JP2004211866A - バルブ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いセルフロック機能を有しながら、同時に、装置全体の回転効率の向上を図ることが可能な、小型且つ低コストのバルブ駆動装置を提供する。
【解決手段】バルブ駆動装置300の減速機340の減速機構を、僅少の歯数差を有する第1外歯歯車102及び第1内歯歯車104を備え、該第1外歯歯車102を、前記第1内歯歯車104の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第1内接噛合遊星歯車機構100と、同じ入力軸302と出力軸306との間に該第1内接噛合遊星歯車機構100と動力伝達経路上で並列に配置され、且つ僅少の歯数差を有する第2外歯歯車202及び第2内歯歯車204を備え、該第2外歯歯車202を、前記第2内歯歯車204の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第2内接噛合遊星歯車機構200とで構成すると共に、前記第1、第2外歯歯車102、202の回転抵抗に差異を持たせた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボール弁やバタフライ弁等のバルブの弁体の駆動装置に関し、特に高いセルフロック機能を有しながら、同時に、装置全体の回転効率の向上を図ることが可能な、小型且つ低コストのバルブ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築設備や水処理設備の配管路等に設置され、流路の開閉や流量の調整等を行う弁として、ボール弁やバタフライ弁等を用いたバルブが広く知られており、これらのバルブを駆動するための、手動式又は電動式の駆動装置が数多く提案されている。係る駆動装置としては、ウォーム歯車機構を駆動装置に適用したものが最も一般的であるが、ウォーム歯車機構の他にも、省スペース化が可能な偏心遊星歯車機構を適用した駆動装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
これらのバルブ駆動装置においては、配管路等を流れる流体の量を適切に調整する必要があるため、回転動作時には、弁体の回転円滑性が求められる一方で、回転停止時には、弁体が配管路等を流れる流体から強い負荷を受けるため、弁体の逆方向への回転を防止する機能(逆転防止機能)も必要とされる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−193136号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、バルブ駆動装置にウォーム歯車機構を適用した場合には、その構造上、逆方向への回転が制限されるため、高い逆転防止効果(セルフロック機能)が得られるものの、回転動作時(特に、回転起動時)の回転効率が悪く、特にモータによって頻繁に作動されるような用途で使用する場合には、消費電力が大きくなるという問題があった。
【0006】
一方、バルブ駆動装置に偏心遊星歯車機構を適用した場合には、ウォーム歯車機構に比べ、回転効率は高いものの、逆方向に回転しやすい構造であるため、弁体に加わる負荷に対して弱いという問題があった。
【0007】
即ち、減速機構を構成する部材の回転抵抗を単純に大きくしたのでは、逆転防止機能の向上は図れるものの、同時に、駆動方向への回転抵抗も増大する結果となり、装置全体の回転効率が悪くなってしまう。一方、減速機構を構成する部材の回転抵抗を低くすることによって、装置全体の回転効率を高くすることが可能であるが、セルフロック機能性と回転円滑性は表裏の関係にあるため、単純に回転抵抗を小さくし、回転効率を高くしたのでは、当然に反駆動方向に回転し易い構造となってしまい、セルフロック機能は低くなってしまう。
【0008】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであって、高いセルフロック機能を有しながら、同時に、装置全体の回転効率の向上を図ることが可能な、小型且つ低コストのバルブ駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弁棒を介して弁体を駆動可能としたバルブ駆動機構と、入力軸の回転を出力軸に減速して伝達する減速機とを備え、該減速機の前記出力軸と前記弁棒とを連結することにより、前記弁体を駆動可能としたバルブ駆動装置において、前記減速機の減速機構を、僅少の歯数差を有する第1外歯歯車及び第1内歯歯車を備え、該第1外歯歯車を、前記第1内歯歯車の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第1内接噛合遊星歯車機構と、同じ入力軸と出力軸との間に該第1内接噛合遊星歯車機構と動力伝達経路上で並列に配置され、且つ僅少の歯数差を有する第2外歯歯車及び第2内歯歯車を備え、該第2外歯歯車を、前記第2内歯歯車の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第2内接噛合遊星歯車機構とで構成すると共に、前記第1、第2内接噛合遊星歯車機構の前記第1、第2外歯歯車の回転抵抗にそれぞれ差異を持たせたことにより、上記課題を解決したものである。
【0010】
本発明によれば、減速機の減速機構として、外歯歯車の回転抵抗に差異を持たせることにより動力伝達特性を相異ならせた2種類の内接噛合遊星歯車機構を、動力伝達系路上で並列に備えたため、減速機に入力されるバルブ駆動機構からの動力を、動力伝達特性の相異なる動力伝達経路を介して弁棒及び弁体に伝達することが可能となる。従って、組み合わせる内接噛合遊星歯車機構の各々の特性によって、減速機の特性を変えることができ、バルブ駆動装置に適した特性を得ることができる。
【0011】
例えば、前記第1内接噛合遊星歯車機構を、その回転系の回転抵抗が大きく、剛性が低く、且つ、バックラッシ量の小さい機構とすると共に、前記第2内接噛合遊星歯車機構を、その回転系の回転抵抗が小さく、剛性が高く、且つ、バックラッシ量の大きい機構とすれば、高いセルフロック機能を有しながら、同時に、装置全体の回転効率の向上を図ることができるバルブ駆動装置が提供可能となる。従って、弁体が配管路等を流れる流体によって強い負荷を受けた場合であっても、高いセルフロック機能によって弁体が反駆動方向に回転するのを防止することが可能となる上に、弁体の開閉操作時には、高い回転円滑性によって弁体を高効率で動かすことができ、操作性の向上が可能となる。しかも、逆転防止機構としてブレーキ等の特別な機構を必要としないため、バルブ駆動装置の小型化や低コスト化が可能となる。
【0012】
なお、本発明では、具体的にどのようにして外歯歯車の回転抵抗に差異を持たせるかについては特に限定されず、例えば、前記第1及び第2外歯歯車を、前記入力軸に、該入力軸の外周に設けられた偏心体を介して揺動自在に組込むと共に、該偏心体と前記第1及び第2外歯歯車とのそれぞれの摺動部の摺動態様にそれぞれ差異を持たせれば、第1、第2外歯歯車の回転抵抗に差異を持たせることが可能となる。
【0013】
又、前記第1及び第2内歯歯車の内歯をそれぞれ複数個の円筒状のピンで構成すると共に、該円筒状のピンの保持態様に差異を持たせるか、前記第1及び第2外歯歯車にそれぞれ形成された内ピン孔に遊嵌され、且つ、固定状態に維持されたキャリアによって自身の一端が片持ち支持された内ピンを介して、前記第1及び第2外歯歯車の自転成分を吸収可能な構成とすることにより、前記キャリア側に配置された方の外歯歯車の剛性を高くすれば、第1及び第2内接噛合遊星歯車機構の剛性に差異を持たせることにより減速機の特性を変えることができ、バルブ駆動装置に適した特性を得ることが可能となる。
【0014】
更に、前記入力軸及び前記出力軸に対する前記第1内接噛合遊星歯車機構のバックラッシ量及び前記第2内接噛合遊星歯車機構のバックラッシ量にそれぞれ差異を持たせれば、バックラッシ量の違いによっても減速機の特性を変えることができ、バルブ駆動装置に適した特性を得ることが可能になる。
【0015】
なお、前記入力軸の回転方向を前記弁体の回転方向と同一にすれば、バルブ駆動装置の操作ハンドル等の回転方向と、弁体の回転方向が一致するため、バルブ駆動装置の操作性の向上を図ることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の例を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態の例に係るバルブ駆動装置300の側断面図である。
【0018】
バルブ駆動装置300は、ハンドル(バルブ駆動機構)310と、上部及び下部ケーシング312、314からなるケーシング316内に収容された減速機340と、を備えている。このバルブ駆動装置300は、減速機340の出力軸306に弁棒350を連結することにより、該弁棒350に設けられた弁体(図示略)をハンドル310によって回転駆動可能である。
【0019】
前記ハンドル310は、前記減速機340の入力軸302に連結されており、該ハンドル310を軸心L1を中心に回転することによって、入力軸302を回転駆動可能である。なお、該入力軸302の上部先端には、弁体の開度を示す開度指針318が取り付けられており、上方から弁体の開度を確認しながら、開度調整することが可能となっている。
【0020】
前記減速機340は、第1内接噛合遊星歯車機構100と、第2内接噛合遊星歯車機構200と、該第1、第2内接噛合遊星歯車機構100、200に共通の入力軸302、キャリア304及び出力軸306と、を備えている。該減速機340は、入力軸302から入力される動力を、前記第1、第2内接噛合遊星歯車機構100、200及び出力軸306を介して、弁棒350に伝達可能である。
【0021】
前記入力軸302は、中空部302aを有するホローシャフトからなると共に、出力軸306と同軸に配置され、弁棒350と同じ軸心L1を中心として回転可能である。
【0022】
前記キャリア304は、上部ケーシング312によって固定状態に維持されており、該キャリア304には、内ピン346が一体的に設けられている。該内ピン346は、後述する第1、第2外歯歯車102、202に設けられた内ピン孔102a、202aにそれぞれ遊嵌されている。
【0023】
前記出力軸306は、前記入力軸302と同様に、中空部306aを有するホローシャフトからなり、該入力軸302と同じ軸心L1を中心に回転可能である。
【0024】
又、入力軸302及び出力軸306の間には、変速機構が同一の第1内接噛合遊星歯車機構100と第2内接噛合遊星歯車機構200が、動力伝達経路上で並列に配置されている。
【0025】
なお、「動力伝達経路上で並列に配置」とは、共通の部材である入力軸302及び出力軸306の間に、動力の伝達され得る経路が2つ(第1、第2内接噛合遊星歯車機構100、200)配置されていることを意味する。ちなみに、「動力の伝達経路上で直列に備える」とは、ある経路を得た後に他の経路を通ることをいう。
【0026】
図2、図3は、それぞれ第1内接噛合遊星歯車機構100及び第2内接噛合遊星歯車機構200を示した図であり、図2は図1中におけるII−II線に沿う断面図、図3は図1中におけるIII−III線に沿う断面図である。
【0027】
図1、図2に示すように、第1内接噛合遊星歯車機構100は、僅少の歯数差を有する第1外歯歯車102及び第1内歯歯車104と、偏心体106と、滑り軸受(摺動部)110とを備えている。
【0028】
該偏心体106は、軸心L1に対して偏心した外周を有している。又、偏心体106は、前記入力軸302の外周に、後述する第2内接噛合遊星歯車機構200の偏心体206と所定位相差(この例では180°)をもって設けられている。
【0029】
前記第1内歯歯車104は、出力軸306の内周面に複数形成された円弧溝306aに円筒状の外ピン104aが嵌合した構造で、これら外ピン104aが内歯を形成している。又、該第1内歯歯車104の外周方向には、出力軸306にリング状の溝108が形成されている。
【0030】
前記第1外歯歯車102は、外周にトロコイド歯形や円弧歯形等の外歯を有しており、前記第1内歯歯車104の外ピン104aの内側に偏心内接噛合回転自在に組み込まれている。又、該第1外歯歯車102は、該第1外歯歯車102と偏心体106の間に設けられた滑り軸受110を介して偏心体106に嵌合され、該偏心体106の回転に伴って揺動回転可能である。更に、第1外歯歯車102には内ローラ孔102aが複数個設けられ、内ピン346が、各ローラ孔102aを貫通している。なお、図1に示すように該内ピン346の一端346a(図中上側)は、前記キャリア304によって片持ち支持されている。
【0031】
一方、図1、図3に示すように、第2内接噛合遊星歯車機構200は、僅少の歯数差を有する第2外歯歯車202及び第2内歯歯車204と、偏心体206と、ころ軸受(摺動部)210とを備えている。
【0032】
該偏心体206は、軸心L1に対して偏心した外周を有している。又、偏心体206は、前記入力軸302の外周に前記第1内接噛合遊星歯車機構100の偏心体106と所定位相差をもって設けられている。
【0033】
前記第2内歯歯車204は、出力軸306の内周面に複数形成された円弧溝306aに外ピン204aが嵌合した構造で、これら外ピン204aが内歯を形成している。
【0034】
前記第2外歯歯車202は、外周にトロコイド歯形や円弧歯形等の外歯を有しており、前記第2内歯歯車204の外ピン204aの内側に偏心内接噛合回転自在に組み込まれている。又、該第2外歯歯車202は、該第2外歯歯車202と偏心体206の間に設けられた、ころ軸受210を介して偏心体206に嵌合され、該偏心体206の回転に伴って揺動回転可能である。更に、第2外歯歯車202には内ローラ孔202aが複数個設けられ、内ピン346が、各ローラ孔202aを貫通している。
【0035】
図1に示すように、内ピン346は、第1外歯歯車102の各ローラ孔102a及び第2外歯歯車202の各ローラ孔202aをそれぞれ貫通しており、第1外歯歯車102及び第2外歯歯車202の自転成分を吸収可能である。なお、第2外歯歯車202は第1外歯歯車102よりもキャリア304側、即ち、該キャリア304に片持ち支持された内ピン346の一端346aに近い位置に配置されている。
【0036】
又、第1内接噛合遊星歯車機構100における偏心体106と滑り軸受110との隙間S11、滑り軸受110と第1外歯歯車102との隙間S12、内ピン346と第1外歯歯車102との隙間S13、第1外歯歯車102と第1内歯歯車104との隙間S14は、第2内接噛合遊星歯車機構200における偏心体206ところ軸受210との隙間S21、ころ軸受210と第2外歯歯車202との隙間S22、内ピン346と第2外歯歯車202との隙間S23、第2外歯歯車202と第2内歯歯車204との隙間S24よりもそれぞれ小さく設計されている(S11<S21、S12<S22、S13<S23、S14<S24)。なお、必ずしも全ての隙間の大小関係はこうである必要がなく和がそうなっていれば良い。
【0037】
従って、入力軸302及び出力軸306に対する第1内接噛合遊星歯車機構100のバックラッシ量は、第2内接噛合遊星歯車機構200のバックラッシ量よりも小さくなっている。
【0038】
次に、図1に戻って、本発明の実施形態の例に係るバルブ駆動装置300の作用について説明する。
【0039】
ハンドル310を回転すると、入力軸302が軸心L1を中心として回転し、該入力軸302に設けた偏心体106、206がそれぞれ偏心回転する。この偏心体106、206の回転により、その偏心した外周に装架された第1、第2外歯歯車102、202も入力軸302の周りで揺動回転を行なおうとするが、キャリア304によってその自転が拘束されているため、第1、第2外歯歯車102、202は、第1、第2内歯歯車104、204に内接しながら、揺動のみを行なうことになる。
【0040】
この第1、第2外歯歯車102、202の揺動により、該第1、第2外歯歯車102、202の1回の揺動毎(入力軸302の1回転毎)に第1、第2内歯歯車104、204が第1、第2外歯歯車102、202との歯数差に相当する分だけ回転し、該第1、第2内歯歯車104、204の回転が出力軸306へと伝達され、減速が実現される。
【0041】
なお、本発明の実施形態の例に係るバルブ駆動装置300の減速機340においては、キャリア304を固定状態に維持した上で、第1、第2内歯歯車104、204及び出力軸306を回転することにより、入力軸302の回転方向と出力軸306の回転方向を一致させている。その結果、ハンドル310の回転方向と弁体の回転方向を同一とすることができ、感覚的に操作しやすく、操作性の向上が実現されている。
【0042】
最終的に、出力軸306へ伝達された動力により、該出力軸306と連結された弁棒350を介し、弁体が回転駆動される。
【0043】
上記実施形態の例に係るバルブ駆動装置300は、変速機構が同一の動力伝達機構である、第1内接噛合遊星歯車機構100及び第2内接噛合遊星歯車機構200を並列に備えると共に、各々の動力伝達機構における第1、第2外歯歯車102、202や第1、第2内歯歯車104、204等の回転部材(回転系)の▲1▼回転抵抗、▲2▼剛性、▲3▼バックラッシを動力伝達特性の要素とし、各要素に差異を設けることにより、第1内接噛合遊星歯車機構100と第2内接噛合遊星歯車機構200の動力伝達特性の差異を具現したものである。
【0044】
即ち、「回転抵抗」については、第1内接噛合遊星歯車機構100の第1外歯歯車102と偏心体106との摺動部には滑り軸受110を配置する一方で、第2内接噛合遊星歯車機構200の第2外歯歯車202と偏心体206との摺動部にはころ軸受210を配置することにより、第1内接噛合遊星歯車機構100と第2内接噛合遊星歯車機構200の回転抵抗に差異を設けている。このように、各動力伝達機構の回転抵抗に差異を設けているため、第1内接噛合遊星歯車機構100は回転抵抗が大きく、逆転防止機能性が高いという特性を有するのに対して、第2内接噛合遊星歯車機構200は回転抵抗が小さく、回転円滑性が高いという特性を有している。
【0045】
又、「剛性」については、第1内接噛合遊星歯車機構100の第1内歯歯車104の外周方向には、出力軸306にリング状の溝108を形成する一方で、第2内接噛合遊星歯車機構200の第2内歯歯車204の外周方向には当該溝を形成せず、該外ピン204aの全体を出力軸306の内周面に複数形成された円孤溝306aで直接保持することにより、第1内接噛合遊星歯車機構100と第2内接噛合遊星歯車機構200の回転系の剛性に差異を設けている。即ち、第1内歯歯車104の外ピン104aに対して、出力軸306側(径方向外側)への力が加えられた場合には、リング状の溝108が形成されているため、該外ピン104aは、出力軸306側へ撓むことができるのに対して、第2内歯歯車204の外ピン204aは出力軸306側への撓みが制限されている。更に、第2外歯歯車202を第1外歯歯車102よりもキャリア304側、即ち、該キャリア304に片持ち支持された内ピン346の一端346aに近い位置に配置することにより、第1内接噛合遊星歯車機構100と第2内接噛合遊星歯車機構200の剛性に差異を設けている。このように、各動力伝達機構の剛性に差異を設けているため、第1内接噛合遊星歯車機構100は全体的に伝達トルクに対する各部材の変形量が大きく(剛性が低く)、動力伝達容量が低いという特性を有するのに対して、第2内接噛合遊星歯車機構200は全体的に伝達トルクに対する各部材の変形量が小さく(剛性が高く)、動力伝達容量が高いという特性を有している。
【0046】
更に、「バックラッシ」については、第1内接噛合遊星歯車機構100における偏心体106と滑り軸受110との隙間S11、滑り軸受110と第1外歯歯車102との隙間S12、内ピン346と第1外歯歯車102との隙間S13、第1外歯歯車102と第1内歯歯車104との隙間S14は、第2内接噛合遊星歯車機構200における偏心体206ところ軸受210との隙間S21、ころ軸受210と第2外歯歯車202との隙間S22、内ピン346と第2外歯歯車202との隙間S23、第2外歯歯車202と第2内歯歯車204との隙間S24よりもそれぞれ小さく設計することにより、第1内接噛合遊星歯車機構100と第2内接噛合遊星歯車機構200のバックラッシ量に差異を設けている。このように、各動力伝達機構のバックラッシ量に差異を設けているため、第1内接噛合遊星歯車機構100は、該入力軸302の動き(トルクの変動)に対しても、又、出力軸306の動き(トルクの変動)に対する反応が早いという特性を有するのに対して、第2内接噛合遊星歯車機構200は、当該バックラッシ量が大きく、入力軸302及び出力軸306の双方の動き(トルクの変動)に対して反応が遅いという特性を有する。
【0047】
従って、バルブ駆動装置300は、回転抵抗が大きく、剛性が低く、且つ、バックラッシ量の小さい、セルフロック機能性重視の動力伝達機構である第1内接噛合遊星歯車機構100と、回転抵抗が小さく、剛性が高く、且つ、バックラッシ量の大きい、回転円滑性重視の動力伝達機構である第2内接噛合遊星歯車機構200とを並列に備えていることになる。その結果、バルブ駆動装置300の起動直後には、入力軸302に対するバックラッシ量の小さい第1内接噛合遊星歯車機構100が早く反応して主として動力の伝達を行なうが、該第1内接噛合遊星歯車機構100は第2内接噛合遊星歯車機構200に比べ剛性が低いため、作用するトルクが大きくなると反力を支えきれなくなり、より剛性の高い第2内接噛合遊星歯車機構200の方が主として動力の伝達を行なうことになる。第2内接噛合遊星歯車機構200は回転抵抗が小さいため、バルブ駆動装置300全体の回転効率の向上を図ることができる。
【0048】
又、図示せぬ弁体側から出力軸306に対して逆方向の回転負荷が加えられた場合には、出力軸306に対するバックラッシ量の小さい第1内接噛合遊星歯車機構100が早く反応して主として逆方向への負荷を受けることになるが、該第1内接噛合遊星歯車機構100は回転抵抗が大きいため、バルブ駆動装置300は装置全体として高いセルフロック機能性を有する。出力軸306側から掛かるトルクは通常の運転時のトルクに較べれば小さいため、剛性の低い第1内接噛合遊星歯車機構100のみで十分反力を提供できる。
【0049】
従って、本発明の実施形態に例に係るバルブ駆動装置300においては、弁体が配管路等を流れる流体によって強い負荷を受けた場合であっても、高いセルフロック機能によって弁体が反駆動方向に回転するのを防止することが可能である上に、弁体の開閉操作時には、高い回転円滑性によって弁体を高効率で動かすことができ、操作性の向上が可能である。しかも、逆転防止機構としてブレーキ等の特別な機構を必要としないため、バルブ駆動装置300の小型化や低コスト化が可能である。
【0050】
なお、上記実施形態においては、バルブ駆動機構を手動式のハンドル310としたが、本発明はこれに限定されない。
【0051】
又、本発明に係るバルブ駆動装置の減速機構は、僅少の歯数差を有する第1外歯歯車及び第1内歯歯車を備え、該第1外歯歯車を、前記第1内歯歯車の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第1内接噛合遊星歯車機構と、同じ入力軸と出力軸との間に該第1内接噛合遊星歯車機構と動力伝達経路上で並列に配置され、且つ僅少の歯数差を有する第2外歯歯車及び第2内歯歯車を備え、該第2外歯歯車を、前記第2内歯歯車の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第2内接噛合遊星歯車機構とで構成されているものであればよく、上記実施形態における内接噛合遊星歯車機構に限定されるものではない。従って、例えば、バルブ駆動装置の減速機構として、歯車等で入力軸(中心軸)と平行する軸に入力回転が振り分けられるようにし、その軸に偏心体を設けることによって、外歯歯車が中心軸に対して偏心回転するようにした、いわゆる振り分けタイプの内接噛合遊星歯車機構等を適用してもよい。
【0052】
なお、本発明におけるバルブ駆動装置300においては、具体的にどのようにして第1、第2外歯歯車102、202の回転抵抗に差異を持たせるかについては特に限定されず、例えば、第1、第2外歯歯車102、202の内ピン孔102a、202aと、内ピン346の摺動部にベアリングや内ローラ等の摺動促進部材を配置することによって、第1、第2外歯歯車102、202の回転抵抗に差異を持たせてもよい。
【0053】
又、第1、第2内接噛合遊星歯車機構100、200の剛性の差異についても、上記実施形態の例に限定されず、例えば、第1、第2外歯歯車102、202の素材を変えることによって、各々の剛性の差異を具現してもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、高いセルフロック機能を有しながら、同時に、装置全体の回転効率の向上を図ることのできるバルブ駆動装置が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の例に係るバルブ駆動装置の側断面図
【図2】図1中におけるII−II線に沿う断面図
【図3】図1中におけるIII−III線に沿う断面図
【符号の説明】
100・・・第1内接噛合遊星歯車機構
200・・・第2内接噛合遊星歯車機構
102、202…外歯歯車
104、204…内歯歯車
106、206…偏心体
110…滑り軸受
210…ころ軸受
300…バルブ駆動装置
302…入力軸
304…キャリア
306…出力軸
310…ハンドル
312、314…ケーシング
318…開度指針
340…減速機
346…内ピン
350…弁棒

Claims (5)

  1. 弁棒を介して弁体を駆動可能としたバルブ駆動機構と、入力軸の回転を出力軸に減速して伝達する減速機とを備え、該減速機の前記出力軸と前記弁棒とを連結することにより、前記弁体を駆動可能としたバルブ駆動装置において、
    前記減速機の減速機構を、僅少の歯数差を有する第1外歯歯車及び第1内歯歯車を備え、該第1外歯歯車を、前記第1内歯歯車の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第1内接噛合遊星歯車機構と、同じ入力軸と出力軸との間に該第1内接噛合遊星歯車機構と動力伝達経路上で並列に配置され、且つ僅少の歯数差を有する第2外歯歯車及び第2内歯歯車を備え、該第2外歯歯車を、前記第2内歯歯車の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第2内接噛合遊星歯車機構とで構成すると共に、
    前記第1、第2内接噛合遊星歯車機構の前記第1、第2外歯歯車の回転抵抗にそれぞれ差異を持たせた
    ことを特徴とするバルブ駆動装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1及び第2外歯歯車を、前記入力軸に、該入力軸の外周に設けられた偏心体を介して揺動自在に組込むと共に、該偏心体と前記第1及び第2外歯歯車とのそれぞれの摺動部の摺動態様にそれぞれ差異を持たせた
    ことを特徴とするバルブ駆動装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1及び第2内歯歯車の内歯をそれぞれ複数個の円筒状のピンで構成すると共に、該円筒状のピンの保持態様に差異を持たせた
    ことを特徴とするバルブ駆動装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記第1及び第2外歯歯車にそれぞれ形成された内ピン孔に遊嵌され、且つ、固定状態に維持されたキャリアによって自身の一端が片持ち支持された内ピンを介して、前記第1及び第2外歯歯車の自転成分を吸収可能な構成とすることにより、前記キャリア側に配置された方の外歯歯車の剛性を高くする
    ことを特徴とするバルブ駆動装置。
  5. 弁棒を介して弁体を駆動可能としたバルブ駆動機構と、入力軸の回転を出力軸に減速して伝達する減速機とを備え、該減速機の前記出力軸と前記弁棒とを連結することにより、前記弁体を駆動可能としたバルブ駆動装置において、
    前記減速機の減速機構を、僅少の歯数差を有する第1外歯歯車及び第1内歯歯車を備え、該第1外歯歯車を、前記第1内歯歯車の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第1内接噛合遊星歯車機構と、同じ入力軸と出力軸との間に該第1内接噛合遊星歯車機構と動力伝達経路上で並列に配置され、且つ僅少の歯数差を有する第2外歯歯車及び第2内歯歯車を備え、該第2外歯歯車を、前記第2内歯歯車の内側で偏心内接噛合回転自在に組み込んだ第2内接噛合遊星歯車機構とで構成すると共に、
    前記第2内接噛合遊星歯車機構を、前記第1内接噛合遊星歯車機構よりもその回転系の回転抵抗が小さく、剛性が高く、且つ、バックラッシ量の大きい機構とした
    ことを特徴とするバルブ駆動装置。
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