JP2004217412A - ダブルデッキ式エレベータ - Google Patents
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Abstract
【課題】階間調整機構を制御して乗りかごを移動させ、その移動状況を確認する等の点検作業を容易に能率よく行なうことができるダブルデッキ式エレベータを提供する。
【解決手段】かご枠1内の上部および下部にそれぞれ乗りかご2,3が設けられ、これら乗りかご2,3の間隔が階間調整機構15により調整可能となっているダブルデッキ式エレベータにおいて、前記かご枠1の上部に作業台28を設けるとともに、前記階間調整機構15を制御するための階間制御箱32を前記作業台28と隣り合うように作業台28の外側に設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】かご枠1内の上部および下部にそれぞれ乗りかご2,3が設けられ、これら乗りかご2,3の間隔が階間調整機構15により調整可能となっているダブルデッキ式エレベータにおいて、前記かご枠1の上部に作業台28を設けるとともに、前記階間調整機構15を制御するための階間制御箱32を前記作業台28と隣り合うように作業台28の外側に設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、かご枠内に一対の乗りかごを備え、その乗りかごがビルの昇降路内で一体に昇降するダブルデッキ式エレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超高層ビル等においては、ビル内のスペース効率や乗客搬送効率を高めるためにダブルデッキ式エレベータが設置されるようになってきている。ダブルデッキ式のエレベータは、一つのかご枠内に二つの乗りかごを上下に並べて組み付けてかごユニットとし、このかごユニットを昇降路内で昇降させる方式となっている。
【0003】
かご枠内に配置された上部の乗りかごと下部の乗りかごとの間隔は、ビルの階高(互いに隣り合う上下階床間の間隔)に対応する大きさに定められ、かご枠が停止するときには、その上部および下部の乗りかごがその上下階の階床にそれぞれ着床するように構成されている。
【0004】
しかしながら、ビルの各階の階高がすべて一定であるとは限らず、このため近年においては、上部の乗りかごと下部の乗りかごとの間隔を調整することが可能な階間調整機構が組み込まれ、着床する階床間の階高に応じて自動的に上部の乗りかごと下部の乗りかごとの間隔を調整することができるようにしたダブルデッキ式エレベータが提案されている。
【0005】
このような階間調整機構を備えるダブルデッキ式エレベータの構造を図5に示してあり、このダブルデッキ式エレベータはかご枠1を備え、このかご枠1の内側の上部および下部にそれぞれ乗りかご2,3が設けられ、これら乗りかご2,3およびかご枠1とでかごユニット4が構成されている。
【0006】
かごユニット4は、メインロープ7を介して釣合い重り(図示せず)と連結され、そのメインロープ7が巻上機のシーブ(図示せず)に巻き掛けられ、前記シーブの正逆回転によりかごユニット4と釣合い重りが昇降路内で互いに逆方向に昇降するようになっている。
【0007】
かご枠1は、左右一対の縦枠10と、これら縦枠10の上端部間、中間部間、下端部間にそれぞれ水平に架設された上梁11、中梁12、下梁13とを備え、前記上部の乗りかご2が上梁11と中梁12との間のスペース内に配置され、前記下部の乗りかご3が中梁12と下梁3との間のスペース内に配置されている。
【0008】
上部の乗りかご2と下部の乗りかご3は、その相互間の距離を調整することが可能な階間調整機構15を介してかご枠1に支持されている。階間調整機構15は、上梁11の上に取り付けられた左右一対のモータ16と、これらモータ16の回転軸に取り付けられたボールねじ17と、上部の乗りかご2に設けられ、前記各ボールねじ17の上部区間に螺合されたボールねじナット18と、下部の乗りかご3に設けられ、前記各ボールねじ17の下部区間に螺合されたボールねじナット19とで構成されている。
【0009】
前記ボールねじ17の上部区間および下部区間にはそれぞれねじ部17a,17bが形成され、その上部区間のねじ部17aと下部区間のねじ部17bとのねじの方向が互いに逆方向となっている。そして上部区間のねじ部17aに上部の乗りかご2に設けられたボールねじナット18が螺合され、下部区間のねじ部17bに下部の乗りかご3に設けられたボールねじナット19が螺合されている。
【0010】
したがって、モータ16に駆動されてボールねじ17が一方向に回転すると、上下に配置された乗りかご2,3が例えば互いに離間する方向に移動し、ボールねじ17が逆方向に回転すると、上下に配置された乗りかご2,3が互いに接近する方向に移動し、その相互の間隔が調整される。
【0011】
各乗りかご2,3の上部にはそれぞれ複数の手すり部材を備える作業台21,22が設けられている。そして、エレベータの保守点検時に、作業員が乗りかご2,3の上の作業台21,22に乗り込み、その作業台21,22を足場として各種の作業を行なうようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
エレベータの保守点検時の作業項目の一つとして、階間調整機構15を制御し、上部の乗りかご2および下部の乗りかご3を移動させてその移動状況等を確認する作業がある。
【0013】
従来のダブルデッキ式エレベータにおいては、乗りかご2,3の上に作業台21,22が設けられているに過ぎず、したがって階間調整機構15を制御して乗りかご2,3を移動させ、その移動状況を確認する等の点検作業の際、その作業員は乗りかご2,3の上の作業台21,22に乗り込まなければならない。しかし、その乗りかご2,3は上下に移動するため、その点検作業がしづらく、作業性が低下するという問題がある。
【0014】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、階間調整機構を制御して乗りかごを移動させ、その移動状況を確認する等の点検作業を容易に能率よく行なうことができるダブルデッキ式エレベータを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、かご枠内の上部および下部にそれぞれ乗りかごが設けられ、これら乗りかごの間隔が階間調整機構により調整可能となっているダブルデッキ式エレベータにおいて、前記かご枠の上部に設けられた作業台と、この作業台と隣り合って作業台の外側に設けられた前記階間調整機構を制御するための階間制御部とを具備することを特徴としている。
【0016】
請求項2の発明は、前記階間制御部が、前記作業台の上へ向けて移動することが可能となっていることを特徴としている。
【0017】
請求項3の発明は、前記階間制御部と作業台が、前記かご枠の前後方向に並ぶように設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項4の発明は、前記作業台の一側縁部に、前記かご枠を吊り下げるメインロープが通る凹部が形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項5の発明は、前記階間制御部が、前記作業台に形成された凹部の反対側の縁部側に設けられていることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。なお、従来の構成と対応する部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図1にはこの発明の一実施形態によるダブルデッキ式エレベータを示してあり、このダブルデッキ式エレベータにおいては、かご枠1における上梁11の上に支持梁25が複数本水平に取り付けられている。これら支持梁25は、図2および図3に示すように互いに平行をなして上梁11と直角の方向に延びている。
【0022】
支持梁25の上には、台板26が取り付けられ、この台板26の周縁に手すり柵27が設けられ、これら台板26と手すり柵27とで作業台28が構成されている。
【0023】
手すり柵27は、複数の手すり部材27aを縦横に柵状に組み合わせてなる。そして手すり柵27が視覚上、暗い昇降路内であっても目立つように、例えば各段ごとの手すり部材27aが異なる色となるように色分けされている。
【0024】
台板26の一側縁には、図3に示すように凹部30が形成され、この凹部30の内側の空間を通してメインロープ7が上梁11に連結されている。上梁11の上に取り付けられた複数本の支持梁25のうちの内側の2本の支持梁25は、台板26における前記凹部30の反対側の側縁からその外方側に突出している。そして、その突出した支持梁25の端部間に、階間調整機構15を制御するための階間制御部としての階間制御箱32が作業台28と隣り合うように設けられている。
【0025】
階間制御箱32は前記支持梁25の上に、図2に示すようにスペーサ31を介して所定のレベルの位置に配置するように支持されている。そしてこの階間制御箱32は、ピン37を介してスペーサ31の上に回動可能に、すなわち作業台28の配置側に向けて倒伏可能に設けられ、通常時にはボルト38を介してスペーサ31の上にほぼ垂直に起立する状態に締結されている。
【0026】
階間制御箱32と対向する作業台28の一側部は、階間制御箱32を倒伏可能とするために手すり柵のない開放部39となっている。
【0027】
階間調整機構15の保守点検時には、かご枠1の上に設置された作業台28に作業員が乗り込む。そしてこの作業台28から階間制御箱32に手を延ばして階間制御箱32を操作し、階間調整機構15を制御して上部の乗りかご2および下部の乗りかご3を移動させ、その移動状況等を確認する。
【0028】
この際、作業員は、上下に移動する乗りかご2,3の上に乗り込むのではなく、乗りかご2,3から独立したかご枠1の上部の作業台28内で階間調整機構15を制御して乗りかご2,3を移動させることができ、したがってその移動状況を確認する等の点検作業を容易に能率よく行なうことができる。
【0029】
本実施形態では、階間制御箱32が作業台28の外に設置されている。階間制御箱32が作業台28の内側に設置されている場合には、階間制御箱32の重量に耐え得る剛性を作業台28にもたせることが必要となる。例えば作業台28の台板26の厚さを充分に大きくする必要が生じ、この結果、作業台28の重量が増し、かごユニット4の全体が高重量化してしまうことになる。
【0030】
ところが、本実施形態では、階間制御箱32が作業台28の外に設置されており、このため作業台28の剛性を低くすることが可能で、重量を下げ、かごユニット4の全体を軽量化することができる。
【0031】
また、階間制御箱32が作業台28の外に設置されている場合、作業台28での作業中における振動が階間制御箱32に伝わりにくくなり、このため階間制御箱32内での端子等の緩みを防止することができる。
【0032】
階間制御箱32の側面や上面には、階間調整機構15を動作させる点検用スイッチや安全スイッチが設けられているが、階間制御箱32が作業台28内に設置されている場合、そのスイッチ類への誤接触を防ぐために、作業時の作業台28内での有効な作業スペースが狭まってしまう。
【0033】
階間制御箱32が作業台28の外に設置されている場合には、作業台28内の領域が広がり、また前記スイッチ類への誤接触の問題も生じなくなり、このため作業時の有効な作業スペースが拡がり、作業台28内での各種の点検作業を効率よく行なうことができる。
【0034】
階間制御箱32は、所定の高さを有するスペーサ31の上に設置されており、このため作業台28内の作業員が自然な安定した姿勢でその階間制御箱32を操作することができる。
【0035】
据付手順について考えると、階間制御箱32を作業台28の外に設置する場合には、上梁11の上に支持梁25を取り付け、これら支持梁25の上に階間制御箱32を取り付け、この階間制御箱32と階間調整機構15との間の電気的な結線作業を行ない、この後、支持梁25の上に作業台28を設置するという手順を採用することが可能となる。
【0036】
これに対し、階間制御箱32を作業台28内に設置する場合には、上梁11の上に支持梁25を取り付け、これら支持梁25の上に作業台28を設置し、この作業台28内に階間制御箱32を取り付け、この階間制御箱32と階間調整機構15との間の電気的な結線作業を行なうことになるが、その結線作業時に作業台28の台板26が作業の邪魔となり、作業能率が低下する。
【0037】
ところが、本実施形態のように階間制御箱32を作業台28の外に設置する場合には、上述のように、作業台28を設置する前に、階間制御箱32を設置してその階間制御箱32と階間調整機構15との間の結線作業を行なうことができ、その結線作業を能率よく行なうことができる。また、据付後においても、階間制御箱32の周囲が台板26で邪魔されることなく広く開放されるから、再結線作業の必要が生じたときにそれを能率よく行なうことができる。
【0038】
階間制御箱32は、図4(A)に示す状態からボルト38を外してスペーサ31との締結を解除し、図4(B)に示すようにピン37を支点に作業台28の配置側に回動することにより作業台28の台板26の上に倒伏させることができる。
【0039】
そして階間制御箱32を倒伏させたときには、その階間制御箱32の背面が上を向いて作業台28内に配置する。したがって、その背面に対するメンテナンス等の作業を作業台28内で容易にかつ安全に行なうことができる。このため、階間制御箱32に設ける電気基板類を階間制御箱32の背面に配置させてもそのメンテナンス等を容易に安全に行なうことができる。そして電気基板類の一部を階間制御箱32の背面に配設することにより、電気基板類を階間制御箱32の前面側に集約して設ける場合に比べ、階間制御箱32を小型化することが可能となる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明のダブルデッキ式エレベータによれば、階間調整機構を制御して乗りかごを移動させ、その移動状況を確認する等の点検作業を容易に能率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るダブルデッキ式エレベータのかごユニットを示す正面図。
【図2】そのかごユニットの作業台部分の側面図。
【図3】その作業台部分の平面図。
【図4】その作業台部分における階間制御箱の起立状態と倒伏状態とを示す側面図。
【図5】従来のダブルデッキ式エレベータのかごユニットを示す正面図。
【符号の説明】
1…かご枠
2,3…乗りかご
4…かごユニット
7…メインロープ
15…階間調整機構
16…モータ
17…ボールねじ
18,19…ボールねじナット
25…支持梁
26…台板
27…手すり柵
28…作業台
32…階間制御箱
37…ピン
38…ボルト
【発明の属する技術分野】
この発明は、かご枠内に一対の乗りかごを備え、その乗りかごがビルの昇降路内で一体に昇降するダブルデッキ式エレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超高層ビル等においては、ビル内のスペース効率や乗客搬送効率を高めるためにダブルデッキ式エレベータが設置されるようになってきている。ダブルデッキ式のエレベータは、一つのかご枠内に二つの乗りかごを上下に並べて組み付けてかごユニットとし、このかごユニットを昇降路内で昇降させる方式となっている。
【0003】
かご枠内に配置された上部の乗りかごと下部の乗りかごとの間隔は、ビルの階高(互いに隣り合う上下階床間の間隔)に対応する大きさに定められ、かご枠が停止するときには、その上部および下部の乗りかごがその上下階の階床にそれぞれ着床するように構成されている。
【0004】
しかしながら、ビルの各階の階高がすべて一定であるとは限らず、このため近年においては、上部の乗りかごと下部の乗りかごとの間隔を調整することが可能な階間調整機構が組み込まれ、着床する階床間の階高に応じて自動的に上部の乗りかごと下部の乗りかごとの間隔を調整することができるようにしたダブルデッキ式エレベータが提案されている。
【0005】
このような階間調整機構を備えるダブルデッキ式エレベータの構造を図5に示してあり、このダブルデッキ式エレベータはかご枠1を備え、このかご枠1の内側の上部および下部にそれぞれ乗りかご2,3が設けられ、これら乗りかご2,3およびかご枠1とでかごユニット4が構成されている。
【0006】
かごユニット4は、メインロープ7を介して釣合い重り(図示せず)と連結され、そのメインロープ7が巻上機のシーブ(図示せず)に巻き掛けられ、前記シーブの正逆回転によりかごユニット4と釣合い重りが昇降路内で互いに逆方向に昇降するようになっている。
【0007】
かご枠1は、左右一対の縦枠10と、これら縦枠10の上端部間、中間部間、下端部間にそれぞれ水平に架設された上梁11、中梁12、下梁13とを備え、前記上部の乗りかご2が上梁11と中梁12との間のスペース内に配置され、前記下部の乗りかご3が中梁12と下梁3との間のスペース内に配置されている。
【0008】
上部の乗りかご2と下部の乗りかご3は、その相互間の距離を調整することが可能な階間調整機構15を介してかご枠1に支持されている。階間調整機構15は、上梁11の上に取り付けられた左右一対のモータ16と、これらモータ16の回転軸に取り付けられたボールねじ17と、上部の乗りかご2に設けられ、前記各ボールねじ17の上部区間に螺合されたボールねじナット18と、下部の乗りかご3に設けられ、前記各ボールねじ17の下部区間に螺合されたボールねじナット19とで構成されている。
【0009】
前記ボールねじ17の上部区間および下部区間にはそれぞれねじ部17a,17bが形成され、その上部区間のねじ部17aと下部区間のねじ部17bとのねじの方向が互いに逆方向となっている。そして上部区間のねじ部17aに上部の乗りかご2に設けられたボールねじナット18が螺合され、下部区間のねじ部17bに下部の乗りかご3に設けられたボールねじナット19が螺合されている。
【0010】
したがって、モータ16に駆動されてボールねじ17が一方向に回転すると、上下に配置された乗りかご2,3が例えば互いに離間する方向に移動し、ボールねじ17が逆方向に回転すると、上下に配置された乗りかご2,3が互いに接近する方向に移動し、その相互の間隔が調整される。
【0011】
各乗りかご2,3の上部にはそれぞれ複数の手すり部材を備える作業台21,22が設けられている。そして、エレベータの保守点検時に、作業員が乗りかご2,3の上の作業台21,22に乗り込み、その作業台21,22を足場として各種の作業を行なうようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
エレベータの保守点検時の作業項目の一つとして、階間調整機構15を制御し、上部の乗りかご2および下部の乗りかご3を移動させてその移動状況等を確認する作業がある。
【0013】
従来のダブルデッキ式エレベータにおいては、乗りかご2,3の上に作業台21,22が設けられているに過ぎず、したがって階間調整機構15を制御して乗りかご2,3を移動させ、その移動状況を確認する等の点検作業の際、その作業員は乗りかご2,3の上の作業台21,22に乗り込まなければならない。しかし、その乗りかご2,3は上下に移動するため、その点検作業がしづらく、作業性が低下するという問題がある。
【0014】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、階間調整機構を制御して乗りかごを移動させ、その移動状況を確認する等の点検作業を容易に能率よく行なうことができるダブルデッキ式エレベータを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、かご枠内の上部および下部にそれぞれ乗りかごが設けられ、これら乗りかごの間隔が階間調整機構により調整可能となっているダブルデッキ式エレベータにおいて、前記かご枠の上部に設けられた作業台と、この作業台と隣り合って作業台の外側に設けられた前記階間調整機構を制御するための階間制御部とを具備することを特徴としている。
【0016】
請求項2の発明は、前記階間制御部が、前記作業台の上へ向けて移動することが可能となっていることを特徴としている。
【0017】
請求項3の発明は、前記階間制御部と作業台が、前記かご枠の前後方向に並ぶように設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項4の発明は、前記作業台の一側縁部に、前記かご枠を吊り下げるメインロープが通る凹部が形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項5の発明は、前記階間制御部が、前記作業台に形成された凹部の反対側の縁部側に設けられていることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。なお、従来の構成と対応する部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図1にはこの発明の一実施形態によるダブルデッキ式エレベータを示してあり、このダブルデッキ式エレベータにおいては、かご枠1における上梁11の上に支持梁25が複数本水平に取り付けられている。これら支持梁25は、図2および図3に示すように互いに平行をなして上梁11と直角の方向に延びている。
【0022】
支持梁25の上には、台板26が取り付けられ、この台板26の周縁に手すり柵27が設けられ、これら台板26と手すり柵27とで作業台28が構成されている。
【0023】
手すり柵27は、複数の手すり部材27aを縦横に柵状に組み合わせてなる。そして手すり柵27が視覚上、暗い昇降路内であっても目立つように、例えば各段ごとの手すり部材27aが異なる色となるように色分けされている。
【0024】
台板26の一側縁には、図3に示すように凹部30が形成され、この凹部30の内側の空間を通してメインロープ7が上梁11に連結されている。上梁11の上に取り付けられた複数本の支持梁25のうちの内側の2本の支持梁25は、台板26における前記凹部30の反対側の側縁からその外方側に突出している。そして、その突出した支持梁25の端部間に、階間調整機構15を制御するための階間制御部としての階間制御箱32が作業台28と隣り合うように設けられている。
【0025】
階間制御箱32は前記支持梁25の上に、図2に示すようにスペーサ31を介して所定のレベルの位置に配置するように支持されている。そしてこの階間制御箱32は、ピン37を介してスペーサ31の上に回動可能に、すなわち作業台28の配置側に向けて倒伏可能に設けられ、通常時にはボルト38を介してスペーサ31の上にほぼ垂直に起立する状態に締結されている。
【0026】
階間制御箱32と対向する作業台28の一側部は、階間制御箱32を倒伏可能とするために手すり柵のない開放部39となっている。
【0027】
階間調整機構15の保守点検時には、かご枠1の上に設置された作業台28に作業員が乗り込む。そしてこの作業台28から階間制御箱32に手を延ばして階間制御箱32を操作し、階間調整機構15を制御して上部の乗りかご2および下部の乗りかご3を移動させ、その移動状況等を確認する。
【0028】
この際、作業員は、上下に移動する乗りかご2,3の上に乗り込むのではなく、乗りかご2,3から独立したかご枠1の上部の作業台28内で階間調整機構15を制御して乗りかご2,3を移動させることができ、したがってその移動状況を確認する等の点検作業を容易に能率よく行なうことができる。
【0029】
本実施形態では、階間制御箱32が作業台28の外に設置されている。階間制御箱32が作業台28の内側に設置されている場合には、階間制御箱32の重量に耐え得る剛性を作業台28にもたせることが必要となる。例えば作業台28の台板26の厚さを充分に大きくする必要が生じ、この結果、作業台28の重量が増し、かごユニット4の全体が高重量化してしまうことになる。
【0030】
ところが、本実施形態では、階間制御箱32が作業台28の外に設置されており、このため作業台28の剛性を低くすることが可能で、重量を下げ、かごユニット4の全体を軽量化することができる。
【0031】
また、階間制御箱32が作業台28の外に設置されている場合、作業台28での作業中における振動が階間制御箱32に伝わりにくくなり、このため階間制御箱32内での端子等の緩みを防止することができる。
【0032】
階間制御箱32の側面や上面には、階間調整機構15を動作させる点検用スイッチや安全スイッチが設けられているが、階間制御箱32が作業台28内に設置されている場合、そのスイッチ類への誤接触を防ぐために、作業時の作業台28内での有効な作業スペースが狭まってしまう。
【0033】
階間制御箱32が作業台28の外に設置されている場合には、作業台28内の領域が広がり、また前記スイッチ類への誤接触の問題も生じなくなり、このため作業時の有効な作業スペースが拡がり、作業台28内での各種の点検作業を効率よく行なうことができる。
【0034】
階間制御箱32は、所定の高さを有するスペーサ31の上に設置されており、このため作業台28内の作業員が自然な安定した姿勢でその階間制御箱32を操作することができる。
【0035】
据付手順について考えると、階間制御箱32を作業台28の外に設置する場合には、上梁11の上に支持梁25を取り付け、これら支持梁25の上に階間制御箱32を取り付け、この階間制御箱32と階間調整機構15との間の電気的な結線作業を行ない、この後、支持梁25の上に作業台28を設置するという手順を採用することが可能となる。
【0036】
これに対し、階間制御箱32を作業台28内に設置する場合には、上梁11の上に支持梁25を取り付け、これら支持梁25の上に作業台28を設置し、この作業台28内に階間制御箱32を取り付け、この階間制御箱32と階間調整機構15との間の電気的な結線作業を行なうことになるが、その結線作業時に作業台28の台板26が作業の邪魔となり、作業能率が低下する。
【0037】
ところが、本実施形態のように階間制御箱32を作業台28の外に設置する場合には、上述のように、作業台28を設置する前に、階間制御箱32を設置してその階間制御箱32と階間調整機構15との間の結線作業を行なうことができ、その結線作業を能率よく行なうことができる。また、据付後においても、階間制御箱32の周囲が台板26で邪魔されることなく広く開放されるから、再結線作業の必要が生じたときにそれを能率よく行なうことができる。
【0038】
階間制御箱32は、図4(A)に示す状態からボルト38を外してスペーサ31との締結を解除し、図4(B)に示すようにピン37を支点に作業台28の配置側に回動することにより作業台28の台板26の上に倒伏させることができる。
【0039】
そして階間制御箱32を倒伏させたときには、その階間制御箱32の背面が上を向いて作業台28内に配置する。したがって、その背面に対するメンテナンス等の作業を作業台28内で容易にかつ安全に行なうことができる。このため、階間制御箱32に設ける電気基板類を階間制御箱32の背面に配置させてもそのメンテナンス等を容易に安全に行なうことができる。そして電気基板類の一部を階間制御箱32の背面に配設することにより、電気基板類を階間制御箱32の前面側に集約して設ける場合に比べ、階間制御箱32を小型化することが可能となる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明のダブルデッキ式エレベータによれば、階間調整機構を制御して乗りかごを移動させ、その移動状況を確認する等の点検作業を容易に能率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るダブルデッキ式エレベータのかごユニットを示す正面図。
【図2】そのかごユニットの作業台部分の側面図。
【図3】その作業台部分の平面図。
【図4】その作業台部分における階間制御箱の起立状態と倒伏状態とを示す側面図。
【図5】従来のダブルデッキ式エレベータのかごユニットを示す正面図。
【符号の説明】
1…かご枠
2,3…乗りかご
4…かごユニット
7…メインロープ
15…階間調整機構
16…モータ
17…ボールねじ
18,19…ボールねじナット
25…支持梁
26…台板
27…手すり柵
28…作業台
32…階間制御箱
37…ピン
38…ボルト
Claims (5)
- かご枠内の上部および下部にそれぞれ乗りかごが設けられ、これら乗りかごの間隔が階間調整機構により調整可能となっているダブルデッキ式エレベータにおいて、
前記かご枠の上部に設けられた作業台と、
この作業台と隣り合って作業台の外側に設けられた前記階間調整機構を制御するための階間制御部と、
を具備することを特徴とするダブルデッキ式エレベータ。 - 前記階間制御部は、前記作業台の上へ向けて移動することが可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のダブルデッキ式エレベータ。
- 前記階間制御部と作業台は、前記かご枠の前後方向に並ぶように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のダブルデッキ式エレベータ。
- 前記作業台の一側縁部には、前記かご枠を吊り下げるメインロープが通る凹部が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のダブルデッキ式エレベータ。
- 前記階間制御部は、前記作業台に形成された凹部の反対側の縁部側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のダブルデッキ式エレベータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003010181A JP2004217412A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | ダブルデッキ式エレベータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003010181A JP2004217412A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | ダブルデッキ式エレベータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004217412A true JP2004217412A (ja) | 2004-08-05 |
Family
ID=32899464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003010181A Pending JP2004217412A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | ダブルデッキ式エレベータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004217412A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013245025A (ja) * | 2012-05-23 | 2013-12-09 | Hitachi Ltd | ダブルデッキエレベータの点検装置 |
US10450168B2 (en) | 2018-01-15 | 2019-10-22 | Otis Elevator Company | Double deck elevator system |
-
2003
- 2003-01-17 JP JP2003010181A patent/JP2004217412A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013245025A (ja) * | 2012-05-23 | 2013-12-09 | Hitachi Ltd | ダブルデッキエレベータの点検装置 |
US10450168B2 (en) | 2018-01-15 | 2019-10-22 | Otis Elevator Company | Double deck elevator system |
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