JP2004210061A - 走行車体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の走行車体は、ステップマットを敷設せずに直接ステップフロア上を作業者が行き来すると、足を滑らせやすくなり危険である。しかしながら、ステップマットを取り外しできる構成となっている以上、作業者が直接ステップフロア上に乗る可能性が完全にないともいえない。また、ステップフロアとは別体のステップマットを設ける構成であるので、その分部品点数が増加し、機体の軽量化を阻害するばかりでなく、ステップフロアに対してステップマットが位置ずれする可能性もなきにしもあらず、ステップマット上に乗る作業者が安全に歩行できないことも考えられる。
【解決手段】表面に所定の凹凸を施したステップマット256をステップフロア25上に敷設する走行車体において、ステップマット256をステップフロア25上に敷設したとき、ステップマット256の凹凸が合致する凹凸をステップフロア25の上面に施した。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行車体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トラクタや田植機等の農作業機において、作業装置を昇降可能に支持する走行車体には、作業者が行き来できるステップフロアを鉄板又は樹脂等で構成しており、このステップフロア上にゴム製のステップマットを敷設して作業者が足を滑らせにくくして安全性を図ったものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、そのステップマットの上面に凹凸を施して、より滑りにくくしたものがある。尚、ステップフロアの上面は平面状に構成されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6ー225607号公報(第3頁右欄22行目乃至28行目、図9)
【特許文献2】
特開2001ー278130号公報(図9)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の走行車体は、ステップフロアが比較的滑りやすい素材で且つ平面状に構成されているので、ステップマットを敷設せずに直接ステップフロア上を作業者が行き来すると、足を滑らせやすくなり危険である。しかしながら、ステップマットを取り外しできる構成となっている以上、作業者が直接ステップフロア上に乗る可能性が完全にないともいえない。
【0006】
また、従来の走行車体は、ステップフロアとは別体のステップマットを設ける構成であるので、その分部品点数が増加し、機体の軽量化を阻害するばかりでなく、コストアップを招く要因ともなり得る。更には、別体であるためにステップフロアに対してステップマットが位置ずれする可能性もなきにしもあらず、ステップマット上に乗る作業者が安全に歩行できないことも考えられる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するべく次の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、表面に所定の凹凸を施したステップマット256をステップフロア25上に敷設する走行車体において、ステップマット256をステップフロア25上に敷設したとき、ステップマット256の凹凸が合致する凹凸をステップフロア25の上面に施したことを特徴とする走行車体とした。
【0008】
従って、請求項1に係る走行車体は、ステップフロア25の上面の凹凸にステップマット256の凹凸が合致した状態で該ステップマット256が敷設され、そのステップマット256上に作業者が乗って歩行する。ステップマット256の表面には凹凸が施されているので、作業者は足を滑らせにくくなる。しかも、このステップマット256の凹凸がステップフロア25の上面の凹凸に合致しているので、ステップフロア25に対してステップマット256が位置ずれする可能性が極めて小さくなり、作業者が安全に歩行できる。また、仮にステップマット256を取り外した状態で直接ステップフロア25上に作業者が乗ることがあっても、ステップフロア25の上面には凹凸が施されているので、作業者は足を滑らせにくくなる。ひいては、直接ステップフロア上25に作業者が乗っても足を滑らせにくいので、ステップマット256を省略することもでき、機体の軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
【0009】
【発明の効果】
よって、請求項1に係る走行車体により、ステップマット256又はステップフロア25の上に乗る作業者は足を滑らせにくく、安全性の向上を図ることができる。また、ステップマット256を省略することで、機体の軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に表された実施の形態について説明する。
図1及び図2は本発明による走行車体を備えた施肥田植機の全体側面図及び平面図である。この施肥田植機1は、走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して5条植の苗植付部4が昇降可能に設けられ、さらに、走行車体2の後部上側に肥料タンク220L,220R、肥料繰出部221,…等からなる施肥装置5の本体部が設けられている。また、走行車体2の前部左右両端部には、左右各2段づつ予備苗枠6,…が設けられている。
【0011】
走行車体2は、走行部として駆動輪である各左右一対の前輪7,7及び後輪8,8を備えた四輪駆動車両であって、図3に示すように、機体の前部に配設されたミッションケース10の左右側面部から前輪アクスルケース11,11が側方に延設され、その先端部に変向可能に設けた前輪ファイナルケース12,12に前輪7,7が回転自在に支承され、また、ミッションケース10の背面部に左右一対のメインフレーム13,13の前端部が固着され、該メインフレームの後端部から左右側方に延びるリヤフレーム14の先端部に固定して設けた後輪ファイナルケース15,15に後輪8,8が回転自在に支承されている。リヤフレーム14には、昇降リンク装置3を支持する左右一対のリンク支持フレーム16,16が上向きに突設されている。
【0012】
メインフレーム13,13の前後中央部の上方にエンジン20が搭載されており、該エンジンの上側を覆うエンジンカバー21の上に座席22が設置されている。座席22の前方は各種操作機構が内蔵されたボンネット23で、その上方に操向輪である前輪7,7を操向するための操向ハンドル24が設けられている。エンジンカバー21及びボンネット23の周囲は、人が移動したり作業を行ったりするためのステップフロア25になっている。尚、該ステップフロア25は、樹脂で構成されている。図中符号30は変速レバー、31は副変速レバー、32は植付昇降レバー、33はクラッチ・ブレーキペダル、34はクラッチ・ブレーキレバー、35はデフロックペダル、36はチョークつまみ、37は昇降制御の感度調節レバーである。
【0013】
機体の前端部にはフロントア−ム250を設けており、このフロントア−ム250を左右方向の軸250a回りに前側へ回動させて突出させることができる。トラックへの積込時や畦越え時等に機体の前部が浮き上がりそうなときは、作業者が機体から降りてこのフロントア−ム250を前方へ突出させた状態で押えることにより、安全に作業をすることができる。フロントア−ム250を前方へ回動させたとき、該ア−ム250が操向ハンドル24と連結され、その状態で該ア−ム250を左右に回動させることにより、前輪7,7を操向させることができる。
【0014】
ところで、エンジン20を搭載するためのエンジンベ−ス251は、エンジン20の底面が接して該底面に締付ボルトにより固定される。エンジン20は、エンジンベ−ス251の前後左右の4隅の下側のマウントゴム252を介してメインフレーム13,13に固着されたマウントゴム載せ部253に支持され、前記マウントゴム252によりメインフレ−ム13,13ひいては機体にエンジン20の振動が伝わりにくいように支持している。尚、左右のメインフレ−ム13,13のそれぞれ前後2か所にマウントゴム載せ部253を設け、4個のマウントゴム252のうちの左右2個づつのマウントゴム252が対応して左右それぞれのメインフレ−ム13,13に支持されている。エンジン20の潤滑油(エンジンオイル)を排出するためのエンジンオイル排出口254は、エンジン20の下部前面で、平面視で左右一対のメインフレーム13,13の間でエンジン20を搭載するためのエンジンベ−ス251と重複する位置に設けられている。従って、エンジンオイル排出口254のドレンプラグ254aを外してエンジンオイルを排出しようとすると、エンジンオイル排出口254の直下にあるエンジンベ−ス251及びメインフレーム13,13が邪魔になったり該エンジンベ−ス251及びメインフレーム13,13にエンジンオイルがかかったりして、エンジンオイルの排出作業が困難になることが考えられる。しかしながら、エンジンオイル排出口254の下方でエンジンベ−ス251より上側の位置には排出案内路となる排出案内プレ−ト255を設けており、この排出案内プレ−ト255は、エンジンベ−ス251に固着され、エンジンオイル排出口254の直前の機体左右中央位置からエンジンベ−ス251の左右方向の端部(左端)及び左側のメインフレーム13の左右方向外端の位置まで延設されると共に、機体の左右方向外側(左側)へいくほど下位となるよう傾斜している。左右一方(左方)に延設される排出案内プレ−ト255の左右反対側の端部は上方に折れ曲がって立ち上がる立上り部255aとなっており、該立上り部255aはエンジンオイル排出口254より上側にまで延びている。
【0015】
よって、エンジンオイル排出口254から排出されるエンジンオイルは、排出案内プレ−ト255上を伝ってその傾斜に誘導案内されて該プレ−ト255の端(左端)で落下する。その落下位置はエンジンベ−ス251及びメインフレーム13より外側(左側)となり、作業者は、機体の側部(左側)から前記落下位置で受け容器等でエンジンオイルを受けて回収でき、エンジンベ−ス251及びメインフレーム13が邪魔にならずに容易にエンジンオイルの回収作業を行える。また、排出案内プレ−ト255により、エンジンベ−ス251及びメインフレーム13にエンジンオイルがかかるようなことを防止できる。更に、排出案内プレ−ト255の立上り部255aにより、エンジンオイル排出口254から勢い良くエンジンオイルが吐出しても、排出案内プレ−ト255の端(右端)からエンジンオイルが飛び出さないようにしている。尚、排出案内プレ−ト255の前方にはエンジンベ−ス251に構成される段差部251aが配置され、該段差部251aにより排出案内プレ−ト255上のエンジンオイルが前方へ溢れ出るようなことを防止している。
【0016】
ステップフロア25は、機体前端に位置する前部ステップフロア25aとエンジンカバー21の周囲の後部ステップフロア25bとに分割されている。図4に示すように、後部ステップフロア25b上には、ゴム製のステップマット256を敷設するようになっている。後部ステップフロア25bの上面は、その略全面に亘って無数の凸部257を所定の配置パタ−ンで備えており、この無数の凸部257により略全面に亘って凹凸が施された構成となっている。一方、ステップマット256の表裏にも、凹凸が施されており、敷設したときの上面側に無数の凸部258を前記後部ステップフロア25bの無数の凸部257の配置パタ−ンに合わせて同じ模様になるように設けている。尚、ステップマット256の厚みが略均一になるように前記凸部258の裏面側は凹部259となっており、ステップマットの表裏で凹凸が反対になっている。そして、ステップマット256をステップフロア25b上に敷設したとき、ステップマット256の下面の前記凹部259にステップフロア25の上面の凸部257に合致して嵌まり込むようになっている。尚、ステップフロア25bの上面の凸部257の上端の角部257aには面取りが施されており、ステップフロア25の上面の凸部257へステップマット256の下面の前記凹部259を嵌め込み易いようにしている。
【0017】
前部ステップフロア25aの後部左右には、座席22に座った作業者が前輪7を視認できるように透明部260を構成している。また、後部ステップフロア25bの後部左右には、座席22に座った作業者が後輪8を視認できるように透明部261を構成している。更に、エンジンカバー21の右側には、該カバー21内に設けた燃料タンク263の容量を示す燃料ゲ−ジを視認できるように透明部262を構成している。これらの透明部260,261,262により、ステップフロア25又はエンジンカバー21を移動させずに、前輪7、後輪8又は燃料ゲ−ジを容易に視認できる。従来、前輪及び後輪をそれぞれ視認できるようにステップフロアに覗き孔を設けた構成となっていたが、該覗き孔を設ける分、ステップフロアの剛性、強度が低下したり、それぞれの車輪が持ち上げた泥が覗き孔を介してステップフロア上に侵入したりする虞がある。しかし、前述のようにステップフロア25の透明部260,261により車輪7,8を視認できるようにしたので、ステップフロア25の剛性、強度を低下を抑え、ひいては車輪7,8を視認しやすいように透明部260,261を広くすることもでき、しかもステップフロア25上への泥の侵入を防止することができる。尚、後輪8を視認するための後部ステップフロア25bの透明部261は、例えば機体のトラックヘの積込時や畦越え時に作業者が機体から降りて作業をする場合等に、機体の前側にいる作業者からでも後輪8を視認できるような位置及び広さに構成されている。
【0018】
次に、この走行車体2の動力伝達機構について説明する。
エンジン20の左側面部にエンジン出力軸40が突出し、そのエンジン出力軸40の回転動力が、ベルト式変速装置41と主クラッチ機能付きのベルト伝動装置42とを介して、ミッションケース10の左側面部に突出するミッション入力軸43に伝達される。また、エンジン出力軸40の延長線上でベルト式変速装置41よりも外側に油圧ポンプ45が設けられ、エンジン出力軸40の回転動力でこの油圧ポンプ45が直接駆動される。このようにベルト式変速装置41やベルト伝動装置42よりも伝動上手側から回転動力を取ることにより、ベルトのスリップや脈動による影響を受けず油圧ポンプ45の回転を安定させることができる。
【0019】
ベルト式変速装置41は、エンジン出力軸40に一体回転するように嵌合する駆動プーリ50と、中継軸51に回転自在に嵌合する従動プーリ52とに伝動ベルト53を掛け、該ベルトにテンションプーリ54で張力を付与している。駆動プーリ50及び従動プーリ52は割りプーリになっており、両プーリ50,52の有効径を互いに大小逆側に変更することにより伝動比を変更し、駆動プーリ50の有効径が一定以下になると、該プーリ50の内側に設けた遊転ロ−ラ264に伝動ベルト53が接する状態となって伝動停止になる。
【0020】
ベルト伝動装置42は、前記ベルト式変速装置41の従動プーリ52に一体の駆動プーリ42aとミッション入力軸43に取り付けた従動プーリ42bとに伝動ベルト42cを掛け、この伝動ベルト42cにテンションプーリ42dで張力を付加するようにしたもので、テンションプーリ42dを伝動ベルト42cから離すと、エンジン20の回転動力がミッションケース10へ伝動されない主クラッチ「切」の状態になるようになっている。
【0021】
図9はミッションケースの内部構造を示す図である。主クラッチとしてのベルト伝動装置42を介してミッション入力軸43に入力された回転動力は、「路上走行速」「通常植付速」「超低速」「中立」の各シフト位置を有する副変速装置70を介して副変速軸71に伝達される。そして、副変速軸71の回転動力の一部は、走行用動力として前後進切替装置72を介してブレーキ軸73に伝達される。前後進切替装置72は、副変速軸71からブレーキ軸73へ逆転方向に動力を伝達する「前進」と、同方向に動力を伝達する「後進」と、動力を伝達しない「PTO」とを切り替えるようになっている。
【0022】
ブレーキ軸73には四輪ブレーキ装置75が設けられている。75aは四輪ブレーキ装置の操作アームである。そして、ブレーキ軸73の回転動力は、デフ装置76によって左右の前輪アクスル77,77に分配して伝達され、さらに該前輪アクスルによって前輪ファイナルケース12,12に伝動されて前輪7,7を駆動する。76aはデフ装置76のデフ機能を停止させるデフロックピンである。左右の前輪アクスル77,77には後輪クラッチ・ブレーキ装置78,78がそれぞれ設けられ、該装置を経てミッションケース10の背面部から取り出される後輪駆動用動力が後輪伝動軸79,79を介して後輪ファイナルケース15,15に伝達されて後輪8,8を駆動する。
【0023】
副変速軸71の回転動力の残りは、作業装置駆動用の回転動力(PTO)として、一対の株間副変速ギヤ81,82を経由してPTO出力軸83に伝達される。上記株間副変速ギヤ81,82はミッションケース10の右側面の内側に配置されており、その外側に着脱自在に取り付けられたカバー84を外してギヤ比の異なる株間副変速ギヤに交換することが可能である。PTO出力軸83の後端にはPTO伝動軸85が接続され、該軸を介してPTOが植付クラッチケース86へ伝達される。尚、PTO出力軸83及びPTO伝動軸85は、後側へいくにつれて左右方向の外側(右側)へ位置するように斜めに配置され、右側の前輪7の近くに配置される前側部分を左右方向の内寄り(左寄り)に位置させて右側の前輪7の操向による該前輪7と干渉しないようにしている。
【0024】
植付クラッチケース86に伝達されたPTOは施肥動力と植付動力とに分岐し、施肥動力は植付クラッチケース86から取り出され、植付動力は株間調節装置及び植付クラッチを経由して植付クラッチケース86から取り出される。植付クラッチケース86から取り出された植付動力は、該ケースの出力部に設けた植付安全クラッチ(図示せず)を経てから、植付伝動軸88を介して苗植付部4へ伝達される。尚、植付伝動軸88は、PTO出力軸83及びPTO伝動軸85と同様に、後側へいくにつれて左右方向の外側(右側)へ位置するように斜めに配置されている。
【0025】
変速レバー30の操作機構を図10に示す。変速レバー30は操向ハンドル24の左下方に設けられていて、軸90を支点にして左右に回動可能かつ軸91を支点にして前後に回動可能になっている。変速レバー30を左右に操作すると、前後進切替ロッド(図示せず)を介して前後進切替装置72が切り替えられる。また、変速レバー30を前後に操作すると、アーム、連結ロッド、中継軸等からなる連係部94を介してベルト式変速装置41の変速操作ロッド68が前後移動させられ、ベルト式変速装置41が変速操作される。この変速レバーの操作範囲はレバーガイド95によって規制されている。
【0026】
レバーガイド95は図11に示す形状をしており、変速レバー30の前後位置がNにあるときベルト式変速装置41が伝動停止状態になり、これより前方及び後方に操作するとその操作量に応じて速度が速くなる。また、前後進切替装置72は、変速レバー30が左右中央位置で「PTO」、右側位置で「前進」、左側位置で「後進」となる。「PTO」及び「前進」では変速レバー30をNよりも前側の前進域Fにのみ操作することができ、「後進」では変速レバー30をNよりも後側の後進域Rにのみ操作することができる。
【0027】
従って、変速レバー30をNよりも前方に操作すると常に前進速になり、Nよりも後方に操作すると常に後進速になる。変速レバー30の操作方向と機体の進行方向が一致するので感覚的に分かりやすい。前進速から後進速に或はその逆に切り替える際、その過程で必ずベルト式変速装置41が伝動停止状態となるので、主クラッチを「切」にすることなく変速レバー30の操作だけで前後進の切替を行える。また、前進域Fのレバーストロークに比べ後進域Rのレバーストロークを狭くして後進の最大速度を規制しているので、安全である。なお、前後進切替装置72が「PTO」で変速レバー30を前進域Fに操作した場合は、走行部は駆動されず作業装置だけが駆動される。
【0028】
尚、上述のものは前進速と後進速との切り替え時に、ベルト式変速装置41が伝動停止状態になるようにしたが、ベルト式変速装置41とは別の伝動部が伝動停止状態となるよう連動する構成としてもよい。図12に示すように、ミッションケース10内の入力部に遊星歯車機構265を設け、サンギヤ266を停止用クラッチ267により回転しないようにしてミッション入力軸43の駆動で該遊星歯車機構265の複数のカウンタギヤ268を公転させることにより、リングギヤ269を回転させて伝動する。そして、変速レバー30をN(中立)近くに操作すると、連係部94のアーム94aがクラッチシフタ270に当接し、該クラッチシフタ270をスプリング271に抗して回動させて前記停止用クラッチ267を断ち、サンギヤ266を遊転する状態にして複数のカウンタギヤ268が公転してもリングギヤ269へ伝動されないようにしている。これにより、前進速と後進速との切り替え時に、伝動ベルト53がつき回ってベルト式変速装置41が伝動することがあっても、その伝動下手で確実に伝動停止状態にすることができる。また、遊星歯車機構265により、伝動状態と伝動停止状態との切替の衝撃を抑えてスム−ズに切り替えることができる。
【0029】
図13及び図14にクラッチ・ブレーキペダル及びクラッチ・ブレーキレバーの操作機構を示す。クラッチ・ブレーキペダル33は座席22の右側足下部に設けられ、支持軸100を支点にして前後に回動自在となっている。また、クラッチ・ブレーキペダル33には、これと一体にクラッチ・ブレーキレバー34が上向きに取り付けられている。クラッチ・ブレーキペダル33と一体回動するアーム101が設けられ、このアーム101とミッションケース10の前方に左右方向に設けた回動軸102の右端部に取り付けたアーム103とがロッド104を介して連結されている。回動軸102の左端部には前記ベルト伝動装置42のテンションローラを支持するテンションアーム105が取り付けられている。テンションアーム105には、テンテンションプーリ42dが伝動ベルト42cに張力を付加する方向にテンションアーム105を付勢する引っ張りスプリング105aが取り付けられている。また、このテンションアーム105に一体形成された突起部と四輪ブレーキ装置75の操作アーム75aとが四輪ブレーキ作動ロッド106とが連結されている。
【0030】
これにより、クラッチ・ブレーキペダル33を前方に踏み込み操作もしくはクラッチ・ブレーキレバー34を前方に回動操作すると、ベルト伝動装置42のテンションプーリ105が伝動ベルト42cから離れて主クラッチ「切」となるとともに、四輪ブレーキ装置75がブレーキ作動する。
【0031】
また、クラッチ・ブレーキペダル33には、先端部が鍵状に形成されたロックアーム110が回動自在に設けられ、これがトルクスプリング111によって一定方向に付勢されている。これにより、クラッチ・ブレーキペダル33又はクラッチ・ブレーキレバー34を一定以上操作すると、ロックアーム110の鍵状部がロックピン112に係合し、クラッチ・ブレーキペダル33及びクラッチ・ブレーキレバー34がその操作位置のままに保持され、機体が停止状態に維持される。クラッチ・ブレーキレバー34の前側に設けられたロック解除レバー113をクラッチ・ブレーキレバー34側に引き寄せ操作すると、ロックアーム110がロックピン112から外れ、引っ張りスプリング105のクラッチ・ブレーキペダル33及びクラッチ・ブレーキレバー34が通常位置に戻り、主クラッチ「入」となるとともに、四輪ブレーキ装置75のブレーキ作動が解除される。
【0032】
このように、ミッションケース10の右側に設けたクラッチ・ブレーキペダル33及びクラッチ・ブレーキレバー34の操作力は、ミッションケース10の前側に配置した回動軸112を経由して、ミッションケース10の左側に設けたベルト伝動装置42のテンションプーリ105を作動させることにより、操作機構を簡略な構成とし、ステップフロア25の下側の限られた空間内に無理なく配置することができる。
【0033】
植付昇降レバー32は操向ハンドル24の右下方に設けられていて、前後に回動可能になっている。植付昇降レバー32の回動は、植付クラッチケース86及び後述する油圧バルブ176の各操作部へ伝達される。植付昇降レバー32は、後側から順に、苗植付部を上昇させる「上げ」、苗植付部の昇降を停止して昇降位置を固定させる「固定」、後述するセンターフロート185の接地により苗植付部を接地させた状態で対地昇降制御する「下げ」、その状態で更に植付クラッチを入れて苗植付部を駆動する「植付入」の各操作位置へ保持される。
【0034】
昇降リンク装置3は、前記リンク支持フレーム16,16に側面視で互いに平行な上リンク170及び左右一対の下リンク171,171が回動自在に支持され、これら各リンクの後端部に連結枠172が枢結されている。連結枠172には苗植付部4から前方に突出するローリング軸173が挿入され、苗植付部4がローリング自在に連結されている。下リンク171,171と一体回動するスイングアーム174が設けられ、メインフレーム13,13に基部側が支持された油圧シリンダ175のピストンロッドが上記スイングアーム174に連結されている。油圧シリンダ175を伸縮させると、各リンクが上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。油圧シリンダ175を制御する油圧バルブ176は、機体右側部のステップフロア25の下側に設けられている。
【0035】
苗植付部4は、伝動機構が内蔵された苗植付部フレーム180に、苗を載せて左右往復動すると共に各条ごとに苗送りベルト181a,…が苗を下方へ搬送すると共に下端部に設けた左右移動レ−ル181cに沿って左右移動して該左右移動レ−ル181cに備える所定の苗取出口181b,…に一株づつ供給する苗載台181、前記苗取出口181b,…に供給される苗を取り出して表土面に植え付ける5組の苗植付装置183,…、植付作業時に次行程における機体進路の左右中心を表土面に線引きする左右の線引きマーカ184,184、整地用のセンターフロート185及びサイドフロート186,186等が組み付けられている。
【0036】
苗植付部フレーム180は、図15及び図16に示すように、左右中心よりも右側に偏位して配置された入力ケース190と、該入力ケースの右横に連結したギヤケース191と、該ギヤケースから右方に延設された右フレームパイプ192Rと、該右フレームパイプの先端部に取り付けられた右植付伝動フレーム193Rと、前記入力ケース190の左横に連結した中央植付伝動フレーム193Cと、該中央植付伝動フレームから左方に延設された左フレームパイプ192Lと、該左フレームパイプの先端部に取り付けられた左植付伝動フレーム193Lと、左フレームパイプ192Lに取り付けた基部枠194とで構成され、該基部枠194に設けたローリング軸173で前記連結枠172に連結されている。苗植付装置183,…は、左右植付伝動フレーム193L,193Rの後端左右両側及び中央植付伝動フレーム193Cの後端左側にそれぞれ設けられている。
【0037】
植付伝動フレーム193(R,C,L)の前面部には蓋体193aが取り付けられ、この蓋体193aで苗載台支持フレーム181cの基部及び植付深さ調節パイプ206を支持している。これにより、植付伝動フレーム193(R,C,L)の短縮化が図れるとともに、部品点数の削減と軽量化が可能となる。
【0038】
植付伝動軸88により走行車体側から伝達される植付動力は、入力ケース190内の入力軸195に入力され、さらに該入力軸からベベルギヤ装置196を介して、上記各ケース及びフレームパイプ内に回転自在に支承された植付駆動軸197に伝動される。そして、各植付伝動フレーム193L,193C,193R内に設けられたチェーン198,…により、各植付伝動フレームの後端部に回転自在に支承された植付装置軸199,…に伝動される。
【0039】
また、植付駆動軸197から、ギヤケース191内のギヤ装置201により、左右方向にリードカム軸202に伝動される。リードカム軸202は外周面に螺旋状の溝が形成された軸で、この溝にリードメタル203の爪が係合している。リードメタル203が取り付けられている横移動棒204は、軸方向に摺動自在に支持されており、その左右端部が苗載台181に連結されている。リードカム軸202が回転すると、リードメタル203の爪がリードカム軸202の溝に沿って移動することにより、横移動棒204及びこれと一体の苗載台181が左右移動レ−ル181cに沿って左右往復動する。尚、前記ギヤ装置201は、植付駆動軸197の回転を不等速にリードカム軸202に伝達して苗載台181の左右移動速度を調節する不等速伝動部201aと、ギヤ比が異なる複数組(図では2組)のギヤの組み合わせからなり、苗植付装置183が植付ける1株当たりの苗の量を調節するギヤ列式の苗取り量調節部201bとからなっている。
【0040】
植付駆動軸197の前方斜め少し下方には左右方向の植付深さ調節パイプ206が回動自在に設けられ、この軸に一体に取り付けたフロート支持アーム207,…の後端部に各フロート185,186,186が枢支されている。植付深さ調節レバー208を操作して植付深さ調節パイプ206を回動させることにより、各フロートの支持高さが変更し、苗の植付深さを調節される。センターフロート185は表土面の凹凸を検出するための接地体でもあり、植付作業時には、センターフロート185によって検出される表土面の凹凸に基づき、前記油圧バルブ176を駆動して苗植付部4を昇降制御し、苗の植付深さを常に一定に維持する。
【0041】
上記昇降制御の感度を調節する感度調節レバー37は、座席22の右側に設けられており、前後回動操作により感度を複数段階に調節するようになっている。感度調節レバー37を油圧バルブ176と左右同じ側に設けられているので、両者を連係させるワイヤの配索を簡略にできる。
【0042】
ところで、苗載台181の左右移動レ−ル181cは、左右に長く、機体全体においても苗植付部4においても左右両端が突出して配置される。従って、該レ−ル181cの端を畦等の他の構造物に接触させて該レ−ル181cを破損させる虞があり、苗取出口181b,…での苗の傾斜姿勢が不適正となって適正な植付姿勢で苗を植え付けられなくなる。また、他の構造物との干渉によりこのレ−ル181cの真直度が低下すると、苗載台181の左右移動がスム−ズに行えなくなり、苗載台181本体の破損を招いたり、苗植付装置183,…による苗取出口181b,…からの苗の取出量が不適正となって適正な苗本数で苗を植え付けられなくなる。そこで、左右植付伝動フレーム193L,193Rの前部にそれぞれ固着されて左右方向外側へ延びるレ−ル防護フレ−ム273を設け、該レ−ル防護フレ−ム273の端部を左右移動レ−ル181cの左右方向側方に位置させて左右移動レ−ル181cの端部を防護している。レ−ル防護フレ−ム273は、左右植付伝動フレーム193L,193R側の内側部分273aと端部側の外側部分273bとで構成され、内側部分273aが外側部分273bより太く構成されて剛性があり強度をもたせている。
【0043】
図17に示すように、線引きマーカ184は、前記レ−ル防護フレ−ム273の内側部分273aに起立・転倒可能に取り付けられるマ−カア−ム274と、該マ−カア−ム274の先端部に略直角方向に設けたマ−カ軸275と、該マ−カ軸275の先端部に回動自在に設けたマ−カ体276とを備えている。尚、マ−カ体276は、その外周に突出する複数の跡付け部276aを備えている。前記マ−カ軸275の先端は線引き作用時に左右方向へ向くよう略直角に屈曲しており、マ−カ体276が接地して回転することにより、該マ−カ体276の跡付け部276aが次行程における機体のセンタ−ライン上の圃場に跡を付けていく。マ−カ軸275は、筒軸277を介してマ−カア−ム274に取り付けられ、マ−カア−ム274に固着したストッパ278により前記筒軸277の回動が規制されて、マ−カ体276がマ−カア−ム274に対して所定位置より後側にのみ移動可能となるようマ−カア−ム274の軸心回りに所定位置より後側でのみ回動自在に設けられている。尚、マ−カア−ム274の前記ストッパ278とマ−カ軸275との間に設けたトルクスプリング279により、マ−カ軸275を前側へ回動付勢している。
【0044】
図17に示すように、前記マ−カア−ム274が起立・転倒するときの該ア−ム274先端の回動軌跡Tは側面視で後下がりに傾斜しており、前記マ−カ軸275は、マ−カ体276がより後側に位置するように線引き作用時において前記回動軌跡Tより下へいくほど後側に位置するように大きく前倒れ姿勢に傾斜している。これにより、機体の前進でマ−カ体276が圃場面から受ける抵抗によりマ−カ軸275が座屈しにくいようにすると共に、マ−カ体276ができるだけ後寄りに位置するようにして、非線引き状態に切り替えるべくマ−カア−ム274を起立回動させたときにマ−カ体276による泥はねが前側の座席22に座る作業者に降りかからないように構成している。しかも、線引き作用時においてマ−カ軸275をマ−カア−ム274先端の回動軌跡Tより前倒れ姿勢に傾斜させているので、マ−カア−ム274を起立回動させたときにその回動終端でマ−カ軸275は慣性力によりトルクスプリング279に抗して前記回動軌跡Tより後側に回動するようになり、マ−カ体276による泥はねが前記回動軌跡Tより後側に作用するようになり、前側の座席22に座る作業者に泥が降りかかることを防止している。尚、この構成により、苗植付部4を後輪8,8すなわち走行車体2側に近づけてレイアウトすることができる。特に、上述のように回動する形態のマ−カ体276は泥が付着しやすく、泥はねが生じやすいが、従来は特開2001−78514号公報に示されるように、マ−カア−ムの起立時にマ−カ体が苗載台の前側へ収容できるようにマ−カ体をマ−カア−ム先端の回動軌跡より前側に配置していた。
【0045】
マ−カ軸275は、この軸心回りに回動しないようにマ−カア−ム274側に設けた規制ピン280により規制されている。尚、規制ピン280がマ−カ軸275と一体の位置決めプレ−ト281に設けた通常位置用孔281aに挿入されることにより、マ−カ軸275は規制される。前記位置決めプレ−ト281には収納位置用孔281bも設けており、規制ピン280を引き抜いてマ−カ軸275を軸心回りに略直角に回動させて前記収納位置用孔281bに挿入することにより、マ−カ体276がマ−カ軸275回りに略直角に回動した状態で固定することができる。このように、マ−カ体276を回動させることにより、側面視においてマ−カ体276を苗載台181に沿って幅狭にでき、路上走行時や機体格納時等、線引きマーカ184を使用しないとき、マ−カ体276を苗載台181の前側へ侵入させて収納することができる。尚、この収納にあたっては、苗植付部4側に設けたフック(図示せず)にマ−カア−ム274を係止するべく回動させて行うようにすればよい。これにより、従来のようにマ−カ体276を取り外す必要もなく、線引きマーカ184を機体の左右方向内側に収納でき、機体の左右幅を縮小することができる。このとき、マ−カ体276がレ−ル防護フレ−ム273の端部より左右内側に収納されるようになるので、マ−カ体276が畦等の他の構造物と干渉するようなことを抑えることができ、線引きマーカ184の破損を防止することができる。
【0046】
また、レ−ル防護フレ−ム273は内側部分273aが外側部分273bより剛性がある構成としているので、該外側部分273bに他の構造物と干渉して変形するようなことがあっても前記内側部分273aは変形しにくく、該内側部分273aに取り付けられる線引きマーカ184の位置が変化して適正な位置に線引きできなくなるようなことを防止している。従来のレ−ル防護フレ−ムは、内外に亘って略均一な太さで略同等の強度を有していたので、変形するときには該フレ−ム全体が変形し、それにより線引きマーカの位置が変化してその線引き位置が不適正になる虞がある。
【0047】
施肥装置5は、肥料タンク220内の肥料を肥料繰出部221,…によって一定量づつ下方に繰り出し、その繰り出された肥料を施肥ホース223,…を通して施肥ガイド224,…まで移送し、該施肥ガイドの前側に設けた作溝体225,…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に落とし込むようになっている。
【0048】
以上により、この施肥田植機1の走行車体2は、全表面に亘って所定のパタ−ンの凹凸を施したステップマット256をステップフロア25上に敷設でき、ステップマット256をステップフロア25上に敷設したとき、ステップマット256の凹凸が合致する凹凸を後部ステップフロア25bの上面の略全面に施している。
【0049】
従って、ステップフロア25の上面の凹凸にステップマット256の凹凸が合致した状態で該ステップマット256が敷設され、そのステップマット256上に作業者が乗って苗植付部4への苗供給作業や肥料タンク220L,220Rへの肥料供給作業等で歩行する。ステップマット256の表面には凹凸が施されているので、作業者は足を滑らせにくくなる。しかも、このステップマット256の凹凸がステップフロア25の上面の凹凸に合致しているので、ステップフロア25に対してステップマット256が位置ずれする可能性が極めて小さくなり、作業者が安全に歩行できる。また、仮にステップマット256を取り外した状態で直接ステップフロア25上に作業者が乗ることがあっても、ステップフロア25の上面には凹凸が施されているので、作業者は足を滑らせにくくなる。よって、作業者は足を滑らせにくく、安全性の向上を図ることができる。ひいては、直接ステップフロア25上に作業者が乗っても足を滑らせにくいので、簡易的にステップマット256を省略することもでき、機体の軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
【0050】
従来の走行車体においては、作業者の靴に圃場の泥、水等が付着している上に、ステップフロアが比較的滑りやすい素材で且つ平面状に構成されているので、ステップマットを敷設せずに直接ステップフロア上を作業者が行き来すると、足を滑らせやすくなり危険である。しかしながら、ステップマットを取り外しできる構成となっている以上、作業者が直接ステップフロア上に乗る可能性が完全にないともいえない。また、ステップフロアとは別体のステップマットを設ける構成であるので、その分部品点数が増加し、機体の軽量化を阻害するばかりでなく、コストアップを招く要因ともなり得る。更には、別体であるためにステップフロアに対してステップマットが位置ずれする可能性もなきにしもあらず、ステップマット上に乗る作業者が安全に歩行できないことも考えられる。
【0051】
尚、図1及び図2に示すように、フロントア−ム250の先端部に前進スイッチ282及び後進スイッチ283を設け、これらのスイッチ282,283からなる操作具を操作することにより機体の前後進を切替可能に設けてもよい。これにより、機体から降りた作業者がフロントア−ム250を握ったままで前後進を切り替えでき、機体の前部が浮き上がって転倒しそうなとき等、機体の状況に応じて即座に機体を元の状態に戻すべく機体の進行方向を逆に切り替えて機体の転倒を防止でき、安全に作業をすることができる。この場合は、前進スイッチ282及び後進スイッチ283の操作により、前後進切替装置72を操作する電動シリンダ等のアクチュエ−タ(図示せず)が自動的に作動するように構成すればよい。従来のフロントア−ムとして、例えば特開平11−348810号公報に示されるように、左右方向の操作で操向輪を操向させるものは知られているが、前後進を切替できるものは知られておらず、機体の進行で機体の姿勢が悪化して転倒しそうになったときに即座にその転倒の予兆を解消できる手段が設けられたものがなかった。
【0052】
尚、以上の発明の実施の形態は施肥田植機1の走行車体2について詳述したが、本発明はトラクタやコンバイン等の他の農作業機の走行車体に利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】施肥田植機の側面図
【図2】施肥田植機の平面図
【図3】走行車体の一部を省略した平面図
【図4】後部ステップフロア及びステップマットを示す斜視図
【図5】ステップマットを装着したときの断面図
【図6】ステップマットを装着していないときの断面図
【図7】エンジンの下部の周辺を示す正面断面図
【図8】エンジンの下部の周辺を示す側面図
【図9】ミッションケースの展開断面図
【図10】変速レバーの操作機構の側面図
【図11】変速レバーのレバーガイドの平面図
【図12】遊星歯車機構を示す図
【図13】クラッチ・ブレーキペダルのクラッチ・ブレーキペダル及びクラッチ・ブレーキレバーの操作機構の平面図
【図14】クラッチ・ブレーキペダルのクラッチ・ブレーキペダル及びクラッチ・ブレーキレバーの操作機構の側面図
【図15】苗植付部の一部を省略した平面図
【図16】苗植付部の要部の側面図
【図17】線引きマーカ等を示す側面図
【図18】起立時の線引きマーカを示す平面図
【図19】マ−カ軸の回動を示す図
【符号の説明】
1…施肥田植機、2…走行車体、25…ステップフロア、25b…後部ステップフロア、256…ステップマット、257…ステップフロアの凸部、258…ステップマットの凸部、259…ステップマットの下面の凹部

Claims (1)

  1. 表面に所定の凹凸を施したステップマット256をステップフロア25上に敷設する走行車体において、ステップマット256をステップフロア25上に敷設したとき、ステップマット256の凹凸が合致する凹凸をステップフロア25の上面に施したことを特徴とする走行車体。
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