JP2004218224A - 分水盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーシングを有する分水盤から分岐する分岐配管保温用ヒーターを施工する際に、ケーシングとヒーターの保護管との狭い隙間よりヒーター挿入を行わなくてはならず、施工が難しかった。
【解決手段】給水本管より各住宅に分岐される給水主管と、水使用器具に接続される分岐配管とが集中接続されるヘッダーと、前記ヘッダーの周囲を囲う蓋付のケーシングを有し、前記ケーシングには、前記分岐配管を収納する保護管が接続される保護管接続部を有する分水盤であって、前記ケーシングには前記分岐配管を保温また加熱するヒーターを収納する保護管が接続される保護管接続部を有することを特徴とした。
【選択図】 図1
【解決手段】給水本管より各住宅に分岐される給水主管と、水使用器具に接続される分岐配管とが集中接続されるヘッダーと、前記ヘッダーの周囲を囲う蓋付のケーシングを有し、前記ケーシングには、前記分岐配管を収納する保護管が接続される保護管接続部を有する分水盤であって、前記ケーシングには前記分岐配管を保温また加熱するヒーターを収納する保護管が接続される保護管接続部を有することを特徴とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は住宅などの建物に用いられ、給水給湯を分岐配管する分岐部材に関する。
そして、分水盤とは、給水主管から供給される給水を複数の水使用器具へと分岐するためのヘッダーを表す。さらに、水使用器具とは、給水配管の末端に配置された各種の給水及び/又は給湯設備を示す。
【0002】
【従来の技術】
従来の住宅で給水給湯主管を各水使用器具に分岐配管する部材である分水盤の例を図9、図10に示す。図9は基礎7に固定されている分水盤6の斜視図、図10は分水盤6の上方からみた半断面図である。
図9において、この分水盤6はケーシング8を有し、配水管から分岐された給水主管9は給水ヘッダー10に接続され、このヘッダーの一端と給湯機11が配管12により接続されている。また、この分水盤6は給湯ヘッダー13を有し、この給湯ヘッダー13の一端と給湯機11の出湯接続口とは配管14と接続されている。このため、給水ヘッダー10と給湯ヘッダー13より住宅の各水使用器具まで分岐配管15を接続することにより、湯水をこの分水盤6にて集中分岐配管を行うことができる。
【0003】
また図10に示すように、分水盤6のケーシング8には保護管17を接続する保護管接続部18を有しており、この保護管接続部18に保護管17の一端が接続されている。このため分水盤6を基礎7に施工した後に分岐配管15を施工する際には、分水盤6のケーシング8の一部である蓋を外すことでケーシング8内より分岐配管15を保護管17内に挿入することができる。またこの分水盤6は内部に凍結防止用ヒーター16を有しており、分水盤6内の気温が低下すると凍結防止用ヒーター16が発熱し、分水盤6内の凍結を防止するようになっている。また、この凍結防止用ヒーター16の電源は前述の給湯機11より分岐接続されており、住宅の分電盤より電源線を施工する必要が無く、コストを抑えることができるというものである。(例えば特許文献1)
また寒冷地における配管部分の凍結防止方法としては、図7のように湯水を通水する通水管1とヒーター2を共に保護管3に収めるという方法がとられている。このヒーター2は制御装置4に接続され、寒冷期にはこのヒーター2を発熱させることによって通水管1の凍結を防止する。(例えば特許文献2)
【0004】
この方法では、保護管3内という同一空間に通水管1とヒーター2が収められているため、効率よく熱が伝達され通水管1を保温できるという利点がある反面、通水管1とヒーター2を同時に保護管3に挿入する必要がある。これは敷設する建築物の設計自由度を高めるため保護管3の直径は小さいものを使わなくてはならず、通水管1またはヒーター2のいずれかを先に挿入すると、他方を挿入するときには先に挿入したものが邪魔になり非常に挿入しにくくなるからである。このことによりヒーター2の交換に支障が出る。
【0005】
これは、樹脂管や金属管が使用される通水管1の寿命(通常20年から30年)に比べ、電気製品であるヒーター2の寿命が短く、10年程度で交換する必要があることによる。このため、ヒーター2を交換するには、一度通水管1の端部接続を外し保護管3から引き抜いた後、再度新しいヒーター2と共に保護管3に挿入しなくてはならない。このため、通水管1本来の寿命としては必要の無い、短期間での保護管3への再挿通や、それに伴う通水管端の他の器具との接続作業を行う必要がある。
上記の課題を解決するものとしては、図8のように通水管1とヒーター2を別々の保護管3b、3aに収めるものがある。これは二本の保護管3a、3bを同一の保温材5に収めたものであり、通水管1とヒーター2が異なる保護管3b、3aに挿通するため、同一のタイミングで保護管3a、3bに挿通する必要がなく、別々にメンテナンスを行うことができる。(例えば特許文献3)
このため、前記分水盤6を使用して分岐配管内の凍結配慮を行うと、前記保護管3a、3bを使用することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−212983(第1図、第4図)
【特許文献2】
特開2000−2391(第1図)
【特許文献3】
実登3084455(第9図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記構成では下記の課題を有している。
(第一課題)
前記図9、図10の構成では凍結防止用ヒーター16により分水盤6内は暖めることができる、即ち分岐配管15についても分水盤6内及びその近傍については配管内の水の凍結を防止することができるが、分水盤6から離れた部分までは暖めることができない。分岐配管15の他端は水使用器具まで繋がっており、長いものでは十数メートルにもなる。この先端部までは分水盤6内の凍結防止ヒーター16では暖めることができずに凍結してしまう。
【0008】
このため分岐配管15については前述の図8の構造を採用することが考えられる。しかしながら、前記図9、図10の分水盤6にはケーシング8に保護管接続部18を有しており、分岐配管15(前述の図8では通水管1に相当する)を収める保護管3bを接続することには問題がないが、ヒーター2を収納する保護管3a(3bとサイズが異なっている)を接続する部位がない。
【0009】
このときのヒーター2を保護管に挿入するときの状況を、図11を用いて説明する。図11は従来の分水盤6に図8記載の保護管を接続している状態の上面外観図である。図11において、基礎7に設置された分水盤6の保護管接続部18に保護管17(図8の3bに相当する。)が接続してある。また保護管17と保護管25(図8の3aに相当する。)は保温材5に収納されている。この保護管25の端部は保護管17よりも短く切断してある。
この状態において、ヒーター2を保護管25の端部より挿入しなくてはならない。このとき、保護管25の端部とケーシング8及び基礎7の隙間が大きいとヒーター2の挿入作業を行いやすくなるが、一方で保温材5は分岐配管15の断熱の観点よりできるだけケーシング8に近づけなくてはならない。このため前述の隙間が小さくなり、ヒーター2の挿入作業が大変難しくなるという問題があった。
【0010】
(第二課題)
保温材5と保護管接続部18の間を保温材シート55で巻いた後、図12(従来の分水盤6の上面外観図)のように保温材5とケーシング8にテープで空気が漏れないようにしっかり固定する案が考えられる。これは前述のように極力保温材5をケーシング8に近づけているがヒーター2を挿入する必要があるため、隙間は必ず必要になる。そのままでは断熱性能が悪くなるので保温材シート55を使用する。
【0011】
初期このようにして施工した結果、メンテナンス時に問題を生じる。前述のように、ヒーター2は10年程度で交換する必要がある。この交換時は、住宅内の床壁天井は施工されている。通常、ケーシングの蓋は点検のため屋内外に面しているか、隠蔽部にある場合には、蓋を開けると作業をすることができる位置に点検口が設けられているが、住宅の設計自由度を大きくするため点検口は極力小さくすることが望ましく、ケーシングの外部まで、さらには外部での作業をできるほど大きくすることは機能性や美観を大きく損ねてしまう。
このため床下に分水盤を設置する場合は他の床点検口から室内床下の狭い空間を這って分水盤6まで移動し、保温材シート55を一度外し、ヒーター2を交換しなくてはならない。前述のとおり保温材シート55はテープでしっかり固定されているため、剥ぎにくく、また保温材シート55を取り除いた後にヒーター2の交換作業を床貼り状態の狭い空間で行うことを強いられ大変困難な作業が必要であった。
【0012】
またこの保護管25、17を使用するときは新築時に保護管25にヒーター2を施工するとは限らない。例えば、建築する場所により、新築時は分岐配管15にヒーターが必要かどうか判らないことがある。この場合、ヒーターを設置するには部材費及び施工費が必要であり住宅全体の建築費が高くなってしまう。このため、新築時は保護管25、17、保温材5のみを施工しておき、実際に居住後、予想以上に気温が低い場合にはヒーターを追加設置することが考えられる。このときにも、前述と同様に床貼り状態の狭い床下空間において煩雑な作業をする必要があった。
【0013】
また別の例としては、ヒーター2を凍結防止としてではなく、分岐配管15が凍結した場合の解凍手段として使用する方法がある。この場合も新築当初は保護管25、17、保温材5のみを配管する。入居後、低温時に分岐配管15が凍結した場合に、ヒーター2を保護管25内に挿入するというものである。しかしながらこのヒーター2の挿入時は前述の如く床貼り状態での作業となるため大変な作業をする必要があった。
【0014】
(第三課題)
また前記第一、二課題に記載したように、ケーシング8の外でヒーター2を施工しなくてはならないため、ヒーター2の電源を別途住宅の分電盤より分岐する必要がある。この場合電源線を配線する施工費が高くなるばかりでなく、分水盤6の近傍にて複数の分岐配管15に沿って複数のヒーター2を電源線に接続しなくてはならず、基礎7内側の分水盤6近傍がヒーター2の配線で非常に乱雑になり、施工の際に踏みつけたり工具をぶつけてしまい、配線を傷つけてしまうという問題があった。
万一配線を傷つけてしまった場合にも、ヒーター2は通常床下に配置する温度センサーにより駆動するため施工時に確認できず、住宅の施工が完了後、冬季に気温が低下し温度センサーが感知したにもかかわらずヒーター2が作動せず、分岐配管が凍結し、水が使用できなくなって初めて傷つきが判明するという大変大きな問題になる。
上記の問題点を解決するため、そこで本発明では、施工現場でのヒーター設置及びヒーターの交換に際しても工期を短縮することができる分水盤を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため本発明の請求項1では、給水本管より各住宅に分岐される給水主管と、水使用器具に接続される分岐配管とが集中接続されるヘッダーと、前記ヘッダーの周囲を囲う蓋付のケーシングを有し、前記ケーシングには、前記分岐配管を収納する保護管が接続される保護管接続部を有する分水盤であって、前記ケーシングには前記分岐配管を保温また加熱するヒーターを収納する保護管が接続される保護管接続部を有することを特徴とした。
【0016】
これにより、分水盤にヒーターの保護管と分岐配管の保護管を接続した後はケーシングの蓋を開けるだけで、ヒーターや分岐配管の保護管への挿通を分水盤のケーシング内より別々に行うことができる。
【0017】
本発明の請求項2では、請求項1の分水盤においてケーシングの蓋が、室内または屋外に、面しているか突出させた。
【0018】
これにより、蓋を外すことにより室内または屋外より分岐配管とヒーターの保護管挿通作業をすることができる。
【0019】
本発明の請求項3では、請求項1、2の分水盤において、ケーシング内に電源ソケットまたは電源プラグを設けるようにした。
【0020】
これにより、ケーシング内よりヒーターを挿入した後で電源工事を別途行う必要がない。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態1について、以下の図に基づいて説明を行う。
図1は分水盤のケーシングの蓋を取り外した状態の上面図、図2は図1のA部の部分拡大図(説明の都合上、ケーシングの一部を切り欠いた状態にしてある。)、図3は分水盤の左側面図、図6はケーシング8の保護管接続部18の断面図である。従来の技術と同じ機能を有するものについては同じ番号を使用して説明する。分水盤6は図3のように蓋8aを有するケーシング8を有しており、この蓋8aを外した状態が図1である。図1において分水盤6はケーシング8内に減圧弁20と給水ヘッダー10、給湯ヘッダー13を有する。また、ケーシング8の基礎24内側に配置される部分には、サイズの異なる保護管接続部18、19を有する。これは、従来の配管の例にて説明した図8に示す保護管3a、3bを接続できるようになっており、この構造について図6を用いて説明する。
【0022】
図6において、保護管接続部18は略円筒形の接続部本体50と、内面に鍔部51を有する弾性の樹脂材料からなるC形止め輪52にて構成される。まずC形止め輪52を外している状態で保護管17を接続部本体50に挿入した後、C形止め輪52を接続部本体50の外側より嵌め込む。このとき鍔部51は保護管17の外面波形の凹部に嵌りこむ。このためこの状態からは保護管17は抜けない状態になっている。また、保護管25と保護管接続部19との接続構造も同じである。サイズの大きな保護管接続部18には各湯水使用器具へ配管される分岐配管15を収納する保護管17(図8の3bに相当する。)が接続され、サイズの小さな保護管接続部19にはヒーターを収納する保護管25(図8の3aに相当する。)が接続される。なお、これらの保護管17、25は各1本ずつ対になって保温材5に収納されている。
【0023】
ここで湯水の流れについて説明すると、従来例と同様に給水主管9から流入した水は水圧を安定させるための減圧弁20、給水ヘッダー10を通過し、配管12を通り、図示しない給湯機に至る。給湯機で加熱された湯は配管14を通り給湯ヘッダー13に流れ込む。ここで、給水ヘッダー10と給湯ヘッダー13には、各湯水使用器具へ接続される複数の分岐配管15が分岐接続されている。この接続方法について説明する。各分岐配管15は分水盤6と住宅内の湯水使用器具との間に敷設される必要がある。このためまず分岐配管15を前記敷設に必要な長さに切断し、分水盤6のケーシング8に設けられている分岐配管挿通穴53より保護管接続部18に接続された保護管17に挿入していく。保護管17は事前に他端が湯水使用器具まで敷設されており、保護管17に挿入していくことにより、分岐配管15の先端が湯水使用器具に達する。次に、分岐配管15の挿入元端部に継手22を接続する。
【0024】
この分岐配管15と継手22との接続は、分岐配管15の端部を継手22の一端に接続するだけでよく、一般にワンタッチ接続といわれる方式である。継手22の他端は外周に鍔を有し、2個のOリングを有する円柱凸形状をしている。また、給水ヘッダー10及び給湯ヘッダー13の継手接続部形状は端部外周に鍔を有しており、内部は平滑な内周面である筒形状をなしている。前記継手22の凸形状部を前記ヘッダーの接続部に差し込むことにより、前記2個のOリングがヘッダーの平滑な内周面に当接し、ヘッダーと継手22間をシールする。また接続時はヘッダーと継手22の鍔が重なり合っており、この両鍔を挟み込む形でクイックファスナー21を側面からはめ込み固定し、抜けないようにしている。
【0025】
また、分水盤6は寒冷地に設置する場合に備えて分水盤ヒーター26を有している。これは、内部に温度検知機能を有しており、気温が0℃以下であることを検知すると発熱し、給水ヘッダー10や給湯ヘッダー13などの通水部材を暖め、内部の水が凍結することを防止する。このヒーターの電源は電源盤27、電源盤に接続された電源線28を介して、近傍に設置される給湯機内の電源端子(図示せず)に接続してある。この電源盤の正面図(ヒーター電源線を接続していない状態)を図4に示す。図4においてこの電源盤27は2個の分水盤ヒーター用ソケット29と15個の分岐配管ヒーター用ソケット30を有している。前記分水盤ヒーターの電源線端部は図示はしないがプラグ形状になっており、分水盤ヒーター用ソケット29に差込接続するだけで接続が完了する。
【0026】
次に分岐配管ヒーター31について説明する。前述の分水盤ヒーター26は給水ヘッダー10や給湯ヘッダー13などの分水盤6内の通水部材の凍結防止を行うことができるが、分岐配管15については凍結を防止することができない。このため別に分岐配管ヒーター31を使用する。分岐配管ヒーター31の外観図を図5に示す。図5において分岐配管ヒーター31は発熱部32、温度センサー部33、ヒーター電源線34、ヒーター電源プラグ35からなっている。前述のように分岐配管15を施工し終えた後にケーシング8に設けられているヒーター挿通穴54より保護管接続部19に接続されている保護管25に、発熱部32の先端より挿入していく。このとき発熱部32は挿入される各保護管25と同じ長さにしてある。このため温度センサー部33を保護管接続部19まで挿入すると、発熱部32は保護管25の全長にわたって収納されている。この後、ヒーター電源プラグ35を電源盤27の分岐配管ヒーター用ソケット30に差込接続する。この作業を各分岐配管15に対して行う。このようにすることにより、分岐配管15近傍の温度が低下したことを、温度センサー部33が検知することにより発熱部32が発熱をおこなう。前述のように分水盤6の外部において分岐配管15を収納する保護管17と分岐配管ヒーター31を収納する保護管25は保温材5に収納されているため、分岐配管ヒーター31の発熱で分岐配管15を加熱することができ、分岐配管15の凍結を防止することができる。
【0027】
上記のように分岐配管15と分岐配管ヒーター31を異なる保護管に収納したことにより、分岐配管15と分岐配管ヒーター31を別々に保護管に挿入することができる。このため、分水盤6の新設時に両者の施工順序の制約がなくなるばかりでなく、分岐配管15に比べて短い、分岐配管ヒーター31の耐用年数が経過したときは、分岐配管ヒーター31のみを交換することができ、メンテナンス性に優れている。
【0028】
また、本発明の実施の形態では分水盤6を住宅の基礎24に設置し、ケーシング8の蓋8aが屋外に突出して配置されているため、蓋8aを外すことにより、分水盤6の分岐配管15や分岐配管ヒーター31の保護管17、25への挿入等の作業を広い屋外から作業することができ、作業性が良い。なお、本発明の実施の形態ではケーシング8の蓋8aが屋外に突出している例であるが、本発明はこれに限ったものではなく、例えば分水盤が床下空間に設置され、その蓋が点検口として屋内床の一部に設けられている場合でも、蓋を外すことで室内より作業ができ、床下などの狭い空間での作業を強いられることがなく施工性に優れている。
【0029】
また、電源盤27は15個の分岐配管ヒーター用ソケット30を有しているが、これは、給水ヘッダー10と給湯ヘッダー13への最大分岐配管接続数と同数である。通常、分水盤6への分岐配管15の接続数は住宅のレイアウトや湯水使用器具数によって異なるが、本発明の実施の形態では電源盤に予め最大使用数と同数の分岐配管ヒーター用ソケット30を備えているため、施工時に分岐配管15の使用数にあわせてヒーター電源プラグ35を分岐配管ヒーター用ソケット30に挿入するだけでよく、別途住宅の分電盤よりの大掛かりな電源工事を行う必要はない。
【0030】
なお、本発明の実施の形態では、気温がセンサー設定温度以下になると自動的にヒーターの発熱が行われるが、例えば旅行中や別荘で居住していないときなどは凍結を防止するために常にヒーターを動作させる必要はない。このような場合には、分水盤6にヒーターの電源スイッチを備え、不在時は電源を切断しておくこともできる。このようにすれば、電気エネルギーの無駄を省くことができる。
【0031】
また本発明の実施の形態では、予め各分岐配管15に分岐配管ヒーター31を設置している。この方法は気温が設定温度以下になると自動的にヒーターが発熱するため常に凍結を防止することはできるが、分岐配管ヒーター31を分岐配管15と同数使用しなくてはならず、気温が滅多に凍結温度以下にならない地域では、設置コストと比較したメリットが少ない。
【0032】
このような場合には、分水盤6の施工時は分岐配管ヒーター31を設置せず、寒波等で万一凍結した場合には、分岐配管ヒーター31を分水盤6より設置することで、分岐配管15中の凍結水を解凍することができる。この場合にも分岐配管ヒーター31を分水盤6のケーシング8内より保護管25に挿入し、ヒーター電源プラグ35を電源盤27の分岐配管ヒーター用ソケット30に差込接続するのみでよい。この場合、分岐配管ヒーター31は各住宅にて準備しておく必要はなく、水道工事業者が所有しておけば、凍結時に各住宅を巡回し、解凍することが簡単にできる。このようにすることで、初期導入コストを抑え、かつ万一の分岐配管凍結時には解凍を行うことができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1では、給水本管より各住宅に分岐される給水主管と、水使用器具に接続される分岐配管とが集中接続されるヘッダーと、前記ヘッダーの周囲を囲う蓋付のケーシングを有し、前記ケーシングには、前記分岐配管を収納する保護管が接続される保護管接続部を有する分水盤であって、前記ケーシングには前記分岐配管を保温また加熱するヒーターを収納する保護管が接続される保護管接続部を有しているので、分水盤にヒーターの保護管と分岐配管の保護管を接続した後はケーシングの蓋を開けることにより、ヒーターや分岐配管の保護管への挿通を分水盤のケーシング内より別々に行うことができ、分水盤設置時のヒーターの挿通作業やメンテナンス時のヒーターの交換作業が屋内外から直接行うことができ、作業空間がとれ、施工が非常に楽になる。(第一、二課題)
【0034】
さらに、本発明の請求項2では、請求項1の分水盤においてケーシングの蓋が、室内または屋外に、面しているか突出させたので、蓋を外すことにより室内または屋外より分岐配管とヒーターの保護管挿通作業をすることができ、施工性がさらに優れている。
【0035】
さらに、本発明の請求項3では、請求項1、2の分水盤において、ケーシング内に電源ソケットまたは電源プラグを設けるようにしたので、ケーシング内よりヒーターを挿入した後で電源工事を別途行う必要がなく低コストで施工することができる。(第三課題)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における分水盤のケーシング取外し状態の上面図
【図2】本発明の実施の形態1における分水盤の部分拡大図
【図3】本発明の実施の形態1における分水盤の左側面図
【図4】本発明の実施の形態1における電源盤の正面図
【図5】本発明の実施の形態1における分岐配管ヒーターの外観図
【図6】本発明の実施の形態1における保護管接続部の断面図
【図7】従来の配管とヒーターを1本の保護管に収納した場合の外観図
【図8】従来の配管とヒーターを保護管に収納した場合の一部破断斜視図
【図9】従来の分水盤の基礎取付状態斜視図
【図10】従来の分水盤の上方から見た半断面図
【図11】従来の分水盤の部分拡大上面外観図
【図12】従来の分水盤の部分拡大上面外観図
【符号の説明】
1 通水管
2 ヒーター
3、3a、3b 保護管
4 制御装置
5 保温材
6 分水盤
7 基礎
8 ケーシング
8a 蓋
9 給水主管
10 給水ヘッダー
11 給湯機
12 配管
13 給湯ヘッダー
14 配管
15 分岐配管
16 凍結防止用ヒーター
17 保護管
18 保護管接続部
19 保護管接続部
20 減圧弁
21 クイックファスナー
22 継手
24 基礎
25 保護管
26 分水盤ヒーター
27 電源盤
28 電源線
29 分水盤ヒーター用ソケット
30 分岐配管ヒーター用ソケット
31 分岐配管ヒーター
32 発熱部
33 温度センサー
34 ヒーター電源線
35 ヒーター電源プラグ
50 接続部本体
51 鍔部
52 C形止め輪
53 分岐配管挿通穴
54 ヒーター挿通穴
55 保温材シート
【発明の属する技術分野】
本発明は住宅などの建物に用いられ、給水給湯を分岐配管する分岐部材に関する。
そして、分水盤とは、給水主管から供給される給水を複数の水使用器具へと分岐するためのヘッダーを表す。さらに、水使用器具とは、給水配管の末端に配置された各種の給水及び/又は給湯設備を示す。
【0002】
【従来の技術】
従来の住宅で給水給湯主管を各水使用器具に分岐配管する部材である分水盤の例を図9、図10に示す。図9は基礎7に固定されている分水盤6の斜視図、図10は分水盤6の上方からみた半断面図である。
図9において、この分水盤6はケーシング8を有し、配水管から分岐された給水主管9は給水ヘッダー10に接続され、このヘッダーの一端と給湯機11が配管12により接続されている。また、この分水盤6は給湯ヘッダー13を有し、この給湯ヘッダー13の一端と給湯機11の出湯接続口とは配管14と接続されている。このため、給水ヘッダー10と給湯ヘッダー13より住宅の各水使用器具まで分岐配管15を接続することにより、湯水をこの分水盤6にて集中分岐配管を行うことができる。
【0003】
また図10に示すように、分水盤6のケーシング8には保護管17を接続する保護管接続部18を有しており、この保護管接続部18に保護管17の一端が接続されている。このため分水盤6を基礎7に施工した後に分岐配管15を施工する際には、分水盤6のケーシング8の一部である蓋を外すことでケーシング8内より分岐配管15を保護管17内に挿入することができる。またこの分水盤6は内部に凍結防止用ヒーター16を有しており、分水盤6内の気温が低下すると凍結防止用ヒーター16が発熱し、分水盤6内の凍結を防止するようになっている。また、この凍結防止用ヒーター16の電源は前述の給湯機11より分岐接続されており、住宅の分電盤より電源線を施工する必要が無く、コストを抑えることができるというものである。(例えば特許文献1)
また寒冷地における配管部分の凍結防止方法としては、図7のように湯水を通水する通水管1とヒーター2を共に保護管3に収めるという方法がとられている。このヒーター2は制御装置4に接続され、寒冷期にはこのヒーター2を発熱させることによって通水管1の凍結を防止する。(例えば特許文献2)
【0004】
この方法では、保護管3内という同一空間に通水管1とヒーター2が収められているため、効率よく熱が伝達され通水管1を保温できるという利点がある反面、通水管1とヒーター2を同時に保護管3に挿入する必要がある。これは敷設する建築物の設計自由度を高めるため保護管3の直径は小さいものを使わなくてはならず、通水管1またはヒーター2のいずれかを先に挿入すると、他方を挿入するときには先に挿入したものが邪魔になり非常に挿入しにくくなるからである。このことによりヒーター2の交換に支障が出る。
【0005】
これは、樹脂管や金属管が使用される通水管1の寿命(通常20年から30年)に比べ、電気製品であるヒーター2の寿命が短く、10年程度で交換する必要があることによる。このため、ヒーター2を交換するには、一度通水管1の端部接続を外し保護管3から引き抜いた後、再度新しいヒーター2と共に保護管3に挿入しなくてはならない。このため、通水管1本来の寿命としては必要の無い、短期間での保護管3への再挿通や、それに伴う通水管端の他の器具との接続作業を行う必要がある。
上記の課題を解決するものとしては、図8のように通水管1とヒーター2を別々の保護管3b、3aに収めるものがある。これは二本の保護管3a、3bを同一の保温材5に収めたものであり、通水管1とヒーター2が異なる保護管3b、3aに挿通するため、同一のタイミングで保護管3a、3bに挿通する必要がなく、別々にメンテナンスを行うことができる。(例えば特許文献3)
このため、前記分水盤6を使用して分岐配管内の凍結配慮を行うと、前記保護管3a、3bを使用することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−212983(第1図、第4図)
【特許文献2】
特開2000−2391(第1図)
【特許文献3】
実登3084455(第9図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記構成では下記の課題を有している。
(第一課題)
前記図9、図10の構成では凍結防止用ヒーター16により分水盤6内は暖めることができる、即ち分岐配管15についても分水盤6内及びその近傍については配管内の水の凍結を防止することができるが、分水盤6から離れた部分までは暖めることができない。分岐配管15の他端は水使用器具まで繋がっており、長いものでは十数メートルにもなる。この先端部までは分水盤6内の凍結防止ヒーター16では暖めることができずに凍結してしまう。
【0008】
このため分岐配管15については前述の図8の構造を採用することが考えられる。しかしながら、前記図9、図10の分水盤6にはケーシング8に保護管接続部18を有しており、分岐配管15(前述の図8では通水管1に相当する)を収める保護管3bを接続することには問題がないが、ヒーター2を収納する保護管3a(3bとサイズが異なっている)を接続する部位がない。
【0009】
このときのヒーター2を保護管に挿入するときの状況を、図11を用いて説明する。図11は従来の分水盤6に図8記載の保護管を接続している状態の上面外観図である。図11において、基礎7に設置された分水盤6の保護管接続部18に保護管17(図8の3bに相当する。)が接続してある。また保護管17と保護管25(図8の3aに相当する。)は保温材5に収納されている。この保護管25の端部は保護管17よりも短く切断してある。
この状態において、ヒーター2を保護管25の端部より挿入しなくてはならない。このとき、保護管25の端部とケーシング8及び基礎7の隙間が大きいとヒーター2の挿入作業を行いやすくなるが、一方で保温材5は分岐配管15の断熱の観点よりできるだけケーシング8に近づけなくてはならない。このため前述の隙間が小さくなり、ヒーター2の挿入作業が大変難しくなるという問題があった。
【0010】
(第二課題)
保温材5と保護管接続部18の間を保温材シート55で巻いた後、図12(従来の分水盤6の上面外観図)のように保温材5とケーシング8にテープで空気が漏れないようにしっかり固定する案が考えられる。これは前述のように極力保温材5をケーシング8に近づけているがヒーター2を挿入する必要があるため、隙間は必ず必要になる。そのままでは断熱性能が悪くなるので保温材シート55を使用する。
【0011】
初期このようにして施工した結果、メンテナンス時に問題を生じる。前述のように、ヒーター2は10年程度で交換する必要がある。この交換時は、住宅内の床壁天井は施工されている。通常、ケーシングの蓋は点検のため屋内外に面しているか、隠蔽部にある場合には、蓋を開けると作業をすることができる位置に点検口が設けられているが、住宅の設計自由度を大きくするため点検口は極力小さくすることが望ましく、ケーシングの外部まで、さらには外部での作業をできるほど大きくすることは機能性や美観を大きく損ねてしまう。
このため床下に分水盤を設置する場合は他の床点検口から室内床下の狭い空間を這って分水盤6まで移動し、保温材シート55を一度外し、ヒーター2を交換しなくてはならない。前述のとおり保温材シート55はテープでしっかり固定されているため、剥ぎにくく、また保温材シート55を取り除いた後にヒーター2の交換作業を床貼り状態の狭い空間で行うことを強いられ大変困難な作業が必要であった。
【0012】
またこの保護管25、17を使用するときは新築時に保護管25にヒーター2を施工するとは限らない。例えば、建築する場所により、新築時は分岐配管15にヒーターが必要かどうか判らないことがある。この場合、ヒーターを設置するには部材費及び施工費が必要であり住宅全体の建築費が高くなってしまう。このため、新築時は保護管25、17、保温材5のみを施工しておき、実際に居住後、予想以上に気温が低い場合にはヒーターを追加設置することが考えられる。このときにも、前述と同様に床貼り状態の狭い床下空間において煩雑な作業をする必要があった。
【0013】
また別の例としては、ヒーター2を凍結防止としてではなく、分岐配管15が凍結した場合の解凍手段として使用する方法がある。この場合も新築当初は保護管25、17、保温材5のみを配管する。入居後、低温時に分岐配管15が凍結した場合に、ヒーター2を保護管25内に挿入するというものである。しかしながらこのヒーター2の挿入時は前述の如く床貼り状態での作業となるため大変な作業をする必要があった。
【0014】
(第三課題)
また前記第一、二課題に記載したように、ケーシング8の外でヒーター2を施工しなくてはならないため、ヒーター2の電源を別途住宅の分電盤より分岐する必要がある。この場合電源線を配線する施工費が高くなるばかりでなく、分水盤6の近傍にて複数の分岐配管15に沿って複数のヒーター2を電源線に接続しなくてはならず、基礎7内側の分水盤6近傍がヒーター2の配線で非常に乱雑になり、施工の際に踏みつけたり工具をぶつけてしまい、配線を傷つけてしまうという問題があった。
万一配線を傷つけてしまった場合にも、ヒーター2は通常床下に配置する温度センサーにより駆動するため施工時に確認できず、住宅の施工が完了後、冬季に気温が低下し温度センサーが感知したにもかかわらずヒーター2が作動せず、分岐配管が凍結し、水が使用できなくなって初めて傷つきが判明するという大変大きな問題になる。
上記の問題点を解決するため、そこで本発明では、施工現場でのヒーター設置及びヒーターの交換に際しても工期を短縮することができる分水盤を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため本発明の請求項1では、給水本管より各住宅に分岐される給水主管と、水使用器具に接続される分岐配管とが集中接続されるヘッダーと、前記ヘッダーの周囲を囲う蓋付のケーシングを有し、前記ケーシングには、前記分岐配管を収納する保護管が接続される保護管接続部を有する分水盤であって、前記ケーシングには前記分岐配管を保温また加熱するヒーターを収納する保護管が接続される保護管接続部を有することを特徴とした。
【0016】
これにより、分水盤にヒーターの保護管と分岐配管の保護管を接続した後はケーシングの蓋を開けるだけで、ヒーターや分岐配管の保護管への挿通を分水盤のケーシング内より別々に行うことができる。
【0017】
本発明の請求項2では、請求項1の分水盤においてケーシングの蓋が、室内または屋外に、面しているか突出させた。
【0018】
これにより、蓋を外すことにより室内または屋外より分岐配管とヒーターの保護管挿通作業をすることができる。
【0019】
本発明の請求項3では、請求項1、2の分水盤において、ケーシング内に電源ソケットまたは電源プラグを設けるようにした。
【0020】
これにより、ケーシング内よりヒーターを挿入した後で電源工事を別途行う必要がない。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態1について、以下の図に基づいて説明を行う。
図1は分水盤のケーシングの蓋を取り外した状態の上面図、図2は図1のA部の部分拡大図(説明の都合上、ケーシングの一部を切り欠いた状態にしてある。)、図3は分水盤の左側面図、図6はケーシング8の保護管接続部18の断面図である。従来の技術と同じ機能を有するものについては同じ番号を使用して説明する。分水盤6は図3のように蓋8aを有するケーシング8を有しており、この蓋8aを外した状態が図1である。図1において分水盤6はケーシング8内に減圧弁20と給水ヘッダー10、給湯ヘッダー13を有する。また、ケーシング8の基礎24内側に配置される部分には、サイズの異なる保護管接続部18、19を有する。これは、従来の配管の例にて説明した図8に示す保護管3a、3bを接続できるようになっており、この構造について図6を用いて説明する。
【0022】
図6において、保護管接続部18は略円筒形の接続部本体50と、内面に鍔部51を有する弾性の樹脂材料からなるC形止め輪52にて構成される。まずC形止め輪52を外している状態で保護管17を接続部本体50に挿入した後、C形止め輪52を接続部本体50の外側より嵌め込む。このとき鍔部51は保護管17の外面波形の凹部に嵌りこむ。このためこの状態からは保護管17は抜けない状態になっている。また、保護管25と保護管接続部19との接続構造も同じである。サイズの大きな保護管接続部18には各湯水使用器具へ配管される分岐配管15を収納する保護管17(図8の3bに相当する。)が接続され、サイズの小さな保護管接続部19にはヒーターを収納する保護管25(図8の3aに相当する。)が接続される。なお、これらの保護管17、25は各1本ずつ対になって保温材5に収納されている。
【0023】
ここで湯水の流れについて説明すると、従来例と同様に給水主管9から流入した水は水圧を安定させるための減圧弁20、給水ヘッダー10を通過し、配管12を通り、図示しない給湯機に至る。給湯機で加熱された湯は配管14を通り給湯ヘッダー13に流れ込む。ここで、給水ヘッダー10と給湯ヘッダー13には、各湯水使用器具へ接続される複数の分岐配管15が分岐接続されている。この接続方法について説明する。各分岐配管15は分水盤6と住宅内の湯水使用器具との間に敷設される必要がある。このためまず分岐配管15を前記敷設に必要な長さに切断し、分水盤6のケーシング8に設けられている分岐配管挿通穴53より保護管接続部18に接続された保護管17に挿入していく。保護管17は事前に他端が湯水使用器具まで敷設されており、保護管17に挿入していくことにより、分岐配管15の先端が湯水使用器具に達する。次に、分岐配管15の挿入元端部に継手22を接続する。
【0024】
この分岐配管15と継手22との接続は、分岐配管15の端部を継手22の一端に接続するだけでよく、一般にワンタッチ接続といわれる方式である。継手22の他端は外周に鍔を有し、2個のOリングを有する円柱凸形状をしている。また、給水ヘッダー10及び給湯ヘッダー13の継手接続部形状は端部外周に鍔を有しており、内部は平滑な内周面である筒形状をなしている。前記継手22の凸形状部を前記ヘッダーの接続部に差し込むことにより、前記2個のOリングがヘッダーの平滑な内周面に当接し、ヘッダーと継手22間をシールする。また接続時はヘッダーと継手22の鍔が重なり合っており、この両鍔を挟み込む形でクイックファスナー21を側面からはめ込み固定し、抜けないようにしている。
【0025】
また、分水盤6は寒冷地に設置する場合に備えて分水盤ヒーター26を有している。これは、内部に温度検知機能を有しており、気温が0℃以下であることを検知すると発熱し、給水ヘッダー10や給湯ヘッダー13などの通水部材を暖め、内部の水が凍結することを防止する。このヒーターの電源は電源盤27、電源盤に接続された電源線28を介して、近傍に設置される給湯機内の電源端子(図示せず)に接続してある。この電源盤の正面図(ヒーター電源線を接続していない状態)を図4に示す。図4においてこの電源盤27は2個の分水盤ヒーター用ソケット29と15個の分岐配管ヒーター用ソケット30を有している。前記分水盤ヒーターの電源線端部は図示はしないがプラグ形状になっており、分水盤ヒーター用ソケット29に差込接続するだけで接続が完了する。
【0026】
次に分岐配管ヒーター31について説明する。前述の分水盤ヒーター26は給水ヘッダー10や給湯ヘッダー13などの分水盤6内の通水部材の凍結防止を行うことができるが、分岐配管15については凍結を防止することができない。このため別に分岐配管ヒーター31を使用する。分岐配管ヒーター31の外観図を図5に示す。図5において分岐配管ヒーター31は発熱部32、温度センサー部33、ヒーター電源線34、ヒーター電源プラグ35からなっている。前述のように分岐配管15を施工し終えた後にケーシング8に設けられているヒーター挿通穴54より保護管接続部19に接続されている保護管25に、発熱部32の先端より挿入していく。このとき発熱部32は挿入される各保護管25と同じ長さにしてある。このため温度センサー部33を保護管接続部19まで挿入すると、発熱部32は保護管25の全長にわたって収納されている。この後、ヒーター電源プラグ35を電源盤27の分岐配管ヒーター用ソケット30に差込接続する。この作業を各分岐配管15に対して行う。このようにすることにより、分岐配管15近傍の温度が低下したことを、温度センサー部33が検知することにより発熱部32が発熱をおこなう。前述のように分水盤6の外部において分岐配管15を収納する保護管17と分岐配管ヒーター31を収納する保護管25は保温材5に収納されているため、分岐配管ヒーター31の発熱で分岐配管15を加熱することができ、分岐配管15の凍結を防止することができる。
【0027】
上記のように分岐配管15と分岐配管ヒーター31を異なる保護管に収納したことにより、分岐配管15と分岐配管ヒーター31を別々に保護管に挿入することができる。このため、分水盤6の新設時に両者の施工順序の制約がなくなるばかりでなく、分岐配管15に比べて短い、分岐配管ヒーター31の耐用年数が経過したときは、分岐配管ヒーター31のみを交換することができ、メンテナンス性に優れている。
【0028】
また、本発明の実施の形態では分水盤6を住宅の基礎24に設置し、ケーシング8の蓋8aが屋外に突出して配置されているため、蓋8aを外すことにより、分水盤6の分岐配管15や分岐配管ヒーター31の保護管17、25への挿入等の作業を広い屋外から作業することができ、作業性が良い。なお、本発明の実施の形態ではケーシング8の蓋8aが屋外に突出している例であるが、本発明はこれに限ったものではなく、例えば分水盤が床下空間に設置され、その蓋が点検口として屋内床の一部に設けられている場合でも、蓋を外すことで室内より作業ができ、床下などの狭い空間での作業を強いられることがなく施工性に優れている。
【0029】
また、電源盤27は15個の分岐配管ヒーター用ソケット30を有しているが、これは、給水ヘッダー10と給湯ヘッダー13への最大分岐配管接続数と同数である。通常、分水盤6への分岐配管15の接続数は住宅のレイアウトや湯水使用器具数によって異なるが、本発明の実施の形態では電源盤に予め最大使用数と同数の分岐配管ヒーター用ソケット30を備えているため、施工時に分岐配管15の使用数にあわせてヒーター電源プラグ35を分岐配管ヒーター用ソケット30に挿入するだけでよく、別途住宅の分電盤よりの大掛かりな電源工事を行う必要はない。
【0030】
なお、本発明の実施の形態では、気温がセンサー設定温度以下になると自動的にヒーターの発熱が行われるが、例えば旅行中や別荘で居住していないときなどは凍結を防止するために常にヒーターを動作させる必要はない。このような場合には、分水盤6にヒーターの電源スイッチを備え、不在時は電源を切断しておくこともできる。このようにすれば、電気エネルギーの無駄を省くことができる。
【0031】
また本発明の実施の形態では、予め各分岐配管15に分岐配管ヒーター31を設置している。この方法は気温が設定温度以下になると自動的にヒーターが発熱するため常に凍結を防止することはできるが、分岐配管ヒーター31を分岐配管15と同数使用しなくてはならず、気温が滅多に凍結温度以下にならない地域では、設置コストと比較したメリットが少ない。
【0032】
このような場合には、分水盤6の施工時は分岐配管ヒーター31を設置せず、寒波等で万一凍結した場合には、分岐配管ヒーター31を分水盤6より設置することで、分岐配管15中の凍結水を解凍することができる。この場合にも分岐配管ヒーター31を分水盤6のケーシング8内より保護管25に挿入し、ヒーター電源プラグ35を電源盤27の分岐配管ヒーター用ソケット30に差込接続するのみでよい。この場合、分岐配管ヒーター31は各住宅にて準備しておく必要はなく、水道工事業者が所有しておけば、凍結時に各住宅を巡回し、解凍することが簡単にできる。このようにすることで、初期導入コストを抑え、かつ万一の分岐配管凍結時には解凍を行うことができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1では、給水本管より各住宅に分岐される給水主管と、水使用器具に接続される分岐配管とが集中接続されるヘッダーと、前記ヘッダーの周囲を囲う蓋付のケーシングを有し、前記ケーシングには、前記分岐配管を収納する保護管が接続される保護管接続部を有する分水盤であって、前記ケーシングには前記分岐配管を保温また加熱するヒーターを収納する保護管が接続される保護管接続部を有しているので、分水盤にヒーターの保護管と分岐配管の保護管を接続した後はケーシングの蓋を開けることにより、ヒーターや分岐配管の保護管への挿通を分水盤のケーシング内より別々に行うことができ、分水盤設置時のヒーターの挿通作業やメンテナンス時のヒーターの交換作業が屋内外から直接行うことができ、作業空間がとれ、施工が非常に楽になる。(第一、二課題)
【0034】
さらに、本発明の請求項2では、請求項1の分水盤においてケーシングの蓋が、室内または屋外に、面しているか突出させたので、蓋を外すことにより室内または屋外より分岐配管とヒーターの保護管挿通作業をすることができ、施工性がさらに優れている。
【0035】
さらに、本発明の請求項3では、請求項1、2の分水盤において、ケーシング内に電源ソケットまたは電源プラグを設けるようにしたので、ケーシング内よりヒーターを挿入した後で電源工事を別途行う必要がなく低コストで施工することができる。(第三課題)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における分水盤のケーシング取外し状態の上面図
【図2】本発明の実施の形態1における分水盤の部分拡大図
【図3】本発明の実施の形態1における分水盤の左側面図
【図4】本発明の実施の形態1における電源盤の正面図
【図5】本発明の実施の形態1における分岐配管ヒーターの外観図
【図6】本発明の実施の形態1における保護管接続部の断面図
【図7】従来の配管とヒーターを1本の保護管に収納した場合の外観図
【図8】従来の配管とヒーターを保護管に収納した場合の一部破断斜視図
【図9】従来の分水盤の基礎取付状態斜視図
【図10】従来の分水盤の上方から見た半断面図
【図11】従来の分水盤の部分拡大上面外観図
【図12】従来の分水盤の部分拡大上面外観図
【符号の説明】
1 通水管
2 ヒーター
3、3a、3b 保護管
4 制御装置
5 保温材
6 分水盤
7 基礎
8 ケーシング
8a 蓋
9 給水主管
10 給水ヘッダー
11 給湯機
12 配管
13 給湯ヘッダー
14 配管
15 分岐配管
16 凍結防止用ヒーター
17 保護管
18 保護管接続部
19 保護管接続部
20 減圧弁
21 クイックファスナー
22 継手
24 基礎
25 保護管
26 分水盤ヒーター
27 電源盤
28 電源線
29 分水盤ヒーター用ソケット
30 分岐配管ヒーター用ソケット
31 分岐配管ヒーター
32 発熱部
33 温度センサー
34 ヒーター電源線
35 ヒーター電源プラグ
50 接続部本体
51 鍔部
52 C形止め輪
53 分岐配管挿通穴
54 ヒーター挿通穴
55 保温材シート
Claims (3)
- 給水本管より各住宅に分岐される給水主管と、水使用器具に接続される分岐配管とが集中接続されるヘッダーと、前記ヘッダーの周囲を囲う蓋付のケーシングを有し、前記ケーシングには、前記分岐配管を収納する保護管が接続される保護管接続部を有する分水盤であって、前記ケーシングには前記分岐配管を保温また加熱するヒーターを収納する保護管が接続される保護管接続部を有することを特徴とする分水盤。
- ケーシングの蓋が、室内または屋外に、面しているか突出していることを特徴とする請求項1記載の分水盤。
- ケーシング内に電源ソケットまたは電源プラグを設けていることを特徴とする請求項1または2記載の分水盤。
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Cited By (1)
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JP2009236317A (ja) * | 2008-03-05 | 2009-10-15 | Bridgestone Tire Nagano Hanbai Kk | 接続継ぎ手及びこれを用いた配管の施工方法 |
-
2003
- 2003-01-10 JP JP2003004726A patent/JP2004218224A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009236317A (ja) * | 2008-03-05 | 2009-10-15 | Bridgestone Tire Nagano Hanbai Kk | 接続継ぎ手及びこれを用いた配管の施工方法 |
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