JP2004214311A - 画発光レーザ素子、面発光レーザ素子を使用した光送信器、光送受信器および光通信システム - Google Patents

画発光レーザ素子、面発光レーザ素子を使用した光送信器、光送受信器および光通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】温度特性が良好で、高出力動作が可能な面発光レーザ素子、面発光レーザ素子を用いた光送信器、光送受信器および光通信システムを提供すること。
【解決手段】n型基板2上に、下部半導体多層膜反射層3、下部クラッド層4、活性層5、上部クラッド層6を積層した構造を有する。上部クラッド層6上には、上部半導体多層膜反射層7を有し、p型の上部半導体多層膜反射層7の一部に電流狭窄層8を配置する。下部半導体多層膜反射層3の上部領域および下部クラッド層4よりも上に積層された半導体層はメサポスト状に形成されている。光出射側の上部半導体多層膜反射層7を構成する高屈折率層をTlを含む半導体材料を使用することで、温度上昇に伴って高屈折率層の屈折率と低屈折率層の屈折率との差分値を減少させ、スロープ効率の減少を緩和もしくは解消する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板に対して垂直方向に共振器構造を有する面発光レーザの技術に関し、特に、温度特性が良好な面発光レーザ素子、面発光レーザ素子を使用した光送信器、光送受信器および光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface EmittingLaser。以下、単に面発光レーザ素子と称する。)は、その名の示す通り、光の共振する方向が基板面に対して垂直であり、光インターコネクションを初め、通信用光源として、また、その他の様々なアプリケーション用デバイスとして注目されている。
【0003】
その理由として、面発光レーザ素子は、従来の端面発光型レーザ素子と比較して、素子の2次元配列を容易に形成できること、反射鏡を設けるために劈開する必要がないのでウェハレベルでテストできること、活性層のボリュームが各段に小さいので極低閾値で発振できるため消費電力が小さいこと等の利点を有していることが挙げられる。
【0004】
さらに、面発光レーザ素子では、共振器長が極端に短いことから、発振スペクトルの縦モードはおのずと基本モード発振が得られることを特徴としている。これらの利点を有することから、面発光レーザ素子は、光通信ネットワークや、コンピュータ間を光接続して情報を伝送する光インターコネクション用のデバイスとして注目されている。
【0005】
特に、光通信ネットワークにおける信号光源として利用する場合には、伝送用光ファイバを伝送する際に損失が低い波長を有し、一定の強度を有するレーザ光を出射する面発光レーザ素子を実現する必要がある。そのため、1.2μm以上の出射波長を有する面発光レーザ素子の開発がおこなわれており、近年の結晶成長技術の成長に伴い、活性層にGaInNAsSb系の材料を用いてレーザ発振を実現した例が報告されている。
【0006】
1.2μm以上のレーザ光を発振する面発光レーザ素子の構造を示す断面図を図7に示す。この面発光レーザ素子101は、n型基板102上に、順次n型の分布帰還型反射鏡(DBR:Distributed Bragg Reflector。以下、「DBR反射鏡」という)を含んで形成された下部半導体多層膜反射層103、下部クラッド層104、活性層105、上部クラッド層106を積層した構造を有する。さらに、上部クラッド層106上には、p型のDBR反射鏡を積層した上部半導体多層膜反射層107を有し、p型の上部半導体多層膜反射層107の一部に電流狭窄層108を配置することでたとえば10μm径の開口部を面発光レーザ素子に構成する。電流狭窄層108は、非選択酸化領域108aと選択酸化領域108bとで構成される。下部半導体多層反射層103の上部領域よりも上に積層された半導体層はメサポスト状に形成されており、メサポスト状領域周縁にはポリイミド層109が配置されている。上部半導体多層膜反射層107上面の露出した部分と接した構造を有するp側電極110が配置されている。n型基板102下面には、裏面電極111が配置されている。ここで、活性層105は、長波長帯発振を可能とするためたとえばGaInNAsSb系により構成される。なお、図7に示す従来技術にかかる面発光レーザ素子101において、光出射側のDBR反射鏡は上部半導体多層膜反射層107となる。
【0007】
図8に従来技術にかかる面発光レーザ101の下部半導体多層膜反射層103と上部半導体多層膜反射層107の構造を説明するための図を示す。なお、図8において、図7と共通する部分には同一の符号を付している。上部半導体多層膜反射層107は、それぞれの厚さがλ/4n(λは発光波長、nは屈折率)であるp型の高屈折率層114とp型の低屈折率層115との積層構造を1ペアとして、それをたとえば22ペア分積層している。p型高屈折率層114は、たとえばp型GaAsで形成し、p型低屈折率層115は、たとえばp型Al0.9Ga0.1Asで形成する。また、下部半導体多層膜反射層103は、それぞれの厚さがλ/4n(λは発光波長、nは屈折率)であるn型の高屈折率層112とn型の低屈折率層113との積層構造を1ペアとして、それをたとえば33.5ペア分積層している。n型の高屈折率層112は、たとえばn型GaAsで形成し、n型の低屈折率層113は、たとえばn型Al0.9Ga0.1Asで形成する。このような構造とすることによって、室温での連続発振を可能とする面発光レーザ素子を実現する。(たとえば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−68604号公報(第5頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の長波長帯面発光レーザ素子は、850nm帯面発光レーザ素子と比較し、温度特性が良好ではないため、光通信ネットワークの信号光源として使用するには問題がある。すなわち、信号光源として使用する場合、温度変化に対して光出力が安定している必要があるが、従来の長波長帯面発光レーザ素子は、活性層の温度上昇に対する光出力の低下が著しく、この要求に応えられない。光出力の低下は、主として温度上昇に伴うスロープ効率の低下に起因する。
【0010】
長波長帯面発光レーザ素子は、温度上昇に伴って活性層中のキャリア分布が高エネルギー側にシフトし、Bernard&Duraffourg条件を満たすキャリアの数が著しく減少する。また、活性層を上下クラッド層によって挟み込むDH(Double Heterostructure)型の面発光レーザの場合、キャリア分布の高エネルギーシフトによってキャリア閉じこめ効果が低下する。このため、従来の長波長帯面発光レーザ素子は、温度上昇に伴って光利得が減少し、スロープ効率が減少することによって光出力が低下することとなる。
【0011】
上記面発光レーザ素子について、活性層の温度上昇を抑制するために、ペルチェ素子等を備えた温調モジュールを用いた冷却装置をヒートシンクに接続してある程度温度特性を改善することは可能である。しかし、一般に冷却装置は電流駆動で動作するため、冷却装置を備えることで消費電力が増大すると共に、面発光レーザ装置の構造が複雑化し、製造コストも増大するため、妥当ではない。
【0012】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、温度特性が良好で、高出力動作が可能な面発光レーザ素子、面発光レーザ素子を用いた光送信器、光送受信器および光通信システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる面発光レーザ素子は、半導体基板上に、光反射側多層膜反射層と、光出射側半導体多層膜反射層と、光反射側半導体多層膜反射層および光出射側半導体多層膜反射層の間に挟設された活性層とを備え、前記半導体基板に垂直にレーザ光を出射する面発光レーザ素子において、前記光出射側半導体多層膜反射層は、低屈折率層と、出射されるレーザ光に対して前記低屈折率層の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層との対を複数積層した構造を有し、少なくとも一部の前記高屈折率層および/または前記低屈折率層は、温度上昇に応じて前記高屈折率層の屈折率と前記低屈折率層の屈折率の差分値が減少するよう変化する半導体材料を含んで形成されたことを特徴とする。
【0014】
この請求項1の発明によれば、高温下で光出射側のDBR反射鏡を構成する高屈折率層と低屈折率層の屈折率差が小さくなるため、高温下であっても光出射側の半導体多層膜反射層の反射率を下げ、スロープ効率の低減を緩和または解消することができる。
【0015】
また、請求項2にかかる面発光レーザ素子は、前記高屈折率層の屈折率の温度上昇に対する増加率は、前記低屈折率層の屈折率の温度上昇に対する増加率よりも低いことを特徴とする。
【0016】
この請求項2の発明によれば、温度上昇に伴って高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差分値が減少するため、出射側半導体多層膜反射層の反射率を下げ、スロープ効率の低減を緩和または解消することができる。
【0017】
また、請求項3にかかる面発光レーザ素子は、上記発明において、前記光出射側半導体多層膜反射層において、前記高屈折率層はTlを含む半導体材料によって形成されたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項4にかかる面発光レーザ素子は、上記発明において、前記光出射側半導体多層膜反射層において、高屈折率層はTlGaInAsPを含んで形成され、低屈折率層はAlGaAsを含んで形成されたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項5にかかる面発光レーザ素子は、上記発明において、前記光出射側半導体多層膜反射層において、前記高屈折率層はBiを含む半導体材料によって形成されたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項6にかかる面発光レーザ素子は、上記発明において、前記光出射側半導体多層膜反射層において、高屈折率層はGaInAsBiを含んで形成され、低屈折率層はAlGaAsを含んで形成されたことを特徴とする。
【0021】
また、請求項7にかかる面発光レーザ素子は、上記発明において、前記半導体基板は、GaAsを含んで形成され、前記活性層は、GaInAs(Sb)、GaInNAs(Sb)またはGaAsSbを含んで形成された量子井戸層を備えたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項8にかかる面発光レーザ素子は、上記発明において、前記半導体基板は、GaAsを含んで形成され、前記活性層は、(Ga)InAsを含んで形成された量子ドット層を備えたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項9にかかる面発光レーザ素子は、上記発明において、前記半導体基板は、GaAsを含んで形成され、前記反射側半導体多層膜反射層は、AlGaAsを含んで形成されることを特徴とする。
【0024】
また、請求項10にかかる面発光レーザ素子は、上記発明において、前記半導体基板は、InPを含んで形成され、前記活性層は、AlGaInAs、GaInAsP、またはGaInNAs(Sb)を含んで形成されることを特徴とする。
【0025】
また、請求項11にかかる面発光レーザ素子は、上記発明において、前記半導体基板は、InPを含んで形成され、前記反射側半導体多層膜反射層は、AlGaAsSbを含んで形成されたことを特徴とする。
【0026】
また、請求項12にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、発振波長が1.0μm以上であることを特徴とする。
【0027】
また、請求項13にかかる光送信器は、請求項1乃至12のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、入力された電気信号に基づいて前記面発光レーザ素子に注入する電流値を制御する制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0028】
また、請求項14にかかる光送受信器は、請求項1乃至12のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、入力された電気信号に基づいて前記面発光レーザ素子に注入する電流値を制御する制御回路とを有する光送信部と、外部から入射する光信号を受信して電気信号に変換する光電変換素子を有する光受信部とを備えたことを特徴とする。
【0029】
また、請求項15にかかる光通信システムは、請求項1乃至12のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、該面発光レーザ素子を制御する制御回路と、前記面発光レーザ素子から出射された光信号を一端から入力し、伝送する伝送用光ファイバと、該伝送用光ファイバの他端から出力された前記光信号を受信して電気信号に変換する光電変換素子とを備えたことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明にかかる面発光レーザ素子の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各層の厚みと幅との関係、各層の比率などは、現実のものとは異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分がふくまれている。
【0031】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子について説明する。図1は、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子の構造を示す断面図である。また、図2は、本実施の形態にかかる面発光レーザ素子1の下部半導体多層膜反射層3と上部半導体多層膜反射層7の構造を説明するための図である。実施の形態1にかかる面発光レーザ素子は、光出射側半導体多層膜反射層の高屈折率層に屈折率変化の温度依存性の少ない材料を用いることによって、環境温度の高温化に伴う閾値電流値の低減およびスロープ効率劣化の緩和もしくは解消を実現する。以下、図1および図2を参照して、具体的な構造を説明する。
【0032】
実施の形態1にかかる面発光レーザ素子は、n型基板2上に、順次、n型のDBR反射鏡を積層した下部半導体多層膜反射層3、下部クラッド層4、活性層5、上部クラッド層6を積層した構造を有する。上部クラッド層6上には、p型のDBR反射鏡を積層した上部半導体多層膜反射層7を有し、p型の上部半導体多層膜反射層7の一部に電流狭窄層8を配置することで、たとえば10μm径の開口部を備えた面発光レーザ素子を構成する。電流狭窄層8は、非選択酸化領域8aと選択酸化領域8bとで構成される。下部半導体多層膜反射層3の上部領域および下部クラッド層4よりも上に積層された半導体層はメサポスト状に形成されている。また、メサポスト状領域周縁にはポリイミド層9が配置されており、中央に開口部を備え、上部半導体多層膜反射層7上面の露出した部分と接した構造を有するp側電極10が配置されている。n型基板2下面には、裏面電極11が配置されている。
【0033】
図1に示す面発光レーザ素子1を得るためには、まず、n型基板2、たとえば、(100)面のn型GaAs上に、たとえばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法によって、下部半導体多層膜反射層3が形成される。下部半導体多層膜反射層3は、図2に示すように、それぞれの厚さがλ/4n(λは発光波長、nは屈折率)であるn型の高屈折率層12とn型の低屈折率層13との積層構造を1ペアとして、それをたとえば35.5ペア分積層している。なお、n型の高屈折率層12は、たとえばn型GaAsで形成し、n型の低屈折率層13は、たとえばn型Al0.9Ga0.1Asで形成する。
【0034】
そして、下部半導体多層反射層3上には、順に、下部クラッド層4、活性層5、上部クラッド層6が形成され、これら層構造によって共振器長mλ(mは自然数)の共振器が構成される。クラッド層4、6は、たとえばGaAsで形成され、それぞれ、たとえば片側270nmずつ成長する。活性層5は、たとえばGa0.63In0.370.018As0.37Sb0.016井戸層を7.3nm、GaN0.018As .982障壁層を20nmずつとで構成される5重量子井戸を有する。活性層5は、2λの膜厚を有する。
【0035】
さらに、上部クラッド層6の上部には、上部半導体多層膜反射層7が形成される。上部半導体多層膜反射層7は、図2に示すように、それぞれの厚さがλ/4n(λは発光波長、nは屈折率)であるp型の高屈折率層14とp型の低屈折率層15との積層構造を1ペアとして、それをたとえば22ペア分積層している。なお、p型の高屈折率層14は、屈折率変化の温度依存性が少ない半導体材料、たとえば、p型のTlInGaPあるいはGaInAsBiで形成し、p型の低屈折率層15は、たとえばp型のAl0.9Ga0.1Asで形成する。光出射側に位置する上部半導体多層膜反射層7については、後に詳細に説明する。次に、後の工程で電流狭窄の作用を果たす電流狭窄層8として、たとえば、p型のAlAs層を、上部半導体多層膜反射層7の活性層5側から見て最初のペアの中に挿入する。
【0036】
次に、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程(ドライエッチングまたはウェットエッチング)を経て、上部半導体多層反射層7と上部クラッド層6と活性層5と下部クラッド層4と電流狭窄層8と下部半導体多層反射層3の一部とからなる積層構造の外縁部を除去し、これによりたとえば直径40μmのメサポストを形成する。
【0037】
次に、水蒸気雰囲気中にて約400℃の温度で酸化処理を行うことで、電流狭窄層8、たとえばp型のAlAs層を上記メサポストの側壁から選択的に酸化させ、これによって、選択酸化領域8bが形成される。たとえば、メサポストの直径が40μmであって、選択酸化領域8bが17.5μmの帯幅を有するリング形状である場合、中心の非選択酸化領域8aの面積、すなわち電流が通過するアパーチャの面積は、約20μm(直径5μm)になる。
【0038】
そして、ポリイミド層9によって、メサポストの周囲を埋めこむ。上部半導体多層膜反射層7のメサポスト上部の外周5〜10μm程度の幅で接触するp側電極10をリング状に形成し、ポリイミド層9上にはワイヤをボンディングする電極パッドを、上記したp側電極10に接触するように形成する。また、n型基板2の裏面には、基板の厚さをたとえば200μm厚に研磨した後、裏面電極11を形成する。
【0039】
次に、上記した上部半導体多層膜反射層7について詳細に説明する。上部半導体多層膜反射層7は、上記したように、高屈折率層14を、屈折率変化の温度依存性が少ない半導体材料、たとえば、p型Tl0.04In0.48Ga0.48Pにより構成する。なお、低屈折率層15は、従来と同様、温度依存性を示す半導体材料、たとえば、p型Al0.9Ga0.1Asにより構成する。以下、光出射側の反射層である、上部半導体多層膜反射層7を構成する高屈折率層14に屈折率変化の温度依存性の少ない半導体材料を用いる理由を述べる。
【0040】
既に説明したように、従来の長波長帯面発光レーザ素子は、温度上昇に伴い光利得が減少することによってスロープ効率が低減し、ひいては光出力が低下するという問題を有する。本実施の形態1にかかる面発光レーザ素子は、出射側に位置する上部半導体多層膜反射層7における反射率に温度依存性を付与することによって、スロープ効率の低減を抑制している。
【0041】
まず、高屈折率層14に屈折率変化の温度依存性の少ない半導体材料を用いることによって、温度上昇に伴って上部半導体多層膜反射層7の反射率が低下することを示す。面発光レーザ素子において、DBR反射鏡である半導体多層膜反射層の反射率は、高屈折率層の屈折率nおよび低屈折率層の屈折率nと相関関係を有し、具体的には、
R∝(n−n・・・(1)
の関係を有する。したがって、高温条件の下でn−nの絶対値が低下する半導体材料によって高屈折率層14および/または低屈折率層15を形成することで出射側に位置する上部半導体多層膜反射層7の反射率を、温度上昇に伴って低下させることができる。
【0042】
図3は、面発光レーザ素子の光出射側の半導体多層膜反射層に使用される材料の屈折率の温度依存性を模式的に示すグラフである。曲線lは、高屈折率層の材料として従来使用されていたGaAsに関する屈折率の温度依存性を示し、曲線lは、本実施の形態で使用されるTlInGaAsPの屈折率の温度依存性を示す。また、曲線lは、低屈折率層の材料として使用されるAlGaAsの屈折率の温度依存性を示す。図3に示すように、GaAsおよびAlGaAsは、温度に依存して屈折率が上昇する一方、TlGaInAsPは、温度に依存して屈折率が上昇することはない。このため、TlInGaAsPとAlGaAsとを組み合わせて半導体多層膜反射層を構成した場合、温度の上昇に伴って屈折率の差分値は減少し、(1)式により半導体多層膜反射層の反射率が低下することとなる。
【0043】
図4(a)および図4(b)は、図3の結果を踏まえて半導体多層膜反射層の反射率の温度依存性について示す模式的なグラフである。図4(a)は、本実施の形態1にかかる面発光レーザ素子において、出射側に位置する上部半導体多層膜反射層7の反射率の温度依存性について示す。一方、図4(b)は、比較のために示すグラフであり、高屈折率層をGaAsによって形成し、低屈折率層をAlGaAsによって形成した従来の半導体多層膜反射層の反射率の温度依存性を示す。なお、図4(a)および図4(b)において、実線は、室温レベル(25℃程度)における反射率を示し、破線は、高温(例えば、70℃程度)における反射率を示す。
【0044】
図4(a)に示すように、出射側に位置する上部半導体多層膜反射層7の反射率は、高屈折率層14の屈折率の温度依存性が低いために温度が上昇するにつれ低屈折率層15との屈折率差が減少し、反射率が低下している。一方、比較例として示す図4(b)のグラフでは、温度の上昇に関わらず反射率はほぼ一定の値に維持される。これは、高屈折率層を形成するGaAsと低屈折率層を形成するAlGaAsの屈折率の温度依存性が図3のグラフに示すようにほぼ同様の傾向を示すことに起因するものである。すなわち、半導体多層膜反射層の反射率は(1)式に示すように高屈折率層の屈折率と低屈折率層の屈折率との差分値の自乗に比例することから、差分値が一定の場合、半導体多層膜反射層の反射率は温度上昇にも関わらず一定の値を維持することとなる。以上の説明より、従来の半導体多層膜反射層は反射率が一定に維持されるのに対し、本実施の形態1においては、光出射側の上部半導体多層膜反射層7の反射率は温度上昇と共に低下することが示された。
【0045】
次に、半導体多層膜反射層7の反射率とスロープ効率との関係について説明する。その前提として、まず反射率と開口部から出力されるレーザ光の効率ηとの関係を示す。開口部から出力されるレーザ光の効率ηは、外部微分量子効率η、光出射側である上部半導体多層膜反射層7の反射率R、光出射側と反対側となる下部半導体多層膜反射層3の反射率Rを用いて、
η=η/[1+(R/R1/2{(1−R)/(1−R)}]
・・・(2)
と表現することができる。ここで、光反射側に位置する下部半導体多層膜反射層3の反射率Rが一定とすると、(2)式に示すように、レーザ光の効率ηは、外部量子微分効率ηと上部半導体多層膜反射層7の反射率Rの関数となる。外部量子微分効率ηは温度上昇と共に低下するため、従来のように反射率Rが一定の値を維持される場合には、レーザ光の効率ηは減少する。一方、本実施の形態1では、上記したように反射率Rは温度上昇に伴って低下するため、温度の上昇に伴って(2)式右辺の分母の値は減少し、ηの減少分を補償することとなる。すなわち、光出射側である上部半導体多層膜反射層7の反射率が減少する場合、レーザ光の効率ηの温度変化による減少が抑制される。
【0046】
そして、効率ηとスロープ効率Sの関係は、レーザ光の波長λを用いて
=1.24η/λ・・・(3)
と表される。(3)式より、スロープ効率は、効率ηと比例する関係にある。このため、効率ηの減少を抑制することによって、スロープ効率の減少が緩和もしくは解消されることとなる。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態1にかかる面発光レーザ素子は、光出射側となる上部半導体多層膜反射層7の高屈折率層14に、屈折率変化の温度依存性の少ない半導体材料を用いることによって、スロープ効率の減少を抑制することが可能となる。スロープ効率の温度依存性を抑制することにより、環境温度の変化によらず低閾値電流での動作が可能となり、光出力の安定した面発光レーザ素子を実現することが可能となる。実際に上記構造の面発光レーザ素子を作製したところ、閾値電流値が0.5mA、スロープ効率が0.3W/Aであって、0℃乃至85℃の範囲におけるスロープ効率の減少率を10%程度に抑制した温度特性に優れた面発光レーザ素子を得ることができた。
【0048】
以上のように本発明にかかる面発光レーザ素子1について実施の形態1によって説明したが、この開示の一部をなす論述および図面は、この発明を限定するものではない。この開示から当業者は、様々な代替実施の形態、実施例および運用技術を導くことができると思われる。
【0049】
たとえば、実施の形態1では、光出射側である上部半導体多層膜反射層7の高屈折率層14として、TlInGaAsPおよびGaInAsBiを用いるとしたが、TlGaAsまたはTlGaPまたはTlInGaPを用いるとしてもよい。
【0050】
また、屈折率変化の温度依存性の少ない半導体材料として、Tl系以外の、例えばBi系の半導体材料を用いて高屈折率層14を形成しても良い。Bi系の半導体材料とは、具体的には、GaAsBi、GaInAsBi等Biを含有する半導体材料のことをいう。かかる半導体材料もTlを含んだ半導体材料と同様に、屈折率変化の温度依存性が少ないため、高温でもスロープ効率の減少を緩和もしくは解消し、安定した光出力を備えた面発光レーザ素子を実現することができる。
【0051】
さらに、光出射側である上部半導体多層膜反射層7の低屈折率層15についても、従来とは異なる半導体材料を用いることとしても良い。(1)式でも示したように、上部半導体多層膜反射層7の反射率は高屈折率層14と低屈折率層15の屈折率差に依存することから、高屈折率層14を従来と同様の半導体材料によって形成し、低屈折率層15を屈折率変化の温度依存性が大きい半導体材料によって形成しても良い。さらには、Tl等を含む高屈折率層14と屈折率変化の温度依存性の高い低屈折率層15とを組み合わせた構造によって上部半導体多層膜反射層7を形成しても良い。
【0052】
なお、上部半導体多層膜反射層7を形成するあらゆる高屈折率層14、低屈折率層15について上記構造を採用する必要はない。上部半導体多層膜反射層7の反射率に温度依存性を持たせたのはあくまで温度上昇による光利得の低下を補償してスロープ効率の減少を緩和もしくは解消するためである。したがって、かかる目的を達成できるのであれば、一部の高屈折率層および/または低屈折率層についてのみ上記半導体材料によって形成することとしても良い。
【0053】
また、実施の形態1では、n型基板2はGaAsによって形成されるものとしたが、InPによって形成することとしても良い。基板をInPとした場合、光出射側の反対側となる半導体多層反射層は、基板であるInPとほぼ格子整合するAlGaAsSbとGaAsSbとの対を1ペアとして、たとえば、35.5ペア積層することにより形成する。また、光出射側となる半導体多層反射層は、低屈折率層としてたとえばAlGaAsSbと、高屈折率層としてTlを含む半導体材料、たとえば、TlGaInPとの対を1ペアとして、たとえば、22ペア積層することにより形成する。さらに、活性層は、たとえば、7層のAlGaInAs系の量子井戸層を備えた構造としても良い。
【0054】
また、活性層5を形成する量子井戸層についても、GaInNAsSbで構成するほか、例えばInP基板上であれば、AlGaInAs、GaInAsP、またはGaInNAs(Sb)で構成してもよい。同様に、GaAsSbで構成してもよい。また、GaAs基板上であれば、活性層5をGaInAs、GaInNAs(Sb)GaAsSbのいずれかを用いた量子井戸層か、または(Ga)InAsの量子ドット層によって形成する構造としても良い。
【0055】
また、光出射側と反対側となる下部半導体多層膜反射鏡3を形成する低屈折率層13についても、Al0.9Ga0.1Asに限定される必要はなく、AlGa1−xAs(0.5≦x≦1)により低屈折率層13を形成することも可能である。同様に、高屈折率層12についても、GaAsに限定される必要はなく、Alx2Ga1−x2As(0≦x2≦0.2)により高屈折率層12を形成することも可能である。また、光出射側の上部半導体多層膜反射鏡7を形成する低屈折率層15についても、Al0.9Ga0.1Asに限定される必要はなく、AlGa1−x3As(0.5≦x3≦1)により低屈折率層15を形成することも可能である。
【0056】
また、電流狭窄層8において非選択酸化領域8aを構成する酸化前の半導体層についても、AlAs以外にも、Alx4Ga1−x4As(0.97≦x4<1)を使用しても良い。
【0057】
また、面発光レーザ素子を構成する半導体層について、導電型を上記したものと反対としてもよい。たとえば、p型基板上に順次半導体層を積層する構造とすることが可能である。また、p型のドーパントとしてはCを用いるのが一般的だが、Zn、Beを用いることとしても良い。さらに、面発光レーザ素子から出力されるレーザ光の波長についても、850nm以上の長波長帯、例えば、980nm帯、1300nm帯、1480nm帯、1550nm帯、1650nm帯等に本発明を適用することが可能である。
【0058】
さらに、活性層5について、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子1においては、5重量子井戸層を有する構造として説明したが、単一量子井戸層、もしくは、2層乃至5層程度の量子井戸層を有する多重量子井戸層を備えた構造としても良い。
【0059】
(実施の形態2)
次に実施の形態2にかかる光通信器について説明する。図5は、実施の形態2にかかる光通信器の構造を示すブロック図である。本実施の形態2にかかる光通信器は、光信号を送受信するための光送信部34および光受信部35を有する光送受信器31と、電気信号を光送受信器31に入力する信号多重化回路32と、光送受信器31が受信した光信号から得られる電気信号を分離する信号分離回路33とを有する。
【0060】
光送信部34は、信号多重化回路32から入力された電気信号を光信号に変換して送信するためのものである。具体的には、光送信部34は、光信号を出射する面発光レーザ素子36と、入力された電気信号に基づいて面発光レーザ素子36を制御する制御回路37と、面発光レーザ素子36から出射された光信号を外部に出力するための出力光学系38とを有する。
【0061】
光送信部34に含まれる面発光レーザ素子36には、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子を用いる。したがって、面発光レーザ素子36は、温度特性が良好で、熱飽和が生じにくいために高い光強度のレーザ光を出力する。
【0062】
光受信部35は、外部から受信した光信号を電気信号に変換して信号分離回路33に出力するためのものである。具体的には、光受信部35は、光信号を受信して電気信号に変換するための光電変換素子39と、光信号を光電変換素子39に導くための入力光学系40と、光電変換素子39から出力される電気信号を増幅する増幅回路41とを有する。光電変換素子39は、受信した光信号の強度に基づいて電気信号を出力する。光電変換素子39としては、フォトダイオードのほか、光抵抗などを用いることが可能である。
【0063】
信号多重化回路32は、外部から入力される複数の電気信号を多重化して1本の電気信号にするためのものである。多重化されて得られた1本の電気信号は、光送受信器31を構成する光送信部34に出力される。
【0064】
信号分離回路33は、光送受信器31を構成する光受信部35から得られた電気信号について、複数の電気信号に分離するためのものである。光受信部35で受信される光信号は元来複数の信号を含んでいるため、光信号を光電変換して得られる電気信号についても、情報を取り出すためには複数の電気信号に分離する必要があるためである。
【0065】
次に、本実施の形態2にかかる光通信器の動作について説明する。実施の形態2にかかる光通信器は、複数の電気信号について送受信をおこなうためのものである。最初に、送信動作について説明する。
【0066】
まず、外部から入力された複数の電気信号は、信号多重化回路32で単一の電気信号に変換される。そして、この単一の電気信号が信号多重化回路32から制御回路37に入力され、制御回路37は、この電気信号に基づいて面発光レーザ素子36に注入する電流を制御する。具体的には、制御回路37によって、電気信号波形に対応した波形を有する光信号が面発光レーザ素子36から出射される。
【0067】
次に、受信動作について説明する。外部から伝送された光信号は、入力光学系40を介して入射し、光電変換素子39によって受信される。光電変換素子39は受信した光信号の強度変化に対応した波形を有する電気信号を出力する機能を有し、変換された電気信号は増幅回路41に入力される。外部から入力された光信号の強度は、一般に微弱であるため、光電変換素子39から出力される電気信号の強度も微弱となり、増幅回路41によってその強度を増幅される。その後、増幅された電気信号は信号分離回路33に入力され、複数の電気信号に分離される。以上で受信動作が終了する。
【0068】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる光通信システムについて説明する。図6は、実施の形態3にかかる光通信システムの構造を示す模式図である。実施の形態3にかかる光通信システムは、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子を信号光源に使用している。具体的には、本実施の形態3にかかる光通信システムは、信号多重化回路42と、信号多重化回路42に接続された制御回路43と、制御回路43に接続された面発光レーザ素子44と、伝送用光ファイバ46と、面発光レーザ素子44と伝送用光ファイバ46の一端とを光結合させるための光学系45とを有する。また、伝送用光ファイバ46の他端と光学系47を介して光結合した光電変換素子48と、光電変換素子48とを接続された増幅回路49と、増幅回路49と接続された信号分離回路50とを有する。
【0069】
信号多重化回路42で得られた単一の電気信号は制御回路43に入力され、この電気信号に基づいて制御回路43は面発光レーザ素子44に注入する電流について制御を行う。これにより、面発光レーザ素子44から出力される光信号は、信号多重化回路42で得られた電気信号に対応した波形を有する。面発光レーザ素子44から出力された光信号は光学系45を介して伝送用光ファイバ46の一端に入射し、伝送用光ファイバ46中を伝送する。
【0070】
そして、伝送用光ファイバ46中を伝送した光信号は、伝送用光ファイバ46の他端から出射し、光学系47を介して光電変換素子48に入射する。光電変換素子48は、受信した光信号に基づく電気信号を出力し、増幅回路49で増幅された後に信号分離回路50に入力される。
【0071】
信号分離回路50は、入力された電気信号について、信号多重化回路42で多重化される前の個々の電気信号に分離して、情報を復元する。このようにして本実施の形態3にかかる光通信システムは情報の伝送をおこなう。
【0072】
本実施の形態3にかかる光通信システムでは、送信側の信号光源として、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子を使用している。そのため、環境温度が高温下である場合でも、低閾値で信頼性の高い信号光源を使用することが可能である。また、温度特性が良好で、熱飽和を抑制できるために高出力のレーザ光を出力することが可能である。
【0073】
また、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子は出射波長を1.2μm以上の波長を有するため、伝送用光ファイバ46において低損失となる波長を選択することが可能である。また、これらの波長帯において、既存の光通信システムを利用することができるという利点も有する。たとえば、出射波長を1.480μmとして、伝送用光ファイバ46の途上にEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)を配置する構造としてもよい。この場合、EDFAによって光信号の強度を増幅することができるので、伝送距離をさらに延伸させることができる。同様に、TDFA、ラマン増幅器等を用いてもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明にかかる面発光レーザ素子によれば、光出射側の半導体多層膜反射層の高屈折率層に温度依存性のない半導体材料を用いることにより、環境温度に依存しない、低い閾値電流での動作が可能で、高い光出力を達成する面発光レーザを作製することが可能となった。
【0075】
また、請求項11から14の発明によれば、温度特性が改善された面発光レーザ素子を用いたため、閾値電流密度の温度依存性が低く、高温でもレーザ発振が可能で、高出力の信号光源を有した光送受信器および光通信システムを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる面発光レーザ素子の断面図である。
【図2】本実施の形態にかかる面発光レーザ1の下部半導体多層膜反射層3と上部半導体多層膜反射層7の構造を説明するための図である。
【図3】GaAs、TlInGaAsP、AlGaAsの屈折率変化の温度依存性を示す模式的なグラフである。
【図4】(a)は、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子における光出射側の上部半導体多層膜反射層7の反射率の温度変化を示す模式的なグラフであって、(b)は従来の面発光レーザ素子の上部半導体多層膜反射層の反射率の温度変化を示す模式的なグラフである。
【図5】実施の形態2にかかる光通信器の構造を示すブロック図である。
【図6】実施の形態3にかかる光通信システムの構造を示す模式図である。
【図7】従来技術にかかる面発光レーザ素子の構造を示す断面図である。
【図8】従来技術にかかる面発光レーザ101の下部半導体多層膜反射層103と上部半導体多層膜反射層107の構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 面発光レーザ素子
2 n型基板
3 下部半導体多層膜反射層
4 下部クラッド層
5 活性層
6 上部クラッド層
7 上部半導体多層膜反射層
8 電流狭窄層
8a 非選択酸化領域
8b 選択酸化領域
9 ポリイミド層
10 p側電極
11 裏面電極
12 高屈折率層
13 低屈折率層
14 高屈折率層
15 低屈折率層
31 光送受信器
32 信号多重化回路
33 信号分離回路
34 光送信部
35 光受信部
36 面発光レーザ素子
37 制御回路
38 出力光学系
39 光電変換素子
40 入力光学系
41 増幅回路
42 信号多重化回路
43 制御回路
44 面発光レーザ素子
45 光学系
46 伝送用光ファイバ
47 光学系
48 光電変換素子
49 増幅回路
50 信号分離回路
101 面発光レーザ素子
102 n型基板
103 下部半導体多層膜反射層
104 下部クラッド層
105 活性層
106 上部クラッド層
107 上部半導体多層膜反射層
108 電流狭窄層
108a 非選択酸化領域
108b 選択酸化領域
109 ポリイミド層
110 p側電極
111 裏面電極
112、114 高屈折率層
113、115 低屈折率層

Claims (15)

  1. 半導体基板上に、光反射側多層膜反射層と、光出射側半導体多層膜反射層と、光反射側半導体多層膜反射層および光出射側半導体多層膜反射層の間に挟設された活性層とを備え、前記半導体基板に垂直にレーザ光を出射する面発光レーザ素子において、
    前記光出射側半導体多層膜反射層は、低屈折率層と、出射されるレーザ光に対して前記低屈折率層の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層との対を複数積層した構造を有し、少なくとも一部の前記高屈折率層および/または前記低屈折率層は、温度上昇に応じて前記高屈折率層の屈折率と前記低屈折率層の屈折率の差分値が減少するよう屈折率が変化する半導体材料を含んで形成されたことを特徴とする面発光レーザ素子。
  2. 前記高屈折率層の屈折率の温度上昇に対する増加率は、前記低屈折率層の屈折率の温度上昇に対する増加率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ素子。
  3. 前記光出射側半導体多層膜反射層において、前記高屈折率層はTlを含む半導体材料によって形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の面発光レーザ素子。
  4. 前記光出射側半導体多層膜反射層において、前記高屈折率層はTlGaInAsPを含んで形成され、前記低屈折率層はAlGaAsを含んで形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  5. 前記光出射側半導体多層膜反射層において、前記高屈折率層はBiを含む半導体材料によって形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の面発光レーザ素子。
  6. 前記光出射側半導体多層膜反射層において、前記高屈折率層がGaInAsBiを含んで形成され、前記低屈折率層はAlGaAsを含んで形成されたことを特徴とする請求項1、2または5に記載の面発光レーザ素子。
  7. 前記半導体基板は、GaAsを含んで形成され、
    前記活性層は、GaInAs(Sb)、GaInNAs(Sb)またはGaAsSbを含んで形成された量子井戸層を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  8. 前記半導体基板は、GaAsを含んで形成され、
    前記活性層は、(Ga)InAsを含んで形成された量子ドット層を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  9. 前記半導体基板は、GaAsを含んで形成され、
    前記反射側半導体多層膜反射層は、AlGaAsを含んで形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  10. 前記半導体基板は、InPを含んで形成され、
    前記活性層は、AlGaInAs、GaInAsP、またはGaInNAs(Sb)を含んで形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  11. 前記半導体基板は、InPを含んで形成され、
    前記反射側半導体多層膜反射層は、AlGaAsSbを含んで形成されたことを特徴とする請求項1乃至6または10のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  12. 前記レーザ光の波長が1.0μm以上であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、入力された電気信号に基づいて前記面発光レーザ素子に注入する電流値を制御する制御回路と、
    を備えたことを特徴とする光送信器。
  14. 請求項1乃至12のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、入力された電気信号に基づいて前記面発光レーザ素子に注入する電流値を制御する制御回路とを有する光送信部と、
    外部から入射する光信号を受信して電気信号に変換する光電変換素子を有する光受信部と、
    を備えたことを特徴とする光送受信器。
  15. 請求項1乃至12のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、
    該面発光レーザ素子を制御する制御回路と、
    前記面発光レーザ素子から出射された光信号を一端から入力し、伝送する伝送用光ファイバと、
    該伝送用光ファイバの他端から出力された前記光信号を受信して電気信号に変換する光電変換素子と、
    を備えたことを特徴とする光通信システム。
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