JP2004214153A - 携帯電子機器および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池のプラス電極並びに回路のプラス電源ラインに対して安定した接触力を確保し、そのために必要なスペースは小さくする。
【解決手段】回路ブロック1の上面の電池わく3に対しては、電池わく3の内側に収納されたコイン型電池2を上面2aから押える導電性の電池押え部材7を引っ掛けることが可能である。電池押え部材7には、電池わく3の貫通穴3aに挿入されたコイルばねの電池プラス端子8を押える端子押え部7aが形成されている。コイルばねは回路ブロック1の上面のプラス電源ラインと接触している。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路に電力を供給する電源として使用する電池のプラス電極と接触させる電池プラス端子の構造、及びこれを用いた携帯電子機器および時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル表示型の腕時計、卓上計算機、コンピュータゲームなどの携帯電子機器の電源として、いわゆるコイン型の電池(またはボタン型電池)が用いられている。コイン型電池は電池の上面及び側面がプラス電極を構成し、電池の側面から電気的に隔離した電池下面がマイナス電極となっている。このコイン型電池を電子機器内に設置する際、コイン型電池を収納するための窪み部に対してプラス電極側の面を上に、マイナス電極側の面を下に向けることが通例であり、一般に広く認知されている。
【0003】
また、窪み部に入れられたコイン型電池はその固定の為、「電池押さえ」と呼ばれる板部材によって電池上面を窪み部の底面側へ押えられる。
【0004】
したがって、コイン型電池のプラス電極と電気的コンタクトをとるプラス端子は電池の側面に対向して配置され、マイナス電極と電気的コンタクトをとるマイナス端子は電池の下面に配置されることが一般的である。
【0005】
そこで、携帯電子機器においてコイン型電池が装着される電池装着部の従来構造を説明するため、図5にデジタル腕時計に適用された電池装着部周辺の概略断面を示す。
【0006】
例えば図5に示すように、デジタル腕時計を駆動する回路ブロック1の上面に電池わく3が設けられ、これにより、コイン型電池2を収納する凹部が形成されている。電池わく3が形成する凹部の底面には電池マイナス端子4が配置されている。電池わく3が形成する凹部の側面近傍には電池プラス端子5が配置されている。さらに、電池わく3の凹部に収納されたコイン型電池2を上面から押える電池押さえ部材6が、電池わく3に引っ掛けて装着されている。
【0007】
電池マイナス端子4は、回路ブロック1のマイナス電源ラインと電気接続された板ばね部材で、回路ブロック1の上面から斜めに起き上がった形状(図5中の点線)をとる。この構造により、コイン型電池2の自重および電池押さえ部材6によって、コイン型電池2の下面と安定した接触力を確保することができる。
【0008】
一方、電池プラス端子5は、回路ブロック1のプラス電源ラインと電気接続された板ばね部材であり、コイン型電池2の側面に対して安定した接触圧を得るため、回路ブロック1の上面から垂直に立つ部分から回路ブロック1に対して略平行な方向に延びる片持ちばね(図6)、あるいは両持ちばね(図7)の形状をとる。
【0009】
また、複数の電池間に、平面方向に中立位置を外れた時、電池が上下方向に移動可能となるような弾性腕部を有する板状金属部材からなる電池押さえ部材を形成する。これにより、部品点数の削減と、ワンタッチの電池交換を可能な薄型の時計モジュール構造が実現できる。(特許文献1参照)
【0010】
【特許文献1】
実開平5−84021号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5〜図7に示した従来の電池プラス端子の場合、抜き型等を用いたプレス加工によって製造することになる。このため、部品単価が高く、型代等の付帯費用が発生する。
【0012】
また、図6及び図7に電池プラス端子の電池接触前後の位置を点線と実線で示しているが、これらの図から分かるように、電池の側面との十分な接触圧を確保するため、電池の側面方向において電池プラス端子の可動範囲が存在する。そのため、この電池プラス端子の可動範囲には他の部材を配置することはできない。さらには、電池から得た電力を回路ブロックの回路に供給するため、回路と電池プラス端子との接点も、電池と電池プラス端子の接点と同様に、電気的な安定した接続と、そのためのスペースが必要となる。
【0013】
このように、従来の、電池プラス端子と電池のプラス電極との接触構造では、デジタル腕時計等の小型電子機器の設計において、回路ブロック上の部品の位置及び大きさが制限されていた。
【0014】
本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、電池のプラス電極並びに回路のプラス電源ラインに対して電気的に安定した接触力を確保すると同時に、そのために必要なスペースを小さくすることができる電池プラス端子を備えた携帯電子機器および時計を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る携帯電子機器は、電池が収納される収納部と、前記収納部に収納された前記電池のマイナス電極側の面と対面する回路基板と、前記回路基板のプラス電源ラインに接触し、前記回路基板と交差する方向に沿って配置された導電性弾性体からなるプラス端子と、前記収納部に収納された前記電池のプラス電極側の面とともに前記プラス端子を押える導電性の電池押え部材と、前記収納部の底面に配置され、前記収納部に収納された前記電池のマイナス電極と接触するマイナス端子と、を備えたものである。
【0016】
また、本発明に係る時計は、時間を表示する表示手段と、前記表示手段を駆動制御する回路を有する回路基板と、電池のマイナス電極が前記回路基板に対向して前記電池が収納される収納部と、前記回路基板のプラス電源ラインに接触し、前記回路基板と交差する方向に沿って配置された導電性弾性体からなるプラス端子と、前記収納部に収納された前記電池のプラス電極側の面とともに前記プラス端子を押える導電性の電池押え部材と、前記収納部の底面に配置され、前記収納部に収納された前記電池のマイナス電極と接触するマイナス端子と、を有するものである。
【0017】
上記のように構成された本発明の携帯電子機器および時計によれば、電池のプラス電極と接触させる電池プラス端子は、回路基板と交差する方向に沿って配置され、収納部に収納した電池のプラス電極側の面を押える導電性の電池押え部材ならびに、回路基板のプラス電源ラインに接触する。このように本発明の電池プラス端子の接触方向は回路基板に対して交差する方向であるため、接触方向が回路基板と平行な方向である従来技術に比べ、回路基板上の部品配置スペースが格段と小さくなる。
【0018】
さらに、電池プラス端子にコイルばねを使用したことで、回路のプラス電源ラインおよび電池のプラス電極との接触に必要な設置スペースが小さくなっても、コイルばねの反発力により安定した接触力が得られる。
【0019】
また、電池の上下逆組みの場合、つまりプラス電極側の面が回路基板側に向けられて収納部に電池が収納された場合、電池押え部材は電池のマイナス電極側の面と接触し、電源ショートを起こすおそれがある。このため、本発明では電池押え部材に、電池のマイナス電極の外周より大きく、かつ電池の最外周よりも小さい穴を形成することで、電池押え部材で電池を押えるときに、電池のマイナス電極部を除いた外周部が押えられ、電池が上下逆組みされても、電源ショートが起きない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の一形態による携帯電子機器の電源装置を示す平面図、図2は図1のA−A’断面図、図3はコイン型電池を上下逆組したときの図1のA−A’断面図である。なお、図面において従来技術と同一機能の構成部分には同一符号を付してある。
【0022】
図1および図2に示すように、例えばデジタル腕時計を駆動する回路基板としての回路ブロック1の上面に、コイン型電池2を収納する凹部(収納部)を形成する電池わく3が設けられている。さらに、電池わく3に対しては、電池わく3の内側に収納されたコイン型電池2を上面2aから押える電池押え部材7を引っ掛けることが可能になっている。この電池押え部材7は導電性材料からなる。
【0023】
電池わく3が形成する凹部の底面には、コイン型電池2のマイナス電極をなす下面2bと接触する電池マイナス端子4が配置されている。
【0024】
電池マイナス端子4は、回路ブロック1の上面から斜めに起き上がった形状(図1及び図2中の点線)の板ばね部材であり、回路ブロック1のマイナス電源ライン(不図示)と電気接続されている。
【0025】
また、電池わく3に貫通穴3aが、回路ブロック1の上面のプラス電源ライン(不図示)の位置に対応して形成されている。貫通穴3aは、電池わく3の回路ブロック1側の面とこれの反対側の面とを貫通している。貫通穴3aには、電池プラス端子8としての導電性のコイルばねが挿入されている。このため、コイルばねは回路ブロック1の上面のプラス電源ライン(不図示)と接触する。なお、本例では電池プラス端子8として、図示するようなコイルばねを用いたが、導電性の弾性体であれば、代わりに別部品を適用でき、例えば導電性ゴムが考えられる。また、コイルばねの材質においても、導電性があれば、金属以外のものでもよい。
【0026】
電池押え部材7には、電池わく3の貫通穴3aに挿入された電池プラス端子8を押える端子押え部7aが形成されている。さらに、電池プラス端子8は、電池わく3の、回路ブロック1とは反対側の面から突出する長さである。
【0027】
このため、電池わく3に電池押え部材7を装着したとき、電池押え部材7がコイン型電池2の上面2aをなすプラス電極に電池押え部材7が接触すると同時に、電池押え部材7の端子押え部7aが電池プラス端子8であるところの導電性のコイルばねに接触する。このとき、コイルばねは端子押え部7aに押えられて所定の長さが縮むため、安定した接触圧で、コイン型電池2のプラス電極に接触した電池押え部材7の端子押え部7aと、回路ブロック1の上面のプラス電源ライン(不図示)とに接触することになる。
【0028】
また、電池わく3に装着された電池押え部材7には、コイン型電池2の下面(マイナス電極)2bの外周より大きく、かつコイン型電池2の最外周よりも小さい穴7b(図1参照)が形成されている。
【0029】
このため、図3に示すように、コイン型電池2を上下逆組み、すなわちプラス電極側を下にしてコイン型電池2を電池わく3の内側に収納し、電池わく3に電池押え部材7を装着したとき、電池押え部材7により、コイン型電池2の、下面(マイナス電極)2bを除いた外周部が押えられる。この部分はコイン型電池2のマイナス電極と電気的に隔離されたプラス電極であり、電池マイナス端子4はコイン型電池2の上面(プラス電極)2aに接触しているため、コイン型電池2が上下逆組みされても、電源ショートが起きない。
【0030】
次に、本発明の電池プラス端子の設置必要スペースについて述べる。図4は従来例と本発明の電池プラス端子の設置必要スペースを比較した平面図である。
【0031】
図4(A)に示すように従来の電池プラス端子5は、コイン型電池2に対しては電池の側面と接触させ、回路ブロック1の回路のプラス電源ラインとは半田付け等で接続する構成である。このため、回路の電源ラインおよび電池と電気的に安定した接続が得られるように、回路ブロック1上において、電池プラス端子5の可動範囲ならびに、電源ラインとの接続部の面積を大きくとっている(図(A)中の斜線部)。
【0032】
これに対し、図4(B)に示すように本発明の電池プラス端子8は、電池との接触方向が回路ブロック1の表面に対して交差する垂直方向であるため、回路ブロック1上の部品占有スペースを従来例よりも格段と小さくすることができる。また、電池プラス端子8にコイルばね等を使用したので、回路のプラス電源ラインおよび電池のプラス電極との接触に必要な設置スペースが小さくなっても、コイルばね等の反発力により安定した接触力を得ることができる。
【0033】
なお、上述した構成は例えばストップウオッチや腕時計などのデジタル表示の携帯型時計に適用することができる。この時計は、時間を表示する液晶表示板と、液晶表示板を駆動制御する基板状の回路ブロックと、回路ブロックの液晶表示板とは反対側の面に設けられ、回路ブロックの回路に電力を供給する円盤型電池(ボタン型電池またはコイン型電池)を装着する電池装着部と、これらの部品を収容するケースとを有する。また、時計以外では、携帯型ゲーム機器、卓上電子計算機等に適用できる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の携帯電子機器および時計によれば、電池のプラス電極と接触させる電池プラス端子の接触方向が回路基板に対して交差する方向となる構成であるので、接触方向が回路基板と平行な方向である従来技術に比べ、回路基板上の部品配置スペースを格段と小さくすることができる。
【0035】
さらに、電池プラス端子にコイルばねを使用したことで、回路のプラス電源ラインおよび電池のプラス電極との接触に必要な設置スペースが小さくなっても、コイルばねの反発力により安定した接触力が得られる。また、端子の製作に型が不要であるので部品コストを低く抑えることができる。
【0036】
また、本発明では電池押え部材に、電池のマイナス電極の外周より大きく、かつ電池の最外周よりも小さい穴を形成することで、電池押え部材で電池を押えるときに、電池のマイナス電極部を除いた外周部が押えられ、電池が上下逆組みされても、電源ショートが起きない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による携帯電子機器の電源装置を示す平面図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】コイン型電池を上下逆組みしたときの図1のA−A’断面図である。
【図4】従来例と本発明の電池プラス端子の設置必要スペースを比較した図である。
【図5】従来の電池プラス端子構造を説明するため、デジタル腕時計に適用された電池収容部周辺を示す概略断面図である。
【図6】図5に示した従来の電池プラス端子の構造例を示す平面図である。
【図7】図5に示した従来の電池プラス端子の別の構造例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 回路ブロック
2 コイン型電池
2a 上面(プラス電極)
2b 下面(マイナス電極)
3 電池わく
3a 貫通穴
4 電池マイナス端子
7 電池押え部材
7a 端子押え部
7b 穴
8 電池プラス端子(コイルばね)

Claims (6)

  1. 電池が収納される収納部と、
    前記収納部に収納された前記電池のマイナス電極側の面と対面する回路基板と、
    前記回路基板のプラス電源ラインに接触し、前記回路基板と交差する方向に沿って配置された導電性弾性体からなるプラス端子と、
    前記収納部に収納された前記電池のプラス電極側の面とともに前記プラス端子を押える導電性の電池押え部材と、
    前記収納部の底面に配置され、前記収納部に収納された前記電池のマイナス電極と接触するマイナス端子と、
    を備えた携帯電子機器。
  2. 前記プラス端子がコイルばねである請求項1記載の携帯電子機器。
  3. 前記電池押え部材に、前記電池のマイナス電極の外周より大きく、かつ前記電池の最外周よりも小さい穴が形成されている、請求項1または2記載の携帯電子機器。
  4. 時間を表示する表示手段と、
    前記表示手段を駆動制御する回路を有する回路基板と、
    電池のマイナス電極が前記回路基板に対向して前記電池が収納される収納部と、
    前記回路基板のプラス電源ラインに接触し、前記回路基板と交差する方向に沿って配置された導電性弾性体からなるプラス端子と、
    前記収納部に収納された前記電池のプラス電極側の面とともに前記プラス端子を押える導電性の電池押え部材と、
    前記収納部の底面に配置され、前記収納部に収納された前記電池のマイナス電極と接触するマイナス端子と、
    を有する時計。
  5. 前記プラス端子がコイルばねである請求項4記載の時計。
  6. 前記電池押え部材に、前記電池のマイナス電極の外周より大きく、かつ前記電池の最外周よりも小さい穴が形成されている、請求項4または5記載の時計。
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