JP2004217772A - 石目模様付シート・モールディング・コンパウンドおよび石目模様付成形品 - Google Patents

石目模様付シート・モールディング・コンパウンドおよび石目模様付成形品 Download PDF

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精也 小柳
Kentaro Hayashi
健太郎 林
Katsumi Yonekura
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Abstract

【課題】表面平滑性に優れ、なおかつ高級感(深み感)のある石目模様を有する機械的強度の高い石目模様付成形品を形成するために用いられる石目模様付シート・モールディング・コンパウンドを提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂、体質性無機充填剤、着色粒子、および繊維補強材を含む石目模様付シート・モールディング・コンパウンドにおいて、体質性無機充填剤の平均粒子径が50μm以上であることを特徴とする石目模様付シート・モールディング・コンパウンド。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石目模様付シート・モールディング・コンパウンドおよび石目模様付成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、キッチンカウンター等のカウンター類、洗面化粧台、防水パン、浴槽等のバス・サニタリーまわりの住設分野、壁材等の建材分野において、樹脂成形品が用いられている。
これらの用途においては、外観と同時に機械的強度が要求されることから、繊維で補強された樹脂(Fiber Reinforced Plastic、以下FPRと略す)が一般に用いられている。
【0003】
このFRPは、熱硬化性樹脂、体質性無機充填剤、および繊維補強材を含む成形材料を硬化させることによって得られる。成形材料は、塊状に加工したバルク・モールディング・コンパウンド(以下、BMCと略す)やシート状に加工したシート・モールディング・コンパウンド(以下、SMCと略す)の形態で使用される。
【0004】
これらBMCやSMCでは、体質性無機充填剤として水酸化アルミニウムや炭酸カルシウムを使用することが一般的であり、水酸化アルミニウムとしては3〜30μmの平均粒子径を有するものが、炭酸カルシウムとしては、1〜2μmの平均粒子径を有するものを使用することが一般的である。
【0005】
例えば、平均粒子径が5μm以下である体質性無機充填剤を含み、具体的には、平均粒子径が3.5μmである水酸化アルミニウムを体質性無機充填剤とするアクリル系SMCが開示されている(特許文献1参照)。また、粒子径が10〜30μmである体質性無機充填剤を含み、具体的には、平均粒子径が15μmの水酸化アルミニウムを体質性無機充填剤とする不飽和ポリエステル系SMCが開示されている(特許文献2参照)。また、平均粒子径が2μmの炭酸カルシウムを体質性無機充填剤とする不飽和ポリエステル系SMCが開示されている(特許文献3参照)。
【0006】
このように、BMCやSMCでは体質性無機充填剤として50μm以下の粒子を使用するのが一般的であり、50μmを越える平均粒子径を有する粒子を主成分とする体質性無機充填剤を使用するSMCはこれまでなかった。これは、体質性無機充填剤の粒子径が大きくなると、マトリックス(繊維補強材以外の部分)の透明性が高くなる分、隠蔽性がなくなり、繊維補強材が透けて見え、外観が悪くなるからである。
【0007】
また、一般に、BMCは10mm以下の短いガラス繊維を10質量%以下の低配合量で使用するため、機械的強度や剛性は低いものの、表面平滑性に優れ、外観が良好である。従って、BMCは機械的強度よりもどちらかというと外観が要求される用途に用いられてきた。
【0008】
これに対して、SMCは10mm以上の長いガラス繊維を10質量%以上の高配合量で使用するため、機械的強度や剛性は高いものの、ガラス繊維に起因する凹凸が成形品表面に現われ、表面平滑性に劣り、外観があまりよくない。従って、SMCは外観よりもどちらかというと機械的強度が要求される用途に用いられてきた。
【0009】
以上述べたように、従来、機械的強度と外観の両者を同時に満足する成形材料がなかったため、その両者を要求される用途においては、どちらかを犠牲にせざるをえない状況であった。
【0010】
一方、近年、前述の用途(住設分野、建材分野)において、高級化指向が進んでおり、御影石模様等の石目模様の外観が要求されてきている。
例えば、前述の特許文献3には、不飽和ポリエステル樹脂23〜26質量%、平均粒子径10μm以下の体質性無機充填剤38〜40質量%、145〜8メッシュサイズを有する角錐状または球状の着色粒子1〜3質量%、ガラス繊維25質量%、およびその他の添加剤8〜10質量%からなる石目模様付SMCが開示されており、また、これを成形することによって得られる石目模様付FRPが開示されている。
【0011】
しかしながら、同号公報に記載の石目模様付FRPは、確かに石目模様は発現しているものの、マトリックス(石目模様および繊維補強材以外の部分)に透明性がないために、深み感がなく、石目模様が平面的であることと、石目模様材の添加量も高々数%であるため石目模様がまばらであり、高級感に乏しい外観であった。また、成形品表面には、ガラス繊維に起因する凹凸があり、表面平滑性に劣るものであった。
【0012】
【特許文献1】
特開昭62−215633号公報
【特許文献2】
特開昭55−37307号公報
【特許文献3】
特開平4−246459号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表面平滑性に優れ、なおかつ高級感(深み感)のある石目模様を有する機械的強度の高い石目模様付成形品を提供するものであり、そのために用いられる石目模様付シート・モールディング・コンパウンドを提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく検討した結果、特定の平均粒子径を有する体質性無機充填剤を配合したシート・モールディング・コンパウンドを使用することによって、マトリックスの透明性を発現させ、なおかつ、繊維補強材に起因する凹凸を低減させることができることを見出し、表面平滑性と深み感に優れる石目模様付成形品を得ることができることを見出した。
【0015】
すなわち、本発明は、熱硬化性樹脂、体質性無機充填剤、着色粒子、および繊維補強材を含む石目模様付シート・モールディング・コンパウンドにおいて、体質性無機充填剤の平均粒子径が50μm以上であることを特徴とする石目模様付シート・モールディング・コンパウンドに関するものであり、また、該石目模様付シート・モールディング・コンパウンドを硬化してなる石目模様付成形品に関するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の構成成分の1つである熱硬化性樹脂について説明する。
熱硬化性樹脂は、後述の体質性無機充填剤とともに、石目模様付成形品のマトリックス(石目模様以外の部分)を構成する一部である。
【0017】
熱硬化性樹脂の含有量は、特に制限されないが、シート・モールディング・コンパウンド全量中、10〜50質量%の範囲内が好ましい。この含有量が10質量%以上の場合に、成形品の光沢が高くなる傾向にあり、また、50質量%以下の場合に、成形品のヒケが抑制される傾向にある。熱硬化性樹脂の含有量は15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が特に好ましい。また、熱硬化性樹脂の含有量は、45質量%以下がより好ましい。
【0018】
熱硬化性樹脂としては、熱によって重合・硬化する樹脂であれば特に制限されないが、不飽和ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、および(メタ)アクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。中でも、(メタ)アクリル系樹脂の場合、後述の特定粒径の体質性無機充填剤と組み合わせることによって、透明性のあるマトリックスが得られ、深み感のある石目模様が発現する傾向にあるため、特に好ましい。
【0019】
不飽和ポリエステル系樹脂は、α,β−不飽和二塩基酸またはその無水物、芳香族飽和二塩基酸またはその無水物、脂肪族あるいは脂環族飽和二塩基酸等の二塩基酸類と、グリコール類との重縮合によって製造され、スチレン等の不飽和単量体に溶解して得られる。
【0020】
α,β−不飽和二塩基酸またはその無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、芳香族飽和二塩基酸またはその無水物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸およびこれらのエステル等が挙げられ、脂肪族あるいは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびこれらのエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】
グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、2,2−ジ−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体中に(メタ)アクリル系重合体が溶解した、いわゆる(メタ)アクリル系シラップが用いられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリルおよび/またはメタクリル」を意味する。
【0023】
(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロヘキサン環を有する(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のビシクロ環を有する(メタ)アクリレート;トリシクロ[5・2・1・02,6]デカニル(メタ)アクリレート等のトリシクロ環を有する(メタ)アクリレート;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有する(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の環状エーテル構造を有する(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸金属塩;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロニトリル等の(メタ)アクリル系単官能性単量体:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸と多価アルコール[例えばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等]との多価エステル、アリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸等の(メタ)アクリル系多官能性単量体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
また、上述の(メタ)アクリル系単量体以外にも、スチレン等の芳香族ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸、フマル酸エステル、トリアリールイソシアヌレート等のビニル系単量体を併用してもよい。
【0025】
(メタ)アクリル系重合体としては、特に制限はなく、例えば、前述の(メタ)アクリル系単量体を主成分として重合したものであり、必要に応じて前述の(メタ)アクリル系単量体以外の単量体を共重合したものでもよい。後述するように、増粘剤として酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム等の二価の金属の酸化物あるいは水酸化物を用いる場合は、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系単量体を共重合させることが好ましい。
【0026】
(メタ)アクリル系シラップの製造方法としては、特に制限されず、前述の(メタ)アクリル系単量体の一部を重合させることにより、(メタ)アクリル系単量体成分中にその重合体成分を生成させてもよいし、前述の(メタ)アクリル系単量体を、別途、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知の方法により重合して、一旦、(メタ)アクリル系重合体を得た後、該(メタ)アクリル系重合体を(メタ)アクリル系単量体中に溶解させてもよい。
【0027】
ビニルエステル樹脂は、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートであり、例えば、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸と、必要に応じて多塩基酸とを付加反応させることにより得られるオリゴマーを成分とする樹脂である。上記エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂や、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル等;フタル酸ジグリシジルエーテル、ダイマー酸ジグリシジルエーテル等の多塩基酸のグリシジルエステル等が挙げられる。エポキシ化合物は、上記化合物群から1種、或いは2種以上を併用してもよい。上記多塩基酸としては、例えば、上記α,β−不飽和二塩基酸、飽和二塩基酸の他、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリマー酸、カルボキシル基を有するポリブタジエン、カルボキシル基を有するブタジエン−アクリルニトリル共重合体、α,β−不飽和二塩基酸及び/又は飽和二塩基酸と多価アルコールのエステル化により得られる末端にカルボキシル基を有する化合物等が挙げられ、これらの1種、あるいは2種以上を併用してもよい。
【0028】
次に、本発明の構成成分の1つである体質性無機充填剤について説明する。
体質性無機充填剤は、前述の熱硬化性樹脂とともに、石目模様付成形品のマトリックスを構成する一部である。
【0029】
本発明においては、体質性無機充填剤の平均粒子径が50μm以上であることが必要である。平均粒子径が50μm以上の場合に、成形品のマトリックスの透明性が良好になり、深み感のある石目模様が得られる傾向にあり、また、繊維補強材に起因する凹凸が抑制され、表面平滑性が良好となる傾向にある。特に、熱硬化性樹脂として(メタ)アクリル系樹脂を用いた場合に、その傾向が顕著である。
【0030】
体質性無機充填剤の平均粒子径の上限値は特に制限されないが、300μm以下であることが好ましい。平均粒子径が300μm以下の場合に、成形品の光沢が良好となる傾向にある。
【0031】
体質性無機充填剤の平均粒子径は、55μm以上が好ましく、60μm以上がより好ましく、70μm以上が特に好ましい。平均粒子径は、250μm以下がより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましく、150μm以下であることが特に好ましい。また、平均粒子径が異なる50μm以上の体質性無機充填剤を併用してもよい。また、必要に応じて、平均粒子径が50μm未満の体質性無機充填剤を併用してもよいが、この場合は、平均粒子径が50μm以上の体質性無機充填剤が主成分(50μm以上の体質性無機充填剤が、体質性無機充填剤全量中、50質量%以上)となることが好ましい。
【0032】
また、後述するように、この特定粒径(平均粒子径が50μm以上)の体質性無機充填剤と特定量以上の着色粒子とを組み合わせることにより、繊維補強材に起因する凹凸が抑制されて表面平滑性が良好となる効果、ならびに繊維補強材が透けて見えるのを防止する効果が特に顕著となる傾向にある。
【0033】
体質性無機充填剤の含有量は、特に制限されないが、シート・モールディング・コンパウンド全量中、10〜50質量%の範囲内が好ましい。この含有量が10質量%以上の場合に、成形品の繊維補強材に起因する凹凸を遮蔽し、表面平滑性が良好となる傾向にあり、また、50質量%以下の場合に、成形品の光沢が良好となる傾向にある。体質性無機充填剤の含有量は15質量%以上がより好ましい。また、体質性無機充填剤の含有量は45質量%以下がより好ましい。
【0034】
体質性無機充填剤としては、特に制限はなく、公知の無機充填剤が使用できる。例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、溶融シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、ガラスパウダー等があげられる。これらは必要に応じて2種以上を併用することができる。
【0035】
中でも、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、ガラスパウダーから選ばれる少なくとも1種を用いると、マトリックスの透明性が良好となる傾向にあるため好ましい。中でも、炭酸カルシウムは、成形品の耐熱水性が良好となる傾向にあるため、特に好ましい。特に、体質性無機充填剤として炭酸カルシウムと熱硬化性樹脂として(メタ)アクリル系樹脂とを組み合わせた場合に、この効果が顕著である。
【0036】
次に、本発明の構成成分の1つである着色粒子について説明する。
着色粒子は、本発明の成形品に石目模様を発現させるための模様剤である。
着色粒子の含有量は、特に制限されないが、シート・モールディング・コンパウンド全量中、5〜50質量%の範囲内が好ましい。この含有量が5質量%以上の場合に、成形品にきれいな石目模様が発現すると同時に、成形品のヒケが減少する傾向にある。さらに、繊維補強材に起因する成形品表面の凹凸を遮蔽し表面平滑性が良好となると同時に、繊維補強材が透けて見えるのを防止する傾向にある。従って、平均粒子径が50μm以上の体質性無機充填剤を使用した場合においても、繊維補強材が透けて見えるのを防止でき、マトリックス(石目模様および繊維補強材以外の部分)の透明性を保持したまま、繊維補強材が透けて見えることのない高外観(透明感、深み感のある石目模様)を発現することができる傾向にある。一方、着色粒子の含有量が50質量%以下の場合に、成形品の機械的強度が良好となる傾向にある。着色粒子の含有量は10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。また、着色粒子の含有量は、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
【0037】
着色粒子の大きさとしては、特に制限はないが、150〜8メッシュサイズの大きさが好ましい。着色粒子が150メッシュサイズよりも大きな粒子の場合に石目模様が発現する傾向にあり、8メッシュサイズよりも小さな粒子の場合に成形品の表面平滑性が良好となる傾向にある。また、150〜8メッシュサイズの着色粒子と前述の特定粒径(平均粒子径が50μm以上)の体質性無機充填剤とを組み合わせることにより、繊維補強材に起因する凹凸を遮蔽し表面平滑性が良好となる効果が特に顕著となる傾向にある。
【0038】
着色粒子としては、特に制限はなく、天然石や無機充填剤粒子を着色したもの、樹脂粒子を着色したもの、無機充填剤含有樹脂粒子を着色したもの等が使用できる。中でも、樹脂粒子や無機充填剤含有樹脂粒子を使用すると、成形品の表面平滑性が良好となる傾向にあるため好ましい。
【0039】
着色粒子に用いる着色される無機充填剤としては、前述のマトリックスに用いる体質性無機充填剤で例示した無機充填剤が使用できる。着色粒子に用いる無機充填剤としては、マトリックスに用いる体質性無機充填剤と同じ種類の無機充填剤でもよいし、また、着色粒子に用いる無機充填剤とマトリックスに用いる体質性無機充填剤が異なっていてもよい。
【0040】
着色粒子に用いる樹脂粒子としては、前述のマトリックスに用いる樹脂で例示した樹脂が使用できる。着色粒子に用いる樹脂としては、マトリックスに用いる樹脂と同じ種類の樹脂でもよいし、また、着色粒子に用いる樹脂とマトリックスに用いる樹脂が異なっていてもよいが、樹脂同士の相溶性の面から、着色粒子に用いる樹脂とマトリックスに用いる樹脂は同じ種類であることが好ましい。
【0041】
着色粒子に用いる無機充填剤含有樹脂粒子を構成する無機充填剤および樹脂についても、それぞれ同様である。
【0042】
着色粒子の形状としては、特に制限はなく、球状、角柱状、角錐状、薄片状、不定形状(定まった形をもっておらず、いろいろな形状の混合物)等の粒子が使用できる。中でも、不定形状の粒子を用いると、人工的ではない自然な感じの石目模様が得られるため、好ましい。
【0043】
着色粒子の製造方法(着色方法、粒子製造方法)としては、特に制限はない。例えば、着色方法としては、着色粒子が無機充填剤である場合には、粒子状とした後に着色する方法が好ましい。また、着色粒子が樹脂粒子または無機充填剤含有樹脂粒子である場合には、先に粒子状とした後に着色してもよいし、先に樹脂または無機充填剤含有樹脂を着色した後に粉砕等により粒子状としてもよい。また、例えば、懸濁重合時に単量体と一緒に、顔料、または、顔料および無機充填剤を供給することにより、着色と粒子状化を同時に行ってもよい。
粒子製造方法としては、特に制限はない。例えば、着色粒子が無機充填剤である場合には、結晶成長により直接所望の大きさの粒子を製造してもよいし、粉砕/分級により粒子を製造してもよい。また、着色樹脂が樹脂粒子または無機充填剤含有樹脂粒子である場合には、懸濁重合等により、直接、所望の大きさの粒子を製造してもよいし、樹脂や無機充填剤含有樹脂を粉砕/分級することにより粒子を製造してもよい。
中でも、着色樹脂や無機充填剤を含有する着色樹脂を粉砕する方法は、上記の不定形状の着色粒子を効率よく得ることができるため、特に好ましい。
【0044】
次に、本発明の構成成分の1つである繊維補強材について説明する。
繊維補強材は、本発明の成形品に機械的強度を付与する成分である。
繊維補強材の含有量は、特に制限されないが、シート・モールディング・コンパウンド全量中、10〜50質量%の範囲内が好ましい。この含有量が10質量%以上の場合に、成形品の機械的強度が高くなる傾向にあり、また、50質量%以下の場合に、成形品の表面平滑性が良好となる傾向にある。繊維補強材の含有量は15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が特に好ましい。また、繊維強化材の含有量は、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
【0045】
また、繊維補強材の長さは、特に制限されないが、5mm以上であることが好ましい。繊維補強材の長さが5mm以上である場合に、補強材としての作用を発現する傾向にある。この長さは、10mm以上がより好ましく、15mm以上がさらに好ましく、20mm以上であることが特に好ましい。
【0046】
また、繊維補強材の長さの上限値については、特に制限はなく、成形品中で繊維補強材が連続していてもよいが、100mm以下であることが好ましい。繊維補強材の長さが100mm以下の場合に、繊維補強材による凹凸が低減し、成形品の表面平滑性が良好となる傾向にある。繊維補強材の長さは、75mm以下がより好ましく、50mm以下が特に好ましい。
【0047】
繊維補強材は、特に制限はなく、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維等の有機繊維が使用できる。中でも、成形品の機械的強度の面から、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維が好ましく、石目模様がより鮮明に発現することから、ガラス繊維が特に好ましい。
【0048】
本発明のシート・モールディング・コンパウンドには、上述の構成成分のほかに、必要により増粘剤、低収縮化剤、重合開始剤、表面処理剤、内部離型剤、顔料、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含有させてもよい。
【0049】
増粘剤としては、特に制限はなく、公知の増粘剤を使用することができる。例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等の二価の金属の酸化物または水酸化物や、重合体粉末等があげられる。
【0050】
低収縮化剤としては、スチレン系樹脂低収縮化剤、酢酸ビニル系樹脂低収縮化剤、(メタ)アクリル系樹脂低収縮化剤、発泡性微粒子等の低収縮化剤が使用できる。
【0051】
重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の重合開始剤が使用できる。例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物などが使用でき、これらは必要に応じて2種以上を併用することができる。
【0052】
表面処理剤としては、特に制限はなく、公知の表面処理剤を使用することができる。例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤や、リン酸(メタ)アクリレート等のリン酸エステル類、ステアリン酸等の飽和脂肪酸類等が挙げられる。
【0053】
内部離型剤としては、特に制限はなく、公知の内部離型剤を使用することができる。例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤があげられる。
【0054】
次に、本発明のシート・モールディング・コンパウンドの製造方法について説明する。
本発明のシート・モールディング・コンパウンドは、図1に示されるようなSMCマシーン等の公知の装置を用いて製造することができる。例えば、熱硬化性樹脂、体質性無機充填剤、および必要により他の添加剤を含む樹脂組成物1を、コーター3を通して下側の離型フィルム2上に塗布し、その上から繊維補強材4をカッター5でカットしてばらまき、もう一方の樹脂組成物が塗布された上側の離型フィルムで挟み込み、含浸ロール6で繊維補強材に樹脂組成物を含浸させ、ロール7に巻き取り、その後に樹脂組成物を増粘させることによって製造することができる。
増粘方法は、特に制限されない。例えば、この樹脂組成物を10〜60℃の温度で、1日〜2週間熟成させることにより、増粘させることができる。
【0055】
この際、着色粒子は、熱硬化性樹脂、体質性無機充填剤、および必要により他の添加剤を含む樹脂組成物中に予め混合させておいてもよいし、また、熱硬化性樹脂、体質性無機充填剤、および必要により他の添加剤を含む樹脂組成物を、コーターを通して離型フィルム上に塗布した後、繊維補強材と一緒にあるいは前後してばらまいてもよい。
【0056】
次に、本発明の石目模様付成形品について説明する。
本発明の石目模様付成形品は、前述の石目模様付シート・モールディング・コンパウンドを硬化してなるものである。
本発明の石目模様付成形品の製造方法は、特に制限されないが、圧縮成形法、射出成形法、トランスファー成形法等の加熱加圧硬化法を用いて成形することことができる。中でも、生産性の面から、圧縮成形法、熱硬化型射出成形法、トランスファー成形法等の加熱加圧硬化型の成形法が好ましい。
【0057】
この場合、加熱温度は、特に制限はないが、熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル系樹脂またはビニルエステル系樹脂である場合には、120〜150℃の範囲内が好ましく、(メタ)アクリル系樹脂である場合には、80〜130℃の範囲内が好ましい。また、本発明の成形品を得る際には、上金型と下金型に温度差を設けて加熱してもよい。また、加圧圧力としては、特に制限はないが、0.5〜25MPaであることが好ましい。この加圧圧力が0.5MPa以上の場合に、シート・モールディング・コンパウンドの金型内への充填性が良好となる傾向にある。また、この加圧圧力が25MPa以下の場合に、白化のない良好な成形外観が得られる傾向にある。この加圧圧力は、1MPa以上であることがより好ましく、また、20MPa以下であることがより好ましい。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明する。
なお、例中の部は質量基準である。
<成形品の外観>
【0059】
[表面平滑性]
成形品の表面平滑性を目視により評価した。
◎:ガラス繊維に起因する凹凸が認められない。
○:よく観察するとガラス繊維に起因する凹凸が認められるが、一見しただけではほとんどガラス繊維の凹凸が認められない。
×:ガラス繊維に起因する凹凸が顕著に認められる。
【0060】
[石目模様の深み感]
成形品の石目模様の深み感を目視により評価した。
○:マトリックスの透明感が高く、成形品の表面より奥側の石目模様も見え、石目模様にかなり立体感が認められる。
×:マトリックスに透明感がなく、成形品表面のごく表層の石目模様しか見えず、石目模様が平面的で深み感がない。
【0061】
[ヒケ]
成形品のヒケを目視により評価した。
◎:ヒケが全くない。
○:よく観察するとわずかにヒケが認められるが、問題ないレベルである。
【0062】
<成形品の物性>
[機械的強度]
三点曲げ強度及び三点曲げ弾性率:JIS−K7055に準拠して測定。
シャルピー衝撃強度:JIS−K7061に準拠して測定。
フラットワイズ、ノッチなし。
【0063】
[耐熱水性]
成形品を80℃の熱水に100時間浸漬したのち、浸漬前の成形品との色を比較し、色差(ΔE*)を測定した。JIS−Z8720に準拠して測定。
(1)メタクリル系樹脂(SY−1)の製造例
冷却管、温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた反応装置に、純水435部、ポリビニルアルコール(けん化度88%、重合度1000)1部を溶解させた後、メチルメタクリレート288.9部、メタクリル酸11.1部、チオグリコール酸オクチル9部、アゾビスイソブチロニトリル0.6部を溶解させた単量体溶液を投入し、窒素雰囲気下、350rpmで攪拌しながら1時間で70℃に昇温し、そのまま2時間加熱した。その後、90℃に昇温し2時間加熱後、さらに120℃に加熱して残存モノマーを水と共に留去してスラリーを得て、懸濁重合を終了した。得られたスラリーを濾過、洗浄した後、50℃の熱風乾燥機で乾燥し、平均粒子径が350μmのメタクリル系重合体(P−1)を得た。得られたメタクリル系重合体(P−1)の重量平均分子量は3.5万であった。
メチルメタクリレート57部および1,3−ブチレングリコールジメタクリレート11部からなるメタクリル系単量体に、重合禁止剤として2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.06部およびメタクリル系重合体(P−1)32部を溶解させて、メタクリル系樹脂(SY−1)を得た。
【0064】
(2)メタクリル系樹脂(SY−2)の製造例
メチルメタクリレート50部、イソボルニルメタクリレート12部、および1,3−ブチレングリコールジメタクリレート10部からなるメタクリル系単量体に、重合禁止剤として2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.06部およびメタクリル系重合体(P−1)28部を溶解させて、メタクリル系樹脂(SY−2)を得た。
【0065】
(3)メタクリル系樹脂(SY−3)の製造例
メチルメタクリレート62部および1,3−ブチレングリコールジメタクリレート10部からなるメタクリル系単量体に、重合禁止剤として2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.06部およびメタクリル系重合体(P−1)28部を溶解させて、メタクリル系樹脂(SY−3)を得た。
【0066】
(4)着色粒子(C−1)の製造例
メタクリル系樹脂組成物(SY−1)40部に、無機充填剤として平均粒子径が25μmである水酸化アルミニウム(住友化学(株)製、商品名「CWL−325J」)60部、着色剤として白色無機顔料または黒色無機顔料0.05部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(化薬アクゾ(株)製、商品名「カヤエステルO」)0.72部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛1.6部、増粘剤として酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名「マグミック」)0.1部、増粘助剤として水0.27部を混合して混合物を調合した。
この混合物を室温で4日間熟成させて、白色または黒色のバルク・モールディング・コンパウンドを得た。
次に、この白色または黒色のバルク・モールディング・コンパウンドを用いて、上金型温度110℃、下金型温度90℃、圧力5MPaの条件で加熱加圧硬化させ、厚さ4mm、200mm角の白色または黒色の平板成形品を得た。
この白色または黒色の成形品をクラッシャーで粉砕し、篩で分級して、25〜150メッシュサイズの白色粒子または黒色粒子を得た。
得られた白色粒子30部と黒色粒子70部を混合して、着色粒子(C−1)を得た。
【0067】
(5)着色粒子(C−2)の製造例
白色のメタクリル樹脂シート(三菱レイヨン(株)製、商品名「PX−200(N−369)」をクラッシャーで粉砕し、篩で分級して、25〜150メッシュサイズの白色粒子を得た。
黒色のメタクリル樹脂シート(三菱レイヨン(株)製、商品名「PX−200(K−303)」をクラッシャーで粉砕し、篩で分級して、25〜150メッシュサイズの黒色粒子を得た。
得られた白色粒子80部と黒色粒子20部を混合して、着色粒子(C−2)を得た。
【0068】
[実施例1]
メタクリル系樹脂組成物(SY−1)41部に、体質性無機充填剤として平均粒子径が120μmである炭酸カルシウム(三共製粉(株)製、商品名「砂状炭カルG−50」)15部、着色粒子(C−1)24部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(化薬アクゾ(株)製、商品名「カヤエステルO」)0.72部、表面処理剤として(2−メタクリロイルオキシプロピル)アシッドフォスフェート(共栄社化学(株)製、商品名「HOP−PM」)0.15部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛1.6部、増粘剤として酸化マグネシウム(St−Zn)(協和化学工業(株)製、商品名「マグミック」)0.1部、増粘助剤として水0.27部を混合して混合物を調合した。
この混合物82.84部を2枚のポリプロピレン離型性フィルム上に均等に塗布し、一方のフィルムの該混合物が塗布された面に、繊維補強材としてガラス繊維ロービング(旭ファイバーグラス(株)製、商品名「ER4800NDAF211W」)を25.4mmにカットして、20部添加し、その上にもう一方のフィルムの該混合物が塗布された面を重ねて、ガラス繊維(GF)に上記混合物を含浸させた。
次いで、この含浸物を室温で4日間熟成して増粘させて、石目模様付のシート・モールディング・コンパウンドを得た。
次に、このシート・モールディング・コンパウンドを用いて、上金型温度110℃、下金型温度90℃、圧力15MPaの条件で加熱加圧硬化させ、厚さ4mm、200mm角の平板の石目模様付成形品を得た。
この成形品には、ガラス繊維に起因する凹凸が認められず、マトリックスの透明感が高く、成形品の表面より奥側の石目模様も見え、石目模様にかなり立体感が認められ、ヒケもなく、外観が良好であった。
この成形品の三点曲げ強度は120MPaで、三点曲げ弾性率は8.7GPaで、シャルピー衝撃値は30kJ/mであり、機械的強度が高かった。また、耐熱水性試験後のΔE*=2であり、色変化が小さかった。
【0069】
[実施例2〜6]
体質性無機充填剤として平均粒子径が70μmである炭酸カルシウム(三共製粉(株)製、商品名「砂状炭カルG−100」)を使用し、その他の組成を表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の方法で石目模様付シート・モールディング・コンパウンドおよび石目模様付成形品を得た。
成形品の評価結果を表2に示す。
【0070】
[実施例7]
体質性無機充填剤として、平均粒子径が70μmである炭酸カルシウム(三共製粉(株)製、商品名「砂状炭カルG−100」)と平均粒子径が270μmである炭酸カルシウム(三共製粉(株)製、商品名「粒状炭カルK−1」)とを併用し、重合開始剤として、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、商品名「パーヘキサHC」)を使用し、その他の組成を表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の方法で石目模様付シート・モールディング・コンパウンドを得た。
次に、このシート・モールディング・コンパウンドを用いて、上金型温度130℃、下金型温度110℃、圧力15MPaの条件で加熱加圧硬化させ、厚さ4mm、200mm角の平板の石目模様付成形品を得た。
成形品の評価結果を表2に示す。
【0071】
[比較例1]
体質性無機充填剤として平均粒子径が2μmである炭酸カルシウム(日東紛化工業(株)製、商品名「NS#200」)を使用し、その他の組成を表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の方法で石目模様付シート・モールディング・コンパウンドおよび石目模様付成形品を得た。
この成形品には、ヒケは認められないものの、ガラス繊維に起因する凹凸が顕著に認められ、マトリックスに透明感がなく、成形品表面のごく表層の石目模様しか見えず、石目模様が平面的で深み感がなかった。
成形品物性を表2に示す。
【0072】
[比較例2]
体質性無機充填剤として平均粒子径が8μmである水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、商品名「B−103」)を使用し、その他の組成を表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の方法で石目模様付シート・モールディング・コンパウンドおよび石目模様付成形品を得た。
この成形品には、ヒケは認められないものの、ガラス繊維に起因する凹凸が顕著に認められ、マトリックスに透明感がなく、成形品表面のごく表層の石目模様しか見えず、石目模様が平面的で深み感がなかった。
また、耐熱水性試験後のΔE*=8であり、色変化が大きかった。その他の成形品物性を表2に示す。
【0073】
[比較例3]
メタクリル系樹脂組成物(SY−1)41部に、体質性無機充填剤として平均粒子径が120μmである炭酸カルシウム(三共製粉(株)製、商品名「砂状炭カルG−50」)15部、着色粒子(C−1)24部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(化薬アクゾ(株)製、商品名「カヤエステルO」)0.72部、表面処理剤として(2−メタクリロイルオキシプロピル)アシッドフォスフェート(共栄社化学(株)製、商品名「HOP−PM」)0.15部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛1.6部、増粘剤として酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名「マグミック」)0.1部、増粘助剤として水0.27部を混合して混合物を調合した。
この混合物を室温で4日間熟成させて、石目模様付のバルク・モールディング・コンパウンドを得た。
次に、このバルク・モールディング・コンパウンドを用いて、実施例1と同様の方法で石目模様付成形品を得た。
この成形品の外観は良好であったものの、三点曲げ強度は60MPaで、三点曲げ弾性率は6.5GPaで、シャルピー衝撃値は2.5kJ/mであり、機械的強度が小さかった。
【0074】
【表1】
Figure 2004217772
【0075】
【表2】
Figure 2004217772
【0076】
【発明の効果】
以上、説明したように、特定の平均粒子径を有する体質性無機充填剤を配合したシート・モールディング・コンパウンドを使用することによって、マトリックスの透明性を発現させ、なおかつ、ガラス繊維に起因する凹凸を低減させることができ、表面平滑性と深み感に優れる石目模様付成形品を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シート・モールディング・コンパウンドの製造装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1…樹脂組成物
2…離型フィルム
3…コーター
4…ガラス繊維
5…カッター
6…含浸ロール
7…ロール

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂、体質性無機充填剤、着色粒子、および繊維補強材を含む石目模様付シート・モールディング・コンパウンドにおいて、体質性無機充填剤の平均粒子径が50μm以上であることを特徴とする石目模様付シート・モールディング・コンパウンド。
  2. 繊維補強材の長さが5mm以上である請求項1記載の石目模様付シート・モールディング・コンパウンド。
  3. 着色粒子の添加量が5〜50質量%である請求項1または2記載の石目模様付シート・モールディング・コンパウンド。
  4. 体質性無機充填剤が、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、およびガラスパウダーの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の石目模様付シート・モールディング・コンパウンド。
  5. 熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、および(メタ)アクリル系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の石目模様付シート・モールディング・コンパウンド。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のシート・モールディング・コンパウンドを硬化してなる石目模様付成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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