JP4296732B2 - 筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式内燃機関において、始動時に燃料の圧力(燃圧)を低圧ポンプ及び高圧ポンプによって昇圧させるようにした筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、燃料を直接筒内に噴射する筒内噴射式内燃機関においては、噴射燃料を微粒化するために噴射圧力を高圧にする必要がある。そのため、燃料タンク内の燃料を電動式のフィードポンプ(低圧ポンプ)で汲み上げ、その燃料を、内燃機関に駆動連結された高圧ポンプによって加圧し、高圧燃料配管(デリバリパイプ)を介して燃料噴射弁に圧送するようにしている。
【0003】
上記内燃機関においては、機関停止中は高圧ポンプや低圧ポンプも停止するため、時間の経過とともにデリバリパイプ内の燃料の圧力(燃圧)が低下する。加えて、機関停止中には、デリバリパイプ内の温度の高い燃料が冷却し収縮して、体積が減少する。この体積減少にともないデリバリパイプ内の燃圧(残圧)が低下する。そして、燃圧が大気圧まで低下しても収縮が続いている場合には、大気圧を保とうとして燃料の一部が蒸発する。このようにして機関始動時には、デリバリパイプ内に燃料ベーパが存在する場合がある。
【0004】
ところで、高圧ポンプによる燃料の吐出量はデリバリパイプの容積に比べてかなり少ない。このため、前記のように燃圧が大気圧付近まで低下している燃料を、燃料噴射のための要求値まで昇圧させるには、かなりの時間を要する。また、燃料ベーパが存在している場合には、この燃料ベーパを潰しながらデリバリパイプ内に燃料を充満させることになるため、昇圧にさらに時間を要する。
【0005】
そこで、例えば、特開2000−54926公報には、機関始動から所定時間が経過するまでは高圧ポンプの加圧動作を停止し、低圧ポンプから吐出された燃料を高圧ポンプ内部を素通りさせて昇圧し、その後、高圧ポンプによる加圧動作を開始させてさらに昇圧を行う技術が提案されている。また、特開平9−250426号公報には、デリバリパイプ内の燃圧が所定値よりも低い場合、低圧ポンプから吐出された燃料をそのデリバリパイプに直接供給し、所定値に達したら高圧ポンプから吐出される燃料をデリバリパイプに供給して昇圧を行う技術が提案されている。上述したいずれの技術によっても、低圧ポンプからの燃料供給により、デリバリパイプ内の燃圧がフィード圧と略同一になるまでの時間が短くなる。その結果、高圧ポンプからの燃料供給によって、燃圧が燃料噴射のための要求値になるまでの時間も短くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者の従来技術では、燃料ベーパが完全に潰されずに残っている等して、燃料が十分に昇圧されていない状態であっても、所定時間が経過すると、高圧ポンプの加圧動作が開始されてしまう。また、後者の従来技術では、低圧ポンプによる昇圧の停止を燃圧で判断するため、前者の従来技術で説明したような問題は起らないが、何らかの原因により昇圧に時間を要した場合には、始動に時間がかかって運転者に違和感を与えるおそれがある。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、始動時の燃料の昇圧時間を短縮しつつ、始動時間延長による違和感を運転者に与えないようにすることのできる筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、低圧ポンプと、前記低圧ポンプから吐出される燃料を加圧し、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に接続された高圧燃料配管に前記燃料を圧送する高圧ポンプと、前記高圧燃料配管内の燃料の圧力を検出する燃圧検出手段と、前記内燃機関の始動時に前記低圧ポンプによる燃料の昇圧を実施する第1の昇圧手段と、前記第1の昇圧手段による昇圧の開始後、前記燃圧検出手段による燃圧が第1の所定値に達した場合に前記高圧ポンプによる燃料の昇圧を実施する第2の昇圧手段と、前記第2の昇圧手段による昇圧の開始後に、前記燃圧検出手段による燃圧が第2の所定値に達した場合に前記燃料噴射弁からの燃料噴射を許可する噴射許可手段と、前記各昇圧手段による昇圧の経過を評価する評価手段と、前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記燃料噴射弁からの燃料の噴射タイミングを早める噴射タイミング変更手段とを備え、前記評価手段は、前記内燃機関の始動用スタータが作動を開始してからの経過時間が第1の設定値に達した時点で、前記燃圧検出手段による燃圧が前記第1の所定値に達していない場合に昇圧が遅いと評価し、前記噴射タイミング変更手段は、前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記第2の昇圧手段による昇圧を開始する。
また、請求項2に記載の発明では、低圧ポンプと、前記低圧ポンプから吐出される燃料を加圧し、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に接続された高圧燃料配管に前記燃料を圧送する高圧ポンプと、前記高圧燃料配管内の燃料の圧力を検出する燃圧検出手段と、前記内燃機関の始動時に前記低圧ポンプによる燃料の昇圧を実施する第1の昇圧手段と、前記第1の昇圧手段による昇圧の開始後、前記燃圧検出手段による燃圧が第1の所定値に達した場合に前記高圧ポンプによる燃料の昇圧を実施する第2の昇圧手段と、前記第2の昇圧手段による昇圧の開始後に、前記燃圧検出手段による燃圧が第2の所定値に達した場合に前記燃料噴射弁からの燃料噴射を許可する噴射許可手段と、前記各昇圧手段による昇圧の経過を評価する評価手段と、前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記燃料噴射弁からの燃料の噴射タイミングを早める噴射タイミング変更手段とを備え、前記評価手段は、前記内燃機関の始動用スタータが作動を開始してからの経過時間が第2の設定値に達した時点で、前記燃圧検出手段による燃圧が前記第2の所定値に達していない場合に昇圧が遅いと評価し、前記噴射タイミング変更手段は、前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記第2の昇圧手段による昇圧を中止し、前記第1の昇圧手段のみによる低燃圧での燃料噴射を行うことを許可するものである。
【0009】
請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、筒内噴射式内燃機関の始動時には、低圧ポンプによる燃料の昇圧が第1の昇圧手段によって実施される。すなわち、低圧ポンプから吐出された燃料が高圧燃料配管内に供給される。この供給により、高圧燃料配管内の燃料が昇圧される。そのため、高圧燃料配管内に燃料ベーパが存在していても、その燃料ベーパは、低圧ポンプから送られた燃料が高圧燃料配管内に流入する過程で圧縮されて潰される。ここで、燃料ベーパの圧縮には大量の燃料を供給することが必要であるが、この供給が、高圧ポンプよりも吐出量の多い低圧ポンプによってまかなわれるため、高圧燃料配管内の燃圧が短時間で第1の所定値に達しやすくなる。
【0010】
第1の昇圧手段によって燃料の昇圧が開始された後、燃圧検出手段による燃圧が第1の所定値に達すると、高圧ポンプによる燃料の昇圧が第2の昇圧手段によって実施される。低圧ポンプよりも吐出圧の高い高圧ポンプから燃料が圧送されるため、高圧燃料配管内の燃料が短時間で第2の所定値に達しやすくなる。第2の昇圧手段によって燃料の昇圧が開始された後、燃圧検出手段による燃圧が第2の所定値に達すると、燃料噴射弁からの燃料噴射が噴射許可手段によって許可される。この場合、高圧の燃料が燃料噴射弁に供給されることにより、同燃料噴射弁の噴射圧力が上がり、噴霧の微粒化が促進され、黒煙の発生が抑制される。
【0011】
このようにして、低圧ポンプにより、燃圧を第1の所定値まで昇圧させるための時間が短縮され、高圧ポンプにより、燃圧を第1の所定値から第2の所定値まで昇圧させるための時間が短縮されれば、始動から第2の所定値までの昇圧時間が全体として短くなる。これにともない燃料噴射弁からの燃料の噴射タイミングも早められる。
【0012】
ところで、第1の昇圧手段及び第2の昇圧手段による各昇圧の経過は評価手段によって評価される。昇圧が遅いと評価された場合には、燃料噴射弁からの燃料の噴射タイミングが噴射タイミング変更手段によって早められる。すなわち、昇圧が遅い場合には、燃圧が第2の所定値に達するタイミングが遅れて燃料の噴射タイミングが遅くなるおそれがある。この場合には、昇圧が遅いと評価され、噴射タイミングが早められ、燃圧が第2の所定値に達する前に燃料が噴射される。
【0013】
従って、前記のように昇圧手段によって昇圧時間が短縮される過程において、逆に昇圧に時間がかかって始動時間自体が延長されるような場合には、始動が優先されることとなる。その結果、始動時間の延長による違和感を運転者に与えないようにすることができる。
【0017】
そして、請求項1に記載の発明における評価手段では、スタータの作動開始後の経過時間が第1の設定値に達した時点で、燃圧検出手段による燃圧が第1の所定値に達しているかどうかに基づき、昇圧の経過が評価される。経過時間が第1の設定値に達しても燃圧が第1の所定値になっていない場合、このまま第1の昇圧手段による昇圧が続けられると、燃圧が第1の所定値に達するタイミングが通常時よりも遅れる。それにともなって、燃圧が第2の所定値に達するタイミングや燃料の噴射タイミングが遅れると考えられることから、昇圧が遅いと評価される。
【0018】
この場合、噴射タイミング変更手段では、第2の昇圧手段による昇圧が強制的に開始される。すなわち、燃圧が第1の所定値になっていなくても、ある程度の時間が経過したら(経過時間が第1の設定値に達したら)、第1の昇圧手段による昇圧から第2の昇圧手段による昇圧に強制的に切替えられる。この切替えにより、第1の昇圧手段による昇圧を続けた場合よりも燃料の噴射タイミングを早めることが可能となる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明における評価手段では、スタータの作動開始後の経過時間が第2の設定値に達した時点で、燃圧検出手段による燃圧が第2の所定値に達しているかどうかに基づき、昇圧の経過が評価される。経過時間が第2の設定値に達しても燃圧が第2の所定値になっていない場合、このまま第2の昇圧手段による昇圧が続けられると、燃圧が第2の所定値に達するタイミングが通常時よりも遅れる。それにともなって、噴射タイミングが遅れると考えられることから、昇圧が遅いと評価される。
【0021】
この場合、噴射タイミング変更手段では、第2の昇圧手段による昇圧が強制的に中止される。すなわち、燃圧が第2の所定値になっていなくても、ある程度の時間が経過したら(経過時間が第2の設定値に達したら)、第2の昇圧手段による昇圧が終了される。そして、第1の昇圧手段のみによる低燃圧での燃料噴射が行われる。このようにして、第2の昇圧手段による昇圧を続けた場合よりも燃料の噴射タイミングを早めることが可能となる。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記評価手段は、前記経過時間が第2の設定値に達した時点で、前記燃圧検出手段による燃圧が前記第2の所定値に達していない場合に昇圧が遅いと評価し、前記噴射タイミング変更手段は、前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記第2の昇圧手段による昇圧を中止し、前記第1の昇圧手段のみによる低燃圧での燃料噴射を行うことを許可するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を筒内噴射式多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)の始動時制御装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
【0023】
図1に示すように、エンジンの気筒毎に設けられた燃料噴射弁11には、共通の高圧燃料配管であるデリバリパイプ12が接続されており、同デリバリパイプ12内の燃料が各燃料噴射弁11に分配供給される。各燃料噴射弁11は開閉制御されることにより、対応する気筒の燃焼室に高圧燃料を直接噴射供給する。噴射された燃料は、燃焼室内の空気と混ざり合って混合気となる。デリバリパイプ12には、その内部の燃料の圧力(以下、燃圧という)を検出するための手段として、燃圧センサ13が取付けられている。
【0024】
エンジンには、その始動時にクランキングによってクランクシャフトに回転力を付与するためのスタータ(図示略)が設けられている。このスタータは、運転者によるイグニションスイッチ(図示略)の操作に応じて作動する。すなわち、イグニションスイッチは、周知のようにオフ位置とオン位置、同オン位置とスタート位置との間を移動自在とされている。そして、イグニションスイッチがオン位置からスタート位置に操作されている間はスタータが作動される。
【0025】
デリバリパイプ12に高圧の燃料を供給するための燃料供給装置14は、低圧ポンプ15及び高圧ポンプ16を備えている。低圧ポンプ15は、燃料(ガソリン)を貯留する燃料タンク17内に配置されており、バッテリを電源とする電動モータ(図示略)によって駆動される。本実施形態では、低圧ポンプ15は、イグニションスイッチがオフ位置からオン位置に操作されると作動を開始し、オン位置からオフ位置へ操作されると停止される。低圧ポンプ15は、低圧燃料通路18によって高圧ポンプ16に接続されている。低圧ポンプ15は、燃料タンク17内から燃料を吸上げ、高圧ポンプ16に向けて燃料を吐出する。低圧ポンプ15には、吐出量が多く吐出圧が低いという特徴がある。また、電動モータによって駆動されるため、エンジン始動時の低圧ポンプ15の吐出特性がエンジンの回転変動の影響を受けないという特徴もある。低圧燃料通路18の途中には、同通路18内の圧力(フィード圧)を一定、例えば0.4MPa(メガパスカル)にするためのプレッシャレギュレータ19が設けられている。
【0026】
高圧ポンプ16はプランジャ21、加圧室22及び電磁スピル弁23を備えている。プランジャ21は、エンジンのカムシャフト24(又はクランクシャフト)に取付けられたカム25の回転に基づいてシリンダ26内で往復移動する。従って、プランジャ21の作動開始タイミングは、カムシャフト24が回転を始めるタイミング、すなわちイグニションスイッチがオン位置からスタート位置に操作されてスタータが作動を開始するタイミングと同じである。
【0027】
加圧室22は、シリンダ26及びプランジャ21によって区画されており、前述した低圧燃料通路18がこの加圧室22に接続されている。加圧室22において、低圧燃料通路18との接続箇所は燃料吸入口22aとなっている。また、加圧室22は、高圧燃料通路27によってデリバリパイプ12に接続されている。高圧燃料通路27の途中には、高圧ポンプ16から吐出された燃料の逆流を防止するための逆止弁28が設けられている。
【0028】
電磁スピル弁23は、加圧室22の燃料吸入口22aを開閉する燃圧制御弁として用いられている。電磁スピル弁23は電磁ソレノイド29を備え、同ソレノイド29への通電制御により開閉動作する。電磁ソレノイド29に対する通電が停止された状態では、電磁スピル弁23がばね31によって開弁する。すなわち、燃料吸入口22aが開放され、低圧燃料通路18及び加圧室22間が連通した状態になる。この状態にあって、加圧室22の容積が大きくなる方向(図1の下方)へプランジャ21が移動するとき(吸入行程中)には、低圧ポンプ15から送り出された燃料が低圧燃料通路18を介して加圧室22内に吸入される。
【0029】
また、加圧室22の容積が収縮する方向(図1の上方)にプランジャ21が移動するとき(圧送行程中)には、電磁ソレノイド29に対する通電により、電磁スピル弁23がばね31に抗して閉弁される。すなわち、燃料吸入口22aが閉鎖され、低圧燃料通路18及び加圧室22間の連通が遮断される。プランジャ21の移動にともない加圧室22内の燃圧が上昇して逆止弁28を開弁させることにより、燃料が高圧燃料通路27を通じてデリバリパイプ12内へ吐出される。
【0030】
なお、高圧ポンプ16における燃料吐出量の調整は、電磁スピル弁23の閉弁開始時期を制御し、圧送行程中における同電磁スピル弁23の閉弁期間を調整することによって行われる。すなわち、電磁スピル弁23の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料吐出量が増加する。これとは逆に、電磁スピル弁23の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすると燃料吐出量が減少する。そして、上記のように高圧ポンプ16の燃料吐出量を調整することにより、デリバリパイプ12内の燃圧が制御される。
【0031】
本実施形態においては、エンジンが6気筒エンジンであり、高圧ポンプ16がクランクシャフトの2回転に対して燃料の圧送を3回行うようになっている。すなわち、エンジンの2気筒における2回の燃料噴射に対して、高圧ポンプ16は燃料の圧送を1回行うようになっている。このようにして構成された高圧ポンプ16には、燃料の吐出量が低圧ポンプ15に比べ少ない(低圧ポンプ15の吐出量の数十分の1)が、吐出圧が低圧ポンプ15に比べて高い(低圧ポンプ15の吐出圧の数十倍)という特徴がある。
【0032】
なお、デリバリパイプ12は、逆止弁32を介して前記低圧燃料通路18に連通している。そして、デリバリパイプ12内の燃圧が過度に高くなると、逆止弁32が開いてデリバリパイプ12内の高圧燃料が低圧燃料通路18へ流出する。こうして燃料が流れ込む低圧燃料通路18での燃圧は、前述したようにプレッシャレギュレータ19により一定の圧力に維持される。従って、前記逆止弁32及びプレッシャレギュレータ19により、デリバリパイプ12内の燃圧が過度に高圧になることが抑制される。
【0033】
燃料噴射弁11からの燃料の噴射量、噴射時期や、電磁スピル弁23の通電を制御するために、電子制御ユニット(以下「ECU」という)33が設けられている。ECU33はマイクロコンピュータを中心として構成されており、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラムや初期データに従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
【0034】
ECU33は、例えばエンジン回転速度、吸気管圧力(又は吸入空気量)、冷却水温等のエンジンの運転状態を検出する各種センサの検出信号を読込んで、燃料噴射量及び噴射時期を演算し、その演算結果に応じた噴射信号を燃料噴射弁11に出力して、燃料噴射を実行する。また、ECU33は、エンジン始動時に燃料を昇圧させるための制御を行う。この制御は、始動時の燃料噴射圧力を上げることで噴霧の微粒化を促進し、もって始動時の噴射量を低減して黒煙の発生を低減するために行われる。
【0035】
次に、この始動時制御の内容について、図2のフローチャートに従って説明する。なお、エンジンの始動前には、高圧ポンプ16では電磁スピル弁23が開弁している。
【0036】
ステップ100において、エンジン始動のために、運転者によりイグニションスイッチ(IG)がオフ位置からオン位置に操作されたか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと始動時制御ルーチンを一旦終了し、満たされていると、ステップ110において電動モータに通電することにより低圧ポンプ15を作動させる。この作動により低圧ポンプ15では燃料タンク17から燃料が汲み上げられ、加圧されて吐出される。このとき電磁スピル弁23が開弁していることから、低圧ポンプ15から吐出された燃料は、高圧ポンプ16の内部(加圧室22等)を素通りしてそのままデリバリパイプ12に圧送される。この低圧ポンプ15からの燃料の供給により、デリバリパイプ12内の燃圧Pが徐々に変化(上昇)する。
【0037】
イグニションスイッチがオン位置からスタート位置へ操作されるとスタータが作動し、クランキングが開始される。これにともない高圧ポンプ16のプランジャ21が往復運動する。しかし、電磁スピル弁23が開弁されているため、高圧ポンプ16では加圧動作が停止され、加圧室22内で燃料は加圧されない。低圧ポンプ15から吐出される燃料は、引続き高圧ポンプ16の内部を素通りしてデリバリパイプ12に供給される。この際、デリバリパイプ12に送られる燃料は、高圧ポンプ16に加圧動作を行わせた場合よりも多いため、デリバリパイプ12内に燃料が短時間で充満され、燃圧Pが早期に上昇する。また、エンジン始動時にデリバリパイプ12内に燃料ベーパが存在していた場合には、低圧ポンプ15からの燃料により早期に圧縮されて潰される。
【0038】
次に、ステップ120において、燃圧センサ13によって検出された燃圧Pが第1の所定値P1以上であるか否かを判定する。ここで、低圧ポンプ15からの燃料が高圧ポンプ16を素通りして、フィード圧がそのままデリバリパイプ12内に作用する際には、燃料ベーパが存在している限り、燃圧がフィード圧よりも低くなる。燃料ベーパが潰されるにつれて燃圧Pが上昇する。そして、燃圧がフィード圧以上となれば、燃料ベーパは完全に潰されていると考えられる。そのため、第1の所定値P1は低圧ポンプ15のフィード圧(0.4MPa)以上の値に設定される。ただし、燃圧センサ13のばらつきを考慮して、第1の所定値P1はフィード圧よりも大きな値(例えば1.0MPa)に設定されることが好ましい。
【0039】
ステップ120の判定条件が満たされている(P≧P1)とステップ140へ移行し、満たされていない(P<P1)とステップ130へ移行する。ステップ130では、イグニションスイッチがスタート位置へ操作されてから、すなわちスタータが作動を開始してから第1の設定時間T1(例えば、300ミリ秒)が経過したか否かを判定する。このようにして、スタータの作動開始からの経過時間が第1の設定値(第1の設定時間T1)に達したかどうかを判定する。
【0040】
ステップ130の判定条件が満たされていない(第1の設定時間T1未経過)と始動時制御ルーチンを一旦終了し、満たされている(第1の設定時間T1経過)と次のステップ140へ移行する。このように、ステップ130の判定条件が満たされている場合、すなわち、スタータの作動開始後に第1の設定時間T1が経過している場合には、ステップ120の判定結果が満たされていなくても(P<P1)次のステップ140へ移行する。
【0041】
ステップ140では、電磁ソレノイド29への通電を制御することにより高圧ポンプ16の加圧動作を開始させる。プランジャ21の往復動により加圧室22内の燃料が加圧される。この加圧動作の開始により、高圧の燃料がデリバリパイプ12に少量ずつ圧送される。また、高圧ポンプ16の吐出圧は低圧ポンプ15の吐出圧よりも高いため、燃圧Pが前述した低圧ポンプ15による昇圧時よりも高圧に到達する。
【0042】
前述したように、ステップ120,130では、スタータが作動を開始してからの経過時間と燃圧センサ13による燃圧Pとに基づき、低圧ポンプ15による燃料の昇圧の経過を評価している。詳しくは、スタータが作動を開始してから第1の設定時間T1が経過した時点で、燃圧Pが第1の所定値P1に達していない場合に昇圧が遅いと評価している。そして、この場合には、高圧ポンプ16による昇圧を強制的に開始するようにしている。
【0043】
次に、ステップ150において、イグニションスイッチがスタート位置へ操作されてから、すなわちスタータが作動を開始してから第2の設定時間T2(例えば、500ミリ秒)が経過したか否かを判定する。このようにして、スタータの作動開始からの経過時間が第2の設定値(第2の設定時間T2)に達したかどうかを判定する。
【0044】
ステップ150の判定条件が満たされていないと始動時制御ルーチンを一旦終了し、満たされているとステップ160において、燃圧センサ13によって検出された燃圧Pが第2の所定値P2(例えば、1.5MPa)以上であるか否かを判定する。
【0045】
ステップ160の判定条件が満たされていると、ステップ170において、所定の噴射開始条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、例えば次の(a)〜(c)に示す3つの条件が設定されていて、これらのうちの1つが満たされた場合に、噴射開始条件が成立するものとしている。条件(a)は、「燃圧Pが第3の所定値P3以上であること」である。第3の所定値P3は、前述した第2の所定値P2よりも大きな値であり、ここでは6MPaが設定されている。条件(b)は、「高圧ポンプ16の圧送回数が所定値、例えば「3」以上になること」である。条件(c)は、「スタータの作動開始後、第3の設定時間T3が経過していること」である。第3の設定時間T3は第2の設定時間T2よりも大きな値であり、ここでは600ミリ秒に設定されている。
【0046】
そして、ステップ170において前記噴射開始条件が満たされていると、ステップ180において、燃料噴射弁11に通電することにより同燃料噴射弁11を開弁させる。この開弁にともない燃料噴射弁11から対応する燃焼室に高圧燃料が直接噴射供給される。これに対し、ステップ170で噴射開始条件が満たされていない場合、及びステップ180の処理を経た後には、始動時制御ルーチンを終了する。
【0047】
このように、高圧ポンプ16による昇圧の開始後に燃圧Pが第2の所定値P2に達した場合には、ステップ170での噴射開始条件が成立することを条件に、燃料噴射弁11からの高圧燃料噴射が許可される。
【0048】
一方、前記ステップ160の判定条件が満たされていない(P<P2)と、ステップ190において、電磁ソレノイド29への通電を停止することにより電磁スピル弁23を開弁させる。この開弁により、加圧室22内での燃料の加圧が行われなくなり、低圧ポンプ15から吐出される燃料が、高圧ポンプ16の内部を素通りしてデリバリパイプ12に圧送されるようになる。続いて、ステップ200において、燃料噴射弁11に通電することにより同燃料噴射弁11を開弁させる。この開弁にともない燃料噴射弁11から対応する燃焼室に対し、前記ステップ180よりも低い圧力(フィード圧)で燃料が直接噴射供給される。
【0049】
前述したように、ステップ150,160では、スタータが作動を開始してからの経過時間と燃圧センサ13による燃圧Pとに基づき、高圧ポンプ16による燃料の昇圧の経過を評価している。詳しくは、スタータが作動を開始してから第2の設定時間T2が経過した時点で、燃圧Pが第2の所定値P2に達していない場合に昇圧が遅いと評価している。そして、この場合には、電磁スピル弁23を開弁させて高圧ポンプ16による昇圧を強制的に停止させ(ステップ190)、低圧ポンプ15のみの低燃圧で燃料噴射を行うようにしている(ステップ200)。
【0050】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)エンジン始動時にデリバリパイプ12内に存在している燃料ベーパを圧縮して潰すには、大量の燃料を供給することが必要である。これを吐出量の少ない高圧ポンプ16だけでまかなおうとすると、長い時間を要する。これに対し、本実施形態では、イグニションスイッチのオン位置への操作後、燃圧Pが第1の所定値P1に達するまでは、高圧ポンプ16による加圧動作を停止するようにしている。この加圧動作停止により、低圧ポンプ15から吐出される燃料の全量がデリバリパイプ12に送られ、燃料ベーパの圧縮に要する大量の燃料が、吐出量の多い(高圧ポンプ16の数十倍)低圧ポンプ15によってまかなわれる。このため、高圧ポンプ16によって燃料を圧送した場合よりも短い時間で、燃料ベーパを潰しながらデリバリパイプ12内に燃料を満たすことができる。イグニションスイッチのオン位置への操作後、短時間で燃料ベーパを圧縮し、燃圧Pを第1の所定値P1まで早期に昇圧させることができる。
【0051】
(2)燃圧Pが第1の所定値P1を越えると、高圧ポンプ16の加圧動作を開始させ、燃料を昇圧させるようにしている(ステップ140)。デリバリパイプ12内に燃料ベーパのない状態で、低圧ポンプ15よりも吐出圧の高い高圧ポンプ16から燃料が圧送されるため、デリバリパイプ12内の燃料を短時間で第2の所定値P2まで昇圧させることができる。
【0052】
(3)上記(1)及び(2)で説明したように、低圧ポンプ15により、燃圧Pを第1の所定値P1まで昇圧させるための時間を短縮し、高圧ポンプ16により、燃圧Pを第1の所定値P1から第2の所定値P2まで昇圧させるための時間を短縮することができるため、スタータの作動開始から燃圧Pが第2の所定値P2になるまでの昇圧時間を短くすることができる。
【0053】
(4)燃圧Pが第2の所定値P2に達した場合に、噴射開始条件が満たされることを条件に、燃料噴射弁11からの高圧燃料噴射を許可するようにしている(ステップ160〜180)。この場合、高圧の燃料が燃料噴射弁11に供給されることにより、同燃料噴射弁11の噴射圧力が上がるため、噴霧の微粒化を促進し、黒煙の発生を抑制することができる。
【0054】
(5)スタータの作動開始から第1の設定時間T1が経過しているにもかかわらず燃圧Pが第1の所定値P1に達していない場合、このまま低圧ポンプ15による昇圧が続けられると、燃圧Pが第1の所定値P1に達するタイミングが通常時よりも遅れる。それにともなって、燃圧Pが第2の所定値P2に達するタイミングや燃料の噴射タイミングが遅れると考えられることから、昇圧が遅いと評価するようにしている。そして、この評価の場合には、高圧ポンプ16による昇圧を強制的に開始するようにしている(ステップ120〜140)。
【0055】
従って、燃圧Pが第1の所定値P1になっていなくても、ある程度の時間が経過したら(第1の設定時間T1が経過したら)、低圧ポンプ15による昇圧から高圧ポンプ16による昇圧に強制的に切替えられる。この切替えにより、低圧ポンプ15による昇圧を続けた場合よりも、燃料の噴射タイミングを早めることが可能となる。
【0056】
(6)スタータの作動開始から第2の設定時間T2が経過しているにもかかわらず燃圧Pが第2の所定値P2になっていない場合、このまま高圧ポンプ16による昇圧が続けられると、燃圧Pが第2の所定値P2に達するタイミングが通常時よりも遅れる。それにともなって、噴射タイミングが遅れると考えられることから、昇圧が遅いと評価するようにしている。そして、この評価の場合には、高圧ポンプ16による昇圧を強制的に中止するようにしている(ステップ150,160,190)。
【0057】
従って、燃圧Pが第2の所定値P2になっていなくても、ある程度の時間が経過したら(第2の設定時間T2が経過したら)、高圧ポンプ16による昇圧が終了される。そして、低圧ポンプ15のみによる低燃圧での燃料噴射が行われる(ステップ200)。このようにして、高圧ポンプ16による昇圧を続けた場合よりも燃料の噴射タイミングを早めることが可能となる。
【0058】
(7)エンジンの始動時には、基本的には、前述した(3)のように昇圧時間が短縮されるのであるが、この過程において、逆に昇圧に時間がかかって始動時間自体が延長されるような場合には、上記(5)及び(6)で説明したように、燃料の噴射タイミングが早められることにより、始動が優先されることとなる。その結果、始動時間の延長による違和感を運転者に与えないようにすることができる。
【0059】
(8)高圧ポンプ16として、燃料吸入口22aを有する加圧室22と、その燃料吸入口22aを開閉する電磁スピル弁23とを備えるものを用いている。そして、加圧動作の停止に際し電磁スピル弁23を開弁状態に維持するようにしている。このため、電磁ソレノイド29への通電を制御することにより電磁スピル弁23を開弁状態に維持し、高圧ポンプ16の加圧動作を停止させて、低圧ポンプ15からの燃料をデリバリパイプ12に確実に供給することができる。
【0060】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・本発明は、イグニションスイッチがスタート位置へ操作されることを条件に、低圧ポンプ15の作動が開始されるタイプの燃料供給装置14にも適用できる。
【0061】
・ステップ120の判定条件として、前記「燃圧Pが第1の所定値P1以上であること」に以下の条件(i),(ii)を加えてもよい。これらの条件(i),(ii)は、圧縮により燃料ベーパが潰されたかどうかを判定するためのものである。
【0062】
(i)低圧ポンプ15が作動する前の燃圧(初期燃圧)との差圧が所定値(例えば0.3MPa)以上であること。すなわち、低圧ポンプ15の作動により燃圧が所定値以上上昇していること。これは、低圧ポンプ15からの燃料により燃料ベーパが圧縮されれば、デリバリパイプ12内の燃圧が変化(上昇)するはずである。そして、この燃圧は低圧ポンプ15からの燃料吐出量の増加に従って高くなる。従って、低圧ポンプ15の作動開始後に燃圧がある程度変化すれば、すなわち、低圧ポンプ15の作動前後の差圧が所定値以上になれば燃料ベーパが潰されていると考えられるからである。
【0063】
(ii)イグニションスイッチがオン位置に操作されてから所定時間(例えば400ミリ秒)が経過すること。すなわち、イグニションスイッチのオン位置への操作にともない低圧ポンプ15が作動を開始し、デリバリパイプ12に燃料を供給する。低圧ポンプ15の作動開始からどれだけの時間が経過するとデリバリパイプ12内の燃圧Pがフィード圧まで昇圧されるかを、予め実験等によって求めておき、これを前記所定時間とする。
【0064】
そして、「燃圧Pが第1の所定値P1以上であること」、条件(i),(ii)のいずれかが成立した場合に、ステップ120の判定条件が満たされたと判定(肯定判定)し、次のステップ140へ移るようにする。
【0065】
・燃圧センサ13を、デリバリパイプ12に代えて、高圧燃料通路27の逆止弁28よりも下流側に設けてもよい。
・前記実施形態では、デリバリパイプ12と燃料供給側の燃料タンク17との間にリリーフ通路の設けられていないリターンレスの構成としたが、デリバリパイプ12と燃料タンク17との間にリリーフ弁を備えたリリーフ通路(リターン通路)を設けてもよい。このようにすれば、デリバリパイプ12内の燃圧Pが所定燃圧以上まで上昇した場合に上記リリーフ通路を介してデリバリパイプ12内の燃料を燃料タンク17へ戻すことができる。
【0066】
・前記実施形態では、燃圧制御弁として加圧室22内に吸入された燃料を溢流させる形式の電磁スピル弁23を用いたが、加圧室22内に吸入される燃料を調量する形式の吸入調量弁を燃圧制御弁として用いてもよい。
【0067】
・前記実施形態では、低圧ポンプ15を電動式ポンプにより構成したが、例えば、この低圧ポンプ15は、エンジン始動時においてスタータにより補助的に駆動される機械式のポンプであってもよい。
【0068】
・前記実施形態において、高圧ポンプ16の加圧動作を停止して燃料ベーパを圧縮するとき、低圧ポンプ15の駆動電圧を高くして、吐出量を多くしてもよい。このようにすると、低圧ポンプ15による燃料ベーパの圧縮をさらに効率的に行うことができる。また、予備ポンプを設けておき、燃料ベーパの圧縮時には低圧ポンプ15と併用して吐出量を増量してもよい。この場合にも同様の効果が得られる。
【0069】
・本発明は、筒内噴射式の内燃機関であればガソリンエンジンに限らず適用可能であり、例えばディーゼルエンジンに適用することもできる。
その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
【0070】
(A)請求項1〜3のいずれか1つに記載の筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置において、前記低圧ポンプは電動モータにより駆動されるものである。
上記の構成によれば、内燃機関の始動時における低圧ポンプの吐出特性が内燃機関の回転変動の影響を受けずにすむ。
【0071】
(B)請求項1〜3のいずれか1つに記載の筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置において、前記高圧ポンプは、その燃料吸入口を開閉する燃圧制御弁を備え、前記加圧動作の停止に際し前記燃圧制御弁を開弁状態に維持するものである。
【0072】
上記の構成によれば、燃圧制御弁を開弁状態に維持することにより、高圧ポンプの加圧動作を停止させて、低圧ポンプからの燃料を高圧燃料配管に確実に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置を具体化した一実施形態についてその構成を示す略図。
【図2】始動時に行われる制御の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…燃料噴射弁、12…デリバリパイプ(高圧燃料配管)、13…燃圧センサ(燃圧検出手段)、15…低圧ポンプ、16…高圧ポンプ、33…ECU(電子制御装置)。
Claims (3)
- 低圧ポンプと、
前記低圧ポンプから吐出される燃料を加圧し、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に接続された高圧燃料配管に前記燃料を圧送する高圧ポンプと、
前記高圧燃料配管内の燃料の圧力を検出する燃圧検出手段と、
前記内燃機関の始動時に前記低圧ポンプによる燃料の昇圧を実施する第1の昇圧手段と、
前記第1の昇圧手段による昇圧の開始後、前記燃圧検出手段による燃圧が第1の所定値に達した場合に前記高圧ポンプによる燃料の昇圧を実施する第2の昇圧手段と、
前記第2の昇圧手段による昇圧の開始後に、前記燃圧検出手段による燃圧が第2の所定値に達した場合に前記燃料噴射弁からの燃料噴射を許可する噴射許可手段と、
前記各昇圧手段による昇圧の経過を評価する評価手段と、
前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記燃料噴射弁からの燃料の噴射タイミングを早める噴射タイミング変更手段とを備え、
前記評価手段は、前記内燃機関の始動用スタータが作動を開始してからの経過時間が第1の設定値に達した時点で、前記燃圧検出手段による燃圧が前記第1の所定値に達していない場合に昇圧が遅いと評価し、
前記噴射タイミング変更手段は、前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記第2の昇圧手段による昇圧を開始することを特徴とする筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置。 - 低圧ポンプと、
前記低圧ポンプから吐出される燃料を加圧し、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に接続された高圧燃料配管に前記燃料を圧送する高圧ポンプと、
前記高圧燃料配管内の燃料の圧力を検出する燃圧検出手段と、
前記内燃機関の始動時に前記低圧ポンプによる燃料の昇圧を実施する第1の昇圧手段と、
前記第1の昇圧手段による昇圧の開始後、前記燃圧検出手段による燃圧が第1の所定値に達した場合に前記高圧ポンプによる燃料の昇圧を実施する第2の昇圧手段と、
前記第2の昇圧手段による昇圧の開始後に、前記燃圧検出手段による燃圧が第2の所定値に達した場合に前記燃料噴射弁からの燃料噴射を許可する噴射許可手段と、
前記各昇圧手段による昇圧の経過を評価する評価手段と、
前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記燃料噴射弁からの燃料の噴射タイミングを早める噴射タイミング変更手段とを備え、
前記評価手段は、前記内燃機関の始動用スタータが作動を開始してからの経過時間が第2の設定値に達した時点で、前記燃圧検出手段による燃圧が前記第2の所定値に達していない場合に昇圧が遅いと評価し、
前記噴射タイミング変更手段は、前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記第2の昇圧手段による昇圧を中止し、前記第1の昇圧手段のみによる低燃圧での燃料噴射を行うことを許可するものであることを特徴とする筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置。 - 前記評価手段は、前記経過時間が第2の設定値に達した時点で、前記燃圧検出手段による燃圧が前記第2の所定値に達していない場合に昇圧が遅いと評価し、
前記噴射タイミング変更手段は、前記評価手段により昇圧が遅いと評価された場合、前記第2の昇圧手段による昇圧を中止し、前記第1の昇圧手段のみによる低燃圧での燃料噴射を行うことを許可するものである請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置。
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