JP2004210876A - 耐熱性表面処理粉末とその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れた表面処理無機酸化物粉末を提供する。
【手段】有機化合物で表面処理された無機酸化物微粉末であって、基準重量に対して400℃の加熱下での重量減が2wt%以下であり、好ましくは、550℃加熱下の重量減Bに対して、400℃加熱下の重量減Aの比(A/B)が0.2以下(A/B≦0.2)あることを特徴とする耐熱性表面処理粉末。この表面処理無機酸化物粉末は耐熱性に優れるので、エンジニアリングプラスチック、シリコーンゴム、シリコーンシーラント、接着剤などの用途に適する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジニアリングプラスチック用の添加剤として好適な耐熱性に優れた表面処理無機酸化物粉末に関する。
【0002】
【従来技術】
表面改質した疎水性シリカ粉末は、透明性や機械強度が要求される加熱硬化型シリコーンゴム、液状シリコーンゴム、あるいは特に高い透明性が要求されるゴム、あるいは透明性と共に高いチキソトロピー性が要求されるゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ接着剤などの充填材として従来から用いられている。この疎水性シリカ粉末の耐熱性を高めるために、シリカ粉末をジフェニルシランジオールまたは両末端シラノール基封鎖ジフェニールシロキサンオリゴマーを用いて表面処理することが従来知られている(特公平6−47458号)。しかし、このシリカ粉末は従前のものよりは耐熱性が向上しているが、エンジニアリングプラスチックなどの用途においては、耐熱性が十分ではない。さらにジフェニルシランジオールは固体であるため、シリカ粉末の表面を均一に処理することが難しく、十分な疎水性が得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の疎水性シリカ粉末などの表面処理無機酸化物における上記問題を解決したものであり、エンジニアリングプラスチック用の添加剤として好適な耐熱性に優れた表面処理無機酸化物粉末を提供するものである。
【0004】
【課題を解決する手段】
本発明は以下の構成からなる表面処理無機酸化物粉末とその用途に関する。
(1)有機化合物で表面処理された無機酸化物微粉末であって、基準重量に対して400℃の加熱下での重量減が2wt%以下であることを特徴とする耐熱性表面処理粉末。
(2)550℃加熱下の重量減Bに対して、400℃加熱下の重量減Aの比(A/B)が0.2以下(A/B≦0.2)である上記(1)の耐熱性表面処理粉末。
(3)フェニル基を含有するシリコンオイルによって表面処理した上記(1)または(2)の耐熱性表面処理粉末。
(4)無機酸化物粉末がシリカ粉末、アルミナ粉末、チタニア粉末またはこれらの混合粉末である上記(1)、(2)または(3)の耐熱性表面処理粉末。
(5)エンジニアリングプラスチック用の添加剤として用いる上記(1)〜(4)の何れかに記載する耐熱性表面処理粉末。
(6)上記(1)〜(4)の何れかに記載する耐熱性表面処理粉末を充填したエンジニアリングプラスチック。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明の表面処理粉末は、有機化合物で表面処理された無機酸化物微粉末であって、基準重量に対して400℃の加熱下での重量減が2wt%以下、好ましくは1.5wt%以下であることを特徴とする耐熱性表面処理粉末である。具体的には、例えば、550℃加熱下の重量減Bに対して、400℃加熱下の重量減Aの比(A/B)が0.2以下(A/B≦0.2)の耐熱性表面処理粉末である。
【0006】
本発明の耐熱性無機酸化物粉末は、例えば、シリカ粉末、アルミナ粉末、チタニア粉末またはこれらの混合粉末である。耐熱性は基準重量に対する加熱下での重量減によって表される。ここで、基準重量とは加熱処理前の粉末重量であり、例えば、室温(30℃)における粉末重量である。本発明の耐熱性無機酸化物粉末は表面処理した無機酸化物粉末の基準重量に対して400℃の加熱下での重量減が2wt%以下、好ましくは1.5wt%以下のものである。このように本発明の耐熱性無機酸化物粉末は、表面処理剤の有機化合物が熱分解し難いので、400℃に加熱しても粉末重量の減少が僅かである。
【0007】
本発明の耐熱性無機酸化物粉末は、好ましくは、550℃加熱下の重量減Bに対して、400℃加熱下の重量減Aの比(A/B)が0.2以下(A/B≦0.2)のものである。表面処理剤の有機化合物は550℃に加熱すると殆ど分解して揮発する。従って、この550℃加熱下での粉末重量の減少量Bに対して、400℃加熱下における粉末重量の減少量Aの比(A/B)が0.2以下であることは、表面処理剤の80%以上が熱分解せずに残留していることを意味し、この比が小さいほど耐熱性に優れる。
【0008】
本発明の耐熱性無機酸化物粉末は、無機酸化物粉末を、処理条件を整えてフェニル基を含有したシリコーンオイルによって表面処理することによって得ることができる。フェニル基を含有したシリコーンオイルは市販品(信越化学工業社製KR-217、KR-9218、KR-213、KR-510、X-40-9227、X-40-9247、KBE103、KA-103、KA-202、LS-5990、KF-50、KF-54、KF-56、東レダウコーニングシリコーン社製SH556、SZ6038、デグサ社製CP0320、CP0330等)を用いることができる。
【0009】
表面化処理の方法としては、例えば、撹袢装置を備えた容器に微粉末を入れ、窒素雰囲気下で撹拌し、フェニル基を含有したシリコーンオイルを単独に、あるいは他のフェニル基を含有した有機化合物を応じて溶剤と共に滴下もしくは噴霧し、または加熱気化させ、微粉末と十分に分散させた後、加熱し、その後、冷却する乾式処理法によって表面処理された微粒子を得ることことができる。また、表面処理は湿式処理でもよい。具体的には例えば、溶媒中に無機微粉末を分散させて有機化合物等を添加し、反応させた後に乾燥する。なお、湿式処理法は無機微粒子が凝集しやすいので乾式の処理法が好ましい。
【0010】
フェニル基を含有したシリコーンオイルに他のフェニル基含有有機化合物を加えて表面処理することによって粉末の耐熱性をさらに高めることができる。このようなフェニル基を含有する二種以上の化合物によって表面処理を行うことによって、例えば、表面処理を単独で行った粉末に比べて、400℃加熱下の重量減をさらに減少することができる。
【0011】
なお、フェニル基の量は0.1〜250mmol%/m2が望ましい。フェニル基の量がこれより少ないと耐熱性を高める効果が乏しく、一方、これより多いと効果が飽和し、無機酸化物粉末の流動性や疎水性が低下するので好ましくない。
【0012】
本発明の耐熱性無機酸化物粉末は、400℃に加熱しても表面処理剤の有機化合物が熱分解し難い。従って、樹脂に増粘剤として添加した場合に高温下で樹脂の粘度変化や着色などの問題を生じることがなく、また、粉体やペレットに流動化剤として添加した場合に高温下で流動性を低下させる虞がない。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。
〔実施例1〕
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を、窒素雰囲気下、撹拌しながら、フェニル基含有シリコーンオイル20重量部をヘキサンで希釈した溶液に入れ、処理条件を整えて表面処理を行い、さらに300℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去し、表面処理シリカ粉末を得た。この表面処理シリカ粉末を空気中で400℃に加熱したときの重量減および500℃に加熱したときの重量減をおのおの測定した。この結果を表1に示した。
【0014】
〔実施例2〕
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を窒素雰囲気下、撹拌しながら、フェニル基含有シリコーンオイル10重量部とフェニル基含有シランカップリング剤10重量部をヘキサンで希釈した溶液に入れ、処理条件を整えて表面処理を行い、さらに300℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去し、このフェニル基含有シリコーンオイルとフェニル基含有シランカップリング剤とによって表面処理されたシリカ粉末を得た。この表面処理シリカ粉末を400℃に加熱したときの重量減、および500℃に加熱したときの重量減をおのおの測定した。この結果を表1に示した。
【0015】
〔実施例3〕
フュームドシリカ(商品名AEROSIL130,比表面積130m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を窒素雰囲気下、撹拌しながら、フェニル基含有シリコーンオイル15重量部とフェニル基含有シランカップリング剤5重量部をヘキサンで希釈した溶液に入れ、処理条件を整えて表面処理を行い、さらに250℃で4時間加熱撹拌して溶剤を除去し、このフェニル基含有シリコーンオイルとフェニル基含有シランカップリング剤とによって表面処理されたシリカ粉末を得た。この表面処理シリカ粉末を400℃に加熱したときの重量減、および500℃に加熱したときの重量減をおのおの測定した。この結果を表1に示した。
【0016】
〔比較例1〕
フェニル基を含有しないシリコーンオイルを用いた以外は実施例1と同様にして表面処理シリカ粉末を得た。この表面処理シリカ粉末を400℃に加熱したときの重量減、および500℃に加熱したときの重量減をおのおの測定した。この結果を表1に示した。
【0017】
〔比較例2〕
フュームドシリカ(商品名AEROSIL130,比表面積130m2/g、日本アエロジル社製、フェニル基を含有しないシリコーンオイルを15部用いた以外は実施例1と同様にして表面処理シリカ粉末を得た。この表面処理シリカ粉末を400℃に加熱したときの重量減および500℃に加熱したときの重量減をおのおの測定した。この結果を表1に示した。
【0018】
表1の結果に示すように、本発明に係る表面処理シリカ粉末(実施例1〜3)は何れも400℃に加熱したときの重量減が1.5wt%以下であり、500℃に加熱したときの重量減に対する比は何れも0.2以下である。また、フェニル基含有シリコーンオイルとフェニル基含有シランカップリング剤を併用して表面処理したものは、400℃加熱下の重量減1.0wt%以下、500℃加熱下の重量減に対する比は概ね0.1以下である。従って、表面処理が加熱下でも分解し難く、耐熱性に優れている。一方、フェニル基を含有しないシリコーンオイルによって表面処理した比較例1、2は400℃に加熱したときの重量減が2.0wt%以上、500℃に加熱したときの重量減に対する比が0.2以上であり、加熱下での重量減が大きく、耐熱性が低い。
【0019】
【発明の効果】
本発明の表面処理無機酸化物粉末は耐熱性に優れるので、エンジニアリングプラスチック、シリコーンゴム、シリコーンシーラント、接着剤、などの用途に適する。
【0020】
【表1】
Figure 2004210876

Claims (6)

  1. 有機化合物で表面処理された無機酸化物微粉末であって、基準重量に対して400℃の加熱下での重量減が2wt%以下であることを特徴とする耐熱性表面処理粉末。
  2. 550℃加熱下の重量減Bに対して、400℃加熱下の重量減Aの比(A/B)が0.2以下(A/B≦0.2)である請求項1の耐熱性表面処理粉末。
  3. フェニル基を含有するシリコーンオイルによって表面処理した請求項1または2の耐熱性表面処理粉末。
  4. 無機酸化物粉末がシリカ粉末、アルミナ粉末、チタニア粉末またはこれらの混合粉末である請求項1、2または3の耐熱性表面処理粉末。
  5. エンジニアリングプラスチック用の添加剤として用いる請求項1〜4の何れかに記載する耐熱性表面処理粉末。
  6. 請求項1〜4の何れかに記載する耐熱性表面処理粉末を充填したエンジニアリングプラスチック。
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