JP2004217997A - 電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置、電解めっき方法、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置、電解めっき方法、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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剛司 神吉
Noriyoshi Shimizu
紀嘉 清水
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Abstract

【課題】電解めっきにおいて、実際に半導体基板をめっき浴に浸して主材料である銅を析出させてみないと各種添加剤のバランスや制御性が判断できないという問題があった。
【解決手段】従来のCVS装置に、回転速度の変化に対応した析出量の変化を、添加剤の濃度ごとにプロットしてグラフを生成する第1のグラフ生成手段と、生成されたグラフの各添加剤濃度の曲線を、回転速度の低い領域と遅い領域とで2つの直線として近似し、2直線の交点を添加剤濃度ごとに、回転速度と対応する析出量をプロットし、直線で近似してグラフを生成する第2のグラフ生成手段と、その手段で得られた直線の傾きを添加剤の固有特性値として算出する手段を設けた。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解めっきの添加剤評価装置と電解めっき方法に関し、更に半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、微細化・高速化するCMOS構造のLSI用の配線材料として、低抵抗でエレクトロマイグレーション(EM)耐性が高い銅配線が適応されている。銅は、Al配線とは異なりドライエッチングでの加工が困難である。そこで、絶縁膜に溝やビアを形成して、そこに銅を埋め込むダマシン法が採用されている。特に低コストという観点から、配線層と接続孔(以下、ビア)を同時に形成するデュアルダマシン法が開発されている。図16は、デュアルダマシン法を簡単に説明するための図である。ビアと配線を別工程で作成するシングルダマシンに対し、デュアルダマシンでは、ビアの開孔と配線部の溝の形成とを行なった後に、一度の銅めっき1でビア2と配線3を同時に作成する技術である。
【0003】
デュアルダマシン法の場合、銅を埋め込む溝(トレンチ)やビアのアスペクト比が高くなるため、埋め込み特性に優れた電解めっきが多く用いられている。電解めっきでは、高い埋め込み能力を確保するために添加剤を使用しており、この添加剤の働きを充分に制御することが重要である。
【0004】
一般に銅の電解めっきに使用される添加剤は、光沢剤(ブライトナー)、抑止剤(ポリマー)、平滑剤(レベラー)の3成分が基本となる。その中で、ポリマーは銅の析出を抑える特性を持つ添加剤である。これらの添加剤の作用によって、ビアやトレンチの底面からの銅の成長(ボトムアップ成長)が制御される。ボトムアップ成長の速度が速い程埋め込み特性は良好である。しかし、各添加剤を加えた際の効果のバランスや、特性の制御(特にポリマーの制御)が不可欠である(例えば、特許文献1参照。)。もし、添加剤のバランスや制御が不十分であると、埋め込んだ銅の中にシームと呼ばれる隙間や、ボイドと呼ばれる空隙ができてしまうという不良が発生する。この様な不良が発生すると、ビアやトレンチの抵抗値が増大し、更には電気的な導通が取れなくなってしまうなどの問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−152398号公報 (第2−9頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたとおり、ビアやトレンチを良好に埋め込むには、各種添加剤を最適濃度でめっき液に添加する必要がある。めっき膜の望ましい成長機構は、ある程度ビアやトレンチの底面や内壁に均一に成長(コンフォーマル成長)した後に、速やかに上記したボトムアップ成長(底面からの成長)に移行することである。この成長機構によって、シームやボイドの形成を防止することができる。
【0007】
しかしながら、実際に半導体基板をめっき浴に浸して銅を析出させてみないと各種添加剤のバランスや制御性が判断できない。特にビアやトレンチの底面と内壁とにコンフォーマル成長した後に、どのようなタイミングでボトムアップ成長に移行するのかを知るには、実際にめっき浴に浸し、成長した膜厚の変化に対応した試料の断面を、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy:SEM)などによって、各段面のめっき成長の様子を観察し、どの時点でコンフォーマル成長から、ボトムアップ成長に移行しているかを、SEM写真を撮影するなどして確認する方法がある。しかし、上記方法で、各種添加剤の種類や濃度を変化させてボトムアップ成長に移行するタイミングを調べるには、莫大な労力と時間が必要であるという問題点がある。
【0008】
また、半導体装置の微細化に伴い、ビアやトレンチの開口幅もより小さくなりつつある。この様に、微細なビアやトレンチの開口幅は、今や0.10μm程度にまで縮小されている。現状のめっき技術では、この様な微細なビアやトレンチを良好に埋め込むことができないという問題がある。そのため、各種添加剤の組み合わせや最適濃度などが鋭意研究されている。しかしながら、上記したとおり、添加剤の評価には、労力や時間がかかる。
【0009】
更に、デュアルダマシンなど、ビアと配線領域とを銅のめっきによって同時に埋め込む場合は、半導体表面に形成されたパターンの疎密によって、銅の段差ができてしまい、めっき後の表面が平坦にならないという問題がある。開口幅の広い、パターンの疎な領域では、溝が完全に埋まりきらず、逆に、開口幅が微細なビアやトレンチが密に分布している領域では、埋め込まれたビアやトレンチの上部領域に過剰に厚い銅が形成されてしまう(オーバープレート現象)。従って、後工程で化学的機械研磨法(Chemical Mechanical Polishing:CMP)を行なっても、表面は平滑にならず、この後更に上層の配線を形成する際の問題となっている。
【0010】
また、特開2001−152398号公報には、光沢剤、平滑剤、抑止剤などの添加剤を測定して一定濃度に保つ方法や、めっき液中の特定の添加物濃度のみを測定してめっき液を評価する方法、また、そのための装置が開示されているのみである。
【0011】
そこで、本発明の目的は、低コストで添加剤を評価する新しい評価装置と、その評価装置から導出される添加剤の特性値に基づいて添加剤を選択し、良好な埋め込み特性のめっき方法、更に、表面が平滑に埋め込める半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、評価用電極をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、前記評価用電極を回転させて前記主材料を析出させる電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置において、異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対し、前記回転数と前記主材料の前記評価用電極への析出量との関係を検知する検知部と、前記検知された析出量と回転数との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きを、前記添加剤の固有特性値として生成する固有特性値生成部とを有することを特徴とする電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置にある。
【0013】
この様な装置を用いることによりめっき液の添加剤に固有な特性値を容易に求めることができ、添加剤の評価を簡便に行なうことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、本発明の保護範囲は、以下の実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態例でのトレンチの埋め込み機構を説明するための図である。ビアやトレンチを埋め込む場合、底面からの成長速度が早いボトムアップ成長と呼ばれる機構が最適である。底面と側壁とに均一に成長するコンフォーマル成長では、底面の開口幅に対する開口深さの比(アスペクト比)の高いビアやトレンチは埋め込むことができない。図1(1)の様に、底面からの成長が非常に早いと、埋め込み特性は良好である。しかし、図1(2)の様に、コンフォーマル成長のみでは、シーム4と呼ばれる隙間ができてしまう。また、図1(3)に示すとおり、コンフォーマル成長をしながらボトムアップ成長も同時に行なうと、ボイド5と呼ばれる空隙ができてしまう。
【0016】
図2は、ボトムアップ成長の機構を示す図である。種々の膜厚でトレンチを埋め込み、その断面を観察することによって埋め込み過程を調べ、コンフォーマル成長からボトムアップ成長に切り替わるタイミングを調べたものである。図2に示すとおり初期のコンフォーマル成長を経て、底面からの成長の早いボトムアップ成長に切り替わる。従って、その切り替わりが早い方が、埋め込み性能もあがる。この機構は、3種類の添加剤をめっき液に添加することで、実現される。この添加剤は、光沢剤(ブライトナー)、抑止剤(ポリマー)、平滑剤(レベラー)である。発明者は、これらの添加剤で、特に抑止剤であるポリマーに着目し、その特性を詳細に検討した。その結果、ポリマーが有する特性が、ボトムアップ成長の機構に深く関わっていることを実験により見いだした。以下、その実験について説明する。
【0017】
ポリマーの固有特性値を評価する方法として、CVS(Cyclic Voltammetric Stripping) 法を利用した。CVS法の装置として、ECIテック社製のQP4000を使用した。この装置は、約5mmφの円柱形をした白金電極の平滑な円形面を、ビーカーに入れためっきの主材料と添加剤とを含むめっき液に接触させ、その電極を円形面の中心を軸として所定の回転速度で回転させる機構を備え、めっき液内に白金電極と導通し、印可する電圧を変えることができる電極とを備え、更に、添加剤を所望の分量だけ滴下して、めっき液の添加剤濃度を所望の値に保持する添加剤滴下部とを備えた装置である。
【0018】
更にこの装置は、印可した電圧値に対応して流れた電流値をモニタして、所定の回転速度と所定の添加剤濃度での、めっきの主材料の析出量を導き出す機構を有している。
【0019】
図3は、CVS装置の電極回転数と拡散層の関係を説明するための図である。白金電極をめっき液に接触させて回転させると、めっき液に接触した白金電極の下にめっき液の対流が起こり、拡散層が形成される。拡散層の厚さによって、白金電極の表面に供給される添加剤の分量が変わってくる。この拡散層の厚さδは、回転数:ω、粘性係数:υ、拡散係数:Dとすると、δ=1.61×ω−1/2×υ1/6×D1/3なる式で与えられる。図3に示すとおり、回転数が上がるにつれて拡散層は薄くなる。回転数が早いと、拡散層は薄くなるので、添加剤(本実験例では、抑止剤のポリマー)が供給され易くなる。従って、ポリマーが多く供給されて抑止効果が高まり、主材料である銅の析出量は少なくなる。逆に、回転数が低いと、拡散層が厚くなるため、ポリマーは供給されにくくなり、銅の析出量は多くなる。
【0020】
図4は、CVS装置によってめっき主材料の析出量を算出する方法を説明するための図である。図において、横軸は電位を示し、縦軸は電流値を示している。電位は、−300mVから1000mVまで変化させ、この時に流れた電流値を測定する。まず銅を析出させるため、電位をマイナス方向に変化させる。これによって白金電極に銅が析出する。−300mVに達した時点で電位を反転させ、析出した銅を溶解させるため、電位をプラス方向に変化させる。電位が0Vでは、電流は流れないが、電位が0Vから上がるにつれて、析出した銅によって電流値も上昇する。電流値が上昇している時に、析出させた銅は徐々にめっき液中へと溶解してゆく。そして、電流が急激に減少し0mAになった時点で析出させた銅は全て溶解し、もはや電流は流れなくなる。この図の斜線部の面積が析出した銅の量に対応する。この様に、CVS装置によれば、電極に印可した電圧とその時流れた電流とをモニタすることにより、めっき主材料の析出量を算出できる。
【0021】
そこで、発明者はCVS装置を利用し、添加剤を全く添加しない場合の析出量を100%として、添加剤を添加した際の析出率が何%にまで低下したか(銅の析出がどの程度抑止されたか)を調査した。この際に、白金電極の回転数は一定とし、添加剤は抑止剤であるポリマーを用いた。そして、その添加量(ポリマー濃度)を種々変更し、所定の回転数での析出率の低下を調査した。
【0022】
また、上記したとおり白金電極の回転数によって、拡散層の厚みが異なり、ポリマーの供給量が異なるため、更に白金電極の回転数を低回転から高回転まで種々変化させて、上記調査を行なった。
【0023】
更に、1種類の添加剤のみ調査しても比較対照ができないため、添加剤をポリマー(抑止剤)であるポリエチレングリコール(PEG)として、その分子量を100、2000、4000、15000の4種類として、上記調査を行なった。以下、分子量4000のものを添加剤A、分子量100のものを添加剤B、分子量2000のものを添加剤C、分子量15000のものを添加剤Dと称する。添加剤A〜Dは、10.0wt%になるように、濃度を調整してあるものを使用した。
【0024】
図5は、調査結果を、白金電極の回転数と銅の析出率との関係として示した図である。図5において、直線A乃至Dが描かれているが、その直線については後に説明する。図5の(1)は、添加剤Aを、0.1mL/Lから100.0mL/Lまで段階的に添加量を変化させた時の、回転数と銅析出率の変化を示す図である。この図5の(1)に着目してみると、白金電極の回転数が低い時は、拡散層が厚いためPEGの析出面への供給が少なく析出率は高い傾向が見られる。しかし、PEGの添加量が多い(例えば10.0mL/L以上)と、拡散層が厚くても抑止効果が強く作用し銅の析出率は低い。その様子を観察すると、PEGの添加量に関わらず、回転数の上昇と共に析出率がほぼ直線的に減少し、やがて変化しなくなる傾向がある。また、図5の添加剤Cの(3)、添加剤Dの(4)に着目してみると、析出率と回転数との関係は、(1)とほぼ同様な傾向が見られる。即ち、白金電極の回転数が遅い時には、PEGの濃度が薄いほど析出率が高く、回転数が上昇するにつれて、析出率はほぼ直線的に減少し、所定の回転数からは横ばいに推移する傾向が見てとれる。但し、図5の添加剤Bの(2)は、殆ど抑止力がないので例外とする。
【0025】
発明者は、図5を詳細に検討し、白金電極の回転数上昇に伴い析出率がほぼ直線的に減少していく領域(低回転領域)と、更に回転数を上昇させた時の横ばい状態の領域(高回転領域)とを、各々直線で近似することができることに気がついた。そこで、低回転領域と高回転領域とを2つの直線で近似し、交点を求めた。その交点を、添加剤の添加量の少ない希薄濃度域と、添加量の多い濃厚濃度域とで、横軸をCVS回転数とし、縦軸を析出率としてプロットしてみたところ、プロットした各座標が上記した直線A乃至Dに近似できることを見いだした。
【0026】
図6は、低回転領域と高回転領域とを2つの直線で近似して交点を求め、添加剤の濃度が異なる2つの交点1,2を直線で結び直線を求めた図である。この様に、添加剤が希薄な所定の濃度での低回転領域の近似直線E2と、同じく添加剤が希薄な所定の濃度での高回転領域の近似直線E1との交わりから交点1を求める。次に、添加剤濃度が濃厚な所定の濃度での低回転領域の近似直線F2と、同じく添加剤濃度が濃厚な所定の濃度での高回転領域の近似直線F1との交わりから交点2を求める。そして、交点1と交点2を結ぶことにより、直線Gが得られる。
【0027】
そして、添加剤の濃度を種々変化させてプロットし、上記した直線Gを得るのと同様の手法で、直線で近似したものが、上記した図5における直線A乃至Dである。以下、この直線を添加剤の特性直線と称する。図5の特性直線から理解できるように、各添加剤において特性直線の傾きが異なっている。図5(1)では、特性直線の傾きは小さいが、(3)及び(4)は、特性直線の傾きが大きい。この相違点を更に明確にするため、発明者は各特性直線のみを取り出して検討した。(2)においては、添加剤の作用が弱すぎて、特性直線はほぼ垂直となった。
【0028】
図7は、図5における各特性直線A乃至Dを、より詳細に検討するための比較図である。図において、横軸はCVS装置の回転数xであり、縦軸は銅の析出率yであり、2つの近似直線の交点がプロットされている。各特性直線は、座標における原点を始点としていないが、ある値を持った比例定数をxに乗じて、その切片を加えた直線であることに気づいた。発明者はこの直線から、銅の析出率はCVS装置の回転数にある比例定数kを乗じ、切片αを加えたもの、即ちy=k*x+α、として得られることを知見した。切片:αは無視できる程小さいため、以下、この比例定数、即ち各特性直線の傾きを添加剤の固有特性値として、kと称する。
【0029】
図8は、CVS装置の回転数と、固有特性値kとの関係を示す図である。この図から理解できるように、回転数に関わらず、kの値はほぼ一定(2つの近似直線の交点がほぼ直線上に並ぶ)であり、また添加剤の種類によって、kの値に違いが見られる。では、一体kの値の違いは、ボトムアップ成長とどの様な関係があるかを調べるため、発明者は実際に実験を行なってみた。
【0030】
図9は、添加剤A乃至Dを用いてビアの埋め込み特性を評価するための図である。図9の(1)は、実験に使用したビアの断面を示す図である。ビアの深さは1.20μmである。実際にビアを埋め込む時の特性を厳しく評価するため、通常のビアではなく、ビアの開口部に斜線で示すオーバーハング部OHが存在している。d1は0.15μmのビアの内径を示すものであり、図9(1)においてはビアの内部に点線で示される。d2は本実験に使用した0.25μmのビアの内径を示しているが、先に述べたとおりオーバーハング部を有し、開口幅Lは、その0.25μm のビア内径より狭く、更に0.15μmのビアの開口幅よりも狭くなっている。
【0031】
ビアの開口幅と埋め込み条件について、更に説明する。図9の(2)は、内径が0.15μmのビアと、実験に使用した内径が0.25μmのビア開口部を上面から写したSEM写真である。SEM写真では、黒く表示されている部分がビアの開口部を示している。右側が実験に使用したビアの開口部であり、左側は比較するための開口幅L1が0.15μmのビアを示している。実験に使用した右側の開口幅L2は、0.15μmよりも狭くなっている。アスペクト比は、0.15μmのビアで4.7程度であるが、実験に使用したビアでは4.8以上である。アスペクト比が高い程、埋め込む条件としては厳しくなっている。
【0032】
上記したビアを実際に埋め込んだ時の断面のSEM写真が図9の(3)である。添加剤Aでは、極めて良好な埋め込みが観察される。添加剤Bは、矢印部に多くのシームが観察されコンフォーマル成長の度合いが強く埋め込み特性が悪いことがわかる。また、添加剤Cも埋め込み特性は比較的に良いが、ビアの底部付近に小さなボイドが観察される。添加剤Dは、ボイドが多数有り、埋め込み特性はさほど良いとは言えない。ここで、実験に用いた各添加剤のkの値との対応関係について調べてみると、最も埋め込み特性の良かった添加剤Aでk=0.7、比較的良好な添加剤Cで、k=1.0、またボイドが観察された添加剤Dでは、k=1.5であった。添加剤Bはkの値を求めることができなかったので、除外する。上記実験結果から、kの値は、ビアやトレンチの埋め込み特性を評価する指標となり、kの値が小さい程、埋め込み特性が良好であり、即ちボトムアップ成長しやすいと考えられる。
【0033】
そこで、発明者は、上記したkの値とボトムアップ成長の関係を明確にするため、実際に添加剤A〜Dを用い、トレンチを埋め込む実験を行なって、トレンチがどの程度コンフォーマル成長をしてからボトムアップ成長に変化するかを確認した。
【0034】
図10は、トレンチがどの程度コンフォーマル成長してからボトムアップ成長に移行するかを示す図である。図10の(1)は、埋め込み開始後の実効トレンチ幅を説明するための図である。トレンチを埋め込む際に、初期段階ではコンフォーマル成長するので、実際のトレンチ幅は狭くなっていく。そこで実効トレンチ幅Dを測定し、その時の底成長の高さHを測定した。
【0035】
図10(2)は、縦軸を底成長高さHとし、横軸を実効トレンチ幅Dとして添加剤A乃至添加剤Dの実測値をグラフ化している。図において、成長前の実効トレンチ幅Dは、140nm程度で、各試料間の差は僅少である。トレンチの埋め込みは、埋め込み開始点Sから始まって、左方向、即ち実効トレンチ幅Dが狭くなる方向に推移していく。それに対応して、底成長の高さHは、上方向、即ち厚くなる方向に推移していく。
【0036】
使用した添加剤に関わらず、埋め込み当初はコンフォーマル成長して底成長は弱い。ところが、kの値が0.7と最も小さかった添加剤Aでは、実効トレンチ幅が110nm程度から、底成長を示す直線が急峻に立ち上がり、ボトムアップ成長が始まっていることがわかる。ボトムアップ成長に移行する実効トレンチ幅をボトムアップタイミングとすると、k値が測定できなかった添加剤Bでは、45nmで最も悪く、添加剤Cでは、75nm程度で、添加剤Dでは、65nm程度である。ここで、実効トレンチ幅が広い段階からボトムアップ成長する程(ボトムアップタイミングが早い程)埋め込み特性は良好である。k=0.7の添加剤Aが最も埋め込み性が良く、次にk=1.0の添加剤C、k=1.5の添加剤Dと続いて埋め込み性が良い。以上のことから、kの値が小さい程、ボトムアップタイミングが早く、埋め込み特性が良好である。
【0037】
また、上記したとおり、ビアやトレンチの開口部は今や0.10μmにまで縮小されつつある。この様に狭い開口部のビアやトレンチを電解めっきで埋め込む際に、上記したkの値は極めて重要である。図11は、0.10μmのビアの埋め込み特性と添加剤のk値との関係を示す図である。
【0038】
図11の(1)は、0.10μmのビアを添加剤のk値を変化させながら、実際に埋め込んだ時のボイド発生率を示している。図では、横軸に添加剤の固有特性値kを取り、縦軸にビア中のボイド発生率を取っている。当然のことながら、ボイドの発生率が小さい程、埋め込み特性は良好である。k値は2.0付近からから0.7付近まで変化させて実験を行なった。k値が1.5程度までは、必ずボイドが発生する(ボイド発生率100%)であるが、k値が1.2程度から、急激にボイド発生率が下がっていき、k値が小さい程ボイドの発生率が少ないことがわかる。例えば、k値が0.7の場合、ボイドの発生率は15%程度である。従って、k値が小さくなるにつれて、ボイドの発生率が減少していき、埋め込み特性が良いといえる。
【0039】
また、図11の(2)は、ビアの開口幅と、その開口幅のビアを90%以上埋め込むことができた添加剤のk値との関係を示している。横軸にk値を取り、縦軸はビアの開口幅を取っている。ビアの開口幅が小さい時に90%以上の埋め込みができる程、埋め込み特性はよい。k値は、2.0付近から0.7付近まで変化させて実験を行なった。k値が2.0の場合は、埋め込めるビア径は、0.35μm程度であるが、k値が小さくなるにつれて、埋め込めるビア径は、より小さくなっていく。今後も半導体装置は、縮小化の一途をたどり、ビアやトレンチも、より微細な開口部を持つに至ると推測される。k=0.7の添加剤を使用することにより0.10μmの開口部を持つビアやトレンチの埋め込みが90%以上できている。従って、k値が小さい程、埋め込めるビアの開口幅が小さくなっていく。
【0040】
つまり、k値が小さくなる程、ボトムアップ成長への移行が早くなるので埋め込み特性がよくなり、k=0.7の場合が最良であった。また、k値が小さくなる程、ボイドの発生率が小さくなるので、埋め込み特性がよく、k=0.7の場合が最良であった。更に、k値が小さくなる程、90%以上埋め込めるビアの開口幅が小さくなるので、埋め込み特性がよく、k=0.7の場合が最良であった。
【0041】
以上を、踏まえると、k値が小さい程ビアやトレンチの埋め込み特性は良好であり、k<0.7の添加剤を用いることが好ましい。
【0042】
また、微細な開口部を持つビアやトレンチを埋め込む際に、電解めっきの主材料(本実施の形態例では銅)に加える添加剤には膨大な種類があるが、発明者が見いだした添加剤の特性を示すk値を測定することで、添加剤の埋め込み特性を評価できる。即ち、k値が0.7以下の添加剤を用いることで、電解めっきによる埋め込みは、良好なボトムアップ成長をすることが期待されるからである。添加剤のk値を測定することは、添加剤を評価・選択する際の重要な指標となることが期待される。
【0043】
そこで、発明者は、添加剤のk値を測定するための簡単な装置を発明するに至った。その装置とは、評価用電極をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、前記評価用電極を回転させて主材料を析出させる電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置において、異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対し、回転数と主材料の評価用電極への析出量との関係を検知する検知部と、検知された析出量と回転数との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きを、添加剤の固有特性値として生成する固有特性値生成部とを有することを特徴とする電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置である。
【0044】
図12は、本実施の形態例の添加剤の固有特性値を評価する装置の概略図である。図12の(1)に示すとおり、評価用電極7は、速度可変に回転させる回転駆動部8によって回転しながら主材料と添加剤とからなるめっき液9に浸されてめっきされる。この装置は、異なる添加剤濃度における回転数と、評価用電極7に析出した主材料との関係を検知する検知部10と検知された析出量と回転数の関係から特性直線を生成し、その特性直線の傾きから添加剤の固有特性値を生成する固有特性生成部11からなっている。この固有特性生成部11は、汎用コンピュータと、固有特性生成プログラムとによって実現可能である。
【0045】
固有特性生成部では、図12の(2)に示すとおり、異なる添加剤濃度a、b、cからなるめっき液で評価用電極7に析出した主材料の析出量と回転数との関係を表す曲線A,B,Cから特性直線Y=k*Xを生成し、その傾きであるkを生成する。このkの値が、評価に供した添加剤の固有特性値である。
【0046】
(第2の実施の形態例)
半導体装置の製造において、ビアと配線とを別工程で作成するシングルダマシンに加え、コスト低減のためにデュアルダマシンと呼ばれる技術があることについては、既に述べたとおりである。このデュアルダマシンでは、開口部の径の小さいビアやトレンチを埋め込むと同時に、幅が広い配線領域も同時に埋め込む必要がある。
【0047】
上記した、第1の実施の形態例で用いたk値による添加剤の評価を行ない、電解めっき中に早い段階でボトムアップ成長が開始される添加剤が得られれば、シングルダマシンには有効であるとしても、デュアルダマシンでは、ビアやトレンチのみではなく、開口幅の広い配線領域なども同時にめっき成長させる必要がある。その場合は、半導体表面に形成されたパターンの疎密によって、銅の段差ができてしまい、めっき後の表面が平坦にならないという問題があり、それは未だ解決されていない。
【0048】
開口幅の広い、パターンの疎な領域では、溝が完全に埋まりきらず、逆に微細なビアやトレンチが密に分布している領域では、埋め込まれたビアやトレンチの上部領域に過剰に厚い銅が形成されてしまう現象、即ちオーバープレート現象が発生してしまう。
【0049】
図13は、パターンの疎密によって、オーバープレート現象が発生した際の模式図である。開口径の小さいビアが密集している領域では、ボトムアップ能力が強く作用し、ビアが埋め込まれた後も成長を続ける。しかし、配線幅の広い所では、コンフォーマル成長が続くので、完全に埋め込むことができず凹みができてしまう。従って、図13に示すとおり、配線幅の広い領域、疎配線領域、密配線領域、配線のない領域とで、銅の析出量に差が生じ段差が形成される。その段差がオーバープレート6である。
【0050】
そこで発明者は、k値の異なる添加剤を加えた、異なるめっき液を複数用意し、めっき液を変えながら段階的にめっき成長をさせることを想到するに至った。図14は、添加剤のk値が異なるめっき液で段階的にめっき成長をさせて、段差を軽減することを示す図である。図14の(1)に示すとおり、まず先に、添加剤のk値の小さな、例えばk=0.7程度のめっき液で微細な密配線領域の埋め込みを行なう。次に、図14の(2)に示すとおり、ボトムアップ成長の度合いが比較的に弱いk=1.0程度の添加剤を加えためっき液に接触させて、主としてコンフォーマル成長をさせ、配線幅の広い領域を埋め込む。このような2ステップのめっき方法により段差を軽減させることができる。
【0051】
更に、図14の(3)に示すとおり、添加剤のk値の大きい、例えばk>1.5のめっき液で、コンフォーマル成長させる3ステップのめっき方法を用いても良い。3ステップでのめっき成長により、段差は殆ど解消される。
【0052】
この、3ステップでのめっき方法は平坦性が良いため、後工程の化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)で余分に成長した銅を除去する時に、平坦性に優れた表面を得ることができる。しかし、コストの観点からすると、2ステップのめっき方法を選択するのが良い。また、本実施の形態例では、3ステップのめっき方法について述べたが、更にk値の大きな添加剤を用いためっきを行なってもよい。
【0053】
図15は、実際に2ステップの電解めっきの実験を行ない段差が減少したことを実証するための図である。横軸は、2ステップ目のめっき後の膜厚を示し、縦軸は、その時の段差を示している。まず、1ステップ目で添加剤A(k=0.7)を添加しためっきによって、5000Åの銅を析出させ、その後2ステップ目のめっきを行なった。開口幅の異なる領域を、0.27μmの密なパターン領域、同じく0.27μmの疎なパターン領域、更に0.54μm、2.0μm、4.0μmの配線領域の5領域を対象として実験を行なった。
【0054】
図15において(1)は、1ステップ目と同様にk<1.0でめっきを継続した場合を示し、(2)では、めっき液をk>1.0の液に交換してめっきを行なった場合を示している。めっき液の交換に際し、基板を純水洗浄した。ここで、図15の(1)では、15000Å析出させた時に、段差は13000Å程度であるが、(2)では、同じく15000Å析出させた時に段差は、10000Å程度であり、k>1.0で2ステップ目のめっきを行なうことにより、段差が軽減されていることがわかる。
【0055】
以上、実施の形態例をまとめると以下の付記の通りである。
【0056】
(付記1)評価用電極をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、前記評価用電極を回転させて前記主材料を析出させる電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置において、
異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対し、前記回転数と前記主材料の前記評価用電極への析出量との関係を検知する検知部と、
前記検知された析出量と回転数との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きを、前記添加剤の固有特性値として生成する固有特性値生成部とを有すること、
を特徴とする電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置。
【0057】
(付記2)付記1において、
前記めっきの主材料が、銅であることを特徴とする電解めっき成長の添加剤固有特性を評価する評価装置。
【0058】
(付記3)被めっき基板をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、該基板を回転させながらめっきする電解めっき方法であって、
異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対し求められた、前記回転数と主材料の前記評価用電極への析出量との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きを、前記添加剤の固有特性値とした場合において、
前記添加剤の固有特性値が0.7以下の添加剤を加えためっき液で前記被めっき基板の凹部を前記主材料で埋め込みめっきすること、
を特徴とする電解めっき方法。
【0059】
(付記4)被めっき基板をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、該基板を回転させながらめっきする電解めっき方法であって、
異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対し求められた、前記回転数と主材料の前記評価用電極への析出量との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きを、前記添加剤の固有特性値とした場合において、
前記添加剤の固有特性値が0.7以下の添加剤を加えためっき液で前記被めっき基板の凹部を前記主材料で埋め込みめっきする電解めっき工程を有する半導体装置の製造方法。
【0060】
(付記5)付記3において、
前記添加剤が抑止剤であることを特徴とする電解めっき方法。
【0061】
(付記6)付記3において、
前記添加剤が分子量4000のポリエチレングリコールであることを特徴とする電解めっき方法。
【0062】
(付記7)半導体基板をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、該基板を回転させながらめっきの主材料を析出させる半導体装置の製造方法であって、
第1の特性値を有する添加剤を用いて電解めっきする第1の工程と、
前記第1の特性値より高い第2の特性値を有する添加剤を用いて再度電解めっきする第2の工程とを有し、
前記所定の特性値は、前記異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対して求められた前記回転数と前記めっきの主材料の析出量との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係から求められた近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きであること、
を特徴とする半導体装置の製造方法。
【0063】
(付記8)付記7において、
前記第1の特性値が1.0未満であり、前記第2の特性値が1.0以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0064】
(付記9)付記4又は7において、
前記めっきの主材料が、銅であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0065】
(付記10)付記7において、
更に、前記第2の工程後に、前記添加剤の特性値が1.5以上の添加剤を加えためっき液で、前記半導体基板に電解めっきすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0066】
(付記11)付記7において、
更に、前記第1の工程後に、前記半導体基板を純水洗浄することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0067】
(付記12)付記10において、
更に、前記電解めっき後に、前記半導体基板を純水洗浄することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0068】
(付記13)付記7又は10において、
前記添加剤が抑止剤であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0069】
(付記14)付記7又は10において、
前記添加剤が分子量4000のポリエチレングリコールであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0070】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、電解めっきの添加剤の評価を、固有特性値を求めることによって、工数をかけずに容易に求めることができる。また、添加剤の固有特性値の低いめっき液から、固有特性値の高いめっき液へと、めっき液を変えながら段階的にめっき成長をさせることにより、めっきの主材料の表面を平滑にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例でのトレンチの埋め込み機構を説明するための図である。
【図2】ボトムアップ成長の機構を示す図である。
【図3】CVS装置の電極回転数と拡散層の関係を説明するための図である。
【図4】CVS装置によってめっき主材料の析出量を算出する方法を説明するための図である。
【図5】調査結果を、白金電極の回転数と銅の析出率との関係として示した図である。
【図6】低回転領域と高回転領域とを2つの直線で近似して交点を求め、添加剤の濃度が異なる2つの交点1,2を直線で結び直線を求めた図である。
【図7】図5における各特性直線A乃至Dを、より詳細に検討するための比較図である。
【図8】CVS装置の回転数と、固有特性値kとの関係を示す図である。
【図9】添加剤A〜Dを用いてビアの埋め込み特性を評価するための図である。
【図10】トレンチがどの程度コンフォーマル成長してからボトムアップ成長に移行するかを示す図である。
【図11】0.10μmのビアの埋め込み率と添加剤のk値との関係を示す図である。
【図12】本実施の形態例の添加剤の固有特性値を評価する装置の概略図である。
【図13】パターンの疎密によって、オーバープレート現象が発生した際の模式図である。
【図14】k値の異なるめっき液で段階的にめっき成長をさせて、段差を軽減することを示す図である。
【図15】実際に2ステップの電解めっきの実験を行ない段差が減少したことを実証するための図である。
【図16】デュアルダマシン法を簡単に説明するための図である。
【符号の説明】
1 銅めっき
2 ビア
3 配線
4 シーム
5 ボイド
6 オーバープレート
7 評価用電極
8 回転駆動部
9 主材料と添加剤からなるめっき液
10 検知部
11 固有特性生成部

Claims (9)

  1. 評価用電極をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、前記評価用電極を回転させて前記主材料を析出させる電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置において、
    異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対し、前記回転数と前記主材料の前記評価用電極への析出量との関係を検知する検知部と、
    前記検知された析出量と回転数との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きを、前記添加剤の固有特性値として生成する固有特性値生成部とを有すること、
    を特徴とする電解めっき成長の添加剤固有特性の評価装置。
  2. 被めっき基板をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、該基板を回転させながらめっきする電解めっき方法であって、
    異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対し求められた、前記回転数と主材料の前記評価用電極への析出量との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きを、前記添加剤の固有特性値とした場合において、
    前記添加剤の固有特性値が0.7以下の添加剤を加えためっき液で前記被めっき基板の凹部を前記主材料で埋め込みめっきすること、
    を特徴とする電解めっき方法。
  3. 被めっき基板をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、該基板を回転させながらめっきする電解めっき方法であって、
    異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対し求められた、前記回転数と主材料の前記評価用電極への析出量との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きを、前記添加剤の固有特性値とした場合において、
    前記添加剤の固有特性値が0.7以下の添加剤を加えためっき液で前記被めっき基板の凹部を前記主材料で埋め込みめっきする電解めっき工程を有する半導体装置の製造方法。
  4. 半導体基板をめっきの主材料と添加剤とからなるめっき液に浸し、該基板を回転させながらめっきの主材料を析出させる半導体装置の製造方法であって、
    第1の特性値を有する添加剤を用いて電解めっきする第1の工程と、
    前記第1の特性値より高い第2の特性値を有する添加剤を用いて再度電解めっきする第2の工程とを有し、
    前記所定の特性値は、前記異なる添加剤濃度を有する複数種類のめっき液に対して求められた前記回転数と前記めっきの主材料の析出量との関係から、各添加剤濃度における低回転数領域と高回転数領域の前記回転数と析出量との関係から求められた近似直線の交点を結んで得られる特性直線の傾きであること、
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4において、
    前記第1の特性値が1.0未満であり、前記第2の特性値が1.0以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項3又は4において、
    前記めっきの主材料が、銅であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項4において、
    更に、前記第2の工程後に、前記添加剤の特性値が1.5以上の添加剤を加えためっき液で、前記半導体基板に電解めっきすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項4において、
    更に、前記第1の工程後に、前記半導体基板を純水洗浄することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項7において、
    更に、前記電解めっき後に、前記半導体基板を純水洗浄することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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