JP2004216423A - 薄片積層材料の熱間鍛造方法およびそれに用いる金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】配向性の向上と高密度化ができ、これによって性能の向上と安定化ができる薄片積層材料の熱間鍛造方法およびそれに用いる金型を提供すること。
【解決手段】金型10の設置面12aと加圧面13aとで、薄片積層材料15を挟んで加圧することにより、薄片積層材料15を加圧方向と直交する方向に展延させて所定の形状に成形した。その際、薄片積層材料15における展延する部分が先細りになるように付勢した。また、筒状金型11の成形用凹部14の中央部分14aを幅広に設定し、両側の端部側部分14bを幅狭に設定した。さらに、成形体18における幅広部18aの幅をa、幅狭部18bの幅をb、幅狭部18bの長さと傾斜部18cの長さとの合計の長さをc、傾斜部18cの長さをdとしたときに、b/a(%)が10〜99、d/c(%)が0〜100になるようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】金型10の設置面12aと加圧面13aとで、薄片積層材料15を挟んで加圧することにより、薄片積層材料15を加圧方向と直交する方向に展延させて所定の形状に成形した。その際、薄片積層材料15における展延する部分が先細りになるように付勢した。また、筒状金型11の成形用凹部14の中央部分14aを幅広に設定し、両側の端部側部分14bを幅狭に設定した。さらに、成形体18における幅広部18aの幅をa、幅狭部18bの幅をb、幅狭部18bの長さと傾斜部18cの長さとの合計の長さをc、傾斜部18cの長さをdとしたときに、b/a(%)が10〜99、d/c(%)が0〜100になるようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄片を積層して形成される薄片積層材料を出発材として用いて熱間鍛造を行う薄片積層材料の熱間鍛造方法およびそれに用いる金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、薄片を積層して形成される薄片積層材料においては、薄片積層材料を緻密化して機械的強度を向上させるとともに、結晶粒の配向性を向上させて高性能にするために薄片積層材料を熱間鍛造法によって処理することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この熱間鍛造法では、通常、薄片積層材料を予め立方体に仮成形しておく。そして、この薄片積層材料を熱間鍛造する金型における一方の相対向する側壁部で薄片積層材料のホットプレス(仮成形)の加圧面に対応する両側面を拘束し、他方の相対向する側壁部は薄片積層材料のホットプレス(仮成形)の加圧面と直交する面に対応する側面と所定距離を保った状態にして、薄片積層材料を金型の設置部に設置する。
【0004】
そして、薄片積層材料が設置された設置部と加圧部とで薄片積層材料の上面と下面とを挟み、加熱装置で加熱した状態で加圧することにより、薄片積層材料を、他方の側壁部に向って展延させて行く。そして、展延した薄片積層材料の端部が、他方の側壁部に達したのちに、薄片積層材料は、所定の薄板状の成形体になる。この成形体は、所定の寸法に切断されて熱電材料として使用される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−178218号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した薄片積層材料は、例えば、急冷箔を積層して、この積層面と直交する方向に対して加圧、加熱、焼結することで仮成形されている。しかしながら、この仮成形の処理の際に、加熱温度を高温にするほど積層された急冷箔の配向性は低下していく。これを防止するため、仮成形処理を低温で行うと、急冷箔の配向性は維持できるが、密度を上げることができなくなる。この結果、後に行う熱間鍛造時に、仮成形の加圧方向と、展延時の加圧方向とは直交する関係になるため急冷箔の隙間を埋めるようにして急冷箔が座屈してしまい、積層時に揃えた急冷箔の方向がばらばらになって熱間鍛造後の配向性が悪くなるという問題がある。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、配向性の向上と高密度化ができ、これによって性能の向上と安定化ができる薄片積層材料の熱間鍛造方法およびそれに用いる金型を提供することである。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる薄片積層材料の熱間鍛造方法の構成上の特徴は、周囲が壁面部で構成された筒状成形型と、筒状成形型内で相対的に進退可能な2個の加圧部を備えた金型を用い、薄片積層材料を加熱した状態で2個の加圧部の相対向する加圧面で挟んで加圧することにより、薄片積層材料を加圧方向と直交する所定の壁面部の方向に展延させて薄板状に成形する薄片積層材料の熱間鍛造方法であって、2個の加圧部の加圧によって、薄片積層材料を展延させる際に、薄片積層材料における展延する先端部分が先細りになるように先端部分を付勢することにある。
【0009】
このように構成した本発明にかかる薄片積層材料の熱間鍛造方法においては、2個の加圧部で薄片積層材料を加圧して展延させる際に、薄片積層材料における展延する先端部分が先細りになるようにしている。このため、薄片積層材料の展延方向の端部には、展延に対する抵抗となる付勢力が働くようになり、この付勢力によって、薄片積層材料の端部側部分の密度を上げることができる。この結果、薄片積層材料を構成する各薄片が座屈することを防止でき、熱間鍛造によって得られる成形体全体の組織が安定するとともに性能の向上が図れ、薄片積層材料の歩留まりも向上する。
【0010】
また、本発明にかかる薄片積層材料の鍛造で用いられる金型の構成上の特徴は、周囲が壁面部で構成された成形用凹部を有する筒状成形型と、成形用凹部内で相対的に進退可能な2個の加圧部を備え、薄片積層材料を2個の加圧部の相対向する加圧面で挟んで加圧することにより、加圧方向と直交する所定の壁面部の方向に展延させて薄板状に成形する薄片積層材料の熱間鍛造で用いる金型であって、筒状成形型の成形用凹部および2個の加圧部における加圧方向に直交する面の形状を、中央部の幅が広く両端部の幅が狭くなるように設定したことにある。
【0011】
このように構成した本発明にかかる薄片積層材料の鍛造で用いられる金型においては、薄片積層材料が鍛造される筒状成形型の成形用凹部および2個の加圧部における加圧方向に直交する面の形状を、中央部が幅広で両端部が幅狭になるようにしている。したがって、成形用凹部の幅広の中央部に薄片積層材料を設置して、熱間鍛造を行うと、2個の加圧部によって加圧された薄片積層材料の両端側部分は展延して幅狭の部分に延びていく。
【0012】
その際に、展延部分は、幅狭の部分の壁面部によって幅を狭められるように付勢される。この壁面部の付勢力によって、薄片積層材料の端部側部分は密度を上げることができ、薄片積層材料を構成する各薄片が座屈することを防止できる。これによって、熱間鍛造によって得られる成形体全体の組織が安定するようになって性能の向上が図れ、材料の歩留まりも向上する。
【0013】
また、本発明にかかる薄片積層材料の鍛造で用いられる金型の他の構成上の特徴は、成形用凹部および2個の加圧部における幅の広い部分の幅をa、幅の狭い部分の幅をb、幅の狭い部分の長さと、幅の広い部分と幅の狭い部分との間の傾斜部分の長さとの合計長さをc、幅の広い部分と幅の狭い部分との間の傾斜部分の長さをdとしたときに、b/a(%)が10〜99で、d/c(%)が0〜100の範囲になるように各部分の寸法を設定したことにある。これによると、性能に優れ、歩留まりが向上する成形体を確実に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1および図2は、本発明にかかる薄片積層材料の熱間鍛造に用いる金型10の概略を示している。この金型10は、本発明の筒状成形型としての筒状金型11と、本発明の加圧部としての下金型12および上金型13とで構成されている。筒状金型11の内部には成形用凹部14が形成されており、その平面視を図2に示している。図2に示したように、成形用凹部14は、中央部分14aの幅が広く設定され、両側の端部側部分14bの幅が狭く設定されている。この中央部分14aの幅は、仮成形後の薄片積層材料の、仮成形時の加圧方向の幅と略一致する。
【0015】
下金型12の横断面形状は、成形用凹部14の平面視による形状と同一に形成されており、下金型12は、筒状金型11の下部側から成形用凹部14内に挿入されている。そして、その上面が薄片積層材料15を設置するための設置面12aに形成されている。また、上金型13の横断面形状も、成形用凹部14の平面視による形状と同一に形成されており、上金型13は、筒状金型11の上部側から成形用凹部14内に挿入されている。そして、その下面が薄片積層材料15を加圧するための加圧面13aに形成されている。
【0016】
また、下金型12と上金型13とは、駆動装置(図示せず)の作動によって互いに対向した状態で進退することができ、その間隔を狭めることにより、薄片積層材料15を加圧成形できる。これらの、筒状金型11、下金型12および上金型13は、チタン、鉄、タングステン、炭素を含む合金およびこれらの合金に表面処理をしたもので構成されている。なお、図示していないが、金型10は、内部を密閉状態にできる箱型の真空チャンバ内に設置されており、この真空チャンバには、各金型11等を加熱するためのヒータが設けられている。また、真空チャンバには、内部を排気するための排気装置や内部にアルゴンガスを供給するためのアルゴンガス供給装置が接続されている。
【0017】
薄片積層材料15は、縦横高さの長さがすべて同じ値に設定された立方体に形成されており、ビスマス−テルル系の薄片材料を仮成形して構成されている。この薄片積層材料15は、以下のようにして仮成形される。仮成形に際しては、まず、薄片積層材料を仮成形するための粉末材料を製造する。この場合、例えば、Bi、Te、Seの粉末を、組成が所定の設定値になるように秤量し、その試料を石英アンプル管に真空封止したのち、所定温度(例えば、650℃)で30分程度揺動しながら溶解する。溶解後、試料を冷却して石英アンプル管から取り出しインゴットにする。
【0018】
つぎに、得られたインゴットを単ロール液体急冷装置に充填し、800℃程度のアルゴン雰囲気中から水冷ロールに射出して急冷箔を得る。この急冷箔は、六方晶結晶で構成されており、各六方晶結晶は、急冷箔の厚み方向に六方晶結晶の頂点を軸として起立した状態になる。そして、この急冷箔を、積層して加圧・加熱・焼結することにより仮成形された薄片積層材料15が形成される。なお、この場合の加熱は、低温に設置して、仮成形される薄片積層材料15の配向性が低下しないようにする。また、本発明における薄片積層材料15は前述したものに限定するものでなく、他の方法によって得られた薄片積層材料を用いてもよい。
【0019】
つぎに、以上のように構成した金型10を用いて、薄片積層材料15を熱間鍛造する方法について説明する。熱間鍛造においては、まず、金型10の下金型12と上金型13との互いの間隔を広げた状態で下金型12の設置面12aに薄片積層材料15を設置する。この場合、図1および図2に示すように、設置面12aの中央部分14aに薄片積層材料15を設置する。このとき、薄片積層材料15の仮成形時の加圧方向であった側面が中央部分14aの側壁で拘束されるようにセットする。そして、下金型12と上金型13とを移動させて互いに近づけ、上金型13の加圧面13aを、薄片積層材料15の上面に接触させる。
【0020】
この状態で、真空チャンバ内を排気したのちに、アルゴンガスを供給して真空チャンバ内をアルゴンガスで充満させる。そして、ヒータをオンにして真空チャンバ内の温度を略450℃に昇温して、その温度に維持する。つぎに、駆動装置を駆動させて、下金型12と上金型13との間隔を0.1mm/分の速度で狭めていく。これによって、薄片積層材料15は、図3に示したように、下金型12と上金型13とによって押し潰されて薄肉の板状になる。
【0021】
この場合、薄片積層材料15は、上下面が、上金型13と下金型12とで加圧され、前後面が筒状金型11の前後の壁面部11a,11bによって展延を規制された状態で加圧される。したがって、薄片積層材料15における上下部分および前後部分は、徐々に密度を上げながら変形していく。また、薄片積層材料15における左右の端部側部分は、筒状金型11の左右の壁面部11c,11dに向かって展延していく。
【0022】
この際、薄片積層材料15が展延していく両方向では、成形用凹部14の幅が狭くなっている。このため、薄片積層材料15の展延する部分には、それぞれ両端部側部分14b側の壁面部11a,11bによる抵抗力が加わる。この抵抗力のため、薄片積層材料15の展延方向の左右部分は、先細りになるように付勢されて、その密度が上昇していく。
【0023】
そして、下金型12と上金型13との間隔が、図3に示すように、所定の長さになったところで、加圧を停止する。つぎに、真空チャンバの取出し口から、熱間鍛造された成形体を取り出すことにより、図4に示した成形体18が得られる。そして、成形体18を所定の寸法に切断して直方体の熱電素子に形成する。なお、成形体18の各部分の寸法は、全長が80mmで、厚みが5mmに設定されている。また、薄片積層材料15の寸法は、縦横高さともに20mmに設定されていた。
【0024】
このように、この実施形態によれば、筒状金型11の成形用凹部14における薄片積層材料15が展延する方向の端部側部分14bの幅を狭くしている。このため、薄片積層材料15における展延方向における端部にも圧力が加わり、成形された成形体18の端部からも密度の高い性能に優れた熱電素子を得ることができる。このため、成形体18の歩留まりが向上するとともに、得られた熱電素子の性能が安定するようになる。
【0025】
また、この成形体18に対して、X線回析と電気抵抗率の測定とを行った。この場合、試料としては、成形体18の中央部から20mmの位置と30mmの位置との間にある部分における幅方向の中央部分とした。その結果、X線回析装置の測定による成形体18の最も大きなピークである(0015)面のピークにおけるビスマス−テルルのメインピークである(015)面のピークに対する強度比は、135%であった。また、電気抵抗率は、0.86×10−5Ωmであった。
【0026】
また、比較例として、筒状金型の成形用凹部を一定の幅にした従来の金型を用いて、前述した熱間鍛造と同じ条件で薄片積層材料15を熱間鍛造して成形体を得た。そして、この成形体に対しても、同様のX線回析と電気抵抗率の測定とを行った。この場合の試料としても、成形体18の試料と同様の位置にある部分とした。その結果、X線回析装置の測定による強度比は、29%であった。また、電気抵抗率は、1.03×10−5Ωmであった。
【0027】
強度比は、配向性に優れている成形体ほど値が大きくなるもので、この結果から、筒状金型11の成形用凹部14における薄片積層材料15が展延する方向の端部側部分14bの幅を狭くすることによって、得られる成形体18の配向性が大幅に向上することがわかる。また、電気抵抗率の値は、小さいほど性能のよい成形体であると言う事ができ、この結果から、従来の方法によって得られた成形体よりも成形体18の方が性能に優れたものであることが分かる。
【0028】
また、成形体18の配向性や性能は、成形用凹部14における端部側部分14bの幅の絞り量によっても変化する。この絞り量として好ましい条件は、図4に示した成形体18における幅広部18aの幅をa、幅狭部18bの幅をb、幅狭部18bの長さと、幅広部18aと幅狭部18bとの間の傾斜部18cの長さ(横方向の長さ)との合計長さをc、傾斜部18cの長さをdとしたときに、b/a(%)が、10〜99で、d/c(%)が、0〜100の範囲になることである。この範囲に設定することにより、特に良好な成形体を得ることができる。
【0029】
図5は、本発明の他の実施形態で用いられる筒状金型21の横断面を示している。この筒状金型21では成形用凹部24の平面視による形状が、中央部分24aが幅広に設定され、その両側の端部側部分24bの幅が、それぞれ端部の壁面部21c,21dに近づくにしたがって細くなるように設定されている。この筒状金型21を備えた金型で、薄片積層材料15を熱間鍛造すると、薄片積層材料15における展延方向における端部には、熱間鍛造が終了するまで常に、壁面部21a,21bによる圧力が加わるようになる。このため、得られる成形体の密度は全体にわたって略均一な状態になる。この結果、これによっても密度の高い性能に優れた熱電素子を得ることができる。
【0030】
図6は、本発明のさらに他の実施形態で用いられる筒状金型31の横断面を示している。この筒状金型31では成形用凹部34の平面視による形状が、中央部分34aが筒状金型21の中央部分24aと同様の幅広に設定されている。そして、その両側の端部側部分34bの幅は、それぞれ端部の壁面部31c,31dに近づくにしたがって細くなるように設定されているが、その形状は、中央部分34aに近い部分ほど大きな傾斜によって急に狭められ、壁面部31c,31dに近づくほど小さな傾斜で徐々に狭められている。
【0031】
この筒状金型31を備えた金型で、薄片積層材料15を熱間鍛造すると、薄片積層材料15における展延方向における端部には、初期の段階で壁面部31a,31bにより大きな付勢力が加わり熱間鍛造の終了時に近づくほど付勢力は小さくなる。これによると、初期段階で密度を大きく向上させ、そののちに徐々に密度を上げて行くため、無理のない状態で成形体全体を略均一な状態にすることができる。これによっても密度の高い性能に優れた熱電素子を得ることができる。
【0032】
図7は、本発明の他の実施形態で用いられる筒状金型41の横断面を示している。この筒状金型41では成形用凹部44の平面視による形状が、中央部分44aが幅広に設定され、その両側の端部側部分44bの幅が、それぞれ端部の壁面部41c,41dに近づくにしたがって細くなったのちに一定の幅になるように設定されている。この筒状金型41を備えた金型で、薄片積層材料15を熱間鍛造すると、薄片積層材料15における展延方向における端部には、初期の段階で壁面部41a,41bにより大きな圧力が加わりその後、殆ど圧力が加わらない状態になる。これによると、初期段階で密度を大きく向上させることができるため、のちに圧力を加えなくても成形体全体を略均一な状態にすることができる。これによっても密度の高い性能に優れた熱電素子を得ることができる。
【0033】
このように、本発明にかかる薄片積層材料の熱間鍛造方法およびそれに用いる金型10等によれば、薄片積層材料15の歩留まりおよび得られた成形体18等の性能が向上するとともに、成形体18等の性能が安定するようになる。また、前述した実施形態では、金型10の下金型12および上金型13の双方を移動させて、薄片積層材料15等を熱間鍛造するようにしているが、この金型10は、これに限るものでなく、下金型12を固定して、上金型13を移動させるようにしてもよいし、上金型13を固定して、下金型12を移動させるようにしてもよい。また、成形用凹部や下金型および上金型の形状も前述した各実施形態によるものに限らず、適宜変更実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態で用いられる金型の概略を示す縦断面図である。
【図2】図1の金型の筒状金型を示す横断面図である。
【図3】図1に示した金型で薄片積層材料を熱間鍛造した状態を示す縦断面図である。
【図4】成形体を示す斜視図である。
【図5】他の実施形態で用いる筒状金型の横断面図である。
【図6】さらに他の実施形態で用いる筒状金型の横断面図である。
【図7】さらに他の実施形態で用いる筒状金型の横断面図である。
【符号の説明】
10…金型、11,21,31,41…筒状金型、11a,11b,11c,11d,21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31d,41a,41b,41c,41d…壁面部、12…下金型、12a…設置面、13…上金型、13a…加圧面、14,24,34,44…成形用凹部、15…薄片積層材料、18…成形体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄片を積層して形成される薄片積層材料を出発材として用いて熱間鍛造を行う薄片積層材料の熱間鍛造方法およびそれに用いる金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、薄片を積層して形成される薄片積層材料においては、薄片積層材料を緻密化して機械的強度を向上させるとともに、結晶粒の配向性を向上させて高性能にするために薄片積層材料を熱間鍛造法によって処理することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この熱間鍛造法では、通常、薄片積層材料を予め立方体に仮成形しておく。そして、この薄片積層材料を熱間鍛造する金型における一方の相対向する側壁部で薄片積層材料のホットプレス(仮成形)の加圧面に対応する両側面を拘束し、他方の相対向する側壁部は薄片積層材料のホットプレス(仮成形)の加圧面と直交する面に対応する側面と所定距離を保った状態にして、薄片積層材料を金型の設置部に設置する。
【0004】
そして、薄片積層材料が設置された設置部と加圧部とで薄片積層材料の上面と下面とを挟み、加熱装置で加熱した状態で加圧することにより、薄片積層材料を、他方の側壁部に向って展延させて行く。そして、展延した薄片積層材料の端部が、他方の側壁部に達したのちに、薄片積層材料は、所定の薄板状の成形体になる。この成形体は、所定の寸法に切断されて熱電材料として使用される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−178218号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した薄片積層材料は、例えば、急冷箔を積層して、この積層面と直交する方向に対して加圧、加熱、焼結することで仮成形されている。しかしながら、この仮成形の処理の際に、加熱温度を高温にするほど積層された急冷箔の配向性は低下していく。これを防止するため、仮成形処理を低温で行うと、急冷箔の配向性は維持できるが、密度を上げることができなくなる。この結果、後に行う熱間鍛造時に、仮成形の加圧方向と、展延時の加圧方向とは直交する関係になるため急冷箔の隙間を埋めるようにして急冷箔が座屈してしまい、積層時に揃えた急冷箔の方向がばらばらになって熱間鍛造後の配向性が悪くなるという問題がある。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、配向性の向上と高密度化ができ、これによって性能の向上と安定化ができる薄片積層材料の熱間鍛造方法およびそれに用いる金型を提供することである。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる薄片積層材料の熱間鍛造方法の構成上の特徴は、周囲が壁面部で構成された筒状成形型と、筒状成形型内で相対的に進退可能な2個の加圧部を備えた金型を用い、薄片積層材料を加熱した状態で2個の加圧部の相対向する加圧面で挟んで加圧することにより、薄片積層材料を加圧方向と直交する所定の壁面部の方向に展延させて薄板状に成形する薄片積層材料の熱間鍛造方法であって、2個の加圧部の加圧によって、薄片積層材料を展延させる際に、薄片積層材料における展延する先端部分が先細りになるように先端部分を付勢することにある。
【0009】
このように構成した本発明にかかる薄片積層材料の熱間鍛造方法においては、2個の加圧部で薄片積層材料を加圧して展延させる際に、薄片積層材料における展延する先端部分が先細りになるようにしている。このため、薄片積層材料の展延方向の端部には、展延に対する抵抗となる付勢力が働くようになり、この付勢力によって、薄片積層材料の端部側部分の密度を上げることができる。この結果、薄片積層材料を構成する各薄片が座屈することを防止でき、熱間鍛造によって得られる成形体全体の組織が安定するとともに性能の向上が図れ、薄片積層材料の歩留まりも向上する。
【0010】
また、本発明にかかる薄片積層材料の鍛造で用いられる金型の構成上の特徴は、周囲が壁面部で構成された成形用凹部を有する筒状成形型と、成形用凹部内で相対的に進退可能な2個の加圧部を備え、薄片積層材料を2個の加圧部の相対向する加圧面で挟んで加圧することにより、加圧方向と直交する所定の壁面部の方向に展延させて薄板状に成形する薄片積層材料の熱間鍛造で用いる金型であって、筒状成形型の成形用凹部および2個の加圧部における加圧方向に直交する面の形状を、中央部の幅が広く両端部の幅が狭くなるように設定したことにある。
【0011】
このように構成した本発明にかかる薄片積層材料の鍛造で用いられる金型においては、薄片積層材料が鍛造される筒状成形型の成形用凹部および2個の加圧部における加圧方向に直交する面の形状を、中央部が幅広で両端部が幅狭になるようにしている。したがって、成形用凹部の幅広の中央部に薄片積層材料を設置して、熱間鍛造を行うと、2個の加圧部によって加圧された薄片積層材料の両端側部分は展延して幅狭の部分に延びていく。
【0012】
その際に、展延部分は、幅狭の部分の壁面部によって幅を狭められるように付勢される。この壁面部の付勢力によって、薄片積層材料の端部側部分は密度を上げることができ、薄片積層材料を構成する各薄片が座屈することを防止できる。これによって、熱間鍛造によって得られる成形体全体の組織が安定するようになって性能の向上が図れ、材料の歩留まりも向上する。
【0013】
また、本発明にかかる薄片積層材料の鍛造で用いられる金型の他の構成上の特徴は、成形用凹部および2個の加圧部における幅の広い部分の幅をa、幅の狭い部分の幅をb、幅の狭い部分の長さと、幅の広い部分と幅の狭い部分との間の傾斜部分の長さとの合計長さをc、幅の広い部分と幅の狭い部分との間の傾斜部分の長さをdとしたときに、b/a(%)が10〜99で、d/c(%)が0〜100の範囲になるように各部分の寸法を設定したことにある。これによると、性能に優れ、歩留まりが向上する成形体を確実に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1および図2は、本発明にかかる薄片積層材料の熱間鍛造に用いる金型10の概略を示している。この金型10は、本発明の筒状成形型としての筒状金型11と、本発明の加圧部としての下金型12および上金型13とで構成されている。筒状金型11の内部には成形用凹部14が形成されており、その平面視を図2に示している。図2に示したように、成形用凹部14は、中央部分14aの幅が広く設定され、両側の端部側部分14bの幅が狭く設定されている。この中央部分14aの幅は、仮成形後の薄片積層材料の、仮成形時の加圧方向の幅と略一致する。
【0015】
下金型12の横断面形状は、成形用凹部14の平面視による形状と同一に形成されており、下金型12は、筒状金型11の下部側から成形用凹部14内に挿入されている。そして、その上面が薄片積層材料15を設置するための設置面12aに形成されている。また、上金型13の横断面形状も、成形用凹部14の平面視による形状と同一に形成されており、上金型13は、筒状金型11の上部側から成形用凹部14内に挿入されている。そして、その下面が薄片積層材料15を加圧するための加圧面13aに形成されている。
【0016】
また、下金型12と上金型13とは、駆動装置(図示せず)の作動によって互いに対向した状態で進退することができ、その間隔を狭めることにより、薄片積層材料15を加圧成形できる。これらの、筒状金型11、下金型12および上金型13は、チタン、鉄、タングステン、炭素を含む合金およびこれらの合金に表面処理をしたもので構成されている。なお、図示していないが、金型10は、内部を密閉状態にできる箱型の真空チャンバ内に設置されており、この真空チャンバには、各金型11等を加熱するためのヒータが設けられている。また、真空チャンバには、内部を排気するための排気装置や内部にアルゴンガスを供給するためのアルゴンガス供給装置が接続されている。
【0017】
薄片積層材料15は、縦横高さの長さがすべて同じ値に設定された立方体に形成されており、ビスマス−テルル系の薄片材料を仮成形して構成されている。この薄片積層材料15は、以下のようにして仮成形される。仮成形に際しては、まず、薄片積層材料を仮成形するための粉末材料を製造する。この場合、例えば、Bi、Te、Seの粉末を、組成が所定の設定値になるように秤量し、その試料を石英アンプル管に真空封止したのち、所定温度(例えば、650℃)で30分程度揺動しながら溶解する。溶解後、試料を冷却して石英アンプル管から取り出しインゴットにする。
【0018】
つぎに、得られたインゴットを単ロール液体急冷装置に充填し、800℃程度のアルゴン雰囲気中から水冷ロールに射出して急冷箔を得る。この急冷箔は、六方晶結晶で構成されており、各六方晶結晶は、急冷箔の厚み方向に六方晶結晶の頂点を軸として起立した状態になる。そして、この急冷箔を、積層して加圧・加熱・焼結することにより仮成形された薄片積層材料15が形成される。なお、この場合の加熱は、低温に設置して、仮成形される薄片積層材料15の配向性が低下しないようにする。また、本発明における薄片積層材料15は前述したものに限定するものでなく、他の方法によって得られた薄片積層材料を用いてもよい。
【0019】
つぎに、以上のように構成した金型10を用いて、薄片積層材料15を熱間鍛造する方法について説明する。熱間鍛造においては、まず、金型10の下金型12と上金型13との互いの間隔を広げた状態で下金型12の設置面12aに薄片積層材料15を設置する。この場合、図1および図2に示すように、設置面12aの中央部分14aに薄片積層材料15を設置する。このとき、薄片積層材料15の仮成形時の加圧方向であった側面が中央部分14aの側壁で拘束されるようにセットする。そして、下金型12と上金型13とを移動させて互いに近づけ、上金型13の加圧面13aを、薄片積層材料15の上面に接触させる。
【0020】
この状態で、真空チャンバ内を排気したのちに、アルゴンガスを供給して真空チャンバ内をアルゴンガスで充満させる。そして、ヒータをオンにして真空チャンバ内の温度を略450℃に昇温して、その温度に維持する。つぎに、駆動装置を駆動させて、下金型12と上金型13との間隔を0.1mm/分の速度で狭めていく。これによって、薄片積層材料15は、図3に示したように、下金型12と上金型13とによって押し潰されて薄肉の板状になる。
【0021】
この場合、薄片積層材料15は、上下面が、上金型13と下金型12とで加圧され、前後面が筒状金型11の前後の壁面部11a,11bによって展延を規制された状態で加圧される。したがって、薄片積層材料15における上下部分および前後部分は、徐々に密度を上げながら変形していく。また、薄片積層材料15における左右の端部側部分は、筒状金型11の左右の壁面部11c,11dに向かって展延していく。
【0022】
この際、薄片積層材料15が展延していく両方向では、成形用凹部14の幅が狭くなっている。このため、薄片積層材料15の展延する部分には、それぞれ両端部側部分14b側の壁面部11a,11bによる抵抗力が加わる。この抵抗力のため、薄片積層材料15の展延方向の左右部分は、先細りになるように付勢されて、その密度が上昇していく。
【0023】
そして、下金型12と上金型13との間隔が、図3に示すように、所定の長さになったところで、加圧を停止する。つぎに、真空チャンバの取出し口から、熱間鍛造された成形体を取り出すことにより、図4に示した成形体18が得られる。そして、成形体18を所定の寸法に切断して直方体の熱電素子に形成する。なお、成形体18の各部分の寸法は、全長が80mmで、厚みが5mmに設定されている。また、薄片積層材料15の寸法は、縦横高さともに20mmに設定されていた。
【0024】
このように、この実施形態によれば、筒状金型11の成形用凹部14における薄片積層材料15が展延する方向の端部側部分14bの幅を狭くしている。このため、薄片積層材料15における展延方向における端部にも圧力が加わり、成形された成形体18の端部からも密度の高い性能に優れた熱電素子を得ることができる。このため、成形体18の歩留まりが向上するとともに、得られた熱電素子の性能が安定するようになる。
【0025】
また、この成形体18に対して、X線回析と電気抵抗率の測定とを行った。この場合、試料としては、成形体18の中央部から20mmの位置と30mmの位置との間にある部分における幅方向の中央部分とした。その結果、X線回析装置の測定による成形体18の最も大きなピークである(0015)面のピークにおけるビスマス−テルルのメインピークである(015)面のピークに対する強度比は、135%であった。また、電気抵抗率は、0.86×10−5Ωmであった。
【0026】
また、比較例として、筒状金型の成形用凹部を一定の幅にした従来の金型を用いて、前述した熱間鍛造と同じ条件で薄片積層材料15を熱間鍛造して成形体を得た。そして、この成形体に対しても、同様のX線回析と電気抵抗率の測定とを行った。この場合の試料としても、成形体18の試料と同様の位置にある部分とした。その結果、X線回析装置の測定による強度比は、29%であった。また、電気抵抗率は、1.03×10−5Ωmであった。
【0027】
強度比は、配向性に優れている成形体ほど値が大きくなるもので、この結果から、筒状金型11の成形用凹部14における薄片積層材料15が展延する方向の端部側部分14bの幅を狭くすることによって、得られる成形体18の配向性が大幅に向上することがわかる。また、電気抵抗率の値は、小さいほど性能のよい成形体であると言う事ができ、この結果から、従来の方法によって得られた成形体よりも成形体18の方が性能に優れたものであることが分かる。
【0028】
また、成形体18の配向性や性能は、成形用凹部14における端部側部分14bの幅の絞り量によっても変化する。この絞り量として好ましい条件は、図4に示した成形体18における幅広部18aの幅をa、幅狭部18bの幅をb、幅狭部18bの長さと、幅広部18aと幅狭部18bとの間の傾斜部18cの長さ(横方向の長さ)との合計長さをc、傾斜部18cの長さをdとしたときに、b/a(%)が、10〜99で、d/c(%)が、0〜100の範囲になることである。この範囲に設定することにより、特に良好な成形体を得ることができる。
【0029】
図5は、本発明の他の実施形態で用いられる筒状金型21の横断面を示している。この筒状金型21では成形用凹部24の平面視による形状が、中央部分24aが幅広に設定され、その両側の端部側部分24bの幅が、それぞれ端部の壁面部21c,21dに近づくにしたがって細くなるように設定されている。この筒状金型21を備えた金型で、薄片積層材料15を熱間鍛造すると、薄片積層材料15における展延方向における端部には、熱間鍛造が終了するまで常に、壁面部21a,21bによる圧力が加わるようになる。このため、得られる成形体の密度は全体にわたって略均一な状態になる。この結果、これによっても密度の高い性能に優れた熱電素子を得ることができる。
【0030】
図6は、本発明のさらに他の実施形態で用いられる筒状金型31の横断面を示している。この筒状金型31では成形用凹部34の平面視による形状が、中央部分34aが筒状金型21の中央部分24aと同様の幅広に設定されている。そして、その両側の端部側部分34bの幅は、それぞれ端部の壁面部31c,31dに近づくにしたがって細くなるように設定されているが、その形状は、中央部分34aに近い部分ほど大きな傾斜によって急に狭められ、壁面部31c,31dに近づくほど小さな傾斜で徐々に狭められている。
【0031】
この筒状金型31を備えた金型で、薄片積層材料15を熱間鍛造すると、薄片積層材料15における展延方向における端部には、初期の段階で壁面部31a,31bにより大きな付勢力が加わり熱間鍛造の終了時に近づくほど付勢力は小さくなる。これによると、初期段階で密度を大きく向上させ、そののちに徐々に密度を上げて行くため、無理のない状態で成形体全体を略均一な状態にすることができる。これによっても密度の高い性能に優れた熱電素子を得ることができる。
【0032】
図7は、本発明の他の実施形態で用いられる筒状金型41の横断面を示している。この筒状金型41では成形用凹部44の平面視による形状が、中央部分44aが幅広に設定され、その両側の端部側部分44bの幅が、それぞれ端部の壁面部41c,41dに近づくにしたがって細くなったのちに一定の幅になるように設定されている。この筒状金型41を備えた金型で、薄片積層材料15を熱間鍛造すると、薄片積層材料15における展延方向における端部には、初期の段階で壁面部41a,41bにより大きな圧力が加わりその後、殆ど圧力が加わらない状態になる。これによると、初期段階で密度を大きく向上させることができるため、のちに圧力を加えなくても成形体全体を略均一な状態にすることができる。これによっても密度の高い性能に優れた熱電素子を得ることができる。
【0033】
このように、本発明にかかる薄片積層材料の熱間鍛造方法およびそれに用いる金型10等によれば、薄片積層材料15の歩留まりおよび得られた成形体18等の性能が向上するとともに、成形体18等の性能が安定するようになる。また、前述した実施形態では、金型10の下金型12および上金型13の双方を移動させて、薄片積層材料15等を熱間鍛造するようにしているが、この金型10は、これに限るものでなく、下金型12を固定して、上金型13を移動させるようにしてもよいし、上金型13を固定して、下金型12を移動させるようにしてもよい。また、成形用凹部や下金型および上金型の形状も前述した各実施形態によるものに限らず、適宜変更実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態で用いられる金型の概略を示す縦断面図である。
【図2】図1の金型の筒状金型を示す横断面図である。
【図3】図1に示した金型で薄片積層材料を熱間鍛造した状態を示す縦断面図である。
【図4】成形体を示す斜視図である。
【図5】他の実施形態で用いる筒状金型の横断面図である。
【図6】さらに他の実施形態で用いる筒状金型の横断面図である。
【図7】さらに他の実施形態で用いる筒状金型の横断面図である。
【符号の説明】
10…金型、11,21,31,41…筒状金型、11a,11b,11c,11d,21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31d,41a,41b,41c,41d…壁面部、12…下金型、12a…設置面、13…上金型、13a…加圧面、14,24,34,44…成形用凹部、15…薄片積層材料、18…成形体。
Claims (3)
- 周囲が壁面部で構成された筒状成形型と、前記筒状成形型内で相対的に進退可能な2個の加圧部を備えた金型を用い、薄片積層材料を加熱した状態で前記2個の加圧部の相対向する加圧面で挟んで加圧することにより、前記薄片積層材料を加圧方向と直交する所定の壁面部の方向に展延させて薄板状に成形する薄片積層材料の熱間鍛造方法であって、
前記2個の加圧部の加圧によって、前記薄片積層材料を展延させる際に、前記薄片積層材料における展延する先端部分が先細りになるように前記先端部分を付勢することを特徴とする薄片積層材料の熱間鍛造方法。 - 周囲が壁面部で構成された成形用凹部を有する筒状成形型と、前記成形用凹部内で相対的に進退可能な2個の加圧部を備え、薄片積層材料を前記2個の加圧部の相対向する加圧面で挟んで加圧することにより、加圧方向と直交する所定の壁面部の方向に展延させて薄板状に成形する薄片積層材料の熱間鍛造で用いる金型であって、
前記筒状成形型の成形用凹部および前記2個の加圧部における加圧方向に直交する面の形状を、中央部の幅が広く両端部の幅が狭くなるように設定したことを特徴とする薄片積層材料の熱間鍛造で用いる金型。 - 前記成形用凹部および前記2個の加圧部における幅の広い部分の幅をa、幅の狭い部分の幅をb、幅の狭い部分の長さと、幅の広い部分と幅の狭い部分との間の傾斜部分の長さとの合計長さをc、幅の広い部分と幅の狭い部分との間の傾斜部分の長さをdとしたときに、b/a(%)が10〜99で、d/c(%)が0〜100の範囲になるように各部分の寸法を設定した請求項2に記載の薄片積層材料の熱間鍛造で用いる金型。
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CN115141019A (zh) * | 2022-07-15 | 2022-10-04 | 湖北赛格瑞新能源科技有限公司 | 一种利用累积热镦制备p型碲化铋基热电材料的方法 |
-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003006347A patent/JP2004216423A/ja active Pending
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CN115141019A (zh) * | 2022-07-15 | 2022-10-04 | 湖北赛格瑞新能源科技有限公司 | 一种利用累积热镦制备p型碲化铋基热电材料的方法 |
CN115141019B (zh) * | 2022-07-15 | 2023-09-08 | 湖北赛格瑞新能源科技有限公司 | 一种利用累积热镦制备p型碲化铋基热电材料的方法 |
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