JP2004214318A - 浴室用電子機器およびその取り付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】浴室用電子機器1の背面全周を面取りし、浴室の壁面BWに取り付けた状態で面取りした部分がV字状の充填スペースSになるようにして、その充填スペースSにコーキング剤2を充填し、前方からコーキング剤2が見えないようにした。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室の壁面に取り付けられる浴室用リモコンや浴室用テレビ等の浴室用電子機器、およびこの浴室用電子機器の取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
入浴中に給湯装置の作動を制御する必要があるため、浴室の壁面には給湯装置の操作を行う浴室用リモコンが取り付けられている。この浴室用リモコンは浴室用電子機器の一つであり、その表面には各種操作スイッチが取り付けられ、また、設定温度や給湯装置の作動状態を表示する表示部が設けられている。これら操作スイッチや表示部は防水する必要があるため、浴室用リモコンの内部に湯水が侵入しないように防水構造が採用されている。
【0003】
ただし、給湯装置と浴室用リモコンとを通信線で接続する必要があるため、浴室の壁面に貫通孔を開設し、浴室用リモコンの背面から通信線を出して、この貫通孔を通して通信線を外部に引きだしている。浴室用リモコンはこの貫通孔を覆い隠す位置に取り付けられるが、浴室用リモコンの背面と浴室の壁面との間を伝って湯水が侵入すると通信線に湯水が作用し、ショートするおそれが生じる。そのため、浴室用リモコンの背面と浴室の壁面との間に何らかの防水処理を施す必要がある。
【0004】
このような防水処理として、浴室用リモコンの背面の形状より一回り小さな凹部を浴室の壁面に形成し、その凹部にパッキンをセットした状態で浴室用リモコンを壁面に取り付け、その際パッキンを凹部底面と浴室用リモコンの背面とで挟んで圧縮することによって防水処理を施すようにしたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−124632号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、パッキンが厚いため浴室の壁面にパッキンを収納する凹部を設ける必要がある。ところが、例えばユニット式の浴室では壁面にこのような凹部を形成することができない。凹部を設けずに浴室の壁面と浴室用リモコンとの間にパッキンを挟んで浴室用リモコンをこの壁面に取り付ければ、パッキンの厚みのため浴室用リモコンと壁面との間に隙間ができ、外観上好ましくないばかりか、その隙間から湯水が侵入する。
【0007】
この隙間から侵入した湯水はパッキンによってそれ以上内部に侵入することはないが、パッキンの周囲に溜まりカビの発生の原因等になる。なお、浴室の壁面はデザイン上の要請等の理由から凹凸が形成されている場合が多く、そのため、たとえパッキンの厚みによって浴室用リモコンが壁面から浮かないとしても、浴室用リモコンと特質の壁面との間に微少な隙間が生じ、やはりその微少な隙間から湯水が侵入するという不具合は解消されない。
【0008】
このような不具合を解消するためには、浴室用リモコンを浴室の壁面に取り付けたあと、さらに浴室用リモコンと壁面との間に形成される隙間を覆い隠すようにコーキング剤を盛りつける必要がある。ただし、このコーキング剤を盛りつける部分は浴室用リモコンの外周面と浴室の壁面とが直角に当接する部分であるため、チューブからその直角に当接する部分にコーキング剤を絞り出したあと、施工者はコーキング剤の表面を指で成形する必要がある。ただし、このようにコーキング剤を充填すると、コーキング剤が外部から見え、かつ指で成形した表面は均一ではないため外観上好ましいとはいえない。
【0009】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、外観を損なうことなく浴室用リモコンと浴室の壁面との間への湯水の侵入を防止することのできる浴室用電子機器およびその取り付け方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明による浴室用電子機器は、内部に電子部品を内蔵し、浴室内の壁面に取り付けられる浴室用電子機器において、壁面に当接する取り付け面から所定距離の範囲にわたって外周面を凹ませ、壁面に取り付けられた状態で壁面との間にコーキング剤が充填される充填スペースを形成する凹部を形成したことを特徴とする。
【0011】
浴室用電子機器を浴室の壁面に取り付けた状態で形成される充填スペースにコーキング剤を充填すると、コーキング剤の表面は浴室用電子機器の外周面と同一、または外周面より下げることができる。このため、浴室用電子機器を正面から見た場合、コーキング剤は充填スペース内に位置するため見えず、これにより外観が損なわれることを防止できる。
【0012】
なお、上記凹部は面取り部であってもよい。また、テレビ映像を表示する液晶表示部を設けてもよい。
【0013】
一方、本発明による浴室用電子機器の取り付け方法は、内部に電子部品を内蔵した浴室用電子機器を浴室内の壁面に取り付ける方法において、浴室用電子機器の壁面に当接する取り付け面から所定距離の範囲にわたって外周面を凹ませ、壁面に取り付けられた状態で壁面との間にコーキング剤が充填される充填スペースを形成すると共に、この充填スペースにコーキング剤を充填することを特徴とする。
【0014】
ところで、上記充填スペースにコーキング剤を充填する際、上記充填スペースに充填されたコーキング剤の表面が外周面よりも下がるようにしてもよい。例えば、浴室用電子機器が液晶表示部を備えたテレビ機能を有する場合には、特開平10−43074号公報に記載されているように、前後方向の厚みが厚くなる。この場合、上記のようにコーキング剤の表面が外周面より下がるようにコーキング剤を充填すると、浴室用電子機器の外周面の奥行きが充填スペースで途切れているように見え、浴室用電子機器が薄く感じられる。
【0015】
なお、充填スペースに充填されたコーキング剤の表面は施工者の指等で成形してもよいが、上記コーキング剤の表面を成形すると共に、浴室用電子機器の外周面に逸脱したコーキング剤を外周面から除去するへら状治具を用いてコーキング剤の充填を行なえば、コーキング剤の表面を均一に成形することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、BWは浴槽BT等が収納された浴室の壁面であり、この壁面BWには浴室用電子機器である風呂リモコン1が取り付けられている。この風呂リモコン1は給湯装置を制御するための機能を備えている。
【0017】
図2および図3に示すように、この風呂リモコンの外周面11の壁面BW側は斜面12が設けられ、面取りされている。したがって、この風呂リモコン1を壁面BWに取り付けると、壁面BWと斜面12とでV字状の充填スペースSが形成される。本実施の形態ではこの充填スペースSにシリコン系のコーキング剤2を充填した。このコーキング剤2は初期状態ではゲル状であるが、空気中に放置すると硬化してゴム状の弾性体に化学変化するものである。
【0018】
風呂リモコン1を壁面BWに取り付けるとまずチューブ等からゲル状のコーキング剤2を充填スペースS内に絞り出す。つぎにその絞り出されたコーキング剤2を充填スペースS内に延ばして表面を成形して硬化後に外部から湯水が侵入しないようにする。
【0019】
この表面を成形する工程は施工者の指でコーキング剤2を延ばすことによって行ってもよいが、本実施の形態ではへら状治具3を用いた。このへら状治具3は外周面11に沿わせて基準面33を移動させることにより、先端のエッジ部31によってコーキング剤2の表面を成形するものである。なお、本へら状治具3を用いて成形されるコーキング剤2の表面の位置は外周面11よりも下がるようにした。そのため、へら状治具3の基準面33を外周面11に押接させた状態でエッジ部31は充填スペースS内に嵌り込むようにした。
【0020】
また、外周面11に当接する基準面33直交する面であって、エッジ部31側に向かう斜面32を形成した。図4に示すように、コーキング剤2が外周面11側にはみ出しても、へら状治具3の基準面33を外周面11に沿わせた状態で移動させると、はみ出したコーキング剤2を斜面32で充填スペースS側に掻き落とすようにした。これにより、外周面11にコーキング剤2がはみ出したままコーキング剤2が硬化することが無く、施工後の外観が損なわれることがない。
【0021】
ところで、へら状治具3のエッジ部31は図5(a)に示すように直線状に形成してもよいが、同図(b)に示すようにエッジ部31を曲線状に形成してもよい。また、図6に示すように、斜面12の先端に平坦部12aを設け、平坦部12aが充填スペースSの底部になるようにしてもよい。
【0022】
上記実施の形態では、浴室用電子機器としてリモコン機能のみを備えた風呂リモコンの場合について説明したが、風呂リモコンにテレビ機能やインターホン機能を備えさせてもよく、あるいは浴室用テレビもしくは浴室用インターホン単体に本発明を適用してもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、浴室用電子機器を浴室の壁面に取り付けた状態で浴室用電子機器と壁面との間に形成される隙間をコーキング剤によって塞ぐので、その隙間から湯水が侵入することを完全に防止することができる。また、そのコーキング剤は充填スペース内に充填されるので外部から見えにくく、したがって、コーキング剤によって浴室用電子機器のデザインが損なわれない。さらに、コーキング剤の表面を浴室用電子機器の外周面より下げれば、浴室用電子機器の厚みが実際の厚みより薄く見え、デザイン上好ましい効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】風呂リモコンを浴室の壁面に取り付けた状態を示す図
【図2】コーキング剤の充填状態を示す部分拡大図
【図3】へら状治具の形状および使用状態を示す図
【図4】へら状治具の作用を示す図
【図5】へら状治具のエッジ部の形状を示す図
【図6】充填スペースの他の形状を示す図
【符号の説明】
1 風呂リモコン
2 コーキング剤
3 へら状治具
BW (浴室の)壁面
Claims (6)
- 内部に電子部品を内蔵し、浴室内の壁面に取り付けられる浴室用電子機器において、壁面に当接する取り付け面から所定距離の範囲にわたって外周面を凹ませ、壁面に取り付けられた状態で壁面との間にコーキング剤が充填される充填スペースを形成する凹部を形成したことを特徴とする浴室用電子機器。
- 上記凹部は面取り部であることを特徴とする請求項1記載の浴室用電子機器。
- テレビ映像を表示する液晶表示部を設けたことを特長とする請求項1または請求項2に記載の浴室用電子機器。
- 内部に電子部品を内蔵した浴室用電子機器を浴室内の壁面に取り付ける方法において、浴室用電子機器の壁面に当接する取り付け面から所定距離の範囲にわたって外周面を凹ませ、壁面に取り付けられた状態で壁面との間にコーキング剤が充填される充填スペースを形成すると共に、この充填スペースにコーキング剤を充填することを特徴とする浴室用電子機器の取り付け方法。
- 上記充填スペースに充填されたコーキング剤の表面が外周面よりも下がるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の浴室用電子機器の取り付け方法。
- 上記コーキング剤の表面を成形すると共に、浴室用電子機器の外周面に逸脱したコーキング剤を外周面から除去するへら状治具を用いてコーキング剤の充填を行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の浴室用電子機器の取り付け方法。
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JP2002380173A JP2004214318A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 浴室用電子機器およびその取り付け方法 |
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JP2008236302A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Rb Controls Co | 電子機器の固定方法 |
JP2019047232A (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-22 | アール・ビー・コントロールズ株式会社 | 浴室用電子装置 |
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