JP2004216499A - ホーニング盤およびホーニング加工方法 - Google Patents

ホーニング盤およびホーニング加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ワーク内径面を高い仕上げ精度を保ちつつ、高効率でホーニング加工することができ、装置構造も小型簡素なワンパス方式のホーニング盤を提供する。
【解決手段】棒状のホーニングツール1を回転運動させながら、ワークWの内径面Waの軸線方向へ送ることにより、この内径面Waをホーニング加工するワンパス方式のホーニング盤において、ホーニングツール1を先端部に備える回転主軸2を送り動作させる主軸送り駆動部4は、ホーニングツール1の基本送り動作に、軸線方向の微振動を同時に重畳的に付加させるオシレーション機能を兼備している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はホーニング盤に関し、さらに詳細には、棒状ホーニングツールを回転運動させながら、工作物の内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をホーニング加工するいわゆるワンパスホーニング技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開昭53−113397号公報
【特許文献2】特開2001−277094号公報
ホーニング加工は、例えば、精密中ぐり、研削などによって仕上げられた工作物(以下ワークと称する)の内径面をさらに平滑にするとともに、この内径面の加工精度も向上させる目的で、細粒砥石をワーク内径面に面接触させて軽く研削する仕上げ方法であって、ラップ仕上や超仕上と共に最もすぐれたワーク表面を造ることができる精密仕上法の一つである。
【0003】
このホーニング加工を行う専用工作機械としてホーニング盤があり、その一般的な基本構造は、数個の細粒砥石を保持するホーニングツールを備えてなり、このホーニングツールとワークとの間に相対的な回転運動と往復運動とを行わせるとともに、上記砥石に所定の圧力を加えて、同時に多量の工作液を注ぎながら、ワーク表面の工作を行うようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ホーニング加工は、工作機械の精度に直接頼ることなく高精度の加工を行う方式であることもあって、逆に言えば、上記ホーニングツールに与えられる回転運動と往復運動は比較的遅く、また砥石の切込み量も比較的少ない。これがため、ホーニング加工に要する時間は、必然的に長くなる傾向にあるところ、近年の多量生産品の仕上加工需要とも相まって、ホーニング加工一工程のサイクルタイムの短縮による加工効率の向上が強く要望されていた。
【0005】
一方、棒状ホーニングツールを回転運動させながら、工作物の内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をホーニング加工するワンパス式のホーニング盤(いわゆるワンパスホーニング盤)があり、この種のワンパスホーニング盤にあっては、ホーニング加工一工程のサイクルタイムの短縮による加工効率の向上が見込まれるが、一方で、この加工効率の向上に伴って加工精度が逆に低下してしまうという相反する問題が生じており、上記一般的なホーニング盤に比較して要求される仕上精度が低いワーク内径面のホーニング加工に専ら限定使用されていた。
【0006】
この点について、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるように、上記棒状ホーニングツールの基本送り動作に、軸線方向の微振動(オシレーション)を同時に重畳的に付加させることで、高い加工効率を維持しつつ加工精度の向上を図ったワンパスホーニング盤も開発されており、従来の一般的なホーニング盤と同等の加工精度を実現し得るようになってきている。
【0007】
しかしながら、これらオシレーション機能を有するワンパスホーニング盤においては、その基本構造であるホーニングツールの回転手段および送り手段に加えて、ホーニングツールにオシレーションを付与するオシレーション手段が追加されているところ、このオシレーション手段はクランク機構(特許文献1参照)やカム機構(特許文献2参照)を備えた比較的複雑な構造であり、これがため、装置構造の複雑化、大型化を招く傾向にあり、さらなる改良が要望されていた。
【0008】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ワーク内径面を高い仕上げ精度を保ちつつ、高効率でホーニング加工することができ、しかも装置構造の小型簡素なワンパス方式のホーニング盤を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的とするところは、上記ホーニング盤に適したホーニング加工方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のホーニング盤は、ホーニングツールを回転運動させながら、ワークの内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をホーニング加工するワンパス方式のホーニング盤であって、上記ワークの内径面に対応したプロフィールを有する棒状のホーニングツールと、このホーニングツールを先端部に備えて、上記ワークの内径面の軸線方向へ往復移動可能とされるとともに、その軸線まわりに回転可能に軸支されてなる回転主軸と、上記回転主軸を軸線回りに回転駆動する主軸回転手段と、上記回転主軸を前記ワークの内径面の軸線方向へ送り動作させる主軸送り手段と、上記主軸回転手段および主軸送り手段を同期して制御する制御手段とを備えてなり、この主軸送り手段は、上記回転主軸の先端部に取り付けられた上記ホーニングツールの基本送り動作に、軸線方向の微振動を同時に重畳的に付加させるオシレーション付加機能を兼備していることを特徴とする。
【0011】
好適な実施態様として、上記主軸送り手段は、上記回転主軸を回転可能に軸支する主軸ヘッドを装着して、ホーニングツール送り方向へ往復移動可能に設けられたスライド基台と、このスライド基台を往復動作させる送りねじ機構と、この送りねじ機構を回転駆動する回転駆動モータとを備えてなり、この回転駆動モータは、上記制御手段により、その出力軸が、送り回転方向への基準速度の基本正回転動作と微振動回転のための急速度の微小正逆回転動作とが重畳的に組み合わされた回転運動をするように駆動制御される。
【0012】
また、上記ホーニングツールは、その先端から基端に向けて徐々に径寸法が増大するテーパ形状の砥石面を備えてなり、上記主軸送り手段により、上記ホーニングツールが上記ワークの内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送られる間に、ホーニング加工一工程が行われる構成とされている。
【0013】
さらに、上記ホーニングツールが回転運動しながら上下方向へ送り動作される竪形ワンパス方式のホーニング盤にあっては、上記ワークの内径面に下方から研削油を供給する研削油供給手段を備えることが好適である。
【0014】
本発明のホーニング加工方法は、上記ホーニング盤に適した加工方法であって、ワークの内径面に対応したプロフィールを有する棒状のホーニングツールを、その初期位置から実加工工程直前まで所定の急速度で送った後に実加工工程を実行し、この実加工工程終了後に上記初期位置まで急速度で復帰させることを特徴とし、上記実加工工程の具体的構成としては以下に列挙するものが挙げられる。
【0015】
(1) ホーニングツールを、上記ワークの内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送ってホーニング加工を施す。
【0016】
(2) ホーニングツールを、上記ワークの内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送るとともに、上記ワークの内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら逆送りしてホーニング加工を施す。
【0017】
(3) ホーニングツールを、上記ワークの内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送るとともに、これに続き送り動作と逆送り動作とからなる正逆送り動作を繰り返してホーニング加工を施す。
【0018】
本発明においては、ホーニングツールを回転運動させながら、ワークの内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をワンパスでホーニング加工するに際して、主軸送り手段が、回転主軸の先端部に取り付けられた上記ホーニングツールの基本送り動作に、軸線方向の微振動(オシレーション)を同時に重畳的に付加させながら、ワーク内径面をホーニング加工する。
【0019】
これにより、ワンパスホーニング技術本来の高効率(高速度)のホーニング加工が得られるとともに、基本送り動作に同時に重畳的に付加される軸線方向のオシレーションにより、ホーニングツールのワーク内径面に対する食い込みが促進されて、高い仕上げ精度を得ることができる。
【0020】
また、上記主軸送り手段が、上記ホーニングツールを送り動作させる基本的機能と、オシレーション動作させる付加的機能を兼備していることにより、独立したオシレーション手段が不要となり、装置構造の小型簡素化を図ることが可能となる。
【0021】
さらに、上記主軸送り手段が、上記ホーニングツールを送り動作させる基本的機能と、オシレーション動作させる付加的機能を兼備していることにより、従来のクランク機構やカム機構からなるオシレーション手段を別個独立して備えるホーニング盤に比較して、ホーニングツールの動作をより複雑かつ精度よく制御することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
本発明に係るホーニング盤を図1〜図3に示し、このホーニング盤は、具体的にはワークWの円筒内径面Waをワンパス方式で仕上げ加工する竪形のもので、ホーニングツール1を先端に備える回転主軸2、主軸回転駆動部3、主軸送り駆動部4を主要部として備えてなり、これら主要部は装置本体であるコラム7上に装置されるとともに、上記主軸回転駆動部3および主軸送り駆動部4が制御部5により駆動制御される構成とされている。
【0024】
また、ワークWは、その円筒内径面Waの軸線が上下方向へ向いた状態で、ワーク保持部8のワーク保持治具9に水平方向へ浮動状態(前後左右方向へ揺動可能な状態)でかつ取外し交換可能に支持される。
【0025】
ホーニングツール1は、回転主軸2の先端つまり下端に着脱交換可能に装着される長尺な棒状のものであり、ワークWの円筒内径面Waに対応したプロフィールの砥石面1aを有する。
【0026】
具体的には、ホーニングツール1は、その先端つまり下端から基端つまり上端に向けて徐々に径寸法が増大するテーパ形状の砥石面1aを備えてなり、この砥石面1aは、ツール本体6の外周面に、ダイヤモンド砥粒等の微細な砥粒が電着されてなる。また、砥石面1aのテーパ角度は、加工対象となるワークWの内径面Waの研削量に対応して設定されている。具体的には図示しないが、上記砥石面1aの先端部から基端部にわたって研削屑を排出するための螺旋状あるいは直線状の排出溝が形成されても良い。
【0027】
回転主軸2は、図2に示すように、上記ホーニングツール1を先端部つまり下端取付部2aに備え、上記コラム7上に上下垂直方向へ往復移動可能に設けられた主軸ヘッド10に、軸受11,12を介して回転可能に軸支されている。この回転主軸2は、主軸回転駆動部3により、その軸線まわりに回転駆動されるとともに、主軸送り駆動部4により、ワークWの内径面Waの軸線方向へ往復移動される構造とされている。
【0028】
主軸回転駆動部3は、上記回転主軸2を軸線回りに回転駆動する主軸回転手段として機能するもので、図2に示すように、主軸駆動体15と回転駆動モータ16を主要部として構成されている。
【0029】
上記主軸駆動体15は円筒状のもので、上記コラム7の頂部から前方へ水平に突き出して取り付けられた支持フレーム17に、軸受部18を介して回転可能に軸支されている。具体的には、主軸駆動体15は、その内部に上記回転主軸2を同軸状に挿通して配置されるとともに、キーまたはスプライン等の回転伝達部19を介して回転主軸2の連結部2bに駆動連結されている。
【0030】
図示の実施形態においては、回転伝達部19としてボールスプラインが用いられており、このボールスプライン19により、回転主軸2は、主軸駆動体15に対して一体回転可能でかつ軸線方向へ相対的に移動可能とされている。
【0031】
また、主軸駆動体15の上端部に伝動プーリ20aが取り付けられるとともに、上記回転駆動モータ16の出力軸16aに駆動プーリ20bが取り付けられ、これら両プーリ20a,20bが伝動ベルト20cを介して互いに駆動連結されている。回転駆動モータ16は電動モータからなり、上記コラム7上の支持フレーム17に、取付けブラケット21を介して上向き状態で設けられるとともに、その出力軸16aが上記主軸駆動体15および回転主軸2と平行に配されている。電動モータ16の出力軸16aの回転量(数)は、内蔵されたエンコーダ(図示省略)により検出されて、その検出信号が制御部5へ送られる。
【0032】
そして、回転駆動モータ16は、制御部5により、その出力軸16aが回転駆動制御されて、この回転力が一連の回転伝達手段20a〜20cを介して上記回転主軸2に伝達され、その先端のホーニングツール1が所定速度で回転駆動される。
【0033】
主軸送り駆動部4は、上記回転主軸2をワークWの円筒内径面Waの軸線方向へ送り動作させる基本送り機能と、この回転主軸2つまりホーニングツール1の基本送り動作に軸線方向の微振動を同時に重畳的に付加させるオシレーション付加機能とを兼備している。
【0034】
上記主軸送り駆動部4は、図2に示すように、スライド基台25、送りねじ機構26および回転駆動モータ27を主要部として構成されている。
【0035】
スライド基台25は、回転主軸2を回転可能に軸支する主軸ヘッド10を装着して、ホーニングツール送り方向へ往復移動可能に設けられている。
【0036】
具体的には、固定的に設けられたコラム7に、リニアガイド30が上下垂直方向へ直線状に延びて設けられ、このリニアガイド30上に、上記スライド基台25がリニアスライド31、31を介して上下方向へ昇降可能に設けられている。このスライド基台25上、つまりスライド基台25の垂直前面には、上述したように回転主軸2を回転可能に軸支する主軸ヘッド10が取付け固定されている。
【0037】
送りねじ機構26は、スライド基台25を往復動作させるもので、具体的には、ボールねじの形態とされている。このボールねじ26のねじ軸26aは、上記コラム7に、軸受32,32を介して、垂直方向へ延びて回転可能に軸支されるとともに、その基端部つまり上端部26bが回転駆動モータ27に駆動連結されている。また、上記ねじ軸26aには、ナット体26cが螺進退可能に螺合されるとともに、このナット体26cに、可動側である上記スライド基台25が一体的に接続固定されている。
【0038】
回転駆動モータ27は、上記送りねじ機構26を回転駆動するもので、具体的にはサーボモータが使用されている。このサーボモータ27は、上記コラム7に取り付けられた支持フレーム17上に、垂直下向き状態で装着されるとともに、その出力軸27aが上記ボールねじ26のねじ軸26aと同軸状に配され、ねじ軸26aの上端26bとカップリング33により直結されている。サーボモータ27の出力軸27aの回転量(数)は、エンコーダ34により検出されて、その検出信号が制御部5へ送られる。
【0039】
そして、この回転駆動モータ27は、上記制御部5により、その出力軸27aが、実加工工程前の送り動作のための送り回転方向への所定の急速度の正回転動作、および、実加工工程における、送り回転方向への基準速度の基本正回転動作と微振動回転のための急速度の微小正逆回転動作とが重畳的に組み合わされた回転運動をするように駆動制御される。
【0040】
これにより、ボールねじ26が回転駆動されて、主軸ヘッド10上の回転主軸2つまりホーニングツール1が、初期位置からの往動下降時において、ワークWの円筒内径面Waの軸線方向へ所定の急速度で実加工工程直前(つまり、ホーニングツール1先端が上記円筒内径面Waに接触する直前)まで送られた後、所定のオシレーション動作を伴って所定の速度で所定ストロークだけ送られるとともに、その後、復動上昇により上記初期位置まで上昇復帰される。
【0041】
なお、この場合のホーニングツール1の実加工工程における動作条件、つまり上記のオシレーション動作を伴った送り動作および送りストロークは、後述するように、ホーニングツール1の回転動作と共に、制御部5の加工条件設定部(加工条件設定手段)35により、加工対象となるワークWの形状寸法や性状等に応じて最適値に設定される。
【0042】
制御部5は、前述した主軸回転駆動部3および主軸送り駆動部4の駆動源16、27を相互に連動して同期制御するものであり、具体的には、マイクロコンピュータで構成されたNC装置である。
【0043】
この制御部5には、上述したホーニングツール1のホーニング加工を実行させるための基本動作制御プログラムが組み込まれているとともに、ホーニングツール1の実加工動作を加工対象となるワークWの性状等に応じて設定可能な加工条件設定部(加工条件設定手段)35を備えている。
【0044】
この加工条件設定部35は、具体的にはタッチパネル式の表示装置の形態とされており、その操作画面(図示省略)を作業者が手指あるいは操作ペン等でタッチ操作することにより、ホーニングツール1の動作に関する制御情報(加工条件)を任意に入力設定することができる。
【0045】
入力設定される具体的な制御情報としては、ホーニングツール1の回転速度(r.p.m)、送り速度(m/min)、送りストローク(mm)、オシレーション幅(mm)、オシレーション速度(r.p.m.)、オシレーションの送り方向開始位置および送り方向停止位置等である。これら制御情報が加工条件設定部35により加工条件として制御部5に入力設定されると、この設定条件に応じて上記主軸回転駆動部3および主軸送り駆動部4の駆動源16、27が相互に連動して同期制御される一方、このときのホーニングツール1の動作情報は、駆動源16、27のエンコーダ34により検出されて、加工条件設定部35のモニタ画面(図示省略)に表示される。
【0046】
しかして、以上のように構成されたホーニング盤においては、上記制御部5に予めまたは適宜入力設定された制御プログラムに従って、ホーニングツール1が回転駆動されながら、その初期位置(上昇待機位置)からワークWの内径面Waの軸線方向へ往復動作されて、この一往復動作により上記内径面Waをワンパスでホーニング加工する。
【0047】
つまり、回転主軸2の先端部2aに取り付けられたホーニングツール1は、主軸回転駆動部3により、所定の回転速度で回転駆動されるとともに、主軸送り駆動部4により、▲1▼初期位置(図1および図3(a)の最上昇位置)から実加工工程直前まで所定の急速度で送られ(急速送り工程:図3の(a)参照)、引き続いて、▲2▼ワークWの内径面Waに沿ってその軸線方向への基本送り動作に軸線方向の微振動(オシレーション)を同時に重畳的に付加されながら送られて(送りオシレーション動作)、ワークWの内径面Waをホーニング加工し(実加工工程:図3の(b)→(c)→(d)参照)、その後、▲3▼再び上記初期位置まで急速度で上昇復帰される。この際のホーニングツール1の送り方向の加工サイクルが図4に示されている。
【0048】
このホーニング実加工時におけるホーニングツール1の運動の軌跡が図5(a)に示されており、一点鎖線が基本送り動作の運動軌跡を示し、実線がこの基本送り動作に軸線方向のオシレーションが同時に重畳的に付加された運動軌跡を示している。また、図5(b)には、このワンパスホーニング加工によりワークWの内径面Waに形成される加工痕が示されている。
【0049】
本実施形態のホーニング盤においては、ワンパスホーニング技術本来の高効率(高速度)のホーニング加工が得られるとともに、基本送り動作に同時に重畳的に付加される軸線方向のオシレーションにより、ホーニングツール1のワークWの内径面Waに対する食い込みが促進されて、高い仕上げ精度を得ることができる。
【0050】
また、上記主軸送り駆動部4が、ホーニングツール1を送り動作させる基本的機能と、オシレーション動作させる付加的機能を兼備していることにより、独立したオシレーション手段が不要となり、装置構造の小型簡素化を図ることが可能となる。
【0051】
さらに、上記主軸送り駆動部4が、上記基本的機能と付加的機能を兼備していることにより、従来のクランク機構やカム機構からなるオシレーション手段を別個独立して備えるホーニング盤に比較して、ホーニングツール1の動作をより複雑かつ精度よく制御することが可能となる。
【0052】
すなわち、制御部5の加工条件設定部35により、ホーニングツール1の動作を加工対象となるワークWの性状等に応じて入力設定するだけで、ワークWに最適な加工条件を得ることができることはもちろん、制御部5により、オシレーションの開始位置や停止位置も自由に設定変更可能で、ホーニング加工一工程における細かな動作設定も精度良く行うことができる。
【0053】
例えば、上述したように、ホーニングツール1の往動下降時つまり送り方向動作において、ワークWに接近する直前つまり実加工工程直前までは高速度でホーニングツール1を送り、ワークWに接近したら、送り速度を遅くするとともにオシレーションを付加してホーニング加工(実加工)を行い、このホーニング加工が完了したら、高速でホーニングツール1を上昇復帰させることで、加工サイクルタイムの可及的な短縮を図ったり、あるいは、上記ホーニング加工時の送り速度を極力おさえるとともに、オシレーションを細かく高速で付加することで、加工精度の可及的な向上を図ったりするなど、要求に応じて柔軟な対応が可能となる。
【0054】
実施形態2
本実施形態は図6および図7に示されており、ホーニングツール1の構造が改変されている。
【0055】
すなわち、本実施形態のホーニングツール1のテーパ形状の砥石面1aは、図6に示すように、その先端部つまり下端部が、荒ホーニング用砥粒を電着されてなる荒ホーニング加工部40とされるとともに、この荒ホーニング加工部40に連続した部位が、仕上げホーニング用砥粒を電着されてなる仕上ホーニング加工部41とされている。
【0056】
また、具体的には図示しないが、上記荒ホーニング加工部40と仕上ホーニング加工部41における砥石面1aのテーパ角度は、前者が後者よりも大きく設定されている。
【0057】
また、制御部5の加工条件設定部35により、ホーニングツール1の動作を加工対象となるワークWの性状等に応じて設定することにより、ホーニングツール1の上記構造に対応した最適な加工条件でホーニング加工を実施することができる。
【0058】
例えば、ホーニングツール1がワークWの内径面Wa内に位置するホーニング加工(実加工)時において、荒ホーニング加工部40による荒ホーニング加工(図3の(b)→(c))と、仕上ホーニング加工部41による仕上ホーニング加工(図3の(c)→(d))とにおけるホーニングツール1の回転速度、送り速度、オシレーション幅およびオシレーション速度を、それぞれの加工に最適な値に設定することで、実施形態1よりもさらにホーニングツール1の動作をより複雑かつ精度よく制御することが可能となる。
【0059】
しかして、以上のように構成された本実施形態のホーニング盤の実加工工程においては、制御部5に予めまたは適宜入力設定された制御プログラムにしたがって、ホーニングツール1は、主軸回転駆動部3により、所定の回転速度で回転駆動されるとともに、主軸送り駆動部4により、図7に示すような送り方向の加工サイクルをもってワーク内径面Waのワンパスホーニング加工を行う。
【0060】
つまり、ホーニングツール1は、▲1▼初期位置(図1および図3(a)の最上昇位置)から実加工工程直前まで所定の急速度で送られ(急速送り工程:図3の(a)参照)、引き続いて、▲2▼ワークWの内径面Waに沿ってその軸線方向への基本送り動作に軸線方向の微振動(オシレーション)を同時に重畳的に付加されながら送られる(送りオシレーション動作)間に、荒ホーニング加工部40による荒ホーニング加工(図3の(b)→(c))と、仕上ホーニング加工部41による仕上ホーニング加工(図3の(c)→(d))が所定のタイミングをもって連続して行われて、ワークWの内径面Waをホーニング加工し(実加工工程:図3の(b)→(c)→(d)参照)、その後、▲3▼再び上記初期位置まで急速度で上昇復帰される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0061】
実施形態3
本実施形態は図8に示されており、実施形態1におけるホーニングツール1の実加工工程における動作が若干改変されたものである。
【0062】
すなわち、本実施形態のホーニングツール1の送り方向の加工サイクルにおいて、ホーニングツール1は、制御部5により、▲1▼初期位置(図1および図3(a)の最上昇位置)から実加工工程直前まで所定の急速度で送られた後(急速送り工程:図3の(a)参照)、実加工工程において、▲2▼ワークWの内径面Waに沿ってその軸線方向への基本送り動作に軸線方向の微振動(オシレーション)を同時に重畳的に付加されながら送られて(送りオシレーション動作)、ワークWの内径面Waをホーニング加工するとともに(図3の(b)→(c)→(d)参照)、引き続いて▲3▼ワークWの内径面Waに沿ってその軸線方向逆方向への送り動作(逆送り動作)に軸線方向の微振動を同時に重畳的に付加されながら送られて(逆送りオシレーション動作)、ワークWの内径面Waをホーニング加工し(図3の(b)→(c)→(d)と逆の動作)、その後、▲4▼再び上記初期位置まで急速度で上昇復帰される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0063】
実施形態4
本実施形態は図9に示されており、実施形態1におけるホーニングツール1の実加工工程における動作がさらに改変されたものであり、実施形態1のワンパス方式のホーニング加工に、一般的なホーニング盤によるホーニング加工が組み合わされた加工方法であり、ワークWの内径面Waにクロスハッチパターンの加工痕が要求される場合に適した加工方法である。
【0064】
すなわち、本実施形態のホーニングツール1の送り方向の加工サイクルにおいて、ホーニングツール1は、制御部5により、▲1▼初期位置(図1および図3(a)の最上昇位置)から実加工工程直前まで所定の急速度で送られた後(急速送り工程:図3の(a)参照)、実加工工程において、▲2▼ワークWの内径面Waに沿ってその軸線方向への基本送り動作に軸線方向の微振動(オシレーション)を同時に重畳的に付加されながら送られて(送りオシレーション動作)、ワークWの内径面Waをホーニング加工するとともに(図3の(b)→(c)→(d)参照)、引き続いて▲3▼ワークWの内径面Waに沿ってその軸線方向への送り動作と逆方向への逆送り動作からなる正逆送り動作が繰り返されて、ワークWの内径面Waをホーニング加工し、その後、▲4▼再び上記初期位置まで急速度で上昇復帰される。
【0065】
しかして、このような複合的なホーニング加工方法によれば、より高い仕上精度が得られるとともに、ワークWの内径面Waには図10(b)に示すようなクロスハッチパターンの加工痕が形成されることとなる。
【0066】
つまり、前述したように、実施形態1のワンパス加工によってワークWの内径面Waに形成される加工痕は図5(b)に示されるような一方向へ流れる波形パターンであり、図10(a)のような一般的なホーニング加工によるクロスハッチパターン(図10(b))は形成されない。
【0067】
クロスハッチパターンの加工痕は油だまりとして機能し得るものであり、ワークWによっては、油の十分な潤滑を確保するためクロスハッチパターンが要求される場合がある。このような場合、従来のワンパスホーニング加工においては、ワンパスホーニング加工後に、さらに図10(a)のような一般的なホーニング加工を施して、クロスハッチパターンを形成する必要があった。
【0068】
また、図10(c)を参照して、ワークWの内径面Waは、加工前において内径寸法dであったものが、ホーニングツール1による加工後においては、ホーニングツール1が作用することにより大きくなり、ホーニングツール1の外径寸法Dに対応した内径寸法d´となる。しかしながら、この内径寸法d´は、ワークWの加工直後のものであって、加工後の経時変化つまり加工熱の逸散冷却による熱変形により、ワークWの内径面Waの内径寸法はd´(=ホーニングツール1の外径寸法D)とはならず、このd´よりも僅かに小さくなる。
【0069】
本実施形態の複合的なホーニング加工方法によれば、実加工工程において、ホーニングツール1が実施形態1と同様の動作で所定ストローク位置(加工下端)まで達した後に、一般的なホーニングオシレーション(図10(a)のような大きなオシレーション動作)をすることにより、ワークWの内径面Waに形成される加工痕は図10(b)のようなクロスハッチパターンとなり、さらにはワークWの内径面Waの面粗さも向上する結果、上述した二つの要求が同時に満たされることになる。
【0070】
実施形態5
本実施形態は図11に示されており、ワークWを保持するワーク保持部8の構造が改変されたものである。
【0071】
すなわち、本実施形態のワーク保持部8において、ワーク保持治具9が、ワークWをその内径面Waの軸線が上下方向へ向いた状態でかつ水平方向へ浮動状態に支持する点は実施形態1と同様であるが、このワーク保持治具9にはワークWに研削油を供給する研削油供給部(研削油供給手段)50が一体的に設けられてなる。
【0072】
具体的には、上記ワーク保持治具9の治具本体9a上に、着脱可能なワークカバー9bにより、ワークWを水平方向へ移動可能な状態で載置支持するとともに、上記治具本体9aの下側に、上記研削油供給部50の研削油吹出しノズル51が一体的に組み付けられている。
【0073】
この研削油吹出しノズル51は、そのノズル開口51aが治具本体9aの貫通穴部52を介してワークWの内径面Waに連通するとともに、その基端開口51bが研削油供給回路53を介して研削油供給源54に連通可能とされている。
【0074】
そして、ワークWは、ワーク保持治具9により水平方向へ浮動状態で支持されるとともに、その内径面Waには、研削油供給源54から研削油供給回路53を介して送られる研削油が下方から吹出し供給される。
【0075】
しかして、このような研削油供給構造によれば、ワンパス方式のホーニング加工においても、研削油がワークWの被研削部である内径面Waに効率よくかつ確実に充満供給されて、加工効率と穴仕上げ精度が向上され得る。
【0076】
換言すれば、ワンパスホーニングを含めた従来のホーニング加工においては、研削油の供給は、ワークWに対して上方から行われており、よって、研削油はホーニングツール1の砥石面1aとワークWの内径面Waとの間の隙間を通じて被研削部へ到達することになる。
【0077】
しかしながら、特に棒状のホーニングツール1を用いるワンパス方式のホーニング加工においては、ホーニングツール1の砥石面1aがワークWの内径面Waに全周にわたって密着するため、上側からの研削油供給では、研削油が弾き飛ばされて被研削部に十分に行き渡らない。
【0078】
これに対して、本実施形態のようにワークWの内径面Waに、研削油を下方から吹出し供給する方式にあっては、研削油がワークWの被研削部である内径面Waに効率よくかつ確実に充満供給され得る。
【0079】
つまり、ワンパス方式のホーニング加工においては、ホーニングツール1の砥石面1aとワークWの内径面Waが全周にわたって密着状態にあるところ、研削油が下側から強制的に吹出し供給されると、ホーニングツール1の砥石面1aとワークWの内径面Waとの密着状態がシール効果を発揮される結果、研削油はワークWの被研削部である内径面Waを含んだ密封空間54内に供給ポンプ圧をもって供給充填されて、外部へ漏れることがない。
【0080】
この結果、研削油はワンパスホーニングの特性を利用して、上記被研削部に強制的に効率よくかつ確実に充満供給されて、加工効率および穴精度が向上することとなる。また、研削油がワークWの内径面Waに対して下側から強制的に吹出し供給されることにより、ホーニング加工によって生じる切粉のワーク内径面Waからの排出も促進される。
【0081】
また、本実施形態においては、研削油吹出しノズル51がワーク保持冶具9に一体的に組み付けられているが、例えば、ホーニング治具9がワーク搬送路に沿って複数のホーニング盤へ搬送される形式のホーニングシステムにおいては、ホーニング治具9の各位置決め停止位置に、上記研削油吹出しノズル51が固定的に配置されて、搬送されてくるホーニング治具9の治具本体9aの貫通穴52に対して、固定されることなく、非接触状態で研削油を吹出し供給する構造とすればよい。
【0082】
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明にこれに限定されることなく、その範囲内において種々設計変更可能である。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ホーニングツールを回転運動させながら、ワークの内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をホーニング加工するワンパス方式のホーニング盤であって、ワークの内径面に対応したプロフィールを有する棒状のホーニングツールと、このホーニングツールを先端部に備えて、上記ワークの内径面の軸線方向へ往復移動可能とされるとともに、その軸線まわりに回転可能に軸支されてなる回転主軸と、この回転主軸を軸線回りに回転駆動する主軸回転手段と、上記回転主軸を上記ワークの内径面の軸線方向へ送り動作させる主軸送り手段と、上記主軸回転手段および主軸送り手段を同期して制御する制御手段とを備えてなり、この主軸送り手段は、上記回転主軸の先端部に取り付けられた上記ホーニングツールの基本送り動作に、軸線方向の微振動を同時に重畳的に付加させるオシレーション付加機能を兼備しているから、ワーク内径面を高い仕上げ精度を保ちつつ、高効率でホーニング加工することができ、しかも装置構造の小型簡素なワンパス方式のホーニング盤を提供することができる。
【0084】
すなわち、本発明のホーニング盤においては、ホーニングツールを回転運動させながら、ワークの内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をワンパスでホーニング加工するに際して、主軸送り手段が、回転主軸の先端部に取り付けられた上記ホーニングツールの基本送り動作に、軸線方向の微振動(オシレーション)を同時に重畳的に付加させながら、ワーク内径面をホーニング加工する。これにより、ワンパスホーニング技術本来の高効率(高速度)のホーニング加工が得られるとともに、基本送り動作に同時に重畳的に付加される軸線方向のオシレーションにより、ホーニングツールのワーク内径面に対する食い込みが促進されて、高い仕上げ精度を得ることができる。
【0085】
また、上記主軸送り手段が、上記ホーニングツールを送り動作させる基本的機能と、オシレーション動作させる付加的機能を兼備していることにより、独立したオシレーション手段が不要となり、装置構成部の部品点数が少なく、装置構造の小型簡素化を図ることが可能となり、装置コストの低減化が可能となる。
【0086】
さらに、上記主軸送り手段が上記基本的機能と付加的機能を兼備していることにより、従来のクランク機構やカム機構からなるオシレーション手段を別個独立して備えるホーニング盤に比較して、ホーニングツールの動作をより複雑かつ精度よく制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1であるホーニング盤の全体構成を示す側面図である。
【図2】同ホーニング盤の主要構成部を一部断面で示す拡大側面図である。
【図3】同ホーニング盤のホーニングツールによるワーク内径面のホーニング加工動作を一部断面で示す正面図である。
【図4】同ホーニングツールの送り方向の加工サイクルを示す線図である。
【図5】図5(a)は同ホーニングツールの加工サイクルにおける実加工工程の運動軌跡を示す線図であり、図5(b)はホーニング加工完了後にワーク内径面に形成される加工痕を示す図である。
【図6】本発明に係る実施形態2であるホーニング盤のホーニングツールを拡大して示す正面図である。
【図7】同ホーニングツールの送り方向の加工サイクルの一工程を示す線図である。
【図8】本発明に係る実施形態3であるホーニング盤のホーニングツールの送り方向の加工サイクルの一工程を示す線図である。
【図9】本発明に係る実施形態4であるホーニング盤のホーニングツールの送り方向の加工サイクルの一工程を示す線図である。
【図10】図10(a)は一般的なホーニング盤によるホーニング加工の実加工工程における送り方向の加工サイクルを示す線図であり、図10(b)はホーニング加工完了後にワーク内径面に形成されるクロスハッチパターンの加工痕を示す図であり、図10(c)はホーニングツールのホーニング加工時における外形変化とワーク内径の仕上り寸法との関係を説明するための模式図である。
【図11】本発明に係る実施形態5であるホーニング盤のワーク保持部のワーク保持治具構造を示す断面正面図である。
【符号の説明】
W ワーク
Wa ワークの内径面
1 ホーニングツール
1a ホーニングツールの砥石面
2 回転主軸
3 主軸回転駆動部(主軸回転駆動部)
4 主軸送り駆動部(主軸往復手段)
5 制御部(制御手段)
9 ワーク保持治具
9a 治具本体
10 主軸ヘッド
16 電動モータ(回転駆動モータ)
25 スライド基台
26 ボールねじ(送りねじ機構)
26a ボールねじのねじ軸
26c ボールねじのナット体
27 サーボモータ(回転駆動モータ)
30 リニアガイド
31 リニアスライド
35 加工条件設定部(加工条件設定手段)
40 荒ホーニング加工部
41 仕上ホーニング加工部
50 研削油供給部(研削油供給手段)
51 研削油吹出しノズル
53 研削油供給回路
54 研削油供給源

Claims (15)

  1. ホーニングツールを回転運動させながら、工作物の内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をホーニング加工するワンパス方式のホーニング盤であって、
    前記工作物の内径面に対応したプロフィールを有する棒状のホーニングツールと、
    このホーニングツールを先端部に備えて、前記工作物の内径面の軸線方向へ往復移動可能とされるとともに、その軸線まわりに回転可能に軸支されてなる回転主軸と、
    この回転主軸を軸線回りに回転駆動する主軸回転手段と、
    前記回転主軸を前記工作物の内径面の軸線方向へ送り動作させる主軸送り手段と、
    前記主軸回転手段および主軸送り手段を同期して制御する制御手段とを備えてなり、
    前記主軸送り手段は、前記回転主軸の先端部に取り付けられた前記ホーニングツールの基本送り動作に、軸線方向の微振動を同時に重畳的に付加させるオシレーション付加機能を兼備している
    ことを特徴とするホーニング盤。
  2. 前記主軸送り手段は、前記回転主軸を回転可能に軸支する主軸ヘッドを装着して、ホーニングツール送り方向へ往復移動可能に設けられたスライド基台と、このスライド基台を往復動作させる送りねじ機構と、この送りねじ機構を回転駆動する回転駆動モータとを備えてなり、
    この回転駆動モータは、前記制御手段により、実加工工程において、その出力軸が、送り回転方向への基準速度の基本正回転動作と微振動回転のための急速度の微小正逆回転動作とが重畳的に組み合わされた回転運動をするように駆動制御される
    ことを特徴とする請求項1に記載のホーニング盤。
  3. 前記主軸送り手段の送りねじ機構がボールねじの形態とされ、
    このボールねじのねじ軸が固定側であるコラムに垂直方向へ延びて回転可能に軸支されるとともに、このねじ軸に螺進退可能に螺合されたナット体に、可動側である前記スライド基台が一体的に接続固定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のホーニング盤。
  4. 前記ホーニングツールは、その先端から基端に向けて徐々に径寸法が増大するテーパ形状の砥石面を備えてなり、
    前記主軸送り手段により、実加工工程において、前記ホーニングツールが前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送られる間に、ホーニング加工が行われる構成とされている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のホーニング盤。
  5. 前記ホーニングツールは、その先端部に荒ホーニング加工部が設けられるとともに、この荒ホーニング加工部に続いて仕上ホーニング加工部が連続して設けられてなり、
    前記主軸送り手段により、実加工工程において、前記ホーニングツールが前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送られる間に、荒ホーニング加工と仕上ホーニング加工が連続して行われる構成とされている
    ことを特徴とする請求項4に記載のホーニング盤。
  6. 前記制御手段は、実加工工程において、前記荒ホーニング加工および仕上ホーニング加工が所定のタイミングをもって連続して行われるように、前記主軸回転手段および主軸送り手段を同期して制御する構成とされていることを特徴とする請求項5に記載のホーニング盤。
  7. 前記制御手段は、実加工工程における前記ホーニングツールの動作を加工対象となる工作物の性状等に応じて設定可能な加工条件設定手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のホーニング盤。
  8. 前記制御部は、前記ホーニングツールがその初期位置から実加工工程直前まで所定の急速度で送られた後、実加工工程において前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送られる送りオシレーション動作をするとともに、この実加工工程終了後に前記初期位置まで急速度で復帰されるように、前記主軸送り手段を制御する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のホーニング盤。
  9. 前記制御部は、前記ホーニングツールがその初期位置から実加工工程直前まで所定の急速度で送られた後、実加工工程において、前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送られる送りオシレーション動作をするとともに、前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら逆送りされる逆送りオシレーション動作をし、この実加工工程終了後に前記初期位置まで急速度で復帰されるように、前記主軸送り手段を制御する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のホーニング盤。
  10. 前記制御部は、前記ホーニングツールがその初期位置から実加工工程直前まで所定の急速度で送られた後、実加工工程において、前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送られる送りオシレーション動作をするとともに、これに続き送り動作と逆送り動作からなる正逆送り動作を繰り返し、この実加工工程終了後に前記初期位置まで急速度で復帰されるように、前記主軸送り手段を制御する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のホーニング盤。
  11. ホーニングツールが回転運動しながら上下方向へ送り動作される竪形ワンパス方式のホーニング盤であって、
    前記工作物の内径面に下方から研削油を供給する研削油供給手段を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のホーニング盤。
  12. ホーニングツールを回転運動させながら、工作物の内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をホーニング加工するワンパス方式のホーニング加工方法であって、
    前記工作物の内径面に対応したプロフィールを有する棒状のホーニングツールを、その初期位置から実加工工程直前まで所定の急速度で送った後、実加工工程において前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送ってホーニング加工を施し、この実加工工程終了後に前記初期位置まで急速度で復帰させる
    ことを特徴とするホーニング加工方法。
  13. ホーニングツールを回転運動させながら、工作物の内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をホーニング加工するワンパス方式のホーニング加工方法であって、
    前記工作物の内径面に対応したプロフィールを有する棒状のホーニングツールを、その初期位置から実加工工程直前まで所定の急速度で送った後、実加工工程において、前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送るとともに、前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら逆送りしてホーニング加工を施し、この実加工工程終了後に前記初期位置まで急速度で復帰させる
    ことを特徴とするホーニング加工方法。
  14. ホーニングツールを回転運動させながら、工作物の内径面の軸線方向へ送ることにより、この内径面をホーニング加工するワンパス方式のホーニング加工方法であって、
    前記工作物の内径面に対応したプロフィールを有する棒状のホーニングツールを、その初期位置から実加工工程直前まで所定の急速度で送った後、実加工工程において、前記工作物の内径面に沿ってその軸線方向へ微振動しながら送るとともに、これに続き送り動作と逆送り動作とからなる正逆送り動作を繰り返してホーニング加工を施し、この実加工工程終了後に前記初期位置まで急速度で復帰させる
    ことを特徴とするホーニング加工方法。
  15. 前記ホーニングツールを回転運動させながら、工作物の内径面の上下軸線方向へ送ることにより、この内径面をホーニング加工するワンパス方式のホーニング加工方法であって、
    前記工作物を、その内径面の軸線が上下方向へ向いた状態でかつ水平方向へ浮動状態に支持するとともに、この支持状態にある工作物の内径面に下方から研削油を供給するようにした
    ことを特徴とする請求項12から14のいずれか一つに記載のホーニング加工方法。
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