JP2004210836A - 蓄熱材マイクロカプセル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラジカル重合により形成したカプセル皮膜が蓄熱材を内包したマイクロカプセルにおいて、ラジカル発生剤として水溶性の重合開始剤を用いることを特徴とする蓄熱材マイクロカプセル。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物質を冷やしたり暖めたり、あるいはその温度に維持するために用いられる蓄熱材マイクロカプセルに関するものであり、さらに詳しくは空調用の冷熱媒体、温度緩衝性の高い建築材、温度調節機能を有する各種被服材料、あるいは携帯用保温剤または保冷剤として利用できる。
【0002】
【従来の技術】
近年、熱エネルギーを有効に利用することにより、冷房、暖房における省エネルギー化を図ることが求められている。その有効な方法として、物質の相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱を行う方法が考えられてきた。相変化を伴わない顕熱のみを利用する方法に比べ、融点を含む狭い温度域に大量の熱エネルギーを高密度に貯蔵できるため、蓄熱材容量の縮小化がなされるだけでなく、蓄熱量が大きい割に大きな温度差が生じないため熱損失を少量に抑えられる利点を有する。
【0003】
蓄熱材の熱交換効率を高めるために、蓄熱材をマイクロカプセル化する方法が提案されている。従来のマイクロカプセルとしては脂肪族炭化水素等を主成分とする芯物質をメラミン樹脂の皮膜により内包する方法が知られていた(例えば、特許文献1参照)。上記マイクロカプセルに用いられるメラミン樹脂はメラミンとホルムアルデヒドとの付加縮合反応により得られるが、人体に有害なホルムアルデヒドが残留する可能性がある。この問題に対し、ホルムアルデヒドを用いないカプセル化法としてラジカル重合によってカプセル皮膜を形成し、脂肪族炭化水素等を主成分とする芯物質を内包する方法が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【0004】
上記ラジカル重合により作製したマイクロカプセルで蓄熱操作を行うと、次のような問題が生じることが分かった。すなわち、ラジカル重合を行う際にはその公報の中に見られるようにラジカル発生剤としては油溶性の重合開始剤が用いられてきたために、マイクロカプセル作製後に未反応の重合開始剤がマイクロカプセル内に残留し蓄熱量が蓄熱材単独に比べ減少する。
【0005】
また、マイクロカプセルに内包された蓄熱材の融点と凝固点が異なる現象、すなわち著しい過冷却現象が生じることも分かっている。通常、潜熱を利用した蓄熱材を冷却して凝固させる際には過冷却現象が生じることが知られているが、本発明で述べる蓄熱材マイクロカプセルでは、蓄熱材単独の場合に比べ、過冷却現象が著しく助長され相転移に多大なエネルギーが必要であった。以上の問題のため、ラジカル重合により形成した皮膜で蓄熱材を内包したマイクロカプセルでは有効な熱エネルギーの利用が困難であった。
【0006】
一般に過冷却現象を防止する手法としては、金属粉、クレー粉等の核発生材を用いる方法や撹拌、微振動、電気ショック等を与える機械的な方法が知られている。これらの手法を本発明のマイクロカプセルに応用した場合、前者については粉体をマイクロカプセル内に内包させることによりマイクロカプセル皮膜の劣化が生じたり、粉体の粒子径にマイクロカプセルの粒子径が制限を受けてしまうという問題点があった。また、後者の機械的方法は蓄熱材がマイクロカプセル内に内包されているためか、その効果はほとんど得られなかった。
【0007】
上記メラミン樹脂の皮膜により蓄熱材を内包したマイクロカプセルにおいては蓄熱材中に蓄熱材よりも高い融点を有する化合物を過冷却防止剤として含有させることにより過冷却現象を抑えられることが示されている(例えば、特許文献4参照)。この高融点を有する化合物をカプセル内に効果的に内包するためには、一度融点以上の高温で溶解させ、そのまま乳化することが求められる。しかし、ラジカル重合により皮膜を形成するカプセルにおいてはその公報の中に見られるようにラジカル発生剤としては油溶性の重合開始剤が用いられてきたために、乳化前に蓄熱材中へ溶解せざるを得ない。そのため、乳化を行っている間、高温に分散液を保つと重合開始剤が分解するために良好な皮膜が形成されないという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−117642号公報
【特許文献2】
特表2002−516913号公報
【特許文献3】
特開2001−200246号公報
【特許文献4】
特開平5−237368号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明ではラジカル重合により作製される蓄熱材マイクロカプセルの上記の問題、すなわち、蓄熱量の低下および過冷却現象を解決することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく検討を行った結果、ラジカル重合により形成したカプセル皮膜が蓄熱材を内包したマイクロカプセルにおいて、蓄熱材および膜形成モノマーを含有する滴を水媒体中に形成した後に水溶性の重合開始剤を添加しカプセル皮膜を形成することにより蓄熱量が低下しない蓄熱材マイクロカプセルを得た。用いる水溶性の重合開始剤はアゾ系化合物が好ましい。蓄熱材中に過冷却防止剤を含有する蓄熱材マイクロカプセルを水溶性開始剤を用いることにより作製し、過冷却現象を抑制できた。用いる過冷却防止剤は蓄熱材より40〜120℃高い融点を有する化合物が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で述べるラジカル重合では、ラジカル発生剤として水溶性の重合開始剤を用い、その分解反応によってラジカルを発生させる。そのラジカルが膜形成剤であるモノマーと付加反応をすることによりカプセル皮膜を形成する。
【0012】
本発明のマイクロカプセルで内包される蓄熱材は相転移に伴う潜熱を利用して蓄熱する目的で用いられる。具体的には、融点あるいは凝固点を有する化合物であれば使用可能であるが、例えば好ましい化合物としてはテトラデカン、ペンタデカン、エイコサン、ドコサンの如き炭素数が10以上の脂肪族炭化水素が好ましい化合物として挙げられる。これらの脂肪族炭化水素化合物は炭素数の増加とともに融点が上昇するため、目的に応じた融点を有する脂肪族炭化水素化合物を選択したり、2種以上を混合することも可能である。
【0013】
本発明のマイクロカプセルは、ラジカル発生剤として用いる重合開始剤として媒体である水に25℃において0.1g/100g以上溶解する水溶性重合開始剤を用いて製造されることが特徴である。水溶性の重合開始剤を用いることにより蓄熱材および膜形成剤を媒体中へ乳化した後に開始剤を添加することを可能にし、カプセル内に重合開始剤が残留しないために蓄熱量が低下せず、かつ過冷却が防止されたマイクロカプセルを得る。なお、溶解度は25℃に3時間静置した飽和溶液中の乾燥残留物重量から算出される。
【0014】
使用できる重合開始剤としては、アゾ化合物、過酸化物、レドックス開始剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。カプセル皮膜の強度を高めるためにアゾ系化合物が好適に用いられる。
【0015】
上記アゾ化合物としては、特に限定されないが、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシエチル]−プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−(2−ヒドロキシブチル)−プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2、2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドキシム)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレイト、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジハイドレート、2,2′−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
上記過酸化物としては、特に限定されないが、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
上記レドックス開始剤としては、特に限定されないが、過酸化水素/第一鉄塩、過硫酸カリウム/亜硫酸水素ナトリウム、クメンヒドロペルオキシド/第一鉄塩、過酸化水素/トリエチルアルミニウム、クメンヒドロペルオキシド/エチルアミン、過酸化水素/アンモニア等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明で使用される膜形成モノマーとしては特表2002−516913号公報、特開2001−181611号公報に示されているように(メタ)アクリレート、スチレン誘導体、酢酸ビニル誘導体およびその他のビニルモノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく、これらは単独重合体または共重合体として用いられる。さらにカプセル壁の強度を改善する目的で多官能性モノマーと組み合わせて用いてもよい。
【0019】
上記(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の極性基含有(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
上記スチレン誘導体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
上記酢酸ビニル誘導体としては、特に限定されないが、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステルが挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
上記ビニルモノマー以外にはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーが挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
上記多官能性モノマーとしては特に限定されないが、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類、ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物が挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
本発明のマイクロカプセルは、蓄熱材および膜形成モノマーを含有する滴を水媒体中に形成した後にラジカル発生剤として水溶性開始剤を添加しカプセル皮膜が形成されることにより蓄熱材マイクロカプセルが得られることを特徴とする。
【0025】
まず、蓄熱材、過冷却防止剤、膜形成モノマーを混合し、過冷却防止剤の融点以上の温度で溶解させる。膜形成モノマーは過冷却防止剤溶解後に加えることもできる。その後、蓄熱材溶液を溶液と同じ温度に保った媒体中へ加え、所定の粒径になるまで撹拌を行う。媒体にはカプセル分散液の分散安定性を向上させ、効率的にカプセルを得る目的で分散剤が添加される。撹拌後、分散液を窒素雰囲気下に保ちながら、開始剤を添加し重合を開始する。添加は1回もしくは2回以上に分けて行うこともできる。マイクロカプセルの粒子径の制御は、用いる分散剤の種類と濃度、乳化時の温度及び時間、撹拌方法等の因子により変動するため実験により最適な条件が設定される。
【0026】
マイクロカプセル分散液のマイクロカプセルの占める割合は高いほど蓄熱量が増し好ましいが、良好な流動性を維持するには10〜70%(wt/wt)、好ましくは20〜60%(wt/wt)の範囲にするのが好ましい。この範囲以上の割合であると分散液の粘度上昇のために流動性が乏しくなり、またこの範囲以下の割合であると蓄熱効果に乏しいものとなり好ましくない。
【0027】
本発明における過冷却を防止する目的で用いられる過冷却防止剤は蓄熱材よりも40〜120℃、さらには50〜80℃高い融点を有する化合物が好適である。この温度範囲より低い融点を有する化合物では過冷却現象が充分に防止されず、またこの範囲より高い融点を有する化合物では蓄熱材への溶解が困難になり、好ましくない。また、含有濃度は蓄熱材に対して0.1〜30%(wt/wt)の範囲で含有され、好ましくは0.5〜15%(wt/wt)の範囲で含有させることが望ましい。この範囲以下の濃度では効果が充分でなく、またこの範囲以上の濃度では蓄熱量が低下するだけでなくカプセル皮膜の強度に悪影響を及ぼすため、好ましくない。
【0028】
本発明で使用される過冷却防止剤の具体例としては、脂肪族炭化水素化合物、芳香族化合物、エステル類(油脂類を含む)、カルボン酸類、アルコール類、アマイド類が好ましいものとして挙げられる。具体的には例えば蓄熱材としてテトラデカン(融点6℃)を用いた場合には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、ステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、メチロールベヘン酸アマイド、N−フェニル−N′−ステアリル尿素等が挙げられる。これらは2種以上を組み合わせて用いても構わない。
【0029】
本発明で使用される分散剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられる。特に好ましくは部分ケン化ポリ酢酸ビニルである。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施手順を実施例として具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、融解熱、融点及び凝固点については示差熱熱量計(米国パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用いて測定した。
【0031】
実施例1
表1に示した量の蓄熱材、過冷却防止剤、ビニルモノマーを75℃にて溶解させ、分散剤を添加した75℃のイオン交換水に入れ、撹拌を行い粒径5μmにした。75℃に保った重合容器内を窒素雰囲気にした後、イオン交換水5部に溶解させた2,2′−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライドを添加した。7時間後に重合を終了し、重合容器内を室温にまで冷却し、粒径5μmの蓄熱材カプセルを含むスラリーを得た。
【0032】
実施例2
実施例1で用いた2,2′−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライドの代わりに過硫酸カリウムを用いて実施例1と同様に重合を行い、粒径5μmの蓄熱材カプセルを含むスラリーを得た。
【0033】
実施例3
実施例1で用いた2,2′−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライドの代わりに過酸化水素と亜硫酸水素ナトリウムの混合水溶液を用いて実施例1と同様に重合を行い、粒径5μmの蓄熱材カプセルを含むスラリーを得た。
【0034】
比較例1
表1に示した量の蓄熱材、過冷却防止剤、ビニルモノマー、過酸化ベンゾイルを75℃にて溶解させ、分散剤を添加した75℃のイオン交換水に入れ、撹拌を行い粒径5μmにした。75℃に保った重合容器内を窒素雰囲気にし、重合を行った。
【0035】
比較例2
表1に示した量の蓄熱材、ビニルモノマー、過酸化ベンゾイルを室温にて溶解させ、分散剤を添加した室温のイオン交換水に入れ、撹拌を行い粒径5μmにした。重合容器内を窒素雰囲気にし75℃に昇温し、重合を行った。
【0036】
表1に実施例および比較例で得られた結果を示す。得られたマイクロカプセル分散液について、油層の存在の確認を目視で行うことによりカプセルが得られているかを確認した。良好な皮膜が得られていれば油層は形成されない。なお、表中のΔTは示差走査熱量計による測定で得られた、蓄熱材を内包したマイクロカプセルの融点と凝固点の差、すなわち過冷却の度合いを示すものである。ΔTの値が小さいほど過冷却の程度が小さいことを表す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
表1に示す通り、ラジカル発生剤として水溶性の開始剤を用いて作製したマイクロカプセルは油溶性の開始剤を用いたものと比較して、蓄熱量が多く、かつ良好な皮膜を有しながら過冷却の度合いが抑えられることが明らかである。
Claims (5)
- ラジカル重合により形成したカプセル皮膜が蓄熱材を内包したマイクロカプセルにおいて、ラジカル発生剤として水溶性の重合開始剤を用いることを特徴とする蓄熱材マイクロカプセル。
- 蓄熱材および膜形成モノマーを含有する滴を水媒体中に形成した後にラジカル発生剤として水溶性の重合開始剤を添加しカプセル皮膜が形成されることにより製造される蓄熱材マイクロカプセル。
- 前記水溶性の重合開始剤がアゾ系化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の蓄熱材マイクロカプセル。
- 蓄熱材中に過冷却防止剤を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の蓄熱材マイクロカプセル。
- 前記過冷却防止剤が前記蓄熱材より40〜120℃高い融点を有する化合物であることを特徴とする請求項4記載の蓄熱材マイクロカプセル。
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