JP2009242867A - 超高純度アルミニウム高圧延材の製造方法 - Google Patents
超高純度アルミニウム高圧延材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009242867A JP2009242867A JP2008090698A JP2008090698A JP2009242867A JP 2009242867 A JP2009242867 A JP 2009242867A JP 2008090698 A JP2008090698 A JP 2008090698A JP 2008090698 A JP2008090698 A JP 2008090698A JP 2009242867 A JP2009242867 A JP 2009242867A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolled material
- purity aluminum
- ultra
- hot
- treatment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の製造方法は、上記熱間圧延材に、1パス加工率30%超40%未満で加工温度110℃以上260℃未満の冷間圧延処理を3時間以内の処理間隔で繰り返し施すことを特徴とする。得られた高純度アルミニウムの圧延材に400〜600℃の温度で1時間以上保持する焼鈍処理を施して高電気伝導・高熱伝導性超高純度アルミニウム材を製造できる。
【選択図】なし
Description
得られた熱間圧延材に圧延処理を施して、該熱間圧延材に対する加工率が40%超の超高純度アルミニウム高圧延材を製造する方法であり、
前記熱間圧延材に、1パス加工率30%超40%未満で加工温度110℃以上260℃未満の冷間圧延処理を3時間以内の処理間隔で繰り返し施すことを特徴とする前記高純度アルミニウム高圧延材の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法に適用される超高純度アルミニウム鋳塊材は、純度99.9999%以上、通常は99.99999%未満であり、例えば超高純度アルミニウムを加熱溶融して溶湯とし、得られた超高純度アルミニウム溶湯を冷却固化させる通常の方法で得ることができる。溶湯の温度は超高純度アルミニウムの溶融温度以上であり、通常は700℃〜800℃である。超高純度アルミニウムの加熱溶融は、通常、真空中あるいは窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下に、黒鉛製ルツボ内で行われる。超高純度アルミニウム溶湯の冷却固化は通常、例えば鋳鉄製鋳型内、黒鉛製鋳型内などで行われる。
Fe、Si、Cu、B 、Mg、Ti、V、Cr、Ni、Zn、
Ga、As、Zr、Ce、Nd、Li、Be、Na、K、Ca、
Mn、Co、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、La、
La、Pt、Hg、Pb、Bi、ThおよびUについて、それぞれ元素の含有量を求め、その合計量を100%から差し引くことにより求めることができる。これらの元素の含有量は、それぞれグロー放電質量分析法により定量することができる。超高純度アルミニウム鋳塊材は、上記37元素以外の不可避不純物を含んでいてもよい。
かかる超高純度アルミニウム鋳塊材に熱間圧延処理を施して熱間圧延材を得る。熱間圧延処理は、通常の方法、例えば加熱した鋳塊材を一対のロールの間に挟み込むことにより圧力を加えながら、これらのロール間を通過させる方法などにより施される。熱間圧延処理温度は、通常260℃以上600℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下である。
熱間圧延加工率(%)=[(SH0−SH)/SH0]×100・・・(1)
により求められる熱間圧延加工率は、通常50%〜90%、好ましくは60%〜80%である。
熱間圧延処理は、1回で行われてもよいし、複数回に分けて繰り返し施されてもよい。
熱間圧延処理により得られた熱間圧延材に、冷間圧延処理を繰り返し施す。冷間圧延処理は、通常の方法、例えば熱間圧延処理により得られた熱間圧延材を一対のロールの間に挟み込むことより圧力を加えながら、これらのロール間を通過させる方法などにより施される。
冷間圧延加工率(%)=[(S10−S1)/S10]×100・・・(2)
により求められる。1パス加工率は、30%超であり、40%未満である。
冷間圧延処理の加工温度は60℃以上、好ましくは65℃以上であり、260℃未満、好ましくは200℃以下である。冷間圧延処理中、大気中などへの放熱により上記加工温度を保てなくなることがあるが、このような場合には、圧延処理を一旦中断し、再度加熱してから圧延処理を再開してもよいし、外部から加熱しながら圧延処理を施してもよい。
本発明の製造方法では、上記の冷間圧延処理を繰り返し施すことにより、超高純度アルミニウム高圧延材を得る。繰り返し回数は、冷間圧延処理の1パス加工率により異なり、熱間圧延材に対する加工率が40%超となるまで行われる。
加工率(%)=[(SH−S)/SH]×100・・・(4)
により求められる。
かくして目的の超高純度アルミニウム高圧延材を得るが、得られた超高純度アルミニウム高圧延材に焼鈍処理を施してもよい。焼鈍処理は、例えば超高純度アルミニウム高圧延材を400℃〜600℃の温度で、1時間以上、好ましくは3時間以上、通常は24時間以下保持することにより行われる。焼鈍処理を施すことにより、電気伝導率および熱伝導率がより高い高電気伝導・高熱伝導性超高純度アルミニウム材を得ることができる。
本発明の製造方法により得られる超高純度アルミニウム高圧延材は、例えば冷凍機、クライオポンプ、超電導マグネットなどにおいて20K以下の極低温で使用される電気伝導体や熱伝導体などに好適に用いられる。
〔超高純度アルミニウム鋳塊材の鋳造〕
第1表に示す元素組成の超高純度アルミニウム〔純度99.99992%〕を黒鉛ルツボ中、真空下に780℃に加熱し、得られた高純度アルミニウム溶湯を鋳鉄製鋳型〔150℃〕に流し込んで、板状〔縦150mm×横200mm×厚み22mm〕とし、全表面を1mm深さまで研削し、縦50mm×横50mmに切り出して厚み20mmの高純度アルミニウム鋳塊材を得た。なお、用いた高純度アルミニウム中の元素含有量は、それぞれグロー放電質量分析機〔サーモエレクトロン社製「VG9000」〕を用いてグロー放電質量分析法により測定した。
(単位:ppm)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
元素 含有量 元素 含有量 元素 含有量 元素 含有量
────────────────────────────────────────
Si 0.37 Cu 0.11 Mg 0.12
────────────────────────────────────────
Fe 0.064 Ti 0.035 V 0.033 Cr 0.040
Zr 0.020
────────────────────────────────────────
B 0.002 Ni 0.003 Zn 0.002 Ga<0.001
As<0.001 Ce<0.001 Li 0.001 Be<0.001
Na<0.001 K 0.008 Ca 0.009 Mn 0.006
Co<0.001 Mo 0.003 Ag<0.001 Cd 0.002
In<0.001 Sn 0.002 Sb<0.001 Ba<0.001
La<0.001 Pt<0.001 Hg 0.002 Pb<0.001
Bi<0.001 Th<0.0003 U <0.0003
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表中、Ga、As、Ce、Be、Na、Co、Ag、In、Sb、Ba、La、Pt、PbおよびBiの含有量は、それぞれ検出下限(0.001ppm)未満であったことを示す。ThおよびUの含有量は検出下限(0.0003ppm)以下であったことを示す。
得られた高純度アルミニウム鋳塊材に、加工温度500℃、1パス加工率20%の熱間圧延処理を4回繰り返し施して、熱間圧延材〔縦52mm×横120mm×厚み8mm〕を得た。
得られた熱間圧延材に、室温(25℃)雰囲気下、120℃〜250℃の温度範囲に維持しながら1パス加工率37%の冷間圧延処理を6回施して、超高純度アルミニウム高圧延材(厚み0.5mm)を得た。冷間圧延処理の間、圧延材は、250℃まで加熱してから圧延処理を施し、圧延処理中に120℃になった時点で、直ちに圧延処理を中断し、再び250℃に加熱する操作を繰り返した。得られた超高純度アルミニウム高圧延材の表面のビッカース硬度を測定したところ、25.9であった。
冷間圧延処理の1パス加工率を60%とし、第二冷間圧延処理の回数を3回とした以外は実施例3と同様に操作して超高純度アルミニウム高圧延材(厚み0.5mm)を得た。この超高純度アルミニウム高圧延材の表面のビッカース硬度は17.3であった。
Claims (2)
- 純度99.9999%以上の超高純度アルミニウム鋳塊材に加工温度260℃以上の熱間圧延処理を施すことにより熱間圧延材を得、
得られた熱間圧延材に圧延処理を施して、該熱間圧延材に対する加工率が40%超の超高純度アルミニウム高圧延材を製造する方法であり、
前記熱間圧延材に、
1パス加工率30%超40%未満で加工温度110℃以上260℃未満の冷間圧延処理
を3時間以内の処理間隔で
繰り返し施す
ことを特徴とする前記高純度アルミニウム高圧延材の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法で前記超高純度アルミニウム高圧延材を得、得られた高圧延材に400℃〜600℃の温度で1時間以上保持する焼鈍処理を施すことを特徴とする高電気伝導・高熱伝導性超高純度アルミニウム材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008090698A JP5098753B2 (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 超高純度アルミニウム高圧延材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008090698A JP5098753B2 (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 超高純度アルミニウム高圧延材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009242867A true JP2009242867A (ja) | 2009-10-22 |
JP5098753B2 JP5098753B2 (ja) | 2012-12-12 |
Family
ID=41305098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008090698A Expired - Fee Related JP5098753B2 (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 超高純度アルミニウム高圧延材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5098753B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012091226A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-05-17 | Sumitomo Chemical Co Ltd | アルミニウム圧延材およびその製造方法 |
GB2490423A (en) * | 2011-04-28 | 2012-10-31 | Kek High Energy Accelerator | Thermal conductor for superconductor made from high purity aluminium alloy |
GB2490424A (en) * | 2011-04-28 | 2012-10-31 | Kek High Energy Accelerator | Magnetic shield made from aluminium alloy with a purity of a least 99.999 % |
CN106042693A (zh) * | 2016-06-05 | 2016-10-26 | 衢州意派家居制品有限公司 | 一种制备铝型材表面压纹烫金的方法 |
JP2018017073A (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-01 | 住友化学株式会社 | 改修排水ドレン用アルミニウム材、改修排水ドレン用板状構造体およびその製造方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0466204A (ja) * | 1990-06-30 | 1992-03-02 | Nippon Foil Mfg Co Ltd | 電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法 |
JPH06210308A (ja) * | 1992-11-20 | 1994-08-02 | Fuji Photo Film Co Ltd | 平版印刷版用支持体の製造方法 |
JPH1136054A (ja) * | 1997-07-18 | 1999-02-09 | Nippon Foil Mfg Co Ltd | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 |
JP2007063671A (ja) * | 2006-09-25 | 2007-03-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 冷間加工材 |
JP2007070733A (ja) * | 2006-10-06 | 2007-03-22 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 冷間加工材 |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008090698A patent/JP5098753B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0466204A (ja) * | 1990-06-30 | 1992-03-02 | Nippon Foil Mfg Co Ltd | 電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法 |
JPH06210308A (ja) * | 1992-11-20 | 1994-08-02 | Fuji Photo Film Co Ltd | 平版印刷版用支持体の製造方法 |
JPH1136054A (ja) * | 1997-07-18 | 1999-02-09 | Nippon Foil Mfg Co Ltd | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 |
JP2007063671A (ja) * | 2006-09-25 | 2007-03-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 冷間加工材 |
JP2007070733A (ja) * | 2006-10-06 | 2007-03-22 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 冷間加工材 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012091226A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-05-17 | Sumitomo Chemical Co Ltd | アルミニウム圧延材およびその製造方法 |
GB2490423A (en) * | 2011-04-28 | 2012-10-31 | Kek High Energy Accelerator | Thermal conductor for superconductor made from high purity aluminium alloy |
GB2490424A (en) * | 2011-04-28 | 2012-10-31 | Kek High Energy Accelerator | Magnetic shield made from aluminium alloy with a purity of a least 99.999 % |
US9103005B2 (en) | 2011-04-28 | 2015-08-11 | Inter-University Research Institute Corporation High Energy Accelerator Research Organization | Magnetic shielding material for superconducting magnet |
CN106042693A (zh) * | 2016-06-05 | 2016-10-26 | 衢州意派家居制品有限公司 | 一种制备铝型材表面压纹烫金的方法 |
JP2018017073A (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-01 | 住友化学株式会社 | 改修排水ドレン用アルミニウム材、改修排水ドレン用板状構造体およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5098753B2 (ja) | 2012-12-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5086598B2 (ja) | 冷間加工材 | |
CN102892908B (zh) | 电子器件用铜合金及其制造方法及电子器件用铜合金轧材 | |
CN103938031B (zh) | 一种无磁性、高强度织构Ni-W合金基带的制备方法 | |
JP5086592B2 (ja) | 冷間加工材 | |
WO2021177469A1 (ja) | 純銅板 | |
US20210207239A1 (en) | REDUCING ORDERED GROWTH IN SOFT-MAGNETIC Fe-Co ALLOYS | |
EP3085799B1 (en) | Copper alloy and method for manufacturing the same | |
KR101698656B1 (ko) | 구리 합금 선재 및 그 제조 방법 | |
JP5098753B2 (ja) | 超高純度アルミニウム高圧延材の製造方法 | |
JPS6159390B2 (ja) | ||
WO2021177461A1 (ja) | 純銅板、銅/セラミックス接合体、絶縁回路基板 | |
CN102356180A (zh) | 溅射用镧靶 | |
JP5098751B2 (ja) | 超高純度アルミニウム高圧延材の製造方法 | |
US10072321B2 (en) | Copper nickel alloy | |
JP5098750B2 (ja) | 高純度アルミニウムの圧延材の製造方法 | |
JP2021531412A (ja) | 銅合金の使用 | |
CN101465406B (zh) | 高性能多晶织构Fe-Ga基磁致伸缩薄片材料及其制备方法 | |
JPS6333563A (ja) | スパツタリング用Pt−Ni合金タ−ゲツトの製造方法 | |
KR102044983B1 (ko) | 고내식 마그네슘 합금 및 그 제조방법 | |
JP5252722B2 (ja) | 高強度・高導電性銅合金及びその製造方法 | |
WO2023127851A1 (ja) | 銅合金異形条材、電子・電気機器用部品、端子、バスバー、リードフレーム、放熱基板 | |
RU2481674C1 (ru) | Способ изготовления подложки для высокотемпературных тонкопленочных сверхпроводников и подложка | |
CN114345974B (zh) | 一种CuCoCrFeNi高熵合金线材的制备方法 | |
JP2023097756A (ja) | 銅合金、銅合金塑性加工材、電子・電気機器用部品、端子、バスバー、リードフレーム、放熱基板 | |
JP4224865B2 (ja) | 高珪素電磁鋼板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101221 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120820 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120828 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120910 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5098753 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |