JP2004208883A - 医療用容器の製造方法および医療用容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール部における気泡、ピンホール等の発生をより確実に防止し得る医療用容器の製造方法および医療用容器を提供する。
【解決手段】本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部15を備える医療用容器1の製造方法である。医療用容器1の製造方法は、折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体2を準備し、上辺および下辺のシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、シール部の両端部の液体収納部と反対側に非シール部13a,13b,14a,14bが形成されるように上辺および下辺をシールする工程を行うものである。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部15を備える医療用容器1の製造方法である。医療用容器1の製造方法は、折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体2を準備し、上辺および下辺のシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、シール部の両端部の液体収納部と反対側に非シール部13a,13b,14a,14bが形成されるように上辺および下辺をシールする工程を行うものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、医療用容器の製造方法および医療用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
輸液バッグ等の医療用容器として、円筒状の樹脂性シート材の上下開口端を熱融着することによって、内部に液体を密封したものが広く用いられている。この融着は、一般に、シート材の開口端を一対のシール金型で挟み、加熱することにより行われる。
しかし、円筒状のシート材を用いた場合、両金型でシート材を挟むときに、シート材の折り曲げ部(側辺部)周辺にエアーが残留する場合がある。シート材の折り曲げ部にエアーが存在する状態において熱融着すると、熱融着部内に気泡となって残留する。この気泡は、シール性を低下させ、またピンホールを生じさせる原因となる。ピンホールが存在すると、ガスバリア性が損なわれ、例えば、空気中の水分、酸素、二酸化炭素などが侵入し、容器内の薬剤を変質させる場合がある。このような問題は、特に、オレフィン系樹脂を含むシート材を用いた場合、顕著であった。
そこで、本件出願人は、特開2001−204792号に示すものを提案している。
特開2001−204792号には、折り返し部を有するシート材で構成され、前記シート材をシールすることによって形成されたバッグの内部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、前記シート材の前記折り返し部の少なくとも一部を含む領域を予備シールして予備シール部を形成し、次いで、前記予備シール部よりシール強度が大きく、かつ前記折り返し部において前記予備シール部と重なるように再びシールしてシール部を形成し、その後、前記バッグ内部に前記液体を注入することを特徴とする医療用容器の製造方法が提案されている。
上記のものも十分な効果を有するが、より高いピンホール発生の防止が望まれている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−204792号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シール部における気泡、ピンホール等の発生をより確実に防止し得る医療用容器の製造方法および医療用容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするシール工程を行う医療用容器の製造方法。
(2) 前記シール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は、5〜80mmである上記(1)に記載の医療用容器の製造方法。
【0006】
(3) チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部となる部位の両端を含みかつ該シール部となる部位内の前記液体収納部との境界付近となる位置から液体収納部となる部位に側辺を含んで延びる小面積の空気排除圧着部を前記シート状筒状体に形成する空気排除圧着部形成工程と、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部により形成される液体収納部との境界が前記空気排除用圧着部上となるように前記上辺および下辺をシールするシール工程とを有する医療用容器の製造方法。
【0007】
(4) 前記シール工程は、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするものである上記(3)に記載の医療用容器の製造方法。
(5) 前記シール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は、5〜80mmである上記(4)に記載の医療用容器の製造方法。
(6) 前記シール工程は、前記上辺および下辺のシール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように行うものである上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(7) 前記シール工程は、前記非シール部が前記空気排除圧着部と重ならないもしくは重ならない部分が大部分を占める状態となるように行うものである上記(6)に記載の医療用容器の製造方法。
(8) 前記空気排除圧着部形成工程は、前記シート状筒状体の少なくとも内表面部分を形成する材料の溶融開始温度より60〜150℃低い温度で行うものである上記(3)ないし(7)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(9) 前記シート状筒状体は、インフレーション成形によってチューブ状に成形されたものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(10) 前記医療用容器内部は、仕切り部によって複数の空間に仕切られている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(11) 前記仕切り部の少なくとも一部に前記シール部よりシール強度が小さく剥離可能な弱シール部を有する上記(10)に記載の医療用容器の製造方法。
【0008】
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法により製造されたことを特徴とする医療用容器。
(13) チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と、内部に形成された液体収納部と、該液体収納部と連通する液体排出口を備え、かつ前記液体収納部に液体が収納された医療用容器であって、前記シールされた上辺およびシールされた下辺の両端部には、前記側辺の一部を含むように形成された非シール部を備えている医療用容器。(14) 前記上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は、5〜80mmである上記(13)に記載の医療用容器。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の医療用容器の製造方法および医療用容器について、詳細に説明する。図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。図2は、図1に示した医療用容器の製造方法を説明するための説明図である。図3は、図1に示した医療用容器の製造方法を説明するための説明図である。図4は、図2に示したシート状筒状体の上辺側部分かつ右側辺部分の拡大図である。図5は、図4のA−A線端面図である。図6は、図4のB−B線端面図である。図7は、図4のC−C線端面図である。図8は、図1に示した医療用容器の上辺側部分の部分破断拡大図である。図9は、図1に示した医療用容器の下辺側部分の部分破断拡大図である。図10は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。
【0010】
本発明の医療用容器1は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と、内部に形成された液体収納部と、該液体収納部と連通する液体排出口を備え、かつ前記液体収納部に液体が収納された医療用容器であって、前記シールされた上辺およびシールされた下辺の両端部5a、5b、6a、6bには、側辺7,8の一部を含むように形成された非シール部13a,13b,14a,14bを備えている。
本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部15(15a,15b)を備える医療用容器1の製造方法である。医療用容器1の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2を準備し、上辺および下辺のシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bの液体収納部15と反対側に非シール部13a,13b,14a,14bが形成されるように上辺および下辺をシールするシール工程を行うものである。
【0011】
また、本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法である。医療用容器1は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2を準備し、医療用容器1の上辺および下辺のシール部5,6となる部位の両端を含みかつシール部5,6となる部位内の液体収納部15との境界5c、6c付近となる位置から液体収納部15となる部位に側辺7,8を含んで延びる小面積の空気排除圧着部11a,11b,12a,12bをシート状筒状体2に形成する空気排除圧着部形成工程と、医療用容器1の上辺および下辺のシール部5,6により形成される液体収納部との境界5c、6cが空気排除用圧着部11a,11b,12a,12b上となるように上辺および下辺をシールするシール工程とを有するものである。
そして、本発明の医療用容器は、上記の製造方法により製造されたものである。
【0012】
さらに、上記の製造方法におけるシール工程は、上辺および下辺のシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bの液体収納部15と反対側に非シール部13a,13b,14a,14bが形成されるように上辺および下辺をシールすることが好ましい。
よって、以下の説明では、上記の空気排除圧着部形成工程と、上記のような非シール部が形成されるシール工程を備える好適実施例を用いて説明する。
なお、シール工程において、上記のような非シール部が形成されないものとしてもよい。また、逆に、非シール部が形成されるシール工程を備えるものであって、上記の空気排除圧着部形成工程を行わないものであってもよい。
【0013】
医療用容器1は、図1に示すように、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部15を備える。
特に、この実施例の医療用容器1では、シート状筒状体2を備え、このシート状筒状体には、液体収納部を区画する弱シール部9が形成されており、液体収納部15は、第1の液体収納部15aと第2の液体収納部15bに区画されている。また、医療用容器1は、液体収納部15と連通する液体排出口21、混注口22を備えている。この実施例では、排出口21は、第1の液体収納部15a側に設けられている。同様に、混注口22も第1の液体収納部15a側に設けられている。なお、混注口22は、第2の液体収納部15b側に設けてもよい。液体排出口21には、チューブとの接続用コネクター部を備えるポート部材24が液密に固定されている。また、ポート部材24は、非破断状態では閉塞しており、破断により連通する連通可能部材24aを備えている。医療用容器1の外側よりこの連通可能部材24aを折り曲げることにより、ポート部材24内と液体収納部15内とは連通し液体を排出可能となる。混注口22としては、公知のものが使用できる。混注口としては、例えば、注射針が刺通可能なシール部材により封止されたポート状部材が用いられる。
【0014】
そして、本発明の医療用容器の製造方法では、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2を準備する。
医療用容器1のシート状筒状体2は、軟質合成樹脂により形成されている。シート状筒状体2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、シート状筒状体2は、例えば、Tダイ法、ブロー成形法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、ホットプレス法等の種々の方法により製造されたものでもよい。そして、シート状筒状体2は、製造過程において折り曲げられることにより2つの側辺が形成される。また、必要により軽くプレスすることにより、折り曲げられた側辺を形成してもよい。
シート状筒状体2は、ガスバリヤー性を有することが好ましい。ガスバリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。
【0015】
このようにシート状筒状体2がガスバリヤー性を有することにより、医療用容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される液体26の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このようなシート状筒状体2の形成材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。そして、使用する樹脂材料は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)に耐えられる耐熱性、耐水性を有していることが好ましい。
【0016】
また、シート状筒状体の形成材料として、ポリオレフィンが含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、シート状筒状体2の形成材料として、ポリオレフィンを含むものであるのが好ましい。シート状筒状体2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレンまたはポリプロピレンに、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図れる点で好ましい。
また、シート状筒状体は、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、シート状筒状体2の耐衝撃性を向上させたり、対ブロッキング性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、シート状筒状体2のガスバリヤー性等を向上させることができる。例えば、アルミ箔等のフィルムが積層された場合、ガスバリヤー性の向上とともに、遮光性を付与したりすることができる。また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を形成した場合、ガスバリヤー性の向上とともに、シート状筒状体2の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、シート状筒状体2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
【0017】
シート状筒状体2を構成するシート材(単層または多層積層体)2a,2b厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜300μm程度であるのがより好ましい。
また、医療用容器1の容積は、内部に収納する液体26の種類等によって異なるが、通常は、200〜5000ml程度であるのが好ましく、1000〜5000ml程度であるのがより好ましい。長方形シート状筒状体2の縦方向(上下方向)の長さ(バッグ全長の長さ)としては、100〜800mmが好ましく、特に、200〜600mmが好ましい。また、長方形シート状筒状体2の横方向(左右方向)の長さ(バッグの幅)としては、50〜500mmが好ましく、特に、100〜400mmが好ましい。
【0018】
ところで、シート状筒状体としてインフレーション成形法により筒状に成形した場合に、シート状筒状体2の両側縁に折り曲げ部が形成される。この折り曲げ部では、形成材料の弾性などにより、その周辺が膨らみを持ち、その内側に空隙部が形成されている場合が多い。このような状態で、そのまま熱融着等によりシール部を形成すると、まず膨らみの頂部に金型が当接して、その部分が優先して溶融されることとなり、シール部にエアーが残存することがある。シール部に残存するエアーは、ピンホールの発生を招く場合がある。このような現象は、シール方法として熱融着を採用した場合、特に顕著に発現する。
このような折り曲げ部でありかつシール部となる部分におけるエアーの残留を防止するために、本発明の医療用容器1では、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを備えている。
【0019】
図1に示すように、医療用容器1は、シート状筒状体2の上辺および下辺のシール部5,6の両端部の液体収納部15との境界5c、6cから側辺7,8を含み液体収納部15側に延びる空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを備えている。そして、この空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2に、最初に側辺7,8を含んで延びる小面積の4つの空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成し、次いで、シール部5,6の液体収納部15との境界5c、6cがこの空気排除圧着部11a,11b,12a,12b上となるようにシール部を形成する。このため、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、初期形成状態のものよりシール部5,6と重なる部分が消失する。言い換えれば、重なる部分の空気排除圧着部はシール部に置換される。
【0020】
この空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成するために、本発明の医療用容器の製造方法では、空気排除圧着部形成工程を備えている。
この空気排除圧着部形成工程では、上述のようにして準備された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2を、医療用容器1の上辺および下辺のシール部5,6となる部位の両端を含みかつシール部5,6となる部位内の液体収納部15との境界5c、6c付近となる位置から液体収納部15となる部位に側辺7,8を含んで延びる小面積の空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成する。つまり、シート状筒状体2の各角部より所定距離向かい合う他辺側となる位置であってかつ側辺7,8を含むように4つの小面積の空気排除圧着部を設ける。
【0021】
空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの面積としては、1箇所当たり4mm2〜1000mm2とすることが好ましく、特に、4mm2〜200mm2であることが好ましい。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bのシート状筒状体2の縦方向(上下方向)の長さとしては、2〜50mmが好ましく、特に、2〜20mmが好ましい。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの形状としては、矩形状、内側の角が面取りされた矩形状、半円状、半楕円状、半多角形状、台形状などが好ましい。特に、図2および図3に示すように、内側の角が面取りされ、シート状筒状体2の縦方向に長い矩形状であることが好ましい。シート状筒状体2の縦方向(上下方向)の長さとしては、2〜50mmが好ましく、特に、2〜20mmが好ましい。シート状筒状体2の横方向(左右方向)の長さとしては、2〜20mmが好ましく、特に、2〜10mmが好ましい。そして、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、医療用容器1の上端縁および下端縁に到達しないものとなっている。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bのシート状筒状体2の横方向(左右方向)の長さ(最大長さ部分の長さ)としては、2〜20mmが好ましく、特に、2〜10mmが好ましい。
【0022】
また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの形成は、空気排除圧着部となる部位の空気が排除できかつ形成後に空気が流入しない程度に行われる。空気排除圧着部の形成によりシート材は密着するがそのシール強度として好ましくは、0.5〜3.5kgf/cm2であり、より好ましくは、0.9〜3.0kgf/cm2であることが好ましい。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの形成のためのシール圧が、0.5〜7.0kgf/cm2が好ましく、特に、より好ましくは1.0〜6.0kgf/cm2が好ましい。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成する押圧型の温度としては、シート状筒状体2の形成材料の溶融開始温度より十分に低いことが好ましく、60〜150℃とすることが好ましく、特に、60〜100℃とすることが好ましい。なお、溶融開始温度とは、同一樹脂同士で熱溶融接着が可能な最低温度を意味するものであり、融点を有するものについては、融点を意味する。
【0023】
このようにして、図2および図3に示すように、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bが形成される。この空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成することにより、折り曲げ部の膨らみが解消し、空気が排除されると共に、平坦化となる。
そして、図2および図3に示すように、上記のような空気排除圧着部11a,11b,12a,12bが形成されたシート状筒状体2の上辺および下辺をシールするシール工程が行われる。なお、上述したように、空気排除圧着部形成工程を行うことが好ましいが、行われないものであってもよい。
この実施例では、図2に示すように、上辺側の初期シールでは、上述した液体排出ポートおよび混注口を取付部となる部分51をシールしない。このため、このシール工程では、最初に上辺の両肩部がシールされ、2つのシール部52,53が形成される。そして、この上辺の両肩部のシール部52、53は、医療用容器1の上辺シール部5により形成される液体収納部との境界5cが空気排除用圧着部11a,11b上となるように行われる。言い換えれば、シール部5の両端部5a,5bが、空気排除圧着部11a,11bと重なり、かつ空気排除圧着部11a、11b内の側辺7,8をシールするように行われる。
【0024】
同様に、この実施例では、図3に示すように、下辺側の初期シールは、液体注入用開口となる部分61をシールしない。このため、このシール工程では、最初に下辺の両肩部がシールされ、シール部62,63が形成される。そして、この下辺の両肩部のシール部62,63は、医療用容器1の下辺のシール部6により形成される液体収納部との境界6cが空気排除用圧着部12a,12b上となるように行われる。言い換えれば、シール部6の両端部6a,6bが、空気排除圧着部12a,12bと重なり、かつ空気排除圧着部12a、12b内の側辺7,8をシールするように行われる。
【0025】
そして、図2および図3に示すように、シール部5,6の形成は、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの液体収納部側部分が残存するように行われる。つまり、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、液体収納部側にシール部5,6によりシールされない部分を備えている。これにより、落下時等の衝撃をこの残存する空気排除圧着部が吸収することが可能となり、シール部5,6の剥離による液漏れ、破袋等が生じにくくなる。この残存する空気排除圧着部のシート状筒状体の縦方向長さは、特に限定されないが、1〜20mmであるのが好ましく、3〜10mmであるのがより好ましい。なお、液体が充填された状態の医療用容器において、この残存する空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、剥離していても、剥離していなくてもよい。
また、本発明の医療用容器では、シール部5、6と空気排除圧着部11a,11b、12a、12bとが重なる部分の面積は極めて小さいものとなっている。重なり合う面積としては、10mm2〜1000mm2とすることが好ましく、特に、10mm2〜100mm2であることが好ましい。
さらに、シール部5,6が形成する境界5c、6cは、図2および図3に示すように、側辺7,8に向かうに従って向かい合う他辺側に近づくように湾曲していることが好ましい。このため、シール部5,6が形成する境界5c,6cは、空気排除圧着部11a,11b、12a、12bを斜めに横切るものとなっている。
【0026】
さらに、この実施例では、シール工程は、上辺および下辺のシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、両端部5a、5b、6a、6bの液体収納部15と反対側に非シール部13a,13b,14a,14bが形成されるように上辺および下辺をシールするものである。シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bは、図2および図3に示すように、折り曲げられた側辺7,8の一部を含んでいる。非シール部13a,13b,14a,14bは、図2および図3に示すように、折り曲げられた側辺7,8の一部を含んでいる。
このように、シール部5,6の端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、非シール部13a,13b,14a,14bを形成することにより、仮に、シール時に両端部5a、5b、6a、6b内に空気が残留していたとしてもそれを非シール側もしくは液体収納部側に排出することができ、ピンホールの形成を防止できる。シールは通常、シート状筒状体を平坦においた状態において、上方より加熱金型を押し当てることにより行われる。そして、折り曲げ部を含む両端部となる部分に空気が残留しているとシール時の加熱により気泡が膨張するとともに溶融状態の樹脂表面側に上昇し小さな窪みを形成し、この部分の肉厚が薄くなり、これがピンホールとなる場合がある。しかし、上記のように、シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bの上記幅を小さくすることにより、折り曲げ部に残留していた空気は、加熱金型による押圧時に非シール側もしくは液体収納部側に逃げやすくこのため、シール後に両端部に残留することも窪みを形成することが極めて少ないものとなる。
【0027】
シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wとしては、1〜8mmであることが好ましく、特に、2〜7mmであることが好ましい。また、この縦方向の幅が小さい両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の横方向の長さとしては、10〜100mmであることが好ましく、特に、10〜50mmであることが好ましい。
また、非シール部13a,13b,14a,14bの面積は、あまり大きい必要はなく、10〜1000mm2とすることが好ましく、特に、20〜500mm2であることが好ましい。また、非シール部13a,13b,14a,14bのシート状筒状体2の縦方向(上下方向)の長さとしては、1〜10mmが好ましく、特に、2〜7mmが好ましい。また、非シール部13a,13b,14a,14bの形状としては、矩形状、内側の角が面取りされた矩形状、半円状、半楕円状、半多角形状などが好ましい。また、非シール部のバッグ横方向の長さは、3〜100mmが好ましい。特に、図2および図3に示すように、内側の角が面取りされ、シート状筒状体2の縦方向に長い矩形状であることが好ましい。
【0028】
さらに、この実施例のように、シール工程は、この非シール部13a,13b,14a,14bが、空気排除圧着部と重ならないもしくは重ならない部分が大部分を占める状態となるように行うことが好ましい。
この実施例の医療用容器1では、図2ないし図4に示すように、非シール部13a,13b,14a,14bが、空気排除圧着部と若干重なる状態となるようにシール工程が行われている。このため、図2および図3に示すように、非シール部13a,13b,14a,14b内に、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの一部が存在する状態となっている。具体的に説明すると、シート状筒状体の上辺側部分かつ右側辺部分の拡大図である図4ないし図4のA−A線端面図である図5に示すように、空気排除圧着部11aの上端側部分では、図5に示すように、折り曲げられた側辺7側から、非シール部13aと重なった空気排除圧着部11a、シール部5の端部5a、液体収納部15内に位置する空気排除圧着部11aを順に備えるものとなっている。また、図4のB−B線端面図である図6に示すように、空気排除圧着部11aの中央より若干上端側部分では、図6に示すように、折り曲げられた側辺7側から、シール部5の端部5a、液体収納部15内に位置する空気排除圧着部11aを順に備えるものとなっている。さらに、図4のC−C線端面図である図7に示すように、空気排除圧着部11aの下部側部分では、図7に示すように、折り曲げられた側辺7側から液体収納部15内に延びる空気排除圧着部11aのみを備えるものとなっている。
【0029】
さらに、このような非シール部13a,13b,14a,14bを形成する場合には、図10および図9に示すように、非シール部13a,13b,14a,14bのシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bと反対側にシール部5e,5f,6e,6fを形成してもよい。このようにすることにより、非シール部13a,13b,14a,14bによる端部が形成されなくなり、剥離を起こすことがなくなり、両端部5a、5b、6a、6bのシールを保護することができる。
シール工程は、シート状筒状体2のシート材2a,2bを融着することにより行われる。シール方法としては、熱融着、高周波融着、超音波融着等が用いられる。特に、熱融着(ヒートシール)が好ましい。つまり、上記のシール部がヒートシール部であることが好ましい。また、上記のシール工程は、ヒートシール工程であることが好ましい。
【0030】
そして、シール工程において、ヒートシールを行う場合には、金型の温度は、シート状筒状体2の形成材料の溶融開始温度より20℃以上高いものとすることが好ましい。特に、30〜90℃高いものとすることが好ましい。金型の温度は、筒状体2の形成材料によっても相違するが、例えば、金型温度が好ましくは150〜250℃、より好ましくは180〜220℃とすることが好ましい。また、シール工程におけるシール圧は、筒状体2の形成材料等によっても相違するが、0.5〜6.0kg/cm2であるのが好ましく、2.0〜5.0kg/cm2であることがより好ましい。また、シール部5,6のシール強度は、1.0〜10kgf/2cm幅であることが好ましく、特に、3.0〜10kgf/2cm幅であることが好ましい。
【0031】
さらに、この実施例の医療用容器の製造方法では、弱シール部形成工程が行われる。弱シール形成工程は、上述したシール工程の前後いずれに行ってもよい。また、弱シール形成工程は、上述した空気排除圧着部形成工程の前後いずれに行ってもよい。この弱シール形成工程により形成される弱シール部9により、医療用容器内の液体収納部15は、第1の液体収納部15aと第2の液体収納部15bに区分される。そして、それぞれの液体収納部15a,15bには異なる液体が充填される。そして、弱シール部形成工程は、図9に示すように、形成される弱シール部9の両端が二股に分岐するように行うことが好ましい。そして、分岐する弱シール部の端部間には、強シール部9aが形成されることが好ましい。
そして、弱シール部形成工程は、加熱により行うことが好ましく、金型の温度は、シート状筒状体2の形成材料の溶融開始温度より50℃以上低く、かつ、上述した空気排除圧着部形成工程より高い温度で行うことが好ましい。具体的には、シート状筒状体2の形成材料の溶融開始温度より50〜150℃低い温度範囲において行うことが好ましい。金型の温度は、筒状体2の形成材料によっても相違するが、例えば、金型温度を150〜280℃とすることが好ましく、より好ましくは180〜250℃である。また、弱シール工程におけるシール圧は、筒状体2の形成材料等によっても相違するが、0.5〜7.0kg/cm2であるのが好ましく、1.0〜6.0kg/cm2であることがより好ましい。そして、この弱シール部9は、液体収納部に液体が充填された状態の医療用容器1を指や掌等で押圧あるいは一方の薬液収納部を絞るように掴んだりすること等により、剥離可能な程度のシール強度を備える。
なお、本発明の医療用容器およびその製造方法としては、このような弱シール部を備えるものに限定されるものではない。
【0032】
このように液体収納部15を2つに区分することにより、反応等による変質、劣化を生じる物質を含有する液体を使用するまでは別々に保存でき、使用に際し、両液を混合することが好ましいとき等に適用することができる。このような液体としては、例えば、アミノ酸電解質液とブドウ糖液、ブドウ糖液と重曹液等の組み合わせが挙げられる。また、上記のような弱シール部を備えない場合には、どのような液体を充填してもよく、例えば、生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、腹膜透析液、経口栄養剤等が挙げられる。
【0033】
そして、本発明の医療用容器の製造方法では、図2に示す非シール部分51に、図8に示すように、液体排出ポート21および混注ポート22が挿入され、シールされシール部5dが形成され、シート状筒状体の上辺の全体がシールされる。このシール工程は、上述したシール工程と同様の方法により行うことができる。
そして、混注ポート22より液体26を液体収納部15aに充填したのち混注ポートに封止部材が固定される。
また、図3に示す非シール部分61より液体を液体収納部15bに充填した後、非シール部分61がシールされシール部6dが形成され、これにより、シート状筒状体の下辺の全体がシールされる。このシール工程は、上述したシール工程と同様の方法により行うことができる。
【0034】
【実施例】
次に、本発明の医療用容器の製造方法の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
シート状筒状体として、ポリプロピレンと水素添加スチレン−ブタジエン共重合体とを6:4の重量比で配合(ポリマーブレンド)した樹脂組成物(溶融開始温度150℃)をインフレーション成形により肉厚300μmの円筒状[折れ径(横幅223mm)]に成形したものを用いた。
そして、上記のシート状筒状体の側辺部に側辺を含むようにそれぞれが向かい合うように4つの空気排除用圧着部を形成した。シート状筒状体の縦方向に向かい合う空気排除用圧着部間の距離(縦方向)は、350mmであった。各空気排除用圧着部の面積は1箇所当たり200mm2であり、シート状筒状体の縦方向の長さは20mm、横方向の長さは10mmであり、形状は内側の角が面取りされたシート状筒状体の縦方向に長い矩形状であった。
空気排除圧着部の形成のためのシール圧は、5.0kg/cm2、空気排除圧着部を形成する押圧型の温度としては、シート状筒状体の形成材料の溶融開始温度より75℃低い75℃とし、押圧時間1.5秒、冷却時間3秒の条件にて行った。形成された空気排除圧着部のシール強度は、0.99N/cm幅であった。
【0035】
そして、図2および図3に示すような形状であり、シール部の両端部が空気排除圧着部を横切るようにシール部をヒートシールにより形成した。シール部の両端部は、図2および図3に示すように側辺に向かうに従って他辺側に湾曲するものとし、シール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅Wは、3mmであり、横方向の長さは、20mmとした。そして、シール部の両端部の外側(上辺端側および下辺端側)に非シール部が形成されるようにした。非シール部の面積は100mm2であり、シート状筒状体の縦方向の長さは2mm、横方向の長さは10mmであり、形状は内側の角が面取りされたシート状筒状体の縦方向に長い矩形状であった。さらに、非シール部の外側(上辺端側および下辺端側)にシール部が形成されるようにした。また、非シール部は、空気排除圧着部の一部を含むようにした。
【0036】
シール部の形成のためのシール圧は、0.48kg/cm2、シール部を形成する加熱型の温度としては、シート状筒状体の形成材料の溶融開始温度より75℃高い225℃とし、押圧時間3.5秒、冷却時間3秒の条件にて行った。形成されたシール部のシール強度は、30N/cm幅であった。
続いて、シート状筒状体の縦方向の中央部より下辺側となる位置に液体収納部を区分するとともに剥離可能な弱シール部を形成した。弱シール部の分岐する両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は28mmで、中間部の幅は10mmとした。
弱シール部の形成のためのシール圧は、5.0kg/cm2、弱シール部を形成する加熱型の温度としては、シート状筒状体の形成材料の溶融開始温度より33℃低い117℃とし、押圧時間3秒、冷却時間3秒の条件にて行った。
そして、図4および図5に示すように液体を充填した後、開口部を封止し、実施例の医療用容器を作製した。
【0037】
なお、各部位のシール強度は、医療用容器内の液体を排出口から排出し、その後、各部位の幅が1cmとなるようにシート材を長さ10cmの短冊状に切断した。これを試験片とし、引張試験機(島津製作所製、AG50S)を用いて、試験片の両端を300mm/分の速度で引き裂き、そのときの最大強度をシール部のシール強度とした。
【0038】
(実施例2)
空気排除用圧着部が形成されない以外は上記実施例と同じ条件にて医療用容器を作製した。
【0039】
(実施例3)
空気排除用圧着部の外側の非シール部が形成されない以外は上記実施例と同じ条件にて医療用容器を作製した。
【0040】
(比較例)
空気排除用圧着部およびその外側の非シール部が形成されない以外は上記実施例と同じ条件にて医療用容器を作製した。
【0041】
(実験)
実施例1〜3の医療用容器各10個および比較例の医療用容器10個について、シール部におけるシート材の最小肉厚の測定および下記試験(オートクレーブ滅菌後および振動試験後におけるピンホールによる液漏れの有無の確認)を行った。
これらの医療用容器を120℃×30分間、オートクレーブ滅菌した後、ピンホールによる液漏れの有無を確認した。そして、液漏れの認められなかった医療用容器をプラスチックフィルムで個包装したものを段ボール箱に詰めて、出荷状態にて振動試験(JISZ0200、3G×1時間)を行い、ピンホールによる液漏れの有無を確認した。なお、振動試験は、仕切り部(弱シール部)で二つ折りにした状態で行った。
【0042】
本発明の医療用容器では、シール部におけるシート材の最小肉厚が比較的大きく、オートクレーブ滅菌後に行った振動試験後においてもピンホールによる液漏れは生じなかったのに対し、比較例で得られた医療用容器では、本発明の医療用容器に比べて、シール部におけるシート材の最小肉厚が小さくなっており、オートクレーブ滅菌後、10個中3個の医療用容器がピンホールによる液漏れを生じ、振動試験後、さらに2個の医療用容器がピンホールによる液漏れを生じた。
また、本発明の医療用容器では、気泡が認められなかったのに対し、比較例の医療用容器では、シール部に気泡の存在が認められた。
【0043】
【発明の効果】
本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするシール工程を行うものであるので、シール部における気泡、ピンホール等の欠陥の発生が防止され、液漏れ等が生じにくい医療用容器を容易に製造することができる。
【0044】
また、本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部となる部位の両端を含みかつ該シール部となる部位内の前記液体収納部との境界付近となる位置から液体収納部となる部位に側辺を含んで延びる小面積の空気排除圧着部を前記シート状筒状体に形成する空気排除圧着部形成工程と、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部により形成される液体収納部との境界が前記空気排除用圧着部上となるように前記上辺および下辺をシールするシール工程とを有するので、シール部における気泡、ピンホール等の欠陥の発生が防止され、液漏れ等が生じにくい医療用容器を容易に製造することができる。
さらに、前記シール工程は、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするものとすることにより、シール部における気泡、ピンホール等の欠陥の発生がより確実に防止され、液漏れ等が生じにくい医療用容器を容易に製造することができる。
【0045】
また、本発明の医療用容器は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と、内部に形成された液体収納部と、該液体収納部と連通する液体排出口を備え、かつ前記液体収納部に液体が収納された医療用容器であって、前記シールされた上辺およびシールされた下辺の両端部には、前記側辺の一部を含むように形成された非シール部を備えている。つまり、この医療容器は、4つの角部に非シール部を備えるため、角部に落下などにより与えられた衝撃を吸収し、シールに伝達されること、特に、シール部と液体収納部の境界部への伝達を抑制するため、後発的要因によるピンホールの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した医療用容器の製造方法を説明するための説明図である。
【図3】図3は、図1に示した医療用容器の製造方法を説明するための説明図である。
【図4】図4は、図2に示したシート状筒状体の上辺側部分かつ右側辺部分の拡大図である。
【図5】図5は、図4のA−A線端面図である。
【図6】図6は、図4のB−B線端面図である。
【図7】図7は、図4のC−C線端面図である。
【図8】図8は、図1に示した医療用容器の上辺側部分の部分破断拡大図である。
【図9】図9は、図1に示した医療用容器の下辺側部分の部分破断拡大図である。
【図10】図10は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器
2 シート状筒状体
7,8 側辺
5,6 シール部
【発明が属する技術分野】
本発明は、医療用容器の製造方法および医療用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
輸液バッグ等の医療用容器として、円筒状の樹脂性シート材の上下開口端を熱融着することによって、内部に液体を密封したものが広く用いられている。この融着は、一般に、シート材の開口端を一対のシール金型で挟み、加熱することにより行われる。
しかし、円筒状のシート材を用いた場合、両金型でシート材を挟むときに、シート材の折り曲げ部(側辺部)周辺にエアーが残留する場合がある。シート材の折り曲げ部にエアーが存在する状態において熱融着すると、熱融着部内に気泡となって残留する。この気泡は、シール性を低下させ、またピンホールを生じさせる原因となる。ピンホールが存在すると、ガスバリア性が損なわれ、例えば、空気中の水分、酸素、二酸化炭素などが侵入し、容器内の薬剤を変質させる場合がある。このような問題は、特に、オレフィン系樹脂を含むシート材を用いた場合、顕著であった。
そこで、本件出願人は、特開2001−204792号に示すものを提案している。
特開2001−204792号には、折り返し部を有するシート材で構成され、前記シート材をシールすることによって形成されたバッグの内部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、前記シート材の前記折り返し部の少なくとも一部を含む領域を予備シールして予備シール部を形成し、次いで、前記予備シール部よりシール強度が大きく、かつ前記折り返し部において前記予備シール部と重なるように再びシールしてシール部を形成し、その後、前記バッグ内部に前記液体を注入することを特徴とする医療用容器の製造方法が提案されている。
上記のものも十分な効果を有するが、より高いピンホール発生の防止が望まれている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−204792号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シール部における気泡、ピンホール等の発生をより確実に防止し得る医療用容器の製造方法および医療用容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするシール工程を行う医療用容器の製造方法。
(2) 前記シール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は、5〜80mmである上記(1)に記載の医療用容器の製造方法。
【0006】
(3) チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部となる部位の両端を含みかつ該シール部となる部位内の前記液体収納部との境界付近となる位置から液体収納部となる部位に側辺を含んで延びる小面積の空気排除圧着部を前記シート状筒状体に形成する空気排除圧着部形成工程と、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部により形成される液体収納部との境界が前記空気排除用圧着部上となるように前記上辺および下辺をシールするシール工程とを有する医療用容器の製造方法。
【0007】
(4) 前記シール工程は、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするものである上記(3)に記載の医療用容器の製造方法。
(5) 前記シール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は、5〜80mmである上記(4)に記載の医療用容器の製造方法。
(6) 前記シール工程は、前記上辺および下辺のシール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように行うものである上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(7) 前記シール工程は、前記非シール部が前記空気排除圧着部と重ならないもしくは重ならない部分が大部分を占める状態となるように行うものである上記(6)に記載の医療用容器の製造方法。
(8) 前記空気排除圧着部形成工程は、前記シート状筒状体の少なくとも内表面部分を形成する材料の溶融開始温度より60〜150℃低い温度で行うものである上記(3)ないし(7)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(9) 前記シート状筒状体は、インフレーション成形によってチューブ状に成形されたものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(10) 前記医療用容器内部は、仕切り部によって複数の空間に仕切られている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(11) 前記仕切り部の少なくとも一部に前記シール部よりシール強度が小さく剥離可能な弱シール部を有する上記(10)に記載の医療用容器の製造方法。
【0008】
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法により製造されたことを特徴とする医療用容器。
(13) チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と、内部に形成された液体収納部と、該液体収納部と連通する液体排出口を備え、かつ前記液体収納部に液体が収納された医療用容器であって、前記シールされた上辺およびシールされた下辺の両端部には、前記側辺の一部を含むように形成された非シール部を備えている医療用容器。(14) 前記上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は、5〜80mmである上記(13)に記載の医療用容器。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の医療用容器の製造方法および医療用容器について、詳細に説明する。図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。図2は、図1に示した医療用容器の製造方法を説明するための説明図である。図3は、図1に示した医療用容器の製造方法を説明するための説明図である。図4は、図2に示したシート状筒状体の上辺側部分かつ右側辺部分の拡大図である。図5は、図4のA−A線端面図である。図6は、図4のB−B線端面図である。図7は、図4のC−C線端面図である。図8は、図1に示した医療用容器の上辺側部分の部分破断拡大図である。図9は、図1に示した医療用容器の下辺側部分の部分破断拡大図である。図10は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。
【0010】
本発明の医療用容器1は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と、内部に形成された液体収納部と、該液体収納部と連通する液体排出口を備え、かつ前記液体収納部に液体が収納された医療用容器であって、前記シールされた上辺およびシールされた下辺の両端部5a、5b、6a、6bには、側辺7,8の一部を含むように形成された非シール部13a,13b,14a,14bを備えている。
本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部15(15a,15b)を備える医療用容器1の製造方法である。医療用容器1の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2を準備し、上辺および下辺のシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bの液体収納部15と反対側に非シール部13a,13b,14a,14bが形成されるように上辺および下辺をシールするシール工程を行うものである。
【0011】
また、本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法である。医療用容器1は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2を準備し、医療用容器1の上辺および下辺のシール部5,6となる部位の両端を含みかつシール部5,6となる部位内の液体収納部15との境界5c、6c付近となる位置から液体収納部15となる部位に側辺7,8を含んで延びる小面積の空気排除圧着部11a,11b,12a,12bをシート状筒状体2に形成する空気排除圧着部形成工程と、医療用容器1の上辺および下辺のシール部5,6により形成される液体収納部との境界5c、6cが空気排除用圧着部11a,11b,12a,12b上となるように上辺および下辺をシールするシール工程とを有するものである。
そして、本発明の医療用容器は、上記の製造方法により製造されたものである。
【0012】
さらに、上記の製造方法におけるシール工程は、上辺および下辺のシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bの液体収納部15と反対側に非シール部13a,13b,14a,14bが形成されるように上辺および下辺をシールすることが好ましい。
よって、以下の説明では、上記の空気排除圧着部形成工程と、上記のような非シール部が形成されるシール工程を備える好適実施例を用いて説明する。
なお、シール工程において、上記のような非シール部が形成されないものとしてもよい。また、逆に、非シール部が形成されるシール工程を備えるものであって、上記の空気排除圧着部形成工程を行わないものであってもよい。
【0013】
医療用容器1は、図1に示すように、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部15を備える。
特に、この実施例の医療用容器1では、シート状筒状体2を備え、このシート状筒状体には、液体収納部を区画する弱シール部9が形成されており、液体収納部15は、第1の液体収納部15aと第2の液体収納部15bに区画されている。また、医療用容器1は、液体収納部15と連通する液体排出口21、混注口22を備えている。この実施例では、排出口21は、第1の液体収納部15a側に設けられている。同様に、混注口22も第1の液体収納部15a側に設けられている。なお、混注口22は、第2の液体収納部15b側に設けてもよい。液体排出口21には、チューブとの接続用コネクター部を備えるポート部材24が液密に固定されている。また、ポート部材24は、非破断状態では閉塞しており、破断により連通する連通可能部材24aを備えている。医療用容器1の外側よりこの連通可能部材24aを折り曲げることにより、ポート部材24内と液体収納部15内とは連通し液体を排出可能となる。混注口22としては、公知のものが使用できる。混注口としては、例えば、注射針が刺通可能なシール部材により封止されたポート状部材が用いられる。
【0014】
そして、本発明の医療用容器の製造方法では、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2を準備する。
医療用容器1のシート状筒状体2は、軟質合成樹脂により形成されている。シート状筒状体2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、シート状筒状体2は、例えば、Tダイ法、ブロー成形法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、ホットプレス法等の種々の方法により製造されたものでもよい。そして、シート状筒状体2は、製造過程において折り曲げられることにより2つの側辺が形成される。また、必要により軽くプレスすることにより、折り曲げられた側辺を形成してもよい。
シート状筒状体2は、ガスバリヤー性を有することが好ましい。ガスバリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。
【0015】
このようにシート状筒状体2がガスバリヤー性を有することにより、医療用容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される液体26の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このようなシート状筒状体2の形成材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。そして、使用する樹脂材料は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)に耐えられる耐熱性、耐水性を有していることが好ましい。
【0016】
また、シート状筒状体の形成材料として、ポリオレフィンが含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、シート状筒状体2の形成材料として、ポリオレフィンを含むものであるのが好ましい。シート状筒状体2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレンまたはポリプロピレンに、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図れる点で好ましい。
また、シート状筒状体は、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、シート状筒状体2の耐衝撃性を向上させたり、対ブロッキング性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、シート状筒状体2のガスバリヤー性等を向上させることができる。例えば、アルミ箔等のフィルムが積層された場合、ガスバリヤー性の向上とともに、遮光性を付与したりすることができる。また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を形成した場合、ガスバリヤー性の向上とともに、シート状筒状体2の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、シート状筒状体2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
【0017】
シート状筒状体2を構成するシート材(単層または多層積層体)2a,2b厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜300μm程度であるのがより好ましい。
また、医療用容器1の容積は、内部に収納する液体26の種類等によって異なるが、通常は、200〜5000ml程度であるのが好ましく、1000〜5000ml程度であるのがより好ましい。長方形シート状筒状体2の縦方向(上下方向)の長さ(バッグ全長の長さ)としては、100〜800mmが好ましく、特に、200〜600mmが好ましい。また、長方形シート状筒状体2の横方向(左右方向)の長さ(バッグの幅)としては、50〜500mmが好ましく、特に、100〜400mmが好ましい。
【0018】
ところで、シート状筒状体としてインフレーション成形法により筒状に成形した場合に、シート状筒状体2の両側縁に折り曲げ部が形成される。この折り曲げ部では、形成材料の弾性などにより、その周辺が膨らみを持ち、その内側に空隙部が形成されている場合が多い。このような状態で、そのまま熱融着等によりシール部を形成すると、まず膨らみの頂部に金型が当接して、その部分が優先して溶融されることとなり、シール部にエアーが残存することがある。シール部に残存するエアーは、ピンホールの発生を招く場合がある。このような現象は、シール方法として熱融着を採用した場合、特に顕著に発現する。
このような折り曲げ部でありかつシール部となる部分におけるエアーの残留を防止するために、本発明の医療用容器1では、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを備えている。
【0019】
図1に示すように、医療用容器1は、シート状筒状体2の上辺および下辺のシール部5,6の両端部の液体収納部15との境界5c、6cから側辺7,8を含み液体収納部15側に延びる空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを備えている。そして、この空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、折り曲げられることにより形成された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2に、最初に側辺7,8を含んで延びる小面積の4つの空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成し、次いで、シール部5,6の液体収納部15との境界5c、6cがこの空気排除圧着部11a,11b,12a,12b上となるようにシール部を形成する。このため、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、初期形成状態のものよりシール部5,6と重なる部分が消失する。言い換えれば、重なる部分の空気排除圧着部はシール部に置換される。
【0020】
この空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成するために、本発明の医療用容器の製造方法では、空気排除圧着部形成工程を備えている。
この空気排除圧着部形成工程では、上述のようにして準備された2つの側辺7,8を有するシート状筒状体2を、医療用容器1の上辺および下辺のシール部5,6となる部位の両端を含みかつシール部5,6となる部位内の液体収納部15との境界5c、6c付近となる位置から液体収納部15となる部位に側辺7,8を含んで延びる小面積の空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成する。つまり、シート状筒状体2の各角部より所定距離向かい合う他辺側となる位置であってかつ側辺7,8を含むように4つの小面積の空気排除圧着部を設ける。
【0021】
空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの面積としては、1箇所当たり4mm2〜1000mm2とすることが好ましく、特に、4mm2〜200mm2であることが好ましい。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bのシート状筒状体2の縦方向(上下方向)の長さとしては、2〜50mmが好ましく、特に、2〜20mmが好ましい。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの形状としては、矩形状、内側の角が面取りされた矩形状、半円状、半楕円状、半多角形状、台形状などが好ましい。特に、図2および図3に示すように、内側の角が面取りされ、シート状筒状体2の縦方向に長い矩形状であることが好ましい。シート状筒状体2の縦方向(上下方向)の長さとしては、2〜50mmが好ましく、特に、2〜20mmが好ましい。シート状筒状体2の横方向(左右方向)の長さとしては、2〜20mmが好ましく、特に、2〜10mmが好ましい。そして、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、医療用容器1の上端縁および下端縁に到達しないものとなっている。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bのシート状筒状体2の横方向(左右方向)の長さ(最大長さ部分の長さ)としては、2〜20mmが好ましく、特に、2〜10mmが好ましい。
【0022】
また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの形成は、空気排除圧着部となる部位の空気が排除できかつ形成後に空気が流入しない程度に行われる。空気排除圧着部の形成によりシート材は密着するがそのシール強度として好ましくは、0.5〜3.5kgf/cm2であり、より好ましくは、0.9〜3.0kgf/cm2であることが好ましい。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの形成のためのシール圧が、0.5〜7.0kgf/cm2が好ましく、特に、より好ましくは1.0〜6.0kgf/cm2が好ましい。また、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成する押圧型の温度としては、シート状筒状体2の形成材料の溶融開始温度より十分に低いことが好ましく、60〜150℃とすることが好ましく、特に、60〜100℃とすることが好ましい。なお、溶融開始温度とは、同一樹脂同士で熱溶融接着が可能な最低温度を意味するものであり、融点を有するものについては、融点を意味する。
【0023】
このようにして、図2および図3に示すように、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bが形成される。この空気排除圧着部11a,11b,12a,12bを形成することにより、折り曲げ部の膨らみが解消し、空気が排除されると共に、平坦化となる。
そして、図2および図3に示すように、上記のような空気排除圧着部11a,11b,12a,12bが形成されたシート状筒状体2の上辺および下辺をシールするシール工程が行われる。なお、上述したように、空気排除圧着部形成工程を行うことが好ましいが、行われないものであってもよい。
この実施例では、図2に示すように、上辺側の初期シールでは、上述した液体排出ポートおよび混注口を取付部となる部分51をシールしない。このため、このシール工程では、最初に上辺の両肩部がシールされ、2つのシール部52,53が形成される。そして、この上辺の両肩部のシール部52、53は、医療用容器1の上辺シール部5により形成される液体収納部との境界5cが空気排除用圧着部11a,11b上となるように行われる。言い換えれば、シール部5の両端部5a,5bが、空気排除圧着部11a,11bと重なり、かつ空気排除圧着部11a、11b内の側辺7,8をシールするように行われる。
【0024】
同様に、この実施例では、図3に示すように、下辺側の初期シールは、液体注入用開口となる部分61をシールしない。このため、このシール工程では、最初に下辺の両肩部がシールされ、シール部62,63が形成される。そして、この下辺の両肩部のシール部62,63は、医療用容器1の下辺のシール部6により形成される液体収納部との境界6cが空気排除用圧着部12a,12b上となるように行われる。言い換えれば、シール部6の両端部6a,6bが、空気排除圧着部12a,12bと重なり、かつ空気排除圧着部12a、12b内の側辺7,8をシールするように行われる。
【0025】
そして、図2および図3に示すように、シール部5,6の形成は、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの液体収納部側部分が残存するように行われる。つまり、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、液体収納部側にシール部5,6によりシールされない部分を備えている。これにより、落下時等の衝撃をこの残存する空気排除圧着部が吸収することが可能となり、シール部5,6の剥離による液漏れ、破袋等が生じにくくなる。この残存する空気排除圧着部のシート状筒状体の縦方向長さは、特に限定されないが、1〜20mmであるのが好ましく、3〜10mmであるのがより好ましい。なお、液体が充填された状態の医療用容器において、この残存する空気排除圧着部11a,11b,12a,12bは、剥離していても、剥離していなくてもよい。
また、本発明の医療用容器では、シール部5、6と空気排除圧着部11a,11b、12a、12bとが重なる部分の面積は極めて小さいものとなっている。重なり合う面積としては、10mm2〜1000mm2とすることが好ましく、特に、10mm2〜100mm2であることが好ましい。
さらに、シール部5,6が形成する境界5c、6cは、図2および図3に示すように、側辺7,8に向かうに従って向かい合う他辺側に近づくように湾曲していることが好ましい。このため、シール部5,6が形成する境界5c,6cは、空気排除圧着部11a,11b、12a、12bを斜めに横切るものとなっている。
【0026】
さらに、この実施例では、シール工程は、上辺および下辺のシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、両端部5a、5b、6a、6bの液体収納部15と反対側に非シール部13a,13b,14a,14bが形成されるように上辺および下辺をシールするものである。シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bは、図2および図3に示すように、折り曲げられた側辺7,8の一部を含んでいる。非シール部13a,13b,14a,14bは、図2および図3に示すように、折り曲げられた側辺7,8の一部を含んでいる。
このように、シール部5,6の端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wを小さく形成するとともに、非シール部13a,13b,14a,14bを形成することにより、仮に、シール時に両端部5a、5b、6a、6b内に空気が残留していたとしてもそれを非シール側もしくは液体収納部側に排出することができ、ピンホールの形成を防止できる。シールは通常、シート状筒状体を平坦においた状態において、上方より加熱金型を押し当てることにより行われる。そして、折り曲げ部を含む両端部となる部分に空気が残留しているとシール時の加熱により気泡が膨張するとともに溶融状態の樹脂表面側に上昇し小さな窪みを形成し、この部分の肉厚が薄くなり、これがピンホールとなる場合がある。しかし、上記のように、シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bの上記幅を小さくすることにより、折り曲げ部に残留していた空気は、加熱金型による押圧時に非シール側もしくは液体収納部側に逃げやすくこのため、シール後に両端部に残留することも窪みを形成することが極めて少ないものとなる。
【0027】
シール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の縦方向の幅Wとしては、1〜8mmであることが好ましく、特に、2〜7mmであることが好ましい。また、この縦方向の幅が小さい両端部5a、5b、6a、6bのシート状筒状体の横方向の長さとしては、10〜100mmであることが好ましく、特に、10〜50mmであることが好ましい。
また、非シール部13a,13b,14a,14bの面積は、あまり大きい必要はなく、10〜1000mm2とすることが好ましく、特に、20〜500mm2であることが好ましい。また、非シール部13a,13b,14a,14bのシート状筒状体2の縦方向(上下方向)の長さとしては、1〜10mmが好ましく、特に、2〜7mmが好ましい。また、非シール部13a,13b,14a,14bの形状としては、矩形状、内側の角が面取りされた矩形状、半円状、半楕円状、半多角形状などが好ましい。また、非シール部のバッグ横方向の長さは、3〜100mmが好ましい。特に、図2および図3に示すように、内側の角が面取りされ、シート状筒状体2の縦方向に長い矩形状であることが好ましい。
【0028】
さらに、この実施例のように、シール工程は、この非シール部13a,13b,14a,14bが、空気排除圧着部と重ならないもしくは重ならない部分が大部分を占める状態となるように行うことが好ましい。
この実施例の医療用容器1では、図2ないし図4に示すように、非シール部13a,13b,14a,14bが、空気排除圧着部と若干重なる状態となるようにシール工程が行われている。このため、図2および図3に示すように、非シール部13a,13b,14a,14b内に、空気排除圧着部11a,11b,12a,12bの一部が存在する状態となっている。具体的に説明すると、シート状筒状体の上辺側部分かつ右側辺部分の拡大図である図4ないし図4のA−A線端面図である図5に示すように、空気排除圧着部11aの上端側部分では、図5に示すように、折り曲げられた側辺7側から、非シール部13aと重なった空気排除圧着部11a、シール部5の端部5a、液体収納部15内に位置する空気排除圧着部11aを順に備えるものとなっている。また、図4のB−B線端面図である図6に示すように、空気排除圧着部11aの中央より若干上端側部分では、図6に示すように、折り曲げられた側辺7側から、シール部5の端部5a、液体収納部15内に位置する空気排除圧着部11aを順に備えるものとなっている。さらに、図4のC−C線端面図である図7に示すように、空気排除圧着部11aの下部側部分では、図7に示すように、折り曲げられた側辺7側から液体収納部15内に延びる空気排除圧着部11aのみを備えるものとなっている。
【0029】
さらに、このような非シール部13a,13b,14a,14bを形成する場合には、図10および図9に示すように、非シール部13a,13b,14a,14bのシール部5,6の両端部5a、5b、6a、6bと反対側にシール部5e,5f,6e,6fを形成してもよい。このようにすることにより、非シール部13a,13b,14a,14bによる端部が形成されなくなり、剥離を起こすことがなくなり、両端部5a、5b、6a、6bのシールを保護することができる。
シール工程は、シート状筒状体2のシート材2a,2bを融着することにより行われる。シール方法としては、熱融着、高周波融着、超音波融着等が用いられる。特に、熱融着(ヒートシール)が好ましい。つまり、上記のシール部がヒートシール部であることが好ましい。また、上記のシール工程は、ヒートシール工程であることが好ましい。
【0030】
そして、シール工程において、ヒートシールを行う場合には、金型の温度は、シート状筒状体2の形成材料の溶融開始温度より20℃以上高いものとすることが好ましい。特に、30〜90℃高いものとすることが好ましい。金型の温度は、筒状体2の形成材料によっても相違するが、例えば、金型温度が好ましくは150〜250℃、より好ましくは180〜220℃とすることが好ましい。また、シール工程におけるシール圧は、筒状体2の形成材料等によっても相違するが、0.5〜6.0kg/cm2であるのが好ましく、2.0〜5.0kg/cm2であることがより好ましい。また、シール部5,6のシール強度は、1.0〜10kgf/2cm幅であることが好ましく、特に、3.0〜10kgf/2cm幅であることが好ましい。
【0031】
さらに、この実施例の医療用容器の製造方法では、弱シール部形成工程が行われる。弱シール形成工程は、上述したシール工程の前後いずれに行ってもよい。また、弱シール形成工程は、上述した空気排除圧着部形成工程の前後いずれに行ってもよい。この弱シール形成工程により形成される弱シール部9により、医療用容器内の液体収納部15は、第1の液体収納部15aと第2の液体収納部15bに区分される。そして、それぞれの液体収納部15a,15bには異なる液体が充填される。そして、弱シール部形成工程は、図9に示すように、形成される弱シール部9の両端が二股に分岐するように行うことが好ましい。そして、分岐する弱シール部の端部間には、強シール部9aが形成されることが好ましい。
そして、弱シール部形成工程は、加熱により行うことが好ましく、金型の温度は、シート状筒状体2の形成材料の溶融開始温度より50℃以上低く、かつ、上述した空気排除圧着部形成工程より高い温度で行うことが好ましい。具体的には、シート状筒状体2の形成材料の溶融開始温度より50〜150℃低い温度範囲において行うことが好ましい。金型の温度は、筒状体2の形成材料によっても相違するが、例えば、金型温度を150〜280℃とすることが好ましく、より好ましくは180〜250℃である。また、弱シール工程におけるシール圧は、筒状体2の形成材料等によっても相違するが、0.5〜7.0kg/cm2であるのが好ましく、1.0〜6.0kg/cm2であることがより好ましい。そして、この弱シール部9は、液体収納部に液体が充填された状態の医療用容器1を指や掌等で押圧あるいは一方の薬液収納部を絞るように掴んだりすること等により、剥離可能な程度のシール強度を備える。
なお、本発明の医療用容器およびその製造方法としては、このような弱シール部を備えるものに限定されるものではない。
【0032】
このように液体収納部15を2つに区分することにより、反応等による変質、劣化を生じる物質を含有する液体を使用するまでは別々に保存でき、使用に際し、両液を混合することが好ましいとき等に適用することができる。このような液体としては、例えば、アミノ酸電解質液とブドウ糖液、ブドウ糖液と重曹液等の組み合わせが挙げられる。また、上記のような弱シール部を備えない場合には、どのような液体を充填してもよく、例えば、生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、腹膜透析液、経口栄養剤等が挙げられる。
【0033】
そして、本発明の医療用容器の製造方法では、図2に示す非シール部分51に、図8に示すように、液体排出ポート21および混注ポート22が挿入され、シールされシール部5dが形成され、シート状筒状体の上辺の全体がシールされる。このシール工程は、上述したシール工程と同様の方法により行うことができる。
そして、混注ポート22より液体26を液体収納部15aに充填したのち混注ポートに封止部材が固定される。
また、図3に示す非シール部分61より液体を液体収納部15bに充填した後、非シール部分61がシールされシール部6dが形成され、これにより、シート状筒状体の下辺の全体がシールされる。このシール工程は、上述したシール工程と同様の方法により行うことができる。
【0034】
【実施例】
次に、本発明の医療用容器の製造方法の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
シート状筒状体として、ポリプロピレンと水素添加スチレン−ブタジエン共重合体とを6:4の重量比で配合(ポリマーブレンド)した樹脂組成物(溶融開始温度150℃)をインフレーション成形により肉厚300μmの円筒状[折れ径(横幅223mm)]に成形したものを用いた。
そして、上記のシート状筒状体の側辺部に側辺を含むようにそれぞれが向かい合うように4つの空気排除用圧着部を形成した。シート状筒状体の縦方向に向かい合う空気排除用圧着部間の距離(縦方向)は、350mmであった。各空気排除用圧着部の面積は1箇所当たり200mm2であり、シート状筒状体の縦方向の長さは20mm、横方向の長さは10mmであり、形状は内側の角が面取りされたシート状筒状体の縦方向に長い矩形状であった。
空気排除圧着部の形成のためのシール圧は、5.0kg/cm2、空気排除圧着部を形成する押圧型の温度としては、シート状筒状体の形成材料の溶融開始温度より75℃低い75℃とし、押圧時間1.5秒、冷却時間3秒の条件にて行った。形成された空気排除圧着部のシール強度は、0.99N/cm幅であった。
【0035】
そして、図2および図3に示すような形状であり、シール部の両端部が空気排除圧着部を横切るようにシール部をヒートシールにより形成した。シール部の両端部は、図2および図3に示すように側辺に向かうに従って他辺側に湾曲するものとし、シール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅Wは、3mmであり、横方向の長さは、20mmとした。そして、シール部の両端部の外側(上辺端側および下辺端側)に非シール部が形成されるようにした。非シール部の面積は100mm2であり、シート状筒状体の縦方向の長さは2mm、横方向の長さは10mmであり、形状は内側の角が面取りされたシート状筒状体の縦方向に長い矩形状であった。さらに、非シール部の外側(上辺端側および下辺端側)にシール部が形成されるようにした。また、非シール部は、空気排除圧着部の一部を含むようにした。
【0036】
シール部の形成のためのシール圧は、0.48kg/cm2、シール部を形成する加熱型の温度としては、シート状筒状体の形成材料の溶融開始温度より75℃高い225℃とし、押圧時間3.5秒、冷却時間3秒の条件にて行った。形成されたシール部のシール強度は、30N/cm幅であった。
続いて、シート状筒状体の縦方向の中央部より下辺側となる位置に液体収納部を区分するとともに剥離可能な弱シール部を形成した。弱シール部の分岐する両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は28mmで、中間部の幅は10mmとした。
弱シール部の形成のためのシール圧は、5.0kg/cm2、弱シール部を形成する加熱型の温度としては、シート状筒状体の形成材料の溶融開始温度より33℃低い117℃とし、押圧時間3秒、冷却時間3秒の条件にて行った。
そして、図4および図5に示すように液体を充填した後、開口部を封止し、実施例の医療用容器を作製した。
【0037】
なお、各部位のシール強度は、医療用容器内の液体を排出口から排出し、その後、各部位の幅が1cmとなるようにシート材を長さ10cmの短冊状に切断した。これを試験片とし、引張試験機(島津製作所製、AG50S)を用いて、試験片の両端を300mm/分の速度で引き裂き、そのときの最大強度をシール部のシール強度とした。
【0038】
(実施例2)
空気排除用圧着部が形成されない以外は上記実施例と同じ条件にて医療用容器を作製した。
【0039】
(実施例3)
空気排除用圧着部の外側の非シール部が形成されない以外は上記実施例と同じ条件にて医療用容器を作製した。
【0040】
(比較例)
空気排除用圧着部およびその外側の非シール部が形成されない以外は上記実施例と同じ条件にて医療用容器を作製した。
【0041】
(実験)
実施例1〜3の医療用容器各10個および比較例の医療用容器10個について、シール部におけるシート材の最小肉厚の測定および下記試験(オートクレーブ滅菌後および振動試験後におけるピンホールによる液漏れの有無の確認)を行った。
これらの医療用容器を120℃×30分間、オートクレーブ滅菌した後、ピンホールによる液漏れの有無を確認した。そして、液漏れの認められなかった医療用容器をプラスチックフィルムで個包装したものを段ボール箱に詰めて、出荷状態にて振動試験(JISZ0200、3G×1時間)を行い、ピンホールによる液漏れの有無を確認した。なお、振動試験は、仕切り部(弱シール部)で二つ折りにした状態で行った。
【0042】
本発明の医療用容器では、シール部におけるシート材の最小肉厚が比較的大きく、オートクレーブ滅菌後に行った振動試験後においてもピンホールによる液漏れは生じなかったのに対し、比較例で得られた医療用容器では、本発明の医療用容器に比べて、シール部におけるシート材の最小肉厚が小さくなっており、オートクレーブ滅菌後、10個中3個の医療用容器がピンホールによる液漏れを生じ、振動試験後、さらに2個の医療用容器がピンホールによる液漏れを生じた。
また、本発明の医療用容器では、気泡が認められなかったのに対し、比較例の医療用容器では、シール部に気泡の存在が認められた。
【0043】
【発明の効果】
本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするシール工程を行うものであるので、シール部における気泡、ピンホール等の欠陥の発生が防止され、液漏れ等が生じにくい医療用容器を容易に製造することができる。
【0044】
また、本発明の医療用容器の製造方法は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部となる部位の両端を含みかつ該シール部となる部位内の前記液体収納部との境界付近となる位置から液体収納部となる部位に側辺を含んで延びる小面積の空気排除圧着部を前記シート状筒状体に形成する空気排除圧着部形成工程と、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部により形成される液体収納部との境界が前記空気排除用圧着部上となるように前記上辺および下辺をシールするシール工程とを有するので、シール部における気泡、ピンホール等の欠陥の発生が防止され、液漏れ等が生じにくい医療用容器を容易に製造することができる。
さらに、前記シール工程は、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするものとすることにより、シール部における気泡、ピンホール等の欠陥の発生がより確実に防止され、液漏れ等が生じにくい医療用容器を容易に製造することができる。
【0045】
また、本発明の医療用容器は、チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と、内部に形成された液体収納部と、該液体収納部と連通する液体排出口を備え、かつ前記液体収納部に液体が収納された医療用容器であって、前記シールされた上辺およびシールされた下辺の両端部には、前記側辺の一部を含むように形成された非シール部を備えている。つまり、この医療容器は、4つの角部に非シール部を備えるため、角部に落下などにより与えられた衝撃を吸収し、シールに伝達されること、特に、シール部と液体収納部の境界部への伝達を抑制するため、後発的要因によるピンホールの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した医療用容器の製造方法を説明するための説明図である。
【図3】図3は、図1に示した医療用容器の製造方法を説明するための説明図である。
【図4】図4は、図2に示したシート状筒状体の上辺側部分かつ右側辺部分の拡大図である。
【図5】図5は、図4のA−A線端面図である。
【図6】図6は、図4のB−B線端面図である。
【図7】図7は、図4のC−C線端面図である。
【図8】図8は、図1に示した医療用容器の上辺側部分の部分破断拡大図である。
【図9】図9は、図1に示した医療用容器の下辺側部分の部分破断拡大図である。
【図10】図10は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器
2 シート状筒状体
7,8 側辺
5,6 シール部
Claims (14)
- チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするシール工程を行うことを特徴とする医療用容器の製造方法。
- 前記シール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は、5〜80mmである請求項1に記載の医療用容器の製造方法。
- チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と内部に液体収納部を備え、かつ該液体収納部に液体が収納された医療用容器の製造方法であって、該医療用容器の製造方法は、軟質合成樹脂によりチューブ状に形成され折り曲げられることにより形成された2つの側辺を有するシート状筒状体を準備し、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部となる部位の両端を含みかつ該シール部となる部位内の前記液体収納部との境界付近となる位置から液体収納部となる部位に側辺を含んで延びる小面積の空気排除圧着部を前記シート状筒状体に形成する空気排除圧着部形成工程と、前記医療用容器の上辺および下辺のシール部により形成される液体収納部との境界が前記空気排除用圧着部上となるように前記上辺および下辺をシールするシール工程とを有することを特徴とする医療用容器の製造方法。
- 前記シール工程は、上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅を小さく形成するとともに、該シール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように前記上辺および下辺をシールするものである請求項3に記載の医療用容器の製造方法。
- 前記シール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は、5〜80mmである請求項4に記載の医療用容器の製造方法。
- 前記シール工程は、前記上辺および下辺のシール部の両端部の前記液体収納部と反対側に非シール部が形成されるように行うものである請求項3ないし5のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
- 前記シール工程は、前記非シール部が前記空気排除圧着部と重ならないもしくは重ならない部分が大部分を占める状態となるように行うものである請求項6に記載の医療用容器の製造方法。
- 前記空気排除圧着部形成工程は、前記シート状筒状体の少なくとも内表面部分を形成する材料の溶融開始温度より60〜150℃低い温度で行うものである請求項3ないし7のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
- 前記シート状筒状体は、インフレーション成形によってチューブ状に成形されたものである請求項1ないし8のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
- 前記医療用容器内部は、仕切り部によって複数の空間に仕切られている請求項1ないし9のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
- 前記仕切り部の少なくとも一部に前記シール部よりシール強度が小さく剥離可能な弱シール部を有する請求項10に記載の医療用容器の製造方法。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の医療用容器の製造方法により製造されたことを特徴とする医療用容器。
- チューブ状に成形され、折り曲げられることにより形成された2つの側辺とシールされた上辺および下辺と、内部に形成された液体収納部と、該液体収納部と連通する液体排出口を備え、かつ前記液体収納部に液体が収納された医療用容器であって、前記シールされた上辺およびシールされた下辺の両端部には、前記側辺の一部を含むように形成された非シール部を備えていることを特徴とする医療用容器。
- 前記上辺および下辺のシール部の両端部のシート状筒状体の縦方向の幅は、5〜80mmである請求項13に記載の医療用容器。
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