JP2004212648A - 映像表示装置及び映像表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】各映像を複数の方向に確実に大きな分離層で分離して射出するとともに、左右映像のクロストークのない見やすい映像を表示することが可能な映像表示装置を提供する。
【解決手段】照明用の光源10−1,10−2と、光源10−1,10−2から射出される照明光を複数受ける光入射面と、照明光を所定の複数の互いに散開する方向のそれぞれ所定の範囲に対してそれぞれ同時に映像光として射出する表示面とを持つ、複数の透過型画素で構成された表示素子14とを備えた、一つの表示面から複数の映像光を射出する映像表示装置であって、照明光の少なくとも一部が、表示素子14の各透過型画素のうち所定の複数の各透過型画素に対して、選択的にかつそれぞれ所定の角度を持って照射されるように、各照明光と各透過型画素との各配置がそれぞれ対応付けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】照明用の光源10−1,10−2と、光源10−1,10−2から射出される照明光を複数受ける光入射面と、照明光を所定の複数の互いに散開する方向のそれぞれ所定の範囲に対してそれぞれ同時に映像光として射出する表示面とを持つ、複数の透過型画素で構成された表示素子14とを備えた、一つの表示面から複数の映像光を射出する映像表示装置であって、照明光の少なくとも一部が、表示素子14の各透過型画素のうち所定の複数の各透過型画素に対して、選択的にかつそれぞれ所定の角度を持って照射されるように、各照明光と各透過型画素との各配置がそれぞれ対応付けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像表示装置及び映像表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図31は、LCD(液晶表示装置)を用いた従来の多画面表示装置(3D表示装置)の構成を示す図であり、平面バックライト1と、LCD画素3と、レンチキュラシート6とを備え、LCD画素3の裏面及び前面にはカバーガラス2,5がそれぞれ貼り付けられている。平面バックライト1から射出された拡散光4−1はLCD画素3に入射され、LCD画素3からは拡散光4−2として射出され、レンチキュラシート6を介して観察者7に映像光が届く。
【0003】
以下に記載の特許文献1や、非特許文献1には、このような3D表示装置の一例が開示されている。また、以下に記載の特許文献2には、LCDにレンチキュラを貼り付けた構造をもつ立体表示装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−60538号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平7−59117号公報
【0006】
【非特許文献1】
シャープ株式会社によるニュースリリース「カメラ付き携帯電話SH251iS」、2002年11月13日発行
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の多画面表示装置には、以下の欠点がある。
【0008】
平面バックライトの拡散光を用いたLCD多画面映像表示装置では、拡散光をLCDの裏面から照射するために、ある映像を構成する画素を通過する光が、その映像を提供する領域以外の方向にも射出されているため、その光が不要光や迷光となり画質の劣化につながるという問題がある。
【0009】
また、図31に示す構成では、LCD画素3にレンチキュラシート5、6を貼り付けた構造を取っている。このような構造において表示装置が3D表示用途(ステレオ立体映像表示装置)であれば左右映像をそれぞれ左右の眼球に対して照射すれば良いので左右映像の分離角が小さくとも映像を観察する上での支障はないが、複数の観察者に異なる映像を表示する場合には以下のような問題が生じる。すなわち、通常のLCDでは画素ピッチに対してカバーガラスの厚みが厚いためレンチキュラを貼り付けても、映像の分離角を大きく取れないので、ある程度離れた複数の観察者に異なる映像を表示することはできない。
【0010】
また、通常の平面バックライトでは拡散が強いため、他方向への画素ラインからの光が漏れこみクロストークの原因になったり、観察する位置の少しのずれで他方向の映像が見えてしまうという問題がある。例えば図31において、ある1つのレンズから射出される映像としてL2,R2という2つの画素からの映像を左右に分離したい場合においても、例えば、R3やL1といった画素からの映像も観察する位置によっては見えてしまう。
【0011】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、1つの表示面において見る方向により違った映像を見ることができる映像表示装置において、各映像を複数の方向に確実に大きな分離角で分離して射出することができ、かつ各映像間のクロストークのない見やすい映像を表示することが可能な映像表示装置及び映像表示方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、照明用の光源と、前記光源から射出される照明光を複数受ける光入射面と、前記照明光を所定の複数の互いに散開する方向のそれぞれ所定の範囲に対してそれぞれ同時に映像光として射出する表示面とを持つ、複数の透過型画素で構成された表示素子と、を備えた、一つの表示面から複数の映像光を射出する映像表示装置であって、前記照明光の少なくとも一部が、前記表示素子の前記各透過型画素のうち所定の複数の前記各透過型画素に対して、選択的にかつそれぞれ所定の角度を持って照射されるように、前記各照明光と前記各透過型画素との各配置がそれぞれ対応付けられている。
【0013】
また、第2の発明は、第1の発明に係る映像表示装置において、前記照明光のうち少なくとも一部の光の指向性を制御する手段をさらに備える。
【0014】
また、第3の発明は、第2の発明に係る映像表示装置において、前記光の指向性を制御する前記手段は、前記光源から射出される前記照明光を受け、前記照明光のうち少なくとも一部の光の指向性を制御して射出する第1の光学部材である。
【0015】
また、第4の発明は、第2または第3の発明に係る映像表示装置において、前記第1の光学部材はコリメーションレンズを含む。
【0016】
また、第5の発明は、第1または第2の発明に係る映像表示装置において、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を選択的に照射する手段をさらに備える。
【0017】
また、第6の発明は、第5の発明に係る映像表示装置において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、前記第1の光学部材から射出される前記照明光を受け、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を選択的に照射する第2の光学部材である。
【0018】
また、第7の発明は、第6の発明に係る映像表示装置において、前記第2の光学部材はレンチキュラ、マイクロレンズアレイ、パララックスバリア、偏光部材のいずれかを含む。
【0019】
また、第8の発明は、第1または第2または第5の発明に係る映像表示装置において、前記表示素子からそれぞれ射出される複数の映像光を受け、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する手段をさらに備える。
【0020】
また、第9の発明は、第8の発明に係る映像表示装置において、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する前記手段は、前記表示素子からそれぞれ射出される複数の映像光を受け、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する第3の光学部材である。
【0021】
また、第10の発明は、第9の発明に係る映像表示装置において、前記第3の光学部材は、レンチキュラ、マイクロレンズアレイ、拡散板、偏光板のうちいずれかを含む。
【0022】
また、第11の発明は、第1または第5の発明に係る映像表示装置において、前記光源または前記光の指向性を制御する前記手段から射出される前記照明光を受け、前記照明光のうち所定の偏光を選択的に射出する偏光手段をさらに備える。
【0023】
また、第12の発明は、第1の発明に係る映像表示装置において、前記光源から射出される前記照明光を受け、前記照明光の輝度のむらを補正して前記照明光を射出する手段をさらに備える。
【0024】
また、第13の発明は、第1の発明に係る映像表示装置において、前記照明光は、複数の前記光源から複数射出される。
【0025】
また、第14の発明は、第13の発明に係る映像表示装置において、前記各光源は、それぞれ独立に各照明光の光強度を変化させる機構を備える。
【0026】
また、第15の発明は、第1または第2の発明に係る映像表示装置において、前記照明光は一つまたは複数の光源から射出され、複数の開口部を備え、前記光源から射出される前記照明光を受ける遮光手段をさらに有し、前記遮光手段は前記複数の開口部から前記照明光を通過させることで、複数の前記照明光としてそれぞれ前記光の指向性を制御する前記手段または前記表示素子に対して射出する。
【0027】
また、第16の発明は、第15の発明に係る映像表示装置において、前記遮光部材における前記各開口部の大きさ、もしくは前記各開口部の前記表示素子に対する相対的な位置を、それぞれ独立に調整する機構をさらに備える。
【0028】
また、第17の発明は、第1または第13の発明に係る映像表示装置において、前記光源は、前記表示素子に対する相対的な位置または向きをそれぞれ独立に調整する機構を備える。
【0029】
また、第18の発明は、第1または第17の発明に係る映像表示装置において、前記光源は、前記表示素子の略焦平面に沿って位置し、前記表示素子の略焦平面に対して略垂直方向を向いている。
【0030】
また、第19の発明は、第1または第16から第18のいずれかの発明に係る映像表示装置において、前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第1の直線とし、前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される他の少なくとも1つの所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第2の直線とすると、前記第1の直線と前記第2の直線とがなす相対的な角度の範囲を、所定の角度の範囲内で任意に調節できる。
【0031】
また、第20の発明は、第18の発明に係る映像表示装置において、前記第1の直線と前記第2の直線とがなす相対的な角度の範囲は、略20度以上略120度以下である。
【0032】
また、第21の発明は、第1の発明に係る映像表示装置において、前記透過型画素はそれぞれLCDであり、前記表示素子は前記LCDを含んで構成される。
【0033】
また、第22の発明は、第5から第7のいずれかの発明に係る映像表示装置において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する複数の画素において、前記複数の画素間に1画素またはそれ以上の画素が配置されている。
【0034】
また、第23の発明は、第5から第7のいずれかの発明に係る映像表示装置において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する2つの画素において、前記2つの画素間隔は、前記光学素子のピッチよりも大きい。
【0035】
また、第24の発明は、第1の発明に係る映像表示装置における前記光源が、複数の光源を規則的に並べたものであり、前記規則的に並べられた複数の光源の各々と、請求項1に記載の映像表示装置における前記表示素子とを組み合わせることにより規則的に並べた映像表示装置群を構成し、前記各映像表示装置が、複数の映像光を複数方向にそれぞれ射出することによって、前記映像表示装置全体で複数の映像を表示する。
【0036】
また、第25の発明は、照明用の光源と、前記光源から射出される照明光を複数受ける光入射面と前記照明光を所定の複数の互いに散開する方向のそれぞれ所定の範囲に対してそれぞれ同時に映像光として射出する表示面とをそれぞれ持つ、複数の透過型画素で構成された表示素子とを用いた、一つの表示面から複数の映像光を射出する映像表示方法であって、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちそれぞれ所定の複数の前記透過型画素が、前記照明光の少なくとも一部をそれぞれ所定の角度から選択的に受けることにより、前記各透過型画素が、前記表示面から、定められた各方向に対してそれぞれ前記映像光を射出する。
【0037】
また、第26の発明は、第25の発明に係る映像表示方法において、前記照明光のうち少なくとも一部の光の指向性を制御する手段をさらに用いる。
【0038】
また、第27の発明は、第25または第26の発明に係る映像表示方法において、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を選択的に照射する手段をさらに用いる。
【0039】
また、第28の発明は、第25または第26または第27の発明に係る映像表示方法において、前記表示素子からそれぞれ射出される複数の映像光を受け、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する手段をさらに用いる。
【0040】
また、第29の発明は、第25の発明に係る映像表示方法において、前記光源から射出される前記照明光を受け、前記照明光の輝度のむらを補正して前記照明光を射出する手段をさらに用いる。
【0041】
また、第30の発明は、第25または第27の発明に係る映像表示方法において、前記光源または前記光の指向性を制御する前記手段から射出される前記照明光を受け、前記照明光のうち所定の偏光を選択的に射出する偏光手段をさらに用いる。
【0042】
また、第31の発明は、第25の発明に係る映像表示方法において、前記照明光は、複数の前記光源から複数射出される。
【0043】
また、第32の発明は、第31の発明に係る映像表示方法において、前記各光源は、それぞれ独立に各照明光の光強度を変化させられる。
【0044】
また、第33の発明は、第25または第26の発明に係る映像表示方法において、複数の開口部を備えた遮光手段をさらに用い、前記照明光は、一つまたは複数の光源から前記遮光手段に対して射出され、前記遮光手段の前記開口部を通過させることで、複数の前記照明光としてそれぞれ前記光の指向性を制御する前記手段または前記表示素子に対して射出する。
【0045】
また、第34の発明は、第33の発明に係る映像表示方法において、前記遮光部材における前記各開口部の大きさ、もしくは前記各開口部の前記表示素子に対する相対的な位置を、それぞれ独立に調整できる。
【0046】
また、第35の発明は、第25または第31の発明に係る映像表示方法において、前記光源は、前記表示素子に対する相対的な位置または向きをそれぞれ独立に調整できる。
【0047】
また、第36の発明は、第34または第35の発明に係る映像表示方法において、前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第1の直線とし、前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される他の少なくとも1つの所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第2の直線とすると、前記第1の直線と前記第2の直線とがなす相対的な角度の範囲を、所定の角度の範囲内で任意に調節できる。
【0048】
また、第37の発明は、第27の発明に係る映像表示方法において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する複数の画素において、前記複数の画素間に1画素またはそれ以上の画素が配置されている。
【0049】
また、第38の発明は、第27の発明に係る映像表示方法において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する2つの画素において、前記2つの画素間隔は、前記光学素子のピッチよりも大きい。
【0050】
また、第39の発明は、第1の発明に係る映像表示装置における前記光源を、複数の光源を規則的に並べて構成し、前記規則的に並べられた複数の光源の各々と、第1の発明に係る映像表示装置における前記表示素子とを組み合わせることにより、前記映像表示装置を規則的に並べた映像表示装置群を構成し、前記各映像表示装置が、複数の映像光を複数方向にそれぞれ射出することによって、前記映像表示装置全体で複数の映像を表示する。
【0051】
【発明の実施の形態】
まず、発明の実施の形態の概略を説明する。本実施の形態の映像表示装置は、例えばLCDのような透過型の画素で構成された透過型表示素子を用いた、1つの表示面から複数の映像光を射出する多画面映像表示装置であり、2方向以上の異なる角度で光(照明光)を射出する光源と、この光源からの照明光をそれぞれの映像に対応した、前記透過型表示素子の画素に入射させる入射側光学素子(光学シート1)とで構成される。このとき、例えば光源が2つである場合には、この2つの光源を光源1、光源2とし、2人の観察者を観察者1、観察者2とすると、観察者1には光源1からの光しか提供されず、また観察者2には光源2からの光しか提供されない、もしくは、1つ以上の光源からの光を複数に振り分けて、第1の方向からの光は観察者1に、第2の方向からの光は観察者2にだけしか提供されないようにすることを特徴とする。このとき観察者1に用いられる透過型表示素子上の画素1には光源1からの光のみが入射され、観察者2に用いられる透過型表示素子上の画素2には光源2からの光のみが入射されるように構成することが好ましい。また、光源から射出された照明光は第1の光学部材で少なくとも水平方向でコリメートされて入射側光学素子に射出されたり、前記透過型表示素子の各画素から射出される光(映像光)を射出側光学素子(光学シート2)で特定の領域にのみ射出するようにしても良い。
【0052】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0053】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る映像表示装置の全体構成を説明するための図である。本映像表示装置は、基本構成(第1の構成)として、右側観察用照明光11−1を射出する例えば点光源といった光源(以下、光源と呼ぶ)10−1と、左側観察用照明光11−2を射出する例えば点光源といった光源(以下、光源と呼ぶ)10−2と、照明光11−1,11−2をそれぞれ受けて、照明光11−1,11−2をそれぞれ所定の角度を持って射出する第1の光学シート(例えば図1に示すような光学シート13)と、前記第1の光学シートから射出される照明光11−1,11−2をそれぞれ受けて映像光を射出する、例えばLCDなどの複数の透過型画素で構成された透過型表示素子(以下、表示素子と呼ぶ)14とを、それぞれ具備する。
【0054】
照明光11−1と照明光11−2は、前記光学シート13に対してそれぞれ異なる方向から射出され、光学シート13は、照明光11−1,11−2を、表示素子14を構成する各透過型画素のうち所定の(対応付けられた)複数の各透過型画素に対して、選択的にかつそれぞれ所定の角度を持たせて照射する。
【0055】
光学シート13から射出された照明光11−1及び11−2を受けた表示素子14は、照明光11−1及び11−2を、それぞれ映像光16−1,16−2として、複数の方向の観察者17−1,17−2に対してそれぞれ同時に射出する。
【0056】
映像光16−1,16−2は、それぞれの光束の中心光線(主光線)が複数の互いに散開する方向であり、かつ、それぞれの光束が所定の範囲で射出されるようになっている。
【0057】
また、光学シート13を配置する位置は、表示素子14の背面が望ましい。ここで、「背面」とは、表示素子から見て観察者寄りでない側、つまり光源側を指す。
【0058】
光学シート13の例としては、例えばレンチキュラ、マイクロレンズアレイ、パララックスバリア、偏光部材などが考えられる。
【0059】
以上の構成に加えて第2の構成として、照明光11−1及び照明光11−2の指向性を制御する手段として、光源10−1,10−2からそれぞれ射出される照明光11−1,11−2をそれぞれ受け、照明光11−1,11−2の指向性をそれぞれ制御して射出する第1の光学部材(例えば図1に示すようなコリメーションレンズ12)を、光源10−1,10−2と光学シート13との間に設けるようにしても良い。光の指向性を制御することには、照明光を例えば略平行光にしたり所定の向きに方向付けたりすることが含まれる。
【0060】
さらに第3の構成として、表示素子14からそれぞれ射出される複数の映像光16−1,16−2を受け、各映像光16−1,16−2の視野角をそれぞれ制御して射出する手段として、表示素子14からそれぞれ射出される複数の映像光16−1,16−2を受け、各映像光16−1,16−2の視野角をそれぞれ制御して射出する第2の光学シート(例えば図1に示すような光学シート15)を、表示素子14の前面に設けるようにしてもよい。ここで、「前面」とは表示素子14から見て照明側でない側つまり観察者側を指す。光学シート15の例としては、例えばレンチキュラ、マイクロレンズアレイ、拡散板、または偏光部材などが考えられる。
【0061】
上記した構成において、光源10−1から射出された照明光11−1と、光源10−2から射出された照明光11−2とは、コリメーションレンズ12の作用により、その指向性が制御されて(ここでは異なる方向の略平行光とされて)射出され、光学シート13に入射される。この入射光は光学シート13の作用により、表示素子14を構成する各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の透過型画素に対して選択的に照射される。表示素子14からそれぞれ射出される映像光16−1,16−2は、光学シート15の作用により、その視野角が、対応する観察者17−1,17−2に対して適切な視野角となるように拡げられたり狭められたりしてそれぞれ制御されて射出される。このときそれぞれの観察者17−1,17−2には、映像光16−1,16−2が時分割的に交互に提供されているわけではなく、それぞれ同時に観察者ごとの映像情報が提供される。
【0062】
上記した第1の構成によれば、各照明光は、表示素子の定められた複数の画素へそれぞれ入射され、この定められた複数の画素から定められた複数の方向に別々に映像光として射出される。各映像光は、互いに散開する方向に向かって射出される。つまり、ある方向へ射出する映像光を作る画素と別の方向へ射出する映像光を作る画素とを分離配置しているので、射出される複数の映像の分離角を簡単な方法で大きく取ることができる。
【0063】
また、それぞれの映像光を射出する画素を、射出される各映像光ごとに分離しているため、射出される映像光は必要な所定の範囲に限定でき、また各映像光が混じったり視点をずらせば他の映像が見えてしまったりするといったことがない。
【0064】
また、レンチキュラなどの光学シートによって複数方向からの照明光をそれぞれ別々の画素へ選択的に集光することで、遮られる光が少なくなり、光の利用効率も上昇する。
【0065】
また、上記した第2の構成によれば、コリメーションレンズにより照明光を例えば略平行光にしたり所定の向きに方向付けたりすることで、漏れ光や迷光などの不要光の発生が抑えられる。
【0066】
また、上記した第3の構成によれば、レンチキュラなどの光学シートは、画素から射出された映像光をそれぞれ異なる複数の限定された視野領域に必要な広さにだけ拡散させる効果を持つので、余分な射出光がなく必要な範囲にだけ映像光を射出でき、また消費電力の低減にも役立つ。
【0067】
なお、ここでは複数の光源が用いられているが、光源が複数であった場合、各光源からの各照明光を、それぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して選択的に照射されるようにそれぞれ対応付けたり、映像光の射出方向別と光源をそれぞれ関連付けたりすることができ、余分な射出光や迷光が低減できる。また、光源の数を必要に応じて増減させたり光源の配置方法を工夫したりすることによって、各映像光の射出方向別に映像光の視野角や明るさを異ならせるということも可能である。このような効果は複数の光源を用いた以下の実施形態にも適用されることは勿論である。
【0068】
(変形例1)
図2(A)、(B)は、上記した第1実施形態の変形例を説明するための図である。本変形例に係る映像表示装置は、図1に示す第1実施形態の構成と比較して以下の点が異なっている。すなわち、図2(A)に示すように、光源10−1からの照明光を受けて、当該照明光のうちP偏光を吸収してS偏光のみを選択的に射出する偏光板18−1と、光源10−2からの照明光を受けて、当該照明光のうちS偏光を吸収してP偏光のみを選択的に射出する偏光板18−2とが新たに追加になっている。また、図1の光学シート13は、P偏光のみを通過させる領域13−2とS偏光のみを通過させる領域13−3とを画素ごとに(各画素に対応する位置ごとに)交互に配置した偏光板13−1により実現され、光学シート15は、S偏光のみを通過させる領域15−2とP偏光のみを通過させる領域15−3とを画素ごとに交互に配置した偏光板15−1により実現されている。ここでの偏光板13−1,15−1は表示素子14に接触して配置されている。
【0069】
さらに、偏光板13−1のP偏光のみを通過させる領域13−2は、偏光板15−1のS偏光のみを通過させる領域15−2に対峙するように設けられている。これは、表示素子14に入射したP偏光は素子内で90度の偏光の回転を受けることにより、S偏光となって素子から出射されるためである。同様にして、表示素子14に入射したS偏光は素子内で90度の偏光の回転を受けることにより、P偏光となって素子から出射されるので、偏光板13−1のS偏光のみを通過させる領域13−3は、偏光板15−1のP偏光のみを通過させる領域15−3に対峙するように設けられる。
【0070】
また、表示素子14は、偏光板13−1のP偏光のみを通過させる領域13−2とS偏光のみを通過させる領域13−3との境界及び、偏光板15−1のS偏光のみを通過させる領域15−2とP偏光のみを通過させる領域15−3との境界に、ブラックマトリックス部14−1を有している。
【0071】
P偏光のみを通過させる領域13−2とS偏光のみを通過させる領域13−3とを交互に配置した偏光板13−1の構成及び、S偏光のみを通過させる領域15−2とP偏光のみを通過させる領域15−3とを交互に配置した偏光板15−1の構成は、図2(B)に示すような、P偏光のみを通過させる領域のみからなる偏光板50と表示素子51とS偏光のみを通過させる領域のみからなる偏光板52とから構成される通常の液晶表示装置とは異なるものである。
【0072】
上記した構成において、光源10−1からの照明光は、偏光板18−1の作用によりそのP偏光が吸収されてS偏光のみが選択的に照明光11−1として射出される。また、光源10−2からの照明光は、偏光板18−2の作用によりそのS偏光が吸収されてP偏光のみが選択的に照明光11−2として射出される。このようにして入射角度により異なった偏光をもつ照明光は、コリメーションレンズ12に入射されて角度をもった略平行光へと変換される。略平行光とされた照明光は次に、透過できる偏光を画素ごとに異ならせた領域13−2,13−3をもつ偏光板13−1を通過した上で表示素子14に入射される。
【0073】
上記した構成によれば、照明光を画素単位で各偏光毎の複数の照明光に振り分けて射出することができる。右方向へ射出する映像光を表示する画素と左方向へ射出する映像光を表示する画素とは分離されるので、表示面には見る方向に応じた映像が表示される。また、照明光が例えば一つの場合には、所定の複数の方向にそれぞれ所定の偏光の照明光を振り分けて射出し、コリメーションレンズ12に照射するような偏光分離部材であってもよい。
【0074】
(変形例2)
図3は、上記した第1実施形態の他の変形例を説明するための図である。この変形例では、表示素子とこれを挟む2枚の偏光板で構成される表示部を図2(B)で説明したような、S偏光のみを通過させる偏光板13−4と表示素子14とP偏光のみを通過させる偏光板15−4とからなる通常の液晶表示装置で構成するとともに、偏光板13−4の裏面に、S偏光またはP偏光をそれぞれ90度回転させてP偏光またはS偏光にそれぞれ変換するための処理が施された領域19−1とこのような処理が施されていない領域19−2とを表示素子14の画素ごとに設けた波長板19を配置したことを特徴とする。
【0075】
上記した構成において、光源10−1からの照明光は、偏光板18−1の作用によりそのP偏光が吸収されてS偏光のみが選択的に照明光11−1として射出される。また、光源10−2からの照明光は、偏光板18−2の作用によりそのS偏光が吸収されてP偏光のみが選択的に照明光11−2として射出される。このように左右で異なった偏光を持った照明光は、コリメーションレンズ12に入射されて角度をもった略平行光へと変換される。略平行光とされた照明光は、偏光を90度回転させるための処理が施された領域19−1とこのような処理が施されていない領域19−2をもつ波長板19に入射される。
【0076】
例えば、処理が施されていない領域19−2に入射したS偏光はS偏光のみを通過させる偏光板13−4を透過し、表示素子14の液晶層で偏光が90度回転してP偏光となり、P偏光のみを通過させる偏光板15−4を介して射出されるが、同領域19−2に入射したP偏光はS偏光のみを通過させる偏光板13−4を透過できずに遮られる。
【0077】
また、処理が施された領域19−1に入射したS偏光は波長板19の作用により偏光が90度回転されてP偏光となるので、S偏光のみを通過させる偏光板13−4により遮られるが、入射したP偏光は波長板19の作用により偏光が90度回転されてS偏光となり、S偏光のみを通過させる偏光板13−4を透過する。その後、表示素子14の液晶層で90度偏光が回転されてP偏光となり、P偏光のみを通過させる偏光板15−4を介して射出される。また、図2の例と同様、表示素子を構成する画素の境界にブラックマトリックス部14−1を有していても良い。
【0078】
上記した構成によれば、ある画素を見ると決まった方向への光しか射出されず、見る位置に応じた映像が供給される。
【0079】
(変形例3)
図4(A),(B),(C)は、光源からの照明光の偏光を制御する偏光制御機構の一例を説明するための図である。ここでは偏光特性を持たない部材18−3と、P偏光を吸収してS偏光のみを射出する偏光板18−1と、S偏光を吸収してP偏光のみを射出する偏光板18−2とを接合した偏光板を光源10−1(10−2)の近くに配置する。そして、この偏光板を適宜移動させることにより、光源10−1(10−2)からの照明光が主として照射される部分を順次切り換えるようにする。なお、偏光を持たない部材18−3は省略してもよい。
【0080】
図4(A)は、光源10−1(10−2)からの照明光が照射される位置に偏光板18−1を移動させてS偏光のみを透過させたときのようすを示している。図4(B)は、光源10−1(10−2)からの照明光が照射される位置に偏光板18−2を移動させてP偏光のみを透過させたときのようすを示している。図4(C)は、光源10−1(10−2)からの照明光が照射される位置に偏光特性を持たない部材18−3を移動させて照明光を無偏光の状態で透過させたときのようすを示している。
【0081】
上記した図3の光源10−1(10−2)の前面に、本偏光制御機構をそれぞれ配置することにより種々の偏光制御を行なうことができる。例えば、光源10−1からの照明光のうち偏光板18−1によりS偏光のみを射出させた後、波長板19の処理が施されていない領域19−2に入射させるとともに、光源10−2からの照明光のうち偏光板18−2によりP偏光のみを射出させて波長板19の処理が施された領域19−1に入射させることにより、偏光方向により画素を透過する偏光を異ならせることができる。
【0082】
また、本偏光制御機構により左右光源10−1,10−2からの照明光が同じ偏光状態(S偏光またはP偏光)になるように切り替えることで、2人の観察者で同じ映像を見るようにすることができる。
【0083】
さらに、本偏光制御機構により、左右光源10−1,10−2からの照明光を無偏光で出射させれば、照明光は表示素子14上のすべての画素を透過するので観察時の画素数が半減することなく映像を鑑賞することができる。
【0084】
図5は、偏光制御機構の変形例を説明するための図である。本偏光制御機構では、光源10−2からの照明光の照射位置にP偏光のみを射出させる偏光板18−2を配置するとともに、この偏光板18−2の前面に液晶セル20を配置した構成となっている。液晶セル20は電源21からの供給エネルギをスイッチ22によりオンオフさせることにより駆動状態あるいは非駆動状態になる。すなわち、電源21からのエネルギが供給されて液晶セル20が駆動された状態においてP偏光11−2が入射された場合にはそのまま透過するのでP偏光が射出され、電源21からのエネルギが遮断されて液晶セル20が非駆動の状態においてP偏光11−2が入射された場合には90度回転されてS偏光の状態で射出される。
【0085】
このように、偏光板と入射する偏光を液晶セルを利用すれば、電気的なON、OFFのみで射出光の偏光状態を制御することができる。
【0086】
(変形例4)
図6は、上記した第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図であり、コリメーションレンズ12と、レンチキュラ、マイクロレンズアレイなどで実現される光学シート13と、透過画素14−2とブラックマトリックス部14−1とを交互に配置した表示素子14とから構成される。
【0087】
図示せぬ左右2つの光源からの照明光11−1及び11−2はコリメーションレンズ12により略平行光に変換された後、光学シート13によって表示素子14のそれぞれ別個の透過画素14−2へ集光されて左右別々の方向へ射出される。このように、右方向へ射出する光を制御する画素と左方向へ射出する光を制御する画素とは異なる別々の画素になっているので、表示面には見る方向に応じた2種類の映像が表示される。
【0088】
また、ブラックマトリクス部14−1で遮られる光が少なくなることで光の利用効率も上昇し消費電力を低減する効果もある。
【0089】
なお、図では、説明を簡単にするために光学シート13のうちレンズ13−5,13−6,13−7に入射した光線のみを記載している。
【0090】
(変形例5)
図7は、上記した第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図であり、コリメーションレンズ12と、レンチキュラ、マイクロレンズアレイなどで実現される光学シート12と、透過画素14−2とブラックマトリックス部14−1とを交互に配置した表示素子14と、レンチキュラ、マイクロレンズアレイなどで実現される光学シート15とから構成される。この構成は図6に示す構成に加えて表示素子14の射出側に集光調整用の光学シート15を追加した構成となっている。
【0091】
図示せぬ左右2つの光源からの照明光11−1及び11−2はコリメーションレンズ12により略平行光に変換された後、光学シート13によって表示素子14のそれぞれ別々の透過画素14−2へ集光または拡散されて左右別々の方向へ射出される。この射出光は、射出側の光学シート15によって視野角の広さに合わせて集光又は拡散される。
【0092】
このような構成によれば、右側観察用に使用する画素と左側観察用に使用する画素が異なるため、それぞれの観察位置に応じた映像を表示することができる。
【0093】
ここで、射出側の光学シート15の曲率は必要な視野角に応じて設計され、場合により、凹、凸、平面などの形状で構成されるレンチキュラまたはマイクロレンズアレイが用いられる。
【0094】
(変形例6)
図8は、上記した図7の実施形態の変形例を説明するための図であり、実際のLCD構成を考慮して、表示素子14の前後に例えばカバーガラス23,24を配置している。このため、表示素子14と光学シート13または15間の距離は、カバーガラスを配置しない図7の構成よりも大きくなっている。このような構成においても左右の映像を確実に分離しかつ各映像間のクロストークをなくすようにすることが必要である。
【0095】
そこで、本変形例では、左右方向から射出される照明光を受ける、複数の同一の集光素子で構成されて周期的構造をなす光学素子としての光学シート13の1つのレンズ(例えば13−8)によって照明(集光)される2つの画素(ここでは14−3,14−4)の間隔は、1画素またはそれ以上の画素(図では4つの画素)が配置可能なように設定する。言い換えると、光学シート13の1つのレンズ(例えば13−8)によって照明される2つの画素(ここでは14−3,14−4)の間隔は、光学シート13のピッチよりも大きくなるように設定される。
【0096】
また、1つの光線が通る、光学シート13の1つのレンズ(例えば13−8)の主点と、表示素子14の画素(例えば14−3)と、光学シート15の1つのレンズ(例えば15−5)の主点とを通る直線Lつまり画素14−3を通過する光の主光線を表示素子14の表示面に対して10度以上傾けてもよい。
【0097】
本構成の作用は基本的に図7に示す構成の作用と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0098】
(変形例7)
図9は、上記した第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図である。図6の構成における光学シート13の代わりにパララックスバリア24を配置したことを特徴とする。パララックスバリア24には、開口部24−1,24−2,24−3が設けられている。開口部24−1,24−2,24−3の大きさは、画素ピッチとほぼ同じ大きさかあるいはそれよりも小さくなるようにする。
【0099】
このような構成において、図示せぬ左右2つの光源からの照明光はコリメーションレンズ12により略平行光とされた後、パララックスバリア24に入射するが、このパララックスバリア24を通過するとき開口部24−1,24−2,24−3に向かう光はそのまま通過するが、開口部24−1,24−2,24−3以外の部分に向かう光は遮られる。これによって、表示素子14のある特定の画素14−2に入射する光は、右側観察用照明光11−1または左側観察照明光11−2のいずれか一方となり、左右観察位置に応じた複数の映像を表示可能となる。
【0100】
射出側の光学シート15は画素から射出された光を適当な広さに拡散させる効果をもち、曲率は必要な視野角によって設計される。また、光学シート15はレンチキュラ、マイクロレンズアレイ、拡散板などで実現される。
【0101】
なお、ここでは説明を簡単にするために、開口部24−1と24−3のみを通る光線のみを図示している。
【0102】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、例えば上記した映像表示装置に用いられる照明系の改良に関している。
【0103】
図10は、第2実施形態の第1の構成を説明するための図である。ここでは、右側観察用光源(ここでは点光源)100−1と左側観察用光源(ここでは点光源)100−2とを、第1実施形態で説明したようなコリメーションレンズ、光学シート、透過型表示素子などで構成される表示部101の略焦平面に沿って配置し、かつ表示部101の略焦平面に対して略垂直方向を向くようにする。
【0104】
具体的には、右側観察用光源100−1と左側観察用光源100−2とから表示部101の略中心に射出される左右の光線102−1,102−2がなす角θ1を、映像光の観察者の位置に対して映像を射出するのに適した角度に調整する。ここでは、略5度〜略120度の範囲で調整可能である。また、本装置を車載用として搭載する場合には、映像光の観察者の位置、特に運転席と助手席、さらに後席にいる各観察者に対して映像を射出するのに適した角度は略20度〜略120度であることが望ましい。
【0105】
さらに、ステレオ立体映像表示装置などに対してこの装置を用いる場合には、視野の分離角θ2は15度以下であることが望ましい。
【0106】
このような方法により、右側及び左側観察用光源100−1,100−2の最適な向きや位置さらには角度を決定することができる。
【0107】
また、車載用で運転席と助手席とで別々の映像を見る用途に対しては視野の分離角θ2は20度以上であることが望ましい。この場合、θ1とθ2とがほぼ等しい角度になっていてもよい。
【0108】
また、光源100−1,100−2の明るさ(光強度)は左右独立に調整することができ、例えばそれぞれ左右で異なった映像を見ていても、各映像に必要な光強度を例えばある観察者にはカーナビゲーションの表示に必要な光強度、別の観察者には映像などを表示するのに適した光強度といったように各観察者の好みで調節することが可能である。
【0109】
また、光源100−1,100−2の視野角度の位置を調整する機構として、光源100−1,100−2の位置を、コリメーションレンズの焦平面に沿って例えば図の矢印で示す方向に移動させることにより、視野領域の中心角度を調整することができる。
【0110】
図11は、第2実施形態の第2の構成を説明するための図である。ここでは、光源として図11に示すような右側及び左側観察用の柱状光源100−3,100−4を用い、各柱状光源100−3,100−4の略中心位置から射出され、第1実施形態で説明したようなコリメーションレンズ、光学シート、透過型表示素子などで構成される表示部101の中央を通る2つの光線103,104がなす角θ1が5度〜120度であることを特徴とする。また、ステレオ立体映像表示装置などに対してこの装置を用いる場合、視野の分離角は15度以下であることが望ましい。
【0111】
また、例えば車載用で運転席と助手席とで別々の映像を見る用途に対しては視野の分離角は20度以上であることが望ましい。この場合、θ1がθ2とほぼ等しくなっていてもよい。
【0112】
また、柱状光源100−3,100−4の視野角度の位置を調整する機構として、柱状光源100−3,100−4はコリメーションレンズの焦平面に沿って例えば図の矢印で示す方向に移動可能で、視野角分布の中心位置の角度を調整可能である。さらに柱状光源100−3,100−4は柱状の蛍光管や点光線を縦方向に並べたものでもよい。
【0113】
図12は、第2実施形態の第3の構成を説明するための図である。ここでは、光源に図12に示すような右側及び左側観察用の面光源100−5,100−6を用い、各面光源100−5,100−6の略中心位置から射出され、第1実施形態で説明したようなコリメーションレンズ、光学シート、透過型表示素子などで構成される表示部101の中央を通る左右の光線105,106がなす角θ1が5度〜120度であることを特徴とする。また、ステレオ立体映像表示装置などに対してこの装置を用いる場合、視野の分離角θ2は15度以下であることが望ましい。また、例えば車載用で運転席と助手席とで別々の映像を見る用途に対しては視野の分離角θ2は20度以上であることが望ましい。この場合、θ1がθ2とほぼ等しいものとなっていてもよい。
【0114】
また、面光源100−5,100−6の視野角度の位置を調整する機構を備えており、面光源100−5,100−6を例えば図の矢印で示す方向に移動したり、面光源100−5,100−6の向きを調整したりすることができるが、ここでは、特に表示部101近傍のコリメーションレンズの焦平面上に沿って移動し、常に表示部101の中心を向いていることが望ましい。
【0115】
また、面光源100−5,100−6は平面バックライトや点光源を2次元に敷き詰めたものでもよい。点光源を2次元に敷き詰めた光源では、観察に利用していない領域への光線、つまり観察に利用していない点光源を消灯することで、省電力化できる。このとき視野角が狭まることとなるが、観察映像としては特に変化することはない。
【0116】
図10〜図12に示す方法によれば、光源の向きや位置や角度をそれぞれ独立に調整することができるので、それぞれの観察者にとって最適な映像光の向きの調節が独立に可能である。
【0117】
図13(A)、(B)は、第2実施形態の第4の構成を説明するための図であり、図13(A)は斜視図であり、図13(B)は断面図である。第4の構成は、図10〜図12に示すような照明系を、第1実施形態で説明したようなコリメーションレンズ、光学シート、透過型表示素子、光源などで構成される表示部101上に分割して配置したことを特徴とする。このような構成、特に光源を比較的表示素子に近い位置に分割して配置する構成を採用することにより奥行きを短くすることが可能となり、省スペース化を図ることができる。また、複数の透過型表示素子を用いて1つ以上の大きな画面を形成させたり、各透過型表示素子ごとに別々の映像を表示させたりすることもできる。
【0118】
図13(A)、(B)は、例えば図10に示す点光源100−1を表示部101上に多数分割して配置したようすを示している。図に示すように、分割した領域の境目に仕切り107を配置してもよく、このような構成によれば、隣の領域への漏れ光がなくなるのでクロストークが無くなる。
【0119】
図14(A)、(B)は、第2実施形態の第5の構成を説明するための図であり、図14(A)は斜視図であり、図14(B)は断面図である。第5の構成は、図10〜図12に示すような照明系を、表示部101の画素の境界線上に配置したことを特徴とする。このような構成を採用することにより複数の表示素子を照明する光源を、より少ない数の光源で兼用させることができ、それによって光源の数を減らすことができ、光の利用効率が向上するとともに、製作コストを低減させられる。
【0120】
図14(A)、(B)は、例えば図11に示すような柱状光源103を表示素子14の各画素の境界線上に配置したようすを示している。図に示すように、各境界に仕切り107を入れても良い。仕切り107を入れることで不要光をカットでき迷光を減少させることができる。
【0121】
図15は、第2実施形態の第6の構成を説明するための図(断面図)である。図15は、図14に示す構成の変形例であり、仕切り107を配置する位置を変更したことを特徴とする。図15に示す構成の作用,効果は図14に示す構成の作用,効果と同様である。
【0122】
例えば、図15に示すように、光源103Aと103Bとが配置され、光源103Aが光源103Bの位置の境界とを結ぶ線と、光源103Bが光源103Aの位置の境界とを結ぶ線の交点108に仕切り107の端が来るように設定することにより、余分な迷光の発生を防ぐことができる。
【0123】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、例えば上記した映像表示装置に用いられる光源の数を削減することに関する。図16(A),(B),(C)は本発明の第3実施形態を説明するための図であり、図16(A)は全体構成を示しており、図16(B)は照明系の構成を示している。図16(C)は第3実施形態の効果を説明するための図である。
【0124】
第3実施形態は、図16(A)に示すように、コリメーションレンズ201と光学シート203の間に偏光分離シート202を配置したことを特徴としており、このような方法により光源200の数を削減することができる。ここで、偏光分離シート202とは、図16(B)、(C)に示すように、光源200からの入射光を角度を付けて入射させると、その射出光はP偏光とS偏光とに分離されて違った角度で射出されるというものである。
【0125】
ここでの光学シート203とは、2つの方向に分離された光をそれぞれ対応する画素へのみ入射させる手段であり、レンチキュラ、マイクロレンズアレイ、さらには図3に示す波長板19や偏光板13などにより実現することができる。
【0126】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態は、例えば上記した映像表示装置に平面バックライトを利用したことを特徴とする。図17(A)はその概略構成を示しており、平面バックライト300、指向性制御素子301、視野分割素子302、光学シート303、透過型表示素子304、光学シート305により構成される。
【0127】
指向性制御素子301には、ルーバー、輝度上昇フィルム、レンズアレイシートなどが利用可能である。ルーバーは、図17(B)に示すような遮光部材306が仕切りとして配置されているため、ある角度以上の光線を遮断する機能をもたせることができる。輝度上昇フィルムの具体例は、例えば特開平05−313004号に調光シートとして開示されている。図17(C)は、レンズアレイシートのプリズムアレイ構造307を示している。レンズアレイシートの一例は、例えば、特開平10−255529号に指向性面状光源として開示されている。
【0128】
また、視野分割素子302には、偏光分離シートやプリズムアレイシートなどが利用できる。光学シート303,305には、レンチキュラやマイクロレンズアレイ、波長板などが利用できる。
【0129】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、光源の輝度ムラ補正に関している。光源は通常、射出角度によって異なる発光強度分布をもっている。さらに、光源位置と照射面の関係から照射角がきつくなるほど、コサイン3乗則により強度は減衰していく。そのため、光源をそのまま表示部に向けて照射したのでは見た目の輝度のムラが見えてしまうこととなる。そのため、光源から射出される照明光の輝度のむらを補正する手段を設ける必要がある。しかし、特に、第1実施形態の映像表示装置のように、2方向から同じ表示面に向けて照射し、それぞれの光源による映像をそれぞれ別の人が観察する場合には、輝度ムラを補正する場所が限定される。
【0130】
そこで本実施形態では、図18において、光源400−1,400−2から射出される照明光の輝度むらを補正する輝度ムラ補正部材401−1,401−2を所定の輝度ムラ補正部材配置の範囲403に設けるようにしている。輝度ムラ補正部材配置の範囲403は例えば、光源400−1,400−2からの両照明光の光束が交わる位置までとすることができる。また、輝度ムラ補正部材(例えば401−1,401−2)とは、透過率分布型NDフィルター、拡散率分布型拡散板、輝度ムラ補正レンズ等である。
【0131】
このような構成によれば、照射される照明光について、照射角度によって光強度が異なることによって起こる照明光の輝度むらをぞれぞれ補正しておくことによって、コリメーションレンズに対して均一な光強度の照明光が射出される。
【0132】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、1つの光源により複数の照明光を実現することに関する。
【0133】
図19(A)は、平面バックライトなどにより構成される光源500の前面に2つの開口部501−1,501−2を有する遮光マスク501を遮光手段として配置してこの2つの開口部501−1,501−2から照明光を射出させることにより、2つの柱状光源を実現している。また、図19(B)は、矩形状の2つの開口部501−3,501−4を設けて面光源を実現した例を示している。遮光マスクの代わりにスリットを用いても良い。
【0134】
このような方法により1つの光源から複数の光源を実現した場合には、構成が簡単になるという利点がある。また、第1実施形態で説明した透過型表示素子の光源として通常用いられる平面バックライトも利用できるため、実現が容易である。
【0135】
このようにして遮光手段の開口部の数により照明光の数を制御すれば、光源の数を削減させたり、必要な部分にだけ選択的に照明光が射出されるようにして無駄な光を削減させたりすることができる。
【0136】
特に複数の開口をもつ遮光マスクを用いて複数光源を実現しながら、2方向の光線を実現するためにはマスクは1枚では実現できず、図20に示すように2枚のマスク501,502を配置することが必要である。このような構成によれば、方向の異なる照明光を透過型表示素子503の異なる画素に入射することができ、透過型表示素子503から射出する各方向の映像を角度(分離角θ)をもたせてそれぞれ第1観察者領域504−1,第2観察者領域504−2に射出することができる。また、複数個のマスクを利用することにより、奥行きを短くする効果がある。各方向の映像の分離角θは例えば略20度〜略120度であることが望ましい。
【0137】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、観察者の位置における輝度の角度分布に関する。
【0138】
図21は、輝度の角度分布を示している。図に示すように光源輝度の角度分布ではピークが2つ(600−1,600−2)存在し、このピーク間角度601は、例えば略20度〜略120度であることが好ましい。
【0139】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、コリメーションレンズの詳細に関する。図22(A)は照明系を真上から見た水平断面図であり、図22(B)及び図22(C)は真横から見た垂直断面図である。
【0140】
本実施形態でのコリメーションレンズの機能としては、水平、垂直両方を略平行光に変換する同心円レンズ形状のものと(図22(A)及び図22(B)に示すタイプ)、また水平のみ平行光にするシリンドリカルレンズ形状のもの(図22(A)及び図22(C)に示すタイプ)とが考えられ、装置設計時に表示素子近傍の光学シートの組合わせや、視野角の設定などの仕様により使いわける。
【0141】
またコリメーションレンズはコリメーション機能をもつものならばどのような素子でもよく、フレネルレンズやレンチキュラ、マイクロレンズアレイなどの素子も利用できる。
【0142】
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、1つの光源を複数の光源(光源群)により構成した実施形態である。
【0143】
図23(A)は第9実施形態の第1の構成を示しており、左右方向それぞれの光源について、単一の光源800−1(または801−1)を複数個並置して光源群800(または801)を構成している。810はこれら光源群800,801からの照明光が入射する表示部である。ここで、光源群として、R(赤)、G(緑)、B(青)などの単色の光源を並べてもよい。
【0144】
また、図23(B)の光源群802,803で示すように、光源の大きさは左右異なる大きさとなっていてもよく、光源の大きさを左右で変えることにより、視野角の大きさを左右で変えることができるという効果がある。例えば図24において、映像804は観察者806,807の2人で観察し、映像805は観察者808の1人で観察したいという場合には、視野角を映像804側は広く、映像805側は狭く設定することにより、より観察しやすい状況を作り出すことが可能である。
【0145】
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態は、上記した第6実施形態において説明したマスクの移動機構に関する。
【0146】
図25に示すように、固定した光源900に対して各マスク901,902を移動できるようにしてもよく、その場合には光源900を移動したときと同様の効果が得られ、視野角の中心方向を変えることができる。
【0147】
また、各マスク901,902の開口部901−1,902−1のサイズを調節するための遮光扉903,904を取り付けてもよく、その場合には光線サイズを変えたときと同様の効果が得られ、視野角の大きさを変えることができる。
【0148】
図26(A)〜(C)はマスク移動の具体例を説明するための図である。図26(A)に示すようなマスク901,902の配置において、図26(B)に示すように、一方のマスク(ここでは902)を光源900に沿った方向(矢印で示す方向)に移動させることにより左右の視野角を変えることができる。また、図26(C)に示すように、一方のマスク(ここでは902)を光源900と直交する方向(矢印で示す方向)に移動させることにより視野角を狭くすることができる。
【0149】
このように、どちらかのマスクを移動させることで、それぞれの映像の視野角や、それぞれの映像の視野における中心の方向を変えることができる。
【0150】
図27(A),(B)は、第10実施形態の変形例(マスク開閉機構)を説明するための図である。ここでは図20で説明したような2枚のマスクからなる構造を想定している。すなわち、図27(A)に示すようにマスクが、2枚マスク構造(1001−1と1001−2、または1002−1と1002−2)であっても、図27(B)に示すように各マスク(1001−1、1001−2、1002−1、1002−2)の開口の大きさを調整できる構造にすることにより、視野角の範囲を制限することができる。
【0151】
上記のように、マスク等の開口部の位置や開口部の大きさをぞれぞれ独立に調整可能にしたので、それぞれの観察者にとって最適な映像光の向きを独立に調節できる。
【0152】
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態は、本発明の映像表示装置を特定のモニタに応用した例に関している。
【0153】
図28は、本装置を車載用モニタとして使用する場合に必要となる分離角の一例について説明するための図である。この場合には光源からの2つの映像光の光束の中心光線の分離角は以下の理由により20度以上が望ましい。すなわち、図28において、表示部1100と、観察者の観察位置(助手席の観察者1101の平均的観察位置1101−1、運転席の観察者1102の平均的観察位置1102−1、最近接観察位置1103−1)との距離と、観察位置関係とから、分離角θが最も小さいときで、
θ=2×atan(200/1000)=22.6°
である。これより分離角θは少なくとも約20度以上であることが必要となる。車載用モニターにおける平均的観察位置における分離角θは約60度である。これにより、運転席と助手席とでそれぞれに応じた映像を観察することができ、クロストークが少ない見やすい映像を提供することができる。
【0154】
図29は、本装置をステレオ立体映像表示装置用モニタとして使用した場合に必要となる分離角の一例について説明するための図である。図29において、表示部1200から最も疲労感なく観察できる距離である“明視の距離1203”=250mmとし、眼幅1204(左目1201と右目1202の各中心間の距離)=約60mmとして、立体表示装置用モニターの分離角θを計算すると、
θ=2×atan(30/250)=13.7°
である。よって、通常のステレオ立体映像表示装置への用途では分離角θは15度以下で利用される。
【0155】
上記した各実施形態において使用した「画素」という文言について説明を追加しておく。「画素」は、単一の色のみを表示するものであっても良いが、例えば図30(A)に示すように、「R」「G」「B」の色を表示する部分をひとまとめにした画素でもよい。この場合には、一まとめにした「R」「G」「B」の画素ごとに左右の観察者1303,1304に対して映像光1301,1302がそれぞれ射出される。また、図30(B)に示すように、「R」「G」「B」をそれぞれ1画素としても良い。この場合には、「R」「G」「B」の各画素ごとに左右の観察者1303,1304に対して映像光1301,1302が射出される。
【0156】
また、上記した映像表示装置を複数2次元的に規則的に並べて映像表示装置群を形成し、各映像表示装置が、複数の映像光を複数方向にそれぞれ射出することによって、映像表示装置全体で複数の映像を表示するようにしてもよい。このような構成を用いれば、大きな多画面表示装置を作る際に、小さな表示装置を2次元的に並べて配置することができる。
【0157】
【発明の効果】
本発明によれば、1つの表示面において見る方向に応じた映像を表示する場合に、各映像を複数の方向に確実に大きな分離角で分離して射出することができ、かつ各映像間のクロストークのない見やすい複数の映像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る映像表示装置の全体構成を説明するための図である。
【図2】本発明の第1実施形態の変形例を説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施形態の他の変形例を説明するための図である。
【図4】光源からの照明光の偏光を制御する偏光制御機構の一例を説明するための図である。
【図5】偏光制御機構の変形例を説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図である。
【図7】本発明の第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図である。
【図8】図7の実施形態の変形例を説明するための図である。
【図9】本発明の第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施形態の第1の構成を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態の第2の構成を説明するための図である。
【図12】本発明の第2実施形態の第3の構成を説明するための図である。
【図13】本発明の第2実施形態の第4の構成を説明するための図である。
【図14】本発明の第2実施形態の第5の構成を説明するための図である。
【図15】本発明の第2実施形態の第6の構成を説明するための図である。
【図16】本発明の第3実施形態を説明するための図である。
【図17】本発明の第4実施形態を説明するための図である。
【図18】本発明の第5実施形態を説明するための図である。
【図19】本発明の第6実施形態を説明するための図である。
【図20】本発明の第6実施形態においてマスクを2枚配置した構成を示す図である。
【図21】本発明の第7実施形態を説明するための図である。
【図22】本発明の第8実施形態を説明するための図である。
【図23】本発明の第9実施形態を説明するための図である。
【図24】第9実施形態において、視野角の大きさを左右で変える具体例を説明するための図である。
【図25】本発明の第10実施形態を説明するための図である。
【図26】第10実施形態において、マスク移動の具体例を説明するための図である。
【図27】第10実施形態の変形例(マスク開閉機構)を説明するための図である。
【図28】本発明の第11実施形態を説明するための図であり、車載用モニタに用いた実施形態を説明するためのものである。
【図29】本発明の第11実施形態を説明するための図であり、ステレオ立体映像表示装置用モニタに用いた実施形態を説明するためのものである。
【図30】「画素」の定義について説明するための図である。
【図31】従来の画像表示装置について説明するための図である。
【符号の説明】
10−1…右側観察用光源、10−2…左側観察用光源、11−1…右側観察用照明光、11−2…左側観察用照明光、12…コリメーションレンズ、13…光学シート、14…透過型表示素子、15…光学シート、16−1…左側観察用映像光、16−2…右側観察用映像光、17−1…左側観察者、17−2…右側観察者。
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像表示装置及び映像表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図31は、LCD(液晶表示装置)を用いた従来の多画面表示装置(3D表示装置)の構成を示す図であり、平面バックライト1と、LCD画素3と、レンチキュラシート6とを備え、LCD画素3の裏面及び前面にはカバーガラス2,5がそれぞれ貼り付けられている。平面バックライト1から射出された拡散光4−1はLCD画素3に入射され、LCD画素3からは拡散光4−2として射出され、レンチキュラシート6を介して観察者7に映像光が届く。
【0003】
以下に記載の特許文献1や、非特許文献1には、このような3D表示装置の一例が開示されている。また、以下に記載の特許文献2には、LCDにレンチキュラを貼り付けた構造をもつ立体表示装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−60538号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平7−59117号公報
【0006】
【非特許文献1】
シャープ株式会社によるニュースリリース「カメラ付き携帯電話SH251iS」、2002年11月13日発行
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の多画面表示装置には、以下の欠点がある。
【0008】
平面バックライトの拡散光を用いたLCD多画面映像表示装置では、拡散光をLCDの裏面から照射するために、ある映像を構成する画素を通過する光が、その映像を提供する領域以外の方向にも射出されているため、その光が不要光や迷光となり画質の劣化につながるという問題がある。
【0009】
また、図31に示す構成では、LCD画素3にレンチキュラシート5、6を貼り付けた構造を取っている。このような構造において表示装置が3D表示用途(ステレオ立体映像表示装置)であれば左右映像をそれぞれ左右の眼球に対して照射すれば良いので左右映像の分離角が小さくとも映像を観察する上での支障はないが、複数の観察者に異なる映像を表示する場合には以下のような問題が生じる。すなわち、通常のLCDでは画素ピッチに対してカバーガラスの厚みが厚いためレンチキュラを貼り付けても、映像の分離角を大きく取れないので、ある程度離れた複数の観察者に異なる映像を表示することはできない。
【0010】
また、通常の平面バックライトでは拡散が強いため、他方向への画素ラインからの光が漏れこみクロストークの原因になったり、観察する位置の少しのずれで他方向の映像が見えてしまうという問題がある。例えば図31において、ある1つのレンズから射出される映像としてL2,R2という2つの画素からの映像を左右に分離したい場合においても、例えば、R3やL1といった画素からの映像も観察する位置によっては見えてしまう。
【0011】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、1つの表示面において見る方向により違った映像を見ることができる映像表示装置において、各映像を複数の方向に確実に大きな分離角で分離して射出することができ、かつ各映像間のクロストークのない見やすい映像を表示することが可能な映像表示装置及び映像表示方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、照明用の光源と、前記光源から射出される照明光を複数受ける光入射面と、前記照明光を所定の複数の互いに散開する方向のそれぞれ所定の範囲に対してそれぞれ同時に映像光として射出する表示面とを持つ、複数の透過型画素で構成された表示素子と、を備えた、一つの表示面から複数の映像光を射出する映像表示装置であって、前記照明光の少なくとも一部が、前記表示素子の前記各透過型画素のうち所定の複数の前記各透過型画素に対して、選択的にかつそれぞれ所定の角度を持って照射されるように、前記各照明光と前記各透過型画素との各配置がそれぞれ対応付けられている。
【0013】
また、第2の発明は、第1の発明に係る映像表示装置において、前記照明光のうち少なくとも一部の光の指向性を制御する手段をさらに備える。
【0014】
また、第3の発明は、第2の発明に係る映像表示装置において、前記光の指向性を制御する前記手段は、前記光源から射出される前記照明光を受け、前記照明光のうち少なくとも一部の光の指向性を制御して射出する第1の光学部材である。
【0015】
また、第4の発明は、第2または第3の発明に係る映像表示装置において、前記第1の光学部材はコリメーションレンズを含む。
【0016】
また、第5の発明は、第1または第2の発明に係る映像表示装置において、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を選択的に照射する手段をさらに備える。
【0017】
また、第6の発明は、第5の発明に係る映像表示装置において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、前記第1の光学部材から射出される前記照明光を受け、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を選択的に照射する第2の光学部材である。
【0018】
また、第7の発明は、第6の発明に係る映像表示装置において、前記第2の光学部材はレンチキュラ、マイクロレンズアレイ、パララックスバリア、偏光部材のいずれかを含む。
【0019】
また、第8の発明は、第1または第2または第5の発明に係る映像表示装置において、前記表示素子からそれぞれ射出される複数の映像光を受け、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する手段をさらに備える。
【0020】
また、第9の発明は、第8の発明に係る映像表示装置において、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する前記手段は、前記表示素子からそれぞれ射出される複数の映像光を受け、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する第3の光学部材である。
【0021】
また、第10の発明は、第9の発明に係る映像表示装置において、前記第3の光学部材は、レンチキュラ、マイクロレンズアレイ、拡散板、偏光板のうちいずれかを含む。
【0022】
また、第11の発明は、第1または第5の発明に係る映像表示装置において、前記光源または前記光の指向性を制御する前記手段から射出される前記照明光を受け、前記照明光のうち所定の偏光を選択的に射出する偏光手段をさらに備える。
【0023】
また、第12の発明は、第1の発明に係る映像表示装置において、前記光源から射出される前記照明光を受け、前記照明光の輝度のむらを補正して前記照明光を射出する手段をさらに備える。
【0024】
また、第13の発明は、第1の発明に係る映像表示装置において、前記照明光は、複数の前記光源から複数射出される。
【0025】
また、第14の発明は、第13の発明に係る映像表示装置において、前記各光源は、それぞれ独立に各照明光の光強度を変化させる機構を備える。
【0026】
また、第15の発明は、第1または第2の発明に係る映像表示装置において、前記照明光は一つまたは複数の光源から射出され、複数の開口部を備え、前記光源から射出される前記照明光を受ける遮光手段をさらに有し、前記遮光手段は前記複数の開口部から前記照明光を通過させることで、複数の前記照明光としてそれぞれ前記光の指向性を制御する前記手段または前記表示素子に対して射出する。
【0027】
また、第16の発明は、第15の発明に係る映像表示装置において、前記遮光部材における前記各開口部の大きさ、もしくは前記各開口部の前記表示素子に対する相対的な位置を、それぞれ独立に調整する機構をさらに備える。
【0028】
また、第17の発明は、第1または第13の発明に係る映像表示装置において、前記光源は、前記表示素子に対する相対的な位置または向きをそれぞれ独立に調整する機構を備える。
【0029】
また、第18の発明は、第1または第17の発明に係る映像表示装置において、前記光源は、前記表示素子の略焦平面に沿って位置し、前記表示素子の略焦平面に対して略垂直方向を向いている。
【0030】
また、第19の発明は、第1または第16から第18のいずれかの発明に係る映像表示装置において、前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第1の直線とし、前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される他の少なくとも1つの所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第2の直線とすると、前記第1の直線と前記第2の直線とがなす相対的な角度の範囲を、所定の角度の範囲内で任意に調節できる。
【0031】
また、第20の発明は、第18の発明に係る映像表示装置において、前記第1の直線と前記第2の直線とがなす相対的な角度の範囲は、略20度以上略120度以下である。
【0032】
また、第21の発明は、第1の発明に係る映像表示装置において、前記透過型画素はそれぞれLCDであり、前記表示素子は前記LCDを含んで構成される。
【0033】
また、第22の発明は、第5から第7のいずれかの発明に係る映像表示装置において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する複数の画素において、前記複数の画素間に1画素またはそれ以上の画素が配置されている。
【0034】
また、第23の発明は、第5から第7のいずれかの発明に係る映像表示装置において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する2つの画素において、前記2つの画素間隔は、前記光学素子のピッチよりも大きい。
【0035】
また、第24の発明は、第1の発明に係る映像表示装置における前記光源が、複数の光源を規則的に並べたものであり、前記規則的に並べられた複数の光源の各々と、請求項1に記載の映像表示装置における前記表示素子とを組み合わせることにより規則的に並べた映像表示装置群を構成し、前記各映像表示装置が、複数の映像光を複数方向にそれぞれ射出することによって、前記映像表示装置全体で複数の映像を表示する。
【0036】
また、第25の発明は、照明用の光源と、前記光源から射出される照明光を複数受ける光入射面と前記照明光を所定の複数の互いに散開する方向のそれぞれ所定の範囲に対してそれぞれ同時に映像光として射出する表示面とをそれぞれ持つ、複数の透過型画素で構成された表示素子とを用いた、一つの表示面から複数の映像光を射出する映像表示方法であって、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちそれぞれ所定の複数の前記透過型画素が、前記照明光の少なくとも一部をそれぞれ所定の角度から選択的に受けることにより、前記各透過型画素が、前記表示面から、定められた各方向に対してそれぞれ前記映像光を射出する。
【0037】
また、第26の発明は、第25の発明に係る映像表示方法において、前記照明光のうち少なくとも一部の光の指向性を制御する手段をさらに用いる。
【0038】
また、第27の発明は、第25または第26の発明に係る映像表示方法において、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を選択的に照射する手段をさらに用いる。
【0039】
また、第28の発明は、第25または第26または第27の発明に係る映像表示方法において、前記表示素子からそれぞれ射出される複数の映像光を受け、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する手段をさらに用いる。
【0040】
また、第29の発明は、第25の発明に係る映像表示方法において、前記光源から射出される前記照明光を受け、前記照明光の輝度のむらを補正して前記照明光を射出する手段をさらに用いる。
【0041】
また、第30の発明は、第25または第27の発明に係る映像表示方法において、前記光源または前記光の指向性を制御する前記手段から射出される前記照明光を受け、前記照明光のうち所定の偏光を選択的に射出する偏光手段をさらに用いる。
【0042】
また、第31の発明は、第25の発明に係る映像表示方法において、前記照明光は、複数の前記光源から複数射出される。
【0043】
また、第32の発明は、第31の発明に係る映像表示方法において、前記各光源は、それぞれ独立に各照明光の光強度を変化させられる。
【0044】
また、第33の発明は、第25または第26の発明に係る映像表示方法において、複数の開口部を備えた遮光手段をさらに用い、前記照明光は、一つまたは複数の光源から前記遮光手段に対して射出され、前記遮光手段の前記開口部を通過させることで、複数の前記照明光としてそれぞれ前記光の指向性を制御する前記手段または前記表示素子に対して射出する。
【0045】
また、第34の発明は、第33の発明に係る映像表示方法において、前記遮光部材における前記各開口部の大きさ、もしくは前記各開口部の前記表示素子に対する相対的な位置を、それぞれ独立に調整できる。
【0046】
また、第35の発明は、第25または第31の発明に係る映像表示方法において、前記光源は、前記表示素子に対する相対的な位置または向きをそれぞれ独立に調整できる。
【0047】
また、第36の発明は、第34または第35の発明に係る映像表示方法において、前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第1の直線とし、前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される他の少なくとも1つの所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第2の直線とすると、前記第1の直線と前記第2の直線とがなす相対的な角度の範囲を、所定の角度の範囲内で任意に調節できる。
【0048】
また、第37の発明は、第27の発明に係る映像表示方法において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する複数の画素において、前記複数の画素間に1画素またはそれ以上の画素が配置されている。
【0049】
また、第38の発明は、第27の発明に係る映像表示方法において、前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する2つの画素において、前記2つの画素間隔は、前記光学素子のピッチよりも大きい。
【0050】
また、第39の発明は、第1の発明に係る映像表示装置における前記光源を、複数の光源を規則的に並べて構成し、前記規則的に並べられた複数の光源の各々と、第1の発明に係る映像表示装置における前記表示素子とを組み合わせることにより、前記映像表示装置を規則的に並べた映像表示装置群を構成し、前記各映像表示装置が、複数の映像光を複数方向にそれぞれ射出することによって、前記映像表示装置全体で複数の映像を表示する。
【0051】
【発明の実施の形態】
まず、発明の実施の形態の概略を説明する。本実施の形態の映像表示装置は、例えばLCDのような透過型の画素で構成された透過型表示素子を用いた、1つの表示面から複数の映像光を射出する多画面映像表示装置であり、2方向以上の異なる角度で光(照明光)を射出する光源と、この光源からの照明光をそれぞれの映像に対応した、前記透過型表示素子の画素に入射させる入射側光学素子(光学シート1)とで構成される。このとき、例えば光源が2つである場合には、この2つの光源を光源1、光源2とし、2人の観察者を観察者1、観察者2とすると、観察者1には光源1からの光しか提供されず、また観察者2には光源2からの光しか提供されない、もしくは、1つ以上の光源からの光を複数に振り分けて、第1の方向からの光は観察者1に、第2の方向からの光は観察者2にだけしか提供されないようにすることを特徴とする。このとき観察者1に用いられる透過型表示素子上の画素1には光源1からの光のみが入射され、観察者2に用いられる透過型表示素子上の画素2には光源2からの光のみが入射されるように構成することが好ましい。また、光源から射出された照明光は第1の光学部材で少なくとも水平方向でコリメートされて入射側光学素子に射出されたり、前記透過型表示素子の各画素から射出される光(映像光)を射出側光学素子(光学シート2)で特定の領域にのみ射出するようにしても良い。
【0052】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0053】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る映像表示装置の全体構成を説明するための図である。本映像表示装置は、基本構成(第1の構成)として、右側観察用照明光11−1を射出する例えば点光源といった光源(以下、光源と呼ぶ)10−1と、左側観察用照明光11−2を射出する例えば点光源といった光源(以下、光源と呼ぶ)10−2と、照明光11−1,11−2をそれぞれ受けて、照明光11−1,11−2をそれぞれ所定の角度を持って射出する第1の光学シート(例えば図1に示すような光学シート13)と、前記第1の光学シートから射出される照明光11−1,11−2をそれぞれ受けて映像光を射出する、例えばLCDなどの複数の透過型画素で構成された透過型表示素子(以下、表示素子と呼ぶ)14とを、それぞれ具備する。
【0054】
照明光11−1と照明光11−2は、前記光学シート13に対してそれぞれ異なる方向から射出され、光学シート13は、照明光11−1,11−2を、表示素子14を構成する各透過型画素のうち所定の(対応付けられた)複数の各透過型画素に対して、選択的にかつそれぞれ所定の角度を持たせて照射する。
【0055】
光学シート13から射出された照明光11−1及び11−2を受けた表示素子14は、照明光11−1及び11−2を、それぞれ映像光16−1,16−2として、複数の方向の観察者17−1,17−2に対してそれぞれ同時に射出する。
【0056】
映像光16−1,16−2は、それぞれの光束の中心光線(主光線)が複数の互いに散開する方向であり、かつ、それぞれの光束が所定の範囲で射出されるようになっている。
【0057】
また、光学シート13を配置する位置は、表示素子14の背面が望ましい。ここで、「背面」とは、表示素子から見て観察者寄りでない側、つまり光源側を指す。
【0058】
光学シート13の例としては、例えばレンチキュラ、マイクロレンズアレイ、パララックスバリア、偏光部材などが考えられる。
【0059】
以上の構成に加えて第2の構成として、照明光11−1及び照明光11−2の指向性を制御する手段として、光源10−1,10−2からそれぞれ射出される照明光11−1,11−2をそれぞれ受け、照明光11−1,11−2の指向性をそれぞれ制御して射出する第1の光学部材(例えば図1に示すようなコリメーションレンズ12)を、光源10−1,10−2と光学シート13との間に設けるようにしても良い。光の指向性を制御することには、照明光を例えば略平行光にしたり所定の向きに方向付けたりすることが含まれる。
【0060】
さらに第3の構成として、表示素子14からそれぞれ射出される複数の映像光16−1,16−2を受け、各映像光16−1,16−2の視野角をそれぞれ制御して射出する手段として、表示素子14からそれぞれ射出される複数の映像光16−1,16−2を受け、各映像光16−1,16−2の視野角をそれぞれ制御して射出する第2の光学シート(例えば図1に示すような光学シート15)を、表示素子14の前面に設けるようにしてもよい。ここで、「前面」とは表示素子14から見て照明側でない側つまり観察者側を指す。光学シート15の例としては、例えばレンチキュラ、マイクロレンズアレイ、拡散板、または偏光部材などが考えられる。
【0061】
上記した構成において、光源10−1から射出された照明光11−1と、光源10−2から射出された照明光11−2とは、コリメーションレンズ12の作用により、その指向性が制御されて(ここでは異なる方向の略平行光とされて)射出され、光学シート13に入射される。この入射光は光学シート13の作用により、表示素子14を構成する各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の透過型画素に対して選択的に照射される。表示素子14からそれぞれ射出される映像光16−1,16−2は、光学シート15の作用により、その視野角が、対応する観察者17−1,17−2に対して適切な視野角となるように拡げられたり狭められたりしてそれぞれ制御されて射出される。このときそれぞれの観察者17−1,17−2には、映像光16−1,16−2が時分割的に交互に提供されているわけではなく、それぞれ同時に観察者ごとの映像情報が提供される。
【0062】
上記した第1の構成によれば、各照明光は、表示素子の定められた複数の画素へそれぞれ入射され、この定められた複数の画素から定められた複数の方向に別々に映像光として射出される。各映像光は、互いに散開する方向に向かって射出される。つまり、ある方向へ射出する映像光を作る画素と別の方向へ射出する映像光を作る画素とを分離配置しているので、射出される複数の映像の分離角を簡単な方法で大きく取ることができる。
【0063】
また、それぞれの映像光を射出する画素を、射出される各映像光ごとに分離しているため、射出される映像光は必要な所定の範囲に限定でき、また各映像光が混じったり視点をずらせば他の映像が見えてしまったりするといったことがない。
【0064】
また、レンチキュラなどの光学シートによって複数方向からの照明光をそれぞれ別々の画素へ選択的に集光することで、遮られる光が少なくなり、光の利用効率も上昇する。
【0065】
また、上記した第2の構成によれば、コリメーションレンズにより照明光を例えば略平行光にしたり所定の向きに方向付けたりすることで、漏れ光や迷光などの不要光の発生が抑えられる。
【0066】
また、上記した第3の構成によれば、レンチキュラなどの光学シートは、画素から射出された映像光をそれぞれ異なる複数の限定された視野領域に必要な広さにだけ拡散させる効果を持つので、余分な射出光がなく必要な範囲にだけ映像光を射出でき、また消費電力の低減にも役立つ。
【0067】
なお、ここでは複数の光源が用いられているが、光源が複数であった場合、各光源からの各照明光を、それぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して選択的に照射されるようにそれぞれ対応付けたり、映像光の射出方向別と光源をそれぞれ関連付けたりすることができ、余分な射出光や迷光が低減できる。また、光源の数を必要に応じて増減させたり光源の配置方法を工夫したりすることによって、各映像光の射出方向別に映像光の視野角や明るさを異ならせるということも可能である。このような効果は複数の光源を用いた以下の実施形態にも適用されることは勿論である。
【0068】
(変形例1)
図2(A)、(B)は、上記した第1実施形態の変形例を説明するための図である。本変形例に係る映像表示装置は、図1に示す第1実施形態の構成と比較して以下の点が異なっている。すなわち、図2(A)に示すように、光源10−1からの照明光を受けて、当該照明光のうちP偏光を吸収してS偏光のみを選択的に射出する偏光板18−1と、光源10−2からの照明光を受けて、当該照明光のうちS偏光を吸収してP偏光のみを選択的に射出する偏光板18−2とが新たに追加になっている。また、図1の光学シート13は、P偏光のみを通過させる領域13−2とS偏光のみを通過させる領域13−3とを画素ごとに(各画素に対応する位置ごとに)交互に配置した偏光板13−1により実現され、光学シート15は、S偏光のみを通過させる領域15−2とP偏光のみを通過させる領域15−3とを画素ごとに交互に配置した偏光板15−1により実現されている。ここでの偏光板13−1,15−1は表示素子14に接触して配置されている。
【0069】
さらに、偏光板13−1のP偏光のみを通過させる領域13−2は、偏光板15−1のS偏光のみを通過させる領域15−2に対峙するように設けられている。これは、表示素子14に入射したP偏光は素子内で90度の偏光の回転を受けることにより、S偏光となって素子から出射されるためである。同様にして、表示素子14に入射したS偏光は素子内で90度の偏光の回転を受けることにより、P偏光となって素子から出射されるので、偏光板13−1のS偏光のみを通過させる領域13−3は、偏光板15−1のP偏光のみを通過させる領域15−3に対峙するように設けられる。
【0070】
また、表示素子14は、偏光板13−1のP偏光のみを通過させる領域13−2とS偏光のみを通過させる領域13−3との境界及び、偏光板15−1のS偏光のみを通過させる領域15−2とP偏光のみを通過させる領域15−3との境界に、ブラックマトリックス部14−1を有している。
【0071】
P偏光のみを通過させる領域13−2とS偏光のみを通過させる領域13−3とを交互に配置した偏光板13−1の構成及び、S偏光のみを通過させる領域15−2とP偏光のみを通過させる領域15−3とを交互に配置した偏光板15−1の構成は、図2(B)に示すような、P偏光のみを通過させる領域のみからなる偏光板50と表示素子51とS偏光のみを通過させる領域のみからなる偏光板52とから構成される通常の液晶表示装置とは異なるものである。
【0072】
上記した構成において、光源10−1からの照明光は、偏光板18−1の作用によりそのP偏光が吸収されてS偏光のみが選択的に照明光11−1として射出される。また、光源10−2からの照明光は、偏光板18−2の作用によりそのS偏光が吸収されてP偏光のみが選択的に照明光11−2として射出される。このようにして入射角度により異なった偏光をもつ照明光は、コリメーションレンズ12に入射されて角度をもった略平行光へと変換される。略平行光とされた照明光は次に、透過できる偏光を画素ごとに異ならせた領域13−2,13−3をもつ偏光板13−1を通過した上で表示素子14に入射される。
【0073】
上記した構成によれば、照明光を画素単位で各偏光毎の複数の照明光に振り分けて射出することができる。右方向へ射出する映像光を表示する画素と左方向へ射出する映像光を表示する画素とは分離されるので、表示面には見る方向に応じた映像が表示される。また、照明光が例えば一つの場合には、所定の複数の方向にそれぞれ所定の偏光の照明光を振り分けて射出し、コリメーションレンズ12に照射するような偏光分離部材であってもよい。
【0074】
(変形例2)
図3は、上記した第1実施形態の他の変形例を説明するための図である。この変形例では、表示素子とこれを挟む2枚の偏光板で構成される表示部を図2(B)で説明したような、S偏光のみを通過させる偏光板13−4と表示素子14とP偏光のみを通過させる偏光板15−4とからなる通常の液晶表示装置で構成するとともに、偏光板13−4の裏面に、S偏光またはP偏光をそれぞれ90度回転させてP偏光またはS偏光にそれぞれ変換するための処理が施された領域19−1とこのような処理が施されていない領域19−2とを表示素子14の画素ごとに設けた波長板19を配置したことを特徴とする。
【0075】
上記した構成において、光源10−1からの照明光は、偏光板18−1の作用によりそのP偏光が吸収されてS偏光のみが選択的に照明光11−1として射出される。また、光源10−2からの照明光は、偏光板18−2の作用によりそのS偏光が吸収されてP偏光のみが選択的に照明光11−2として射出される。このように左右で異なった偏光を持った照明光は、コリメーションレンズ12に入射されて角度をもった略平行光へと変換される。略平行光とされた照明光は、偏光を90度回転させるための処理が施された領域19−1とこのような処理が施されていない領域19−2をもつ波長板19に入射される。
【0076】
例えば、処理が施されていない領域19−2に入射したS偏光はS偏光のみを通過させる偏光板13−4を透過し、表示素子14の液晶層で偏光が90度回転してP偏光となり、P偏光のみを通過させる偏光板15−4を介して射出されるが、同領域19−2に入射したP偏光はS偏光のみを通過させる偏光板13−4を透過できずに遮られる。
【0077】
また、処理が施された領域19−1に入射したS偏光は波長板19の作用により偏光が90度回転されてP偏光となるので、S偏光のみを通過させる偏光板13−4により遮られるが、入射したP偏光は波長板19の作用により偏光が90度回転されてS偏光となり、S偏光のみを通過させる偏光板13−4を透過する。その後、表示素子14の液晶層で90度偏光が回転されてP偏光となり、P偏光のみを通過させる偏光板15−4を介して射出される。また、図2の例と同様、表示素子を構成する画素の境界にブラックマトリックス部14−1を有していても良い。
【0078】
上記した構成によれば、ある画素を見ると決まった方向への光しか射出されず、見る位置に応じた映像が供給される。
【0079】
(変形例3)
図4(A),(B),(C)は、光源からの照明光の偏光を制御する偏光制御機構の一例を説明するための図である。ここでは偏光特性を持たない部材18−3と、P偏光を吸収してS偏光のみを射出する偏光板18−1と、S偏光を吸収してP偏光のみを射出する偏光板18−2とを接合した偏光板を光源10−1(10−2)の近くに配置する。そして、この偏光板を適宜移動させることにより、光源10−1(10−2)からの照明光が主として照射される部分を順次切り換えるようにする。なお、偏光を持たない部材18−3は省略してもよい。
【0080】
図4(A)は、光源10−1(10−2)からの照明光が照射される位置に偏光板18−1を移動させてS偏光のみを透過させたときのようすを示している。図4(B)は、光源10−1(10−2)からの照明光が照射される位置に偏光板18−2を移動させてP偏光のみを透過させたときのようすを示している。図4(C)は、光源10−1(10−2)からの照明光が照射される位置に偏光特性を持たない部材18−3を移動させて照明光を無偏光の状態で透過させたときのようすを示している。
【0081】
上記した図3の光源10−1(10−2)の前面に、本偏光制御機構をそれぞれ配置することにより種々の偏光制御を行なうことができる。例えば、光源10−1からの照明光のうち偏光板18−1によりS偏光のみを射出させた後、波長板19の処理が施されていない領域19−2に入射させるとともに、光源10−2からの照明光のうち偏光板18−2によりP偏光のみを射出させて波長板19の処理が施された領域19−1に入射させることにより、偏光方向により画素を透過する偏光を異ならせることができる。
【0082】
また、本偏光制御機構により左右光源10−1,10−2からの照明光が同じ偏光状態(S偏光またはP偏光)になるように切り替えることで、2人の観察者で同じ映像を見るようにすることができる。
【0083】
さらに、本偏光制御機構により、左右光源10−1,10−2からの照明光を無偏光で出射させれば、照明光は表示素子14上のすべての画素を透過するので観察時の画素数が半減することなく映像を鑑賞することができる。
【0084】
図5は、偏光制御機構の変形例を説明するための図である。本偏光制御機構では、光源10−2からの照明光の照射位置にP偏光のみを射出させる偏光板18−2を配置するとともに、この偏光板18−2の前面に液晶セル20を配置した構成となっている。液晶セル20は電源21からの供給エネルギをスイッチ22によりオンオフさせることにより駆動状態あるいは非駆動状態になる。すなわち、電源21からのエネルギが供給されて液晶セル20が駆動された状態においてP偏光11−2が入射された場合にはそのまま透過するのでP偏光が射出され、電源21からのエネルギが遮断されて液晶セル20が非駆動の状態においてP偏光11−2が入射された場合には90度回転されてS偏光の状態で射出される。
【0085】
このように、偏光板と入射する偏光を液晶セルを利用すれば、電気的なON、OFFのみで射出光の偏光状態を制御することができる。
【0086】
(変形例4)
図6は、上記した第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図であり、コリメーションレンズ12と、レンチキュラ、マイクロレンズアレイなどで実現される光学シート13と、透過画素14−2とブラックマトリックス部14−1とを交互に配置した表示素子14とから構成される。
【0087】
図示せぬ左右2つの光源からの照明光11−1及び11−2はコリメーションレンズ12により略平行光に変換された後、光学シート13によって表示素子14のそれぞれ別個の透過画素14−2へ集光されて左右別々の方向へ射出される。このように、右方向へ射出する光を制御する画素と左方向へ射出する光を制御する画素とは異なる別々の画素になっているので、表示面には見る方向に応じた2種類の映像が表示される。
【0088】
また、ブラックマトリクス部14−1で遮られる光が少なくなることで光の利用効率も上昇し消費電力を低減する効果もある。
【0089】
なお、図では、説明を簡単にするために光学シート13のうちレンズ13−5,13−6,13−7に入射した光線のみを記載している。
【0090】
(変形例5)
図7は、上記した第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図であり、コリメーションレンズ12と、レンチキュラ、マイクロレンズアレイなどで実現される光学シート12と、透過画素14−2とブラックマトリックス部14−1とを交互に配置した表示素子14と、レンチキュラ、マイクロレンズアレイなどで実現される光学シート15とから構成される。この構成は図6に示す構成に加えて表示素子14の射出側に集光調整用の光学シート15を追加した構成となっている。
【0091】
図示せぬ左右2つの光源からの照明光11−1及び11−2はコリメーションレンズ12により略平行光に変換された後、光学シート13によって表示素子14のそれぞれ別々の透過画素14−2へ集光または拡散されて左右別々の方向へ射出される。この射出光は、射出側の光学シート15によって視野角の広さに合わせて集光又は拡散される。
【0092】
このような構成によれば、右側観察用に使用する画素と左側観察用に使用する画素が異なるため、それぞれの観察位置に応じた映像を表示することができる。
【0093】
ここで、射出側の光学シート15の曲率は必要な視野角に応じて設計され、場合により、凹、凸、平面などの形状で構成されるレンチキュラまたはマイクロレンズアレイが用いられる。
【0094】
(変形例6)
図8は、上記した図7の実施形態の変形例を説明するための図であり、実際のLCD構成を考慮して、表示素子14の前後に例えばカバーガラス23,24を配置している。このため、表示素子14と光学シート13または15間の距離は、カバーガラスを配置しない図7の構成よりも大きくなっている。このような構成においても左右の映像を確実に分離しかつ各映像間のクロストークをなくすようにすることが必要である。
【0095】
そこで、本変形例では、左右方向から射出される照明光を受ける、複数の同一の集光素子で構成されて周期的構造をなす光学素子としての光学シート13の1つのレンズ(例えば13−8)によって照明(集光)される2つの画素(ここでは14−3,14−4)の間隔は、1画素またはそれ以上の画素(図では4つの画素)が配置可能なように設定する。言い換えると、光学シート13の1つのレンズ(例えば13−8)によって照明される2つの画素(ここでは14−3,14−4)の間隔は、光学シート13のピッチよりも大きくなるように設定される。
【0096】
また、1つの光線が通る、光学シート13の1つのレンズ(例えば13−8)の主点と、表示素子14の画素(例えば14−3)と、光学シート15の1つのレンズ(例えば15−5)の主点とを通る直線Lつまり画素14−3を通過する光の主光線を表示素子14の表示面に対して10度以上傾けてもよい。
【0097】
本構成の作用は基本的に図7に示す構成の作用と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0098】
(変形例7)
図9は、上記した第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図である。図6の構成における光学シート13の代わりにパララックスバリア24を配置したことを特徴とする。パララックスバリア24には、開口部24−1,24−2,24−3が設けられている。開口部24−1,24−2,24−3の大きさは、画素ピッチとほぼ同じ大きさかあるいはそれよりも小さくなるようにする。
【0099】
このような構成において、図示せぬ左右2つの光源からの照明光はコリメーションレンズ12により略平行光とされた後、パララックスバリア24に入射するが、このパララックスバリア24を通過するとき開口部24−1,24−2,24−3に向かう光はそのまま通過するが、開口部24−1,24−2,24−3以外の部分に向かう光は遮られる。これによって、表示素子14のある特定の画素14−2に入射する光は、右側観察用照明光11−1または左側観察照明光11−2のいずれか一方となり、左右観察位置に応じた複数の映像を表示可能となる。
【0100】
射出側の光学シート15は画素から射出された光を適当な広さに拡散させる効果をもち、曲率は必要な視野角によって設計される。また、光学シート15はレンチキュラ、マイクロレンズアレイ、拡散板などで実現される。
【0101】
なお、ここでは説明を簡単にするために、開口部24−1と24−3のみを通る光線のみを図示している。
【0102】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、例えば上記した映像表示装置に用いられる照明系の改良に関している。
【0103】
図10は、第2実施形態の第1の構成を説明するための図である。ここでは、右側観察用光源(ここでは点光源)100−1と左側観察用光源(ここでは点光源)100−2とを、第1実施形態で説明したようなコリメーションレンズ、光学シート、透過型表示素子などで構成される表示部101の略焦平面に沿って配置し、かつ表示部101の略焦平面に対して略垂直方向を向くようにする。
【0104】
具体的には、右側観察用光源100−1と左側観察用光源100−2とから表示部101の略中心に射出される左右の光線102−1,102−2がなす角θ1を、映像光の観察者の位置に対して映像を射出するのに適した角度に調整する。ここでは、略5度〜略120度の範囲で調整可能である。また、本装置を車載用として搭載する場合には、映像光の観察者の位置、特に運転席と助手席、さらに後席にいる各観察者に対して映像を射出するのに適した角度は略20度〜略120度であることが望ましい。
【0105】
さらに、ステレオ立体映像表示装置などに対してこの装置を用いる場合には、視野の分離角θ2は15度以下であることが望ましい。
【0106】
このような方法により、右側及び左側観察用光源100−1,100−2の最適な向きや位置さらには角度を決定することができる。
【0107】
また、車載用で運転席と助手席とで別々の映像を見る用途に対しては視野の分離角θ2は20度以上であることが望ましい。この場合、θ1とθ2とがほぼ等しい角度になっていてもよい。
【0108】
また、光源100−1,100−2の明るさ(光強度)は左右独立に調整することができ、例えばそれぞれ左右で異なった映像を見ていても、各映像に必要な光強度を例えばある観察者にはカーナビゲーションの表示に必要な光強度、別の観察者には映像などを表示するのに適した光強度といったように各観察者の好みで調節することが可能である。
【0109】
また、光源100−1,100−2の視野角度の位置を調整する機構として、光源100−1,100−2の位置を、コリメーションレンズの焦平面に沿って例えば図の矢印で示す方向に移動させることにより、視野領域の中心角度を調整することができる。
【0110】
図11は、第2実施形態の第2の構成を説明するための図である。ここでは、光源として図11に示すような右側及び左側観察用の柱状光源100−3,100−4を用い、各柱状光源100−3,100−4の略中心位置から射出され、第1実施形態で説明したようなコリメーションレンズ、光学シート、透過型表示素子などで構成される表示部101の中央を通る2つの光線103,104がなす角θ1が5度〜120度であることを特徴とする。また、ステレオ立体映像表示装置などに対してこの装置を用いる場合、視野の分離角は15度以下であることが望ましい。
【0111】
また、例えば車載用で運転席と助手席とで別々の映像を見る用途に対しては視野の分離角は20度以上であることが望ましい。この場合、θ1がθ2とほぼ等しくなっていてもよい。
【0112】
また、柱状光源100−3,100−4の視野角度の位置を調整する機構として、柱状光源100−3,100−4はコリメーションレンズの焦平面に沿って例えば図の矢印で示す方向に移動可能で、視野角分布の中心位置の角度を調整可能である。さらに柱状光源100−3,100−4は柱状の蛍光管や点光線を縦方向に並べたものでもよい。
【0113】
図12は、第2実施形態の第3の構成を説明するための図である。ここでは、光源に図12に示すような右側及び左側観察用の面光源100−5,100−6を用い、各面光源100−5,100−6の略中心位置から射出され、第1実施形態で説明したようなコリメーションレンズ、光学シート、透過型表示素子などで構成される表示部101の中央を通る左右の光線105,106がなす角θ1が5度〜120度であることを特徴とする。また、ステレオ立体映像表示装置などに対してこの装置を用いる場合、視野の分離角θ2は15度以下であることが望ましい。また、例えば車載用で運転席と助手席とで別々の映像を見る用途に対しては視野の分離角θ2は20度以上であることが望ましい。この場合、θ1がθ2とほぼ等しいものとなっていてもよい。
【0114】
また、面光源100−5,100−6の視野角度の位置を調整する機構を備えており、面光源100−5,100−6を例えば図の矢印で示す方向に移動したり、面光源100−5,100−6の向きを調整したりすることができるが、ここでは、特に表示部101近傍のコリメーションレンズの焦平面上に沿って移動し、常に表示部101の中心を向いていることが望ましい。
【0115】
また、面光源100−5,100−6は平面バックライトや点光源を2次元に敷き詰めたものでもよい。点光源を2次元に敷き詰めた光源では、観察に利用していない領域への光線、つまり観察に利用していない点光源を消灯することで、省電力化できる。このとき視野角が狭まることとなるが、観察映像としては特に変化することはない。
【0116】
図10〜図12に示す方法によれば、光源の向きや位置や角度をそれぞれ独立に調整することができるので、それぞれの観察者にとって最適な映像光の向きの調節が独立に可能である。
【0117】
図13(A)、(B)は、第2実施形態の第4の構成を説明するための図であり、図13(A)は斜視図であり、図13(B)は断面図である。第4の構成は、図10〜図12に示すような照明系を、第1実施形態で説明したようなコリメーションレンズ、光学シート、透過型表示素子、光源などで構成される表示部101上に分割して配置したことを特徴とする。このような構成、特に光源を比較的表示素子に近い位置に分割して配置する構成を採用することにより奥行きを短くすることが可能となり、省スペース化を図ることができる。また、複数の透過型表示素子を用いて1つ以上の大きな画面を形成させたり、各透過型表示素子ごとに別々の映像を表示させたりすることもできる。
【0118】
図13(A)、(B)は、例えば図10に示す点光源100−1を表示部101上に多数分割して配置したようすを示している。図に示すように、分割した領域の境目に仕切り107を配置してもよく、このような構成によれば、隣の領域への漏れ光がなくなるのでクロストークが無くなる。
【0119】
図14(A)、(B)は、第2実施形態の第5の構成を説明するための図であり、図14(A)は斜視図であり、図14(B)は断面図である。第5の構成は、図10〜図12に示すような照明系を、表示部101の画素の境界線上に配置したことを特徴とする。このような構成を採用することにより複数の表示素子を照明する光源を、より少ない数の光源で兼用させることができ、それによって光源の数を減らすことができ、光の利用効率が向上するとともに、製作コストを低減させられる。
【0120】
図14(A)、(B)は、例えば図11に示すような柱状光源103を表示素子14の各画素の境界線上に配置したようすを示している。図に示すように、各境界に仕切り107を入れても良い。仕切り107を入れることで不要光をカットでき迷光を減少させることができる。
【0121】
図15は、第2実施形態の第6の構成を説明するための図(断面図)である。図15は、図14に示す構成の変形例であり、仕切り107を配置する位置を変更したことを特徴とする。図15に示す構成の作用,効果は図14に示す構成の作用,効果と同様である。
【0122】
例えば、図15に示すように、光源103Aと103Bとが配置され、光源103Aが光源103Bの位置の境界とを結ぶ線と、光源103Bが光源103Aの位置の境界とを結ぶ線の交点108に仕切り107の端が来るように設定することにより、余分な迷光の発生を防ぐことができる。
【0123】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、例えば上記した映像表示装置に用いられる光源の数を削減することに関する。図16(A),(B),(C)は本発明の第3実施形態を説明するための図であり、図16(A)は全体構成を示しており、図16(B)は照明系の構成を示している。図16(C)は第3実施形態の効果を説明するための図である。
【0124】
第3実施形態は、図16(A)に示すように、コリメーションレンズ201と光学シート203の間に偏光分離シート202を配置したことを特徴としており、このような方法により光源200の数を削減することができる。ここで、偏光分離シート202とは、図16(B)、(C)に示すように、光源200からの入射光を角度を付けて入射させると、その射出光はP偏光とS偏光とに分離されて違った角度で射出されるというものである。
【0125】
ここでの光学シート203とは、2つの方向に分離された光をそれぞれ対応する画素へのみ入射させる手段であり、レンチキュラ、マイクロレンズアレイ、さらには図3に示す波長板19や偏光板13などにより実現することができる。
【0126】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態は、例えば上記した映像表示装置に平面バックライトを利用したことを特徴とする。図17(A)はその概略構成を示しており、平面バックライト300、指向性制御素子301、視野分割素子302、光学シート303、透過型表示素子304、光学シート305により構成される。
【0127】
指向性制御素子301には、ルーバー、輝度上昇フィルム、レンズアレイシートなどが利用可能である。ルーバーは、図17(B)に示すような遮光部材306が仕切りとして配置されているため、ある角度以上の光線を遮断する機能をもたせることができる。輝度上昇フィルムの具体例は、例えば特開平05−313004号に調光シートとして開示されている。図17(C)は、レンズアレイシートのプリズムアレイ構造307を示している。レンズアレイシートの一例は、例えば、特開平10−255529号に指向性面状光源として開示されている。
【0128】
また、視野分割素子302には、偏光分離シートやプリズムアレイシートなどが利用できる。光学シート303,305には、レンチキュラやマイクロレンズアレイ、波長板などが利用できる。
【0129】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、光源の輝度ムラ補正に関している。光源は通常、射出角度によって異なる発光強度分布をもっている。さらに、光源位置と照射面の関係から照射角がきつくなるほど、コサイン3乗則により強度は減衰していく。そのため、光源をそのまま表示部に向けて照射したのでは見た目の輝度のムラが見えてしまうこととなる。そのため、光源から射出される照明光の輝度のむらを補正する手段を設ける必要がある。しかし、特に、第1実施形態の映像表示装置のように、2方向から同じ表示面に向けて照射し、それぞれの光源による映像をそれぞれ別の人が観察する場合には、輝度ムラを補正する場所が限定される。
【0130】
そこで本実施形態では、図18において、光源400−1,400−2から射出される照明光の輝度むらを補正する輝度ムラ補正部材401−1,401−2を所定の輝度ムラ補正部材配置の範囲403に設けるようにしている。輝度ムラ補正部材配置の範囲403は例えば、光源400−1,400−2からの両照明光の光束が交わる位置までとすることができる。また、輝度ムラ補正部材(例えば401−1,401−2)とは、透過率分布型NDフィルター、拡散率分布型拡散板、輝度ムラ補正レンズ等である。
【0131】
このような構成によれば、照射される照明光について、照射角度によって光強度が異なることによって起こる照明光の輝度むらをぞれぞれ補正しておくことによって、コリメーションレンズに対して均一な光強度の照明光が射出される。
【0132】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、1つの光源により複数の照明光を実現することに関する。
【0133】
図19(A)は、平面バックライトなどにより構成される光源500の前面に2つの開口部501−1,501−2を有する遮光マスク501を遮光手段として配置してこの2つの開口部501−1,501−2から照明光を射出させることにより、2つの柱状光源を実現している。また、図19(B)は、矩形状の2つの開口部501−3,501−4を設けて面光源を実現した例を示している。遮光マスクの代わりにスリットを用いても良い。
【0134】
このような方法により1つの光源から複数の光源を実現した場合には、構成が簡単になるという利点がある。また、第1実施形態で説明した透過型表示素子の光源として通常用いられる平面バックライトも利用できるため、実現が容易である。
【0135】
このようにして遮光手段の開口部の数により照明光の数を制御すれば、光源の数を削減させたり、必要な部分にだけ選択的に照明光が射出されるようにして無駄な光を削減させたりすることができる。
【0136】
特に複数の開口をもつ遮光マスクを用いて複数光源を実現しながら、2方向の光線を実現するためにはマスクは1枚では実現できず、図20に示すように2枚のマスク501,502を配置することが必要である。このような構成によれば、方向の異なる照明光を透過型表示素子503の異なる画素に入射することができ、透過型表示素子503から射出する各方向の映像を角度(分離角θ)をもたせてそれぞれ第1観察者領域504−1,第2観察者領域504−2に射出することができる。また、複数個のマスクを利用することにより、奥行きを短くする効果がある。各方向の映像の分離角θは例えば略20度〜略120度であることが望ましい。
【0137】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、観察者の位置における輝度の角度分布に関する。
【0138】
図21は、輝度の角度分布を示している。図に示すように光源輝度の角度分布ではピークが2つ(600−1,600−2)存在し、このピーク間角度601は、例えば略20度〜略120度であることが好ましい。
【0139】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、コリメーションレンズの詳細に関する。図22(A)は照明系を真上から見た水平断面図であり、図22(B)及び図22(C)は真横から見た垂直断面図である。
【0140】
本実施形態でのコリメーションレンズの機能としては、水平、垂直両方を略平行光に変換する同心円レンズ形状のものと(図22(A)及び図22(B)に示すタイプ)、また水平のみ平行光にするシリンドリカルレンズ形状のもの(図22(A)及び図22(C)に示すタイプ)とが考えられ、装置設計時に表示素子近傍の光学シートの組合わせや、視野角の設定などの仕様により使いわける。
【0141】
またコリメーションレンズはコリメーション機能をもつものならばどのような素子でもよく、フレネルレンズやレンチキュラ、マイクロレンズアレイなどの素子も利用できる。
【0142】
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態は、例えば上記した映像表示装置において、1つの光源を複数の光源(光源群)により構成した実施形態である。
【0143】
図23(A)は第9実施形態の第1の構成を示しており、左右方向それぞれの光源について、単一の光源800−1(または801−1)を複数個並置して光源群800(または801)を構成している。810はこれら光源群800,801からの照明光が入射する表示部である。ここで、光源群として、R(赤)、G(緑)、B(青)などの単色の光源を並べてもよい。
【0144】
また、図23(B)の光源群802,803で示すように、光源の大きさは左右異なる大きさとなっていてもよく、光源の大きさを左右で変えることにより、視野角の大きさを左右で変えることができるという効果がある。例えば図24において、映像804は観察者806,807の2人で観察し、映像805は観察者808の1人で観察したいという場合には、視野角を映像804側は広く、映像805側は狭く設定することにより、より観察しやすい状況を作り出すことが可能である。
【0145】
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態は、上記した第6実施形態において説明したマスクの移動機構に関する。
【0146】
図25に示すように、固定した光源900に対して各マスク901,902を移動できるようにしてもよく、その場合には光源900を移動したときと同様の効果が得られ、視野角の中心方向を変えることができる。
【0147】
また、各マスク901,902の開口部901−1,902−1のサイズを調節するための遮光扉903,904を取り付けてもよく、その場合には光線サイズを変えたときと同様の効果が得られ、視野角の大きさを変えることができる。
【0148】
図26(A)〜(C)はマスク移動の具体例を説明するための図である。図26(A)に示すようなマスク901,902の配置において、図26(B)に示すように、一方のマスク(ここでは902)を光源900に沿った方向(矢印で示す方向)に移動させることにより左右の視野角を変えることができる。また、図26(C)に示すように、一方のマスク(ここでは902)を光源900と直交する方向(矢印で示す方向)に移動させることにより視野角を狭くすることができる。
【0149】
このように、どちらかのマスクを移動させることで、それぞれの映像の視野角や、それぞれの映像の視野における中心の方向を変えることができる。
【0150】
図27(A),(B)は、第10実施形態の変形例(マスク開閉機構)を説明するための図である。ここでは図20で説明したような2枚のマスクからなる構造を想定している。すなわち、図27(A)に示すようにマスクが、2枚マスク構造(1001−1と1001−2、または1002−1と1002−2)であっても、図27(B)に示すように各マスク(1001−1、1001−2、1002−1、1002−2)の開口の大きさを調整できる構造にすることにより、視野角の範囲を制限することができる。
【0151】
上記のように、マスク等の開口部の位置や開口部の大きさをぞれぞれ独立に調整可能にしたので、それぞれの観察者にとって最適な映像光の向きを独立に調節できる。
【0152】
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態は、本発明の映像表示装置を特定のモニタに応用した例に関している。
【0153】
図28は、本装置を車載用モニタとして使用する場合に必要となる分離角の一例について説明するための図である。この場合には光源からの2つの映像光の光束の中心光線の分離角は以下の理由により20度以上が望ましい。すなわち、図28において、表示部1100と、観察者の観察位置(助手席の観察者1101の平均的観察位置1101−1、運転席の観察者1102の平均的観察位置1102−1、最近接観察位置1103−1)との距離と、観察位置関係とから、分離角θが最も小さいときで、
θ=2×atan(200/1000)=22.6°
である。これより分離角θは少なくとも約20度以上であることが必要となる。車載用モニターにおける平均的観察位置における分離角θは約60度である。これにより、運転席と助手席とでそれぞれに応じた映像を観察することができ、クロストークが少ない見やすい映像を提供することができる。
【0154】
図29は、本装置をステレオ立体映像表示装置用モニタとして使用した場合に必要となる分離角の一例について説明するための図である。図29において、表示部1200から最も疲労感なく観察できる距離である“明視の距離1203”=250mmとし、眼幅1204(左目1201と右目1202の各中心間の距離)=約60mmとして、立体表示装置用モニターの分離角θを計算すると、
θ=2×atan(30/250)=13.7°
である。よって、通常のステレオ立体映像表示装置への用途では分離角θは15度以下で利用される。
【0155】
上記した各実施形態において使用した「画素」という文言について説明を追加しておく。「画素」は、単一の色のみを表示するものであっても良いが、例えば図30(A)に示すように、「R」「G」「B」の色を表示する部分をひとまとめにした画素でもよい。この場合には、一まとめにした「R」「G」「B」の画素ごとに左右の観察者1303,1304に対して映像光1301,1302がそれぞれ射出される。また、図30(B)に示すように、「R」「G」「B」をそれぞれ1画素としても良い。この場合には、「R」「G」「B」の各画素ごとに左右の観察者1303,1304に対して映像光1301,1302が射出される。
【0156】
また、上記した映像表示装置を複数2次元的に規則的に並べて映像表示装置群を形成し、各映像表示装置が、複数の映像光を複数方向にそれぞれ射出することによって、映像表示装置全体で複数の映像を表示するようにしてもよい。このような構成を用いれば、大きな多画面表示装置を作る際に、小さな表示装置を2次元的に並べて配置することができる。
【0157】
【発明の効果】
本発明によれば、1つの表示面において見る方向に応じた映像を表示する場合に、各映像を複数の方向に確実に大きな分離角で分離して射出することができ、かつ各映像間のクロストークのない見やすい複数の映像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る映像表示装置の全体構成を説明するための図である。
【図2】本発明の第1実施形態の変形例を説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施形態の他の変形例を説明するための図である。
【図4】光源からの照明光の偏光を制御する偏光制御機構の一例を説明するための図である。
【図5】偏光制御機構の変形例を説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図である。
【図7】本発明の第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図である。
【図8】図7の実施形態の変形例を説明するための図である。
【図9】本発明の第1実施形態のさらに他の変形例を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施形態の第1の構成を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態の第2の構成を説明するための図である。
【図12】本発明の第2実施形態の第3の構成を説明するための図である。
【図13】本発明の第2実施形態の第4の構成を説明するための図である。
【図14】本発明の第2実施形態の第5の構成を説明するための図である。
【図15】本発明の第2実施形態の第6の構成を説明するための図である。
【図16】本発明の第3実施形態を説明するための図である。
【図17】本発明の第4実施形態を説明するための図である。
【図18】本発明の第5実施形態を説明するための図である。
【図19】本発明の第6実施形態を説明するための図である。
【図20】本発明の第6実施形態においてマスクを2枚配置した構成を示す図である。
【図21】本発明の第7実施形態を説明するための図である。
【図22】本発明の第8実施形態を説明するための図である。
【図23】本発明の第9実施形態を説明するための図である。
【図24】第9実施形態において、視野角の大きさを左右で変える具体例を説明するための図である。
【図25】本発明の第10実施形態を説明するための図である。
【図26】第10実施形態において、マスク移動の具体例を説明するための図である。
【図27】第10実施形態の変形例(マスク開閉機構)を説明するための図である。
【図28】本発明の第11実施形態を説明するための図であり、車載用モニタに用いた実施形態を説明するためのものである。
【図29】本発明の第11実施形態を説明するための図であり、ステレオ立体映像表示装置用モニタに用いた実施形態を説明するためのものである。
【図30】「画素」の定義について説明するための図である。
【図31】従来の画像表示装置について説明するための図である。
【符号の説明】
10−1…右側観察用光源、10−2…左側観察用光源、11−1…右側観察用照明光、11−2…左側観察用照明光、12…コリメーションレンズ、13…光学シート、14…透過型表示素子、15…光学シート、16−1…左側観察用映像光、16−2…右側観察用映像光、17−1…左側観察者、17−2…右側観察者。
Claims (39)
- 照明用の光源と、
前記光源から射出される照明光を複数受ける光入射面と、前記照明光を所定の複数の互いに散開する方向のそれぞれ所定の範囲に対してそれぞれ同時に映像光として射出する表示面とを持つ、複数の透過型画素で構成された表示素子と、
を備えた、一つの表示面から複数の映像光を射出する映像表示装置であって、前記照明光の少なくとも一部が、前記表示素子の前記各透過型画素のうち所定の複数の前記各透過型画素に対して、選択的にかつそれぞれ所定の角度を持って照射されるように、前記各照明光と前記各透過型画素との各配置がそれぞれ対応付けられている
ことを特徴とする映像表示装置。 - 前記照明光のうち少なくとも一部の光の指向性を制御する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
- 前記光の指向性を制御する前記手段は、
前記光源から射出される前記照明光を受け、前記照明光のうち少なくとも一部の光の指向性を制御して射出する第1の光学部材であることを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。 - 前記第1の光学部材はコリメーションレンズを含むことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の映像表示装置。
- 前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を選択的に照射する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像表示装置。
- 前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、
前記第1の光学部材から射出される前記照明光を受け、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を選択的に照射する第2の光学部材であることを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。 - 前記第2の光学部材はレンチキュラ、マイクロレンズアレイ、パララックスバリア、偏光部材のいずれかを含むことを特徴とする、請求項6に記載の映像表示装置。
- 前記表示素子からそれぞれ射出される複数の映像光を受け、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項1または請求項2または請求項5に記載の映像表示装置。
- 前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する前記手段は、
前記表示素子からそれぞれ射出される複数の映像光を受け、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する第3の光学部材であることを特徴とする、請求項8に記載の映像表示装置。 - 前記第3の光学部材は、レンチキュラ、マイクロレンズアレイ、拡散板、偏光板のうちいずれかを含むことを特徴とする、請求項9に記載の映像表示装置。
- 前記光源または前記光の指向性を制御する前記手段から射出される前記照明光を受け、
前記照明光のうち所定の偏光を選択的に射出する偏光手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項1または請求項5に記載の映像表示装置。 - 前記光源から射出される前記照明光を受け、前記照明光の輝度のむらを補正して前記照明光を射出する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
- 前記照明光は、複数の前記光源から複数射出されることを特徴とする、請求項1に記載の映像表示装置。
- 前記各光源は、それぞれ独立に各照明光の光強度を変化させる機構を備えたことを特徴とする、請求項13に記載の映像表示装置。
- 前記照明光は一つまたは複数の光源から射出され、
複数の開口部を備え、前記光源から射出される前記照明光を受ける遮光手段をさらに有し、
前記遮光手段は前記複数の開口部から前記照明光を通過させることで、複数の前記照明光としてそれぞれ前記光の指向性を制御する前記手段または前記表示素子に対して射出することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の映像表示装置。 - 前記遮光部材における前記各開口部の大きさ、もしくは前記各開口部の前記表示素子に対する相対的な位置を、それぞれ独立に調整する機構をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の映像表示装置。
- 前記光源は、前記表示素子に対する相対的な位置または向きをそれぞれ独立に調整する機構を備えることを特徴とする、請求項1または請求項13に記載の映像表示装置。
- 前記光源は、前記表示素子の略焦平面に沿って位置し、前記表示素子の略焦平面に対して略垂直方向を向いていることを特徴とする請求項1または請求項17に記載の映像表示装置。
- 前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第1の直線とし、
前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される他の少なくとも1つの所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第2の直線とすると、
前記第1の直線と前記第2の直線とがなす相対的な角度の範囲を、
所定の角度の範囲内で任意に調節できることを特徴とする、請求項1または請求項16から請求項18のいずれかに記載の映像表示装置。 - 前記第1の直線と前記第2の直線とがなす相対的な角度の範囲は、略20度以上略120度以下であることを特徴とする、請求項18に記載の映像表示装置。
- 前記透過型画素はそれぞれLCDであり、前記表示素子は前記LCDを含んで構成されるLCDパネルであることを特徴とする、請求項1に記載の映像表示装置。
- 前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する複数の画素において、前記複数の画素間に1画素またはそれ以上の画素が配置されていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の映像表示装置。
- 前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する2つの画素において、前記2つの画素間隔は、前記光学素子のピッチよりも大きいことを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の映像表示装置。
- 請求項1に記載の映像表示装置における前記光源が、複数の光源を規則的に並べたものであり、前記規則的に並べられた複数の光源の各々と、請求項1に記載の映像表示装置における前記表示素子とを組み合わせることにより規則的に並べた映像表示装置群を構成し、
前記各映像表示装置が、複数の映像光を複数方向にそれぞれ射出することによって、前記映像表示装置全体で複数の映像を表示することを特徴とする映像表示装置。 - 照明用の光源と、
前記光源から射出される照明光を複数受ける光入射面と前記照明光を所定の複数の互いに散開する方向のそれぞれ所定の範囲に対してそれぞれ同時に映像光として射出する表示面とをそれぞれ持つ、複数の透過型画素で構成された表示素子と
を用いた、一つの表示面から複数の映像光を射出する映像表示方法であって、前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちそれぞれ所定の複数の前記透過型画素が、前記照明光の少なくとも一部をそれぞれ所定の角度から選択的に受けることにより、
前記各透過型画素が、前記表示面から、定められた各方向に対してそれぞれ前記映像光を射出することを特徴とする映像表示方法。 - 前記照明光のうち少なくとも一部の光の指向性を制御する手段をさらに用いたことを特徴とする請求項25に記載の映像表示方法。
- 前記表示素子を構成する前記各透過型画素のうちのそれぞれ定められた複数の前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を選択的に照射する手段をさらに用いたことを特徴とする請求項25または請求項26に記載の映像表示方法。
- 前記表示素子からそれぞれ射出される複数の映像光を受け、前記各映像光の視野角をそれぞれ制御して射出する手段をさらに用いたことを特徴とする、請求項25または請求項26または請求項27に記載の映像表示方法。
- 前記光源から射出される前記照明光を受け、前記照明光の輝度のむらを補正して前記照明光を射出する手段をさらに用いたことを特徴とする請求項25に記載の映像表示方法。
- 前記光源または前記光の指向性を制御する前記手段から射出される前記照明光を受け、
前記照明光のうち所定の偏光を選択的に射出する偏光手段をさらに用いたことを特徴とする、請求項25または請求項27のいずれかに記載の映像表示方法。 - 前記照明光は、複数の前記光源から複数射出されることを特徴とする、請求項25に記載の映像表示方法。
- 前記各光源は、それぞれ独立に各照明光の光強度を変化させられることを特徴とする、請求項31に記載の映像表示方法。
- 複数の開口部を備えた遮光手段をさらに用い、
前記照明光は、一つまたは複数の光源から前記遮光手段に対して射出され、前記遮光手段の前記開口部を通過させることで、複数の前記照明光としてそれぞれ前記光の指向性を制御する前記手段または前記表示素子に対して射出することを特徴とする、請求項25または請求項26に記載の映像表示方法。 - 前記遮光部材における前記各開口部の大きさ、もしくは前記各開口部の前記表示素子に対する相対的な位置を、それぞれ独立に調整できることを特徴とする請求項33に記載の映像表示方法。
- 前記光源は、前記表示素子に対する相対的な位置または向きをそれぞれ独立に調整できることを特徴とする、請求項25または請求項31に記載の映像表示方法。
- 前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第1の直線とし、
前記表示素子の略中心と、前記表示素子の略中心から射出される他の少なくとも1つの所定の照明光の略中心とを結ぶ直線を第2の直線とすると、
前記第1の直線と前記第2の直線とがなす相対的な角度の範囲を、
所定の角度の範囲内で任意に調節できることを特徴とする、請求項25または請求項34または請求項35に記載の映像表示方法。 - 前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する複数の画素において、前記複数の画素間に1画素またはそれ以上の画素が配置されていることを特徴とする請求項27に記載の映像表示方法。
- 前記透過型画素に対して、前記照明光のうち少なくとも一部を複数の前記透過型画素に対して選択的に照射する前記手段は、複数の同一の集光素子から構成されて周期的構造をなす光学素子であり、前記周期的構造をもつ光学素子の1つの集光素子が照明する2つの画素において、前記2つの画素間隔は、前記光学素子のピッチよりも大きいことを特徴とする請求項27に記載の映像表示方法。
- 請求項1に記載の映像表示装置における前記光源を、複数の光源を規則的に並べて構成し、前記規則的に並べられた複数の光源の各々と、請求項1に記載の映像表示装置における前記表示素子とを組み合わせることにより、前記映像表示装置を規則的に並べた映像表示装置群を構成し、
前記各映像表示装置が、複数の映像光を複数方向にそれぞれ射出することによって、前記映像表示装置全体で複数の映像を表示することを特徴とする映像表示方法。
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