯システムでは、一般的に、リモコン2、3や給湯機1に一旦、電力を供給し始めると、電力が遮断されるのは、停電、ブレーカによる強制的な電源遮断時、設備の移設や故障修理などの工事などの場合だけである。従って、電力の供給開始時に送信レベルを決めてしまえば、その後に、送信レベルを上げる必要が生じることは少ない。しかしながら、例えば、他の電気機器と通信線との距離が近い場合など外来ノイズの飛び込みが多い環境下で、且つそのノイズの状態が時間的に変動し易いような場合には、ノイズが少なく通信条件が良好な状態で一旦送信レベルを定めても、ノイズが増加して通信条件が悪化したときに通信が不能に陥るようなことが起こり得る。
【0050】
そうした場合を考慮して、電力供給開始時点以外でも、例えば定期的又は不定期に、上記送信レベルの設定処理を実行するようにしてもよい。その場合には、図7のフローチャートにおいてステップS10で初回通信でないと判定され、前回の送信レベルがセットされた状態で(ステップS12)、ステップS13以降の処理が実行される。従って、ノイズの増加等により通信条件が悪化している場合には、新たに送信レベルが設定し直され、良好な通信が可能であるような搬送波振幅によりASK変調が行われる。
【0051】
上記実施例は本発明の一実施例にすぎず、各種の形態に変形することができる。例えば、上記説明では、送信レベル設定処理において段階的な送信レベルの増加が一巡した時点で通信エラーと判断したが、こうした段階的な送信レベルの増加(又は増減)を複数回繰り返して行い、所定回数の繰り返しの間に応答信号が戻って来ないか、或いは所定時間が経過する間に応答信号が戻って来ない場合に、始めて通信エラーであると判断してもよい。また逆に、1回通信が成功してもそれで送信レベルを確定せず、同じ送信レベルでの通信が複数回成功した場合に、始めて通信が正常に行えると判断して送信レベルを確定するようにしてもよい。このように信頼性を向上させるために、適宜の変更を加えることができる。
【0052】
また、上記実施例は、音声データの通信が台所リモコン3と浴室リモコン2との間のみで行われる形態の例であったが、3台以上のリモコンが同一の通信線に接続され、その3台のリモコンの任意の2台の間で音声データの相互通信が行われる形態も考えられる。例えば、いま3台のリモコンが設置される場合について考えると、任意の2台のリモコンを選択する組み合わせは3通り考え得る。これら3通りのリモコンの組み合わせにおける各通信路の状態はそれぞれ相違する場合があるから、上記実施例のように送信レベルを設定するために、その3つの組み合わせのそれぞれについて適切な送信レベルを調べる必要がある。その場合、一方をマスター、他をスレーブとし、上記のような送信レベル設定処理を順次実行すればよい。
【0053】
但し、実際に通信を行う場合に、通信の相手先のリモコンによって送信レベルの設定を変更するのはハードウエア的に煩わしい場合もあるから、そうした場合には、上記のような複数の組み合わせについて送信レベルを調べた中で最も高い送信レベルを選択し、いずれのリモコン間で通信を行う場合にもその統一された送信レベルを利用してもよい。
【0054】
また、上記実施例では音声データを通信するためのASK信号に送信レベル設定処理を適用していたが、必ずしも音声データでなくとも、一般に伝送レートが従来の制御データの伝送レートよりも高く、高い周波数の搬送波信号を必要とするような各種データの通信に利用することができる。具体的に言えば、例えば音楽CD等を再生して得られるオーディオデータを通信線4を通して浴室リモコン2に送り、浴室内で音楽を楽しむといった応用が考え得る。また、音声データやオーディオデータでなく、映像データ(圧縮動画像データ)を通信線4を通して送り、その映像を浴室リモコンが備える小型ディスプレイを通して鑑賞するというような応用も考えられる。
【0055】
また、本発明を適用可能なデジタル変調方式もASKに限定するものではなく、送信端で搬送波信号の振幅を変化させることによって受信端での受信性能が変化するような全ての変調方式に適用できることは明らかである。従って、具体的に言えば、ASKのほか、FSK(Frequency Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)、更にはQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)などの多値変調にも適用が可能である。
【0056】
更にまた、上記で言及した以外の点についても、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本発明に包含されることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象である住宅設備機器システムの一例である給湯システムの概略構成を示す図。
【図2】図1の住宅設備機器システムの配線構成の例を示す図。
【図3】住宅設備機器システムにおける搬送波信号の周波数特性を示す図。
【図4】信号減衰の原理を説明するための図。
【図5】本実施例の給湯システムにおける送信データの1パケットの信号形式の一例を示す図。
【図6】本実施例の給湯システムにおけるリモコンの電気系の機能的構成を示すブロック図。
【図7】マスター側リモコンにおける通信レベル設定処理時の処理手順を示すフローチャート。
【図8】スレーブ側リモコンにおける通信レベル設定処理時の処理手順を示すフローチャート。
【図9】本実施例の給湯システムにおける台所リモコン及び浴室リモコンの状態遷移の一例を示す図。
【図10】本実施例の給湯システムにおける台所リモコン及び浴室リモコンの状態遷移の一例を示す図。
【図11】本実施例の給湯システムにおける台所リモコン及び浴室リモコンの状態遷移の一例を示す図。
【図12】本実施例の給湯システムにおける搬送波信号の送信レベルの変化を模式的に示す図。
【符号の説明】
1…給湯機
2…浴室リモコン
3…台所リモコン
4…通信線
10…中央制御部
101…CPU
102…タイマ
103…ROM
104…RAM
11…通信処理部
111…搬送波信号生成部
112…分離・混合部
113…変復調部
12…操作部
13…表示制御部
14…表示器
15…音声入出力制御部
16…スピーカ
17…マイク
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室や台所等に給湯を行う給湯機を始めとする各種住宅設備機器を遠隔操作・制御するために使用されるリモコン通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般家庭において、浴室や台所などに給湯を行う給湯機を遠隔操作するために、浴室内や台所の壁面などにリモコンが設置され、該リモコンでのキー操作により、給湯機の始動・停止、湯温や湯量の設定などが行えるような給湯システムが普及している。図1は、こうした給湯システムの配置の一例を示す概略図である。
【0003】
この例では、屋外にガス燃焼式の給湯機(熱源)1が設置され、屋内の浴室5及び台所6に浴室リモコン2及び台所リモコン3がそれぞれ設置されている。給湯機1、浴室リモコン2及び台所リモコン3は居宅の壁面内や屋根裏等に配設された通信線4に接続されており、浴室リモコン2及び台所リモコン3のいずれからも給湯機1の運転に関する操作が可能となっている。なお、給湯機1がガス燃焼式でなく電気式である場合には通常屋内に設置されるが、その場合でも、通信線4を介してリモコン2、3と接続される点は同様である。
【0004】
こうした給湯設備を始めとする各種住宅設備機器は日常生活の基盤となるものであり、故障によって運転が行えない等の不具合が発生すると、居住者に非常な不便を強いることになる。そのため、上記のような給湯システムを始めとする住宅設備機器システムにおける、リモコン2、3と給湯機1との間の通信線4を介しての制御データ等の通信には、高い信頼性が要求される。こうした点を考慮して、住宅設備機器用の通信方式としては、従来、デジタル変調方式の1つである搬送波振幅偏移方式(以下ASK(=Amplitude Shift Keying)と称す)が利用されている(例えば、特許文献1参照)。上記システムにおいて通信線4を介して送受するデータは、主としてリモコン2、3でのキー操作に対応したデータやその他の各種の制御データであり、それほど高い伝送レートは必要ない。そこで、ASKの搬送波信号の周波数としては、200kHz〜300kHz程度の比較的低い周波数が利用されている。
【0005】
一方、最近、入浴者の安全を台所から確認する等の目的で、浴室リモコン2の操作者(入浴者)P1と台所リモコン3の操作者P2との間で通話が可能であるような、いわゆるインターホン機能を有する給湯システムが提案されている。こうしたシステムでは、制御データを送受するために利用される通信線4を介して音声情報も送受できるようにすることが望ましく、例えば特許文献2には、音声信号をアナログ変調の1つであるFM変調してASK信号に重畳する方法が開示されている。しかしながら、FM変調のようなアナログ変調方式では、耐雑音性や通信可能距離等に問題がある。また、将来的に音声品質を向上させたいような場合に、拡張性・発展性に乏しいという問題もある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−13971号公報(段落0004、図3)
【特許文献2】
特開2001−119764号公報(段落0007、0008、及び図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなインターホン機能を備える住宅設備機器システムでは、伝送品質の確保の容易性や拡張性を考えると、音声情報もデジタル化し、制御データを伝送する際のASK信号の周波数帯域と分離可能な帯域を占める信号に変換した上で、該ASK信号に重畳する方法が有利である。また、変復調等の処理回路量の規模などを考慮すると、制御データのASK信号とは異なる周波数の搬送波信号を用いたASKを利用すると都合がよい。この場合、周知の各種音声圧縮方式を利用することにより音声情報のデータ量を削減することは可能であるが、それでも圧縮音声データの伝送レートは上記のような制御データの伝送レートに比べればかなり高くなる。そのため、ASKの際の搬送波信号の周波数を高く設定しなければならず、例えば1MHz程度以上とする必要が生じてくる。その場合の搬送波信号の周波数特性の一例を図3に示す。
【0008】
しかしながら、上記のような通信路において従来より高い周波数帯域を使用した場合には、次のような問題が生じる。即ち、上記のような伝送においては、受信端でのインピーダンス整合が適切でないと、入射波の一部が反射し、入射波と反射波との干渉(合成)により図4に示すような定在波が発生する。理論的には、この定在波の波長λと周波数fとの関係は、
λ=c/f
但し、cは光速
となる。
【0009】
例えば搬送波信号の周波数が250kHzである場合、そのときの1波長は約1200m、1/4波長は約300mである。従って、送信端から受信端までのケーブルの長さが300mに近づくほどその信号減衰の程度が大きくなり、ちょうど300mであるときに信号減衰が最大となる可能性がある。但し、一般的な居宅における住宅設備機器の設置条件を考えてみると、ケーブルの長さが100mを越えるようなことはまずあり得ず、そのような長さのケーブルは始めから用意されていないことが多い。換言すれば、従来利用されていた通信の条件下では、伝送途中での信号減衰を考慮する必要は殆どなかった。これに対し、例えば搬送波信号の周波数を従来の約4倍の1MHzに上げると、その1波長は約300mとなり、1/4波長は約75mとなる。つまり、送信端から受信端までのケーブルの長さが75mに近づくほどその信号減衰の程度が大きくなり、75mであるときに信号減衰が最大になる可能性が生じる。
【0010】
住宅設備機器システムの場合、居宅の間取りや住居構造などによって、各機器の配置は様々であるとともに配線などにも様々な制約が生じる。そのため、例えば、図1に示したような給湯システムに対応する各機器の配置に関して、図2(a)に示すように給湯機1を中心に各リモコン2、3を周辺に接続する構成や、図2(b)に示すように1台のリモコン2を中継して他のリモコン3と給湯機1とを接続する構成、など様々な構成が考え得る。こうした構成によって、リモコン2、3間の通信路の長さLが変わり、また、通信線4を接続するコネクタの接続方式によって接続構成が変わり、インピーダンスの終端条件が変化することも考え得る。更にまた、3台以上のリモコンを通信線4に接続する場合もある。従って、通信線4の長さや終端条件を規定することによって、上記の如く信号減衰量が大きくなるような条件を避けるということは、現実的には不可能である。
【0011】
こうしたことから、例えば2台のリモコン間で通話を行おうとしたとき、場合によっては、一方のリモコンから送信した信号の減衰の程度が大きくて他のリモコンで復調が行えず又はエラーが多すぎて、通話が成立しないということがあり得る。また、通信線や住宅設備機器に近接している電気機器(例えばエアコンなど)が稼動していない状態では通信に支障がないものの、稼動し始めるとノイズの飛び込みにより通信が妨害されるという事態も起こり得る。
【0012】
もちろん、上記のような問題を回避するには、送信端においてできだけ大きな信号振幅で以て信号を送出することが考えられる。しかしながら、その場合、今度はこうしたリモコンや通信線が強力な電磁波発生源となってしまい、テレビ等の受信機器やそのほかの電子機器に悪影響を与える恐れもある。また、搬送波信号の振幅を上げようとすればそれだけ消費電力も大きくなるから、多くの場合、本来必要である以上に電力を無駄使いすることになり、省エネルギーの観点から好ましくない。
【0013】
本発明はかかる課題に鑑みて成されたものであり、その主たる目的とするところは、通信路のケーブルの長さや終端条件等に拘わらず、常に適切な通信状態を確立し、且つ外部への電磁波漏洩による妨害を最小限に抑えつつ消費電力も抑制することができるような住宅設備機器用リモコン通信システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明は、給湯機等の住宅設備機器と該機器を遠隔操作するためのリモコンとの間又は複数の前記リモコンの間で相互にデータの送受信を行うために、通信路に接続された少なくとも第1及び第2なる2台の送受信装置を含み、その通信方式としてデジタル変調を利用した通信を行う住宅設備機器用リモコン通信システムにおいて、
前記第1及び第2の送受信装置の間で、搬送波信号の振幅の大きさを変化させて試験的な通信を試行したときの該通信の成否に応じて、実際の通信の際の前記振幅を決定する搬送波振幅決定手段、を備えることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態、及び効果】
即ち、本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムでは、搬送波振幅決定手段は、第1の送受信装置において搬送波信号を或る振幅に設定した状態で試験信号の送信を試行し、第2の送受信装置にその試験信号が到達して受信できたか否かを検出する。受信できたことが確認された場合には通信が成功したわけであるから、そのときの振幅に基づいて実際の通信の際の搬送波振幅を決定する。一方、通信が不成功であった場合には、先に設定した搬送波信号の振幅が適切でなかったと判断し、搬送波信号の振幅を変化させて再び試験信号の送信を実行する。このようにして振幅を変化させながら試験信号の送信を繰り返し、通信が成功した時点で振幅を決定すればよい。
【0016】
本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムの具体的な一実施形態として、前記搬送波振幅決定手段は、
第1の送受信装置にあって、
a)搬送波信号の振幅を変化させる振幅調整手段と、
b)該振幅調整手段により所定の振幅を設定した状態で変調が施された所定の信号を、前記第2の送受信装置に向けて送信する試験信号送信手段と、
c)前記信号を送信した後に第2の送受信装置から返送されて来る応答信号を検出する応答信号検出手段と、
d)前記応答信号が戻って来たときには、前記設定された振幅に基づいて実際の通信の際の振幅を確定する一方、前記応答信号が得られないときには、前記振幅調整手段により搬送波信号の振幅を増加させて前記試験信号送信手段により再度送信を実行する制御手段と、
を含むとともに、第2の送受信装置にあって、
e)前記通信路を介して第1の送受信装置から送られて来た試験信号を検出する試験信号検出手段と、
f)前記試験信号の検出に応答して、第1の送受信装置に向けて応答信号を送信する応答信号送信手段と、
を含んで成る構成とすることができる。
【0017】
この構成では、本来目的とする情報の通信に先立って又はその通信の途中の適宜の時点で、第1の送受信装置において、振幅調整手段により搬送波信号の振幅を所定値に設定した上で、試験信号送信手段は通信路を介して第2の送受信装置に向けて試験信号を送信する。これに対し第2の送受信装置においては、試験信号検出手段が上記試験信号を問題なく受信すると、応答信号送信手段は第1の送受信装置に対して確認用の応答信号を返送する。第1の送受信装置において、応答信号検出手段は応答信号の返送を監視し、応答信号が戻って来るとこれを検出する。制御手段は、応答信号が戻って来た場合には、直前に送信した試験信号の搬送波振幅が適切であったと判断し、その振幅に基づいて実際の通信の際の振幅を確定させる。
【0018】
一方、例えば試験信号を送信してから規定時間以内に応答信号が戻って来なかった場合には、直前に送信した試験信号の搬送波振幅が不適切であったために試験信号が相手先(第2の送受信装置)に届かなかったものと判断する。そこで、振幅調整手段により搬送波信号の振幅を変化(一般的には増加)させ、試験信号送信手段は、搬送波振幅が変化した状態で、通信路を介して第2の送受信装置に向けて試験信号を再び送信する。送信端における搬送波信号の振幅が増加していれば受信端で受け取る信号のレベルも高くなり、その通信路での各種要因による信号減衰の影響を受けにくくなる。また、通信路に対しノイズの飛び込みがあった場合でも、信号レベルが相対的に高くなっているのでSN比としては有利になる。従って、搬送波振幅の変化前よりも、試験信号が相手先に届く可能性が高まる。このときにも先と同様に応答信号が戻って来ない場合には、更に搬送波振幅を増加させて試験信号の再送を試みればよい。
【0019】
こうして本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムによれば、通信路の長さや配設条件、機器の終端条件などの通信条件の如何に拘わらず、良好な通信が可能であるような搬送波信号の振幅を適切に定めて、通信が可能な状態を確立することができる。また、必要以上に搬送波信号の振幅を大きく定めることがなく、通信が可能な範囲で振幅を抑えることができる。それによって、送信電力を無駄に消費することがなく、機器や通信線から外部に放射される電磁波のエネルギーも抑制できるので他の電子機器等に対する影響を最小限に抑えることができる。
【0020】
更にまた、本発明によれば、良好な通信状態でデータ通信を行うことができるので、例えばデータのエラーや受信不良の際の再送要求を減らすことができ、全体として通信路の伝送レートの向上に寄与し得る。また、データの再送が減少することによって、送信側や受信側でバッファメモリに保存しておくデータ量が少なくて済むので、バッファメモリの容量を減らしてコストの削減にも有効である。
【0021】
本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムにおいて、前記試験信号送信手段は、送信する情報の一部に該時点での搬送波信号の振幅を表す情報を含ませる構成とすることが好ましい。
【0022】
これにより、試験信号を受け取った第2の送受信装置では、送信時の適切な搬送波振幅を認識することができる。第1の送受信装置から第2の送受信装置へ向けての送信と、その逆方向の送信とでは通信条件はほぼ同じであると看做すことができるから、例えば、前記応答信号送信手段は、受信した試験信号に含まれる前記搬送波信号の振幅を表す情報に基づき搬送波信号の振幅を設定した上で、応答信号を送信する構成とするとよい。また、前記第2の送受信装置は、受信した試験信号に含まれる前記搬送波信号の振幅を表す情報に基づいて、当該送受信装置からの実際の通信の際の搬送波信号の振幅を確定する構成としてもよい。
【0023】
また、本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムは、第1の周波数を有する搬送波信号を用いた第1のデジタル変調信号と、該第1の周波数よりも高い第2の周波数を有する搬送波信号を用いた第2のデジタル変調信号とを重畳して通信を行うものであって、該第2のデジタル変調信号による通信に関して、前記試験的な通信による搬送波信号の振幅の設定を行う構成とすると好ましい。
【0024】
即ち、上述した理由により、搬送波信号の周波数が比較的高い場合に、通信路での信号減衰が問題となることが多い。そこで、こうした高い周波数の搬送波信号を用いた第2のデジタル変調信号に関してのみ、試験的な通信を実行して搬送波信号の振幅の設定を行えば充分である。これにより、試験的な通信に要する時間が短くて済むとともに、回路規模や制御プログラムのデータ量を抑制するのにも有効である。
【0025】
その場合の一実施形態として、前記第1のデジタル変調信号を用い、主として住宅設備機器の制御データを送信するとともに、前記第2のデジタル変調信号を用い、圧縮された音声データを送信する構成とすることができる。また、第2のデジタル変調信号の搬送波信号の周波数は略1MHz以上とするとよい。
【0026】
また、上述したような試験的な通信による搬送波信号の振幅の設定は、任意の時点で行うことが可能であるが、少なくとも第1及び第2の送受信装置に対する電力供給開始時に実行することが好ましい。これにより、住宅設備機器が新規に設置されたり、居宅のリフォーム等によって既存の住宅設備機器の配置が変更されたりした後に、実際の通信を行うに先立って試験的な通信が実行され、適切な搬送波振幅を決定することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明に係る住宅設備機器用リモコン通信システムの一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
本実施例のリモコン通信システムを適用するのは、基本的には、既述の図1に示したような給湯システムである。この給湯システムでは、従来通り、浴室リモコン2及び台所リモコン3からキー操作を行うと、その操作に応じた制御データが通信線4を介して給湯機1へと伝送され、給湯機1の動作が制御されるようになっている。また、それ以外に、浴室リモコン2と台所リモコン3との間で通話が行えるようになっている。
【0029】
浴室リモコン2及び台所リモコン3は基本的には同一の構成を有している。図6はこのリモコンの電気系の機能的構成を示すブロック図である。制御の中心には、CPU101、タイマ102、ROM103、RAM104等を含む中央制御部10が据えられ、中央制御部10には通信処理部11、操作部12、表示制御部13、音声入出力制御部15等が接続されている。
【0030】
通信処理部11は、機能的に搬送波信号生成部111、分離・混合部112、変復調部113等を備える。搬送波信号生成部111はASK変調に必要な250kHzと1MHzの2つの搬送波信号を生成する。図3に示したように、250kHzの搬送波は制御データのASKに、1MHzの搬送波は音声データのASKに利用される。変復調部113は変調部と復調部とから成り、変調部では中央制御部10から与えられるデジタル信号に応じて2つの搬送波信号をそれぞれ振幅変調する。一方、復調部では分離・混合部112から与えられる2系統のASK信号を検波して、元のデジタル信号列を取り出して中央制御部10へと送る。分離・混合部112は、送信時には2系統のASK信号を重畳して通信線4へと送出し、受信時には、重畳されている2系統のASK信号を周波数帯域で分離して変復調部113へと与える。
【0031】
操作部12は給湯機1の動作制御のための各種操作キーを含み、これらの操作キーが操作される度に、操作内容に応じた信号を中央制御部10へ送る。表示制御部13は中央制御部10の指示に従って、LEDやLCDから成る表示器14を用いて視覚的に情報を表示する。また、音声入出力制御部15は、マイク17から入力された音声信号を適宜に増幅した後にデジタル信号に変換して中央制御部10へと送る一方、スピーカ16を用いて他のリモコンから送られて来た音声やブザー音等を出力する。
【0032】
中央制御部10は、操作部12からの操作指示信号や、通信処理部11を通じて給湯機1から送られて来る各種信号及び他のリモコンから送られて来る音声信号を所定の方法で処理し、その処理結果に応じて表示制御部13や音声入出力制御部15へ情報表示や音声出力に関する信号を送ったり、通信処理部11を通じて給湯機1へ制御信号を送ったり、同じく通信処理部11を通じて他のリモコンへ音声信号を送ったりする。なお、中央制御部10やその周囲の回路の一部は、マイクロコンピュータを中心に具現化することができ、該マイクロコンピュータが内蔵する又は外付けのROMに格納した制御プログラムを実行することにより、各種の制御を遂行することができる。
【0033】
通信線4を通して送受される信号は、一種のパケット通信の形式になっている。その1パケットの信号形式の一例を図5に示す。各パケットの先頭にはスタート信号、最後尾にはエンド信号が付加されており、これによってパケットの始まりと終わりとが認識可能である。アドレス信号は同一の通信線に接続される機器を識別するための信号であり、送信先の機器のアドレスを付加する。送信レベル信号については後述する。なお、本実施例では、音声データの伝送レートは40kbps程度、制御データの伝送レートは10kbps程度以下に設定している。
【0034】
本実施例の給湯システムでは、台所リモコン3と浴室リモコン2との間で行われる通話のための通信路を確立すべく実行される各リモコン2、3での動作に特徴を有する。以下、この点について、上記中央制御部10による制御の下でのリモコン2、3の動作を中心に説明する。リモコン2、3間での通話の際には、いずれにも優先権が設定されないか、或いは一方に優先権が設定されるが、後述する通信レベル設定処理の際には、便宜的に一方(ここでは台所リモコン3)をマスター、他方(ここでは浴室リモコン2)をスレーブに設定する。
【0035】
図7はマスター側である台所リモコン3における通信レベル設定処理時の処理手順を示すフローチャート、図8はスレーブ側である浴室リモコン2における通信レベル設定処理時の処理手順を示すフローチャートである。まず、これら図7、図8に従って、通信レベル設定処理時の動作を説明する。なお、上記のようにマスター側とスレーブ側のリモコンの構成は同一であるが、以下、便宜上、マスター側リモコンの構成要素には上記説明した符号の末尾にa、スレーブ側リモコンの構成要素には上記説明した符号の末尾にbを付する。
【0036】
マスター側の台所リモコン3の中央制御部10aでは、電力の供給が開始された後、又はリセット動作が実行された後に、初回の通信であるか否かを判定する(ステップS10)。本システムの設置工事の後などに始めて電力が供給される場合には、初回通信であると判定されるから、ステップS11へと進み、音声データを送信するための1MHzの搬送波信号の振幅である送信レベルを最小の[000]にセットする。なお、本実施例では、送信レベルは、図12に示すように[000]〜[111]の8段階で可変できるようになっている。
【0037】
そして、図5に示したような1パケット分の送信データをセットする(ステップS13)。この送信データにおいて送信レベル信号には、上記送信レベルを表すデータ(上記の場合には[000])を埋め込み、アドレス信号には浴室リモコン2のアドレスを埋め込む。その後、搬送波信号生成部111aに対し送信レベル制御信号を出力する(ステップS14)。これにより、搬送波信号生成部111aは送信レベル[000]に対応した振幅値で周波数が1MHzである搬送波信号を生成し、変復調部113aでは中央制御部10aから出力されたデータで上記搬送波信号を振幅変調して、試験信号として通信線4に送出する。このときには、250kHzの搬送波信号によるASK信号は重畳してもしなくてもよい。
【0038】
上記試験信号を送信した後、中央制御部10aはタイマ102aにより返信待ち時間の計時を開始する(ステップS16)。その後、スレーブ側である浴室リモコン2からの応答信号を受信したか否かを判定し(ステップS17)、未だ受信していなければタイマ102aの計時がタイムアウト時間tpを経過したか否かを判定する(ステップS19)。即ち、ステップS16でタイマ102aの計時をスタートした後、タイムアウトになるまではステップS17及びS19の繰り返しにより、応答信号が来るまで待機する。この間に応答信号を受信したならば、ステップS17からS18へと進み、その時点でセットされている送信レベルを次回の送信レベルとするために、RAM104aの送信レベルデータ記憶領域に記憶する。
【0039】
一方、応答信号が受信できないままタイムアウトに到った場合には、ステップS19からステップS20へと進み、そのときの送信レベルが既に最大値[111]であるか否かを判定する。送信レベルが最大値[111]に達していなければ、送信レベルを1段階だけ増加し(ステップS21)、ステップS13へと戻って再び上記のようなステップS13→S14→S15→S16→S17の処理を実行する。従って、試験信号の送信を実行した後、タイムアウト時間内に通信線4を通して応答信号が戻って来ない場合には、図12において右方向に移動するように送信レベルは1段階ずつ増加してゆき、搬送波信号の振幅は段階的に大きくなってゆく。当然のことながら、搬送波信号の振幅が大きくなれば、それだけ受信側で受ける際の信号レベルは高くなり、また外来ノイズに対するSN比は改善される。
【0040】
上記のように段階的に送信レベルを上げていったにも拘わらず応答信号が戻って来ない場合、最終的には、ステップS20で送信レベルが最大値[111]であると判定される。このときには、本リモコンで定められている最も大きな信号振幅で試験信号を送信しても、受信側で適切に受信できなかったものと判断し、表示制御部13aを介して表示器14aに通信エラーを表示する(ステップS21)。設置作業者(又はユーザ)はこの表示を見て、通信が正常に行えないような何らかの不具合があったことを認識し、適切な処置をとることができる。
【0041】
一方、スレーブ側である浴室リモコン2の中央制御部10bでは、電力の供給が開始された後又はリセットが実行された後に、タイマ102bにより受信待ち時間の計時を開始する(ステップS30)。そして、通信線4を通して受信すべき試験信号が到来したか否かを判定し(ステップS31)、未だ受信していなければタイマ102bの計時がタイムアウト時間tqを経過したか否かを判定する(ステップS37)。即ち、ステップS30でタイマ102bの計時をスタートした後、タイムアウトになるまではステップS31及びS37の繰り返しにより、試験信号が送られて来るまで待機する。なお、ここで言う試験信号の「受信」とは、単に試験信号を検出したのではなく、その試験信号に含まれるデータが正常であることが確認された状態を言う。従って、例えばデータ中にエラー検出コードが含まれている場合には、そのコードを用いたチェックの結果、エラーがなくデータが正常であることを認識する必要がある。
【0042】
タイムアウトまでの間に試験信号を受信したならば、ステップS31からS32へと進み、受信した試験信号に含まれる送信レベルデータを抽出する。そして、この送信レベルデータで表現される送信レベルを次回の送信レベルとするために、RAM104bの送信レベルデータ記憶領域に記憶する(ステップS33)。そして、返信すべき応答信号を構成するデータをセットし(ステップS34)、その送信レベルに応じて搬送波信号生成部111bに送信レベル制御信号を出力する(ステップS35)。そして、その送信レベルに対応した搬送波振幅で以てASK変調を行い、応答信号を通信線4を介して台所リモコン3に向けて送信する(ステップS36)。
【0043】
一方、ステップS37において試験信号を受信できないままタイムアウトに到った場合には、本リモコンで定められている最も大きな信号レベルで試験信号が送られて来たにも拘わらず受信できなかったものと判断し、表示制御部13bを介して表示器14bに通信エラーを表示する(ステップS38)。設置作業者(又はユーザ)はこの表示を見て、通信が正常に行えないような何らかの不具合があったことを認識し、適切な処置をとることができる。
【0044】
理解を容易にするために、様々な場合における両リモコン2、3の状態遷移を、図9〜図11に示す。
【0045】
図9は、1回目の試験信号の送信によって、正常な受信が可能であった場合である。即ち、台所リモコン3から送られた試験信号は浴室リモコン2に到達して受信され、それに対して短時間の間に、浴室リモコン2から台所リモコン3に応答信号の返信が実行される。従って、台所リモコン3側では、タイムアウト時間tpが経過する以前に応答信号を受け取ることができ、これによって次回以降の送信レベルが確定する。
【0046】
図10は、1回目の試験信号の送信は正常でなかったが、送信レベルを1段階上げた2回目の試験信号の送信により受信が可能であった場合である。即ち、台所リモコン3から送られた1回目の試験信号は浴室リモコン2で受信されず、そのため、台所リモコン3では応答信号を受け取れないままタイムアウト時間tpが経過してしまう。その結果を受けて、台所リモコン3では送信レベルを1段階上げて試験信号の再送信を行うと、その2回目の試験信号は浴室リモコン2に到達して受信され、それに対して短時間の間に、浴室リモコン2から台所リモコン3に応答信号が返信される。従って、台所リモコン3では、2回目のタイムアウト時間tpが経過する以前に応答信号を受け取ることができ、これによって次回以降の送信レベルが確定する。
【0047】
図11は、送信レベルを最大限に上げても受信が行えなかった場合である。即ち、台所リモコン3から送信レベルを段階的に上げて試験信号を送っても、いずれも浴室リモコン2で受信されず、そのため、毎回、台所リモコン3では応答信号を受け取れないままタイムアウト時間tpが経過してしまう。その結果、台所リモコン3では通信エラーが表示器14に表示される。一方、浴室リモコン2では、台所リモコン3からの試験信号の到着を待つが、少なくとも復調可能であるような試験信号が来ないままタイムアウト時間tqが経過してしまう。その結果、浴室リモコン2でも通信エラーが表示器14に表示される。
【0048】
通信線4の通信条件によって、例えば図12に示すような受信可能レベルの状態にあった場合、上記のような送信レベル設定処理により、送信レベル[010]では試験信号の通信が成功しないが、送信レベルを更に1段階上げて[011]にすると、試験信号の通信が成功する筈である。従って、その場合には、台所リモコン3と浴室リモコン2の送信レベルは[011]に決定される。
【0049】
本実施例のような給湯システムでは、一般的に、リモコン2、3や給湯機1に一旦、電力を供給し始めると、電力が遮断されるのは、停電、ブレーカによる強制的な電源遮断時、設備の移設や故障修理などの工事などの場合だけである。従って、電力の供給開始時に送信レベルを決めてしまえば、その後に、送信レベルを上げる必要が生じることは少ない。しかしながら、例えば、他の電気機器と通信線との距離が近い場合など外来ノイズの飛び込みが多い環境下で、且つそのノイズの状態が時間的に変動し易いような場合には、ノイズが少なく通信条件が良好な状態で一旦送信レベルを定めても、ノイズが増加して通信条件が悪化したときに通信が不能に陥るようなことが起こり得る。
【0050】
そうした場合を考慮して、電力供給開始時点以外でも、例えば定期的又は不定期に、上記送信レベルの設定処理を実行するようにしてもよい。その場合には、図7のフローチャートにおいてステップS10で初回通信でないと判定され、前回の送信レベルがセットされた状態で(ステップS12)、ステップS13以降の処理が実行される。従って、ノイズの増加等により通信条件が悪化している場合には、新たに送信レベルが設定し直され、良好な通信が可能であるような搬送波振幅によりASK変調が行われる。
【0051】
上記実施例は本発明の一実施例にすぎず、各種の形態に変形することができる。例えば、上記説明では、送信レベル設定処理において段階的な送信レベルの増加が一巡した時点で通信エラーと判断したが、こうした段階的な送信レベルの増加(又は増減)を複数回繰り返して行い、所定回数の繰り返しの間に応答信号が戻って来ないか、或いは所定時間が経過する間に応答信号が戻って来ない場合に、始めて通信エラーであると判断してもよい。また逆に、1回通信が成功してもそれで送信レベルを確定せず、同じ送信レベルでの通信が複数回成功した場合に、始めて通信が正常に行えると判断して送信レベルを確定するようにしてもよい。このように信頼性を向上させるために、適宜の変更を加えることができる。
【0052】
また、上記実施例は、音声データの通信が台所リモコン3と浴室リモコン2との間のみで行われる形態の例であったが、3台以上のリモコンが同一の通信線に接続され、その3台のリモコンの任意の2台の間で音声データの相互通信が行われる形態も考えられる。例えば、いま3台のリモコンが設置される場合について考えると、任意の2台のリモコンを選択する組み合わせは3通り考え得る。これら3通りのリモコンの組み合わせにおける各通信路の状態はそれぞれ相違する場合があるから、上記実施例のように送信レベルを設定するために、その3つの組み合わせのそれぞれについて適切な送信レベルを調べる必要がある。その場合、一方をマスター、他をスレーブとし、上記のような送信レベル設定処理を順次実行すればよい。
【0053】
但し、実際に通信を行う場合に、通信の相手先のリモコンによって送信レベルの設定を変更するのはハードウエア的に煩わしい場合もあるから、そうした場合には、上記のような複数の組み合わせについて送信レベルを調べた中で最も高い送信レベルを選択し、いずれのリモコン間で通信を行う場合にもその統一された送信レベルを利用してもよい。
【0054】
また、上記実施例では音声データを通信するためのASK信号に送信レベル設定処理を適用していたが、必ずしも音声データでなくとも、一般に伝送レートが従来の制御データの伝送レートよりも高く、高い周波数の搬送波信号を必要とするような各種データの通信に利用することができる。具体的に言えば、例えば音楽CD等を再生して得られるオーディオデータを通信線4を通して浴室リモコン2に送り、浴室内で音楽を楽しむといった応用が考え得る。また、音声データやオーディオデータでなく、映像データ(圧縮動画像データ)を通信線4を通して送り、その映像を浴室リモコンが備える小型ディスプレイを通して鑑賞するというような応用も考えられる。
【0055】
また、本発明を適用可能なデジタル変調方式もASKに限定するものではなく、送信端で搬送波信号の振幅を変化させることによって受信端での受信性能が変化するような全ての変調方式に適用できることは明らかである。従って、具体的に言えば、ASKのほか、FSK(Frequency Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)、更にはQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)などの多値変調にも適用が可能である。
【0056】
更にまた、上記で言及した以外の点についても、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本発明に包含されることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象である住宅設備機器システムの一例である給湯システムの概略構成を示す図。
【図2】図1の住宅設備機器システムの配線構成の例を示す図。
【図3】住宅設備機器システムにおける搬送波信号の周波数特性を示す図。
【図4】信号減衰の原理を説明するための図。
【図5】本実施例の給湯システムにおける送信データの1パケットの信号形式の一例を示す図。
【図6】本実施例の給湯システムにおけるリモコンの電気系の機能的構成を示すブロック図。
【図7】マスター側リモコンにおける通信レベル設定処理時の処理手順を示すフローチャート。
【図8】スレーブ側リモコンにおける通信レベル設定処理時の処理手順を示すフローチャート。
【図9】本実施例の給湯システムにおける台所リモコン及び浴室リモコンの状態遷移の一例を示す図。
【図10】本実施例の給湯システムにおける台所リモコン及び浴室リモコンの状態遷移の一例を示す図。
【図11】本実施例の給湯システムにおける台所リモコン及び浴室リモコンの状態遷移の一例を示す図。
【図12】本実施例の給湯システムにおける搬送波信号の送信レベルの変化を模式的に示す図。
【符号の説明】
1…給湯機
2…浴室リモコン
3…台所リモコン
4…通信線
10…中央制御部
101…CPU
102…タイマ
103…ROM
104…RAM
11…通信処理部
111…搬送波信号生成部
112…分離・混合部
113…変復調部
12…操作部
13…表示制御部
14…表示器
15…音声入出力制御部
16…スピーカ
17…マイク
Claims (9)
- 給湯機等の住宅設備機器と該機器を遠隔操作するためのリモコンとの間又は複数の前記リモコンの間で相互にデータの送受信を行うために、通信路に接続された少なくとも第1及び第2なる2台の送受信装置を含み、その通信方式としてデジタル変調を利用した通信を行う住宅設備機器用リモコン通信システムにおいて、
前記第1及び第2の送受信装置の間で、搬送波信号の振幅の大きさを変化させて試験的な通信を試行したときの該通信の成否に応じて、実際の通信の際の前記振幅を決定する搬送波振幅決定手段、を備えることを特徴とする住宅設備機器用リモコン通信システム。 - 前記搬送波振幅決定手段は、
第1の送受信装置にあって、
a)搬送波信号の振幅を変化させる振幅調整手段と、
b)該振幅調整手段により所定の振幅を設定した状態で変調が施された所定の信号を、前記第2の送受信装置に向けて送信する試験信号送信手段と、
c)前記信号を送信した後に第2の送受信装置から返送されて来る応答信号を検出する応答信号検出手段と、
d)前記応答信号が戻って来たときには、前記設定された振幅に基づいて実際の通信の際の振幅を確定する一方、前記応答信号が得られないときには、前記振幅調整手段により搬送波信号の振幅を増加させて前記試験信号送信手段により再度送信を実行する制御手段と、
を含むとともに、第2の送受信装置にあって、
e)前記通信路を介して第1の送受信装置から送られて来た試験信号を検出する試験信号検出手段と、
f)前記試験信号の検出に応答して、第1の送受信装置に向けて応答信号を送信する応答信号送信手段と、
を含んで成ることを特徴とする請求項1に記載の住宅設備機器用リモコン通信システム。 - 前記試験信号送信手段は、送信する情報の一部に該時点での搬送波信号の振幅を表す情報を含ませることを特徴とする請求項2に記載の住宅設備機器用リモコン通信システム。
- 前記応答信号送信手段は、受信した試験信号に含まれる前記搬送波信号の振幅を表す情報に基づき搬送波信号の振幅を設定した上で、応答信号を送信することを特徴とする請求項3に記載の住宅設備機器用リモコン通信システム。
- 前記第2の送受信装置は、受信した試験信号に含まれる前記搬送波信号の振幅を表す情報に基づいて、当該送受信装置からの実際の通信の際の搬送波信号の振幅を確定することを特徴とする請求項3又は4に記載の住宅設備機器用リモコン通信システム。
- 第1の周波数を有する搬送波信号を用いた第1のデジタル変調信号と、該第1の周波数よりも高い第2の周波数を有する搬送波信号を用いた第2のデジタル変調信号とを重畳して通信を行うものであって、該第2のデジタル変調信号による通信に関して、前記試験的な通信による搬送波信号の振幅の設定を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の住宅設備機器用リモコン通信システム。
- 前記第1のデジタル変調信号を用い、主として住宅設備機器の制御データを送信するとともに、前記第2のデジタル変調信号を用い、圧縮された音声データを送信することを特徴とする請求項6に記載の住宅設備機器用リモコン通信システム。
- 前記第2のデジタル変調信号の搬送波信号の周波数は略1MHz以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載の住宅設備機器用リモコン通信システム。
- 少なくとも第1及び第2の送受信装置に対する電力供給開始時に、前記試験的な通信による搬送波信号の振幅の設定を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の住宅設備機器用リモコン通信システム。
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-
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