JP2004212389A - ソーラーセル付き電子時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ソーラーセルを文字板外周の見返し部に配置すると風防ガラスと文字板との間隙が広くなり、奥目の時計になってしまう。また、見切り径部にセルを配置するとセルが露出し暗褐色が見えてデザイン的制約課題を有していた。
【解決手段】 ソーラーセルの内側に光透過性の見返しリングを配置すると共にソーラーセル発電領域の一部及び前記ソーラーセルの発電領域を覆う見返しリングの一部を文字板上面高さよりも下に配置する、更には見返しリングに入射する光の導光部を確保しながら光透過性の見返しリングの載る文字板周縁部厚に比べて文字板内部側の文字板厚を厚くする。又は、風防ガラスを時計ケースに固定する鍔部を光透過性見返しリング及びソーラーセルの外側に配置させ、見返しリングを風防ガラス直下に配すると共に、見返しリングまたはソーラーセルの上部に目隠し部を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光を利用して発電するソーラー発電システムを有し、かつ前記ソーラー発電システムによって発電した電力を充電する充電システムを有する時計のうち、見返し部にソーラーセルを配置したソーラーセル付き電子時計の時計構造に関するものである。
従来からソーラーセルを有し、太陽光などの光を発電電力源として利用する電子時計が数多く商品化されている。しかしながら、ソーラーセルを光半透過性の文字板下に配置すると文字板の形態に制約を生じ、その結果デザイン面でバラエティに富んだ商品提案ができなかった。
詳しく述べると、ソーラーセルの表面は暗褐色を呈しており、その色を隠す為に文字板をソーラーセル上に載せるが、一方でソーラーセルが光を受けて発電するためには文字板はある程度光を通す性質、つまり光透過性が必要であった。その為、白色文字板といっても曇りガラスのようなグレーがかった色調の文字板となってしまい、金属文字板に白色顔料の塗装を施したような白色が出せないというデザイン上の問題があった。
ところで近年は、ソーラーセルの受光効率が向上したため、セル面積をある程度小さくしても時計を駆動できる発電電力を得られるようになってきた。そこで、ソーラーセルを文字板外周に略垂直に配置したソーラーセル付き電子時計が提案されている。この従来例には、可撓性のある帯状のプリント基板に形成したソーラーセルをソーラーセル発電部が時計中心側を向くように風防ガラスと文字板との間隙部の壁面に巻き付けたものである(例えば、特許文献1、2参照)。
図10は特許文献1の第1図に記載された第1実施例であり、複数のソーラーセル20を各々のソーラーセルを電気的に接続するパターンを形成したプリント基板21に接着したソーラーセルブロック23を支持リング22に配置した構造の時計断面図である。図10において、複数のソーラーセル20をプリント基板21に接着して支持リング22の溝部22aに収めたソーラーセルブロック23が、風防ガラス24を固定する鍔部26の下に配置され、更に支持リング22には内周リング22bと外周リング22cをつなぐ庇部22dがあり、また、ソーラーセル20は文字板25の上に配置された構造となっている。
図11は特許文献1の第3図に記載された第2実施例の時計断面図であり、風防ガラス33と文字板34との間隙部にステンレス薄板32にアモルファス・シリコンによるソーラーセル30を形成したソーラーセルユニット36を時計ケース35の見返し部31の内壁面の内側に巻き付けた構成を有している。
また、図12は特許文献2の第1実施例の時計断面図で、時計ムーブメント44の文字板43の配置位置より上方にリング状土手45を設け、土手の内壁面46にソーラーセル40を配置した時計断面図である。尚、41は風防ガラス、42は側の鍔部である。
実公昭62−42390号公報(第3頁、第1図、第2図、第3図) 特開2002−148366号公報(第3頁、第1図)
しかしながら、図10の構造では、風防ガラス24と文字板25との間隙寸法は、ソーラーセル20の高さだけでなく鍔部26及び庇部22d等の高さを合計した寸法となる為、風防ガラス24と文字板25との間隙が広くなってしまい、結果的に風防ガラス24から見た文字板25の位置が深く、いわゆる「奥目の時計」になってしまうと言うデザイン的な問題を生じていた。又このため、針位置が深くなる事で、あるいは針間隔が広くなる事でデザイン性が悪くなり商品価値も下がっていた。
また図11の構造では、鍔部が無くなった分風防ガラス33と文字板34との間隙寸法は狭くなったが、いくら高効率のソーラーセルと言ってもセルの高さ方向は高く、未だその間隙寸法は広い。しかも、ソーラーセル30が風防ガラス33と文字板34との間隙部に露出している為、時計35の外側からソーラーセル特有の暗褐色の色が直に見えてしまい、特に明るい色の文字板ではソーラーセル30が黒いリングとして目立ってしまうというデザイン的な問題を生じていた。
更に図12の構造では、図10で示した従来例と同様に、ソーラーセル40が風防ガラス41を固定する鍔部42の下に配置された構造となっている為に、風防ガラス41と文字板43との間隙寸法は、ソーラーセル40の高さだけでなく鍔部42の高さを合計した寸法となる為、風防ガラス41と文字板43との間隙が広くなってしまい、結果的に風防ガラス41から見た文字板43の位置が深く、「奥目の時計」になってしまうというデザイン的な問題を生じていた。
ところでどの従来例においても、時計を駆動するのに十分なエネルギーを得る為には、ソーラーセルは一定の面積が必要であり、見切り径の大きな男持ちの時計、即ちソーラーセルの長さを長く取れる時計であっても、特に黒い文字板の時計の場合は、必要なソーラーセルの高さはソーラー発電でない時計における風防ガラスと文字板との間隙高さよりも大きくなってしまい、その結果、「奥目の時計」となってしまうという問題があった。
本発明の目的は、ソーラーセルを文字板に対して略垂直に配置したソーラーセル付電子時計において、時計を駆動させるのに必要な発電量を確保しながら、且つソーラーセルを目立たせず、更には文字板位置の深さを感じさせない時計構造を提供するものである。
前記課題を解決するために、ソーラーセルを文字板に対して略垂直に配置したソーラーセル付き電子時計において、前記文字板の周縁部に導光部を設け、前記文字板の周縁部に光透過性の見返しリングを配置すると共に、前記ソーラーセル発電領域の一部及び前記ソーラーセルの発電領域を覆う見返しリングの一部を前記文字板上面高さよりも下に配置した事を特徴とする。
ソーラーセルの内側には、光透過性の見返しリングと文字板が配置されているが、光の入り口である導光部を設けることで、時計駆動に必要な電力を発電するための光を取り入れることができ、また、ソーラーセル発電領域の一部及びソーラーセルの発電領域を覆う見返しリングの一部を文字板上面高さよりも下に配置することで、見返しリングからの入射光を文字板上面より下に配置したソーラーセルまで導くことができるため、ソーラーセル全体を文字板上面よりも上に配置する必要がなく、風防ガラス下面と文字板上面との間隙を減少させることができ、従来の一次電池を有する電子時計と同等の間隙にすることができ、「奥目の時計」を解消することができる。
前記文字板の内部側の厚さを周縁部に対し肉厚にしたことを特徴とする。
指針を配置する文字板の内部側の厚さを、見返しリングを配置する文字板の周縁部よりも肉厚にすることによって、風防ガラス下面から文字板上面までの間隙が少なくなるので「奥目」を解消でき、時計駆動に必要な電力を得るための発電を行うのに必要な見返しリングへ光入射面の面積を確保できる。
前記導光部は、前記文字板の厚さを内部側から周縁側に向かって薄くなるように構成した斜面部を有していることを特徴とする。
文字板の内部側の厚さを周縁部に対し肉厚にすることで、文字板の厚さの差が生じるが、斜面を設けることで外観的に目立ちにくくすることができる。
前記導光部は、前記文字板の厚さを周縁部が薄くなるように構成した段部を有していることを特徴とする。
文字板外周部に段差を形成することはプレス加工、フライス加工等で簡単に加工できるが、外径の異なる2枚の円板を張り合わせることでも実現でき、斜面を形成する構造よりも加工し易いというメリットがある。
前記見返しリングに斜面部を設け、該斜面部で前記文字板の前記導光部の斜面又は段部を覆ったことを特徴とする。
文字板の内部側と周縁部との厚みの差によって生ずる斜面、又は段部を覆う見返しリングを配置することによって、時計を駆動するのに必要な発電量を確保できる光を取り入れる導光部を設け、且つ、時計外観的には平らな文字板であり、従来の一時電池を有する電子時計と何ら変わらない外観を実現することが可能である。
前記ソーラーセル付き電子時計の時計ケースに、風防ガラスを前記時計ケースに固定するための鍔部を前記見返しリングと前記ソーラーセルと該ソーラーセルを保持する時計ムーブメント又は中枠のリング状凸部の外側に配置して、前記見返しリングを前記風防ガラス直下に配置すると共に、前記風防ガラスの見返しリングまたはソーラーセルの上部に目隠し部を設けたことを特徴とする。
見返しリングを風防ガラス直下に配置できるため、鍔部の厚み分、風防ガラスと文字板上面の間隙を減らすことができ、従来の一次電池を有する電子時計と同等の間隙にすることができると共に、風防ガラスの真上からはソーラーセルを見えなくすることができる。
上記のごとく本発明によれば、ソーラーセルを文字板に対して略垂直に配置したソーラーセル付電子時計において、ソーラーセルの内側に光透過性の見返しリングを配置すると共にソーラーセル発電領域の一部を文字板上面高さよりも下に配置することにより、また、見返しリングに入射する光の導光部を確保しながら文字板周縁部厚よりも文字板内部側厚を厚くすることで、風防ガラス下面と文字板上面との間隙を減少させることができ、「奥目」のデザインを解消することができる。
[第1の実施の形態]
以下、図面により本発明の第1の実施の形態を詳述する。
図1は本発明の実施例1を表すソーラーセル付き電子時計の要部断面図、図2は本発明の実施例3を表すソーラーセル付き電子時計の要部断面図、図3は本発明のソーラーセル
の平面図、図4は本発明のソーラーセルの時計組込状態を示す斜視図である。
図3は本発明に用いるソーラーセルの平面図であり、まず、図3を使ってソーラーセルの構造について説明する。ソーラーセル1は、ベース基板のPETフィルム上にアモルファス・シリコン層等を形成してソーラーセルとして機能するように形成したものであり、厚さが150μm程度で、図4に示すように湾曲させて時計ケース内に収めることができる細長い帯状の形状の可撓性を有するソーラーセルである。
本実施の実施形態ではソーラーセル1が単セルのものであり、1aは光発電領域、1b及び1cは発電電力を取り出すための正、負電極、1dはソーラーセルを時計ムーブメントに組み込む際の位置決め用の穴部を有する突起である。また、光発電領域1aの外周全周には幅400μm程度の光が当っても発電しない縁部1eがあるが、これはPETフィルム上に多数のソーラーセルを形成したシートから1つ1つのソーラーセルに切断分離する際の切断代である。組み込む際は、図4のように光発電領域1aが時計の中心を向くようにリング状になって時計に組み込まれるものである。
図1は実施例1を示す本発明によるソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。本実施例では時計ムーブメント6の部品である回路支持台3を、外周側に延長し、延長した部分を風防ガラス4側にもさらに延長してリング状凸部3aを形成している。ソーラーセル1は前述のように可撓性があり、回路支持台3のリング状凸部3aの内壁面3bに丸めて組み込み、ソーラーセル自体の広がろうとする張力で前記凸部3aの内壁面3bに図4に示したような形状で張り付けたものである。
文字板5はリング状形状に配置したソーラーセル1より時計中心側にある回路支持台3上に載置されていて、前記文字板5の周縁部5a上に光透過性の見返しリング2を配置するものである。すなわち、ソーラーセル1の内側に見返しリング2が配置された構造となっている。この時、前記文字板5は均一な厚みではなく、見返しリング2が載る文字板周縁部5aに比べて、時分秒針11を配置する文字板内部側5bの方が風防ガラス4方向に厚くなっている。そして文字板周縁部5aと文字板内部側5bとの段差をつなぐところに文字板の厚さを内部側5bから周縁側5aに向かって薄くなるように構成した斜面部5dを付けた構造となっている。
この段差と斜面5dによって光の導光部2aを形成し、見返しリング2への光の入り口を一定幅確保するようにし、これによって必要な発電量を確保することが出来、同時に、文字板内部側5bの文字板厚を厚くすることで風防ガラス4と文字板5との間隙は従来の一次電池を有する電子時計並みの深さを実現するものである。
更には、文字板5の周縁部5bとソーラーセル1の間には見返しリングに一部2bがソーラーセル1を覆うように入り込んでおり、ソーラーセル1の光発電領域1a(図1のソーラーセル1のハッチング部分)の一部及びソーラーセル1の発電領域1aを覆う見返しリング2の一部2bを文字板上面5c位置より下にも配置することによって、風防ガラス4の下面から見返しリング2を配置した文字板周縁部5aの上面までの間隙を少なくすることができ、且つ、導光部材である見返しリング2を伝わってきた光が見返しリング2の一部2bから放射されて、文字板上面5c位置より下に配置したソーラーセル1の一部においても発電を行うことができる。
また、図1に示すように見返しリング2とソーラーセル1の間には空気層9があり、見返しリング2を通過した光の一部が界面で反射散乱するために、ソーラーセル1の暗褐色の色を外から見え難くすることができる。
更に、ソーラーセル1の電極部1b、1cは時計ムーブメント6の穴部6aを通って裏ブタ10側に突き出ている。更に、裏ブタ10側に配置され図示しない回路基板に図示しない絶縁シートを挟んだ押え板を介してネジ止めによって固定された接続バネ8の先端部8aが、ソーラーセルの正負電極1b、1cに接触し、ソーラーセル1からの発電電力を回路基板へ導く構造となっている。
図5は図1に示す本発明によるソーラーセル付き電子時計の時計ムーブメント6を裏ブタ側から眺めた平面図であり、前述の2本の接続バネ8やソーラーセル1などの平面的な配置関係を示している。接続バネ8はソーラーセル1と回路基板との電気的接続を取るためにネジ8b等によって保持固定されている。
次に、実施例1で示した文字板5内部側5bを厚くした文字板5を使ったソーラーセル付き電子時計と平板の文字板を使ったソーラーセル付き電子時計との発電性能の差について表1、図1および図6を用いて説明する。
図1において、一般的な平板の文字板では厚さAが400μm程度であるのに対して、文字板5の見返しリング2を乗せた周縁部5aの寸法Dを300μmとし、内周より45度の角度に斜面を付けて厚くした文字板5内部側5bの厚みBを700μm、1000μmと変えた場合の発電性能を測定し、その結果を表1としてまとめた。尚、この時ソーラーセル1の発電領域1aの下端は文字板5の下面5eと同じ高さまで入り込んだ位置にある。
Figure 2004212389
表1は、照度を500lux、ソーラーセル動作電圧を0.45V、文字板の色を黒とした条件下で、文字板厚Bを変えた場合の完成時計での発電電流及び受光効率の測定値と、風防ガラスから文字板の間隙寸法Cを表している。
尚、前記の受光効率とは、ソーラーセル単体を平置きした状態で光発電領域に対して鉛直方向から光を当てた場合の発電電流値に対して、ソーラーセルを組み込んだ完成時計において文字板に対して直角方向(ソーラーセルに対して平行方向)から前記ソーラーセル単体時と同一照度の光を当てた場合の発電電流の割合で、計測値はn=5の平均値を示している。又、測定に用いた見返しリングは光透過性があり、無色透明のポリカーボネート
樹脂により射出成型で作り、その表面は光沢面のものである。
表1に示すように、文字板厚が400μmの平らな厚みの文字板での受光効率が21.1%に対して、文字板内部側を厚くして文字板厚が700μm及び1000μmにした文字板では受光効率が各々19.9%、18.9%となった。
図6は、表1のデータを文字板厚に対する受光効率のグラフにしたものであり、図6に示したように文字板厚が厚くなるほど受光効率が低下する傾向を示した。この結果は、図1の文字板5厚(B)が厚くなるほど光の導光部2aが狭くなり、光が入り難くなることを示すもので、当然の結果でもある。
次に時計消電とソーラーセルによる発電量との関係について説明する。
[時計消電に関して]
本実施例の説明に用いるソーラーセル付き電子時計の仕様は3針デート付きアナログ時計であり、時計消電=0.53μAとする。よって1日分運針に要する消電量=時計消電×24hr=12.7μA・hr……(1)となる。
[発電量に関して]
本実施例に用いる時計の使うソーラーセルの仕様は、
ソーラーセル外形サイズ=長さ92.1mm、幅2.4mm
ソーラーセル受光部有効サイズ=長さ91.3mm、幅1.6mm
発電有効面積=146mm(周縁部幅=約0.4mm)
ソーラー段数=1段
前記ソーラーセルの発電性能は、照度500lux、動作電圧0.45V、ソーラーセル平置き状態では発電電流=60μAである。
本実施例によるソーラーセル付き電子時計は、1段ソーラーセルを用いたものでソーラーセルの開回路電圧Vocは0.6Vであり、定格電圧1.35VのLi2次電池を充電するためには発電電圧を昇圧する必要がある。昇圧システムの仕様を昇圧倍率3倍、昇圧効率90%とすると、前記1日当りの平均光照射条件における完成時計での発電量は
=照射時間×発電電流×受光効率÷昇圧倍率×昇圧効率……(2)
より計算できる。
尚、1日当りの平均光照度を500lux、平均照射時間を4hrと想定する。(2)の1日当りの平均照射条件における完成時計での発電量が、(1)の1日分運針に要する消電量よりも多ければ時計として成り立ち、その為の最小の受光効率は次の式で計算できる。即ち、
時計消電×24hr≦照射時間×発電電流×受光効率÷昇圧倍率×昇圧効率
ゆえに、
最小受光効率=時計消電×24hr÷照射時間÷発電電流×昇圧倍率÷昇圧効率
=0.53μA×24hr÷4hr÷60μA×3÷90%
=17.7%
よって、受光効率が17.7%以上あれば時計として成り立つものである。
従来の一次電池を有する3針の電子時計の風防ガラスと文字板の間隙寸法Cが1500〜1600μm程度であるのに対して、表1に示したように文字板厚Bが1000μmの場合、前記間隙寸法Cは従来の一次電池を有する3針の電子時計と同等の1550μmであり、この時の受光効率は18.9%であった。よって前述の最小受光効率の計算値17.7%よりも大きい値が得られており、時計として機能できる発電量が得られながら、風防ガラスと文字板の間隙寸法を従来の一次電池を有する3針の電子時計と同等にする事が可能である。
図7は実施例2を示す本発明によるソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。実施例2では、図1に比べて、見返しリング2は導光部2aに斜面部2cを時計中心側にせり出させ、該斜面部2cの斜面の延長線が文字板5の肉厚部(B)の肉厚上面5cの延長線と交差するように設定し、前記斜面部2cで文字板5の導光部の斜面である5dを覆っている。図1のような見返しリングの断面形状の他に、図7のように文字板斜面部5dを覆うような見返しリング2の形状にすることで図1に示した見返しリング2と文字板斜面部5dとの段差を無くすことができると共に、ソーラーセル1への光の導光部2aの面積を確保できる構造も可能である。
図8は実施例3を示す本発明によるソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。実施例3では、図1に比べて、見返しリング2は導光部2aに斜面部2cを時計中心側にせり出させ、該斜面部2cの斜面の延長線が文字板5の肉厚部(B)の肉厚上面5cの延長線と交差するように設定し、前記斜面部2cで文字板5の導光部の斜面である5dを覆っている。図8のようにソーラーセル1への光の導光部2aの面積を確保しておけば、文字板5の文字板周縁部5aと文字板内部側5bの間を段差でつないで斜面部を無くした構造も可能である。文字板外周部に段差を形成することはプレス加工、フライス加工等で簡単に加工できるが、外径の異なる2枚の円板を張り合わせることでも実現でき、斜面を形成する構造よりも加工し易いというメリットがある。
図9は本発明の実施例4を示す本発明によるソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。実施例1から実施例3においては、ソーラーセル1は時計ムーブメント6の部品である回路支持台3に設けたソーラーセル1の位置決めの為のリング状の凸部3aに配置した構造で説明したが、図9では、時計ムーブメント6を時計ケース12に収納する際に用いる外装部品である中枠50に設けたソーラーセルの位置決め用のリング状の凸部50aの内壁面50bにソーラーセル1を配置する構造であり、実施例2における時計構造において実施可能である。
尚、中枠とは、時計ムーブメントを時計ケースに組み込む際に、時計ムーブメントを時計ケースに収納して保持し、また時計外部からの衝撃を吸収するための外装部品である。
図7において、見返しリング2の外光を取り入れる為の光の入射面では、ソーラーセルへ向けての光の放射面でもない面2d(破線指示面)にアルミニューム等の薄膜による反射膜を蒸着等によって付けた。該反射膜により前記面2dから見返しリング2外へ光が漏れることを防ぐことができ、それよりソーラーセル1への光の入射量を増加させて、発電量を増加することが可能となった。
又、図1、図2、図8、図9においても同様に、見返しリングに反射膜を付けることで発電量を増加させることが可能となった。
尚、受光効率は文字板の色によっても左右され、文字板での光の反射が起こりやすい白や明るい色の文字板を使うと受光効率が大きくなり、文字板色が黒色では小さくなる。この文字板色が黒色と白色とでは白の方が受光効率は倍以上となる。
以上、第1の実施の形態によれば、ソーラーセルを文字板に対して略垂直に配置したソーラーセル付電子時計において、ソーラーセルの内側に光透過性の見返しリングを配置すると共にソーラーセル発電領域の一部及び前記ソーラーセルの発電領域を覆う見返しリングの一部を文字板上面高さよりも下に配置することにより、また、時計駆動に必要な電力
を得る為のソーラーセルへの入射光量を確保しながら見返しリングの載る文字板周縁部厚に比べて文字板内部側の文字板厚を厚くすることにより、風防ガラス下面と文字板上面との間隙を減少させることができ、従来の一次電池を有する電子時計と同等の間隙にすることで奥目感を無くす事ができる。
[第2の実施の形態]
次に図2は本発明の第2の実施の形態を表す要部断面図である。本実施の形態は文字板5として一般的な400μm厚の平らな文字板5を使用し、光透過性の見返しリング2を文字板5の外周に取り付けた第1の実施の形態で示した時計ムーブメント6を、風防ガラス4を保持し固定する鍔部13がソーラーセル1及び見返しリング2の外側に上面側の位置する時計ケース12に組み込んだもので、ソーラーセル1と見返しリング2は風防ガラス4の直下に近接して配置し、且つ、ソーラーセル1及び見返りリング2が配置された位置の風防ガラス4の下面にはリング状の印刷等4aを施した構造のものである。
図2に示す時計構造の風防ガラス4を受け、固定する鍔部13をソーラーセル1及び見返しリング2の外側に位置させることによって、図10に示す従来例の鍔部26の厚さ分を省くことができる為に、実施例1で説明したように400μm厚の文字板5を使う場合の風防ガラス4と文字板5との間隙が2150μmに対して、前記間隙を1700μmにすることができ、前記間隙は従来の一次電池を有する3針の電子時計とほぼ同等となり、「奥目」のデザインを解消することができるものである。
また更に、見返しリング2及びソーラーセル1の真上の風防ガラス下面にリング状の印刷や金属膜4aを付けることによって、ソーラーセル1や見返しリング2等を時計ケース12の外部から見えないように遮蔽することができ、外観品質を向上させることができる。
実施例2で示す時計の発電量については、受光効率が実施例1での文字板厚400μmの平らな文字板を用いた場合と同等の約21.1%あり、実施例1で述べた仕様の時計よりもより十分な発電量が得られるものである。
尚、本実施例では、帯状の単セルのソーラーセルを用いて説明を行ったが、同じ大きさのソーラーセルを左右に2分割した2段セル等のソーラーセルを用いることも可能である。
以上、第2の実施の形態によれば、ソーラーセルを文字板に対して略垂直に配置したソーラーセル付電子時計において、ソーラーセルの内側に光透過性の見返しリングを配置すると共にソーラーセル発電領域の一部及びソーラーセルの発電領域を覆う見返しリングの一部を文字板上面高さよりも下に位置することにより、また、時計駆動に必要な電力を得る為のソーラーセルへの入射光量を確保しながら見返しリングの載る文字板周縁部厚に比べて文字板内部側の文字板厚を厚くすることにより、風防ガラス下面と文字板上面との間隙を減少させることができ、従来の一次電池を有する電子時計と同等の間隙にすることで「奥目」のデザインを解消することができる。
本発明の第1の実施の形態の実施例1を表すソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。 本発明の第2の実施の形態を表すソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。 本発明のソーラーセルの平面図である。 本発明のソーラーセルの時計組込状態を示す斜視図である。 本発明のソーラーセル付き電子時計のムーブメント平面図である。 本発明の第1の実施形態の実施例1による文字板厚に対する受光効率を表したグラフである。 本発明の第1の実施形態の実施例2による見返しリングを変えた形態を表すソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。 本発明の第1の実施形態の実施例3による文字板形状を変えた形態を表すソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。 本発明の第1の実施形態の実施例1の別の形態であり、ソーラーセルを中枠に配置したソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。 特許文献1で示される従来例のソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。 特許文献2で示される従来例のソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。 特許文献3で示される従来例のソーラーセル付き電子時計の要部断面図である。
符号の説明
1 ソーラーセル
1a 光発電領域
2 見返しリング
2a 導光部
2b 一部
3 回路支持台
3a 凸部
4 風防ガラス
5 文字板
5a 周縁部
5b 内部側
5d 斜面部
9 空気層
6 時計ムーブメント
12 時計ケース
13 鍔部
50 中枠
50a 凸部

Claims (6)

  1. ソーラーセルを文字板に対して略垂直に配置したソーラーセル付き電子時計において、前記文字板の周縁部に導光部を設け、前記文字板の周縁部に光透過性の見返しリングを配置すると共に、前記ソーラーセル発電領域の一部及び前記ソーラーセルの発電領域を覆う見返しリングの一部を前記文字板上面高さよりも下に配置した事を特徴とするソーラーセル付き電子時計。
  2. 前記文字板の内部側の厚さを周縁部に対し肉厚にしたことを特徴とする請求項1に記載のソーラーセル付き電子時計。
  3. 前記導光部は、前記文字板の厚さを内部側から周縁側に向かって薄くなるように構成した斜面部を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のソーラーセル付き電子時計。
  4. 前記導光部は、前記文字板の厚さを周縁部が薄くなるように構成した段部を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のソーラーセル付き電子時計。
  5. 前記見返しリングに斜面部を設け、該斜面部で前記文字板の前記導光部の斜面又は段部を覆ったことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のソーラーセル付き電子時計。
  6. 前記ソーラーセル付き電子時計の時計ケースに、風防ガラスを前記時計ケースに固定するための鍔部を前記見返しリングと前記ソーラーセルと該ソーラーセルを保持する時計ムーブメント又は中枠のリング状凸部の外側に配置して、前記見返しリングを前記風防ガラス直下に配置すると共に、前記風防ガラスの見返しリングまたはソーラーセルの上部に目隠し部を設けたことを特徴とする請求項1記載のソーラーセル付き電子時計。
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