JP2004211963A - 浴室空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】浴室11内に臨む空気の吸込口6と、浴室11内に臨む空気の吹出口7と、浴室11内の空気を屋外へ排気するための換気口8と、前記吸込口6から前記吹出口7に至る循環用通路と、前記吸込口6から前記換気口8に至る排気用通路と、浴室11内に送風又は浴室内の空気を循環するファン24と、前記ファン24による空気流の通路を前記循環用通路と前記排気用通路との一方若しくは双方に切り替えるダンパー9と、前記循環用通路に設けられ沿面放電によって正負イオンを発生するイオン発生装置23と、前記循環用通路に設けられたセラミックヒータ30と、前記イオン発生装置の放電面23Aに水滴が付着するのを防止するシールド48とを備えたことを特徴とする浴室空調装置。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類及び浴室内を乾燥又は換気又は暖房するために使用される浴室空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、夫婦共稼ぎの増加におり夜間等を利用して洗濯物を室内にて乾かしたいとの要望が増大してきた。また冬場等寒い時期に浴槽の湯に浸かる前の浴室内が冷えており、入浴前の浴室を暖めておきたいという要望が増加してきている。
【0003】
そこで、従来から衣類及び浴室内を乾燥又は換気又は暖房するための浴室空調装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、負イオン発生手段を内蔵し、負イオンを含んだ空気を浴室内に送風するものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。負イオンは精神を安定させ、呼吸器の機能を高める効能を持つと言われている。
【0005】
一方、浴室は高温多湿の空間であり、入浴後換気を行なってもしばらくは湿気が残るため、タイルや天井にカビが生え、非衛生になりやすい。そのため、浴室の清掃時に塩素系の薬剤を散布してカビを取り除かねばならず、清掃に手間を要するだけでなく、薬剤の刺激臭で気分が悪くなるという問題があった。
【0006】
そこで、オゾン発生装置などの空間殺菌装置を浴室内に設置し、空気中に浮遊するカビの胞子を殺すことにより、タイルや天井へのカビの付着を防ぎ、カビの生えない清潔な浴室環境を実現する提案がなされている(例えば、特許文献3〜6参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−333153号公報
【特許文献2】
特開2002−130945号公報
【特許文献3】
特開2002−253647号公報
【特許文献4】
特開2002−333158号公報
【特許文献5】
特開2002−333162号公報
【特許文献6】
特開2002−162106号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オゾンガスは人間に有害な物質なので、オゾン発生装置は浴室に人が出入りしない時間帯を選んで運転させることが必要であり、処理後も残留オゾンガスが安全な濃度に低下するまで浴室に入室できないなど不都合な点が多々あった。
【0009】
そこで、正負イオンを発生するイオン発生装置を浴室に設けて、正負イオンを浴室空間に供給して空気中の浮遊菌を不活化することにより、カビの発生を抑えることが提案されている。正負イオンは人体に無害なので、時間帯を選ばず、また人が浴室内にいるときでも安心して放出することができる。
【0010】
正負イオン発生の原理は、誘電体が介在するように対向させた一対の電極間に家庭用交流電源などから取った交流電圧を昇圧して印加することにより、コロナ放電を起こし、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)と、O2 −(H2O)n(nは任意の自然数)が主体のイオンを放出するものである。これらH+(H2O)m及びO2 −(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
【0011】
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(1)〜式(3)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(1)〜式(3)において、m、m’、n、n’は任意の自然数である。これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。従って、効率的に空気中の浮遊細菌を、不活化、除去することができる。
H+(H2O)m+O2 −(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(1)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → 2・OH+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(2)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → H2O2+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(3)
【0012】
また、上記式(1)〜式(3)は、空気中の有害物質表面でも同様に作用を生じさせることができるため、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)が、ホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質を、酸化若しくは分解して、二酸化炭素や、水、窒素などの無害な物質に変換することにより、実質的に無害化することが可能である。
【0013】
その他、正イオンと負イオンには、インフルエンザウィルス、コクサッキーウィルスなどのウィルス類も不活化する働きがあり、これらウィルスの混入による汚染が防止できる。
【0014】
また、正イオンと負イオンには、臭いの元となる分子を分解する働きがあることも確かめられており、空間の脱臭にも利用できる。
【0015】
したがって、この技術を浴室空調装置に利用すれば、浴室の雰囲気中のカビや菌を不活化し、浮遊菌数を一定の水準以下に抑えておくことが可能である。正負イオンには浴室のタイルや天井に付着したカビや菌を不活化する作用は小さいが、このように浮遊菌数を抑えることで、カビや菌の付着を抑えることができる。
【0016】
浴室空調装置に上記構成のイオン発生装置を搭載する場合、イオン発生装置から発生した正負イオンを浴室内に供給できるように、イオン発生装置の放電面周囲の空間が浴室内と連通している必要があるが、入浴中の浴室ではシャワーや掛け湯などで大量の水しぶきが飛散し、放電面に水滴が付着するおそれがある。また、入浴前後を通して浴室内には大量の湯気が立ち上り湿気が充満しているので、放電面上で結露が生じやすい。水滴や結露で放電面が濡れると、空気と接触する面積が減少し、イオン発生量が低下したり、イオン発生そのものが停止したりする。特に、電極が放電面上に露出している場合は、漏電やショートによってイオン発生装置の故障を招くこともある。
【0017】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、イオン発生装置の放電面に水滴が付着するのを防止することができる浴室空調装置を提供することを目的とする。また、本発明は、イオン発生装置の放電面上の結露を解消して、高湿度雰囲気下でも安定して正負イオンを発生させることができる浴室空調装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の浴室空調装置は、浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、浴室内に送風又は浴室内の空気を循環する送風機と、前記循環用通路に設けられ沿面放電によって正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記イオン発生装置の放電面に水滴が付着するのを防止又は付着した水滴を除去する防滴水分除去手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
また、浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、浴室内の空気を屋外へ排気するための換気口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、前記吸込口から前記換気口に至る排気用通路と、浴室内に送風又は浴室内の空気を循環する送風機と、前記循環用通路に設けられ沿面放電によって正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記イオン発生装置の放電面に水滴が付着するのを防止又は付着した水滴を除去する防滴水分除去手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
具体的には、前記防滴水分除去手段が、前記イオン発生装置の放電面の下流側を遮へい可能なシールドであることを特徴とする。
【0021】
そして、前記イオン発生装置の放電面を加熱する加熱手段を備えたことを特徴としている。
【0022】
この場合、例えば、一定時間、前記加熱手段へ通電して前記イオン発生装置の放電面を加熱することにより、放電面上の結露を解消することができる。
【0023】
あるいは、浴室内の湿度が所定の基準値以下になるまで、前記加熱手段へ通電して前記イオン発生装置の放電面を加熱することにより、放電面上の結露を解消することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る浴室空調装置の斜視図であり、図2は、浴室への取り付け状態を示す模式図である。この浴室空調装置1は、天井板2の開口部3の内部に装着する本体4と、天井板2の下方に位置するように本体4に取り付けられるパネル5とによって大略構成される。天井板2の開口部3は、パネル5が浴室11内部の浴槽12の上に位置するように形成されている。パネル5上には、人の存在を検知する人体センサー14が設けられている。
【0025】
パネル5中央には、幅の異なるスリット状の通気口が左右に並んで2つ設けられている。つまり、左側に幅の広い吸込口6が形成され、右側に幅の狭い吹出口7が形成されている。
【0026】
浴槽12の隣は洗い場13であり、天井板2の洗い場13の上方に位置する部分には点検口15及び蓋16が設けられている。ドア17には通風口となるガラリ18が形成されている。浴室11の外側の壁面には浴室空調装置1のコントローラ19及び配電盤20が配置されており、コントローラ19及び配電盤20は浴室空調装置1に電力線及び制御線によりそれぞれ接続されている。また、本体4は排気ダクト21,22に接続されており、本体4にて吸引した浴室11の空気を屋外に排気できるようになっている。
【0027】
図3は、浴室空調装置1の概略断面図である。本体4内の上部左方には、水平方向に回転する軸流式のファン24が設けられている。ファン24は、本体4上面の外側に設けられたファンモータ25の軸に固定されている。さらに、本体4内は、ファンケーシングを兼ねる間仕切り部材27により、下部左方の部屋28と、上部及び右方の部屋29とに仕切られている。間仕切り部材27は、ファン24の下面と向かい合う部分が部屋28に臨む導入開口部27Aとして、パネル5の吹出口7に向かい合う部分が排出開口部27Bとしてそれぞれ筒状に形成されている。パネル5の吸込口6を介して浴室11内と部屋28とが連通し、導入開口部27Aを介して部屋28,29が連通し、排出開口部27Bの下流端に重なる吹出口7を介して部屋29と浴室11内とが連通している。部屋28はファン24の上流域、部屋29はファン24の下流域となる。
【0028】
本体4内には、吸込口6から部屋28,29を経て吹出口7へ至る循環用通路と、吸込口6から部屋28,29を経て換気口8へ至る排気用通路とが形成される。循環用通路と排気用通路との分岐部には、ファン24の空気流をどちらか一方若しくは双方に切り替えるダンパー9が設けられている。
【0029】
ここでは、循環用通路と排気用通路を切り替えるために、ダンパー9を用いたが、これに限定されない。
【0030】
部屋29のダンパー9より下流側に位置する循環用通路、すなわち導入開口部27B内に、セラミックヒータ30等の加熱手段による熱源が設けられている。セラミックヒータ30のさらに下流側には、正負イオンを発生するイオン発生装置23が設けられている。このイオン発生装置23の放電面23Aは、空気排出開口部27Bを流れる空気流に沿うように配置されており、イオン発生装置23から発生した正負イオンが空気流に乗って吹出口7から浴室11内に供給されることになる。空気排出開口部27Bの内壁には、イオン発生装置23の下流側で該イオン発生装置23と隣接するように平板型のシールド47が回転可能に固定されている。シールド47は、図3〜図5のように水平方向を向いて放電面23Aを水滴から保護する閉じた位置と、図6のように空気排出開口部27Bの内壁に沿う開いた位置との間で回転して姿勢を変更することができる。部屋29のダンパー9よりも上流側には、湿度センサー31が設けられている。
【0031】
図7は、イオン発生装置23の概略拡大断面図である。イオン発生装置23は、平板型の誘電体を介在させて対向配置された電極を有するイオン発生素子210や昇圧トランス(図示せず)などを箱型のケーシング211に収容したものである。イオン発生素子210は、ケーシング211の一面に設けられた矩形の開口を枠として取り付けられており、その露出面は放電面23Aを形成している。また、イオン発生素子210の裏面には、抵抗発熱する平板型のヒータ48が貼り付けられており、必要に応じてこのヒータ48に通電することにより、イオン発生素子210を加熱することができるようになっている。
【0032】
図8は、浴室空調装置1の制御ブロック図を示している。マイコンから成る制御部32は配電盤20に接続され電源の供給を受けて、ファン24の回転数、ダンパー9,47の位置、セラミックヒータ30、ヒータ48やイオン発生装置23への通電を制御する。従って、これらの動作をコントローラ19の操作に基づいて個別に制御することにより、さまざまな運転モードが実現される。代表的な運転モードには、暖房、換気、涼風、乾燥という4つがある。また、制御部32は時間を計測するタイマー33を内蔵しており、使用者は所定の時刻に電源が入る入タイマーと電源が切れる切タイマーを切り替えて作動させることができる。
【0033】
次に、浴室空調装置1の各運転モードについて図3〜図6を参照して説明する。暖房モードは、寒い冬の時期に浴室11を入浴前に暖めておく運転モードであり、このモードが選択されると、制御部32は、図3に示すように、ダンパー9によって換気口8を閉じてファンモータ25を駆動することにより、ファン24の空気流を循環用通路に切換え、矢印Aのように浴室11内の空気を循環させる。さらに、セラミックヒータ30に通電される。セラミックヒータ30で加熱された空気は浴室11内に送られ、浴室11内の温度が上昇する。これにより、入浴前後の急激な温度変化による血圧上昇や不快感を防ぐことができる。なお、人体センサー14が人の存在を検知すると、イオン発生装置23を駆動して負イオンを発生させてもよい。また、このモードが選択されると、図3のように、シールド47が閉じ、イオン発生装置23の放電面23Aの下流域が遮へいされる。これにより、浴室11内で飛び散った水滴が吹出口7を通過して本体4内に侵入しても、シールド47で保護されるので、放電面23Aに水滴が付着するのを防止することができる。
【0034】
換気モードは、強力な換気機能で浴室11を乾燥させる運転モードであり、このモードが選択されると、制御部32は、図4に示すように、ダンパー9によって空気排出部27Aの入口を閉じてファンモータ25を駆動することにより、ファン24の空気流を排気用通路に切換え、矢印Bのように浴室11内の空気を屋外に排気する。このとき、セラミックヒータ30には通電しない。浴室11内の湿った空気は、屋外に排気され、浴室11内が乾燥する。なお、イオン発生装置23を任意で駆動してもよく、この場合は、正負イオンがダクト21内に送られ、ダクト21内に浮遊するカビや雑菌が不活化される、ダクト21内にカビが発生するのを防止することができる。また、このモードが選択されると、図4のように、シールド47が閉じ、イオン発生装置23の放電面23Aの下流域が遮へいされる。これにより、浴室11内で飛び散った水滴が吹出口7を通過して本体4内に侵入しても、シールド47で保護されるので、放電面23Aに水滴が付着するのを防止することができる。
【0035】
涼風モードは、夏場など蒸し暑い時期の入浴中に浴室空調装置1を扇風機として使用するモードであり、このモードが選択されると制御部32は、図5に示すように、ダンパー9を中間の位置に固定してファンモータ25を駆動することにより、ファン24の空気流が循環用通路と排気用通路の双方に流れるように切換え、矢印Aのように浴室11内の空気を循環させるとともに、矢印Bのように一部を屋外に排気する。このとき、セラミックヒータ30には通電しない。これにより、浴室11内にゆるやかに送風され、入浴者は涼むことができる。なお、人体センサー14が人の存在を検知すると、イオン発生装置23を駆動して負イオンを発生させてもよい。また、このモードが選択されると、図5のように、シールド47が閉じ、イオン発生装置23の放電面23Aの下流域が遮へいされる。これにより、浴室11内で飛び散った水滴が吹出口7を通過して本体4内に侵入しても、シールド47で保護されるので、放電面23Aに水滴が付着するのを防止することができる。
【0036】
この涼風モードにおいて、イオン発生装置23から正負イオンを発生させてもよい。このモードで正負イオンを発生させることは、セラミックヒータ30等の熱源の影響を受けず、また浴室11内の空気を排出しているので、湿度も下がりよりカビの防止に効果的である。
【0037】
乾燥モードは、浴室11に衣類などの洗濯物を吊るして乾燥させる運転モードであり、このモードが選択されると、制御部32は、上記涼風モードと同様、図6のように、ファン24の空気流が循環用通路と排気用通路の双方に流れるように切換える。さらに、セラミックヒータ30とイオン発生装置23に通電される。セラミックヒータ30で加熱された空気は浴室11内に送られ、浴室11内の温度が上昇する。洗濯物から蒸発した水分は、屋外に排気され、洗濯物が乾燥する。また、このモードが選択されると、図6のように、シールド47が開き、イオン発生装置23の放電面23Aの下流域が開放される。これにより、イオン発生装置23から発生した正負イオンが浴室11内に送られ、浴室11内に浮遊するカビや雑菌が不活化されるので、浴室11や洗濯物にカビが発生するのを防止することができる。
【0038】
正負イオンの発生が適切に行なえるようにセラミックヒータ30への通電を制御して、温風と正負イオンなどを混ぜて浴室11内に供給することもできる。浴室11内の温度を高めた方がイオン発生量が多くなる場合は、セラミックヒータ30の通電を強にして発熱量を増やし、温度を下げた方がよい場合には、セラミックヒータ30への通電を弱にし、発熱量を減らすようにすることもできる。なお、イオン発生装置23がセラミックヒータ30の上流側等でセラミックヒータ30の熱の影響を受け、イオン発生の阻害となる場合を考慮して、この乾燥モード中や終了後にセラミックヒータ30への通電をオフしたり、発熱量が弱くなるよう通電を制御することにより、正負イオンをより多く発生させ浴室11内へ供給することができる。
【0039】
上記のように、浴室11から直接飛んでくる水滴には、シールド47でイオン発生装置23の放電面23Aをガードすることが可能であるが、放電面23A上の結露はシールド47では防ぎようがない。特に、各運転モード終了後の浴室11内は湿気が充満しているので、冷えた放電面23A上には結露が発生しやすく、有効な結露対策を採らねば放電面23Aが濡れてしまい、次の乾燥モード実行時にイオン発生量が低下するなどの不都合が生じる。
【0040】
そこで、以下のように放電面23Aの乾燥運転を行う。図9は、その制御フローチャートである。イオン発生を伴う運転モードを選択すると、ステップ#1でタイマー33が作動し、ステップ#2,#3でファン24が駆動され、ヒータ48に通電される。これにより、イオン発生素子210が加熱され、放電面23Aに送風されるので、放電面23A上の水滴が速やかに蒸発し、結露を解消することができる。そして、ステップ#4で一定時間が経過すると、ステップ#5でヒータ48への通電がオフされた後、ステップ#6でイオン発生装置23が駆動され、ステップ#7でイオン発生を伴う運転モードが実行されることになる。このときには、放電面23Aは充分に乾燥しており、正負イオンの発生量を確保することができる。なお、ステップ#1でヒータ48に替えて、若しくはヒータ48と併用でセラミックヒータ30に通電し、温風を放電面23Aに送るようにしてもよい。
【0041】
加熱手段は、放電面23Aに設けたヒータ48等の熱源でもよいし、本体4の温風発生用に設けられたセラミックヒータ30等の熱源でもよく、双方を利用してもよい。また、イオン発生装置23のファン24による送風のみとしてもよい。イオン発生装置23の放電面23Aを乾燥する水分除去運転は、単独のモードとして設けてもよいが、浴室空調装置1の暖房、換気、涼風、乾燥モード等と連動させることが好ましく、イオン発生を行う前に行うようにすることが好ましい。また、イオン発生スイッチにより、各モードと連動せずに、使用者がイオン発生装置23の放電面23Aの水分除去を行うことが好ましい。
【0042】
この水分除去運転は、タイマー33の替わりに、図10のように、湿度センサー31を使用して制御しても構わない。すなわち、図10のステップ#11で湿度センサーが作動し、ステップ#14で湿度が所定の基準値(例えば、40%RH)以下になったと判断されるまで、図9と同様の水分除去運転を行うものである。
【0043】
また、防滴水分除去手段として、図14のように、セラミックヒータ30等の熱源の上流側にイオン発生装置23を設ける構成としてもよい。ヒータ等の熱源によって、吹出口7から誤ってシャワー等の水が吹きかかった場合にも、浴室11内からの水滴の付着を防止することができる。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図11は、第2の実施形態に係る浴室空調装置(図3〜図6参照。)の概略断面図である。この図において、上記第1の実施形態に係る浴室空調装置1と共通の部材には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0045】
上述したように浴室空調装置1の暖房又は乾燥モードでは、温風を浴室11内に吹き出しているが、暖房又は乾燥効率を上げるため、セラミックヒータ30をできるだけ吹出口7の近くに配置するのが望ましい。
【0046】
一方、正負イオンは金属などの障害物に接触すると、消滅する性質がある。このため、イオン発生装置23を搭載した本発明に係る浴室空調装置1では、同一の風路にセラミックヒータ30とイオン発生装置23を配置するときは、必ずイオン発生装置23をセラミックヒータ30よりも下流側に配置して、正負イオン供給量の減少を抑えていた(例えば、図3〜図6参照。)。
【0047】
しかしながら、セラミックヒータ30を吹出口7のごく近くに配置した場合は、構成上イオン発生装置23をセラミックヒータ30の下流に持ってくることが困難である。そこで、図11のように、排出開口部27Bにセラミックヒータ30の上流側で分岐するとともに、吹出口7へ開口するイオンダクト49を間仕切り部材47と同一の材料で設けて、イオンダクト49内の流路に放電面23Aが面するように、イオン発生装置23を設けている。
【0048】
これにより、正負イオン量を減少させる障害物(セラミックヒータ30)を回避することができ、浴室11内への正負イオン供給量を確保することができる。なお、暖房モードでイオン発生装置23を駆動する場合は、このようにイオンと温風の吹き出しを別々にした場合には、入浴時にイオンダクト49から吹出される風が直接体に当たると寒いので、イオンダクト49の入口にダンパー50を設けて、浴室11内が充分に暖房されるまでは、イオンダクト49の入口を閉じておくのがよい。あるいは、図12のように、イオンダクト49の出口49Aを導入開口部27内の循環用通路に開口させ、セラミックヒータ30を迂回するようにしてもよい。あるいは、図13のように、イオンダクト49を分岐させ、出口49Aを導入開口部27内の循環用通路と吹出口7の両方に開口させるようにし、その分岐部に設けたダンパー51で浴室11内が充分に暖房されるまでは、吹出口7側の出口49Aを閉じておくようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の浴室空調装置によると、入浴の前後を通してイオン発生装置の放電面に水滴が付着するのを防止することができ、また、放電面上の結露を解消することができるので、衣類乾燥運転時に正負イオン発生量の低下を防止でき、浴室内に安定して正負イオンを供給することができる。したがって、衣類乾燥中に浴室の外から入ってくるカビが正負イオンにより不活化されるので、浴室にカビが発生するのを効果的に防止することができる。この正負イオンは人体に無害であるため、浴室に人が存在しても安心して発生させることができ、使い勝手のよい浴室空調装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浴室空調装置の一例を示す斜視図である。
【図2】浴室に浴室空調装置を設置した様子を示す模式図である。
【図3】暖房モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図4】換気モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図5】涼風モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図6】乾燥モードにおける浴室空調装置の概略断面図である。
【図7】イオン発生装置の概略断面図である。
【図8】浴室空調装置の簡単な制御ブロック図である。
【図9】イオン発生を伴う運転モードにおけるイオン発生装置の放電面の乾燥運転の一例を示す制御フローチャートである。
【図10】イオン発生を伴う運転モードにおけるイオン発生装置の放電面の乾燥運転の他の例を示す制御フローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る浴室空調装置の乾燥モードにおける概略断面図である。
【図12】上記浴室空調装置の他の例の乾燥モードにおける概略断面図である。
【図13】上記浴室空調装置のさらに他の例の乾燥モードにおける概略断面図である。
【図14】上記第1の実施形態に係る浴室空調装置の他の例の乾燥モードにおける概略断面図である。
【符号の説明】
1 浴室空調装置
4 本体
5 パネル
6 吸込口
7 吹出口
8 換気口
9 ダンパー
11 浴室
23 イオン発生装置
23A 放電面
30 セラミックヒータ
31 湿度センサー
47 シールド
48 ヒータ
49 イオンダクト
Claims (7)
- 浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、浴室内に送風又は浴室内の空気を循環する送風機と、前記循環用通路に設けられ沿面放電によって正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記イオン発生装置の放電面に水滴が付着するのを防止又は付着した水滴を除去する防滴水分除去手段とを備えたことを特徴とする浴室空調装置。
- 浴室内に臨む空気の吸込口と、浴室内に臨む空気の吹出口と、浴室内の空気を屋外へ排気するための換気口と、前記吸込口から前記吹出口に至る循環用通路と、前記吸込口から前記換気口に至る排気用通路と、浴室内に送風又は浴室内の空気を循環する送風機と、前記循環用通路に設けられ沿面放電によって正負イオンを発生するイオン発生装置と、前記イオン発生装置の放電面に水滴が付着するのを防止又は付着した水滴を除去する防滴水分除去手段とを備えたことを特徴とする浴室空調装置。
- 前記防滴水分除去手段が、前記イオン発生装置の放電面の下流側を遮へい可能なシールドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴室空調装置。
- 前記イオン発生装置の放電面を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の浴室空調装置。
- 前記イオン発生装置の放電面に付着した水分を除去するよう前記送風機又は/及び前記加熱手段を制御するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の浴室空調装置。
- 一定時間、前記加熱手段へ通電して前記イオン発生装置の放電面を加熱することを特徴とする請求項4又は5に記載の浴室空調装置。
- 浴室内の湿度が所定の基準値以下になるまで、前記加熱手段へ通電して前記イオン発生装置の放電面を加熱することを特徴とする請求項4又は5に記載の浴室空調装置。
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