JP2004218592A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄圧室に蓄えられた燃料の圧力を望ましい圧力に速やかに加圧することができる内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】加圧された燃料を蓄える蓄圧室5aと、蓄圧室5aに蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射装置6とを備えた内燃機関の燃料供給装置において、蓄圧室5a内に設けられて燃料を加熱する電気ヒータ9と、蓄圧室5a内の圧力を検知する圧力センサ10とを備える。ECU12により、圧力センサ10が検知する圧力に基づいて電気ヒータ9を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料を加圧して内燃機関に供給する燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内噴射式の内燃機関の燃料供給装置として、低圧燃料ポンプによって燃料タンクから高圧燃料ポンプに燃料を供給し、その高圧燃料ポンプにて燃料を加圧し、その加圧された燃料をデリバリパイプ内の蓄圧室に蓄え、蓄圧室から燃料噴射装置(インジェクタ)を介して内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するものがある。
しかし、高圧燃料ポンプは内燃機関によって駆動されているため、内燃機関の回転数が低い低温始動時には燃料を十分に加圧できないことがある。筒内噴射式の内燃機関の場合には噴射期間がポート噴射式の装置と比べて短時間に制限されるので、燃料圧力が低いと必要な量の燃料を限られた噴射時間内に噴射し切れないことがある。
【0003】
そこで、モータ等の駆動源を備えた加圧装置をデリバリパイプに接続し、その加圧装置を利用して内燃機関の始動時に蓄圧室内の圧力を加圧する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、ディーゼルエンジンの始動性の向上を目的として、コモンレール内に蓄えられた燃料をヒータにて加熱する技術が提案されている(特許文献2参照)。その他に、本発明に関連する従来技術として特許文献3〜5が存在する。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−242792号公報
【特許文献2】
特開平8−338339号公報
【特許文献3】
特開2001−123912号公報
【特許文献4】
特開平10−274130号公報
【特許文献5】
特開2001−132574号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の加圧装置では速やかに加圧できず、また加圧制御を行っていないために、デリバリパイプ内の圧力を望ましい圧力に制御することができない。特許文献2においても、ヒータの加熱量が制御されていないので圧力を望ましい値に制御することができない。
【0006】
そこで、本発明は蓄圧室に蓄えられた燃料の圧力を望ましい圧力に速やかに加圧することができる内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加圧された燃料を蓄える蓄圧室と、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射装置とを備えた内燃機関の燃料供給装置において、前記蓄圧室内に設けられて前記燃料を加熱する加熱手段と、前記蓄圧室内の圧力を検知する圧力検知手段と、前記圧力検知手段が検知する圧力に基づいて前記加熱手段を制御する加熱制御手段とを備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
【0008】
この燃料供給装置によれば、蓄圧室内の限られた空間で燃料が加熱されるので、いわゆる等容加熱の状態となり、燃料の加熱に伴って燃料の圧力が上昇する。
加熱手段が蓄圧室内に配置されることにより燃料が直接的に加熱されるので応答性に優れ、燃料圧力を速やかに上昇させることができる。蓄圧室内の圧力に基づいて加熱手段を制御しているので、燃料を適切な圧力に調整して燃焼を安定させることができる。従って、内燃機関の始動時に燃料加熱を行えば始動性の向上が期待できる。始動後であっても、蓄圧室の燃料圧力が不足する場合に燃料を加熱して燃料圧力を適正範囲に維持してもよい。
【0009】
本発明の燃料供給装置においては、運転者の車両への乗り込みを検知する乗車検知手段を備え、前記加熱制御手段は、前記乗車検知手段による前記運転者の乗り込みの検知に応答して、前記加熱手段の制御を開始してもよい(請求項2)。
【0010】
この態様によれば、運転者が車両の乗り込んでから実際に内燃機関の始動操作(例えばイグニッションスイッチのオン操作)を行うまでの時間を利用して蓄圧室内の燃料を加圧することができ、実際の始動時において必要な燃料圧力をより容易に確保することが可能となる。従って、内燃機関の始動性を確実に向上させることができる。
【0011】
なお、前記乗車検知手段は、運転席のドアの開閉操作、運転席への着席のように、運転者が車両に乗り込む際に必然的に生じる各種の事象を検出すればよい。
これらの事象はドアスイッチや運転席内に設けられた着座スイッチ等によって検出することができる。運転席への着席に伴う車両の振動を加速度センサ等で検知してもよい。さらに、イグニッションスイッチへのキーの差し込みの有無等を判別することにより、運転者のエンジン始動の意思を実際の始動操作に先立って検出し、その検出に応答して加熱手段による燃料の加熱を開始させてもよい。いずれにせよ、内燃機関の始動動作が実際に開始されるよりも早い段階で燃料の加熱を開始できればよい。
【0012】
本発明の燃料供給装置においては、運転者の車両への乗り込みを検知する乗車検知手段と、燃料タンクから前記蓄圧室に向かって燃料を送る低圧燃料ポンプと、前記蓄圧室と前記低圧燃料ポンプとの間に配置されて前記燃料を加圧する高圧燃料ポンプとを備え、前記加熱制御手段は、前記検知手段による前記運転者の乗り込みの検知に応答して前記低圧燃料ポンプを作動させ、その後に前記燃料の加熱が開始されるように前記加熱手段を制御してもよい(請求項3)。
【0013】
この態様によれば、運転者の乗り込みが検知された段階で燃料の加熱に先行して低圧燃料ポンプを作動させるので、加熱開始時において蓄圧室内に適度な圧力を確保することができる。そのため、加熱手段が加えるべき熱量を節約できる。
従って、電気エネルギを熱エネルギに変換する加熱手段を利用する場合には加熱手段の消費電力を抑えることができ、内燃機関の始動用のスタータモータに十分な電力を供給してそのスタータモータの始動性を良好に維持できる。なお、乗り込みの検知手段については上記と同様でよい。
【0014】
低圧燃料ポンプの作動開始後、燃料の加熱を開始するまでの間隔は適宜に定めてよいが、望ましくは低圧燃料ポンプの作動による効果が蓄圧室内に現れてから加熱を開始するとよい。例えば、低圧燃料ポンプの作動開始に伴う蓄圧室内の圧力上昇が圧力検知手段にて検知されたことを条件として加熱手段による加熱を開始する。但し、加熱手段に対して加熱を指示してから実際に燃料の圧力が上昇を開始するまでに無視できない応答遅れがある場合には、その応答遅れを見込んで、低圧燃料ポンプの作動による効果が蓄圧室に現れるよりも早い時期に加熱の開始を指示してもよい。
【0015】
本発明の燃料供給装置においては、燃料タンクから前記蓄圧室に向かって燃料を送る低圧燃料ポンプと、前記蓄圧部と前記低圧燃料ポンプとの間に配置されて前記燃料を加圧する高圧燃料ポンプとを備え、前記加熱制御手段は、前記圧力検知手段が検知する圧力が前記加熱手段による前記燃料の加熱に対応して適正に上昇しない場合に前記低圧燃料ポンプを作動させてもよい(請求項4)。
【0016】
この態様によれば、蓄圧室に混入した空気の影響で加熱手段による燃料の加熱に対応して適正に圧力が上昇しない場合に、低圧燃料ポンプを作動させて蓄圧室に燃料を補給し、それにより燃料の加圧効果を確実に発揮させることができる。
【0017】
本発明の燃料供給装置において、前記加熱制御手段は、前記加熱手段により前記燃料の加熱を開始した後の前記内燃機関の運転状態を監視し、前記燃料の加熱を所定の範囲で継続しても前記内燃機関が始動していない場合に前記加熱手段による前記燃料の加熱を停止させてもよい(請求項5)。
【0018】
内燃機関が何らかの理由で始動しないにも拘わらず燃料の加熱を続けた場合には燃料の圧力が必要以上に上昇し、また燃料が過熱して蓄圧室内で燃料が蒸気化し、次回の始動に支障を来すおそれがある。そこで、加熱手段による燃料の加熱を開始した後は内燃機関の運転状態を監視し、所定範囲で加熱を継続しても内燃機関が始動しない場合に加熱手段による加熱を停止すれば、燃料圧力や温度の過度の上昇を防止できるとともに、加熱手段におけるエネルギの無駄な消費を抑えることができる。
【0019】
本発明において加熱手段には燃料の加熱が可能な各種の装置を利用してよいが、なるべくは温度制御に関する応答性の高いものを利用する。例えば電気エネルギを熱エネルギに変換する電気ヒータを加熱手段として好適に利用できる(請求項6)。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は本発明の燃料供給装置を筒内噴射式のガソリンエンジンに適用した実施形態を示している。但しエンジンの図示は省略した。燃料供給装置1は、燃料タンク2内の低圧燃料ポンプ3から送られる燃料を高圧燃料ポンプ4にて加圧し、その加圧された燃料をデリバリパイプ5内の蓄圧室5aに蓄え、蓄圧室5aに接続されたインジェクタ(燃料噴射装置)6からエンジンのシリンダ内に燃料を噴射するように概略構成されている。低圧燃料ポンプ3の吐出圧は例えば0.3〜0.4MPaに設定され、高圧燃料ポンプ4の吐出圧は低圧燃料ポンプ3の吐出圧に比べて十分に高い圧力(例えば10MPa以上)に設定されている。低圧燃料ポンプ3は電気モータを駆動源として作動する。高圧燃料ポンプ4は、例えばカム4aによってプランジャ4bを往復駆動させて作動室4cの燃料を加圧するプランジャポンプが使用されている。カム4aはエンジンによって駆動される。作動室4cにて加圧された燃料は逆止弁8を介してデリバリパイプ5内の蓄圧室5aに導かれる。
【0021】
デリバリパイプ5には、加熱手段としての電気ヒータ9がその発熱部9aを蓄圧室5aに突出させるようにして設けられている。電気ヒータ9は不図示の電源から供給される電気エネルギを熱エネルギに変換して発熱部9aを発熱させる。
デリバリパイプ5には蓄圧室5aの圧力を検知する圧力検知手段としての圧力センサ10が設けられている。蓄圧室5aはその蓄圧室5a内の最高圧力を規定するリリーフバルブ11を介して高圧燃料ポンプ4の吸い込み側と接続されている。
【0022】
エンジンが搭載される車両には、エンジンの運転状態を制御するためにエンジンコントロールユニット(ECU)12が設けられている。ECU12はCPU及びその動作に必要なRAM、ROM等の各種周辺回路を備えたコンピュータとして構成されている。ECU12はクランク角センサ13やエンジン水温センサ14等の各種のセンサの出力を参照してエンジンの運転状態を判別し、その判別結果に基づいて燃料噴射量を決定し、インジェクタ6の駆動回路17に対して適宜のタイミングで燃料噴射量を指示してインジェクタ6の燃料噴射動作を制御する。ECU12の起動及びその停止は電源制御回路15によって制御されている。電源制御回路15は乗車検知スイッチ16による運転席への乗員の乗り込みの検知に応答してECU12に電源を供給してECU12を起動させる。乗車検知スイッチ16としては、例えば運転席のドアの開閉を検出するドアスイッチ、運転席への乗員の着席を検出する着座センサ等を単独又は複数組み合わせて使用することができる。
【0023】
乗車検知スイッチ16からの信号によって起動されたECU12(より詳細にはECU12のCPU)はエンジンの始動のために各種の処理を開始する。図2はその処理の一種としてECU12が実行する燃料圧力制御ルーチンを示している。この燃料圧力制御ルーチンを実行することによりECU12は本発明の加熱制御手段として機能する。なお、ECU12は、その起動後、図2のルーチンを最初に実行する際に当該ルーチンで使用される各種のフラグをOFFの状態に初期化するとともに、所定の終了条件が満たされるまで一定周期で図2のルーチンを繰り返し実行する。
【0024】
燃料圧力制御ルーチンを開始すると、ECU12はまずステップS11で水温センサ14が検出するエンジン水温(エンジン冷却水の温度)が所定値よりも低いか否か判断する。このときの所定値は、蓄圧室5aの燃料圧力が不足するおそれの高い冷間始動時か否かを判別するための閾値である。もっとも、エンジン水温に代え、圧力センサ10の検知した燃料圧力が所定の閾値よりも高いか否かを判断してもよい。
【0025】
エンジン水温が所定値よりも低いと判断した場合、ECU12はステップS12において加熱中止フラグがオンされているか否かを判断し、オンされていなければステップS13へ進んでヒータフラグがオンされているか否かを判断する。
そして、ヒータフラグがオフの場合ECU12はステップS14でヒータフラグをオンし、その後、ステップS15に進んで電気ヒータ9への通電を開始する。
一方、ステップS13でヒータフラグが既にオンのときはステップS14、S15をスキップする。
【0026】
続くステップS16において、ECU12は、蓄圧室5aの燃料圧力が所定の目標圧力に制御されるように圧力センサ10が検出する燃料圧力に応じて電気ヒータ9の発熱量を設定する。この場合、目標圧力に対して圧力センサ10の検出する実際の燃料圧力が低いほど発熱量を増加させる。燃料圧力に対応する発熱量は、圧力センサ10が検出する燃料圧力と電気ヒータ9の発熱量との対応関係をECU12のROMにマップとして記憶し、そのマップを参照して決定すればよい。
【0027】
次のステップS17において、ECU12は電気ヒータ9による燃料の加熱に伴って圧力センサ10の検出する圧力が適正に上昇しているか否か判断する。例えばステップS14でヒータフラグをオンした後に電気ヒータ9へ供給した電力を積分し、その積分値に見合った圧力上昇が圧力センサ10にて検知されているかを判断する。
【0028】
適正な圧力上昇が得られていないと判断した場合、ECU12はステップS18にてポンプフラグがオンされているか否か判断し、オンされていないと判断した場合にECU12はステップS19でポンプフラグをオンした上でステップS20にて低圧燃料ポンプ3を起動する。ここで低圧燃料ポンプ3を起動するのは、加熱をしても圧力が適正に上昇しない理由の一つとして蓄圧室5aに無視できない量の空気が混入している影響で燃料圧力の上昇が妨げられていることが考えられるため、これを解消すべく低圧燃料ポンプ3から蓄圧室5aに燃料を積極的に供給するものである。なお、運転者がエンジンの始動操作を行った段階で低圧燃料ポンプ3が起動される場合、ステップS20による低圧燃料ポンプ3の起動はその始動操作に応答した起動よりも前の段階に限って行われることになる。ステップS18において既にポンプフラグがオンされていた場合、ECU12はステップS19及びS20をスキップする。
【0029】
ステップS20にて低圧燃料ポンプ3を起動し、又はステップS17にて圧力上昇が適正と判断した場合、ECU12はステップS21へ進み、ヒータフラグがオンされた後に所定時間が経過したか否かを判断する。この判断はステップS14の実行時点でタイマーを起動し、そのタイマーの計測時間に基づいて行えばよい。ステップS21にて所定時間が経過していなければ今回の燃料圧力制御ルーチンを終える。
【0030】
一方、ステップS21にて所定時間が経過している場合、ECU12はクランク角センサ13の出力に基づいて特定されるエンジンの回転数(回転速度)が所定値以上か否かを判断し、所定値以上であれば今回のルーチンを終える。一方、ステップS22においてエンジンの回転数が所定値以上でなかった場合、ECU12はステップS23にて加熱中止フラグをオンし、続くステップS24にて電気ヒータ9への通電を停止する。ここで通電を停止する理由は次の通りである。
【0031】
燃料の加熱を開始してから一定の時間が経過してもエンジン回転数が上昇しない場合には、エンジンの始動が何らかの理由で不調に終わった可能性が高い。あるいは、乗員が乗り込んでもエンジン始動操作それ自体が行われなかった可能性もある。このような場合でも燃料の加熱を無制限に継続すれば蓄圧室5a内の燃料の圧力が上がり過ぎ、また燃料が過熱して蒸気化するおそれがある。そして、これらの現象が生じると、電気ヒータ9に供給される電気エネルギが無駄に消費されるばかりでなく、次回のエンジン始動にも影響が生じて始動に失敗するおそれもある。そこで、ステップS23にて加熱後の経過時間を判断し、所定時間経過後に所定値以上に回転数が上昇していないときは燃料加熱を中止することとした。なお、加熱中止時にはステップS23で加熱中止フラグをオンしているので、一旦加熱が中止されたならば次回以降のルーチン実行時にはステップS12の条件が肯定判断され、電気ヒータ9が起動されることなくルーチンが終了する。
【0032】
エンジンが始動してステップS22が肯定判断された場合には、エンジンの運転に伴うエンジン水温の上昇によりステップS11が否定判断されるようになる。この場合、ECU12はステップS25でヒータフラグをオフしてステップS24へ進む。これにより、エンジンが正常に起動すれば電気ヒータ9がオフされ、以降はエンジン水温がステップS11の閾値よりも低下しない限りにおいて蓄圧室5aの燃料が高圧燃料ポンプ4によって適正圧力に維持される。
【0033】
図3は、図2のルーチンが実行された場合のヒータ発熱量や燃料圧力等の相互の関係の一例を示している。この例では乗車検知スイッチ16(ドアスイッチ)のオンに応答してECU12がオンとなり、燃料圧力制御ルーチンの開始により電気ヒータ9がオンされる。電気ヒータ9の発熱量は燃料圧力が低下している初期状態で大きく設定され、その後、燃料圧力の上昇に伴って発熱量は徐々に低下する。電気ヒータ9は発熱の応答性に優れ、しかもその発熱部9aが蓄圧室5a内に突出して燃料を直接的に加熱するため、燃料温度は速やかに上昇し、加熱を行わない場合(図3に破線で示す。)と比較してスタータモータがオンされるまでの間に燃料圧力は十分に上昇する。そして、スタータモータのオンにより始動に成功してエンジン回転数が上昇すれば電気ヒータ9による加熱が停止される。
【0034】
次に、図4を参照して燃料圧力制御ルーチンの他の例を説明する。なお、図4において図2と同一の処理には同一の参照符号を付してある。
【0035】
図4の燃料圧力制御ルーチンにおいて、ECU12はステップS11でエンジン水温が所定値よりも低いか否か判断し、低いときにはステップS18〜S20を実行して低圧燃料ポンプ3を起動する。低圧燃料ポンプ3の起動後、ECU12はポンプフラグのオンから所定時間が経過したか否かを判断し、経過していなければ今回のルーチンを終える。一方、ステップS31において所定時間が経過したと判断した場合、ECU12はステップS12〜ステップS16の処理を実行する。つまり、ECU12の起動後、エンジン水温が低い場合にはまず低圧燃料ポンプ3を起動して蓄圧室5aに燃料を送り、これを所定時間継続した後に電気ヒータ9への通電を開始し、燃料圧力に応じて発熱量を調整しつつ燃料を加熱する。そして、ステップS16に続いてステップS21〜S24の処理を実行する。ステップS11においてエンジン水温が所定値よりも高いときにステップS25でヒータフラグをオフしてステップS24へ進む。
【0036】
図4の処理によれば、電気ヒータ9への通電に先立って低圧燃料ポンプ3を利用して蓄圧室5aに燃料を送り込んでいるので加熱前に蓄圧室5aの圧力を低圧燃料ポンプ3の吐出圧程度まで上昇させておくことができる。従って、電気ヒータ9の消費電力を抑え、エンジンのスタータモータに十分な電力を供給してそのスタータモータの始動性を良好に維持できる。
【0037】
本発明は以上の実施形態に限定されることなく、その技術的思想と実質的に同一の範囲に含まれる限りにおいて各種の形態で実施することができる。例えば、図2及び図4のルーチンにおいては、ヒータ9による加熱を継続するか否かを加熱の継続時間とエンジン回転数の変化とに基づいて判断しているが(ステップS21、S22)、エンジンが始動していない状態で無制限に加熱が継続されることが防止できる限り、エンジン水温、吸入空気量、排気温度等の各種の物理量に基づいてエンジンの運転状態を判別してよい。図2のルーチンにおいて低圧ポンプの起動に拘わるステップS17〜S20を省略してもよい。
【0038】
本発明は筒内噴射式ガソリンエンジンの燃料供給装置に限定されることなく、高圧燃料を蓄える蓄圧室を備えた各種の燃料供給装置に適用されてよい。例えばディーゼルエンジンのコモンレール内の燃料の圧力を本発明に従って上昇させてもよい。なお、本発明において「高圧」及び「低圧」の用語は吐出圧が異なる2種類のポンプを区別するために使用されるものであって、「高」及び「低」の用語によってそれぞれのポンプの吐出圧の絶対的な範囲が定まるものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の燃料供給装置によれば、蓄圧室に設けた加熱手段を利用して燃料を加熱してその圧力を速やかに上昇させることができる。しかも、蓄圧室内の圧力に基づいて加熱手段を制御しているので、燃料を適切な圧力に調整して燃焼を安定させることができる。このため、内燃機関の始動時に燃料加熱を行えば始動性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料供給装置の一実施形態を示す図。
【図2】図1のECUが実行する燃料圧力制御ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図3】図2のルーチンが実行された場合の電気ヒータの発熱量、燃料圧力等の対応関係の一例を示す図。
【図4】図1のECUが実行する燃料圧力制御ルーチンの他の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 燃料供給装置
2 燃料タンク
3 低圧燃料ポンプ
4 高圧燃料ポンプ
5 デリバリパイプ
5a 蓄圧室
6 インジェクタ(燃料噴射装置)
9 電気ヒータ
9a 発熱部
10 圧力センサ(圧力検知手段)
13 クランク角センサ
14 エンジン水温センサ
15 電源制御回路
16 乗車検知スイッチ(乗車検知手段)

Claims (6)

  1. 加圧された燃料を蓄える蓄圧室と、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射装置とを備えた内燃機関の燃料供給装置において、前記蓄圧室内に設けられて前記燃料を加熱する加熱手段と、前記蓄圧室内の圧力を検知する圧力検知手段と、前記圧力検知手段が検知する圧力に基づいて前記加熱手段を制御する加熱制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 運転者の車両への乗り込みを検知する乗車検知手段を備え、前記加熱制御手段は、前記乗車検知手段による前記運転者の乗り込みの検知に応答して、前記加熱手段の制御を開始することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 運転者の車両への乗り込みを検知する乗車検知手段と、燃料タンクから前記蓄圧室に向かって燃料を送る低圧燃料ポンプと、前記蓄圧室と前記低圧燃料ポンプとの間に配置されて前記燃料を加圧する高圧燃料ポンプとを備え、前記加熱制御手段は、前記乗車検知手段による前記運転者の乗り込みの検知に応答して前記低圧燃料ポンプを作動させ、その後に前記燃料の加熱が開始されるように前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 燃料タンクから前記蓄圧室に向かって燃料を送る低圧燃料ポンプと、前記蓄圧室と前記低圧燃料ポンプとの間に配置されて前記燃料を加圧する高圧燃料ポンプとを備え、前記加熱制御手段は、前記圧力検知手段の検知する圧力が前記加熱手段による前記燃料の加熱に対応して適正に上昇しない場合に前記低圧燃料ポンプを作動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  5. 前記加熱制御手段は、前記加熱手段により前記燃料の加熱を開始した後の前記内燃機関の運転状態を監視し、前記燃料の加熱を所定の範囲で継続しても前記内燃機関が始動していない場合に前記加熱手段による前記燃料の加熱を停止させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  6. 前記加熱手段として電気エネルギを熱エネルギに変換する電気ヒータが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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