JP2004211496A - 杭頭キャップ、及び杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、安価で地震時の杭体の損傷防止、基礎水平部材への杭頭応力低減に効果の高い杭頭キャップ、及び杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法を提供する
【解決手段】杭頭キャップ1は、ベースプレート2、その表面に配される複数のスタッドジベル4、裏面に配されるリング形状のストッパー3により構成され、ストッパー3は、内径が杭6の頭部を補強する鋼管7の外径より大きく形成される。杭頭キャップ1は、裏面が杭6の鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面の両者と面どうしで接するとともに、杭頭部全体を覆うように載置され、表面には、スタッドジベル4を内包するように基礎水平部材10が構築される。基礎水平部材10と杭6の頭部は、水平方向の挙動がストッパー3により拘束されるが、鉛直方向及び回転に係る挙動は自在な半剛接合に形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】杭頭キャップ1は、ベースプレート2、その表面に配される複数のスタッドジベル4、裏面に配されるリング形状のストッパー3により構成され、ストッパー3は、内径が杭6の頭部を補強する鋼管7の外径より大きく形成される。杭頭キャップ1は、裏面が杭6の鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面の両者と面どうしで接するとともに、杭頭部全体を覆うように載置され、表面には、スタッドジベル4を内包するように基礎水平部材10が構築される。基礎水平部材10と杭6の頭部は、水平方向の挙動がストッパー3により拘束されるが、鉛直方向及び回転に係る挙動は自在な半剛接合に形成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、杭頭部が鋼管補強されている杭に用いる杭頭キャップ、及び杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、場所打ちコンクリート杭は、低コストで大口径にも対応できる工法として一般に用いられているが、近年では杭の耐震性を向上させることを目的に、前記場所打ちコンクリート杭の杭頭部に鋼管を巻き付け、杭の曲げやせん断耐力を確保する構成が広く用いられている。
このような、杭頭部に鋼管を巻き付けた場所打ちコンクリート杭は、杭頭部が基礎梁等の基礎水平部材に固定される構成が一般的であったが、地震時の杭体の損傷防止や基礎水平部材への杭頭応力低減を目的に、杭頭部を基礎水平部材にピン結合する構成や非特許文献1に示すような半剛接合する構成が考案されている。
【0003】
【非特許文献1】
片岡隆広、吉川真次、井川望、佐竹啓一、「場所打ちコンクリート杭の杭頭半剛接合に関する実験研究」、日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)、2002年8月、構造I、No.20258、p.515−516
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述するような杭頭部を基礎水平部材に剛結合せず、ピン結合や半剛接合する構成は、その効果が高いもののコストアップになる場合が多いために一般に普及しておらず、低コストの杭頭接合方法が求められている。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、安価で地震時の杭体の損傷防止、基礎水平部材への杭頭応力低減に効果の高い杭頭キャップ、及び杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の杭頭キャップは、少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部に設置される杭頭キャップであって、前記鋼管と比較して大きい断面径を有する相似形に成形される鋼板よりなるベースプレートと、該ベースプレートの裏面で外周縁に沿って、裏面より突出するように設置されるリング形状のストッパーと、前記ベースプレートの表面に、所定の離間間隔をもって設置される複数のスタッドジベルにより構成され、前記ベースプレートの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するようにして、前記杭の頭部を覆うように配置されるとともに、前記ストッパーの内径が、前記鋼管の外径より大きく形成されて、前記ストッパーと鋼管との間にクリアランスが設けられることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の杭頭キャップは、前記ベースプレートの中央部に、開口孔が備えられているとともに、前記杭の中央部近傍には、鉛直状に配され、上端部近傍が該杭の上端面より突出するように配された複数の芯部材が、前記杭中心を中心点とした前記開口孔より略小さい径を有する円上に、所定の離間間隔を配置されており、複数の該芯部材が、前記ベースプレートの開口孔に貫通されることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の杭頭キャップは、前記ベースプレートの表面に配される複数のスタッドジベルが、直交する2方向に沿って格子状に設置されることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の杭頭キャップは、前記ストッパーの内周面で所定の高さ位置に、前記鋼管の側面と当接する止水リングが、一様に設置されることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法は、少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部と該場所打ちコンクリート杭の上方に配される基礎水平部材とを半剛剛接合するための杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法であって、支持層に支持されるように、地盤中に少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭を構築する一方で、ベースプレートの裏面の所定位置に、ストッパーを固着手段を介して固着するとともに、表面の所定位置に、スタッドジベルを固着手段を介して固着し、杭頭キャップを製作しておく第1の工程と、前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化後に、前記鋼管内の上端面をはつって残存する余盛りを撤去し、前記鋼管の上端面と場所打ちコンクリートの天端面を同一レベルに形成する第2の工程と、前記杭頭キャップの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するように、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置し、該杭頭キャップの上面に基礎水平部材を構築する第3の工程により構成されることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法は、第1の工程において、ベースプレートの中央部に所定の径を有する開口孔を設けておくとともに、前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化前に、前記鋼管内の所定位置に複数の芯部材を配置し、該芯部材の上端部が鉛直に突出するようにその下端部を前記場所打ちコンクリートに埋設し、第3の工程で、前記杭頭キャップの開口孔に、前記芯部材を貫通させながら、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の杭頭キャップは、杭頭部近傍を鋼管で補強されている杭と、該杭の上部に配される基礎梁や基礎スラブ等よりなる基礎水平部材との間に配され、前記基礎水平部材の下面には一体化されるものの、前記杭の頭部にはこれを覆うように載置されるのみの構成とすることにより、杭頭部と基礎水平部材の接合構造を半剛接合とする構成であるため、地震等が生じると杭頭キャップに対して杭頭部が自在に回転し、杭頭固定度を小さくして杭頭モーメントを大幅に低減させるものである。
なお、本実施の形態では、杭頭キャップを用いる杭にコンクリート充填鋼管造を用いることとし、杭頭キャップ及びその取り付け方法を詳述する。なお、本発明に用いる杭は、必ずしもコンクリート充填鋼管造にこだわるものではなく、杭頭部が鋼管により補強されていれば、何れの杭にも適用できるものである。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1(a)に示すように、地盤9中に鉛直状に配された鋼管7と、該鋼管7の内方を充填する場所打ちコンクリート8とによりなるコンクリート充填鋼管造の杭6の杭頭部には、杭頭キャップ1が設置されている。
該杭頭キャップ1は、ベースプレート2と、スタッドジベル4と、ストッパー3により構成されている。該ベースプレート2は、前記鋼管7より略大きい断面径よりなる円盤型の鋼板により形成され、その表面には、所定の離間間隔を持って配置された複数のスタッドジベル4が、表面から直交して突出するようにして溶接等の固着手段を介して固着されている。
また、ベースプレート2の裏面には、該ベースプレート2と同様の断面径を有するリング形状のストッパー3が、裏面より直交して一様に突出するように、外周縁に沿って溶接等の固着手段14を介して固着されている。該ストッパー3は、その内径が鋼管7の外径より大きく形成されており、ストッパー3と前記鋼管7を同軸状で重ね合わせても、両者は抵触することがなく、クリアランスLを有するように形成されている。
【0014】
一方で、前記杭6は、その杭頭部を形成する前記鋼管7の上端面が、水平面を形成するように平滑化処理を施されているとともに、該鋼管7を充填する場所打ちコンクリート8の天端面も、鋼管7の上端面と同一水平面を形成し、同じく平滑となるようにはつり処理が施されている。本実施の形態において、鋼管7を充填する場所打ちコンクリート8は、無筋コンクリートを用いているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、鉄筋コンクリートとしても良い。
【0015】
これらの杭頭部を有する杭6に対し、前記杭頭キャップ1は、裏面が、前記杭6の頭部を形成する鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面の両者と面どうしで接するようにして、杭頭部全体を覆うように載置されている。また、表面が、前記スタッドジベル4を内包するようにして構築された前記基礎水平部材10の下面に埋設されている。
このような構成は、杭6と杭頭キャップ1が面どうしで当接しているため、杭6からの応力を、杭頭キャップ1が一体化されている基礎水平部材10に、スムーズに伝達することができるものである。また、杭頭キャップ1と基礎水平部材10の一体化には、スタッドジベル4が用いられているため、杭6からのせん断力をスムーズに杭頭キャップ1を介して基礎水平部材10に伝達することができるものである。
【0016】
一方で、該杭頭キャップ1は、ベースプレート2とストッパー3を用いて前記杭6の頭部を覆う構成となるため、杭6の頭部における水平方向の挙動が前記ストッパー3により拘束されることとなるが、杭頭キャップ1は杭6に接合されていない半剛接合に形成されているため、鉛直方向及び回転に係る挙動は自在な構成となっている。これにより、図3(a)(b)に示すように、地震等が発生し、前記杭6が杭頭キャップ1に対して回転するような挙動を示すと、両者の接触面に僅かな離間Aが形成されるのみで、杭頭キャップ1及び杭頭キャップ1が一体化された基礎水平部材10には大きな曲げモーメントが伝達されることはない。このように、基礎水平部材10の下面に一体化された杭頭キャップ1で杭6の頭部を覆うことで、基礎水平部材10と杭6の接合構造に半剛接合を形成することにより、杭頭固定度が大きく低下しこれに伴い、杭頭モーメントも大幅に減少するものである。
【0017】
なお、図1(a)に示すように、前記ストッパー3は、内径が鋼管7の外径より大きく形成されているため、該杭頭キャップ1を杭6に載置しても、両者の間にはクリアランスLが設けられている。これにより、前記杭6は、杭頭キャップ1より回転拘束を受けない構成となっている。
【0018】
また、ベースプレート2の表面に固着されている複数のスタッドジベル4は、鉄筋コンクリート造の基礎水平部材10の下面に内包される際に、基礎水平部材10を構成する図示しない鉄筋との配筋干渉を避けることを目的に、図1(b)に示すように、直交するX及びYの2方向に沿った格子状に配置している。
【0019】
ところで、地震等が発生し、前記杭6が回転すると、鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面の両者で杭頭キャップ1に接触していた杭頭部の面積が小さくなり、杭頭キャップ1の裏面との接触する部位が、鋼管7の上端面における外周縁の一部部分のみとなる。そこで、本実施の形態では、図2に示すように、前記鋼管7の上端面で外周縁にR加工した隅切り11を設け、過大な支圧応力度を防止するものである。
また、前記杭頭キャップ1を構成するストッパー3の内周面には、所定の高さ位置に凹部3aが設けられており、該凹部3aに嵌合するように一様な止水リング5が設けられている。該止水リング5は、前記杭頭キャップ1を杭6に載置した際に、鋼管7とストッパー3の間に形成されるクリアランスを塞ぐことを目的として設けられるもので、杭頭キャップ1と杭6との間に水や泥水等が流入することを防ぐものである。本実施の形態では、止水リング5に、建物寿命の以上の耐久性を有することで一般に知られているリング状のゴム材よりなるOリングを用いているため、杭6の頭部が回転した際には、止水リング5の断面が収縮し、回転を阻害することはない。
これら前記杭6を構成する鋼管7に設けた隅切り11や、杭頭キャップ1のストッパー3に設けた止水リング5は、何れの必ずしも設ける必要はなく、状況に応じて設置すればよい。また、前記止水リング5は、必ずしもOリングを用いる必要はなく、耐久性に富み、可撓性を有する部材であれば何れを用いても良い。
【0020】
上述する杭頭キャップ1の取り付け方法を以下に示す。
第1の工程では、図4(a)に示すように、図示しない支持層に支持されるように、地盤9中に場所打ちコンクリート8を用いたコンクリート充填鋼管造の杭6を構築する。
なお、前記杭6を構成する鋼管7の部材長は、前記杭6の全長もしくは半長等、何れの長さを補強するものでもかまわない。また、前記杭6は必ずしもコンクリート充填鋼管造である必要はなく、杭頭部が前記鋼管7で補強されている場所打ちコンクリート造の杭6であれば、何れを構築しても良い。
一方で、工場等において、ベースプレート2の裏面の所定位置に、前記ストッパー3を固着手段14を介して固着するとともに、表面の所定位置に、前記スタッドジベル4を固着手段を介して固着し、杭頭キャップ1を製作しておく。
このとき、前記ベースプレート2に、複数のスタッドジベル4を設置する際には、直交するX及びYの2方向に沿うように、所定の離間間隔を持って格子状に設置する。
【0021】
第2の工程では、図4(b)に示すように、前記杭6を構成する場所打ちコンクリート8の硬化後に、前記鋼管7内の上端面をはつって残存する余盛りを撤去する。
このとき、前記杭6の外周部の地盤9を掘削して杭頭部を露出させた上で、場所打ちコンクリート8の余盛り分をはつり、天端面と鋼管7の上端面とで同一水平面を形成させ、前記杭頭部を平滑化する。また、必要に応じて前記鋼管7の上端面における外周縁にR状や直線上の隅切り11を設ける。
【0022】
第3の工程では、図4(c)に示すように、前記杭頭キャップ1の裏面に、前記鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面を当接するように、前記鋼管7の上面に前記杭頭キャップ1を載置する。
この後、前記杭6の上面に、スタッドジベル4を埋設するように前記基礎水平部材10を構築することにより、構造物の基礎構造が構築されるものである。
【0023】
上述する構成によれば、本発明の杭頭キャップ1は、ベースプレート2と、その表面に固着されたスタッドジベル4と、裏面に固着されたストッパー3とを備えてなり、前記スタッドジベル4が前記基礎水平部材10に埋設されて、杭頭キャップ1と基礎水平部材10が一体化されるものの、杭6はその杭頭部を杭頭キャップ1のベースプレート2とストッパー3により覆われるのみの構成であるため、簡略な構成で基礎水平部材10と杭6の接合部に、水平方向の挙動を拘束するものの、鉛直方向及び回転の挙動を自在とする半剛接合が構成でき、工期短縮、工費削減に大きく寄与することが可能となる。
【0024】
前記基礎水平部材10と杭6とを半剛接合とすることにより、杭頭固定度が小さくできるため、杭頭モーメントも大幅に削減することが可能となる。これに伴い、杭6に生じる最大応力は杭頭部ではなく地中部に移動するが、その数値は杭頭部に最大応力が生じた場合の2/3以下に抑えられるため、杭6の断面合理化を図ることが可能となる。
また、杭頭モーメントが小さいことから、前記基礎水平部材10に作用する応力も小さくなるため、基礎水平部材10の躯体断面、つまり成を小さくすることができ、基礎水平部材10を構築する際の掘削深さを低減でき、山止めの合理化を図ることができるとなるとともに、大幅なコストダウンを図ることが可能となる。
【0025】
前記杭頭キャップ1は、杭頭部を鋼管7で補強した杭6に適用しているため、杭頭キャップ1と杭6との間に生じる回転により、杭6の頭部を構成する場所打ちコンクリート8が次第に圧壊していくといった現象を防止することが可能となる。つまり、地震時に杭頭キャップ1が杭6に対して回転し、杭頭キャップ1の裏面と杭6の杭頭部との接触面積が小さくなった場合にも、杭頭キャップ1の裏面と杭6の外周に位置する鋼管7の上端面とが接触する構成となるため、杭6における場所打ちコンクリート8の圧壊を防止することが可能となり、杭頭固定度は従来と同様であるものの、何れの構造にも大きな損傷を生じない杭6と基礎水平部材10の半剛接合を実現することが可能となる。
なお、前記鋼管7の上端面の外周縁に偶切り11を設けることにより、杭頭キャップ1が杭6に対して回転した際の過大な支圧応力度を防止することが可能となる。また、鋼管7内には場所打ちコンクリート8が充填された形成のため、鋼管7の局部座屈を防止することが可能となる。
【0026】
また、前記杭頭キャップ1を、杭頭部を鋼管7により補強した杭6に適用する構成は、杭6の曲げやせん断耐力を容易に確保することができ、杭6の軸径を杭頭固定時よりさらに小さくすることが可能となる。これに伴い、前記杭6を構築する際に発生する排出土量が大幅に減少するため、産業廃棄物の排出量を大幅に削減することができ、環境負荷を低減することが可能となる。
さらに、軸径の小さい杭6は、既存構造物のリニューアルの際に既存杭と併用して基礎構造を構築する場合にも、既存杭との緩衝を生じにくく、既存杭の再利用等に貢献することが可能となる。
また、地震時に前記杭6が水平移動する際にも、前記杭頭キャップ1のストッパー3により杭6の変位を拘束することから、杭6の鋼管7とストッパー3が接触するのみで、杭6の場所打ちコンクリート8には直接大きな支圧応力が作用することはないため、脆性的な場所打ちコンクリート8の圧壊を防止することが可能となる。
【0027】
また、前記杭頭キャップ1のストッパー3と杭6の鋼管7との間には、クリアランスLが設けられていることから、ストッパー3を一体化したベースプレート2で杭6を覆う際の寸法誤差に容易に対応することが可能となる。
さらに、両者の間にクリアランスLを設けることにより、ストッパー3が、前記杭頭キャップ1の杭6に対する回転を拘束することなく、スムーズに回転することが可能となる。
【0028】
前記杭頭キャップ1のスタッドジベル4が、直交するX及びYの2方向の直線上に格子状に配置されることから、ベースプレート2の外形状に沿った円形状に配置される場合と比較して、基礎水平部材10の配筋に干渉するを避けることができ、基礎水平部材10を構築する際の作業性を大幅に向上し、工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
【0029】
前記杭頭キャップ1を構成するストッパー3の内周面に、一様な止水リング5を設けることから、鋼管7とストッパー3の間に形成されるクリアランスLから、水や泥水等が流入することを防止することが可能となる。
【0030】
(第2の実施の形態)
ところで、第1の実施の形態に示す杭頭キャップ1は、杭6に対して回転だけでなく、鉛直方向の挙動も自在な構成となっており、杭6に引張り力が作用する場合には、これに対応することができない。そこで、第2の実施の形態では、杭6に引張り力が作用する場合にも抵抗できる構成を備えた杭頭キャップ1を示す。
前記杭頭キャップ1は、図5(a)に示すように、第1の実施の形態と同様に、ベースプレート2と、スタッドジベル4と、ストッパー3により構成されている。なお、前記ベースプレート2は、その中央部に前記鋼管7の内径よりも十分小さい開口孔2aが備えられており、該開口孔2aに貫通されるように、鉛直軸状に延在する複数の芯部材12が配置されている。
該芯部材12は、棒鋼鉄筋により構成されており、鉛直状に配されて上端部が前記杭7の上端面より突出するように、下端部が前記杭7を構成する場所打ちコンクリート8に埋設されている。これら複数の該芯部材12の配置位置は、図5(b)に示すように、前記杭7に杭頭キャップ1を設置した際に、杭頭キャップ1の開口孔2aの内周縁に当接する位置、つまり前記鋼管7の中心軸を中心とし、前記開口孔2aより略小さい径を有する円上に、所定の離間距離を持って配されている。なお、複数の該芯部材12は、相互間の位置決めを容易にすることを目的に、フープ筋13を介して連結されている。
【0031】
これらは、図5(a)に示すように、前記芯部材12がベースプレート2の開口孔2aを貫通した状態で、下端部を前記杭6に、上端部を前記基礎水平部材10に埋設されている。このような構成は、前記杭6の上部に配置される基礎水平部材10に、前記杭6に下端部近傍を一体化された前記芯部材12の上端部近傍が埋設されることにより、前記杭6に引張り力が生じた際にも、前記芯部材12が抵抗し、半剛接合を保持するものである。
なお、本実施の形態において、前記芯部材12には複数の棒鋼鉄筋を用いたが、必ずしもこれにこだわるものではなく、単数もしくは複数の鉄骨材等の引張り力に耐えうる部材であれば、何れを用いても良い。但し、前記芯部材12に鉄骨材を用いる場合には、場所打ちコンクリート8との定着強度を向上させることを目的に、スタッドジベルやウィングプレートや支圧板等を設けることとする。
【0032】
上述する杭頭キャップ1の取り付け方法を以下に示す。
第1の工程では、図6(a)に示すように、まず、第1の実施の形態と同様に、図示しない支持層に支持されるように、地盤9中に場所打ちコンクリートを用いたコンクリート充填鋼管造の杭6を構築する一方で、ベースプレート2の表面の所定位置に、ストッパー3を固着手段を介して固着するとともに、裏面の所定位置に、スタッドジベル4を固着手段を介して固着し、前記芯部材12を除く杭頭キャップ1を製作しておく。
この後、複数の前記芯部材12をフープ筋13で連結することによりあらかじめ一体化しておき、前記杭6を構成する場所打ちコンクリート8の硬化前に、前記鋼管7内の所定位置で、鋼管7の上端面より芯部材12の上端部が鉛直に突出するように下端部を場所打ちコンクリート8に埋設する。
このとき、前記鋼管7の上方で所定の位置に、図示しない井桁治具を配置し、該井桁治具を用いて前記鋼管7の内方における複数の芯部材12の配置位置、及び高さ位置を位置決めしても良い。なお、前記芯部材12は、場所打ちコンクリート8の打設前に建て込んでおいても良い。
【0033】
第2の工程では、図6(b)に示すように、前記杭6を構成するコンクリート8の硬化後に、前記鋼管7内の上端面をはつり、残存する余盛りを撤去する。
このとき、前記杭6の外周部を掘削して杭頭部を露出させた上で、コンクリート8余盛り分をはつるが、コンクリート8の養生の際に、前記芯部材12を発泡材等で保護しておくことにより、はつり作業を容易に行うことができるものである。
【0034】
第3の工程では、図6(c)に示すように、前記ベースプレート2の開口孔2aに、前記芯部材12を貫通させるとともに、裏面に、前記鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面を当接するように、前記鋼管7の上面に前記杭頭キャップ1を載置する。
この後、前記杭6の上面に、スタッドジベル4及び芯部材12の上端部を埋設するように基礎水平部材10を施工することにより、構造物の基礎構造が構築されるものである。
【0035】
上述する構成によれば、前記杭頭キャップ1は、前記ベースプレート2の中央部に開口孔2aが設けられるとともに、該開口孔2aを貫通し、上端部を基礎水平部材10、下端部を杭6に固定される複数の芯部材12が備えられることから、基礎水平部材10と杭6の半剛接合を維持した状態で、前記杭6に引張り力が生じた際にも抵抗することが可能となるだけでなく、せん断耐力及び剛性を向上することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】
請求項1記載の杭頭キャップによれば、少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部に設置される杭頭キャップであって、前記鋼管と比較して大きい断面径を有する相似形に成形される鋼板よりなるベースプレートと、該ベースプレートの裏面で外周縁に沿って、裏面より突出するように設置されるリング形状のストッパーと、前記ベースプレートの表面に、所定の離間間隔をもって設置される複数のスタッドジベルにより構成され、前記ベースプレートの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するようにして、前記杭の頭部を覆うように配置されるとともに、前記ストッパーの内径が、前記鋼管の外径より大きく形成されて、前記ストッパーと鋼管との間にクリアランスが設けられることから、杭頭キャップの上面にこれと一体となるように基礎水平部材を構築することにより、簡略な構成で基礎水平部材と杭とを半剛接合とすることができるため、杭頭固定度を小さくでき、杭頭モーメントも大幅に削減することが可能となる。これに伴い、杭に生じる最大応力は杭頭部ではなく地中部に移動するが、その数値は杭頭部に最大応力が生じた場合の2/3以下に抑えられるため、杭の断面合理化を図ることが可能となる。
また、杭頭モーメントが小さいことから、前記基礎水平部材に作用する応力も小さくなるため、基礎水平部材の躯体断面、つまり成を小さくすることができ、基礎水平部材を構築する際の掘削深さを低減でき、山止めの合理化を図ることができるとなるとともに、大幅なコストダウンを図ることが可能となる。
【0037】
地震時に杭頭キャップが杭に対して回転し、杭頭キャップの裏面と杭の杭頭部との接触面積が小さくなった場合にも、杭頭キャップの裏面と杭の外周に位置する鋼管の上端面とが接触する構成となるため、杭における場所打ちコンクリートの圧壊を防止することが可能となり、杭頭固定度は従来と同様であるものの、何れの構造にも大きな損傷を生じない杭と基礎水平部材の半剛接合を実現することが可能となる。
なお、前記鋼管の上端面の外周縁に偶切りを設けることにより、杭頭キャップが杭に対して回転した際の過大な支圧応力度を防止することが可能となる。
【0038】
また、前記杭頭キャップを、杭頭部を鋼管により補強した杭に適用する構成は、杭の曲げやせん断耐力を容易に確保することができ、杭の軸径を杭頭固定時よりさらに小さくすることが可能となる。
これに伴い、前記杭を構築する際に発生するの排出土量が大幅に減少するため、産業廃棄物の排出量を大幅に削減することができ、環境負荷を低減することが可能となる。
さらに、軸径の小さい杭は、既存構造物のリニューアルの際に既存杭と併用して基礎を構築する場合にも、既存杭との干渉を生じにくく、既存杭の再利用等に貢献することが可能となる。
また、地震時に前記杭が水平移動する際にも、前記杭頭キャップのストッパーにより杭の変位を拘束することから、杭の鋼管とストッパーが接触するのみで、杭の場所打ちコンクリートには直接大きな支圧応力が作用することはないため、脆性的な場所打ちコンクリートの圧壊を防止することが可能となる。
【0039】
また、前記杭頭キャップを構成するストッパーの内径を杭を構成する鋼管の外径より大きく形成することにより、杭の鋼管との間には、クリアランスLが設けられることから、ストッパーを一体化したベースプレートで杭を覆う際の寸法誤差に容易に対応することが可能となる。
さらに、両者の間にクリアランスLを設けることにより、ストッパーが、前記杭頭キャップの杭に対する回転を拘束することはなく、スムーズに回転することが可能となる。
【0040】
請求項2記載の杭頭キャップによれば、前記ベースプレートの中央部に、開口孔が備えられているとともに、前記杭の中央部近傍には、鉛直状に配され、上端部近傍が該杭の上端面より突出するように配された複数の芯部材が、前記杭中心を中心点とした前記開口孔より略小さい径を有する円上に、所定の離間間隔を配置されており、複数の該芯部材が、前記ベースプレートの開口孔に貫通されることから、基礎水平部材と杭の半剛接合を維持した状態で、前記杭に引張り力が生じた際にも抵抗することが可能となるだけでなく、せん断耐力及び剛性を向上することが可能となる。
【0041】
請求項3記載の杭頭キャップによれば、前記ベースプレートの表面に配される複数のスタッドジベルが、直交する2方向に沿って格子状に設置されることから、ベースプレートの外形状に沿った形状に配置される場合と比較して、基礎水平部材の配筋に干渉するを避けることができ、基礎水平部材を構築する際の作業性を大幅に向上し、工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
【0042】
請求項4記載の杭頭キャップによれば、前記ストッパーの内周面で所定の高さ位置に、前記鋼管の側面と当接する止水リングが、一様に設置されることから、鋼管とストッパーの間に形成されるクリアランスLから、水や泥水等が流入することを防止することが可能となる。
【0043】
請求項5及び6記載の杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法によれば、少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部と該場所打ちコンクリート杭の上方に配される基礎水平部材とを半剛接合するための杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法であって、支持層に支持されるように、地盤中に少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭を構築する一方で、ベースプレートの裏面の所定位置に、ストッパーを固着手段を介して固着するとともに、表面の所定位置に、スタッドジベルを固着手段を介して固着し、杭頭キャップを製作しておく第1の工程と、前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化後に、前記鋼管内の上端面をはつって残存する余盛りを撤去し、前記鋼管の上端面と場所打ちコンクリートの天端面を同一レベルに形成する第2の工程と、前記杭頭キャップの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するように、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置し、該杭頭キャップの上面に基礎水平部材を構築する第3の工程により構成される。
【0044】
もしくは、第1の工程において、ベースプレートの中央部に所定の径を有する開口孔を設けておくとともに、前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化前に、前記鋼管内の所定位置に複数の芯部材を配置し、該芯部材の上端部が鉛直に突出するようにその下端部を前記場所打ちコンクリートに埋設し、第3の工程で、前記杭頭キャップの開口孔に、前記芯部材を貫通させながら、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置する。
これにより、簡略な構成で施工性が良く、工期短縮、工費削減に大きく寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の杭頭キャップを用いた杭と基礎水平部材の接合構造を示す図である。
【図2】本発明に係る杭頭キャップの詳細を示す図である。
【図3】本発明に係る杭頭キャップと杭の挙動を示す図である。
【図4】本発明に係る杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法を示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態の杭頭キャップを用いた杭と基礎水平部材の接合構造を示す図である。
【図6】本発明に係る第2の実施の形態の杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法を示す図である。
【符号の説明】
1 杭頭キャップ
2 ベースプレート
3 ストッパー
3a 凹部
4 スタッドジベル
5 止水リング
6 杭
7 鋼管
8 場所打ちコンクリート
9 地盤
10 基礎水平部材
11 隅切り
12 芯部材
13 フープ筋
14 固着手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、杭頭部が鋼管補強されている杭に用いる杭頭キャップ、及び杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、場所打ちコンクリート杭は、低コストで大口径にも対応できる工法として一般に用いられているが、近年では杭の耐震性を向上させることを目的に、前記場所打ちコンクリート杭の杭頭部に鋼管を巻き付け、杭の曲げやせん断耐力を確保する構成が広く用いられている。
このような、杭頭部に鋼管を巻き付けた場所打ちコンクリート杭は、杭頭部が基礎梁等の基礎水平部材に固定される構成が一般的であったが、地震時の杭体の損傷防止や基礎水平部材への杭頭応力低減を目的に、杭頭部を基礎水平部材にピン結合する構成や非特許文献1に示すような半剛接合する構成が考案されている。
【0003】
【非特許文献1】
片岡隆広、吉川真次、井川望、佐竹啓一、「場所打ちコンクリート杭の杭頭半剛接合に関する実験研究」、日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)、2002年8月、構造I、No.20258、p.515−516
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述するような杭頭部を基礎水平部材に剛結合せず、ピン結合や半剛接合する構成は、その効果が高いもののコストアップになる場合が多いために一般に普及しておらず、低コストの杭頭接合方法が求められている。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、安価で地震時の杭体の損傷防止、基礎水平部材への杭頭応力低減に効果の高い杭頭キャップ、及び杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の杭頭キャップは、少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部に設置される杭頭キャップであって、前記鋼管と比較して大きい断面径を有する相似形に成形される鋼板よりなるベースプレートと、該ベースプレートの裏面で外周縁に沿って、裏面より突出するように設置されるリング形状のストッパーと、前記ベースプレートの表面に、所定の離間間隔をもって設置される複数のスタッドジベルにより構成され、前記ベースプレートの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するようにして、前記杭の頭部を覆うように配置されるとともに、前記ストッパーの内径が、前記鋼管の外径より大きく形成されて、前記ストッパーと鋼管との間にクリアランスが設けられることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の杭頭キャップは、前記ベースプレートの中央部に、開口孔が備えられているとともに、前記杭の中央部近傍には、鉛直状に配され、上端部近傍が該杭の上端面より突出するように配された複数の芯部材が、前記杭中心を中心点とした前記開口孔より略小さい径を有する円上に、所定の離間間隔を配置されており、複数の該芯部材が、前記ベースプレートの開口孔に貫通されることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の杭頭キャップは、前記ベースプレートの表面に配される複数のスタッドジベルが、直交する2方向に沿って格子状に設置されることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の杭頭キャップは、前記ストッパーの内周面で所定の高さ位置に、前記鋼管の側面と当接する止水リングが、一様に設置されることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法は、少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部と該場所打ちコンクリート杭の上方に配される基礎水平部材とを半剛剛接合するための杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法であって、支持層に支持されるように、地盤中に少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭を構築する一方で、ベースプレートの裏面の所定位置に、ストッパーを固着手段を介して固着するとともに、表面の所定位置に、スタッドジベルを固着手段を介して固着し、杭頭キャップを製作しておく第1の工程と、前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化後に、前記鋼管内の上端面をはつって残存する余盛りを撤去し、前記鋼管の上端面と場所打ちコンクリートの天端面を同一レベルに形成する第2の工程と、前記杭頭キャップの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するように、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置し、該杭頭キャップの上面に基礎水平部材を構築する第3の工程により構成されることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法は、第1の工程において、ベースプレートの中央部に所定の径を有する開口孔を設けておくとともに、前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化前に、前記鋼管内の所定位置に複数の芯部材を配置し、該芯部材の上端部が鉛直に突出するようにその下端部を前記場所打ちコンクリートに埋設し、第3の工程で、前記杭頭キャップの開口孔に、前記芯部材を貫通させながら、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の杭頭キャップは、杭頭部近傍を鋼管で補強されている杭と、該杭の上部に配される基礎梁や基礎スラブ等よりなる基礎水平部材との間に配され、前記基礎水平部材の下面には一体化されるものの、前記杭の頭部にはこれを覆うように載置されるのみの構成とすることにより、杭頭部と基礎水平部材の接合構造を半剛接合とする構成であるため、地震等が生じると杭頭キャップに対して杭頭部が自在に回転し、杭頭固定度を小さくして杭頭モーメントを大幅に低減させるものである。
なお、本実施の形態では、杭頭キャップを用いる杭にコンクリート充填鋼管造を用いることとし、杭頭キャップ及びその取り付け方法を詳述する。なお、本発明に用いる杭は、必ずしもコンクリート充填鋼管造にこだわるものではなく、杭頭部が鋼管により補強されていれば、何れの杭にも適用できるものである。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1(a)に示すように、地盤9中に鉛直状に配された鋼管7と、該鋼管7の内方を充填する場所打ちコンクリート8とによりなるコンクリート充填鋼管造の杭6の杭頭部には、杭頭キャップ1が設置されている。
該杭頭キャップ1は、ベースプレート2と、スタッドジベル4と、ストッパー3により構成されている。該ベースプレート2は、前記鋼管7より略大きい断面径よりなる円盤型の鋼板により形成され、その表面には、所定の離間間隔を持って配置された複数のスタッドジベル4が、表面から直交して突出するようにして溶接等の固着手段を介して固着されている。
また、ベースプレート2の裏面には、該ベースプレート2と同様の断面径を有するリング形状のストッパー3が、裏面より直交して一様に突出するように、外周縁に沿って溶接等の固着手段14を介して固着されている。該ストッパー3は、その内径が鋼管7の外径より大きく形成されており、ストッパー3と前記鋼管7を同軸状で重ね合わせても、両者は抵触することがなく、クリアランスLを有するように形成されている。
【0014】
一方で、前記杭6は、その杭頭部を形成する前記鋼管7の上端面が、水平面を形成するように平滑化処理を施されているとともに、該鋼管7を充填する場所打ちコンクリート8の天端面も、鋼管7の上端面と同一水平面を形成し、同じく平滑となるようにはつり処理が施されている。本実施の形態において、鋼管7を充填する場所打ちコンクリート8は、無筋コンクリートを用いているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、鉄筋コンクリートとしても良い。
【0015】
これらの杭頭部を有する杭6に対し、前記杭頭キャップ1は、裏面が、前記杭6の頭部を形成する鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面の両者と面どうしで接するようにして、杭頭部全体を覆うように載置されている。また、表面が、前記スタッドジベル4を内包するようにして構築された前記基礎水平部材10の下面に埋設されている。
このような構成は、杭6と杭頭キャップ1が面どうしで当接しているため、杭6からの応力を、杭頭キャップ1が一体化されている基礎水平部材10に、スムーズに伝達することができるものである。また、杭頭キャップ1と基礎水平部材10の一体化には、スタッドジベル4が用いられているため、杭6からのせん断力をスムーズに杭頭キャップ1を介して基礎水平部材10に伝達することができるものである。
【0016】
一方で、該杭頭キャップ1は、ベースプレート2とストッパー3を用いて前記杭6の頭部を覆う構成となるため、杭6の頭部における水平方向の挙動が前記ストッパー3により拘束されることとなるが、杭頭キャップ1は杭6に接合されていない半剛接合に形成されているため、鉛直方向及び回転に係る挙動は自在な構成となっている。これにより、図3(a)(b)に示すように、地震等が発生し、前記杭6が杭頭キャップ1に対して回転するような挙動を示すと、両者の接触面に僅かな離間Aが形成されるのみで、杭頭キャップ1及び杭頭キャップ1が一体化された基礎水平部材10には大きな曲げモーメントが伝達されることはない。このように、基礎水平部材10の下面に一体化された杭頭キャップ1で杭6の頭部を覆うことで、基礎水平部材10と杭6の接合構造に半剛接合を形成することにより、杭頭固定度が大きく低下しこれに伴い、杭頭モーメントも大幅に減少するものである。
【0017】
なお、図1(a)に示すように、前記ストッパー3は、内径が鋼管7の外径より大きく形成されているため、該杭頭キャップ1を杭6に載置しても、両者の間にはクリアランスLが設けられている。これにより、前記杭6は、杭頭キャップ1より回転拘束を受けない構成となっている。
【0018】
また、ベースプレート2の表面に固着されている複数のスタッドジベル4は、鉄筋コンクリート造の基礎水平部材10の下面に内包される際に、基礎水平部材10を構成する図示しない鉄筋との配筋干渉を避けることを目的に、図1(b)に示すように、直交するX及びYの2方向に沿った格子状に配置している。
【0019】
ところで、地震等が発生し、前記杭6が回転すると、鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面の両者で杭頭キャップ1に接触していた杭頭部の面積が小さくなり、杭頭キャップ1の裏面との接触する部位が、鋼管7の上端面における外周縁の一部部分のみとなる。そこで、本実施の形態では、図2に示すように、前記鋼管7の上端面で外周縁にR加工した隅切り11を設け、過大な支圧応力度を防止するものである。
また、前記杭頭キャップ1を構成するストッパー3の内周面には、所定の高さ位置に凹部3aが設けられており、該凹部3aに嵌合するように一様な止水リング5が設けられている。該止水リング5は、前記杭頭キャップ1を杭6に載置した際に、鋼管7とストッパー3の間に形成されるクリアランスを塞ぐことを目的として設けられるもので、杭頭キャップ1と杭6との間に水や泥水等が流入することを防ぐものである。本実施の形態では、止水リング5に、建物寿命の以上の耐久性を有することで一般に知られているリング状のゴム材よりなるOリングを用いているため、杭6の頭部が回転した際には、止水リング5の断面が収縮し、回転を阻害することはない。
これら前記杭6を構成する鋼管7に設けた隅切り11や、杭頭キャップ1のストッパー3に設けた止水リング5は、何れの必ずしも設ける必要はなく、状況に応じて設置すればよい。また、前記止水リング5は、必ずしもOリングを用いる必要はなく、耐久性に富み、可撓性を有する部材であれば何れを用いても良い。
【0020】
上述する杭頭キャップ1の取り付け方法を以下に示す。
第1の工程では、図4(a)に示すように、図示しない支持層に支持されるように、地盤9中に場所打ちコンクリート8を用いたコンクリート充填鋼管造の杭6を構築する。
なお、前記杭6を構成する鋼管7の部材長は、前記杭6の全長もしくは半長等、何れの長さを補強するものでもかまわない。また、前記杭6は必ずしもコンクリート充填鋼管造である必要はなく、杭頭部が前記鋼管7で補強されている場所打ちコンクリート造の杭6であれば、何れを構築しても良い。
一方で、工場等において、ベースプレート2の裏面の所定位置に、前記ストッパー3を固着手段14を介して固着するとともに、表面の所定位置に、前記スタッドジベル4を固着手段を介して固着し、杭頭キャップ1を製作しておく。
このとき、前記ベースプレート2に、複数のスタッドジベル4を設置する際には、直交するX及びYの2方向に沿うように、所定の離間間隔を持って格子状に設置する。
【0021】
第2の工程では、図4(b)に示すように、前記杭6を構成する場所打ちコンクリート8の硬化後に、前記鋼管7内の上端面をはつって残存する余盛りを撤去する。
このとき、前記杭6の外周部の地盤9を掘削して杭頭部を露出させた上で、場所打ちコンクリート8の余盛り分をはつり、天端面と鋼管7の上端面とで同一水平面を形成させ、前記杭頭部を平滑化する。また、必要に応じて前記鋼管7の上端面における外周縁にR状や直線上の隅切り11を設ける。
【0022】
第3の工程では、図4(c)に示すように、前記杭頭キャップ1の裏面に、前記鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面を当接するように、前記鋼管7の上面に前記杭頭キャップ1を載置する。
この後、前記杭6の上面に、スタッドジベル4を埋設するように前記基礎水平部材10を構築することにより、構造物の基礎構造が構築されるものである。
【0023】
上述する構成によれば、本発明の杭頭キャップ1は、ベースプレート2と、その表面に固着されたスタッドジベル4と、裏面に固着されたストッパー3とを備えてなり、前記スタッドジベル4が前記基礎水平部材10に埋設されて、杭頭キャップ1と基礎水平部材10が一体化されるものの、杭6はその杭頭部を杭頭キャップ1のベースプレート2とストッパー3により覆われるのみの構成であるため、簡略な構成で基礎水平部材10と杭6の接合部に、水平方向の挙動を拘束するものの、鉛直方向及び回転の挙動を自在とする半剛接合が構成でき、工期短縮、工費削減に大きく寄与することが可能となる。
【0024】
前記基礎水平部材10と杭6とを半剛接合とすることにより、杭頭固定度が小さくできるため、杭頭モーメントも大幅に削減することが可能となる。これに伴い、杭6に生じる最大応力は杭頭部ではなく地中部に移動するが、その数値は杭頭部に最大応力が生じた場合の2/3以下に抑えられるため、杭6の断面合理化を図ることが可能となる。
また、杭頭モーメントが小さいことから、前記基礎水平部材10に作用する応力も小さくなるため、基礎水平部材10の躯体断面、つまり成を小さくすることができ、基礎水平部材10を構築する際の掘削深さを低減でき、山止めの合理化を図ることができるとなるとともに、大幅なコストダウンを図ることが可能となる。
【0025】
前記杭頭キャップ1は、杭頭部を鋼管7で補強した杭6に適用しているため、杭頭キャップ1と杭6との間に生じる回転により、杭6の頭部を構成する場所打ちコンクリート8が次第に圧壊していくといった現象を防止することが可能となる。つまり、地震時に杭頭キャップ1が杭6に対して回転し、杭頭キャップ1の裏面と杭6の杭頭部との接触面積が小さくなった場合にも、杭頭キャップ1の裏面と杭6の外周に位置する鋼管7の上端面とが接触する構成となるため、杭6における場所打ちコンクリート8の圧壊を防止することが可能となり、杭頭固定度は従来と同様であるものの、何れの構造にも大きな損傷を生じない杭6と基礎水平部材10の半剛接合を実現することが可能となる。
なお、前記鋼管7の上端面の外周縁に偶切り11を設けることにより、杭頭キャップ1が杭6に対して回転した際の過大な支圧応力度を防止することが可能となる。また、鋼管7内には場所打ちコンクリート8が充填された形成のため、鋼管7の局部座屈を防止することが可能となる。
【0026】
また、前記杭頭キャップ1を、杭頭部を鋼管7により補強した杭6に適用する構成は、杭6の曲げやせん断耐力を容易に確保することができ、杭6の軸径を杭頭固定時よりさらに小さくすることが可能となる。これに伴い、前記杭6を構築する際に発生する排出土量が大幅に減少するため、産業廃棄物の排出量を大幅に削減することができ、環境負荷を低減することが可能となる。
さらに、軸径の小さい杭6は、既存構造物のリニューアルの際に既存杭と併用して基礎構造を構築する場合にも、既存杭との緩衝を生じにくく、既存杭の再利用等に貢献することが可能となる。
また、地震時に前記杭6が水平移動する際にも、前記杭頭キャップ1のストッパー3により杭6の変位を拘束することから、杭6の鋼管7とストッパー3が接触するのみで、杭6の場所打ちコンクリート8には直接大きな支圧応力が作用することはないため、脆性的な場所打ちコンクリート8の圧壊を防止することが可能となる。
【0027】
また、前記杭頭キャップ1のストッパー3と杭6の鋼管7との間には、クリアランスLが設けられていることから、ストッパー3を一体化したベースプレート2で杭6を覆う際の寸法誤差に容易に対応することが可能となる。
さらに、両者の間にクリアランスLを設けることにより、ストッパー3が、前記杭頭キャップ1の杭6に対する回転を拘束することなく、スムーズに回転することが可能となる。
【0028】
前記杭頭キャップ1のスタッドジベル4が、直交するX及びYの2方向の直線上に格子状に配置されることから、ベースプレート2の外形状に沿った円形状に配置される場合と比較して、基礎水平部材10の配筋に干渉するを避けることができ、基礎水平部材10を構築する際の作業性を大幅に向上し、工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
【0029】
前記杭頭キャップ1を構成するストッパー3の内周面に、一様な止水リング5を設けることから、鋼管7とストッパー3の間に形成されるクリアランスLから、水や泥水等が流入することを防止することが可能となる。
【0030】
(第2の実施の形態)
ところで、第1の実施の形態に示す杭頭キャップ1は、杭6に対して回転だけでなく、鉛直方向の挙動も自在な構成となっており、杭6に引張り力が作用する場合には、これに対応することができない。そこで、第2の実施の形態では、杭6に引張り力が作用する場合にも抵抗できる構成を備えた杭頭キャップ1を示す。
前記杭頭キャップ1は、図5(a)に示すように、第1の実施の形態と同様に、ベースプレート2と、スタッドジベル4と、ストッパー3により構成されている。なお、前記ベースプレート2は、その中央部に前記鋼管7の内径よりも十分小さい開口孔2aが備えられており、該開口孔2aに貫通されるように、鉛直軸状に延在する複数の芯部材12が配置されている。
該芯部材12は、棒鋼鉄筋により構成されており、鉛直状に配されて上端部が前記杭7の上端面より突出するように、下端部が前記杭7を構成する場所打ちコンクリート8に埋設されている。これら複数の該芯部材12の配置位置は、図5(b)に示すように、前記杭7に杭頭キャップ1を設置した際に、杭頭キャップ1の開口孔2aの内周縁に当接する位置、つまり前記鋼管7の中心軸を中心とし、前記開口孔2aより略小さい径を有する円上に、所定の離間距離を持って配されている。なお、複数の該芯部材12は、相互間の位置決めを容易にすることを目的に、フープ筋13を介して連結されている。
【0031】
これらは、図5(a)に示すように、前記芯部材12がベースプレート2の開口孔2aを貫通した状態で、下端部を前記杭6に、上端部を前記基礎水平部材10に埋設されている。このような構成は、前記杭6の上部に配置される基礎水平部材10に、前記杭6に下端部近傍を一体化された前記芯部材12の上端部近傍が埋設されることにより、前記杭6に引張り力が生じた際にも、前記芯部材12が抵抗し、半剛接合を保持するものである。
なお、本実施の形態において、前記芯部材12には複数の棒鋼鉄筋を用いたが、必ずしもこれにこだわるものではなく、単数もしくは複数の鉄骨材等の引張り力に耐えうる部材であれば、何れを用いても良い。但し、前記芯部材12に鉄骨材を用いる場合には、場所打ちコンクリート8との定着強度を向上させることを目的に、スタッドジベルやウィングプレートや支圧板等を設けることとする。
【0032】
上述する杭頭キャップ1の取り付け方法を以下に示す。
第1の工程では、図6(a)に示すように、まず、第1の実施の形態と同様に、図示しない支持層に支持されるように、地盤9中に場所打ちコンクリートを用いたコンクリート充填鋼管造の杭6を構築する一方で、ベースプレート2の表面の所定位置に、ストッパー3を固着手段を介して固着するとともに、裏面の所定位置に、スタッドジベル4を固着手段を介して固着し、前記芯部材12を除く杭頭キャップ1を製作しておく。
この後、複数の前記芯部材12をフープ筋13で連結することによりあらかじめ一体化しておき、前記杭6を構成する場所打ちコンクリート8の硬化前に、前記鋼管7内の所定位置で、鋼管7の上端面より芯部材12の上端部が鉛直に突出するように下端部を場所打ちコンクリート8に埋設する。
このとき、前記鋼管7の上方で所定の位置に、図示しない井桁治具を配置し、該井桁治具を用いて前記鋼管7の内方における複数の芯部材12の配置位置、及び高さ位置を位置決めしても良い。なお、前記芯部材12は、場所打ちコンクリート8の打設前に建て込んでおいても良い。
【0033】
第2の工程では、図6(b)に示すように、前記杭6を構成するコンクリート8の硬化後に、前記鋼管7内の上端面をはつり、残存する余盛りを撤去する。
このとき、前記杭6の外周部を掘削して杭頭部を露出させた上で、コンクリート8余盛り分をはつるが、コンクリート8の養生の際に、前記芯部材12を発泡材等で保護しておくことにより、はつり作業を容易に行うことができるものである。
【0034】
第3の工程では、図6(c)に示すように、前記ベースプレート2の開口孔2aに、前記芯部材12を貫通させるとともに、裏面に、前記鋼管7の上端面及び場所打ちコンクリート8の天端面を当接するように、前記鋼管7の上面に前記杭頭キャップ1を載置する。
この後、前記杭6の上面に、スタッドジベル4及び芯部材12の上端部を埋設するように基礎水平部材10を施工することにより、構造物の基礎構造が構築されるものである。
【0035】
上述する構成によれば、前記杭頭キャップ1は、前記ベースプレート2の中央部に開口孔2aが設けられるとともに、該開口孔2aを貫通し、上端部を基礎水平部材10、下端部を杭6に固定される複数の芯部材12が備えられることから、基礎水平部材10と杭6の半剛接合を維持した状態で、前記杭6に引張り力が生じた際にも抵抗することが可能となるだけでなく、せん断耐力及び剛性を向上することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】
請求項1記載の杭頭キャップによれば、少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部に設置される杭頭キャップであって、前記鋼管と比較して大きい断面径を有する相似形に成形される鋼板よりなるベースプレートと、該ベースプレートの裏面で外周縁に沿って、裏面より突出するように設置されるリング形状のストッパーと、前記ベースプレートの表面に、所定の離間間隔をもって設置される複数のスタッドジベルにより構成され、前記ベースプレートの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するようにして、前記杭の頭部を覆うように配置されるとともに、前記ストッパーの内径が、前記鋼管の外径より大きく形成されて、前記ストッパーと鋼管との間にクリアランスが設けられることから、杭頭キャップの上面にこれと一体となるように基礎水平部材を構築することにより、簡略な構成で基礎水平部材と杭とを半剛接合とすることができるため、杭頭固定度を小さくでき、杭頭モーメントも大幅に削減することが可能となる。これに伴い、杭に生じる最大応力は杭頭部ではなく地中部に移動するが、その数値は杭頭部に最大応力が生じた場合の2/3以下に抑えられるため、杭の断面合理化を図ることが可能となる。
また、杭頭モーメントが小さいことから、前記基礎水平部材に作用する応力も小さくなるため、基礎水平部材の躯体断面、つまり成を小さくすることができ、基礎水平部材を構築する際の掘削深さを低減でき、山止めの合理化を図ることができるとなるとともに、大幅なコストダウンを図ることが可能となる。
【0037】
地震時に杭頭キャップが杭に対して回転し、杭頭キャップの裏面と杭の杭頭部との接触面積が小さくなった場合にも、杭頭キャップの裏面と杭の外周に位置する鋼管の上端面とが接触する構成となるため、杭における場所打ちコンクリートの圧壊を防止することが可能となり、杭頭固定度は従来と同様であるものの、何れの構造にも大きな損傷を生じない杭と基礎水平部材の半剛接合を実現することが可能となる。
なお、前記鋼管の上端面の外周縁に偶切りを設けることにより、杭頭キャップが杭に対して回転した際の過大な支圧応力度を防止することが可能となる。
【0038】
また、前記杭頭キャップを、杭頭部を鋼管により補強した杭に適用する構成は、杭の曲げやせん断耐力を容易に確保することができ、杭の軸径を杭頭固定時よりさらに小さくすることが可能となる。
これに伴い、前記杭を構築する際に発生するの排出土量が大幅に減少するため、産業廃棄物の排出量を大幅に削減することができ、環境負荷を低減することが可能となる。
さらに、軸径の小さい杭は、既存構造物のリニューアルの際に既存杭と併用して基礎を構築する場合にも、既存杭との干渉を生じにくく、既存杭の再利用等に貢献することが可能となる。
また、地震時に前記杭が水平移動する際にも、前記杭頭キャップのストッパーにより杭の変位を拘束することから、杭の鋼管とストッパーが接触するのみで、杭の場所打ちコンクリートには直接大きな支圧応力が作用することはないため、脆性的な場所打ちコンクリートの圧壊を防止することが可能となる。
【0039】
また、前記杭頭キャップを構成するストッパーの内径を杭を構成する鋼管の外径より大きく形成することにより、杭の鋼管との間には、クリアランスLが設けられることから、ストッパーを一体化したベースプレートで杭を覆う際の寸法誤差に容易に対応することが可能となる。
さらに、両者の間にクリアランスLを設けることにより、ストッパーが、前記杭頭キャップの杭に対する回転を拘束することはなく、スムーズに回転することが可能となる。
【0040】
請求項2記載の杭頭キャップによれば、前記ベースプレートの中央部に、開口孔が備えられているとともに、前記杭の中央部近傍には、鉛直状に配され、上端部近傍が該杭の上端面より突出するように配された複数の芯部材が、前記杭中心を中心点とした前記開口孔より略小さい径を有する円上に、所定の離間間隔を配置されており、複数の該芯部材が、前記ベースプレートの開口孔に貫通されることから、基礎水平部材と杭の半剛接合を維持した状態で、前記杭に引張り力が生じた際にも抵抗することが可能となるだけでなく、せん断耐力及び剛性を向上することが可能となる。
【0041】
請求項3記載の杭頭キャップによれば、前記ベースプレートの表面に配される複数のスタッドジベルが、直交する2方向に沿って格子状に設置されることから、ベースプレートの外形状に沿った形状に配置される場合と比較して、基礎水平部材の配筋に干渉するを避けることができ、基礎水平部材を構築する際の作業性を大幅に向上し、工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
【0042】
請求項4記載の杭頭キャップによれば、前記ストッパーの内周面で所定の高さ位置に、前記鋼管の側面と当接する止水リングが、一様に設置されることから、鋼管とストッパーの間に形成されるクリアランスLから、水や泥水等が流入することを防止することが可能となる。
【0043】
請求項5及び6記載の杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法によれば、少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部と該場所打ちコンクリート杭の上方に配される基礎水平部材とを半剛接合するための杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法であって、支持層に支持されるように、地盤中に少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭を構築する一方で、ベースプレートの裏面の所定位置に、ストッパーを固着手段を介して固着するとともに、表面の所定位置に、スタッドジベルを固着手段を介して固着し、杭頭キャップを製作しておく第1の工程と、前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化後に、前記鋼管内の上端面をはつって残存する余盛りを撤去し、前記鋼管の上端面と場所打ちコンクリートの天端面を同一レベルに形成する第2の工程と、前記杭頭キャップの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するように、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置し、該杭頭キャップの上面に基礎水平部材を構築する第3の工程により構成される。
【0044】
もしくは、第1の工程において、ベースプレートの中央部に所定の径を有する開口孔を設けておくとともに、前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化前に、前記鋼管内の所定位置に複数の芯部材を配置し、該芯部材の上端部が鉛直に突出するようにその下端部を前記場所打ちコンクリートに埋設し、第3の工程で、前記杭頭キャップの開口孔に、前記芯部材を貫通させながら、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置する。
これにより、簡略な構成で施工性が良く、工期短縮、工費削減に大きく寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の杭頭キャップを用いた杭と基礎水平部材の接合構造を示す図である。
【図2】本発明に係る杭頭キャップの詳細を示す図である。
【図3】本発明に係る杭頭キャップと杭の挙動を示す図である。
【図4】本発明に係る杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法を示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態の杭頭キャップを用いた杭と基礎水平部材の接合構造を示す図である。
【図6】本発明に係る第2の実施の形態の杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法を示す図である。
【符号の説明】
1 杭頭キャップ
2 ベースプレート
3 ストッパー
3a 凹部
4 スタッドジベル
5 止水リング
6 杭
7 鋼管
8 場所打ちコンクリート
9 地盤
10 基礎水平部材
11 隅切り
12 芯部材
13 フープ筋
14 固着手段
Claims (6)
- 少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部に設置される杭頭キャップであって、
前記鋼管と比較して大きい断面径を有する相似形に成形される鋼板よりなるベースプレートと、
該ベースプレートの裏面で外周縁に沿って、裏面より突出するように設置されるリング形状のストッパーと、
前記ベースプレートの表面に、所定の離間間隔をもって設置される複数のスタッドジベルにより構成され、
前記ベースプレートの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するようにして、前記杭の頭部を覆うように配置されるとともに、
前記ストッパーの内径が、前記鋼管の外径より大きく形成されて、前記ストッパーと鋼管との間にクリアランスが設けられることを特徴とする杭頭キャップ。 - 請求項1に記載の杭頭キャップにおいて、
前記ベースプレートの中央部に、開口孔が備えられているとともに、
前記杭の中央部近傍には、鉛直状に配され、上端部近傍が該杭の上端面より突出するように配された複数の芯部材が、前記杭中心を中心点とした前記開口孔より略小さい径を有する円上に、所定の離間間隔を配置されており、
複数の該芯部材が、前記ベースプレートの開口孔に貫通されることを特徴とする杭頭キャップ。 - 請求項1または2に記載の杭頭キャップにおいて、
前記ベースプレートの表面に配される複数のスタッドジベルが、直交する2方向に沿って格子状に設置されることを特徴とする杭頭キャップ。 - 請求項1に記載の杭頭キャップにおいて、
前記ストッパーの内周面で所定の高さ位置に、前記鋼管の側面と当接する止水リングが、一様に設置されることを特徴とする杭頭キャップ。 - 少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭の杭頭部と該場所打ちコンクリート杭の上方に配される基礎水平部材とを半剛剛接合するための杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法であって、
支持層に支持されるように、地盤中に少なくとも杭頭近傍が鋼管で補強されている場所打ちコンクリート杭を構築する一方で、ベースプレートの裏面の所定位置に、ストッパーを固着手段を介して固着するとともに、表面の所定位置に、スタッドジベルを固着手段を介して固着し、杭頭キャップを製作しておく第1の工程と、
前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化後に、前記鋼管内の上端面をはつって残存する余盛りを撤去し、前記鋼管の上端面と場所打ちコンクリートの天端面を同一レベルに形成する第2の工程と、
前記杭頭キャップの裏面が、前記鋼管の上端面及び場所打ちコンクリートの天端面に当接するように、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置し、該杭頭キャップの上面に基礎水平部材を構築する第3の工程により構成されることを特徴とする杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法。 - 請求項5に記載の杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法において、
第1の工程において、ベースプレートの中央部に所定の径を有する開口孔を設けておくとともに、
前記杭を構成する場所打ちコンクリートの硬化前に、前記鋼管内の所定位置に複数の芯部材を配置し、該芯部材の上端部が鉛直に突出するようにその下端部を前記場所打ちコンクリートに埋設し、
第3の工程で、前記杭頭キャップの開口孔に、前記芯部材を貫通させながら、前記杭の頭部に杭頭キャップを載置することを特徴とする杭頭キャップを用いた杭頭半剛接合方法。
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