JP2004217853A - エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物及びそれよりなるフィルム - Google Patents

エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物及びそれよりなるフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】高酢酸ビニル単位含有量を有しても、高い弾性率、耐熱性を有するエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物及びそれからなるフィルムを提供する。
【解決手段】JIS K6924−1(1997年版)に準拠し測定した酢酸ビニル単位含有量20〜50重量%であるエチレン酢酸ビニル共重合体100重量部に対し、重量平均分子量400〜1500(ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる直鎖状ポリエチレン換算値)である炭化水素系ワックス5〜60重量部からなるエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物及びそれよるなるフィルム。
【選択図】 選択図なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)、炭化水素系ワックスからなる高酢酸ビニル単位含有量を有し、耐熱性に優れ、高い弾性率を有するエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物及びそれよりなるフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
EVAは、柔軟性、透明性、高周波ウェルダー特性、ヒートシール性、粘着性などの特徴を有することから、農業用フィルム、一般透明フィルム、ラップフィルム、医療関係などの種々のフィルム用途において、軟質塩ビフィルムの代替としてのポリオレフィン系フィルムの素材として幅広く用いられている。
【0003】
しかし、EVAは酢酸ビニル単位含有量が多くなると、力学強度、耐熱性が不足するためその改良が望まれている。
【0004】
例えば農業用フィルムにおいては、保温性を向上させるために酢酸ビニル単位含量を増加することが望まれているが、酢酸ビニル単位含量を増加すると日中の日照によりフィルム同士の融着をおこすなどの弊害を起こしたり、フィルムの力学強度が低下するという課題を有している。
【0005】
また、薄いフィルムとして用いる場合、弾性率が低いためいわゆる腰が無くその改良が望まれている。
【0006】
そこで、特定の酢酸ビニル単位含有量、メルトインデックスを有するEVAと低粘度のEVAからなる樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−121338号公報
【特許文献2】
特開2002−265704号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1、2に提案された方法は、EVAの接着力が昂進することを抑制しているが、耐熱性が改良されているとは言えず不十分なものである。
【0009】
そこで、本発明は、高酢酸ビニル単位含有量を有しても、高い弾性率、耐熱性を有するエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物及びそれからなるフィルムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述のような現状に鑑み鋭意検討した結果、特定のEVAに特定の炭化水素系ワックスを添加することにより力学特性、耐熱性に優れたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物及びそれからなるフィルムが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、JIS K6924−1(1997年版)に準拠し測定した酢酸ビニル単位含有量20〜50重量%であるエチレン酢酸ビニル共重合体100重量部に対し、重量平均分子量が400〜1500(1mg/mlトリクロロベンゼン溶液、140℃の条件下のゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる直鎖状ポリエチレン換算値、以下同じ。)である炭化水素系ワックス5〜60重量部からなることを特徴とするエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物及びそれよりなるフィルムを要旨とするものである。
【0012】
以下に、本発明に関して詳細に説明する。
【0013】
本発明で用いるEVAは、JIS K6924−1(1997年版)に準拠して測定した酢酸ビニル単位含有量が20〜50重量%であれば特に制限はなく公知のものを用いることができ、より力学特性、耐熱性に優れたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物が得られることから20〜35重量%の酢酸ビニル単位含有量を有するEVAがより好ましい。このようなEVAは、例えばエチレンと酢酸ビニルを高圧法ラジカル重合することにより製造された市販品として入手することが出来る。ここで、EVAの酢酸ビニル単位含有量が20重量%未満の場合、本発明の改良効果が発現されない。一方、50重量%を超える場合、EVA自体の結晶性が無くなり、力学特性、耐熱性を満足させることが出来ない。
【0014】
また、本発明で用いるEVAとしては、フィルム等に成形する際の成形性に優れたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物となることから、JIS K7210(1995年版)に準拠して測定したメルトインデックス(以下、MIと記す。)が0.1〜800g/10分であることが好ましく、得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を溶融させて成形するには0.1〜100g/10分であることが更に好ましく、後述するインフレーション成形に供し、フィルムに成形する際には1.0〜15g/10分であることが特に好ましい。
【0015】
本発明で用いる炭化水素系ワックスは、1mg/mlトリクロロベンゼン溶液とし、140℃の条件下でゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより直鎖状ポリエチレン換算値として測定した重量平均分子量が400〜1500であれば特に制限はなく、公知のものを用いることができ、炭化水素系ワックスの分子構造は特に制限はなく直鎖状、分岐状またはこれらの混合物を用いることができる。このような炭化水素系ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、サゾールワックス、合成パラフィン、ポリエチレンワックス等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。ここで、炭化水素系ワックスの重量平均分子量が400未満である場合、得られた組成物を成形品とした際に炭化水素系ワックスが成形品表面にブリードしやすく、成形品外観を損なうものとなる。一方、重量平均分子量が1500を超える場合、EVAとの溶融状態での相溶性が悪化しブレンドがし難くなる。
【0016】
本発明のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物は、上記したEVA100重量部に対し、重量平均分子量が400〜1500である炭化水素系ワックス5〜60重量部、特に良好な力学特性、耐熱性を示すエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物となることから好ましくは10〜50重量部からなるものである。ここで、該炭化水素系ワックスが5重量部未満である場合、得られる組成物の耐熱性の改良効果が満足できない。一方、60重量部を超える場合、得られた組成物を成形品とした際に炭化水素系ワックスが成形品表面にブリードしやすく、成形品外観を損なうものとなる。
【0017】
本発明のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物は、本発明の目的・効果を逸脱しない限りにおいて通常用いられる樹脂用添加剤、例えば滑剤、帯電防止剤、耐候性向上剤(紫外線吸収剤・ヒンダードアミン系光安定剤等)、可塑剤、酸化防止剤(熱安定剤を含む)、染料・顔料、着色剤、炭酸カルシウム,タルク等に代表される無機充填材、水酸化マグネシウム,三酸化アンチモン,ホウ酸亜鉛に代表される難燃剤、ポリエチレン,エチレン−アクリルエステル共重合体,エチレン−α−オレフィン共重合体等の高分子を必要に応じて添加することができる。
【0018】
本発明のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物の製造方法としては、本発明のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物が製造できる限りにおいていかなる方法を用いてもよく、加熱溶融混合、溶液混合等の公知の方法により製造することができる。そして、加熱溶融混合により製造する際には、例えばバンバリーミキサー(ファレル社製),加圧ニーダー((株)森山製作所製),インターナルミキサー(栗本鉄工所製),インテンシブミキサー(日本ロール製造(株)製)等の機械加圧式混練機、二軸押出し機,単軸押出し機等の押出し機、ロール混練機等のプラスチックまたはゴムの加工に使用される混練機及び/または造粒機が使用できる。
【0019】
本発明のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物は、優れた力学特性、耐熱性を有するとともに、成形加工性にも優れることからフィルムとして用いることができる。
【0020】
本発明のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物よりなるフィルムを製造する際には、特に制限はなく公知のいかなる方法を用いて製造してもよく、例えば押出し成形(Tダイ押出し、インフレーション成形等)、カレンダーロール成形、圧縮成形、溶液キャスト成形等の公知の方法で製造することができ、押出し成形する際の温度は80〜250℃が好適に選ばれる。
【0021】
また、該フィルムは該エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物の単層フィルム、又は、他の基材と該エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物のフィルムを積層した積層フィルムとしても用いることが出来る。その際の他の基材としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリアミド,ポリビニルアルコール,ポリカーボネート,ポリスチレン等の高分子からなる高分子フィルム、紙類、金属箔等が挙げられる。さらに高分子フィルムはアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着されたものでも良い。
【0022】
本発明のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物よりなるフィルムは、特に制限はなく各種フィルム用途、例えばラップフィルム、シュリンクフィルム、医療用フィルム、包装用フィルム、農業用フィルム、保護フィルム等の用途に用いることが可能であり、その中でも特に高い割合で酢酸ビニル単位を含有することから保温性に優れる上に、耐熱性等にも優れることから農業用フィルムとして用いることが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例により用いた評価・測定方法を示す。
【0024】
〜EVAの酢酸ビニル単位含有量の測定〜
JIS K6924−1(1997年版)に準拠し測定した。
【0025】
〜重量平均分子量の測定〜
カラム(東ソー(株)製、商品名TSK−GEL GMHHR−H(20)HT(内径7.8mm、長さ300mm))を直列に3本接続したゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー150C(Waters社製)を用い、カラム温度140℃、流量1.0ml/分で、1mg/mlトリクロロベンゼン溶液として測定を行い、直鎖状ポリエチレン換算値として重量平均分子量を求めた。
【0026】
〜耐熱性、力学特性の測定〜
得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を粘弾性測定装置(レオロジー社製、商品名スペクトロメーターDVE4)を用い、引張りモード、周波数10Hzの条件で測定を行った。
【0027】
貯蔵弾性率が10Paになる温度を耐熱性の指標とし、23℃での貯蔵弾性率を力学特性の指標とし、耐熱性、力学特性の測定を行った。
【0028】
〜ブリード〜
得られたフィルムを温度23℃、相対湿度50%の部屋に1週間放置し、目視によりフィルム表面を観察した。
【0029】
ブリードの評価基準は以下の通りである。
○;ブリードが確認されない。
×;ブリードが確認された。
【0030】
実施例1
内容積1リットルのテフロン(登録商標)製ビーカーにエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン631;酢酸ビニル単位含有量20重量%、MI1.5g/10分)100重量部に対し、炭化水素系ワックスとしてサゾールワックス(日本サゾール(株)製、商品名パラフリントH1;重量平均分子量1000)25重量部を仕込み180℃で混練し、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を得た。
【0031】
得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を加熱面180℃、冷却面30℃に設定した圧縮成形機によりフィルム状に成形しフィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0032】
実施例2
炭化水素系ワックス25重量部の代わりに、炭化水素系ワックスを10重量部とした以外は、実施例1と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を得、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0033】
比較例1
炭化水素系ワックスを用いない以外は、実施例1と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0034】
得られたエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムは、実施例1、2により得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムより、貯蔵弾性率が10Paになる温度、及び、23℃での貯蔵弾性率が低く、耐熱性、力学特性が劣るものであった。
【0035】
実施例3
内容積1リットルのテフロン(登録商標)製ビーカーにエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン751;酢酸ビニル単位含有量28重量%、MI5.7g/10分)100重量部に対し、炭化水素系ワックスとしてサゾールワックス(日本サゾール(株)製、商品名パラフリントH1;重量平均分子量1000)25重量部を仕込み180℃で混練し、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を得た。得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物は実施例1と同様の方法によりエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムとした。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0036】
比較例2
炭化水素系ワックスを用いない以外は、実施例3と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0037】
得られたエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムは、実施例3により得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムより、貯蔵弾性率が10Paになる温度、及び、23℃での貯蔵弾性率が低く、耐熱性、力学特性が劣るものであった。
【0038】
比較例3
炭化水素系ワックス25重量部の代わりに炭化水素系ワックスを3重量部とした以外は、実施例3と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体組成物フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0039】
得られたエチレン酢酸ビニル共重合体組成物フィルムは、実施例3により得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムより、貯蔵弾性率が10Paになる温度、及び、23℃での貯蔵弾性率が低く、耐熱性、力学特性が劣るものであった。
【0040】
比較例4
炭化水素系ワックスとしてサゾールワックス(日本サゾール(株)製、商品名パラフリントH1;重量平均分子量1000)25重量部の代わりにポリエチレンワックス(三井化学(株)製、商品名ハイワックス220P;重量平均分子量2000)を50重量部とした以外は、実施例3と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体組成物フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0041】
得られたエチレン酢酸ビニル共重合体組成物フィルムは、EVAと炭化水素系ワックスがうまく混合されておらずEVAと炭化水素系ワックスが分離していることが目視にても観察されるものであった。
【0042】
実施例4
内容積1リットルのテフロン(登録商標)製ビーカーにエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン722;酢酸ビニル単位含有量28重量%、MI400g/10分)100重量部に対し、炭化水素系ワックスとしてサゾールワックス(日本サゾール(株)製、商品名パラフリントH1;重量平均分子量1000)50重量部を仕込み180℃で混練し、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を得た。得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物は実施例1と同様の方法によりエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムとした。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0043】
実施例5
炭化水素系ワックスとしてサゾールワックス(日本サゾール(株)製、商品名パラフリントH1;重量平均分子量1000)50重量部の代わりにポリエチレンワックス(東洋ペトロライト(株)製、商品名ポリワックス500;重量平均分子量580)を50重量部とした以外は、実施例4と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を得、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0044】
比較例5
炭化水素系ワックスとしてサゾールワックス(日本サゾール(株)製、商品名パラフリントH1;重量平均分子量1000)50重量部の代わりにパラフィン系ワックス(日本精蝋(株)製、商品名パラフィンワックス135;重量平均分子量310)を100重量部とした以外は、実施例4と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体組成物フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0045】
得られたエチレン酢酸ビニル共重合体組成物フィルムは、実施例4、5により得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムより、貯蔵弾性率が10Paになる温度が低く、耐熱性が劣るものであった。また、フィルム表面からは炭化水素系ワックスのブリードが観察された。
【0046】
比較例6
炭化水素系ワックスを用いない以外は、実施例4と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0047】
得られたエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムは、実施例4、5により得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムより、貯蔵弾性率が10Paになる温度、及び、23℃での貯蔵弾性率が低く、耐熱性、力学特性が劣るものであった。
【0048】
実施例6
内容積1リットルのテフロン(登録商標)製ビーカーにエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン752;酢酸ビニル単位含有量32重量%、MI60g/10分)100重量部に対し、炭化水素系ワックスとしてサゾールワックス(日本サゾール(株)製、商品名パラフリントH1;重量平均分子量1000)50重量部を仕込み180℃で混練し、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を得た。得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物は実施例1と同様の方法によりエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムとした。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0049】
実施例7
内容積1リットルのテフロン(登録商標)製ビーカーにエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン760;酢酸ビニル単位含有量42重量%、MI70g/10分)100重量部に対し、炭化水素系ワックスとしてサゾールワックス(日本サゾール(株)製、商品名パラフリントH1;重量平均分子量1000)50重量部を仕込み180℃で混練し、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を得た。得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物は実施例1と同様の方法によりエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムとした。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0050】
比較例7
炭化水素系ワックスを用いない以外は、実施例7と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0051】
得られたエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムは、実施例7により得られたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物フィルムより、貯蔵弾性率が10Paになる温度、及び、23℃での貯蔵弾性率が低く、耐熱性、力学特性が劣るものであった。
【0052】
比較例8
内容積1リットルのテフロン(登録商標)製ビーカーにエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン530;酢酸ビニル単位含有量6重量%、MI75g/10分)100重量部に対し、炭化水素系ワックスとしてサゾールワックス(日本サゾール(株)製、商品名パラフリントH1;重量平均分子量1000)50重量部を仕込み180℃で混練し、エチレン酢酸ビニル共重合体組成物を得た。得られたエチレン酢酸ビニル共重合体組成物は実施例1と同様の方法によりエチレン酢酸ビニル共重合体組成物フィルムとした。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0053】
比較例9
炭化水素系ワックスを用いない以外は、比較例8と同様の方法により、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルムを得た。得られたフィルムにより耐熱性、力学特性の測定、ブリードの有無の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0054】
比較例8、9の結果よりEVA中の酢酸ビニル単位含有量6重量%では、炭化水素系ワックス添加による耐熱性、力学特性の改良効果が余り無いことが明らかである。
【0055】
【表1】
Figure 2004217853
【発明の効果】
本発明のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物及びそれよりなるフィルムは高酢酸ビニル単位含有量を有し、力学強度、耐熱性に優れるものであり、その工業的価値は極めて高いものである。

Claims (2)

  1. JIS K6924−1(1997年版)に準拠し測定した酢酸ビニル単位含有量20〜50重量%であるエチレン酢酸ビニル共重合体100重量部に対し、重量平均分子量400〜1500(1mg/mlトリクロロベンゼン溶液、140℃の条件下のゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる直鎖状ポリエチレン換算値)である炭化水素系ワックス5〜60重量部からなることを特徴とするエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂組成物よりなることを特徴とするフィルム。
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