JP2004210172A - 駐車支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両周辺の障害物との距離を検出するセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができる駐車支援装置を提供することを課題とする。
【解決手段】計測開始スイッチ9と並列モードスイッチ5又は縦列モードスイッチ6との作動によって計測区間を決定する。加速度センサ3によってその区間の加速度を測定し、コントローラ1はその加速度を二階積分して当該区間の車両の移動距離を求める。そして、この移動距離を駐車枠長さとして認定し、該駐車枠長さに基づいてスピーカ8から駐車支援情報を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】計測開始スイッチ9と並列モードスイッチ5又は縦列モードスイッチ6との作動によって計測区間を決定する。加速度センサ3によってその区間の加速度を測定し、コントローラ1はその加速度を二階積分して当該区間の車両の移動距離を求める。そして、この移動距離を駐車枠長さとして認定し、該駐車枠長さに基づいてスピーカ8から駐車支援情報を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車の際の運転操作を運転者に案内する駐車支援装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、所定軌跡に沿って車両を駐車枠へと案内する駐車支援装置が存在しており、そのような装置には、駐車案内を行うべく車両の位置を特定するための手段が設けられている。このような車両の位置を特定するための手段としては、車両周辺の障害物との距離を検出する超音波センサなどが用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−334897号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、超音波センサなどの障害物との距離を検出するセンサは一般に高価であり駐車支援装置全体も高価になってしまう問題がある。また、かかる高価なセンサを用いて車両位置を特定できても、車両の位置やそのときの向きによっては最終的な駐車枠へ車両が移動できない状態や、駐車枠のほぼ中央に駐車ができない状態もある。すなわち、高価なセンサを用いて車両の位置を特定できても、実際には駐車枠へ十分近づいた最終段階になって初めて駐車枠への駐車が適正に行えないことが分かる事態が生じうる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、車両周辺の障害物との距離を検出するセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができる駐車支援装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の駐車支援装置は、駐車開始位置から所定軌跡に沿って車両を駐車完了スペースへと案内する駐車支援装置であって、車両の移動距離を測定する距離測定手段と、前記距離測定手段により計測される区間の始点を決定する始点決定手段と、前記距離測定手段により計測される区間の終点を決定する終点決定手段と、運転者に駐車支援情報を案内する案内手段と、前記始点決定手段及び前記終点決定手段によって決定された始点から終点までの区間に対し、前記距離測定手段によって移動距離を測定し、それを駐車完了スペース長さとして認定し、該駐車完了スペース長さに基づいて前記案内手段を介して駐車支援情報を提供するコントローラとを備えたことを特徴とする。
このとき、前記終点決定手段によって決定された終点における車両位置は、前記駐車開始位置であると好適である。
【0007】
好適には、前記距離測定手段は加速度センサであり、前記コントローラは該加速度センサにより測定された加速度を二階積分して移動距離を算出し、それを駐車完了スペース長さとして認定する。
その場合、パルス出力型の車輪速センサを更に備え、前記コントローラは、前記車輪速センサの出力パルスから得られる車両の実測移動距離と、前記加速度センサの測定結果から得られる車両の算出移動距離とを比較し、それ以後の算出移動距離が適正な値となるように補正を行う補正部を備えるようにしてもよい。
あるいは、好適には、前記距離測定手段は車輪速センサであり、前記コントローラは該車輪速センサにより測定された車輪速度から移動距離を算出し、それを駐車完了スペース長さとして認定する。
また、好適には、前記駐車支援情報は、並列駐車の場合、車両を駐車完了スペースの幅方向中央に案内するために必要な車両の旋回角の情報、又は並列駐車を完遂できない旨の情報が含まれる。
また、前記駐車支援情報は、縦列駐車の場合、車両を駐車完了スペースに移動できるか否かの情報が含まれる。
さらに、前記終点決定手段は、駐車モードの選択を行うスイッチとしても機能すると好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1にこの発明の実施の形態に係る駐車支援装置の構成を示す。コントローラ1には、車両のヨー角方向の角速度を検出するヨーレートセンサ2と、車両の前後方向の加速度を測定する加速度センサ3と、車両の移動距離を測定する車輪速センサ4とが接続されると共に、車両が並列駐車を行うことをコントローラ1に知らせるための並列モードスイッチ5と車両が縦列駐車を行うことをコントローラ1に知らせるための縦列モードスイッチ6とからなるスイッチモジュール7が接続されている。
【0009】
車輪速センサ4は、車両の車輪の回転速度を検出する既存のパルス出力型のセンサであり、通常、車輪一回転あたり4パルスの出力がある。従って、車輪の外周が約160cmである場合すなわち車輪一回転により車両が約160cm進行する場合、かかる車輪速センサ4の分解能は、約40cmとなる。よって、車輪速センサ4は、駐車支援用に用意された特に高精度のものではなく、スピードメータにおける車速表示のために従来から搭載されていたものが採用されている。この車輪速センサ4の出力信号は、スピードメータにおける車速表示のための情報と、後述するように加速度センサ3を利用した車両の移動距離の算出時の補正用情報との双方に用いられる。
【0010】
さらに、コントローラ1には、運転者に対して駐車支援情報を案内するための案内手段としてスピーカ8と、後述する車両の移動距離の計測に際して計測区間の始点を決定する計測開始スイッチ9とが接続されている。なお、スイッチモジュール7、スピーカ8及び計測開始スイッチ9は運転席に配置されている。
【0011】
コントローラ1は、図示しないCPUと制御プログラムを記憶したROMと作業用のRAMとを備えている。ROMには、車両のハンドルが最大に操舵されて車両が旋回する場合の最小旋回半径Rcのデータが記憶されると共に並列駐車時及び縦列駐車時の駐車支援を行う制御プログラムが格納されている。CPUはROMに記憶された制御プログラムに基づいて動作する。コントローラ1は、ヨーレートセンサ2から入力される車両の角速度から車両のヨー角を算出し、車両の旋回角度を算出して駐車運転中の各ステップにおける操作方法や操作タイミングに関する情報をスピーカ8に出力する。
【0012】
ここで、図2及び図3を用いて、この実施の形態の駐車支援装置が車両にどのような軌跡を描かせて並列駐車を行わせるのかを説明する。矢印Vで示されるように、駐車完了スペースである駐車枠Tとほぼ直交する方向に車両10を直進前進させ、まず車両位置E2、続いて車両位置E1に順次、停止させる。次に車両位置E1から最小旋回半径Rcで旋回角θだけ旋回した車両位置F1まで車両を前進させる。さらに、車両位置F1から最小旋回半径Rcで旋回し車両位置G1まで車両を後退させる。最後に、ハンドルを中立状態に戻して車両位置H1まで真っ直ぐ後退させる。
【0013】
次に、このような並列駐車を行うに際しての駐車支援装置の作用について説明する。
まず、図2に示されるように、運転者は、駐車枠Tとほぼ直交する方向Vに車両を前進させる。車両には、運転者の着座位置の側方に目印マークTXが設けられており、運転者は、着座位置から駐車枠Tの方を見て、かかる目印マークTXと駐車枠Tの手前側サイドラインTaとが重なる位置、すなわち車両位置E2で車両を一旦停止させる。そして、運転者は、車両位置E2において、計測開始スイッチ9を操作して、区間の始点を決定する。すなわち、計測開始スイッチ9は計測区間の始点を決定する始点決定手段として機能する。その後、運転者は、車両を直進前進させ、着座位置から駐車枠Tの方を見て、目印マークTXと駐車枠Tの奥側サイドラインTbとが重なる位置、すなわち車両位置E1で車両を一旦停止させる。そして、運転者は、車両位置E1において、並列モードスイッチ5を操作する。並列モードスイッチ5は、駐車モードの選択を行うスイッチであると共に、計測区間の終点を決定する終点決定手段でもある。並列モードスイッチ5の作動により、コントローラ1には、車両位置E1を駐車開始位置としてそこから並列駐車を行う旨の情報が入力されると共に、所定の区間の終点に関する情報が入力される。
【0014】
コントローラ1には、区間の始点と終点との情報が入力されていると共に、加速度センサ3において計測される車両の前後方向の加速度の情報も入力されている。したがって、コントローラ1は、決定された区間に関して、車両の加速度を示す加速度センサ3の出力値を時間積分してその区間の速度を求める。具体的には、コントローラ1内の算出部1aにおいて、Vt=Kv・ΣEtで示される計算式を用いて車両の速度を算出する。ここで、Etは、本実施の形態では20ms毎の加速度に関する出力値であり、Kvは、速度算出用の係数であり、Vtは車両の速度である。これにより、図4に一点鎖線で示されるような車両の速度が得られる。さらに、コントローラ1は、求めた速度に関する算出値をさらに時間積分して距離を求める。具体的にはDt=Kd・ΣVtで示される計算式を用いて車両の速度を算出する。ここで、Vtは、本実施の形態では20ms毎の速度の算出値であり、Kdは、距離算出用の係数であり、Dtは車両の移動距離である。これにより、図4に二点鎖線で示されるような車両の移動距離が得られる。このようにして、コントローラ1においては、加速度センサ3によって測定された加速度を二階積分することによって、所定区間すなわち車両位置E2から車両位置E1まで前進した車両の移動距離Sが求められる。コントローラ1は、かかる移動距離Sを駐車枠Tの駐車枠長さ(幅)Sとして認定する。
【0015】
さらに、コントローラ1は、並列モードスイッチ5が操作されたことを受けて、並列駐車用の駐車支援情報として、車両を駐車枠Tの中央に案内するために以後の操作に必要な車両の旋回角の情報を提供すべく、以下のような計算を行う。まず、コントローラ1には、車両の固有の情報として目印マークTXとリヤアクスルRAとの距離である定数Pが予め記憶されており、かかる定数Pと、上記のようにして求められた駐車枠長さSとから、駐車移動距離DYを算出する。すなわち、駐車枠Tの幅方向中心線CLから車両位置E1におけるリヤアクスルRAとの距離である駐車移動距離DYは、
DY=S/2−P ……………(1)
と表すことができる。
さらに、本並列駐車では図3に示す軌跡によって車両を移動させることから、駐車移動距離DYは、最小旋回半径Rcと旋回角θとを用いて、
DY=Rc−2Rc・sinθ ……………(2)
と表すことができる。
式(2)を
θ=sin−1((Rc−DY)/2Rc) ……………(3)
と変形し、式(3)に式(1)を代入すると、
θ=sin−1((Rc−S/2+P)/2Rc) ……………(4)
を得ることができる。
かかる式(4)において、最小旋回半径Rc、駐車枠長さS及び定数Pは上述したように既知であるから、式(4)に基づいて旋回角θを得ることができる。
【0016】
運転者は、上述したように、車両位置E1において並列モードスイッチ5を作動させた後、ハンドルを右に最大に切ってすなわち車両を最小旋回半径Rcで、ゆっくりと前進旋回させる。ここで、コントローラ1には、ヨーレートセンサ2から車両のヨー角方向の角速度の情報が入力されている。ヨー角0度の基準は、車両位置E1の状態であり、この基準は並列モードスイッチ5の作動によって設定される。よって、コントローラ1は、車両旋回中に車両位置E1からの旋回角を監視し、その旋回角が式(4)に基づいて得られた値である旋回角θに到達した場合には、スピーカ8を介してその位置で停止すべき旨の音声や案内音といった駐車支援情報を運転者に対して提供する。
【0017】
運転者は、かかる駐車支援情報に基づいて車両位置E1を基準に旋回角θとなる車両位置F1に車両を停止させる。次に、運転者はハンドルを左に最大に切って最小旋回半径Rcで、ゆっくりと車両を後退旋回させる。この間も、コントローラ1は、車両位置F1からの旋回角を監視し、その旋回角が90度すなわち車両位置E1と直交する状態に到達した場合には、スピーカ8を介してその位置で停止すべき旨の音声や案内音といった駐車支援情報を運転者に対して提供する。これによって、運転者は、車両位置E1を基準に90度旋回した車両位置G1であって且つ駐車枠Tの幅方向の中央に位置する車両位置G1に車両を停止させることができる。最後に、運転者は、ハンドルを中立状態に戻してゆっくり車両を直進後退させて車両を車両位置H1に移動させ、並列駐車を完了させることができる。
【0018】
なお、例えば駐車枠長さSが小さすぎて上述した式(4)に基づいて旋回角θを解くことができない場合には、運転者が車両位置E1において並列モードスイッチ5を作動させた後に、コントローラ1は駐車支援情報として、現在の状態では並列駐車を完遂できない旨を音声や案内音によって提供する。よって、並列駐車を続行していき駐車の最終段階になって初めて駐車枠への駐車が完遂できないことになるといった無駄な操作を回避することができる。特に、この駐車支援情報が車両が未だ旋回していない車両位置E1で提供されると、運転者は次の駐車枠の候補へのアプローチが容易となり好適である。
【0019】
また、駐車支援情報としては、車両位置E1から車両位置F1への移動、車両位置F1から車両位置G1への移動、車両位置G1から車両位置H1への移動の際に、例えは、ハンドルをどちらに切るべきかといった操舵情報を提供することができる。さらに、停止位置に接近したことを知らせる接近情報として「ピッ、ピッ」という間欠音や、停止位置に到達したことを知らせる到達情報として「ピー」という連続音を用いることもできる。この場合、この間欠音の間欠周期は、目標ヨー角と旋回角度との差が少なくなると共に短くなるようにしてもよい。
【0020】
このように、本実施の形態では、車両周辺の障害物との距離を検出する高価なセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができ、また、可能である場合には駐車枠への適正な駐車を促す情報を提供することができる。
【0021】
また、本実施の形態では、コントローラ1は、上述したように加速度センサ3の測定結果を二階積分して得られる車両の算出移動距離と、車輪速センサ4の出力パルスから得られる車両の実測移動距離とを比較して、それ以降の算出移動距離の算出式を補正する補正部1bを備える。すなわち、図4に示されるように、車輪速センサ4における1パルスの立ち上がりから次の1パルスの立ち上がりまでのパルス間進行距離LAは、前述した車輪速センサ4における分解能である約40cmに等しい。一方、上記の1パルスの立ち上がりから次の1パルスの立ち上がりまでの時間に関して算出した算出移動距離LBも約40cmに等しくなるはずである。しかしながら、実際には、経時変化や温度特性によるセンサ特性の変化、積分時に採用していた算出用の係数Kv,Kdの影響などにより、算出移動距離と実測移動距離とが大きく相違することがあり得る。そこで、本実施の形態では、コントローラ1内の補正部1bにおいて、算出移動距離と実測移動距離とを比較して、その結果に基づいて随時、算出用の係数をより適切な値へと補正していく。よって、センサ特性が変化した場合にも精度の高い距離計測が可能となり、ひいては精度の高い駐車案内を行うことができる。また、かかる補正は、1パルス分又は複数パルス分毎に比較を行いその都度補正を行う仕方でもよいし、1パルス分又は複数パルス分毎に比較を行い複数回の比較結果をもとに平均化して補正する仕方でもよい。
【0022】
次に、本実施の形態において縦列駐車の駐車支援を行うに際して、車両にどのような軌跡を描かせて支援するのかを図5に基づいて説明する。
車両10のリヤ左端が、駐車完了スペースである駐車枠T内の車両位置M1における奥のコーナーS2に一致するように、車両10を駐車枠T内の車両位置M1に駐車するものとする。この状態の車両位置M1における車両10のリヤアクスル中心MOを原点とし、道路と平行で車両10の後退方向にY軸をとり、Y軸と直角にX軸をとる。また、車両位置M1の奥のコーナーの座標をS2(W2/2,a2)とする。ここで、a2、W2は、車両10のリヤオーバハング、車幅をそれぞれ示す。
車両位置J1にある車両10が、ハンドルの操舵角を右側最大にして半径Rcで旋回しつつ前進し、車両位置K1になったところで、操舵角を左側最大にして半径Rcで旋回しつつ後退し、車両位置L1になったところで操舵角を右側最大にして半径Rcで旋回しつつ後退し、駐車枠T内の車両位置M1に適正に駐車するものとする。
【0023】
まず、駐車枠Tの前方の所定位置に駐車中の車両20を目安にして、車両10を車両位置J1に停車した状態を初期停車位置として、縦列駐車を開始するものとする。
車両位置J1は、車両10の着座位置DRのY座標が駐車中の車両20の後端20aのY座標に一致する位置で且つ駐車枠Tに平行な位置であり並びに車両10と車両20とが所定の車両間隔dである位置とする。したがって、車両位置J1のリヤアクスル中心JOの座標(JOx,JOy)は、車両20の後端部20aの座標と着座位置DRとリヤアクスル中心JOとの関係および車両間隔dから一義的に定められる。
車両位置J1にある車両10が、ハンドルの操舵角を右側最大にして半径Rcで旋回しつつ車両位置K1まで前進する。その際の旋回中心をC3とし、旋回角度をβとする。また、車両位置K1にある車両10が操舵角を左側最大にして半径Rcで旋回しつつ車両位置L1まで後退する。その際の旋回中心をC4とし、旋回角度をδとする。さらに、車両位置L1でハンドルを反対方向に切り返して、操舵角を右側最大にして半径Rcで旋回しつつ車両位置M1まで後退する。その際の旋回中心をC5とし、旋回角度をαとする。
また、車両位置K1,L1におけるリヤアクスル中心をそれぞれKO,LOとする。
【0024】
旋回角度α,β,δには、
δ=α−β
の関係がある。
旋回中心C5の座標(C5x,C5y)は、
C5x=−Rc
C5y=0
で表される。
旋回中心C4の座標(C4x,C4y)は、
C4x=C5x+(Rc+Rc)・cosα=−Rc+2Rc・cosα
C4y=C5y−(Rc+Rc)・sinα=−2Rc・sinα
で表される。
旋回中心C3の座標(C3x,C3y)は、
C3x=C4x−(Rc+Rc)・cosβ=−Rc+2Rc・cosα−2Rc・cosβ
C3y=C4y+(Rc+Rc)・sinβ=−2Rc・sinα+2Rc・sinβ
で表される。
また、車両位置J1のリヤアクスル中心JOの座標(JOx,JOy)は、
JOx =−Rc・(1−cosα)−Rc・(1−cosα−1+cosβ)+Rc・(1−cosβ)
=2Rc・(cosα−cosβ) ……………(5)
JOy =−Rc・sinα−Rc・(sinα−sinβ)+Rc・sinβ
=2Rc・(sinβ−sinα) ……………(6)
で表される。
【0025】
ここで、式(5)及び(6)を三角関数の公式を用いて、変形すると、
tan(α/2+β/2)=JOx/JOy
sin2(α/2−β/2)=(JOx2+JOy2)/(16Rc2)
となり、α、βを、既知のリヤアクスル中心JOの座標(JOx,JOy)を用いて算出することができる。
リヤアクスル中心JOの座標(JOx,JOy)は、車両10を車両20の後方に無理のない操作で駐車できる標準的な値として、例えば、JOx=2.3m、JOy=4.5mの値が設定されている。
リヤアクスル中心JOの標準的な座標JOxおよびJOyは、車両10の車格、操舵特性などに応じて値を設定することが望ましい。
【0026】
次に、実施の形態に係る駐車支援装置の縦列駐車時の動作について説明する。まず、運転者は、図6に示されるように、道路と平行にすなわち目標とする駐車枠Tに平行に、且つ、車両10が車両20,30に対して車両間隔d(例えば50cm)となるような態様で、車両10を直進前進させる。運転者は、着座位置から駐車枠Tの方を見て、目印マークTXと駐車枠Tの後端ラインTR(駐車枠Tの後方に駐車中の車両30の前端)とが重なる位置、すなわち車両位置J2で車両を一旦停止させる。そして、運転者は、車両位置J2において、計測開始スイッチ9を操作して、区間の始点を決定する。その後、運転者は、車両を直進前進させ、着座位置から駐車枠Tの方を見て、目印マークTXと駐車枠Tの前端ラインTF(駐車枠Tの前方に駐車中の車両20の後端)とが重なる位置、すなわち車両位置J1で車両を一旦停止させる。そして、運転者は、車両位置J1において、縦列モードスイッチ6を操作する。かかる車両位置J1を駐車開始位置とする。縦列モードスイッチ6は、駐車モードの選択を行うスイッチであると共に、計測区間の終点を決定する終点決定手段でもある。縦列モードスイッチ6の作動により、コントローラ1にこれより縦列駐車を行う旨の情報が入力されると共に、所定の区間の終点に関する情報が入力される。なお、図5及び図6においては、図示の明瞭性を優先させるため、駐車枠Tの後端ラインTRと車両30の前端との間、及び、駐車枠Tの前端ラインTFと車両20の後端との間はそれぞれ、離れた状態で描かれているが、実際には一致しているものとする。
【0027】
コントローラ1は、決定された区間に関して、上述した並列駐車の場合と同様に、車両の加速度を示す加速度センサ3の出力値を二階積分することによって、所定区間すなわち車両位置J2から車両位置J1まで前進した車両の移動距離Sを求める。コントローラ1は、かかる移動距離Sを駐車枠Tの駐車枠長さSとして認定する。
【0028】
コントローラ1は、縦列モードスイッチ6が操作されたことを受けて、縦列駐車用の駐車支援情報として、その状態から車両を駐車枠Tに移動できるか否かの情報を提供すべく、以下のような比較を行う。コントローラ1は、目印マークTXとリヤアクスルRAとの距離である定数P、車両に固有の値である車両後端部とリヤアクスルRAとの距離である定数Q、及び、駐車移動距離DYの合計値と、上記のように求められた駐車枠長さSとを比較する。なお、駐車移動距離DYは、車両位置J1のリヤアクスル中心JOのY座標JOyであり、車両ごとに決まるが、通常4.5m程度となる。比較の結果、S≧P+Q+DYの関係が得られた場合には、その状態から引き続き操作を行うことで、車両を駐車枠Tに移動できることと判断できる。一方、S<P+Q+DYの関係となる場合には、駐車枠長さが十分ではなく、そのまま操作を続けても車両を駐車枠Tに移動することは不可能とであるものと判断される。よって、駐車枠Tへの移動が不可能な場合には、コントローラ1は、運転者が車両位置J1において縦列モードスイッチ6を作動させた後に、コントローラ1は駐車支援情報として、現在の状態では縦列駐車を完遂できない旨を音声や案内音によって提供する。よって、縦列駐車を続行していき駐車の最終段階になって初めて駐車枠への駐車が完遂できないことになるといった無駄な操作を回避することができる。特に、この駐車支援情報が車両が未だ旋回していない車両位置J1で提供されると、運転者は次の駐車枠の候補へのアプローチが容易となり好適である。また、駐車支援情報としては、さらに、車両を駐車枠Tに移動できる場合にその旨を音声や案内音によって提供するようにしてもよい。
【0029】
コントローラ1は、縦列モードスイッチ4の作動に基づいて、駐車開始位置を車両のヨー角が0度の位置として設定すると共に縦列駐車のためのプログラムを起動させる。そして、運転者は、駐車開始位置である車両位置J1に車両を停止させ縦列モードスイッチ6を作動させた後、縦列駐車を完遂できない旨の案内がないこと或いは車両を駐車枠Tに移動できる旨の案内があったことを受けて、車両位置J1からハンドルを右に最大に切ってすなわち車両を最小旋回半径Rcで、ゆっくりと前進旋回させる。コントローラ1は、ヨーレートセンサ2から入力される車両10の角速度から車両のヨー角を算出して、このヨー角と算出された旋回角度βの値とを比較する。車両10が、駐車開始位置から後退開始位置である車両位置K1に近づくにつれて、コントローラ1は、ヨー角と算出された旋回角度βとの差を基に、車両位置K1に接近したことを知らせる接近情報と、車両位置K1に到達したことを知らせる到達情報とをスピーカ8を介して運転者に知らせる。例えば、接近情報として、スピーカ8から「ピッ、ピッ」という間欠音が発せられ、この間欠音及び点滅の周期は、ヨー角と旋回角度βとの差が少なくなると共に短くなる。ヨー角と旋回角度βとの差がなくなると、到達情報として、スピーカ8から「ピー」という連続音が発せられる。
【0030】
運転者は、到達情報に従って車両10を車両位置K1に停止させる。次に、運転者は、ハンドルを左に最大に切った状態でそのまま車両10を後退させる。コントローラ1は、車両のヨー角と算出された旋回角度α(=β+δ)の値とを比較する。車両10が、車両位置K1から切り返し位置となる車両位置L1に近づくにつれて、すなわち、車両のヨー角が算出された旋回角度αの値に近づくにつれて、コントローラ1は、ヨー角と算出された旋回角度αとの差を基に、車両位置L1に接近したことを知らせる接近情報と、車両位置L1に到達したことを知らせる到達情報とをスピーカ8を介して運転者に知らせる。
【0031】
運転者は、到達情報に従って車両10を車両位置L1に停止させる。次に、運転者は、車両位置L1でハンドルを反対方向に切り返して右に最大に切った状態でそのまま車両10を後退させる。コントローラ1は、車両10のヨー角が0度に近づくにつれて、車両10が目標となる駐車枠T内の車両位置M1に接近したことを知らせる接近情報と、車両位置M1に到達したことを知らせる到達情報とをスピーカ8を介して運転者に知らせる。これにより、運転者は、車両位置M1で車両10を停止させ、駐車を完了することができる。
【0032】
このように、本実施の形態では、並列駐車と同様に、縦列駐車においても車両周辺の障害物との距離を検出する高価なセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができ、また、可能である場合には駐車枠への適正な駐車を促す情報を提供することができる。
【0033】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、様々な改変を施して実施することができる。上述した実施の形態においては、加速度センサ3及び既存の車輪速センサ4を備えていたが、これらの構成部品に代えて、図7に示すような分解能が高い高精度の車輪速センサ104を距離測定手段として設けてもよい。この場合にも、上述した実施の形態と同様に、車両周辺の障害物との距離を検出する高価なセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができる。
【0034】
さらに、車輪速センサ4を備えず、加速度センサ3の出力結果に基づく算出移動距離を補正せずに使用するシンプルな構成でもよい。
【0035】
また、距離測定手段により計測される区間の始点及び終点を決定する始点決定手段及び終点決定手段は、駐車モードの選択を行うスイッチに兼用されていることには限定されず、それぞれ個別の専用の入力手段を使用してもよい。また、始点や終点の決定を入力する方法は、ボタンやスイッチなどの接触型の態様は勿論、音声入力など非接触型の態様でもよく、運転者の意思によって決定される方法ならばどのような態様でもよい。
【0036】
また、並列駐車における駐車枠は、道路に描かれた区画線以外に、駐車中の車両など物体によって画定する態様でもよい。
【0037】
また、上述した実施の形態では、駐車完了スペースとなる計測区間の終点における車両位置と、旋回を始める駐車開始位置とが一致した態様として説明しているが、本発明は、これに限定されるものではない。よって、始点決定手段の作動時や終点決定手段の作動時にその都度車両を停止させて作動操作を行う必要はなく、車両を前進させながら始点決定及び/又は終点決定を行い、終点決定後に車両を停止させた位置を駐車開始位置としてしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の駐車支援装置によれば、車両周辺の障害物との距離を検出する高価なセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る駐車支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態における並列駐車時の車両の位置を段階的且つ模式的に示す図であって、旋回前の段階を示す図である。
【図3】実施の形態における並列駐車時の車両の位置を段階的且つ模式的に示す図であって、旋回後の段階を示す図である。
【図4】加速度センサにより測定された加速度と、速度及び距離との関係を示すと共に、算出移動距離と実測移動距離との関係を示すグラフである。
【図5】実施の形態における縦列駐車時の車両の位置を段階的且つ模式的に示す図であって、旋回後の段階を示す図である。
【図6】実施の形態における縦列駐車時の車両の位置を段階的且つ模式的に示す図であって、旋回前の段階を示す図である。
【図7】この発明の別の実施の形態に係る駐車支援装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 コントローラ、1b 補正部、2 ヨーレートセンサ、3 加速度センサ、4,104 車輪速センサ、5 並列モードスイッチ、6 縦列モードスイッチ、8 スピーカ、9 計測開始スイッチ、10,20,30 車両。
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車の際の運転操作を運転者に案内する駐車支援装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、所定軌跡に沿って車両を駐車枠へと案内する駐車支援装置が存在しており、そのような装置には、駐車案内を行うべく車両の位置を特定するための手段が設けられている。このような車両の位置を特定するための手段としては、車両周辺の障害物との距離を検出する超音波センサなどが用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−334897号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、超音波センサなどの障害物との距離を検出するセンサは一般に高価であり駐車支援装置全体も高価になってしまう問題がある。また、かかる高価なセンサを用いて車両位置を特定できても、車両の位置やそのときの向きによっては最終的な駐車枠へ車両が移動できない状態や、駐車枠のほぼ中央に駐車ができない状態もある。すなわち、高価なセンサを用いて車両の位置を特定できても、実際には駐車枠へ十分近づいた最終段階になって初めて駐車枠への駐車が適正に行えないことが分かる事態が生じうる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、車両周辺の障害物との距離を検出するセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができる駐車支援装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の駐車支援装置は、駐車開始位置から所定軌跡に沿って車両を駐車完了スペースへと案内する駐車支援装置であって、車両の移動距離を測定する距離測定手段と、前記距離測定手段により計測される区間の始点を決定する始点決定手段と、前記距離測定手段により計測される区間の終点を決定する終点決定手段と、運転者に駐車支援情報を案内する案内手段と、前記始点決定手段及び前記終点決定手段によって決定された始点から終点までの区間に対し、前記距離測定手段によって移動距離を測定し、それを駐車完了スペース長さとして認定し、該駐車完了スペース長さに基づいて前記案内手段を介して駐車支援情報を提供するコントローラとを備えたことを特徴とする。
このとき、前記終点決定手段によって決定された終点における車両位置は、前記駐車開始位置であると好適である。
【0007】
好適には、前記距離測定手段は加速度センサであり、前記コントローラは該加速度センサにより測定された加速度を二階積分して移動距離を算出し、それを駐車完了スペース長さとして認定する。
その場合、パルス出力型の車輪速センサを更に備え、前記コントローラは、前記車輪速センサの出力パルスから得られる車両の実測移動距離と、前記加速度センサの測定結果から得られる車両の算出移動距離とを比較し、それ以後の算出移動距離が適正な値となるように補正を行う補正部を備えるようにしてもよい。
あるいは、好適には、前記距離測定手段は車輪速センサであり、前記コントローラは該車輪速センサにより測定された車輪速度から移動距離を算出し、それを駐車完了スペース長さとして認定する。
また、好適には、前記駐車支援情報は、並列駐車の場合、車両を駐車完了スペースの幅方向中央に案内するために必要な車両の旋回角の情報、又は並列駐車を完遂できない旨の情報が含まれる。
また、前記駐車支援情報は、縦列駐車の場合、車両を駐車完了スペースに移動できるか否かの情報が含まれる。
さらに、前記終点決定手段は、駐車モードの選択を行うスイッチとしても機能すると好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1にこの発明の実施の形態に係る駐車支援装置の構成を示す。コントローラ1には、車両のヨー角方向の角速度を検出するヨーレートセンサ2と、車両の前後方向の加速度を測定する加速度センサ3と、車両の移動距離を測定する車輪速センサ4とが接続されると共に、車両が並列駐車を行うことをコントローラ1に知らせるための並列モードスイッチ5と車両が縦列駐車を行うことをコントローラ1に知らせるための縦列モードスイッチ6とからなるスイッチモジュール7が接続されている。
【0009】
車輪速センサ4は、車両の車輪の回転速度を検出する既存のパルス出力型のセンサであり、通常、車輪一回転あたり4パルスの出力がある。従って、車輪の外周が約160cmである場合すなわち車輪一回転により車両が約160cm進行する場合、かかる車輪速センサ4の分解能は、約40cmとなる。よって、車輪速センサ4は、駐車支援用に用意された特に高精度のものではなく、スピードメータにおける車速表示のために従来から搭載されていたものが採用されている。この車輪速センサ4の出力信号は、スピードメータにおける車速表示のための情報と、後述するように加速度センサ3を利用した車両の移動距離の算出時の補正用情報との双方に用いられる。
【0010】
さらに、コントローラ1には、運転者に対して駐車支援情報を案内するための案内手段としてスピーカ8と、後述する車両の移動距離の計測に際して計測区間の始点を決定する計測開始スイッチ9とが接続されている。なお、スイッチモジュール7、スピーカ8及び計測開始スイッチ9は運転席に配置されている。
【0011】
コントローラ1は、図示しないCPUと制御プログラムを記憶したROMと作業用のRAMとを備えている。ROMには、車両のハンドルが最大に操舵されて車両が旋回する場合の最小旋回半径Rcのデータが記憶されると共に並列駐車時及び縦列駐車時の駐車支援を行う制御プログラムが格納されている。CPUはROMに記憶された制御プログラムに基づいて動作する。コントローラ1は、ヨーレートセンサ2から入力される車両の角速度から車両のヨー角を算出し、車両の旋回角度を算出して駐車運転中の各ステップにおける操作方法や操作タイミングに関する情報をスピーカ8に出力する。
【0012】
ここで、図2及び図3を用いて、この実施の形態の駐車支援装置が車両にどのような軌跡を描かせて並列駐車を行わせるのかを説明する。矢印Vで示されるように、駐車完了スペースである駐車枠Tとほぼ直交する方向に車両10を直進前進させ、まず車両位置E2、続いて車両位置E1に順次、停止させる。次に車両位置E1から最小旋回半径Rcで旋回角θだけ旋回した車両位置F1まで車両を前進させる。さらに、車両位置F1から最小旋回半径Rcで旋回し車両位置G1まで車両を後退させる。最後に、ハンドルを中立状態に戻して車両位置H1まで真っ直ぐ後退させる。
【0013】
次に、このような並列駐車を行うに際しての駐車支援装置の作用について説明する。
まず、図2に示されるように、運転者は、駐車枠Tとほぼ直交する方向Vに車両を前進させる。車両には、運転者の着座位置の側方に目印マークTXが設けられており、運転者は、着座位置から駐車枠Tの方を見て、かかる目印マークTXと駐車枠Tの手前側サイドラインTaとが重なる位置、すなわち車両位置E2で車両を一旦停止させる。そして、運転者は、車両位置E2において、計測開始スイッチ9を操作して、区間の始点を決定する。すなわち、計測開始スイッチ9は計測区間の始点を決定する始点決定手段として機能する。その後、運転者は、車両を直進前進させ、着座位置から駐車枠Tの方を見て、目印マークTXと駐車枠Tの奥側サイドラインTbとが重なる位置、すなわち車両位置E1で車両を一旦停止させる。そして、運転者は、車両位置E1において、並列モードスイッチ5を操作する。並列モードスイッチ5は、駐車モードの選択を行うスイッチであると共に、計測区間の終点を決定する終点決定手段でもある。並列モードスイッチ5の作動により、コントローラ1には、車両位置E1を駐車開始位置としてそこから並列駐車を行う旨の情報が入力されると共に、所定の区間の終点に関する情報が入力される。
【0014】
コントローラ1には、区間の始点と終点との情報が入力されていると共に、加速度センサ3において計測される車両の前後方向の加速度の情報も入力されている。したがって、コントローラ1は、決定された区間に関して、車両の加速度を示す加速度センサ3の出力値を時間積分してその区間の速度を求める。具体的には、コントローラ1内の算出部1aにおいて、Vt=Kv・ΣEtで示される計算式を用いて車両の速度を算出する。ここで、Etは、本実施の形態では20ms毎の加速度に関する出力値であり、Kvは、速度算出用の係数であり、Vtは車両の速度である。これにより、図4に一点鎖線で示されるような車両の速度が得られる。さらに、コントローラ1は、求めた速度に関する算出値をさらに時間積分して距離を求める。具体的にはDt=Kd・ΣVtで示される計算式を用いて車両の速度を算出する。ここで、Vtは、本実施の形態では20ms毎の速度の算出値であり、Kdは、距離算出用の係数であり、Dtは車両の移動距離である。これにより、図4に二点鎖線で示されるような車両の移動距離が得られる。このようにして、コントローラ1においては、加速度センサ3によって測定された加速度を二階積分することによって、所定区間すなわち車両位置E2から車両位置E1まで前進した車両の移動距離Sが求められる。コントローラ1は、かかる移動距離Sを駐車枠Tの駐車枠長さ(幅)Sとして認定する。
【0015】
さらに、コントローラ1は、並列モードスイッチ5が操作されたことを受けて、並列駐車用の駐車支援情報として、車両を駐車枠Tの中央に案内するために以後の操作に必要な車両の旋回角の情報を提供すべく、以下のような計算を行う。まず、コントローラ1には、車両の固有の情報として目印マークTXとリヤアクスルRAとの距離である定数Pが予め記憶されており、かかる定数Pと、上記のようにして求められた駐車枠長さSとから、駐車移動距離DYを算出する。すなわち、駐車枠Tの幅方向中心線CLから車両位置E1におけるリヤアクスルRAとの距離である駐車移動距離DYは、
DY=S/2−P ……………(1)
と表すことができる。
さらに、本並列駐車では図3に示す軌跡によって車両を移動させることから、駐車移動距離DYは、最小旋回半径Rcと旋回角θとを用いて、
DY=Rc−2Rc・sinθ ……………(2)
と表すことができる。
式(2)を
θ=sin−1((Rc−DY)/2Rc) ……………(3)
と変形し、式(3)に式(1)を代入すると、
θ=sin−1((Rc−S/2+P)/2Rc) ……………(4)
を得ることができる。
かかる式(4)において、最小旋回半径Rc、駐車枠長さS及び定数Pは上述したように既知であるから、式(4)に基づいて旋回角θを得ることができる。
【0016】
運転者は、上述したように、車両位置E1において並列モードスイッチ5を作動させた後、ハンドルを右に最大に切ってすなわち車両を最小旋回半径Rcで、ゆっくりと前進旋回させる。ここで、コントローラ1には、ヨーレートセンサ2から車両のヨー角方向の角速度の情報が入力されている。ヨー角0度の基準は、車両位置E1の状態であり、この基準は並列モードスイッチ5の作動によって設定される。よって、コントローラ1は、車両旋回中に車両位置E1からの旋回角を監視し、その旋回角が式(4)に基づいて得られた値である旋回角θに到達した場合には、スピーカ8を介してその位置で停止すべき旨の音声や案内音といった駐車支援情報を運転者に対して提供する。
【0017】
運転者は、かかる駐車支援情報に基づいて車両位置E1を基準に旋回角θとなる車両位置F1に車両を停止させる。次に、運転者はハンドルを左に最大に切って最小旋回半径Rcで、ゆっくりと車両を後退旋回させる。この間も、コントローラ1は、車両位置F1からの旋回角を監視し、その旋回角が90度すなわち車両位置E1と直交する状態に到達した場合には、スピーカ8を介してその位置で停止すべき旨の音声や案内音といった駐車支援情報を運転者に対して提供する。これによって、運転者は、車両位置E1を基準に90度旋回した車両位置G1であって且つ駐車枠Tの幅方向の中央に位置する車両位置G1に車両を停止させることができる。最後に、運転者は、ハンドルを中立状態に戻してゆっくり車両を直進後退させて車両を車両位置H1に移動させ、並列駐車を完了させることができる。
【0018】
なお、例えば駐車枠長さSが小さすぎて上述した式(4)に基づいて旋回角θを解くことができない場合には、運転者が車両位置E1において並列モードスイッチ5を作動させた後に、コントローラ1は駐車支援情報として、現在の状態では並列駐車を完遂できない旨を音声や案内音によって提供する。よって、並列駐車を続行していき駐車の最終段階になって初めて駐車枠への駐車が完遂できないことになるといった無駄な操作を回避することができる。特に、この駐車支援情報が車両が未だ旋回していない車両位置E1で提供されると、運転者は次の駐車枠の候補へのアプローチが容易となり好適である。
【0019】
また、駐車支援情報としては、車両位置E1から車両位置F1への移動、車両位置F1から車両位置G1への移動、車両位置G1から車両位置H1への移動の際に、例えは、ハンドルをどちらに切るべきかといった操舵情報を提供することができる。さらに、停止位置に接近したことを知らせる接近情報として「ピッ、ピッ」という間欠音や、停止位置に到達したことを知らせる到達情報として「ピー」という連続音を用いることもできる。この場合、この間欠音の間欠周期は、目標ヨー角と旋回角度との差が少なくなると共に短くなるようにしてもよい。
【0020】
このように、本実施の形態では、車両周辺の障害物との距離を検出する高価なセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができ、また、可能である場合には駐車枠への適正な駐車を促す情報を提供することができる。
【0021】
また、本実施の形態では、コントローラ1は、上述したように加速度センサ3の測定結果を二階積分して得られる車両の算出移動距離と、車輪速センサ4の出力パルスから得られる車両の実測移動距離とを比較して、それ以降の算出移動距離の算出式を補正する補正部1bを備える。すなわち、図4に示されるように、車輪速センサ4における1パルスの立ち上がりから次の1パルスの立ち上がりまでのパルス間進行距離LAは、前述した車輪速センサ4における分解能である約40cmに等しい。一方、上記の1パルスの立ち上がりから次の1パルスの立ち上がりまでの時間に関して算出した算出移動距離LBも約40cmに等しくなるはずである。しかしながら、実際には、経時変化や温度特性によるセンサ特性の変化、積分時に採用していた算出用の係数Kv,Kdの影響などにより、算出移動距離と実測移動距離とが大きく相違することがあり得る。そこで、本実施の形態では、コントローラ1内の補正部1bにおいて、算出移動距離と実測移動距離とを比較して、その結果に基づいて随時、算出用の係数をより適切な値へと補正していく。よって、センサ特性が変化した場合にも精度の高い距離計測が可能となり、ひいては精度の高い駐車案内を行うことができる。また、かかる補正は、1パルス分又は複数パルス分毎に比較を行いその都度補正を行う仕方でもよいし、1パルス分又は複数パルス分毎に比較を行い複数回の比較結果をもとに平均化して補正する仕方でもよい。
【0022】
次に、本実施の形態において縦列駐車の駐車支援を行うに際して、車両にどのような軌跡を描かせて支援するのかを図5に基づいて説明する。
車両10のリヤ左端が、駐車完了スペースである駐車枠T内の車両位置M1における奥のコーナーS2に一致するように、車両10を駐車枠T内の車両位置M1に駐車するものとする。この状態の車両位置M1における車両10のリヤアクスル中心MOを原点とし、道路と平行で車両10の後退方向にY軸をとり、Y軸と直角にX軸をとる。また、車両位置M1の奥のコーナーの座標をS2(W2/2,a2)とする。ここで、a2、W2は、車両10のリヤオーバハング、車幅をそれぞれ示す。
車両位置J1にある車両10が、ハンドルの操舵角を右側最大にして半径Rcで旋回しつつ前進し、車両位置K1になったところで、操舵角を左側最大にして半径Rcで旋回しつつ後退し、車両位置L1になったところで操舵角を右側最大にして半径Rcで旋回しつつ後退し、駐車枠T内の車両位置M1に適正に駐車するものとする。
【0023】
まず、駐車枠Tの前方の所定位置に駐車中の車両20を目安にして、車両10を車両位置J1に停車した状態を初期停車位置として、縦列駐車を開始するものとする。
車両位置J1は、車両10の着座位置DRのY座標が駐車中の車両20の後端20aのY座標に一致する位置で且つ駐車枠Tに平行な位置であり並びに車両10と車両20とが所定の車両間隔dである位置とする。したがって、車両位置J1のリヤアクスル中心JOの座標(JOx,JOy)は、車両20の後端部20aの座標と着座位置DRとリヤアクスル中心JOとの関係および車両間隔dから一義的に定められる。
車両位置J1にある車両10が、ハンドルの操舵角を右側最大にして半径Rcで旋回しつつ車両位置K1まで前進する。その際の旋回中心をC3とし、旋回角度をβとする。また、車両位置K1にある車両10が操舵角を左側最大にして半径Rcで旋回しつつ車両位置L1まで後退する。その際の旋回中心をC4とし、旋回角度をδとする。さらに、車両位置L1でハンドルを反対方向に切り返して、操舵角を右側最大にして半径Rcで旋回しつつ車両位置M1まで後退する。その際の旋回中心をC5とし、旋回角度をαとする。
また、車両位置K1,L1におけるリヤアクスル中心をそれぞれKO,LOとする。
【0024】
旋回角度α,β,δには、
δ=α−β
の関係がある。
旋回中心C5の座標(C5x,C5y)は、
C5x=−Rc
C5y=0
で表される。
旋回中心C4の座標(C4x,C4y)は、
C4x=C5x+(Rc+Rc)・cosα=−Rc+2Rc・cosα
C4y=C5y−(Rc+Rc)・sinα=−2Rc・sinα
で表される。
旋回中心C3の座標(C3x,C3y)は、
C3x=C4x−(Rc+Rc)・cosβ=−Rc+2Rc・cosα−2Rc・cosβ
C3y=C4y+(Rc+Rc)・sinβ=−2Rc・sinα+2Rc・sinβ
で表される。
また、車両位置J1のリヤアクスル中心JOの座標(JOx,JOy)は、
JOx =−Rc・(1−cosα)−Rc・(1−cosα−1+cosβ)+Rc・(1−cosβ)
=2Rc・(cosα−cosβ) ……………(5)
JOy =−Rc・sinα−Rc・(sinα−sinβ)+Rc・sinβ
=2Rc・(sinβ−sinα) ……………(6)
で表される。
【0025】
ここで、式(5)及び(6)を三角関数の公式を用いて、変形すると、
tan(α/2+β/2)=JOx/JOy
sin2(α/2−β/2)=(JOx2+JOy2)/(16Rc2)
となり、α、βを、既知のリヤアクスル中心JOの座標(JOx,JOy)を用いて算出することができる。
リヤアクスル中心JOの座標(JOx,JOy)は、車両10を車両20の後方に無理のない操作で駐車できる標準的な値として、例えば、JOx=2.3m、JOy=4.5mの値が設定されている。
リヤアクスル中心JOの標準的な座標JOxおよびJOyは、車両10の車格、操舵特性などに応じて値を設定することが望ましい。
【0026】
次に、実施の形態に係る駐車支援装置の縦列駐車時の動作について説明する。まず、運転者は、図6に示されるように、道路と平行にすなわち目標とする駐車枠Tに平行に、且つ、車両10が車両20,30に対して車両間隔d(例えば50cm)となるような態様で、車両10を直進前進させる。運転者は、着座位置から駐車枠Tの方を見て、目印マークTXと駐車枠Tの後端ラインTR(駐車枠Tの後方に駐車中の車両30の前端)とが重なる位置、すなわち車両位置J2で車両を一旦停止させる。そして、運転者は、車両位置J2において、計測開始スイッチ9を操作して、区間の始点を決定する。その後、運転者は、車両を直進前進させ、着座位置から駐車枠Tの方を見て、目印マークTXと駐車枠Tの前端ラインTF(駐車枠Tの前方に駐車中の車両20の後端)とが重なる位置、すなわち車両位置J1で車両を一旦停止させる。そして、運転者は、車両位置J1において、縦列モードスイッチ6を操作する。かかる車両位置J1を駐車開始位置とする。縦列モードスイッチ6は、駐車モードの選択を行うスイッチであると共に、計測区間の終点を決定する終点決定手段でもある。縦列モードスイッチ6の作動により、コントローラ1にこれより縦列駐車を行う旨の情報が入力されると共に、所定の区間の終点に関する情報が入力される。なお、図5及び図6においては、図示の明瞭性を優先させるため、駐車枠Tの後端ラインTRと車両30の前端との間、及び、駐車枠Tの前端ラインTFと車両20の後端との間はそれぞれ、離れた状態で描かれているが、実際には一致しているものとする。
【0027】
コントローラ1は、決定された区間に関して、上述した並列駐車の場合と同様に、車両の加速度を示す加速度センサ3の出力値を二階積分することによって、所定区間すなわち車両位置J2から車両位置J1まで前進した車両の移動距離Sを求める。コントローラ1は、かかる移動距離Sを駐車枠Tの駐車枠長さSとして認定する。
【0028】
コントローラ1は、縦列モードスイッチ6が操作されたことを受けて、縦列駐車用の駐車支援情報として、その状態から車両を駐車枠Tに移動できるか否かの情報を提供すべく、以下のような比較を行う。コントローラ1は、目印マークTXとリヤアクスルRAとの距離である定数P、車両に固有の値である車両後端部とリヤアクスルRAとの距離である定数Q、及び、駐車移動距離DYの合計値と、上記のように求められた駐車枠長さSとを比較する。なお、駐車移動距離DYは、車両位置J1のリヤアクスル中心JOのY座標JOyであり、車両ごとに決まるが、通常4.5m程度となる。比較の結果、S≧P+Q+DYの関係が得られた場合には、その状態から引き続き操作を行うことで、車両を駐車枠Tに移動できることと判断できる。一方、S<P+Q+DYの関係となる場合には、駐車枠長さが十分ではなく、そのまま操作を続けても車両を駐車枠Tに移動することは不可能とであるものと判断される。よって、駐車枠Tへの移動が不可能な場合には、コントローラ1は、運転者が車両位置J1において縦列モードスイッチ6を作動させた後に、コントローラ1は駐車支援情報として、現在の状態では縦列駐車を完遂できない旨を音声や案内音によって提供する。よって、縦列駐車を続行していき駐車の最終段階になって初めて駐車枠への駐車が完遂できないことになるといった無駄な操作を回避することができる。特に、この駐車支援情報が車両が未だ旋回していない車両位置J1で提供されると、運転者は次の駐車枠の候補へのアプローチが容易となり好適である。また、駐車支援情報としては、さらに、車両を駐車枠Tに移動できる場合にその旨を音声や案内音によって提供するようにしてもよい。
【0029】
コントローラ1は、縦列モードスイッチ4の作動に基づいて、駐車開始位置を車両のヨー角が0度の位置として設定すると共に縦列駐車のためのプログラムを起動させる。そして、運転者は、駐車開始位置である車両位置J1に車両を停止させ縦列モードスイッチ6を作動させた後、縦列駐車を完遂できない旨の案内がないこと或いは車両を駐車枠Tに移動できる旨の案内があったことを受けて、車両位置J1からハンドルを右に最大に切ってすなわち車両を最小旋回半径Rcで、ゆっくりと前進旋回させる。コントローラ1は、ヨーレートセンサ2から入力される車両10の角速度から車両のヨー角を算出して、このヨー角と算出された旋回角度βの値とを比較する。車両10が、駐車開始位置から後退開始位置である車両位置K1に近づくにつれて、コントローラ1は、ヨー角と算出された旋回角度βとの差を基に、車両位置K1に接近したことを知らせる接近情報と、車両位置K1に到達したことを知らせる到達情報とをスピーカ8を介して運転者に知らせる。例えば、接近情報として、スピーカ8から「ピッ、ピッ」という間欠音が発せられ、この間欠音及び点滅の周期は、ヨー角と旋回角度βとの差が少なくなると共に短くなる。ヨー角と旋回角度βとの差がなくなると、到達情報として、スピーカ8から「ピー」という連続音が発せられる。
【0030】
運転者は、到達情報に従って車両10を車両位置K1に停止させる。次に、運転者は、ハンドルを左に最大に切った状態でそのまま車両10を後退させる。コントローラ1は、車両のヨー角と算出された旋回角度α(=β+δ)の値とを比較する。車両10が、車両位置K1から切り返し位置となる車両位置L1に近づくにつれて、すなわち、車両のヨー角が算出された旋回角度αの値に近づくにつれて、コントローラ1は、ヨー角と算出された旋回角度αとの差を基に、車両位置L1に接近したことを知らせる接近情報と、車両位置L1に到達したことを知らせる到達情報とをスピーカ8を介して運転者に知らせる。
【0031】
運転者は、到達情報に従って車両10を車両位置L1に停止させる。次に、運転者は、車両位置L1でハンドルを反対方向に切り返して右に最大に切った状態でそのまま車両10を後退させる。コントローラ1は、車両10のヨー角が0度に近づくにつれて、車両10が目標となる駐車枠T内の車両位置M1に接近したことを知らせる接近情報と、車両位置M1に到達したことを知らせる到達情報とをスピーカ8を介して運転者に知らせる。これにより、運転者は、車両位置M1で車両10を停止させ、駐車を完了することができる。
【0032】
このように、本実施の形態では、並列駐車と同様に、縦列駐車においても車両周辺の障害物との距離を検出する高価なセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができ、また、可能である場合には駐車枠への適正な駐車を促す情報を提供することができる。
【0033】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、様々な改変を施して実施することができる。上述した実施の形態においては、加速度センサ3及び既存の車輪速センサ4を備えていたが、これらの構成部品に代えて、図7に示すような分解能が高い高精度の車輪速センサ104を距離測定手段として設けてもよい。この場合にも、上述した実施の形態と同様に、車両周辺の障害物との距離を検出する高価なセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができる。
【0034】
さらに、車輪速センサ4を備えず、加速度センサ3の出力結果に基づく算出移動距離を補正せずに使用するシンプルな構成でもよい。
【0035】
また、距離測定手段により計測される区間の始点及び終点を決定する始点決定手段及び終点決定手段は、駐車モードの選択を行うスイッチに兼用されていることには限定されず、それぞれ個別の専用の入力手段を使用してもよい。また、始点や終点の決定を入力する方法は、ボタンやスイッチなどの接触型の態様は勿論、音声入力など非接触型の態様でもよく、運転者の意思によって決定される方法ならばどのような態様でもよい。
【0036】
また、並列駐車における駐車枠は、道路に描かれた区画線以外に、駐車中の車両など物体によって画定する態様でもよい。
【0037】
また、上述した実施の形態では、駐車完了スペースとなる計測区間の終点における車両位置と、旋回を始める駐車開始位置とが一致した態様として説明しているが、本発明は、これに限定されるものではない。よって、始点決定手段の作動時や終点決定手段の作動時にその都度車両を停止させて作動操作を行う必要はなく、車両を前進させながら始点決定及び/又は終点決定を行い、終点決定後に車両を停止させた位置を駐車開始位置としてしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の駐車支援装置によれば、車両周辺の障害物との距離を検出する高価なセンサの搭載を強いられることなく、駐車枠への適正な駐車が可能であるか否かを案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る駐車支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態における並列駐車時の車両の位置を段階的且つ模式的に示す図であって、旋回前の段階を示す図である。
【図3】実施の形態における並列駐車時の車両の位置を段階的且つ模式的に示す図であって、旋回後の段階を示す図である。
【図4】加速度センサにより測定された加速度と、速度及び距離との関係を示すと共に、算出移動距離と実測移動距離との関係を示すグラフである。
【図5】実施の形態における縦列駐車時の車両の位置を段階的且つ模式的に示す図であって、旋回後の段階を示す図である。
【図6】実施の形態における縦列駐車時の車両の位置を段階的且つ模式的に示す図であって、旋回前の段階を示す図である。
【図7】この発明の別の実施の形態に係る駐車支援装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 コントローラ、1b 補正部、2 ヨーレートセンサ、3 加速度センサ、4,104 車輪速センサ、5 並列モードスイッチ、6 縦列モードスイッチ、8 スピーカ、9 計測開始スイッチ、10,20,30 車両。
Claims (8)
- 駐車開始位置から所定軌跡に沿って車両を駐車完了スペースへと案内する駐車支援装置であって、
車両の移動距離を測定する距離測定手段と、
前記距離測定手段により計測される区間の始点を決定する始点決定手段と、
前記距離測定手段により計測される区間の終点を決定する終点決定手段と、
運転者に駐車支援情報を案内する案内手段と、
前記始点決定手段及び前記終点決定手段によって決定された始点から終点までの区間に対し、前記距離測定手段によって移動距離を測定し、それを駐車完了スペース長さとして認定し、該駐車完了スペース長さに基づいて前記案内手段を介して駐車支援情報を提供するコントローラと
を備えたことを特徴とする駐車支援装置。 - 前記終点決定手段によって決定された終点における車両位置が前記駐車開始位置であることを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
- 前記距離測定手段は加速度センサであり、前記コントローラは該加速度センサにより測定された加速度を二階積分して移動距離を算出し、それを駐車完了スペース長さとして認定することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車支援装置。
- パルス出力型の車輪速センサを更に備え、
前記コントローラは、前記車輪速センサの出力パルスから得られる車両の実測移動距離と、前記加速度センサの測定結果から得られる車両の算出移動距離とを比較し、それ以後の算出移動距離が適正な値となるように補正を行う補正部を備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の駐車支援装置。 - 前記距離測定手段は車輪速センサであり、前記コントローラは該車輪速センサにより測定された車輪速度から移動距離を算出し、それを駐車完了スペース長さとして認定することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車支援装置。
- 前記駐車支援情報は、並列駐車の場合、車両を駐車完了スペースの幅方向中央に案内するために必要な車両の旋回角の情報、又は並列駐車を完遂できない旨の情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の駐車支援装置。
- 前記駐車支援情報は、縦列駐車の場合、車両を駐車完了スペースに移動できるか否かの情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の駐車支援装置。
- 前記終点決定手段は、駐車モードの選択を行うスイッチとしても機能する請求項1乃至7の何れか一項に記載の駐車支援装置。
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