JP2004218672A - シールリング、それを装着した継手及びシールリング成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂パイプとの間の摩擦を低減することができ、継手に対する樹脂パイプの挿入接続を容易に行うことができるシールリング、それを装着した継手及びシールリング成形用金型を提供する。
【解決手段】継手は、略円筒状をなす継手本体11と内筒17とからなり、継手本体11の基端部内に内筒17の内端部が螺合されることにより構成されている。内筒17の外端部外周面には一対の収容溝22が周設され、各収容溝22にはシールリング23が嵌着されている。これらのシールリング23の外周面には、梨地処理が施され、多数の微細な凹部24及び凸部25が均一に形成されている。そして、梨地処理後のJIS B 0601(1994)に基づく最大高さRは2.5〜8.0μmに設定され、継手本体11に樹脂パイプ21を挿入接続する際には、樹脂パイプ21の内周面はシールリング23の凸部25の頂部25aとのみ接触するようになっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば水道配管、温水配管等と樹脂パイプとの間を接続する継手に用いられ、継手と樹脂パイプとの間をシールするシールリング、それを装着した継手及びシールリング成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂パイプが挿入接続可能な継手には、樹脂パイプが嵌挿される内筒が備えられ、該内筒の外周面には内筒と樹脂パイプとの間をシールするシールリングが装着されている。この種のシールリングとしては、以下に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、断面円形状をなし、外周面が樹脂パイプの内周面と接することにより、継手の内筒の外周面と樹脂パイプの内周面との間をシールするタイプのものである。
【0003】
前記継手の内部に備えられた内筒の外周面には一対のシールリングが装着されている。また、継手の先端部内周面には、その軸線方向外方へ向かうに従い縮径するテーパ部が形成され、該テーパ部にはロックリングが装着されている。このロックリングには複数の係止用刃が設けられ、該係止用刃の先端を結んだ内径は樹脂パイプの外径よりも小さく形成されている。そして、継手に樹脂パイプを挿入接続する際には、樹脂パイプの内周面が一対のシールリングの外面に摺接されるとともに、外周面がロックリングの係止用刃の先端に押圧されながら、樹脂パイプが継手の内奥側へ押し込まれるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001―263567号公報 (第3〜7頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の構成の場合、継手に樹脂パイプを挿入接続する際には、その内周面がシールリングの外周面に摺接されることによって生じる抵抗と、樹脂パイプの端部外周面がロックリング内を通過する際にロックリングの係止用刃から受ける抵抗とが重なる。このため、継手に樹脂パイプを挿入接続する際に樹脂パイプが受ける挿入力が増大し、樹脂パイプが接続し難いという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、樹脂パイプとの間の摩擦を低減することができ、継手に対する樹脂パイプの挿入接続を容易に行うことができるシールリング、それを装着した継手及びシールリング成形用金型を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のシールリングは、筒状をなす継手本体の一端部には管体が接続され、他端部には樹脂パイプが挿入されて接続されるとともに、接続された樹脂パイプを抜け止め保持するための保持手段が設けられ、内部には樹脂パイプが嵌挿される内筒が備えられ、該内筒の外周面には収容溝が設けられた継手の前記収容溝に嵌着され、内筒の外周面と樹脂パイプの内周面との間をシールするシールリングにおいて、前記シールリングの表面には樹脂パイプを挿入接続する際の樹脂パイプの摩擦を低減するための凹凸処理が施されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明のシールリングは、請求項1に記載の発明において、前記凹凸処理後のJIS B 0601(1994)に基づく最大高さ(R)は2.5〜8.0μmに設定されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明のシールリングは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記凹凸処理は樹脂パイプの内周面との接触部分にのみ施されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明の継手は、筒状をなす継手本体の一端部には管体が接続され、他端部には樹脂パイプが挿入されて接続されるとともに、接続された樹脂パイプを抜け止め保持するための保持手段が設けられ、内部には樹脂パイプが嵌挿される内筒が備えられ、かつ該内筒の外周面には収容溝が設けられ、その収容溝には請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシールリングが嵌着され、樹脂パイプを挿入接続する際の樹脂パイプの摩擦を低減するように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明のシールリング成形用金型は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシールリングを成形するシールリング成形用金型であって、シールリングの形状を有する成形凹部の内面には凹凸処理が施され、それによる凹凸形状がシールリングの表面に転写されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図3、図4及び図5に示すように、継手本体11は略円筒状をなし、その基端部外周面には第1雄ねじ部12が螺刻され、図示しない水道配管等の管体に螺合可能になっている。継手本体11の軸線13方向の中央部内周面は、基端部の内径よりも先端部の内径が大きくなる段差状に形成され、その段差部分が第1当接面14となっている。この第1当接面14よりも基端部内周面は、基端部の内径よりも先端部の内径が大きくなる段差状に形成されており、その段差部分が第2当接面15となっている。継手本体11の基端部内周面において、第2当接面15と第1当接面14との間には第1雌ねじ部16が螺刻されている。
【0013】
該第1雌ねじ部16には、略円筒状をなす内筒17の内端部に螺刻された第2雄ねじ部18が螺合されるとともに、内端面が第2当接面15に当接されている。内筒17の内端部外周面と継手本体11の基端部内周面との間にはOリング19が介装されており、内筒17の内端部外周面と継手本体11の基端部内周面との間をシールするようになっている。また、内筒17の外端部外周面と継手本体11の先端部内周面との間には樹脂パイプ挿入空間20が設けられ、該樹脂パイプ挿入空間20の厚みは樹脂パイプ21の厚みと略同一に設定されている。
【0014】
内筒17の外端部外周面には継手本体11の軸線13方向に沿って一対の収容溝22が周設され、各収容溝22にはシールリング23が嵌着されている。そして、樹脂パイプ挿入空間20に樹脂パイプ21が挿入接続されたときには、樹脂パイプ21の内周面に各シールリング23の外周面がそれぞれ密接されることにより、樹脂パイプ21の内周面と内筒17の外端部外周面との間がシールされるようになっている。
【0015】
図1(a)及び図3に示すように、各シールリング23には内筒17の外端部外周面よりも径方向外側に突出する断面山型状の突出部23aが形成され、該突出部23aよりも外端側には外端部外周面と略面一に形成された外周面を有する平坦部23bが設けられている。また、前記突出部23aと平坦部23bとの間には内筒17の外端部外周面よりも径方向内方へ凹む凹条23cが設けられている。図3に示すように、シールリング23の外周面、すなわち継手本体11に樹脂パイプ21が挿入接続される際に同樹脂パイプ21の内周面が摺接する部分には、樹脂パイプ21の摩擦を低減するための凹凸処理としての梨地処理が施されている。
【0016】
図1(a)及び(b)に示すように、シールリング23の外周面には多数の微細な凹部24及び凸部25が設けられ、これらの凸部25は山型状でその頂部25aは曲面状に形成されている。梨地処理後のシールリング23の外周面のJIS B 0601(1994)に基づく最大高さRは、好ましくは2.5〜8.0μm、さらに好ましくは2.5〜5.0μmに設定されている。ここで、Rは一連の凹部24及び凸部25の平均線26から最も高い凸部25の頂部25aまでの高さと最も低い凹部24の谷底24aまでの深さとの和で表されるものである。
【0017】
が2.5μm未満では、シールリング23の外周面の凹凸が不十分であり、樹脂パイプ21が継手に挿入接続される際には、樹脂パイプ21の内周面がシールリング23の外周面全体と摺接するため、樹脂パイプ21の内周面とシールリング23の外周面との間の摩擦が増大する。このため、継手に樹脂パイプ21を挿入接続する際に樹脂パイプ21が受ける挿入力を十分に低減することができない。一方、8.0μmを越えると、継手に接続された樹脂パイプ21の内周面と内筒17の外周面との間のシール性能が十分に確保されず、漏水するおそれがある。
【0018】
そして、継手本体11に樹脂パイプ21が挿入されたときには、樹脂パイプ21の内周面に各シールリング23の外周面の凸部25のみが密接されることにより、樹脂パイプ21の内周面と内筒17の外周面との間がシールされるようになっている。
【0019】
図3に示すように、継手本体11の先端部内周面には第2雌ねじ部27が螺刻され、略円筒状をなし、中心に挿入孔28aが貫通形成された押し輪28に螺刻された第3雄ねじ部28bが螺合されることにより、継手本体11の先端部に押し輪28が取付けられる。継手本体11の内周部において、第2雌ねじ部27よりも基端側には、内周全体にわたって係止段部29が形成されている。
【0020】
この係止段部29と押し輪28の先端面との間には、樹脂パイプ21を抜け止め保持する保持手段としての一対のロックリング30が、その間に円環状のスペーサ31を介装した状態で挟着されている。これらロックリング30は、ステンレス鋼等の金属材料製の円環状をなすベースリング30aと、ベースリング30aから内方へ同一長さで一定の角度をもって突出する複数の規制片30bとからそれぞれ構成されている。図4に示すように、継手に樹脂パイプ21が挿入接続される際には、両ロックリング30の各規制片30bの先端が外方へ押圧されながら樹脂パイプ21にそれぞれ摺接されるようになっている。
【0021】
前記第1当接面14より僅かに先端側には、貫通孔32が継手本体11の軸線13と直交する方向に延びるように1箇所形成されている。該貫通孔32には略円筒状をなすカラー33が嵌入されるとともに、樹脂パイプ21の継手本体11内への挿入状態を視認するための押出ピン34が前記カラー33を介して貫通孔32に挿通支持されている。
【0022】
前記継手本体11と、外周面の各収容溝22にシールリング23が嵌着された内筒17と、ロックリング30等とにより本実施形態の継手が構成されている。次に、上記したシールリング23を成形するためのシールリング成形用金型35について説明する。図2(a)に示すように、シールリング成形用金型35はシールリング23の外周面を成形する第1型35a及び第2型35bと、シールリング23の内周面を成形する第3型35cとから構成されている。また、第1型35a及び第2型35bと第3型35cとの間には前記シールリング23が成形される成形凹部38が設けられ、第1型35aと第2型35bとのパーティングライン36には成形凹部38に溶融した樹脂材料を流入させるゲート部37が設けられている。なお、この樹脂材料にはポリエーテルエーテルケトン樹脂等が用いられる。
【0023】
図2(b)に示すように、成形凹部38を形成する第1型35a及び第2型35bの内面にはエアーショットブラスト装置又はホーニング装置を用いて凹凸処理が施されており、多数の内面凹部39及び内面凸部40が均一に形成されている。また、第3型35cの外面には前記凹凸処理が施されておらず、平坦状に構成されている。
【0024】
そして、前記シールリング成形用金型35を用いてシールリング23を製造する際には、ゲート部37から溶融した樹脂材料を射出し、シールリング成形用金型35内で所要時間加熱及び加圧を行う。その後、各型35a、35b、35cを離型し、次いで前記シールリング23の成形品に形成されるゲート部37のゲート跡をカットする。このとき、シールリング成形用金型35の内面凹部39及び内面凸部40の形状がシールリング23の外周面に転写され、それぞれ多数の凸部25及び凹部24が形成される。
【0025】
次に、前記シールリング23を装着した継手の作用について以下に記載する。前記継手本体11に樹脂パイプ21を挿入接続する際には、図3に示すように、まず樹脂パイプ21の先端を樹脂パイプ挿入空間20に挿入する。樹脂パイプ21の端部が外端側のシールリング23を通過するときには、まずシールリング23の平坦部23bに樹脂パイプ21が嵌挿され、続いて突出部23aに嵌挿される。このとき、樹脂パイプ21の内周面によって径方向内側へ押圧されて圧縮変形した突出部23aは前記凹条23cに受容される。
【0026】
図1(a)及び図3に示すように、樹脂パイプ21はその内周面がシールリング23の山型状の凸部25に摺接しながら挿入される。このため、樹脂パイプ21は凸部25の頂部25aに案内されるとともに、シールリング23との接触面積が減少し、樹脂パイプ21の内周面とシールリング23の外周面との間の摩擦が低減される。また、シールリング23の内周面には梨地処理が施されておらず、平坦状となっているため、同シールリング23の内周面と収容溝22の底面との間に摩擦が生じ、収容溝22からのシールリング23の抜け出しが規制される。
【0027】
図4に示すように、樹脂パイプ21を継手本体11の内奥側へさらに挿入すると、両ロックリング30の各規制片30bの先端が樹脂パイプ21の外周面にそれぞれ摺接され、樹脂パイプ21は各規制片30bの元に戻ろうとする力に基づく内方への付勢力に抗して継手本体11の内奥側へ挿入される。そして、もう1つの収容溝22に嵌着されたシールリング23にも同様に樹脂パイプ21が嵌挿される。このとき、上記と同様に樹脂パイプ21の内周面とシールリング23の外周面との間の摩擦が低減されるとともに、収容溝22からのシールリング23の抜け出しが規制される。
【0028】
続いて、図5に示すように、前記押出ピン34の外端部の突出量が最大となるとともに、樹脂パイプ21の先端が継手本体11内の第1当接面14に当接するまで樹脂パイプ21を継手本体11の内奥側へさらに挿入する。その後、樹脂パイプ21に引き抜き力が作用したときには、両ロックリング30の各規制片30bの先端が樹脂パイプ21の外周面に食い込むことにより、樹脂パイプ21は継手本体11内に抜け止め保持される。
【0029】
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態のシールリング23の外周面には梨地処理が施されており、多数の凹部24及び凸部25が均一に形成されている。このため、継手本体11に樹脂パイプ21を挿入接続する際には、樹脂パイプ21とシールリング23との接触面積が減少する。従って、樹脂パイプ21とシールリング23との間の摩擦を低減することができ、継手に対する樹脂パイプ21の挿入接続を容易に行うことができる。
【0030】
・ また、梨地処理後のシールリング23の外周面のJIS B 0601(1994)に基づく最大高さRは、好ましくは2.5〜8.0μm、さらに好ましくは2.5〜5.0μmに設定されている。このため、樹脂パイプ21は、その内周面をシールリング23の凹部24に接触させることなく、凸部25の頂部25aにのみ接触させることにより継手本体11に挿入接続される。従って、樹脂パイプ21とシールリング23との接触面積が確実に減少し、樹脂パイプ21とシールリング23との間の摩擦がさらに低減し、継手に対する樹脂パイプ21の挿入接続をさらに容易に行うことができる。
【0031】
・ 実施形態のシールリング成形用金型35の第3型35cの外面には凹凸処理が施されていない。このため、シールリング23の内周面は平坦状に形成される。従って、シールリング成形用金型35への凹凸処理の手間を軽減でき、継手本体11に樹脂パイプ21を挿入接続する際の樹脂パイプ21とシールリング23との間の摩擦低減を効率良く達成することができる。また、シールリング23の内周面と収容溝22の底面との間に摩擦が生じ、収容溝22からのシールリング23の抜け出しを規制することができる。
【0032】
・ 実施形態の継手に内嵌された内筒17には、外周面に多数の凹部24及び凸部25が形成されたシールリング23が装着されている。このため、継手本体11に樹脂パイプ21を挿入接続する際には、シールリング23とロックリング30とから抵抗を受けていた従来と異なり、シールリング23との間に生じる摩擦が低減する。従って、樹脂パイプ21が受ける挿入力を低減することができる。
【0033】
・ 実施形態のシールリング成形用金型35は、シールリング23の外周面を形成する第1型35a及び第2型35bの内面に多数の内面凹部39及び内面凸部40が均一に形成されている。すなわち、前記シールリング23の外周面には成形と同時に前記内面凹部39及び内面凸部40の形状が転写され、それぞれ多数の凸部25及び凹部24が形成される。このため、得られたシールリング23の外周面にエアーショットブラスト装置又はホーニング装置を用いて凹凸処理を施す必要がなく、シールリング23の劣化を確実に防止することができる。
【0034】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ シールリング23の外周面の突出部23a及び平坦部23bにのみ梨地処理を施す構成を採用してもよい。
【0035】
・ シールリング23の外周面を成形する型は第1型35a及び第2型35bの2つに限定するものでなく、3つ以上でもよい。
・ 本実施形態の継手の保持手段を次のように構成してもよい。
【0036】
即ち、継手本体11の先端部内周面には、継手本体11の軸線13方向外方に向かうに従い拡径するテーパ面が形成される。継手本体11と押し輪28との間には保持手段としての前記軸線13方向に延びる切り割りが形成され、その外周面に継手本体11内のテーパ面に対応するテーパ面を有する押圧リングが介装される。
【0037】
継手に樹脂パイプ21を接続するときには、樹脂パイプを継手本体11内に挿入した後、スパナ等を用いて押し輪28を継手本体11に締付ける。このとき、押圧リングは、継手本体11内のテーパ面によってガイドされることにより縮径しながら継手本体11内に押し込まれ、押圧リングの内周面が樹脂パイプ21の外周面に圧接することにより、樹脂パイプ21は継手本体11内に抜け止め保持される。
【0038】
・ シールリング23の数は2つに限定するものでなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
・ シールリング23の形状を断面円形状、断面楕円形状等に変更してもよい。
【0039】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記凹凸処理により多数の凹部及び凸部が設けられるとともに、同凸部は山型状でその頂部が曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシールリング。このように構成した場合、継手に対する樹脂パイプの挿入接続をより容易に行うことができる。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明のシールリングによれば、樹脂パイプとの間の摩擦を低減することができ、継手に対する樹脂パイプの挿入接続を容易に行うことができる。
【0041】
請求項2に記載の発明のシールリングによれば、請求項1に記載の発明の効果を向上させることができる。
請求項3に記載の発明のシールリングによれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果を効率良く発揮することができるとともに、収容溝からの抜け出しを抑制することができる。
【0042】
請求項4に記載の発明の継手によれば、請求項1から請求項3に記載の発明のシールリングの効果を発揮した状態で樹脂パイプを挿入接続することができる。請求項5に記載の発明のシールリング用成形金型によれば、請求項1から請求項3に記載の発明の効果に加えて、シールリングの劣化を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態のシールリングを示す拡大断面図、(b)はシールリングの外周面を示す部分拡大断面図。
【図2】(a)は実施形態のシールリング成形用金型を示す断面図、(b)は図2(a)の2b―2b線における断面図。
【図3】継手本体内に樹脂パイプを挿入し始めた状態の部分破断側面図。
【図4】樹脂パイプがロックリング及び各シールリングに摺接しながら挿入されている状態を示す部分破断側面図。
【図5】継手に樹脂パイプが接続された状態を示す部分破断側面図。
【符号の説明】
11…継手本体、17…内筒、21…樹脂パイプ、22…収容溝、23…シールリング、30…保持手段としてのロックリング、35…シールリング成形用金型、38…成形凹部。

Claims (5)

  1. 筒状をなす継手本体の一端部には管体が接続され、他端部には樹脂パイプが挿入されて接続されるとともに、接続された樹脂パイプを抜け止め保持するための保持手段が設けられ、内部には樹脂パイプが嵌挿される内筒が備えられ、該内筒の外周面には収容溝が設けられた継手の前記収容溝に嵌着され、内筒の外周面と樹脂パイプの内周面との間をシールするシールリングにおいて、
    前記シールリングの表面には樹脂パイプを挿入接続する際の樹脂パイプの摩擦を低減するための凹凸処理が施されていることを特徴とするシールリング。
  2. 前記凹凸処理後のJIS B 0601(1994)に基づく最大高さ(R)は2.5〜8.0μmに設定されている請求項1に記載のシールリング。
  3. 前記凹凸処理は樹脂パイプの内周面との接触部分にのみ施されている請求項1又は請求項2に記載のシールリング。
  4. 筒状をなす継手本体の一端部には管体が接続され、他端部には樹脂パイプが挿入されて接続されるとともに、接続された樹脂パイプを抜け止め保持するための保持手段が設けられ、内部には樹脂パイプが嵌挿される内筒が備えられ、かつ該内筒の外周面には収容溝が設けられ、その収容溝には請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシールリングが嵌着され、樹脂パイプを挿入接続する際の樹脂パイプの摩擦を低減するように構成されている継手。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシールリングを成形するシールリング成形用金型であって、シールリングの形状を有する成形凹部の内面には凹凸処理が施され、それによる凹凸形状がシールリングの表面に転写されるように構成されているシールリング成形用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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