JP2004213535A - 顧客情報クリーニングのためのシステム、方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】情報セキュリティに優れ低コストで正確な顧客情報クリーニングのためのシステム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】照会側システム1の照会部11は、クリーニング対象となる顧客情報10のデータ中の1レコードを選択し、そのレコード中の電話番号を、その電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の通信事業者側システム2へインターネットNで送信する。通信事業者側システム2の判定部21は、送信された前記電話番号の有効又は無効について、顧客情報20に基き判定を行って、有効又は無効という判定結果のみをインターネットNで照会側システム1へ返信する。照会側システム1の判定結果処理部12は、返信された有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングする。
【選択図】 図1
【解決手段】照会側システム1の照会部11は、クリーニング対象となる顧客情報10のデータ中の1レコードを選択し、そのレコード中の電話番号を、その電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の通信事業者側システム2へインターネットNで送信する。通信事業者側システム2の判定部21は、送信された前記電話番号の有効又は無効について、顧客情報20に基き判定を行って、有効又は無効という判定結果のみをインターネットNで照会側システム1へ返信する。照会側システム1の判定結果処理部12は、返信された有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報セキュリティに優れ低コストで正確な顧客情報クリーニングのためのシステム、方法及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
技術進歩とあいまって情報化の進む今日において、企業など各種の組織や団体では、顧客や利用者などの顧客情報が非常に大きな価値をもち、ビジネス上の生命線となる場合も多い。顧客情報は、通常、個人や企業の氏名や名称、郵便番号、住所、電話番号、ファックス番号、電子メールアドレス、URL(ウェブページのアドレス)などを複数組み合わせたものである。
【0003】
このような顧客情報の維持、管理のためにはクリーニングが不可欠とされ、ここでいうクリーニングとは、顧客情報の有効無効を判断し無効な部分や誤った部分を除去したり修正する処理である。このようなクリーニングを要する理由の一つは、顧客側では転居、電話番号変更、メールアドレス変更等の変動がある程度当然に生じることから、これに対応するための定期的なデータ更新を要するからである。
【0004】
また、例えば街頭やショールーム、インターネットウェブサイト等を通じてアンケート等で顧客情報を収集した場合、記載の住所が不正確で、例えば郵便番号が無い、間違っている、ビル名が違う、途中までで番地がないなどの可能性も考えられる。また、収集した情報が正しくても、顧客リスト作成のためのデータ入力時に入力ミスもあり得るので、この意味でもクリーニングは必要である。
【0005】
また、同一人でも、あるアンケートでは自宅住所、別のアンケートでは会社住所を記載したような場合、別人として重複登録される場合もある。
【0006】
そして、顧客情報のうち住所をクリーニングする従来技術としては、郵便番号⇔住所、郵便番号⇔電話番号、大口郵便番号⇔ビル名や企業名、といった不整合の検出や修正、また地名、ビル名、企業名などの誤記の検出や修正などを自動や半自動で実行するシステムが提案されている。
【0007】
また、住所だけでなく、インターネット上における電子メールアドレスやURL、顧客属性(家族構成、勤務先など)から、同じリスト中の含まれる多数のレコードのなかで同一対象と思われるものを検出する、いわゆる「名寄せ」を行うシステムも提案されている。
【0008】
また、通信事業者が保有する契約者情報などをコンピュータに記憶させ、それを照会を行いたい需要側が、直接あるいはインターネットを経由して参照することにより、手持ちの顧客情報中の電話番号データをクリーニングする手法も提案されている。
【0009】
また、電話番号については、対象となるリスト中の電話番号へ順次実際に発信を行い、それに対する「お客様のご都合により…」などの応答によりクリーニングする提案もある。例えば、「現在使われておりません」との応答メッセージが確認されれば転居の可能性が大きい。また、ISDN網では発信に対する網側からの反応がデジタル信号で得られるので処理が容易である(特許文献1,2参照)。また、地域電話会社が電話番号の有効無効を案内する114サービスに電話番号を送り込み、それに対する自動音声応答を音声認識することにより、有効無効や通話可能、移転、保留などの状態種別を自動検出するシステムも提案されている。
【0010】
もっとも、上記のような各システムは単体で全ての処理を完結させる高額なもので、クリーニング専門事業者がそれを保有し、クリーニングの需要者はそのような事業者へ外注するアウトソーシングの工夫もされている。例えば、顧客情報をクリーニングしようとする者(例えば、ダイレクトメールを発信しようとする事業者)が一般に採用する手順として、例えば、顧客に対する守秘義務上、匿名状態の電話番号だけを専門事業者に渡してクリーニングさせ、その中で有効な顧客情報レコードに限って住所を別の専門事業者にクリーニングさせる、という多段形態が知られる。これにより無効な顧客情報は2%程度まで抑制できるとされている。
【0011】
【特許文献1】
特許2801969
【特許文献2】
特許3227398
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の中で、例えば通信事業者が持つ契約者情報への直接参照を認めることは、そのような契約者情報を多かれ少なかれ公開することとなるため、通信事業者の情報セキュリティなどの面で問題がある。
【0013】
また、114サービスを用いる場合、音声認識の手段を要しコスト高となることに加え、通信事業者によりメッセージの種類は不統一であり、メッセージの種類が多くなると人間が聴けばわかるものでも音声認識では対応し切れず誤認識により精度が低下する問題もあった。
【0014】
また、効率化や情報セキュリティのため住所と電話番号のように別々の事業者へ外注すれば、手数、コスト、所要期間などの点で不利であり、また、外注自体、自社の顧客情報を外注先へ開示する点では情報セキュリティ上の懸念もあった。
【0015】
また、企業を表す顧客情報のうち、住所、郵便番号、電話番号、大規模な建物や企業の正式名称などに限定すれば、従来技術でも有効無効判定や誤り訂正といったクリーニングを比較的適切に行えるが、企業のURL、法人名称でも慣用名や法人中の組織や部署の名称、小規模な企業の情報等は、それ自体変遷しやすいことに加え、クリーニングの手法やその基となる情報が存在しないため、正確なクリーニングが困難であった。
【0016】
さらに、そのような情報のクリーニングでは、クリーニングの対象情報と、基準となる正しい情報との間で、まず対応関係をマッチングするための照合が必要である。しかし、この場合、対象情報自体は誤っているため、文字列検索の手法として、完全一致検索ではマッチングできず、また、前方一致や後方一致などの部分一致検索では、照合する文字列の途中での局所的な変形すなわち誤りを吸収できないうえ、一致すべき文字列長の設定が困難であるなど、期待する結果を得ることが難しい問題があった。
【0017】
例えば、企業名称を照合する従来の例として、「株式会社」「有限会社」「(株)」などの文字列を除去した上で、一般的な部分一致検索(前方一致検索、後方一致検索)を用いても、完全一致/部分一致/不一致の3段階の判定しか行えず、人間の入力ミス(タイプミスや仮名漢字変換時の操作ミスなど)によって発生する誤記をうまく吸収することができなかった。
【0018】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、情報セキュリティに優れ低コストで正確な顧客情報クリーニングのためのシステム、方法及びプログラムを提供することである。また、本発明の他の目的は、企業情報も正確にクリーニングする顧客情報クリーニングの技術を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、通信事業者側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、クリーニングしようとする電話番号をその電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の前記通信事業者側システムへ前記デジタル通信ネットワークで送信する手段と、前記通信事業者側システムから、前記電話番号の有効又は無効の判定結果が前記デジタル通信ネットワークで返信されると、返信された前記有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングする手段と、をコンピュータが実現することを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1の発明を方法という見方から捉えたもので、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、通信事業者側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、コンピュータが、クリーニングしようとする電話番号をその電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の前記通信事業者側システムへ前記デジタル通信ネットワークで送信し、前記通信事業者側システムから、前記電話番号の有効又は無効の判定結果が前記デジタル通信ネットワークで返信されると、返信された前記有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングすることを特徴とする。
【0021】
請求項15の発明は、請求項1,8の発明をコンピュータのプログラムという見方から捉えたもので、コンピュータを制御することにより、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、通信事業者側システムとデジタル通信ネットワークで接続された照会側システムを実現する顧客情報クリーニングのためのプログラムにおいて、そのプログラムは前記コンピュータに、クリーニングしようとする電話番号をその電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の前記通信事業者側システムへ前記デジタル通信ネットワークで送信させ、前記通信事業者側システムから、前記電話番号の有効又は無効の判定結果が前記デジタル通信ネットワークで返信されると、返信された前記有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングさせることを特徴とする。
【0022】
請求項2の発明は、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムにおいて、コンピュータが、前記照会側システムから前記デジタル通信ネットワークで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効の判定を行ってその判定結果を前記デジタル通信ネットワークで前記照会側システムへ返信する手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項9の発明は、請求項2の発明を方法という見方から捉えたもので、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムの制御方法において、コンピュータが、前記照会側システムから前記デジタル通信ネットワークで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効の判定を行ってその判定結果を前記デジタル通信ネットワークで前記照会側システムへ返信することを特徴とする。
【0024】
請求項16の発明は、請求項2,9の発明をコンピュータのプログラムという見方から捉えたもので、コンピュータを制御することにより、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムを実現するプログラムにおいて、そのプログラムは前記コンピュータに、前記照会側システムから前記デジタル通信ネットワークで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効の判定を行ってその判定結果を前記デジタル通信ネットワークで前記照会側システムへ返信させることを特徴とする。
【0025】
請求項7の顧客情報クリーニングシステムは、請求項1,4から6のいずれかに記載の照会側システムと、請求項2又は3記載の通信事業者側システムと、をデジタル通信ネットワークで接続したことを特徴とする。
【0026】
請求項14の顧客情報クリーニング方法は、請求項7の発明を方法という見方から捉えたもので、請求項8,11から13のいずれかに記載の照会側システムの制御方法と、請求項9又は10記載の通信事業者側システムの制御方法と、をデジタル通信ネットワーク経由で組み合わせることを特徴とする。
【0027】
これらの態様では、照会側から専用線やインターネットなどのデジタル通信ネットワークで、携帯電話、PHS、IP電話等の各通信事業者へ電話番号を送信して有効無効を照会しその結果に基きクリーニングを行う。このため、通信事業者側にとって保有する契約者情報に外部からの直接参照を許すわけではないのでセキュリティが改善する。また、判定結果もデジタル通信ネットワーク経由で返信されるので114サービスと音声認識の組合せより処理も正確で、さらに有効無効の判定部分を通信事業者側で行うことから照会側の経済的負担も軽減される。
【0028】
請求項3の発明は、請求項2記載の顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムにおいて、コンピュータが、前記照会の件数を前記照会側システムごとに記録し、所定の期間ごとに集計するとともに、その照会側システムに係る照会費用精算のために所定の形式で出力する手段を備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項10の発明は、請求項3の発明を方法という見方から捉えたもので、請求項9記載の顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムの制御方法において、コンピュータが、前記照会の件数を前記照会側システムごとに記録し、所定の期間ごとに集計するとともに、その照会側システムに係る照会費用精算のために所定の形式で出力することを特徴とする。
【0030】
これらの態様では、照会処理件数を記録、集計、出力し、それに応じた費用を照会処理を行う通信事業者側に対して照会側から支払うことで、具体的な企業間活動としての裏付けが提供され顧客情報クリーニングが効果的に促進される。
【0031】
請求項4の発明は、企業である顧客の顧客情報をクリーニングする顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、企業の名称又はURLの少なくとも一方を企業情報として蓄積した企業情報データベースと、コンピュータが、前記企業情報データベースとの照合処理を行うことによって、前記顧客情報に含まれる企業の名称又はURLの少なくとも一方をクリーニングする手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
請求項11の発明は、請求項4の発明を方法という見方から捉えたもので、企業である顧客の顧客情報をクリーニングする顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、企業の名称又はURLの少なくとも一方を企業情報として蓄積した企業情報データベースを用い、コンピュータが、前記企業情報データベースとの照合処理を行うことによって、前記顧客情報に含まれる企業の名称又はURLの少なくとも一方をクリーニングすることを特徴とする。
【0033】
これらの態様では、用意された企業情報データベースとの照合により、企業である顧客の顧客情報について有効無効の判定などのクリーニングを行うことが可能となる。
【0034】
請求項5の発明は、請求項4記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、コンピュータが、インターネットのウェブページを参照し、ウェブページに掲載された企業の名称又はURLの少なくとも一方を前記企業情報として獲得することにより前記企業情報データベースを生成する手段を備えたことを特徴とする。
【0035】
請求項12の発明は、請求項5の発明を方法という見方から捉えたもので、請求項11記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、コンピュータが、インターネットのウェブページを参照し、ウェブページに掲載された企業の名称又はURLの少なくとも一方を前記企業情報として獲得することにより前記企業情報データベースを生成することを特徴とする。
【0036】
すなわち、企業の情報については、個人情報と比べインターネット上でその企業自身のウェブページやその他のウェブページに正式名称や慣用名、部署名等が掲載されている可能性が高く、特にその企業自身のウェブページに掲載の企業名や住所等は正しいと考えられる。したがって、この態様では、インターネットのウェブページ参照と機械処理により、広汎で高精度な企業データベースが容易迅速安価に生成され企業情報のクリーニング精度が改善される。具体例としては、「株式会社」「有限会社」などの文字列を発見したらそれを含む社名を取り込んだり、そのウェブページのURLを記録すればよい。
【0037】
請求項6の発明は、請求項1,4,5のいずれかに記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、情報の類似性を判定する判定手段をコンピュータが実現し、前記判定手段は、照合されるべき2つの文字列をそれぞれ文節又は音節の要素に分解し、それら要素の位置及び特徴により表される第1及び第2のパターンを生成し、第1及び第2のパターンの中で同じ特徴を有する第1及び第2の要素の各々の位置の対を座標とする照合位置からなる照合マップを作成し、照合マップ内で近傍の照合位置が順次に連結された経路毎に経路の連続性を評価し、経路毎の連続性に基いて第1と第2のパターンの合致度を判定するように構成されたことを特徴とする。
【0038】
請求項13の発明は、請求項6の発明を方法という見方から捉えたもので、請求項8,11,12のいずれかに記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、コンピュータが、情報の類似性を判定する判定処理を行い、前記判定処理は、照合されるべき2つの文字列をそれぞれ文節又は音節の要素に分解し、それら要素の位置及び特徴により表される第1及び第2のパターンを生成し、第1及び第2のパターンの中で同じ特徴を有する第1及び第2の要素の各々の位置の対を座標とする照合位置からなる照合マップを作成し、照合マップ内で近傍の照合位置が順次に連結された経路毎に経路の連続性を評価し、経路毎の連続性に基いて第1と第2のパターンの合致度を判定することを特徴とする。
【0039】
これらの態様では、記載の表記上の曖昧性を考慮した検索手法(特開2000−276472記載)の適用によるあいまい検索により、顧客情報の誤りデータに対しても、比較対照すべき正しいデータを抽出可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態(以下「本実施形態」と呼ぶ)について図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態は、パソコンやサーバ等のコンピュータをプログラムで制御することにより実現でき、装置、方法、プログラムのいずれのカテゴリでも把握可能で、実現におけるハードウェアやソフトウェアの態様も各種変更可能である。したがって、以下の説明では、本発明及び本実施形態の各機能を実現する仮想的回路ブロックを用いる。
【0041】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1に示すように、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システム1と通信事業者側システム2とをデジタル通信ネットワークであるインターネットNで接続した顧客情報クリーニングシステム(以下「本システム」と呼ぶ)に関する。このうち照会側システム1及び通信事業者側システム2では、それぞれ、コンピュータがプログラムにしたがって図1に示す各部を実現し、それら各部は以下のように作用する各手段である。なお、照会側システム1と外部との通信、照会側システム1と通信事業者側システム2との通信はインターネットN経由で行われる。
【0042】
〔2.作用及び効果〕
〔2−1.照会とクリーニングの基本動作〕
図2は、本実施形態において電話番号のレコードをクリーニングする処理手順を示すフローチャートである。すなわち、この手順では、照会側システム1の照会部11が、クリーニング対象となる顧客情報10のデータ(顧客情報データと呼ぶ)中の1レコードを選択し(ステップ11)、そのレコード中の電話番号を、その電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の通信事業者側システム2へ前記デジタル通信ネットワークで送信する(ステップ12)。
【0043】
通信事業者側システム2の判定部21は、照会側システム1からインターネットNで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効について、顧客情報20に基き判定を行って、有効又は無効という判定結果のみをインターネットNで前記照会側システムへ返信する。
【0044】
照会側システム1の判定結果処理部12は、通信事業者側システム2から、電話番号の有効又は無効の判定結果がインターネットNで返信されると(ステップ13)、返信された有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングする。例えば、電話番号が無効だった場合(ステップ14)、顧客情報データ中の当該レコードに「無効」フラグを付加する(ステップ15)。
【0045】
また、図1と図2では、通信事業者が一つの単純な場合を例示したが、電話番号自体で通信事業者が特定できない場合は、図3のフローチャートに示すように、複数の通信事業者側システム2と順次通信してクリーニングするようにしてもよい。
【0046】
すなわち、現時点では、電話番号の冒頭数桁から通信事業者がほぼ特定でき、例えば「070」で始まるものはPHS、「090」、「080」で始まるものは携帯電話であり、さらにそれに続く数桁の数字並びにより、個々の通信事業者を特定可能である。しかし、利用者の便宜のため、同じ電話番号で異なる通信事業者へ移行可能な番号ポータビリティの導入が予定され、その場合は番号自体では通信事業者を特定不可能となるため、図3のような処理が必要となる。「050」で始まるIP電話についても同様の配慮を要する。
【0047】
この場合の図3の処理手順では、クリーニングしようとする顧客情報データ中の1レコードを選択し電話番号を抽出すると(ステップ21)、当該電話番号でサービスを提供している可能性のある対象事業者を判定し、その数を変数Nに与える(ステップ22)。そして、ループ変数iを0から(ステップ23)Nまで(ステップ27)1ずつインクリメント(増加)しながら(ステップ24)、各通信事業者[i]の通信事業者側システム2へその電話番号を送り(ステップ25)、有効又は無効の返信を受信する(ステップ26)。そして、全ての返信[i]が無効であれば(ステップ28)、顧客情報データ中の当該レコードに「無効」フラグを付加する(ステップ29)。
【0048】
以上のように、本実施形態では、照会側から専用線やインターネットなどのデジタル通信ネットワークで、携帯電話、PHS、IP電話等の各通信事業者へ電話番号を送信して有効無効を照会しその結果に基きクリーニングを行う。このため、通信事業者側にとって保有する契約者情報に外部からの直接参照を許すわけではないのでセキュリティが改善する。また、判定結果もデジタル通信ネットワーク経由で返信されるので114サービスと音声認識の組合せより処理も正確で、さらに有効無効の判定部分を通信事業者側で行うことから照会側の経済的負担も軽減される。
【0049】
また、照会側と通信事業者側の双方にとって、特定の個人/法人名とその電話番号の組合せ等の個人情報を通信経路情報で授受するものでもないので、特に、インターネットという多数者の利用するオープンネットワーク経由の場合でも、情報のセキュリティ確保が容易となり、手法として有用である。
【0050】
〔2−2.費用精算〕
また、通信事業者側システム2の費用精算処理部22は、前記照会の件数を照会側システム1ごとに記録し、所定の期間ごとに集計するとともに、その照会側システム1に係る照会費用精算のために所定の形式で出力する。
【0051】
このように、本実施形態では、照会処理件数を記録、集計、出力し、それに応じた費用を照会処理を行う通信事業者側に対して照会側から支払うことで、具体的な企業間活動としての裏付けが提供され顧客情報クリーニングが効果的に促進される。
【0052】
〔2−3.企業情報データベースの生成と利用〕
また、照会側システム1は、企業である顧客の顧客情報をクリーニングするため、企業の名称又はURLの少なくとも一方を企業情報として蓄積した企業情報データベース13を備える。この企業情報データベース13は、照会側システム1のDB生成部15が、インターネット上に公開されているウェブページのコンテンツを参照し、ウェブページに掲載された企業の名称又はURLの少なくとも一方を前記企業情報として獲得することにより生成する。なお、法人の正式名称以外にも、慣用名や部署名など他の情報項目を対象としてもよい。
【0053】
具体的には、検索サイトなどの索引生成等の手法と同様に「ロボット」と呼ばれる情報収集の仕組みを用いて、インターネット上で公開されているHTML文書等のコンテンツを収集し、そのコンテンツ中から必要情報(例えば法人名称、法人内の部署名称/組織名称)を取得する。一例として、「株式会社」「有限会社」などの文字列を発見したらそれを含む社名を取り込んだり、そのウェブページのURLを記録すればよい。
【0054】
すなわち、企業の情報については、個人情報と比べインターネット上でその企業自身のウェブページやその他のウェブページに正式名称や最新の慣用名、部署名等が掲載されている可能性が高く、特にその企業自身のウェブページに掲載の企業名や住所等は正しいと考えられる。したがって、本実施形態では、インターネットのウェブページ参照と機械処理により、広汎で高精度な企業データベースが容易迅速安価に生成され企業情報のクリーニング精度が改善される。また、企業情報データベース13は、法務局の登記情報など他の情報源に基いて生成してもよい。
【0055】
〔2−4.類似情報の照合〕
そして、類似判定部14は、企業情報データベース13との照合処理を行うことによって、クリーニング対象の顧客情報10に含まれる企業の名称すなわち法人名称又はURLの少なくとも一方をクリーニングする。
【0056】
このとき、類似判定部14は、法人名称などの文字列について、完全一致や部分一致の有無だけでなく、情報の類似性を判定する判定手段でもあり、これにより、程度問題としての合致度に基いたチェック処理を用いたクリーニングを行うことができる。
【0057】
具体的には、照合されるべき2つの文字列をそれぞれ文節又は音節の要素に分解し、それら要素の位置及び特徴により表される第1及び第2のパターンを生成し、第1及び第2のパターンの中で同じ特徴を有する第1及び第2の要素の各々の位置の対を座標とする照合位置からなる照合マップを作成し、照合マップ内で近傍の照合位置が順次に連結された経路毎に経路の連続性を評価し、経路毎の連続性に基いて第1と第2のパターンの合致度を判定する。
【0058】
この場合、チェック対象の名称とデータベース(DB)中の名称について、従来の完全一致や部分一致のみによるチェック結果を図4に、また、本実施形態における合致度に基くチェック結果を図5に示す。これらの例は「株式会社」「(株)」などは事前に削除して比較したものである。
【0059】
例えば、チェック対象の「ネットレーティングス」とDB中の「ネットレイティングス」のように比較する文字列の途中に違いがあるような場合、従来例(図4)では単に「不一致」となるのに対し、本実施形態(図5)では90%という高い合致度を示す。すなわち、本実施形態では、類似と認めるか否かを合致度の閾値として意図に応じ柔軟に設定できるとともに、人間の入力ミスによって発生しがちな部分的誤記も吸収し易く高精度なクリーニングが実現される。
【0060】
このような類似判定を用いたクリーニングでは、図6のフローチャートに示すように、顧客情報から選択したレコード中の法人名称と企業情報データベース中の名称を比較し(ステップ31,32)、一致する名称があれば処理を終了するが(ステップ33)、類似する名称がある場合は(ステップ34)、当該レコード中の法人名称を企業情報データベース中の名称に変更したうえ(ステップ35)、顧客情報データ中の当該レコードに「修正」フラグを付加する(ステップ36)。一方、ステップ34の判断において類似する名称もなければ、顧客情報データ中の当該レコードに「無効」フラグを付加する(ステップ37)。
【0061】
以上のように、本実施形態では、用意された企業情報データベースとの照合により、企業である顧客の顧客情報についても有効無効の判定などのクリーニングを行うことが可能となることに加え、記載の表記上の曖昧性を考慮した検索手法(特開2000−276472記載)の適用によるあいまい検索により、顧客情報の誤りデータに対しても、比較対照すべき正しいデータを抽出可能となる。
【0062】
特に、本実施形態では、電話番号、法人名称、URLなどを一括してクリーニング可能であり、さらに郵便番号、住所、電話番号、ファックス番号、電子メールアドレスなど対象項目を自由に増やし、総合的な情報を一括クリーニング可能であるため業務効率が改善され優れた利便性が得られる。
【0063】
〔3.他の実施形態〕
なお、本発明は上記実施形態には限定されず、以下に例示するような他の実施形態も含む。例えば、通信事業者側システムにおいて、照会側システムから送信された電話番号の有効又は無効の判定は、典型的には、通信事業者の顧客情報との照合により行うが、それに代え、その電話番号を実際の通信網に与え、通信網からの信号応答に基いて判定するようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、電話番号と、法人名称等の企業情報の双方をクリーニング対象とする構成と処理を示したが、電話番号と、法人名称等の企業情報の一方だけを対象としてもよい。後者の場合、通信事業者側システムは必須ではない。
【0065】
また、有効無効の判定や情報の修正のほか、住所、氏名や法人名称、電話番号、FAX番号、電子メールアドレスやURLなどのIT情報の組み合わせにより重複登録の排除も可能であり、例えば、氏名もメールアドレスも同じなら、同一人であろうと判断し、その旨を表示したりデータを自動で統合するようにしてもよい。また、住所のクリーニングについて、「紀尾井町ビル」「霞ヶ関ビル」「新宿センタービル」のように著名又は大規模な建物等の施設については、ビル名がわかれば、住所は自動補完するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、情報セキュリティに優れ低コストで正確な顧客情報クリーニングのためのシステム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態において電話番号をクリーニングする処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態において、複数の通信事業者側システムを用いて電話番号をクリーニングする処理手順を示すフローチャートである。
【図4】チェック対象の名称とデータベース中の名称について、従来の完全一致や部分一致のみによるチェック結果を示す図である。
【図5】チェック対象の名称とデータベース中の名称について、本発明の実施形態における合致度に基くチェック結果を示す図である。
【図6】本発明の実施形態において法人名称を合致度に基いてクリーニングする処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…照会側システム
2…通信事業者側システム
10…クリーニング対象顧客情報
11…照会部
12…判定結果処理部
13…企業情報データベース
14…類似判定部
15…DB生成部
20…通信事業者の顧客情報
21…判定部
22…費用精算処理部
N…インターネット
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報セキュリティに優れ低コストで正確な顧客情報クリーニングのためのシステム、方法及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
技術進歩とあいまって情報化の進む今日において、企業など各種の組織や団体では、顧客や利用者などの顧客情報が非常に大きな価値をもち、ビジネス上の生命線となる場合も多い。顧客情報は、通常、個人や企業の氏名や名称、郵便番号、住所、電話番号、ファックス番号、電子メールアドレス、URL(ウェブページのアドレス)などを複数組み合わせたものである。
【0003】
このような顧客情報の維持、管理のためにはクリーニングが不可欠とされ、ここでいうクリーニングとは、顧客情報の有効無効を判断し無効な部分や誤った部分を除去したり修正する処理である。このようなクリーニングを要する理由の一つは、顧客側では転居、電話番号変更、メールアドレス変更等の変動がある程度当然に生じることから、これに対応するための定期的なデータ更新を要するからである。
【0004】
また、例えば街頭やショールーム、インターネットウェブサイト等を通じてアンケート等で顧客情報を収集した場合、記載の住所が不正確で、例えば郵便番号が無い、間違っている、ビル名が違う、途中までで番地がないなどの可能性も考えられる。また、収集した情報が正しくても、顧客リスト作成のためのデータ入力時に入力ミスもあり得るので、この意味でもクリーニングは必要である。
【0005】
また、同一人でも、あるアンケートでは自宅住所、別のアンケートでは会社住所を記載したような場合、別人として重複登録される場合もある。
【0006】
そして、顧客情報のうち住所をクリーニングする従来技術としては、郵便番号⇔住所、郵便番号⇔電話番号、大口郵便番号⇔ビル名や企業名、といった不整合の検出や修正、また地名、ビル名、企業名などの誤記の検出や修正などを自動や半自動で実行するシステムが提案されている。
【0007】
また、住所だけでなく、インターネット上における電子メールアドレスやURL、顧客属性(家族構成、勤務先など)から、同じリスト中の含まれる多数のレコードのなかで同一対象と思われるものを検出する、いわゆる「名寄せ」を行うシステムも提案されている。
【0008】
また、通信事業者が保有する契約者情報などをコンピュータに記憶させ、それを照会を行いたい需要側が、直接あるいはインターネットを経由して参照することにより、手持ちの顧客情報中の電話番号データをクリーニングする手法も提案されている。
【0009】
また、電話番号については、対象となるリスト中の電話番号へ順次実際に発信を行い、それに対する「お客様のご都合により…」などの応答によりクリーニングする提案もある。例えば、「現在使われておりません」との応答メッセージが確認されれば転居の可能性が大きい。また、ISDN網では発信に対する網側からの反応がデジタル信号で得られるので処理が容易である(特許文献1,2参照)。また、地域電話会社が電話番号の有効無効を案内する114サービスに電話番号を送り込み、それに対する自動音声応答を音声認識することにより、有効無効や通話可能、移転、保留などの状態種別を自動検出するシステムも提案されている。
【0010】
もっとも、上記のような各システムは単体で全ての処理を完結させる高額なもので、クリーニング専門事業者がそれを保有し、クリーニングの需要者はそのような事業者へ外注するアウトソーシングの工夫もされている。例えば、顧客情報をクリーニングしようとする者(例えば、ダイレクトメールを発信しようとする事業者)が一般に採用する手順として、例えば、顧客に対する守秘義務上、匿名状態の電話番号だけを専門事業者に渡してクリーニングさせ、その中で有効な顧客情報レコードに限って住所を別の専門事業者にクリーニングさせる、という多段形態が知られる。これにより無効な顧客情報は2%程度まで抑制できるとされている。
【0011】
【特許文献1】
特許2801969
【特許文献2】
特許3227398
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の中で、例えば通信事業者が持つ契約者情報への直接参照を認めることは、そのような契約者情報を多かれ少なかれ公開することとなるため、通信事業者の情報セキュリティなどの面で問題がある。
【0013】
また、114サービスを用いる場合、音声認識の手段を要しコスト高となることに加え、通信事業者によりメッセージの種類は不統一であり、メッセージの種類が多くなると人間が聴けばわかるものでも音声認識では対応し切れず誤認識により精度が低下する問題もあった。
【0014】
また、効率化や情報セキュリティのため住所と電話番号のように別々の事業者へ外注すれば、手数、コスト、所要期間などの点で不利であり、また、外注自体、自社の顧客情報を外注先へ開示する点では情報セキュリティ上の懸念もあった。
【0015】
また、企業を表す顧客情報のうち、住所、郵便番号、電話番号、大規模な建物や企業の正式名称などに限定すれば、従来技術でも有効無効判定や誤り訂正といったクリーニングを比較的適切に行えるが、企業のURL、法人名称でも慣用名や法人中の組織や部署の名称、小規模な企業の情報等は、それ自体変遷しやすいことに加え、クリーニングの手法やその基となる情報が存在しないため、正確なクリーニングが困難であった。
【0016】
さらに、そのような情報のクリーニングでは、クリーニングの対象情報と、基準となる正しい情報との間で、まず対応関係をマッチングするための照合が必要である。しかし、この場合、対象情報自体は誤っているため、文字列検索の手法として、完全一致検索ではマッチングできず、また、前方一致や後方一致などの部分一致検索では、照合する文字列の途中での局所的な変形すなわち誤りを吸収できないうえ、一致すべき文字列長の設定が困難であるなど、期待する結果を得ることが難しい問題があった。
【0017】
例えば、企業名称を照合する従来の例として、「株式会社」「有限会社」「(株)」などの文字列を除去した上で、一般的な部分一致検索(前方一致検索、後方一致検索)を用いても、完全一致/部分一致/不一致の3段階の判定しか行えず、人間の入力ミス(タイプミスや仮名漢字変換時の操作ミスなど)によって発生する誤記をうまく吸収することができなかった。
【0018】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、情報セキュリティに優れ低コストで正確な顧客情報クリーニングのためのシステム、方法及びプログラムを提供することである。また、本発明の他の目的は、企業情報も正確にクリーニングする顧客情報クリーニングの技術を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、通信事業者側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、クリーニングしようとする電話番号をその電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の前記通信事業者側システムへ前記デジタル通信ネットワークで送信する手段と、前記通信事業者側システムから、前記電話番号の有効又は無効の判定結果が前記デジタル通信ネットワークで返信されると、返信された前記有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングする手段と、をコンピュータが実現することを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1の発明を方法という見方から捉えたもので、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、通信事業者側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、コンピュータが、クリーニングしようとする電話番号をその電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の前記通信事業者側システムへ前記デジタル通信ネットワークで送信し、前記通信事業者側システムから、前記電話番号の有効又は無効の判定結果が前記デジタル通信ネットワークで返信されると、返信された前記有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングすることを特徴とする。
【0021】
請求項15の発明は、請求項1,8の発明をコンピュータのプログラムという見方から捉えたもので、コンピュータを制御することにより、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、通信事業者側システムとデジタル通信ネットワークで接続された照会側システムを実現する顧客情報クリーニングのためのプログラムにおいて、そのプログラムは前記コンピュータに、クリーニングしようとする電話番号をその電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の前記通信事業者側システムへ前記デジタル通信ネットワークで送信させ、前記通信事業者側システムから、前記電話番号の有効又は無効の判定結果が前記デジタル通信ネットワークで返信されると、返信された前記有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングさせることを特徴とする。
【0022】
請求項2の発明は、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムにおいて、コンピュータが、前記照会側システムから前記デジタル通信ネットワークで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効の判定を行ってその判定結果を前記デジタル通信ネットワークで前記照会側システムへ返信する手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項9の発明は、請求項2の発明を方法という見方から捉えたもので、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムの制御方法において、コンピュータが、前記照会側システムから前記デジタル通信ネットワークで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効の判定を行ってその判定結果を前記デジタル通信ネットワークで前記照会側システムへ返信することを特徴とする。
【0024】
請求項16の発明は、請求項2,9の発明をコンピュータのプログラムという見方から捉えたもので、コンピュータを制御することにより、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムを実現するプログラムにおいて、そのプログラムは前記コンピュータに、前記照会側システムから前記デジタル通信ネットワークで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効の判定を行ってその判定結果を前記デジタル通信ネットワークで前記照会側システムへ返信させることを特徴とする。
【0025】
請求項7の顧客情報クリーニングシステムは、請求項1,4から6のいずれかに記載の照会側システムと、請求項2又は3記載の通信事業者側システムと、をデジタル通信ネットワークで接続したことを特徴とする。
【0026】
請求項14の顧客情報クリーニング方法は、請求項7の発明を方法という見方から捉えたもので、請求項8,11から13のいずれかに記載の照会側システムの制御方法と、請求項9又は10記載の通信事業者側システムの制御方法と、をデジタル通信ネットワーク経由で組み合わせることを特徴とする。
【0027】
これらの態様では、照会側から専用線やインターネットなどのデジタル通信ネットワークで、携帯電話、PHS、IP電話等の各通信事業者へ電話番号を送信して有効無効を照会しその結果に基きクリーニングを行う。このため、通信事業者側にとって保有する契約者情報に外部からの直接参照を許すわけではないのでセキュリティが改善する。また、判定結果もデジタル通信ネットワーク経由で返信されるので114サービスと音声認識の組合せより処理も正確で、さらに有効無効の判定部分を通信事業者側で行うことから照会側の経済的負担も軽減される。
【0028】
請求項3の発明は、請求項2記載の顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムにおいて、コンピュータが、前記照会の件数を前記照会側システムごとに記録し、所定の期間ごとに集計するとともに、その照会側システムに係る照会費用精算のために所定の形式で出力する手段を備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項10の発明は、請求項3の発明を方法という見方から捉えたもので、請求項9記載の顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムの制御方法において、コンピュータが、前記照会の件数を前記照会側システムごとに記録し、所定の期間ごとに集計するとともに、その照会側システムに係る照会費用精算のために所定の形式で出力することを特徴とする。
【0030】
これらの態様では、照会処理件数を記録、集計、出力し、それに応じた費用を照会処理を行う通信事業者側に対して照会側から支払うことで、具体的な企業間活動としての裏付けが提供され顧客情報クリーニングが効果的に促進される。
【0031】
請求項4の発明は、企業である顧客の顧客情報をクリーニングする顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、企業の名称又はURLの少なくとも一方を企業情報として蓄積した企業情報データベースと、コンピュータが、前記企業情報データベースとの照合処理を行うことによって、前記顧客情報に含まれる企業の名称又はURLの少なくとも一方をクリーニングする手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
請求項11の発明は、請求項4の発明を方法という見方から捉えたもので、企業である顧客の顧客情報をクリーニングする顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、企業の名称又はURLの少なくとも一方を企業情報として蓄積した企業情報データベースを用い、コンピュータが、前記企業情報データベースとの照合処理を行うことによって、前記顧客情報に含まれる企業の名称又はURLの少なくとも一方をクリーニングすることを特徴とする。
【0033】
これらの態様では、用意された企業情報データベースとの照合により、企業である顧客の顧客情報について有効無効の判定などのクリーニングを行うことが可能となる。
【0034】
請求項5の発明は、請求項4記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、コンピュータが、インターネットのウェブページを参照し、ウェブページに掲載された企業の名称又はURLの少なくとも一方を前記企業情報として獲得することにより前記企業情報データベースを生成する手段を備えたことを特徴とする。
【0035】
請求項12の発明は、請求項5の発明を方法という見方から捉えたもので、請求項11記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、コンピュータが、インターネットのウェブページを参照し、ウェブページに掲載された企業の名称又はURLの少なくとも一方を前記企業情報として獲得することにより前記企業情報データベースを生成することを特徴とする。
【0036】
すなわち、企業の情報については、個人情報と比べインターネット上でその企業自身のウェブページやその他のウェブページに正式名称や慣用名、部署名等が掲載されている可能性が高く、特にその企業自身のウェブページに掲載の企業名や住所等は正しいと考えられる。したがって、この態様では、インターネットのウェブページ参照と機械処理により、広汎で高精度な企業データベースが容易迅速安価に生成され企業情報のクリーニング精度が改善される。具体例としては、「株式会社」「有限会社」などの文字列を発見したらそれを含む社名を取り込んだり、そのウェブページのURLを記録すればよい。
【0037】
請求項6の発明は、請求項1,4,5のいずれかに記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、情報の類似性を判定する判定手段をコンピュータが実現し、前記判定手段は、照合されるべき2つの文字列をそれぞれ文節又は音節の要素に分解し、それら要素の位置及び特徴により表される第1及び第2のパターンを生成し、第1及び第2のパターンの中で同じ特徴を有する第1及び第2の要素の各々の位置の対を座標とする照合位置からなる照合マップを作成し、照合マップ内で近傍の照合位置が順次に連結された経路毎に経路の連続性を評価し、経路毎の連続性に基いて第1と第2のパターンの合致度を判定するように構成されたことを特徴とする。
【0038】
請求項13の発明は、請求項6の発明を方法という見方から捉えたもので、請求項8,11,12のいずれかに記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、コンピュータが、情報の類似性を判定する判定処理を行い、前記判定処理は、照合されるべき2つの文字列をそれぞれ文節又は音節の要素に分解し、それら要素の位置及び特徴により表される第1及び第2のパターンを生成し、第1及び第2のパターンの中で同じ特徴を有する第1及び第2の要素の各々の位置の対を座標とする照合位置からなる照合マップを作成し、照合マップ内で近傍の照合位置が順次に連結された経路毎に経路の連続性を評価し、経路毎の連続性に基いて第1と第2のパターンの合致度を判定することを特徴とする。
【0039】
これらの態様では、記載の表記上の曖昧性を考慮した検索手法(特開2000−276472記載)の適用によるあいまい検索により、顧客情報の誤りデータに対しても、比較対照すべき正しいデータを抽出可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態(以下「本実施形態」と呼ぶ)について図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態は、パソコンやサーバ等のコンピュータをプログラムで制御することにより実現でき、装置、方法、プログラムのいずれのカテゴリでも把握可能で、実現におけるハードウェアやソフトウェアの態様も各種変更可能である。したがって、以下の説明では、本発明及び本実施形態の各機能を実現する仮想的回路ブロックを用いる。
【0041】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1に示すように、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システム1と通信事業者側システム2とをデジタル通信ネットワークであるインターネットNで接続した顧客情報クリーニングシステム(以下「本システム」と呼ぶ)に関する。このうち照会側システム1及び通信事業者側システム2では、それぞれ、コンピュータがプログラムにしたがって図1に示す各部を実現し、それら各部は以下のように作用する各手段である。なお、照会側システム1と外部との通信、照会側システム1と通信事業者側システム2との通信はインターネットN経由で行われる。
【0042】
〔2.作用及び効果〕
〔2−1.照会とクリーニングの基本動作〕
図2は、本実施形態において電話番号のレコードをクリーニングする処理手順を示すフローチャートである。すなわち、この手順では、照会側システム1の照会部11が、クリーニング対象となる顧客情報10のデータ(顧客情報データと呼ぶ)中の1レコードを選択し(ステップ11)、そのレコード中の電話番号を、その電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の通信事業者側システム2へ前記デジタル通信ネットワークで送信する(ステップ12)。
【0043】
通信事業者側システム2の判定部21は、照会側システム1からインターネットNで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効について、顧客情報20に基き判定を行って、有効又は無効という判定結果のみをインターネットNで前記照会側システムへ返信する。
【0044】
照会側システム1の判定結果処理部12は、通信事業者側システム2から、電話番号の有効又は無効の判定結果がインターネットNで返信されると(ステップ13)、返信された有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングする。例えば、電話番号が無効だった場合(ステップ14)、顧客情報データ中の当該レコードに「無効」フラグを付加する(ステップ15)。
【0045】
また、図1と図2では、通信事業者が一つの単純な場合を例示したが、電話番号自体で通信事業者が特定できない場合は、図3のフローチャートに示すように、複数の通信事業者側システム2と順次通信してクリーニングするようにしてもよい。
【0046】
すなわち、現時点では、電話番号の冒頭数桁から通信事業者がほぼ特定でき、例えば「070」で始まるものはPHS、「090」、「080」で始まるものは携帯電話であり、さらにそれに続く数桁の数字並びにより、個々の通信事業者を特定可能である。しかし、利用者の便宜のため、同じ電話番号で異なる通信事業者へ移行可能な番号ポータビリティの導入が予定され、その場合は番号自体では通信事業者を特定不可能となるため、図3のような処理が必要となる。「050」で始まるIP電話についても同様の配慮を要する。
【0047】
この場合の図3の処理手順では、クリーニングしようとする顧客情報データ中の1レコードを選択し電話番号を抽出すると(ステップ21)、当該電話番号でサービスを提供している可能性のある対象事業者を判定し、その数を変数Nに与える(ステップ22)。そして、ループ変数iを0から(ステップ23)Nまで(ステップ27)1ずつインクリメント(増加)しながら(ステップ24)、各通信事業者[i]の通信事業者側システム2へその電話番号を送り(ステップ25)、有効又は無効の返信を受信する(ステップ26)。そして、全ての返信[i]が無効であれば(ステップ28)、顧客情報データ中の当該レコードに「無効」フラグを付加する(ステップ29)。
【0048】
以上のように、本実施形態では、照会側から専用線やインターネットなどのデジタル通信ネットワークで、携帯電話、PHS、IP電話等の各通信事業者へ電話番号を送信して有効無効を照会しその結果に基きクリーニングを行う。このため、通信事業者側にとって保有する契約者情報に外部からの直接参照を許すわけではないのでセキュリティが改善する。また、判定結果もデジタル通信ネットワーク経由で返信されるので114サービスと音声認識の組合せより処理も正確で、さらに有効無効の判定部分を通信事業者側で行うことから照会側の経済的負担も軽減される。
【0049】
また、照会側と通信事業者側の双方にとって、特定の個人/法人名とその電話番号の組合せ等の個人情報を通信経路情報で授受するものでもないので、特に、インターネットという多数者の利用するオープンネットワーク経由の場合でも、情報のセキュリティ確保が容易となり、手法として有用である。
【0050】
〔2−2.費用精算〕
また、通信事業者側システム2の費用精算処理部22は、前記照会の件数を照会側システム1ごとに記録し、所定の期間ごとに集計するとともに、その照会側システム1に係る照会費用精算のために所定の形式で出力する。
【0051】
このように、本実施形態では、照会処理件数を記録、集計、出力し、それに応じた費用を照会処理を行う通信事業者側に対して照会側から支払うことで、具体的な企業間活動としての裏付けが提供され顧客情報クリーニングが効果的に促進される。
【0052】
〔2−3.企業情報データベースの生成と利用〕
また、照会側システム1は、企業である顧客の顧客情報をクリーニングするため、企業の名称又はURLの少なくとも一方を企業情報として蓄積した企業情報データベース13を備える。この企業情報データベース13は、照会側システム1のDB生成部15が、インターネット上に公開されているウェブページのコンテンツを参照し、ウェブページに掲載された企業の名称又はURLの少なくとも一方を前記企業情報として獲得することにより生成する。なお、法人の正式名称以外にも、慣用名や部署名など他の情報項目を対象としてもよい。
【0053】
具体的には、検索サイトなどの索引生成等の手法と同様に「ロボット」と呼ばれる情報収集の仕組みを用いて、インターネット上で公開されているHTML文書等のコンテンツを収集し、そのコンテンツ中から必要情報(例えば法人名称、法人内の部署名称/組織名称)を取得する。一例として、「株式会社」「有限会社」などの文字列を発見したらそれを含む社名を取り込んだり、そのウェブページのURLを記録すればよい。
【0054】
すなわち、企業の情報については、個人情報と比べインターネット上でその企業自身のウェブページやその他のウェブページに正式名称や最新の慣用名、部署名等が掲載されている可能性が高く、特にその企業自身のウェブページに掲載の企業名や住所等は正しいと考えられる。したがって、本実施形態では、インターネットのウェブページ参照と機械処理により、広汎で高精度な企業データベースが容易迅速安価に生成され企業情報のクリーニング精度が改善される。また、企業情報データベース13は、法務局の登記情報など他の情報源に基いて生成してもよい。
【0055】
〔2−4.類似情報の照合〕
そして、類似判定部14は、企業情報データベース13との照合処理を行うことによって、クリーニング対象の顧客情報10に含まれる企業の名称すなわち法人名称又はURLの少なくとも一方をクリーニングする。
【0056】
このとき、類似判定部14は、法人名称などの文字列について、完全一致や部分一致の有無だけでなく、情報の類似性を判定する判定手段でもあり、これにより、程度問題としての合致度に基いたチェック処理を用いたクリーニングを行うことができる。
【0057】
具体的には、照合されるべき2つの文字列をそれぞれ文節又は音節の要素に分解し、それら要素の位置及び特徴により表される第1及び第2のパターンを生成し、第1及び第2のパターンの中で同じ特徴を有する第1及び第2の要素の各々の位置の対を座標とする照合位置からなる照合マップを作成し、照合マップ内で近傍の照合位置が順次に連結された経路毎に経路の連続性を評価し、経路毎の連続性に基いて第1と第2のパターンの合致度を判定する。
【0058】
この場合、チェック対象の名称とデータベース(DB)中の名称について、従来の完全一致や部分一致のみによるチェック結果を図4に、また、本実施形態における合致度に基くチェック結果を図5に示す。これらの例は「株式会社」「(株)」などは事前に削除して比較したものである。
【0059】
例えば、チェック対象の「ネットレーティングス」とDB中の「ネットレイティングス」のように比較する文字列の途中に違いがあるような場合、従来例(図4)では単に「不一致」となるのに対し、本実施形態(図5)では90%という高い合致度を示す。すなわち、本実施形態では、類似と認めるか否かを合致度の閾値として意図に応じ柔軟に設定できるとともに、人間の入力ミスによって発生しがちな部分的誤記も吸収し易く高精度なクリーニングが実現される。
【0060】
このような類似判定を用いたクリーニングでは、図6のフローチャートに示すように、顧客情報から選択したレコード中の法人名称と企業情報データベース中の名称を比較し(ステップ31,32)、一致する名称があれば処理を終了するが(ステップ33)、類似する名称がある場合は(ステップ34)、当該レコード中の法人名称を企業情報データベース中の名称に変更したうえ(ステップ35)、顧客情報データ中の当該レコードに「修正」フラグを付加する(ステップ36)。一方、ステップ34の判断において類似する名称もなければ、顧客情報データ中の当該レコードに「無効」フラグを付加する(ステップ37)。
【0061】
以上のように、本実施形態では、用意された企業情報データベースとの照合により、企業である顧客の顧客情報についても有効無効の判定などのクリーニングを行うことが可能となることに加え、記載の表記上の曖昧性を考慮した検索手法(特開2000−276472記載)の適用によるあいまい検索により、顧客情報の誤りデータに対しても、比較対照すべき正しいデータを抽出可能となる。
【0062】
特に、本実施形態では、電話番号、法人名称、URLなどを一括してクリーニング可能であり、さらに郵便番号、住所、電話番号、ファックス番号、電子メールアドレスなど対象項目を自由に増やし、総合的な情報を一括クリーニング可能であるため業務効率が改善され優れた利便性が得られる。
【0063】
〔3.他の実施形態〕
なお、本発明は上記実施形態には限定されず、以下に例示するような他の実施形態も含む。例えば、通信事業者側システムにおいて、照会側システムから送信された電話番号の有効又は無効の判定は、典型的には、通信事業者の顧客情報との照合により行うが、それに代え、その電話番号を実際の通信網に与え、通信網からの信号応答に基いて判定するようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、電話番号と、法人名称等の企業情報の双方をクリーニング対象とする構成と処理を示したが、電話番号と、法人名称等の企業情報の一方だけを対象としてもよい。後者の場合、通信事業者側システムは必須ではない。
【0065】
また、有効無効の判定や情報の修正のほか、住所、氏名や法人名称、電話番号、FAX番号、電子メールアドレスやURLなどのIT情報の組み合わせにより重複登録の排除も可能であり、例えば、氏名もメールアドレスも同じなら、同一人であろうと判断し、その旨を表示したりデータを自動で統合するようにしてもよい。また、住所のクリーニングについて、「紀尾井町ビル」「霞ヶ関ビル」「新宿センタービル」のように著名又は大規模な建物等の施設については、ビル名がわかれば、住所は自動補完するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、情報セキュリティに優れ低コストで正確な顧客情報クリーニングのためのシステム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態において電話番号をクリーニングする処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態において、複数の通信事業者側システムを用いて電話番号をクリーニングする処理手順を示すフローチャートである。
【図4】チェック対象の名称とデータベース中の名称について、従来の完全一致や部分一致のみによるチェック結果を示す図である。
【図5】チェック対象の名称とデータベース中の名称について、本発明の実施形態における合致度に基くチェック結果を示す図である。
【図6】本発明の実施形態において法人名称を合致度に基いてクリーニングする処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…照会側システム
2…通信事業者側システム
10…クリーニング対象顧客情報
11…照会部
12…判定結果処理部
13…企業情報データベース
14…類似判定部
15…DB生成部
20…通信事業者の顧客情報
21…判定部
22…費用精算処理部
N…インターネット
Claims (16)
- 少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、通信事業者側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、
クリーニングしようとする電話番号をその電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の前記通信事業者側システムへ前記デジタル通信ネットワークで送信する手段と、
前記通信事業者側システムから、前記電話番号の有効又は無効の判定結果が前記デジタル通信ネットワークで返信されると、返信された前記有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングする手段と、
をコンピュータが実現することを特徴とする顧客情報クリーニングのための照会側システム。 - 少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムにおいて、
コンピュータが、前記照会側システムから前記デジタル通信ネットワークで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効の判定を行ってその判定結果を前記デジタル通信ネットワークで前記照会側システムへ返信する手段を備えたことを特徴とする顧客情報クリーニングのための通信事業者側システム。 - コンピュータが、前記照会の件数を前記照会側システムごとに記録し、所定の期間ごとに集計するとともに、その照会側システムに係る照会費用精算のために所定の形式で出力する手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の顧客情報クリーニングのための通信事業者側システム。
- 企業である顧客の顧客情報をクリーニングする顧客情報クリーニングのための照会側システムにおいて、
企業の名称又はURLの少なくとも一方を企業情報として蓄積した企業情報データベースと、
コンピュータが、前記企業情報データベースとの照合処理を行うことによって、前記顧客情報に含まれる企業の名称又はURLの少なくとも一方をクリーニングする手段を備えたことを特徴とする顧客情報クリーニングのための照会側システム。 - コンピュータが、インターネットのウェブページを参照し、ウェブページに掲載された企業の名称又はURLの少なくとも一方を前記企業情報として獲得することにより前記企業情報データベースを生成する手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の顧客情報クリーニングのための照会側システム。
- 情報の類似性を判定する判定手段をコンピュータが実現し、前記判定手段は、照合されるべき2つの文字列をそれぞれ文節又は音節の要素に分解し、それら要素の位置及び特徴により表される第1及び第2のパターンを生成し、第1及び第2のパターンの中で同じ特徴を有する第1及び第2の要素の各々の位置の対を座標とする照合位置からなる照合マップを作成し、照合マップ内で近傍の照合位置が順次に連結された経路毎に経路の連続性を評価し、経路毎の連続性に基いて第1と第2のパターンの合致度を判定するように構成されたことを特徴とする請求項1,4,5のいずれかに記載の顧客情報クリーニングのための照会側システム。
- 請求項1,4から6のいずれかに記載の照会側システムと、請求項2又は3記載の通信事業者側システムと、をデジタル通信ネットワークで接続したことを特徴とする顧客情報クリーニングシステム。
- 少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、通信事業者側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、
コンピュータが、
クリーニングしようとする電話番号をその電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の前記通信事業者側システムへ前記デジタル通信ネットワークで送信し、
前記通信事業者側システムから、前記電話番号の有効又は無効の判定結果が前記デジタル通信ネットワークで返信されると、返信された前記有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングすることを特徴とする顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法。 - 少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システムとデジタル通信ネットワークで接続された顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムの制御方法において、
コンピュータが、前記照会側システムから前記デジタル通信ネットワークで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効の判定を行ってその判定結果を前記デジタル通信ネットワークで前記照会側システムへ返信することを特徴とする顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムの制御方法。 - コンピュータが、前記照会の件数を前記照会側システムごとに記録し、所定の期間ごとに集計するとともに、その照会側システムに係る照会費用精算のために所定の形式で出力することを特徴とする請求項9記載の顧客情報クリーニングのための通信事業者側システムの制御方法。
- 企業である顧客の顧客情報をクリーニングする顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法において、
企業の名称又はURLの少なくとも一方を企業情報として蓄積した企業情報データベースを用い、
コンピュータが、前記企業情報データベースとの照合処理を行うことによって、前記顧客情報に含まれる企業の名称又はURLの少なくとも一方をクリーニングすることを特徴とする顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法。 - コンピュータが、インターネットのウェブページを参照し、ウェブページに掲載された企業の名称又はURLの少なくとも一方を前記企業情報として獲得することにより前記企業情報データベースを生成することを特徴とする請求項11記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法。
- コンピュータが、情報の類似性を判定する判定処理を行い、
前記判定処理は、照合されるべき2つの文字列をそれぞれ文節又は音節の要素に分解し、それら要素の位置及び特徴により表される第1及び第2のパターンを生成し、第1及び第2のパターンの中で同じ特徴を有する第1及び第2の要素の各々の位置の対を座標とする照合位置からなる照合マップを作成し、照合マップ内で近傍の照合位置が順次に連結された経路毎に経路の連続性を評価し、経路毎の連続性に基いて第1と第2のパターンの合致度を判定することを特徴とする請求項8,11,12のいずれかに記載の顧客情報クリーニングのための照会側システムの制御方法。 - 請求項8,11から13のいずれかに記載の照会側システムの制御方法と、請求項9又は10記載の通信事業者側システムの制御方法と、をデジタル通信ネットワーク経由で組み合わせることを特徴とする顧客情報クリーニング方法。
- コンピュータを制御することにより、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、通信事業者側システムとデジタル通信ネットワークで接続された照会側システムを実現する顧客情報クリーニングのためのプログラムにおいて、
そのプログラムは前記コンピュータに、
クリーニングしようとする電話番号をその電話番号によるサービスを提供している可能性のある通信事業者の前記通信事業者側システムへ前記デジタル通信ネットワークで送信させ、
前記通信事業者側システムから、前記電話番号の有効又は無効の判定結果が前記デジタル通信ネットワークで返信されると、返信された前記有効又は無効の判定結果に基いて顧客情報をクリーニングさせることを特徴とする顧客情報クリーニングのためのプログラム。 - コンピュータを制御することにより、少なくとも電話番号を含む顧客情報をクリーニングするために、照会側システムとデジタル通信ネットワークで接続された通信事業者側システムを実現する顧客情報クリーニングのためのプログラムにおいて、
そのプログラムは前記コンピュータに、
前記照会側システムから前記デジタル通信ネットワークで照会のため送信された前記電話番号の有効又は無効の判定を行ってその判定結果を前記デジタル通信ネットワークで前記照会側システムへ返信させることを特徴とする顧客情報クリーニングのためのプログラム。
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JP2003002175A JP2004213535A (ja) | 2003-01-08 | 2003-01-08 | 顧客情報クリーニングのためのシステム、方法及びプログラム |
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