JP2010168185A - エレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータ装置の保守作業に関連した退避スペースの確保のための作業時間を短縮できるエレベータ装置。
【解決手段】昇降路内を昇降し、第1の係合面とこれより水平方向にずれてより低い位置にある第2の係合面を有する昇降体と、昇降体の第1の係合面の移動経路内に配置されて、最低位置を制限する緩衝器と、緩衝器に設けられ、通常運転時に第1の係合面に係合して昇降体のそれ以上の降下を制限する不作動位置に可動で、保守運転時に第2の係合面の移動経路内に進入して昇降体のそれ以上の降下を制限する作動位置に可動のストッパとを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】昇降路内を昇降し、第1の係合面とこれより水平方向にずれてより低い位置にある第2の係合面を有する昇降体と、昇降体の第1の係合面の移動経路内に配置されて、最低位置を制限する緩衝器と、緩衝器に設けられ、通常運転時に第1の係合面に係合して昇降体のそれ以上の降下を制限する不作動位置に可動で、保守運転時に第2の係合面の移動経路内に進入して昇降体のそれ以上の降下を制限する作動位置に可動のストッパとを備えている。
【選択図】図1
Description
この発明はエレベータ装置に関するものであり、特にエレベータの保守時にエレベータ昇降路内に保守作業者の退避空間を確保するための装置を備えたエレベータ装置に関するものである。
従来のエレベータは、機械室を昇降路の天井の上方に設け、機械室に巻上機を設置する形式のものが一般的であった。しかし、近年昇降路内の頂部又は底部に巻上機を設置して、機械室を不要にしたエレベータの設置台数が増えてきている。これは、機械室が不要のため設置費用が低く抑えられること、日照権の関係から建物高さの制限を受ける地域において、規制限度の高さまで建物を有効活用できることなどの利点があるからである。
機械室を有しないエレベータでは、オーバヘッド寸法(最上階の床面から機械支持ばり又は昇降路頂部の下面までの垂直寸法)を短くすることで、エレベータが建物レイアウトに与える影響を極力少なくすることが一般的となっている。またエレベータピットの深さもできるだけ小さくされている。そのため、エレベータ装置の保守点検作業などのために作業員がかご天井に乗っている場合あるいはピット内に立ち入っている場合には、かご天井と昇降路天井との間あるいはかご床とピット底面との間に、作業員の退避空間を確保する必要がある。
この退避空間を確保するために、従来のエレベータ装置においては、昇降路内の上下の終端階付近に位置スイッチを設け、保守運転時にかごが上昇あるいは降下して位置スイッチの動作点まで到達したことを検出すると、制御回路によってかごがそれ以上上昇あるいは降下しないように構成されている。
更に、このような位置スイッチによる停止装置によっても何らかの原因でかごが停止しなかった場合に備えて、ピット内に設けられた緩衝器上に、かごまたはつり合いおもりに当接してかごまたはつり合いおもりを作業員退避空間として十分な高さの位置に支持する阻止台を取り付けることが提案されている。この阻止台は、保守作業時に作業員がピット内に入ってかご用緩衝器およびつり合いおもり用緩衝器に取り付け、作業終了後に取り外すものである。つり合いおもり用緩衝器に取り付けた阻止台は、かご上の退避空間を確保する作用もし、かご上作業だけをする場合には、つり合いおもり用緩衝器にだけ阻止台を取り付ければよい。阻止台の取り付け、取り外し忘れを防止するための阻止台検出スイッチを設けることも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述のような従来のエレベータ装置においては、作業時に退避スペースの確保のための安全装置としてかご用およびつり合いおもり用の緩衝器のそれぞれに阻止台を取り付けるものであるが、この安全装置の取り付け作業および取り外し作業自体が困難で時間の掛かるものであった。また、ピット作業時に必要なかご側緩衝器への阻止台取り付け作業はともかく、かご上作業だけを行う場合にもつり合いおもり側へ阻止台を設置しなければならないため、本来かご上作業時には不要なピットへの作業員の立ち入りも必要になり、取り外し式の阻止台取り付け作業には多大な困難と時間を要するため、保守時間の増大につながるという問題があった。
従ってこの発明の目的は、エレベータ装置の保守作業に関連した退避スペースの確保のための作業時間を短縮できるエレベータ装置を提供することである。
この発明によれば、昇降路内に設けられて昇降路内を昇降し、第1の係合面および第1の係合面に対して水平方向にずれていてより低い位置にある第2の係合面を有し、少なくともつり合いおもりを含む昇降体と、上記昇降路の底部で、上記昇降体の上記第1の係合面の移動経路内に配置されて、上記昇降体の最低位置を制限する緩衝器と、上記緩衝器に設けられ、通常運転時に上記第1の係合面に係合して上記昇降体のそれ以上の降下を制限する不作動位置に可動で、保守運転時に上記第2の係合面の移動経路内に進入して上記第2の係合面に係合し得て上記昇降体のそれ以上の降下を制限する作動位置に可動のストッパとを備えたことを特徴とするエレベータ装置が得られる。
この発明のエレベータ装置によれば、エレベータ装置の保守作業に関連した退避スペースの確保のための作業時間を短縮できるという効果が得られる。
図1に示すこの発明のエレベータ装置は、昇降路1内に設けられて、昇降路1内を昇降する昇降体であるかご2と、かご2と連動して昇降路1内を昇降する昇降体であるつり合いおもり3とを備えている。かご2およびつり合いおもり3は、昇降路1の底壁4に据え付けられた巻上機5に巻きかけられ、昇降路1の天井6に接続された主索7によって昇降運転されるように支持されている。このため、主索7はかご2に設けられた滑車8、天井6に設けられた滑車9および10、つり合いおもり3に設けられた滑車11に掛け回されている。
エレベータ装置はまた、昇降路1の底部で底壁4上に設けられ、昇降体であるかご2の移動経路12内に配置されて、かご2の最低位置を機械的に制限するかご用の緩衝器13と、同様に昇降路1の底壁4上でつり合いおもり3の移動経路14内に配置されて、つり合いおもり3の最低位置を機械的に制限するつり合いおもり用の緩衝器15とを備えている。
かご用の緩衝器13は、例えば図2および3に示すように、昇降路1の底壁4に固定されて直立したシリンダ16と、シリンダ16内に入れ子式に挿入されたロッド17と、シリンダ16内に設けられてロッド17を常時伸展位置に偏倚させるバネ18とを備えている。図1に示すエレベータ装置においては、保守作業の準備として、かご用の緩衝器13のロッド17の頂部に延長部材19が連結されていて、緩衝器13の実質的な高さが延長部材19の分だけ大きくされている。
つり合いおもり3用の緩衝器15は、それ自体かご用の緩衝器13と同じものであり、シリンダ16と、ロッド17と、バネ18とを備えたものであるが、シリンダ16が底壁4から直立した柱状の延長部材20上に連結されている。また、緩衝器15のロッド17上には、つり合いおもり3に係合してその移動を制限するストッパ21が設けられている。
昇降体であるつり合いおもり3は、移動方向に直角な面に対してすなわち水平方向に互いにずれていて高さの異なる第1および第2の係合面22および23を持っていて、これら第1および第2の係合面22および23の移動経路は、それぞれ移動経路24および25である。図示の例では、つり合いおもり3は、垂直方向に伸びた2つの平行な脚部26と、脚部26を上部で互いに連結する中間部27とを持つほぼ倒立U字型であり、第1の係合面22は中間部27の下面に形成されていて、第2の係合面23は脚部26の下端面に形成されている。
ストッパ21は、水平面内で作動位置(図1に一点鎖線で示す)と不作動位置(図1に実線で示す)との間で回転可能であり、不作動位置においては2本の脚部26の間に進入して第1の係合面22に係合でき、作動位置にされたときに、第2の係合面23の移動経路25内に進退し得て、第1係合面に対してより低い位置にある第2の係合面23でつり合いおもり3に係合して、つり合いおもり3のそれ以上の降下を制限するものである。また、ストッパ21は、図2および3に示すように、緩衝器15のロッド17の頂部に接続された延長部材20上に、軸28と止めねじ29とにより水平面内で回転できるように軸枢支された支持梁部材であり、作動位置あるいは不作動位置に選択的に固定できるものである。
エレベータ装置は、昇降路1内に様々な検出スイッチを備えていて、かご2およびつり合いおもり3の動きを検出するために、かご2に取り付けられたカム31と、このカム31によって作動される上部ファイナルリミットスイッチ32と、上部点検時リミットスイッチ33と、下部点検時リミットスイッチ34と、下部ファイナルリミットスイッチ35とを備えている。上部ファイナルリミットスイッチ32は、昇降路1の上部に設置され、つり合おもり3がつり合おもり用の緩衝器15に衝突する直前に、かご2のカム31と係合するものである。上部点検時リミットスイッチ33は、昇降路1の上部に設置され、かご2の上面が昇降路1の天井6から所定距離の位置に達したときカム31により作動されて、かご2の上に立つ保守員の頭上高を確保するためのである。下部点検時リミットスイッチ34は、昇降路1の下部に設置され、かご2の下面が昇降路1の底壁4から所定高さの位置に達したとき、カム31と係合して、昇降路1の底部に立つ保守員の頭上高を確保するためのである。下部ファイナルリミットスイッチ35は、昇降路1の下部に設置され、かご2がかご用の緩衝器13に衝突する直前に、カム31と係合するものである。
また、かご用の緩衝器13の延長部材19の有無を検出するための延長部材検出スイッチ36と、つり合いおもり用の緩衝器15のストッパ21の位置を検出するためのストッパ不作動位置検出スイッチ37とストッパ作動検出スイッチ38とを備え、これらのスイッチからの検出信号によりエレベータ装置の操作を制御する図4に示すような制御回路30を備えている。
図1に示す延長部材検出スイッチ36は、昇降路1の側壁に取り付けられて、かご2側の緩衝器13に延長部材19が取り付けられたときにカム39に作動されて延長部材19が取り付けられていることを検出する。ストッパ不作動位置検出スイッチ37は、ストッパ21が不作動位置にあって、ストッパ21がつり合いおもり3の第2の係合面23よりも上方にある第1の係合面22の移動経路24内に進入していることを検出するものである。ストッパ作動検出スイッチ38は、ストッパ21が作動位置にあって、ストッパ21が第2の係合面23の移動経路25内に進入していることを検出するものである。
図4に示す制御回路において、+、−は直流電源、40はかご2側の延長部材19のための検出リレーで、40a、40bはその常閉接点、40cは同じく常開接点、41はつり合おもり3側のストッパ21のための不作動検出リレーで、41a、41bはその常閉接点、41cは同じく常開接点である。また42Kはかご2の上に設けられた上り運転ボタン、42Pは昇降路1の底部に設けられた上り運転ボタン、43Kはかご3の上に設けられた下り運転ボタン、43Pは昇降路1の底部に設けられた下り運転ボタン、44は各階の乗場ボタン、45はマイクロコンピュータ(以下マイコンという)である。なお、マイコン45は通常のエレベータ制御手段の外に、保守運転阻止手段及び自動運転阻止手段の機能も有している。
このように、エレベータ装置は、つり合いおもり3用のストッパ21が図1の実線および図2に示されている不作動位置にあることを検出し、不作動位置信号を図4に示す制御回路30に供給し、ストッパ21が図1の一点鎖線および図3に示されている作動位置にあるときは、不作動信号を供給しない作動検出スイッチ37を備えている。図4の回路図に示し後に詳述するように、制御回路30は、この不作動位置信号が供給されているときだけ、かご2上での操作による保守運転を許可するかご上保守運転許可手段である上部および下部点検時リミットスイッチ33、34を備えている。制御回路30はまた、不作動位置信号が供給されていいないときだけ、乗場呼びを不感とするとともに、最上階への自動運転を阻止する自動運転阻止手段を備えている。
次に、このエレベータ装置の動作を説明する。
(1)通常運転時
エレベータ装置の通常運転時には、かご2用の緩衝器13には、延長部材19は取り付けられておらず、つり合おもり3側の緩衝器15には、上端にストッパ21を持つ延長部材20が取り付けられていて、図3に示すように、ストッパ21はつり合いおもり3の第1の係合面22(最下端よりも上方に設けた衝突部)に衝突する不作動位置に固定されている。また、かご2側の延長部材19のための延長部材検出スイッチ36およびつり合いおもり3側の緩衝器15のストッパ21の不作動位置検出スイッチ37は閉成している。したがって、かご2側の緩衝器13の延長部材19の検出リレー40およびつり合おもり3側のストッパ21の不作動検出リレー41が付勢され、接点40a、40b、41a、41bはいずれも開放し、接点40c、41cは閉成している。
(1)通常運転時
エレベータ装置の通常運転時には、かご2用の緩衝器13には、延長部材19は取り付けられておらず、つり合おもり3側の緩衝器15には、上端にストッパ21を持つ延長部材20が取り付けられていて、図3に示すように、ストッパ21はつり合いおもり3の第1の係合面22(最下端よりも上方に設けた衝突部)に衝突する不作動位置に固定されている。また、かご2側の延長部材19のための延長部材検出スイッチ36およびつり合いおもり3側の緩衝器15のストッパ21の不作動位置検出スイッチ37は閉成している。したがって、かご2側の緩衝器13の延長部材19の検出リレー40およびつり合おもり3側のストッパ21の不作動検出リレー41が付勢され、接点40a、40b、41a、41bはいずれも開放し、接点40c、41cは閉成している。
これにより、かご3の上及び昇降路1の底部の上り運転ボタン42K、43K及び下り運転ボタン42P、43Pは、マイコン45から切り離され、かご3及び昇降路1の底部では運転できない状態となっている。すなわち、通常運転状態となっており、例えばどこかの階の乗場ボタン44が押されると、その乗場呼び信号は接点40c、41cの回路を通じてマイコン45へ取り込まれて登録され、周知の制御手段(図示してない)を含む制御回路30により巻上機5が駆動される。これで、主索7を介してかご2およびつり合おもり3は互いに反対方向へ走行し、乗場呼びが登録された階に停止する。
かご2が下降し、何らかの異常で最下階に停止しなかった場合は、かご2のカム31が下部点検時リミットスイッチ34と係合するが、動作上は何の変化も生じない。通常運転時には、図1に示す緩衝器13上には延長部材19が取り付けられていないので、かご2は更に下降してカム31が下部ファイナルリミットスイッチ35と係合し、この動作により図示してない非常ブレーキ装置が作動してかご2は強制停止させられる。このときつり合いおもり3は最上位置に停止する。かご2の異常な上昇の場合には、かご2のカム31が上部ファイナルリミットスイッチ32と係合して、降下の場合と同様にかご3が強制停止させられる。このときつり合いおもり3は昇降路1内の最下位置となる。
このような制御回路30による非常停止動作が行なわれても、予測不能の何らかの原因で、かご2の異常降下に対する非常停止ができないような事態に至った場合には、かご2は緩衝器13によって機械的に停止させられる。かご2が非常停止できずに異常上昇した場合には、つり合いおもり3が、図2に示すように、2本の脚部26の間に緩衝器15、延長部材20およびストッパ21を受け入れて、第1の係合面22とストッパ21の頂面とを当接あるいは係合させて停止させられ、かご2のそれ以上の上昇が阻止される。
(2)保守運転時
保守運転時としてかご上作業だけが行われる場合には、保守員は保守運転に先立ってピット内に立ち入り、つり合おもり3用の緩衝器15にあらかじめ連結されている延長部材20上のストッパ21のネジ29をゆるめて、ストッパ21を軸28回りに回転させて不作動位置(図1の実線および図3)から作動位置(図1の一点鎖線および図2)に移動させてネジ29を締めてその位置に固定する。この作動位置では、ストッパ21の腕部分がつり合いおもり3の第2係合面23の移動経路25内に進入していて、つり合いおもり3が降下したときに衝突する。これで、ストッパの不作動位置検出スイッチ37は開放し、つり合おもりストッパ不作動検出リレー41は消勢され、接点41aが閉成する。これで、作業員がかご2の上で上り運転ボタン42Kを押せば、上り運転信号は、接点42K、41aの回路を通じてマイコン45へ取り込まれてかご2は低速で上昇し、上り運転ボタン42Kから手を離せば、かご2は停止する。また、かご2の上で下り運転ボタン43Kを押したときも同様に動作して、かご2は低速下降運転する。
保守運転時としてかご上作業だけが行われる場合には、保守員は保守運転に先立ってピット内に立ち入り、つり合おもり3用の緩衝器15にあらかじめ連結されている延長部材20上のストッパ21のネジ29をゆるめて、ストッパ21を軸28回りに回転させて不作動位置(図1の実線および図3)から作動位置(図1の一点鎖線および図2)に移動させてネジ29を締めてその位置に固定する。この作動位置では、ストッパ21の腕部分がつり合いおもり3の第2係合面23の移動経路25内に進入していて、つり合いおもり3が降下したときに衝突する。これで、ストッパの不作動位置検出スイッチ37は開放し、つり合おもりストッパ不作動検出リレー41は消勢され、接点41aが閉成する。これで、作業員がかご2の上で上り運転ボタン42Kを押せば、上り運転信号は、接点42K、41aの回路を通じてマイコン45へ取り込まれてかご2は低速で上昇し、上り運転ボタン42Kから手を離せば、かご2は停止する。また、かご2の上で下り運転ボタン43Kを押したときも同様に動作して、かご2は低速下降運転する。
次に、かご2が上昇し、カム31が上部点検時リミットスイッチ33と係合すると、巻上機5は強制的に断電され、かご2は停止する。もし、何らかの原因で停止しなかった場合でも、図2に示すように、つり合おもり3が作動位置に固定されたストッパ21によって支持されることにより、かご2の上昇は不能になるため、かご上の作業員の退避スペースは確保される。
かご上作業だけが行われる場合には、エレベータ装置の構造にもよっては作業員がピット内のかご2の下に立ち入る必要が無いため、必ずしもかご2側の緩衝器13上に延長部材19を設ける必要は無い。しかしながら、ストッパ21を不作動位置から作動位置に動かして固定する作業を手動で行うために、作業員がピット内に立ち入る必要があるため、万一に備えて、かご側の緩衝器13上に延長部材19を設けておけば、かご2が下降した場合にもかご2が延長部材19によって支持されることにより、かご2の下降は不能となり、ピット内の作業員の退避スペースが確保できる。
保守作業の手順上、昇降路1の底部でつり合おもり3用の緩衝器15上に設けたストッパ21を作動位置(つり合いおもり3の最下端である第2の係合面23に衝突する位置)に固定した後、かご2の上で昇降路1の頂部機器を点検する場合通常運転で最上階付近まで走行する方が効率が良い。しかし、このとき乗場呼びを有効にしておくと、保守員が知らない乗場呼びが発生する可能性がある。この実施の形態では、上記の不具合に対しても考慮されている。
すなわち、つり合おもり3用のストッパ21のための不作動位置検出スイッチ37が開放して、不作動検出リレー41が消勢されると、接点41cは開放し、乗場ボタン44は電源+と切り離されるため、乗場呼びは登録されなくなり、かご2が作業員の意に反して階床に停止することはない。また、41cの信号はマイコン45に取り込むことにより、終端階への自動走行を阻止するようにしている。
また、保守員が作業終了後、つり合おもり3側の緩衝器15上のストッパ21を不作動位置(つり合いおもり3第2の係合面23よりも上方に設けた第1の係合面22に衝突する位置)に戻し忘れた場合には、つり合おもり3の不作動検出リレー37は付勢されないため、接点41cは開放されたままとなり、乗場ボタン44の信号は供給されない。これで、通常運転に復帰した後でも乗場呼びの登録が不能となったままとなるので、保守員につり合おもり3のためのストッパ21不作動位置に復帰させてないことを気付かせる。
以上説明したとおり、この発明のエレベータ装置によれば、昇降路内に設けられて昇降路内を昇降し、第1の係合面および第1の係合面に対して水平方向にずれていてより低い位置にある第2の係合面を有し、少なくともつり合いおもりを含む昇降体と、昇降路の底部で、昇降体の第1の係合面の移動経路内に配置されて、昇降体の最低位置を制限する緩衝器と、緩衝器に設けられ、通常運転時に第1の係合面に係合して昇降体のそれ以上の降下を制限する不作動位置に可動で、保守運転時に第2の係合面の移動経路内に進入して第2の係合面に係合し得て昇降体のそれ以上の降下を制限する作動位置に可動のストッパとを備えているので、エレベータ装置の保守作業に関連した退避スペースの確保のための作業時間を短縮できる。
以上に図示して説明したエレベータ装置は単なる例であって様々な変形が可能であり、またそれぞれの具体例の特徴を全てあるいは選択的に組み合わせて用いることもできる。例えば、巻上機5の位置、ローピング、緩衝器の形式などは任意に選択できる。また、つり合いおもり3の位置の高い方の第1の係合面22をつり合いおもり3の側面に設けることもできる。ストッパ21を持つ緩衝器15を2つ以上設けることもできる。さらに、かご側の緩衝器13の延長部材19上にもストッパ21と同様のストッパを設けることもでき、この場合、高さの高い第1の係合面は、かご2の少なくともいずれか一方の側面に設け、それに対応したストッパと緩衝器とすることもできる。また、ストッパ21を延長部材20に対して選択的な二位置に回転させて固定する機構は、キーとキー溝による機構、多角形断面の軸28とストッパに設けた多角形断面の係合穴とを抜き差しする機構、延長部材20のストッパ21を支持する端面に径方向の溝などを設けて、ストッパ21の突起をこの溝に係合させる機構などを用いることができる。さらに、ストッパ21の不作動位置および作動位置間の回転はモータ等によりピット外部から遠隔操作することもできる。
この発明はエレベータ装置である。
1 昇降路、2、3 昇降体(2 かご、3 つり合いおもり)、14、24、25 移動経路、15 緩衝器、21 ストッパ、22 第1の係合面、23 第2の係合面、26 脚部、27 中間部、30 制御回路、33、34 かご上保守運転許可手段(33 上部点検時リミットスイッチ、34 下部点検時リミットスイッチ)、37 不作動検出スイッチ、45 自動運転阻止手段(マイコン)。
Claims (8)
- 昇降路内に設けられて昇降路内を昇降し、第1の係合面および第1の係合面に対して水平方向にずれていてより低い位置にある第2の係合面を有し、少なくともつり合いおもりを含む昇降体と、
上記昇降路の底部で、上記昇降体の上記第1の係合面の移動経路内に配置されて、上記昇降体の最低位置を制限する緩衝器と、
上記緩衝器に設けられ、通常運転時に上記第1の係合面に係合して上記昇降体のそれ以上の降下を制限する不作動位置に可動で、保守運転時に上記第2の係合面の移動経路内に進入して上記第2の係合面に係合し得て上記昇降体のそれ以上の降下を制限する作動位置に可動のストッパとを備えたことを特徴とするエレベータ装置。 - 上記ストッパは、上記不作動位置と上記作動位置との間で水平面内で回転可能であり、上記作動位置において、上記第1係合面に対してより低い位置にある上記第2の係合面で上記昇降体に係合することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
- 上記つり合いおもりは、2つの平行な脚部と、脚部を連結する中間部とを持つほぼ倒立U字型の部材であり、上記第1の係合面が上記中間部の下面であり、上記第2の係合面が上記脚部の下端面であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のエレベータ装置。
- 上記ストッパは、上記緩衝器に枢支された支持梁部材であり、上記作動位置あるいは上記不作動位置に選択的に固定できることを特徴とする請求項2あるいは3に記載のエレベータ装置。
- 上記昇降体がかごを含み、上記かごの上記第1の係合面は上記かごの側壁に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエレベータ装置。
- 上記ストッパが上記不作動位置にあることを検出し、不作動位置信号を制御回路に供給する不作動検出スイッチを備えたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のエレベータ装置。
- 上記制御回路は、上記不作動位置信号が供給されていないときだけ、かご上での操作による保守運転を許可するかご上保守運転許可手段を備えていることを特徴とする請求項6に記載のエレベータ装置。
- 上記制御回路は、上記不作動位置信号が供給されているときに、乗場呼びを不感とするとともに、最上階への上記自動運転を阻止する自動運転阻止手段を備えたことを特徴とする請求項6あるいは7に記載のエレベータ装置。
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