JP2004212102A - 流量計および喫煙装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の流れを乱すことなしに流量センサを設けた流路内へのゴミの侵入を効果的に防止することのできる簡易な構造の流量計を提供する。
【解決手段】所定の流路を形成した筐体10と、この筐体の上記流路を形成した壁面に配設された流量センサ13と、前記流路における前記流量センサの上流側に設けられたゴミ侵入防止体14とを具備し、特にゴミ侵入防止体を、前記流路を形成した壁面に設けられて流路断面の途中まで突出する棒状体または板状体として実現する。そして流体がゴミ侵入防止体に沿って通過する際に生じる渦またはそのエネルギを、前記ゴミ侵入防止体を避けた部位を通流する流体によって逸早く拡散させることで、渦が生じ難くい構造とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスや空気等の流体の流れを乱すことなしに流量センサを設けた流路内へのゴミの侵入を効果的に防止することのできる簡易な構造の流量計およびこの流量計を用いた喫煙装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
ガスや空気等の流体の流量を検出するセンサとして、発熱部(ヒータ素子)を間にして流体の通流方向に所定の距離を隔てて一対の測温部(温度検出素子)を設けた熱式流量センサがある。この熱式流量センサは、発熱部の発熱により形成されるセンサ表面近傍の温度分布が流体の流速によって変化することに着目し、一対の測温部を用いて上記温度分布を温度差として検出し、この温度差から流体の質量流量を測定するものである(例えば特許文献1を参照)。尚、発熱部を備えず、一対の測温部を自己発熱させて流量を検出するものもある(例えば特許文献2を参照)。
【0003】
一方、シガレットの喫煙によって生じる煙の問題を解決するべく、シガレットの吸引時にヒータを用いてシガレットを加熱することで、シガレットを燃焼させることなくその香喫味だけを抽出する喫煙装置が提唱されている(例えば特許文献3を参照)。この喫煙装置においては、シガレットの吸引を、例えば吸引により発生する空気の流れから検出してヒータを発熱駆動するように構成される。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−230808号公報
【特許文献2】
特開平2−259527号公報
【特許文献3】
米国特許第5,878,752号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述した流量センサを用いて流量を検出する場合、特に種々のエアゾル(粒子)やゴミを多く含む空気の流れを検出する場合、エアゾルやゴミが流量センサの表面に付着してその計測精度を劣化させることのみならず、流量センサを破損させる要因となもなる。そこで従来では、専らその流路の上流側にフィルタや棒状の突起物からなるゴミ侵入防止体を設けるようにしている。
【0006】
しかしながらこのようなゴミ侵入防止体を設けると、これによって流体の流れが妨げられるので、正確な流量計測ができなくなることがある。また流体の流れ始め等のように流量が変動するような場合、流体がゴミ侵入防止体を通過する際に、例えばカルマン渦が発生し易い。これ故、流量計測を行うに際しては、例えば所定時間に亘って繰り返し計測値を求め、これらの計測値から流体が円滑に流れているか否かを判断した上で、その計測値を評価することが必要となる。具体的には計測値の変化の傾向から、流体の流れのゆらぎ等による温度変化が生じていないか否かを判断することが必要となる。この為、正確な計測値を求めるまでに時間が掛かり、流量計測の応答性が悪くなることが否めない。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、流体の流れを乱すことなしに流量センサを設けた流路内へのゴミの侵入を効果的に防止することのできる簡易な構造の流量計を提供することにある。
また本発明の別の目的は、上述した流量計をヒータの通電制御手段として用いた動作信頼性の高い喫煙装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る流量計は、所定の流路を形成した筐体と、この筐体の上記流路を形成した壁面に配設された流量センサと、前記流路における前記流量センサの上流側に設けられたゴミ侵入防止体とを具備したものであって、特に
上記ゴミ侵入防止体を、前記流路を形成した壁面に設けられて流路断面の途中まで突出する棒状体または板状体として実現したことを特徴としている。
【0009】
このゴミ侵入防止体は、例えば前記流路の前記流量センサを配設した壁面に対向する壁面に設けられて、その先端部と前記流量センサを配設した壁面との間に所定の間隙を形成したものとして実現される。また前記流量センサとしては、発熱部を間にして流体の通流方向に所定の間隔を隔てて設けられた一対の測温部を有する熱式のものが好適である。
【0010】
このような構成の流量計によれば、流路の上流側に設けたゴミ侵入防止体により流体中に含まれるゴミの侵入を防止し得ることは勿論のことであるが、このゴミ侵入防止体が前記流路を形成した壁面に設けられて流路断面の途中まで突出する棒状体または板状体からなり、その対向面との間に隙間を形成しているので流体の流れを円滑なものとし、流体の渦(カルマン渦等)が生じ難くすることができる。即ち、棒状体または板状体からなるゴミ侵入防止体が流路断面の途中までしか突出していないので、流体が上記ゴミ侵入防止体に沿って通過する際に生じる渦またはそのエネルギが、前記ゴミ侵入防止体を避けた部位を通流する流体によって逸早く拡散する。この結果、ゴミ侵入防止体の周りに生じる渦が成長することがないので、流量計に導かれる流体の流れを安定なものとして安定で応答性の良い流量計測を行うことが可能となる。
【0011】
また本発明に係る喫煙装置は、シガレットの吸い口部を除いて該シガレットを囲繞する筒状のホルダと、このホルダの底部に連通して設けられて該ホルダに装填されたシガレットの先端部に外気を導入する外気導入路と、この外気導入路に設けられて前記ホルダ内への外気の導入を検出する流量計と、前記ホルダに組み込まれて上記流量計により外気の導入が検出されたときに駆動されて該ホルダに装填されたシガレットを加熱するヒータとを備えたものであって、
特に上記流量計として流量センサの上流側に上述した構造のゴミ侵入防止体を備えた流量計を用いたことを特徴としている。
【0012】
このような構成の喫煙装置によれば、外気導入路に組み込まれた流量計の内部へのゴミの侵入を確実に防止しながら、吸引によって前記外気導入路に導入される空気の流れを、前述した渦の問題を招来することなく安定に、しかも応答性良く検出することができる。従ってシガレットの吸引に伴うヒータの通電加熱を、時間遅れなく確実に制御することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る熱式流量計について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る流量計の概略構成を示す分解斜視図で、10は所定の流路を形成する筐体である。この筐体10は、平板状の下ケース11と、この下ケース11の上面に一体に接合されて該下ケース11との間に流路断面が略長方形状をなす流路を形成する上ケース12とからなる。このような筐体10に組み込まれて上記流路を通流するガスや空気等の流体の流量を検出する流量センサ13は、例えば後述する熱式のものからなり、前記下ケース11の上面中央部に配設される。
【0014】
また前記筐体10には、図2に上ケース12の一部を切欠してその平面構成を示すように、その流路の入口部および出口部にそれぞれ位置して該流路内へのゴミの侵入を阻止する棒状のゴミ侵入防止体14がそれぞれ設けられている。特にこれらのゴミ侵入防止体14は、前記下ケース11の上面に対向する前記上ケース12の内壁面にそれぞれ設けられており、特に図3にその側面図を示すように流路断面の途中まで突出する略円柱状の棒状体として形成されている。
【0015】
即ち、これらのゴミ侵入防止体14は、その流路断面の全体を跨ぐことのない長さの突起として、下ケース11の上面との間に所定の隙間dを形成して設けられている。より具体的には筐体10が形成する流路の断面が形状が幅略4mm、高さ略1.5mmである場合、ゴミ侵入防止体14は直径略0.5mm、長さ略1mmの略円柱状の突起として前記上ケース12の内壁面にそれぞれ2本ずつ平行に突出形成されている。そしてゴミ侵入体14の先端と下ケース11の上面との間に、略0.5mmの隙間を形成したものとなっている。
【0016】
一方、下ケース11の上面中央部に配設される熱式流量センサ13は、基本的には図4に示すようにシリコン基台B上に設けた発熱抵抗体からなるヒータ素子(発熱部)Rhを間にして、流体の通流方向Fに測温抵抗体からなる一対の温度センサ(測温部)Ru,Rdを設けた素子構造の半導体チップ1からなる。そしてこの熱式流量センサ13は、上記ヒータ素子Rhから発せられる熱の拡散度合い(温度分布)が前記流体の通流によって変化することを利用し、前記温度センサRu,Rdの熱による抵抗値変化から前記流体の流量Qを検出する如く構成される。尚、図中Rrは、前記ヒータ素子Rhから離れた位置に設けられた測温抵抗体からなる周囲温度計測用の温度センサである。
【0017】
即ち、この熱式流量センサ13は、その駆動部2によりヒータ素子Rhを一定温度で発熱駆動しながら、前記温度センサRu,Rdの温度による抵抗値変化を流量計測部3により検出するように構成される。具体的には図2に示すようにヒータ素子Rhの駆動部2は、該ヒータ素子Rhと周囲温度計測用の温度センサRr、および一対の固定抵抗R1,R2を用いてブリッジ回路2aを形成し、所定の電源から供給される電圧VccをトランジスタTRを介して前記ブリッジ回路2aに印加するように構成される。そして該ブリッジ回路2aのブリッジ出力電圧を差動増幅器2bにて求め、そのブリッジ出力電圧が零となるように前記トランジスタTRを帰還制御して前記ブリッジ回路2aに加えるヒータ駆動電圧を調整するように構成される。このように構成されたヒータ駆動部により、前記ヒータ素子Rhの発熱温度が、その周囲温度よりも常に一定温度差だけ高くなるように制御される。
【0018】
また前記一対の温度センサRu,Rdの熱による抵抗値変化から前記熱式流量センサ13(半導体チップ1)の表面に沿って通流する流体の流量Qを検出する流量検出部3は、上記一対の温度センサRu,Rdと一対の固定抵抗Rx,Ryを用いて流量計測用のブリッジ回路3aを形成し、温度センサRu,Rdの抵抗値の変化に応じたブリッジ出力電圧を差動増幅器3bを介して検出するように構成される。そして前記ヒータ駆動部2によりヒータ素子Rhの発熱量を一定化した条件下において、差動増幅器3bを介して検出されるブリッジ出力電圧から前記熱式流量センサ13の表面に沿って通流する流体の流量Qを求めるものとなっている。
【0019】
尚、ここでは一対の温度センサRu,Rdの間にヒータ素子Rhを設けた熱式流量センサ1について例示したが、上記ヒータ素子Rhを備えず、一対の温度センサRu,Rdを自己発熱させて流量計測を行うタイプの流量センサを用いる場合にも同様に適用することができる。また上記一対の温度センサRu,Rdを定電流駆動することのみならず、定電圧駆動しても良いことは勿論のことであり、更に測温部としては測温抵抗だけでなく、サーミスタや熱電対、更にはサーモパイル等の素子であっても良い。
【0020】
かくしてこのような構造の流量計によれば、筐体10が形成した流路内に導入される流体に糸くず等のゴミが含まれていても、上記流路の入口部に設けられたゴミ侵入防止体14によってゴミの侵入が阻止されるので、熱式流量センサ13はゴミが除去された流体の流量だけを高精度に測定することが可能となる。特に上記ゴミ侵入防止体14は、その流路断面の途中まで突出しているだけであり、その先端部と下ケース11の上面との間に隙間を設けた構造となっているので、ゴミ侵入防止体14に沿って流れる流体に渦が生じ難くなっている。
【0021】
即ち、ゴミ侵入防止体14が流路断面の途中までしか突出していないので、流体が上記ゴミ侵入防止体14に沿って通過する際に生じる渦またはそのエネルギは、前記ゴミ侵入防止体14を避けた部位(下ケース11との隙間)を通流する流体によって逸早く拡散する。この結果、ゴミ侵入防止体14の周りに生じる渦が次第に成長するようなことがなく、速やかに拡散してしまう。従って熱式流量センサ13の配設部位に導かれる流体の流れを、渦の影響のない安定なものとすることができる。この結果、例えば渦の発生の有無を判定し、渦の影響がなくなってから流量計測を開始する等の煩わしさがなく、応答性良く流量計測を行うことが可能となる。
【0022】
尚、ゴミ侵入防止体14と下ケース11との間に形成する隙間の幅、換言すればゴミ侵入防止体14の突出長については、ゴミ侵入防止体14の形状・大きさや流路の断面形状に応じて設定すれば良い。即ち、ゴミ侵入防止体14自体が流体の流れを妨げることなくゴミの侵入を防止し得る形状・大きさのものであることは勿論のことであり、その上で上述したように渦の発生を防止するべく、その先端部に所定の隙間を形成するものであれば良い。
【0023】
従ってゴミ侵入防止体14としては上述した実施形態に示したように上ケース12に突設されたものである必要はなく、下ケース11に突設したものであっても良い。また棒状のものに限らず、流体の通流方向に延びる板状のものとしてゴミ侵入防止体14を実現するようにしても良い。但し、流体の流れをでき得る限り妨げないようにする上で、その周面が曲面をなすように形成しておくことが望ましい。
【0024】
次に上述した如く構成された熱式流量計を用いた電気式の喫煙装置について説明する。
この喫煙装置は、通電により発熱駆動されるヒータを用いてシガレットを加熱することで、該シガレットを燃焼させることなく、その香喫味を煙に相当するガス(揮発性成分)として発生させて喫煙に供するものである。そして喫煙時における煙の発生を防ぐと共に、たばこ葉の燃えかすである灰の発生と、その飛散を防ぐようにしたものである。このような電気式の喫煙装置については、前述した特許文献2に詳しく紹介される通りである。
【0025】
概略的にはこの喫煙装置は、図6に例示するようにシガレットCの、例えばフィルタが設けられた吸い口部を除いて該シガレットCの本体部を囲繞する筒状のホルダ21と、このホルダ21に組み込まれて該ホルダ21に装填されたシガレットCを加熱するヒータ22とを備える。また上記ホルダ21には、その底部に連通して該ホルダ21に装填されたシガレットCの先端部に外気を導入する外気導入路23が設けられている。そしてこの外気導入路23に前記ホルダ21内への外気の導入を検出する熱式流量計24が設けられている。この熱式流量計24は、前述した図1〜図6を参照して説明したように、所定の流路を形成した筐体10に熱式流量センサ13を組み込むと共に、その流路の入口部および出口部にそれぞれゴミ侵入防止体14を設けたものからなる。図中25は、シガレットCの先端部に対向する位置に設けられた網状のフィルタである。
【0026】
この喫煙装置は、図7にその電気的な構成を示すように再充電可能な二次電池30を駆動源としたもので、この二次電池30に電源スイッチ31を介して前述したヒータ22および熱式流量計24を接続して構成される。またヒータ22および熱式流量計24の作動を制御する制御回路(制御部)32も前記電源スイッチ31を介して二次電池30に接続される。この制御回路32は、前記ヒータ22の電源供給ラインに直列に介挿された通電制御部33の作動を制御してヒータ22の通電をオン/オフ制御すると共に、例えば前記熱式流量計24の電源供給ラインに直列に介挿された電圧制御部33の作動を制御して熱式流量計24に加える駆動電圧を制御するように構成される。
【0027】
具体的には制御回路32は電源スイッチ21が投入(オン)されたとき、電圧制御部34の出力電圧を低くして前記熱式流量計24による流量検出モードを設定すると共に、通電制御部33をオフ制御してヒータ22を通電待機状態に設定する。尚、上記電源スイッチ31については、前述したホルダ31にシガレットCが装填されたとき、これによって自動的に導通(オン)動作するものであっても良い。
【0028】
そして制御回路32はホルダ21に装填されたシガレットCが喫煙者によって吸引されたとき、この吸引によって前記外気導入路23からホルダ21の内部に流れ込む空気の流れを前記熱式流量計24を介して検出し、図8に示すようにその吸引期間(喫煙期間)に亘って通電制御部33をオン制御してヒータ22を発熱駆動する機能を備える。また制御回路32は、前記熱式流量計24を介してシガレットCの吸引停止が検出されたとき、前記ヒータ22の発熱駆動を停止させると共に、前記電圧制御部34の出力電圧を所定時間Tに亘って高くして前記熱式流量計24によるエアゾル付着防止モードを設定するものとなっている。
【0029】
このエアゾル付着防止モードは、電圧制御部34の出力電圧を高くすることで熱式流量センサ13における温度温度センサRu,Rdを発熱駆動し、センサ表面に熱泳動を生起して外気導入路23に流入する流体に含まれるエアゾルの熱式流量センサ13の表面への付着を防止する動作モードである。特に外気導入路23に大量のエアゾルが入り込む状態は、専ら、シガレットCの吸引を停止したとき、いわゆる副流煙としてシガレットCからその揮発性成分が漏れ出てくる状態である。
【0030】
従ってこの実施形態においてはシガレットCの吸引停止が検出されたとき、所定時間Tに亘ってエアゾル付着防止モードを設定し、熱式流量センサ13の表面近傍に熱泳動を生起することで、吸引停止後に発生する副流煙に含まれるエアゾルの熱式流量センサ13の表面への付着を防止するものとなっている。特にこの実施形態においては、ヒータ22の通電を停止した直後の副流煙が大量に発生する所定時間Tだけ熱式流量センサ13(熱式流量計24)の駆動電圧を高めることで、二次電池30の限られた電池容量を徒に消費することがないように配慮されている。
【0031】
かくしてこのように構成された電気式の喫煙装置によれば、外気導入路23に流入する空気に含まれるゴミをゴミ侵入防止体14により防ぎながらその流量を応答性良く検出してヒータ22を発熱駆動することができる。特に熱式流量計24は、前述したようにゴミ侵入防止体14に沿って流れる流体(空気)に渦が生じ難い構造をなしているので、熱式流量計24内に導かれた空気の流れを応答性良く検出することができる。従ってシガレットCが吸引されたとき、これに伴って外気導入路23から流れ込む空気を速やかに検出してヒータ22を通電加熱することができるので、シガレットCからの香喫味成分を含むガスを速やかに揮散させることができる。この結果、シガレットCを燃焼させる場合と同様な違和感のない喫煙を可能とする。
【0032】
また前述したように吸引の停止時には、熱式流量センサ13の温度センサRu,Rdを発熱させ、熱泳動を生起してシガレットCの喫煙によって生じる副流煙中に含まれるエアゾルの熱式流量センサ1の表面への付着を防止するので、熱式流量センサ13の流量検出性能を長期に亘って安定に維持することができる。この結果、シガレットCの吸引によって生じる外気導入路13における空気の流れを熱式流量計14により確実に検出することができ、その動作信頼性を高めることが可能となる。またまたシガレットCが吸引されたときには速やかにヒータ12を通電することでシガレットCを加熱してその香喫味の元である揮発性成分を揮散させ、吸引が停止したときにはヒータ12の通電を速やかに停止させて無駄な電力消費を抑えることができる等の効果が奏せられる。
【0033】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えばゴミ侵入防止体14の大きさとその形状については、筐体10が形成する流路の形状等に応じて定めれば良いものであり、ゴミ侵入防止体14の先端と流路の壁面との間に形成する隙間の幅についても、流路構造等に応じて定めれば良い。またここでは熱式の流量センサ13を用いた流量計について説明したが、流路にオリフィス(絞り)を設け、オリフィスを介して検出される圧力(差圧)からガス流量を検出するオリフィス型流量計を用いるものにも同様に適用可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流量センサが設けられた流路内へのゴミの侵入を防止する棒状また板状のゴミ侵入防止体が、その流路の壁面との間に隙間を設けた構造をなしているので、ゴミ侵入防止体に沿って流れ込む流体に渦が生じ難くして流体の流れを安定なものとすることができる。この結果、流量センサによる流量計測の応答性を犠牲にすることなく、簡易にして効果的に信頼性の高い安定した流量計測を保証することができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【0035】
また本発明に係る電気式の喫煙装置によれば、シガレットの吸引に伴う空気の流れを応答性良く検出してヒータを発熱駆動することができるので、シガレットを燃焼させることなく違和感のない喫煙を可能とする等の効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る流量計の概略構成を示す分解斜視図。
【図2】図1に示す流量計の一部を切欠して示す平面図。
【図3】図1に示す流量計の側面図。
【図4】図1に示す流量計に組み込まれる熱式流量センサの例を示す図。
【図5】図4に示す熱式流量センサの駆動部と流量計測部の構成例を示す図。
【図6】電気式の喫煙装置の概略構成を示す図。
【図7】本発明の一実施形態に係る電気式の喫煙装置の電気的な構成を示す図。
【図8】図7に示す喫煙装置の動作形態を示すタイミング図。
【符号の説明】
10 筐体
11 下ケース
12 上ケース
13 熱式流量センサ
14 ゴミ侵入防止体
21 ホルダ
22 ヒータ
23 外気導入路
24 熱式流量計
30 二次電池
32 制御部
33 通電制御部
34 電圧制御部

Claims (4)

  1. 所定の流路を形成した筐体と、この筐体の上記流路を形成した壁面に配設された流量センサと、前記流路における前記流量センサの上流側に設けられたゴミ侵入防止体とを具備し、
    上記ゴミ侵入防止体は、前記流路を形成した壁面に設けられて流路断面の途中まで突出する棒状体または板状体からなることを特徴とする流量計。
  2. 前記ゴミ侵入防止体は、前記流路の前記流量センサを配設した壁面に対向する壁面に設けられて、その先端部と前記流量センサを配設した壁面との間に所定の間隙を形成したものである請求項1に記載の流量計。
  3. 前記流量センサは、発熱部を間にして流体の通流方向に所定の間隔を隔てて設けられた一対の測温部を有する熱式のものである請求項1に記載の流量計。
  4. シガレットの吸い口部を除いて該シガレットを囲繞する筒状のホルダと、
    このホルダの底部に連通して設けられて該ホルダに装填されたシガレットの先端部に外気を導入する外気導入路と、
    この外気導入路に設けられて前記ホルダ内への外気の導入を検出する請求項1に記載の流量計と、
    前記ホルダに組み込まれて上記流量計により外気の導入が検出されたときに駆動されて該ホルダに装填されたシガレットを加熱するヒータと
    を具備したことを特徴とする喫煙装置。
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