JP2004216313A - 排ガス処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒素酸化物を効率よく除去しながら浄化ガスへのリークアンモニア量を低減することができる排ガスの処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、NOxを含む排ガスにNH3を添加し、排ガスを活性炭と接触させることで排ガス中のNOxを除去して浄化ガスを得る排ガス処理装置1において、活性炭を収容する吸着塔2、吸着塔2に排ガスを導入するライン3、ライン3にNH3を導入するNH3導入手段8、ライン3にオゾンを導入するオゾン導入手段6を備える。この場合、オゾン導入手段6によりライン3にオゾンが導入され、吸着塔2でオゾンと活性炭とが接触され、活性炭の表面に活性の高い酸素が結合すると考えられる。このため、NOx及びNH3を含む排ガスを活性炭と接触させることで浄化ガスへのリークNH3を低減でき且つNOxを効率よく除去可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、NOxを含む排ガスにNH3を添加し、排ガスを活性炭と接触させることで排ガス中のNOxを除去して浄化ガスを得る排ガス処理装置1において、活性炭を収容する吸着塔2、吸着塔2に排ガスを導入するライン3、ライン3にNH3を導入するNH3導入手段8、ライン3にオゾンを導入するオゾン導入手段6を備える。この場合、オゾン導入手段6によりライン3にオゾンが導入され、吸着塔2でオゾンと活性炭とが接触され、活性炭の表面に活性の高い酸素が結合すると考えられる。このため、NOx及びNH3を含む排ガスを活性炭と接触させることで浄化ガスへのリークNH3を低減でき且つNOxを効率よく除去可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒素酸化物を含む排ガスの処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】
排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を、活性炭等の炭素質吸着剤を用いて除去することにより浄化ガスを得る排ガス処理方法が知られている(例えば特開2001−157822号公報)。この排ガス処理方法においては、排ガス中の窒素酸化物は、炭素質吸着剤に吸着された後、排ガス中に添加されたアンモニアにより還元されてN2とH2Oに変換される。従って、排ガス中へのアンモニア添加量を増加させることにより窒素酸化物の除去率を向上させることが可能となる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−157822号公報(第1頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の排ガス処理方法は以下に示す課題を有する。
【0005】
すなわち上記従来の排ガス処理方法では、アンモニア添加量を減少させると窒素酸化物を十分に除去できず、窒素酸化物を十分に除去しようとするとアンモニア添加量を増加せざるを得なくなり、浄化ガスへのリークアンモニア量が増加する。つまり、窒素酸化物の除去率向上と浄化ガスへのリークアンモニア量の低減を両立させることが困難であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、窒素酸化物を効率よく除去しながら浄化ガスへのリークアンモニア量を低減することができる排ガスの処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した。すなわち炭素質吸着剤を用いた排ガス処理方法においては、炭素質吸着剤は一般に吸着剤として機能するものと考えられており、排ガス中の一酸化窒素及び二酸化窒素の除去、すなわち排ガスの脱硝は、以下の化学反応式で起こるものと説明されている。
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O
6NO2+8NH3 →7N2+12H2O
【0008】
上記化学反応式に示されるように、アンモニアの量が排ガス中の窒素酸化物量に対して過剰になると、アンモニアが未反応のまま炭素質吸着剤を通過し、浄化ガス中にアンモニアがリークする。この現象は、アンモニアが窒素酸化物に対して過剰になるほど顕著になる。
【0009】
本発明者等は、このような従来技術の問題点を踏まえて鋭意検討を進めた結果、炭素質吸着剤にオゾンを接触させることにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアを添加するアンモニア添加工程と、前記排ガスを炭素質吸着剤と接触させることにより排ガス中の窒素酸化物を除去して浄化ガスを得る排ガス接触工程とを含む排ガス処理方法において、前記炭素質吸着剤とオゾンとを接触させるオゾン接触工程を含むことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、炭素質吸着剤とオゾンとを接触させると、炭素質吸着剤が酸化され、炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素が結合すると考えられる。この場合、窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアが添加され、この排ガスが炭素質吸着剤と接触されると、以下の2段階の反応が起こると考えられる。
C=・O+NH3+NO → C−OH+N2+H2O・・・(1)
(式中、「・」は不対電子を表す)
C−OH+1/4O2 → C=・O+1/2H2O ・・・(2)
【0012】
上記(1)式に示されるように、第1段階の反応では、排ガス中の窒素酸化物であるNOが炭素質吸着剤の表面に吸着される。一方、上述したように炭素質吸着剤の表面には活性の高い酸素が結合すると考えられる。このため、排ガスに添加されたアンモニアは、炭素質吸着剤に吸着されたNOを還元するのみならず、炭素質吸着剤の表面に結合した酸素と反応し、N2とH2Oに変換される。従って、排ガスに添加されたアンモニアが排ガス中のNOに対して過剰であったとしても、そのアンモニアを、炭素質吸着剤の表面に結合した活性の高い酸素と反応させることができる。しかも、上記(2)式に示されるように、第2段階の反応では、一旦活性を失ったC−OHが排ガス中の酸素と反応して再び活性の高いC=・Oの状態に戻る。従って、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【0013】
上記方法においては、前記オゾン接触工程を、前記排ガス接触工程の前に行うことが好ましい。
【0014】
この場合、炭素質吸着剤とオゾンとが接触されることにより炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素が高密度に結合すると考えられる。このため、この後に、窒素酸化物及びアンモニアを含有する排ガスを炭素質吸着剤と接触させても、排ガス導入直後から、リークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【0015】
また本発明は、窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアを添加するアンモニア添加し、前記排ガスを炭素質吸着剤と接触させることにより排ガス中の窒素酸化物を除去して浄化ガスを得る排ガス処理装置において、前記炭素質吸着剤を収容する吸着塔と、前記吸着塔に接続され、前記吸着塔に前記排ガスを導入する排ガス導入ラインと、前記排ガス導入ラインにアンモニアを導入するアンモニア導入手段と、前記排ガス導入ラインにオゾンを導入するオゾン導入手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
この排ガス処理装置は、上記排ガス処理方法を有効に実施できる。すなわちオゾン導入手段により排ガス導入ラインにオゾンが導入されると、オゾンは排ガス導入ラインを経て吸着塔に導入され、オゾンと炭素質吸着剤とが接触される。このとき、炭素質吸着剤が酸化され、炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素(=・O)が結合すると考えられる。このため、窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアを添加し、この排ガスを炭素質吸着剤と接触させることにより、上記2段階の反応が起こり、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の排ガス処理装置の一実施形態を示すフロー図である。図1に示すように、排ガス処理装置1は、吸着層を収容する吸着塔2を備えており、吸着層は、炭素質吸着剤から構成されている。ここで、炭素質吸着剤としては通常、活性炭が用いられるが、活性炭以外に活性チャー、活性コークスなどを用いることもできる。
【0019】
吸着塔2の入口側には、窒素酸化物(NOx)を含有する排ガスを導入する排ガス導入ライン3が接続され、出口側には、吸着塔2で浄化された浄化ガスを排出する浄化ガス排出ライン4が接続されている。排ガス導入ライン3には、オゾン導入ライン5を介してオゾン発生装置6が接続され、アンモニア導入ライン7を介してアンモニア供給装置8が接続されている。オゾン発生装置6としては、オゾナイザーが用いられ、アンモニア供給装置8としては、例えばアンモニアを収容したアンモニアボンベが用いられる。
【0020】
なお、オゾン導入ライン5及びオゾン発生装置6によりオゾン導入手段が構成され、アンモニア導入ライン7及びアンモニア供給装置8によりアンモニア導入手段が構成されている。
【0021】
また吸着塔2には、吸着剤移送ライン9を介して再生塔10が接続されている。再生塔10は、使用済みの炭素質吸着剤を加熱し、吸着された窒素酸化物を炭素質吸着剤から脱離させて炭素質吸着剤を再生するものである。
【0022】
次に、上述した排ガス処理装置1における排ガス処理方法について説明する。
【0023】
まずオゾン発生装置6で発生したオゾンを、オゾン導入ライン5を経て排ガス導入ライン3に導入する。そして、オゾンを、排ガス導入ライン5を経て吸着塔2に導入し、オゾンと炭素質吸着剤とを接触させる(オゾン接触工程)。これにより、炭素質吸着剤が酸化され、炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素(=・O)が結合すると考えられる。すなわち炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素が高密度で結合すると考えられる。
【0024】
次に、窒素酸化物を含有する排ガスを排ガス導入ライン3により移送する。このとき、アンモニア供給装置8により、アンモニア導入ライン7を経てアンモニアを排ガス導入ライン3に導入し、排ガスにアンモニアを添加する(アンモニア添加工程)。そして、この排ガスを、排ガス導入ライン3を経て吸着塔2に導入し、炭素質吸着剤と接触させる(排ガス接触工程)。
【0025】
このとき、吸着塔2においては、以下の2段階の反応が起こっているものと考えられる。
C=・O+NH3+NO → C−OH+N2+H2O・・・(1)
(式(1)中、「・」は不対電子を表す)
C−OH+1/4O2 → C=・O+1/2H2O ・・・(2)
【0026】
上記(1)式に示されるように、第1段階の反応では、排ガス中のNOが炭素質吸着剤の表面に吸着される。一方、上述したように炭素質吸着剤の表面には活性の高い酸素が高密度で結合していると考えられる。このため、排ガス中のアンモニアは、炭素質吸着剤に吸着されたNOを還元するのみならず、炭素質吸着剤の表面に結合した酸素と反応し、N2とH2Oに変換される。従って、排ガスに添加されたアンモニアが排ガス中のNOに対して過剰であったとしても、そのアンモニアを、炭素質吸着剤の表面に結合した活性の高い酸素と反応させることができる。
【0027】
しかも、上記(2)式に示されるように、第2段階の反応では、一旦活性を失ったC−OHが排ガス中の酸素と反応して再び活性の高いC=・Oの状態に戻る。従って、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることができる。また排ガス中に酸素が存在することにより、C=・Oが一旦活性を失ってC−OHとなっても、酸化により再び活性の高いC=・Oに戻されるため、一旦オゾンを炭素質吸着剤と接触させれば、それ以降は炭素質吸着剤を酸化するためにオゾンを多量に添加せずに済む。従って、オゾンの使用量を少なくすることができ、ランニングコストを極めて低く抑えることができる。
【0028】
また既に述べたように、炭素質吸着剤の表面には、活性の高い酸素が高密度で結合していると考えられる。このため、窒素酸化物及びアンモニアを含有する排ガスを吸着塔2に導入しても、排ガス導入直後から浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることができる。よって、浄化ガス排出ライン4からは、十分に浄化されたガスが排出されることになる。
【0029】
なお、こうして排ガスを脱硝処理していると、次第に炭素質吸着剤における脱硝能力が低下してくる。そこで、一定時間経過するか、あるいは浄化ガス排出ライン4を通る排ガス中の窒素酸化物濃度が高くなったならば、炭素質吸着剤を吸着剤移送ライン9を経て再生塔10に移送し、炭素質吸着剤の再生を行う。再生は通常、炭素質吸着剤を加熱し、炭素吸着剤に付着した付着物を脱離させることにより行えばよい。再生した炭素質吸着剤は、ベルトコンベア等で再び吸着塔2に戻される。戻された後は、再び炭素質吸着剤とオゾンを接触させる必要がある。
【0030】
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、排ガスを吸着塔2に導入する前にオゾンと炭素質吸着剤とを接触させているが、排ガスを吸着塔2に導入する時にオゾンを排ガスに添加してもよい。この場合は、オゾン発生装置6で発生したオゾンがオゾン導入ライン5を経て排ガス導入ライン3に導入され、排ガス中にオゾンが添加される。この場合、排ガスが吸着塔2に導入される時にオゾンと炭素質吸着剤とが接触するが、この場合でも、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の排ガス処理方法及び装置によれば、炭素質吸着剤とオゾンとを接触させることにより炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素を結合させることができるため、排ガスに添加したアンモニアが過剰であっても、そのアンモニアを炭素質吸着剤に吸着した窒素酸化物の還元と活性の高い酸素との反応とに使用することができ、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス処理装置の一実施形態を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…排ガス処理装置、2…吸着塔、3…排ガス導入ライン、5…オゾン導入ライン(オゾン導入手段)、6…オゾン発生装置(オゾン導入手段)、7…アンモニア導入ライン(アンモニア導入手段)、8…アンモニア供給装置(アンモニア導入手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒素酸化物を含む排ガスの処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】
排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を、活性炭等の炭素質吸着剤を用いて除去することにより浄化ガスを得る排ガス処理方法が知られている(例えば特開2001−157822号公報)。この排ガス処理方法においては、排ガス中の窒素酸化物は、炭素質吸着剤に吸着された後、排ガス中に添加されたアンモニアにより還元されてN2とH2Oに変換される。従って、排ガス中へのアンモニア添加量を増加させることにより窒素酸化物の除去率を向上させることが可能となる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−157822号公報(第1頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の排ガス処理方法は以下に示す課題を有する。
【0005】
すなわち上記従来の排ガス処理方法では、アンモニア添加量を減少させると窒素酸化物を十分に除去できず、窒素酸化物を十分に除去しようとするとアンモニア添加量を増加せざるを得なくなり、浄化ガスへのリークアンモニア量が増加する。つまり、窒素酸化物の除去率向上と浄化ガスへのリークアンモニア量の低減を両立させることが困難であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、窒素酸化物を効率よく除去しながら浄化ガスへのリークアンモニア量を低減することができる排ガスの処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した。すなわち炭素質吸着剤を用いた排ガス処理方法においては、炭素質吸着剤は一般に吸着剤として機能するものと考えられており、排ガス中の一酸化窒素及び二酸化窒素の除去、すなわち排ガスの脱硝は、以下の化学反応式で起こるものと説明されている。
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O
6NO2+8NH3 →7N2+12H2O
【0008】
上記化学反応式に示されるように、アンモニアの量が排ガス中の窒素酸化物量に対して過剰になると、アンモニアが未反応のまま炭素質吸着剤を通過し、浄化ガス中にアンモニアがリークする。この現象は、アンモニアが窒素酸化物に対して過剰になるほど顕著になる。
【0009】
本発明者等は、このような従来技術の問題点を踏まえて鋭意検討を進めた結果、炭素質吸着剤にオゾンを接触させることにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアを添加するアンモニア添加工程と、前記排ガスを炭素質吸着剤と接触させることにより排ガス中の窒素酸化物を除去して浄化ガスを得る排ガス接触工程とを含む排ガス処理方法において、前記炭素質吸着剤とオゾンとを接触させるオゾン接触工程を含むことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、炭素質吸着剤とオゾンとを接触させると、炭素質吸着剤が酸化され、炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素が結合すると考えられる。この場合、窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアが添加され、この排ガスが炭素質吸着剤と接触されると、以下の2段階の反応が起こると考えられる。
C=・O+NH3+NO → C−OH+N2+H2O・・・(1)
(式中、「・」は不対電子を表す)
C−OH+1/4O2 → C=・O+1/2H2O ・・・(2)
【0012】
上記(1)式に示されるように、第1段階の反応では、排ガス中の窒素酸化物であるNOが炭素質吸着剤の表面に吸着される。一方、上述したように炭素質吸着剤の表面には活性の高い酸素が結合すると考えられる。このため、排ガスに添加されたアンモニアは、炭素質吸着剤に吸着されたNOを還元するのみならず、炭素質吸着剤の表面に結合した酸素と反応し、N2とH2Oに変換される。従って、排ガスに添加されたアンモニアが排ガス中のNOに対して過剰であったとしても、そのアンモニアを、炭素質吸着剤の表面に結合した活性の高い酸素と反応させることができる。しかも、上記(2)式に示されるように、第2段階の反応では、一旦活性を失ったC−OHが排ガス中の酸素と反応して再び活性の高いC=・Oの状態に戻る。従って、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【0013】
上記方法においては、前記オゾン接触工程を、前記排ガス接触工程の前に行うことが好ましい。
【0014】
この場合、炭素質吸着剤とオゾンとが接触されることにより炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素が高密度に結合すると考えられる。このため、この後に、窒素酸化物及びアンモニアを含有する排ガスを炭素質吸着剤と接触させても、排ガス導入直後から、リークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【0015】
また本発明は、窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアを添加するアンモニア添加し、前記排ガスを炭素質吸着剤と接触させることにより排ガス中の窒素酸化物を除去して浄化ガスを得る排ガス処理装置において、前記炭素質吸着剤を収容する吸着塔と、前記吸着塔に接続され、前記吸着塔に前記排ガスを導入する排ガス導入ラインと、前記排ガス導入ラインにアンモニアを導入するアンモニア導入手段と、前記排ガス導入ラインにオゾンを導入するオゾン導入手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
この排ガス処理装置は、上記排ガス処理方法を有効に実施できる。すなわちオゾン導入手段により排ガス導入ラインにオゾンが導入されると、オゾンは排ガス導入ラインを経て吸着塔に導入され、オゾンと炭素質吸着剤とが接触される。このとき、炭素質吸着剤が酸化され、炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素(=・O)が結合すると考えられる。このため、窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアを添加し、この排ガスを炭素質吸着剤と接触させることにより、上記2段階の反応が起こり、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の排ガス処理装置の一実施形態を示すフロー図である。図1に示すように、排ガス処理装置1は、吸着層を収容する吸着塔2を備えており、吸着層は、炭素質吸着剤から構成されている。ここで、炭素質吸着剤としては通常、活性炭が用いられるが、活性炭以外に活性チャー、活性コークスなどを用いることもできる。
【0019】
吸着塔2の入口側には、窒素酸化物(NOx)を含有する排ガスを導入する排ガス導入ライン3が接続され、出口側には、吸着塔2で浄化された浄化ガスを排出する浄化ガス排出ライン4が接続されている。排ガス導入ライン3には、オゾン導入ライン5を介してオゾン発生装置6が接続され、アンモニア導入ライン7を介してアンモニア供給装置8が接続されている。オゾン発生装置6としては、オゾナイザーが用いられ、アンモニア供給装置8としては、例えばアンモニアを収容したアンモニアボンベが用いられる。
【0020】
なお、オゾン導入ライン5及びオゾン発生装置6によりオゾン導入手段が構成され、アンモニア導入ライン7及びアンモニア供給装置8によりアンモニア導入手段が構成されている。
【0021】
また吸着塔2には、吸着剤移送ライン9を介して再生塔10が接続されている。再生塔10は、使用済みの炭素質吸着剤を加熱し、吸着された窒素酸化物を炭素質吸着剤から脱離させて炭素質吸着剤を再生するものである。
【0022】
次に、上述した排ガス処理装置1における排ガス処理方法について説明する。
【0023】
まずオゾン発生装置6で発生したオゾンを、オゾン導入ライン5を経て排ガス導入ライン3に導入する。そして、オゾンを、排ガス導入ライン5を経て吸着塔2に導入し、オゾンと炭素質吸着剤とを接触させる(オゾン接触工程)。これにより、炭素質吸着剤が酸化され、炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素(=・O)が結合すると考えられる。すなわち炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素が高密度で結合すると考えられる。
【0024】
次に、窒素酸化物を含有する排ガスを排ガス導入ライン3により移送する。このとき、アンモニア供給装置8により、アンモニア導入ライン7を経てアンモニアを排ガス導入ライン3に導入し、排ガスにアンモニアを添加する(アンモニア添加工程)。そして、この排ガスを、排ガス導入ライン3を経て吸着塔2に導入し、炭素質吸着剤と接触させる(排ガス接触工程)。
【0025】
このとき、吸着塔2においては、以下の2段階の反応が起こっているものと考えられる。
C=・O+NH3+NO → C−OH+N2+H2O・・・(1)
(式(1)中、「・」は不対電子を表す)
C−OH+1/4O2 → C=・O+1/2H2O ・・・(2)
【0026】
上記(1)式に示されるように、第1段階の反応では、排ガス中のNOが炭素質吸着剤の表面に吸着される。一方、上述したように炭素質吸着剤の表面には活性の高い酸素が高密度で結合していると考えられる。このため、排ガス中のアンモニアは、炭素質吸着剤に吸着されたNOを還元するのみならず、炭素質吸着剤の表面に結合した酸素と反応し、N2とH2Oに変換される。従って、排ガスに添加されたアンモニアが排ガス中のNOに対して過剰であったとしても、そのアンモニアを、炭素質吸着剤の表面に結合した活性の高い酸素と反応させることができる。
【0027】
しかも、上記(2)式に示されるように、第2段階の反応では、一旦活性を失ったC−OHが排ガス中の酸素と反応して再び活性の高いC=・Oの状態に戻る。従って、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることができる。また排ガス中に酸素が存在することにより、C=・Oが一旦活性を失ってC−OHとなっても、酸化により再び活性の高いC=・Oに戻されるため、一旦オゾンを炭素質吸着剤と接触させれば、それ以降は炭素質吸着剤を酸化するためにオゾンを多量に添加せずに済む。従って、オゾンの使用量を少なくすることができ、ランニングコストを極めて低く抑えることができる。
【0028】
また既に述べたように、炭素質吸着剤の表面には、活性の高い酸素が高密度で結合していると考えられる。このため、窒素酸化物及びアンモニアを含有する排ガスを吸着塔2に導入しても、排ガス導入直後から浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることができる。よって、浄化ガス排出ライン4からは、十分に浄化されたガスが排出されることになる。
【0029】
なお、こうして排ガスを脱硝処理していると、次第に炭素質吸着剤における脱硝能力が低下してくる。そこで、一定時間経過するか、あるいは浄化ガス排出ライン4を通る排ガス中の窒素酸化物濃度が高くなったならば、炭素質吸着剤を吸着剤移送ライン9を経て再生塔10に移送し、炭素質吸着剤の再生を行う。再生は通常、炭素質吸着剤を加熱し、炭素吸着剤に付着した付着物を脱離させることにより行えばよい。再生した炭素質吸着剤は、ベルトコンベア等で再び吸着塔2に戻される。戻された後は、再び炭素質吸着剤とオゾンを接触させる必要がある。
【0030】
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、排ガスを吸着塔2に導入する前にオゾンと炭素質吸着剤とを接触させているが、排ガスを吸着塔2に導入する時にオゾンを排ガスに添加してもよい。この場合は、オゾン発生装置6で発生したオゾンがオゾン導入ライン5を経て排ガス導入ライン3に導入され、排ガス中にオゾンが添加される。この場合、排ガスが吸着塔2に導入される時にオゾンと炭素質吸着剤とが接触するが、この場合でも、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の排ガス処理方法及び装置によれば、炭素質吸着剤とオゾンとを接触させることにより炭素質吸着剤の表面に活性の高い酸素を結合させることができるため、排ガスに添加したアンモニアが過剰であっても、そのアンモニアを炭素質吸着剤に吸着した窒素酸化物の還元と活性の高い酸素との反応とに使用することができ、浄化ガスへのリークアンモニア量を低減し且つ窒素酸化物を効率よく除去することができると共に、その効果を持続させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス処理装置の一実施形態を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…排ガス処理装置、2…吸着塔、3…排ガス導入ライン、5…オゾン導入ライン(オゾン導入手段)、6…オゾン発生装置(オゾン導入手段)、7…アンモニア導入ライン(アンモニア導入手段)、8…アンモニア供給装置(アンモニア導入手段)。
Claims (3)
- 窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアを添加するアンモニア添加工程と、
前記排ガスを炭素質吸着剤と接触させることにより排ガス中の窒素酸化物を除去して浄化ガスを得る排ガス接触工程と、
を含む排ガス処理方法において、
前記炭素質吸着剤とオゾンとを接触させるオゾン接触工程を含むことを特徴とする排ガス処理方法。 - 前記オゾン接触工程を、前記排ガス接触工程の前に行うことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理方法。
- 窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニアを添加し、この排ガスを炭素質吸着剤と接触させることにより排ガス中の窒素酸化物を除去して浄化ガスを得る排ガス処理装置において、
前記炭素質吸着剤を収容する吸着塔と、
前記吸着塔に接続され、前記吸着塔に前記排ガスを導入する排ガス導入ラインと、
前記排ガス導入ラインにアンモニアを導入するアンモニア導入手段と、
前記排ガス導入ラインにオゾンを導入するオゾン導入手段と、
を備えることを特徴とする排ガス処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003008532A JP2004216313A (ja) | 2003-01-16 | 2003-01-16 | 排ガス処理方法及び装置 |
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JP2003008532A JP2004216313A (ja) | 2003-01-16 | 2003-01-16 | 排ガス処理方法及び装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20080059958A (ko) * | 2006-12-26 | 2008-07-01 | 주식회사 포스코 | 오존 및 활성 코크스에 의한 배가스 동시 탈황 탈질 방법 |
KR101278551B1 (ko) * | 2011-05-30 | 2013-06-24 | 현대제철 주식회사 | 배기가스 처리 장치 |
-
2003
- 2003-01-16 JP JP2003008532A patent/JP2004216313A/ja active Pending
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