JP2004208367A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御部2は、抵抗R6及びR7で出力電圧Voを抵抗分割して増幅器21の正極側入力端子に入力することにより、LCフィルタ部1の周波数特性においてゲインの共振ピークを緩和する。このようにすることにより、制御部2の残りの回路が従来の回路構成で通常の制御を行ったとしても、安定的で且つ高速応答が可能となる。なお、本発明のために追加した回路は回路200の抵抗R6及びR7であり、マイナーループ部と制御部2の残りの回路とは実質的に独立に設計できるので、回路設計が容易になる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源装置に関し、より詳しくは電源装置におけるフィードバック制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図17に従来のPI制御器を用いた電源装置のブロック線図の概要を示す。このブロック線図では、出力電圧Voが負帰還されて目標電圧Vrefとの差が計算され、その計算結果である(Vref−Vo)がPI制御器に対応する伝達関数PIに入力される。この伝達関数PIの出力は、フィードフォワードされた目標電圧Vrefと加算されて、当該加算結果は電力変換回路に対応する伝達関数PWに入力される。伝達関数PWの出力はLCフィルタなどに対応する伝達関数LCに入力され、当該伝達関数LCの出力が出力電圧Voとなる。なお、PI制御器は、応答性を上げるために全体のゲインを高める比例(P:Proportional)要素、定常偏差を少なくするために低周波ゲインを上げる積分(I:Integral)要素を組み合わせた制御器である。さらにゲインを上げたときの位相補償を行う微分(D:Derivative)要素を組み合わせた制御器は、PID制御器である。
【0003】
ここでLCフィルタ及び電力変換回路を含む、PI制御器の制御対象の伝達関数は以下のとおりである。
【数1】
そして、電源装置の仕様及び回路定数については図18に示すものを使用するものとする。すなわち、図示しない入力電圧Vi=6V、出力電圧Vo=2.5V、出力電流Io=1A(最大)、LCフィルタを構成するチョークコイルLのリアクタンスL=3μH、LCフィルタを構成するコンデンサCの容量C=9.4μF、負荷抵抗Ro=2.5Ω、基準電圧Vref=2.5V、電力変換回路のゲインKp=20dBとする。従って、(1)式は具体的には以下に示すような伝達関数となる。
【数2】
これをボード線図に表すと図19のようになる。図19において上段はゲインの周波数特性を表し、下段は位相の周波数特性を表す。図19の例では、3×104HzあたりにLCフィルタの共振周波数があり、位相が大幅に遅れることが示されている。
【0004】
一方、PI制御器は、安定性を維持しつつ応答性が良好となるように設計され、伝達関数は例えば以下のようになる。
【数3】
これをボード線図に表すと図20のようになる。図20において上段はゲインの周波数特性を表し、下段は位相の周波数特性を表す。図20の例では、ゲインは、約10Hzから約104Hzまでの間におよそ50dB減少し、それより高い周波数帯域では横ばいとなる。また、位相は、約4×102Hzまでに約−85°程度遅れるが、それ以上の周波数帯域では位相遅れが小さくなり、約106Hzに0°に戻る。
【0005】
そして、(2)式及び(3)式から計算される、図17に示したブロック線図の一巡伝達関数のボード線図は図21のようになる。図21において上段はゲインの周波数特性を表し、下段は位相の周波数特性を表す。図19にも示したが、共振周波数bで位相が急激に遅れるため、共振周波数bをゲイン交差周波数(ゲインが0dBになる周波数)にすることはできない。また共振周波数付近にゲイン交差周波数を設定できないということは、ゲインの共振ピーク点においてゲインを0dB以下にしなければならないため、ゲイン交差周波数aを大きく下げなければならなくなる。このような場合には全体的にゲインが低下して、応答性が悪くなってしまう。
【0006】
また、PI制御器の代わりにPID制御器を用いることもでき、例えば以下に示すような伝達関数の場合を考える。
【数4】
(4)式をボード線図に表すと図22のようになる。図22において上段はゲインの周波数特性を表し、下段は位相の周波数特性を表す。図20と比較すると、全体的にゲインが高くなっており、また一旦ゲインが減少した後に約2×104Hzより高周波帯域でゲインが増加する点が異なる。また、位相も約2×104Hzより高周波帯域で位相進み補償が行われるようになっている。従って、(2)式及び(4)式から計算される、PID制御器を採用した場合の一巡伝達関数のボード線図は図23のようになる。図21と比較すると、全体的にゲインが高くなっており、ゲイン交差周波数も共振周波数より高い周波数となっている。また、ゲイン交差周波数における−180°からの位相角度である位相余裕は十分確保されており、安定的である。しかし、安定性を維持しながらさらに高ゲイン化を図るには限界がある。
【0007】
このように上で述べた従来のPI制御器、PID制御器では、共振特性が強いLCフィルタほど制御が困難であるとされている。すなわち、近年携帯端末や情報機器の小型化のニーズが高くなっており、スイッチング電源にも小型化の要求が高くなってきている。その場合の一つの対処手段として出力LCフィルタの小型化がある。しかしLCフィルタを小型化するとLCフィルタの共振特性が強くなることが知られており、従来の制御器ではこのような状況に対処できない。
【0008】
さらに、米国特許第5583752号公報(特許文献1)には、図24に示すような電源装置のブロック線図が示されている。すなわち、出力電圧Voが負帰還されて目標電圧Vrefとの差が計算され、その計算結果である(Vref−Vo)が制御器に対応する伝達関数1101に入力される。図24において各ブロック内に表される式は伝達関数であり、α,a0,c0,c1,b1,b2は係数である。なお、伝達関数1103のLCは、LCフィルタによる伝達関数を表しており、比例要素を表すものではない。また、出力電圧Voは伝達関数1104にも入力されており、当該伝達関数1104の出力と伝達関数1101の出力との差が計算される。すなわち、伝達関数1104を経由するマイナーループ1106は、目標電圧Vrefに対する負帰還となるメインループ1105と同様に負帰還となっている。伝達関数1104の出力と伝達関数1101の出力との差は、伝達関数1102に入力され、伝達関数1102の出力はLCフィルタに対応する伝達関数1103に入力され、出力電圧Voが計算される。
【0009】
この図24のブロック線図では、マイナーループ1106は負帰還されており、例えば仮に伝達関数1104を比例要素のみにすると、伝達関数1102と伝達関数1103と伝達関数1104にて構成される閉ループの伝達関数の周波数特性において、2次系の伝達関数の特性を示す減衰係数ζがさらに共振的になることにより、制御器による制御が難しくなる。
【0010】
また、例えば米国特許第5844403号公報(特許文献2)には、図25のような回路構成が示されている。すなわち、図25の電源装置は、電圧変換器1002と、入力電源1003と、平滑回路1004と、負荷1005と、制御器1000とから構成される。制御器1000は、抵抗R11乃至R17と、キャパシタC11及びC12と、増幅器1011とを有する。抵抗R11及び抵抗R14の一端は負荷1005の正極側に接続されており、抵抗R11の他端は増幅器1011の負極側の入力端子並びに抵抗R12及びR13の一端に、抵抗R14の他端は抵抗R15及びR16並びにキャパシタC12の一端に接続されている。抵抗R12及びR15並びにキャパシタC12の他端は接地されている。また、その一端が抵抗R11及びR12並びに増幅器1011の負極側の入力端子に接続されている抵抗R13の他端は、キャパシタC11に接続されている。キャパシタC11の他端は、増幅器1011の出力端子及び電圧変換器1002の比較器1021の第1の入力端子に接続される。その一端が抵抗R14及びR15並びにキャパシタC12に接続される抵抗R16の他端は、増幅器1011の正極側の入力端子及び抵抗R17に接続される。抵抗R17の他端は、指令電圧電源Vrの正極側端子に接続される。指令電圧電源Vrの負極側端子は接地されている。
【0011】
電圧変換器1002は、比較器1021と、三角波生成器1022と、ゲート駆動回路1023と、MOSFET1024と、チョークコイル1025とから構成される。上でも述べたように、比較器1021の第1の入力端子は増幅器1011の出力端子及びキャパシタC11に接続されており、比較器1021の第2の入力端子は三角波生成器1022に接続されている。比較器1021の出力端子はゲート駆動回路1023に接続されており、ゲート駆動回路1023の出力はMOSFET1024のゲートに接続されている。MOSFET1024のソースは接地されており、ドレインはチョークコイル1025の一端及び平滑回路1004のダイオード1041のアノードと接続されている。チョークコイル1025の他端は、入力電源1003の正極側端子に接続されている。入力電源1003の負極側端子は接地されている。
【0012】
平滑回路1004は、ダイオード1041とキャパシタ1042とから構成される。上で述べたようにダイオード1041のアノードはMOSFET1024のドレイン及びチョークコイル1025の一端に接続され、カソードはキャパシタ1042の一端及び負荷1005の正極側端子に接続されている。キャパシタ1042の他端は接地されている。負荷1005の正極側端子はダイオード1041のカソード及びキャパシタ1042の一端に接続されており、負極側端子は接地されている。
【0013】
制御器1000は、出力電圧Voと指令電圧電源の指令電圧Vrとから制御信号uを生成する。制御信号uは比較器1021において三角波生成器1022の出力と比較され、比較器1021の出力はゲート駆動回路1023を介してMOSFET1024のゲートを駆動する。入力電源1003の入力電圧は、比較器1021の出力に従ってオン又はオフされるMOSFET1024及びチョークコイル1025により変換され、平滑回路1004により平滑化された後に負荷1005に出力電圧Voとして出力される。
【0014】
ここで制御器1000の伝達関数は以下のようになる。
【0015】
【数5】
【0016】
なお、各係数b0、b1、b2及びaは、以下のように表される。
【0017】
【数6】
【0018】
この電源装置の特徴は、(5)式の分子の根が虚数になることであり、ゲインが最も減少する周波数において位相を所定の範囲に引き上げ、より安定した制御を行うことができるとされる。すなわち、制御器の特性を良くすることが目的となっている。また、図25の回路では多くの抵抗及びキャパシタが存在するので、(5)式の分子の根を虚数にしつつ各回路定数をうまく決定することが困難で設計がしにくいという問題がある。さらに、増幅器1011の正極側にはキャパシタC12も接続されており、周波数特性を変化させている。
【0019】
また、他の従来技術として特開昭59−144364号(特許文献3)には、電流の負帰還をマイナーループとして行う電源装置が示されているが、電流の負帰還を行うために電流検出器が必要となり、電源装置の設計上問題がある。
【0020】
【特許文献1】
米国特許第5583752号
【特許文献2】
米国特許第5844403号
【特許文献3】
特開昭59−144364号
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来技術では、安定性を維持しつつ十分に応答性を向上させる簡易な構成の電源装置は存在していなかった。
【0022】
従って、本発明の目的は、簡易な構成で安定性を維持しつつ高速応答が可能な電源装置を提供することである。
【0023】
また本発明の他の目的は、LCフィルタを含む、制御回路の制御対象の共振特性を簡単な構成にて変化させ、安定性を維持しつつ高速応答が可能な電源装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る電源装置は、入力直流電源からの入力電圧を変換する電力変換回路と、当該電力変換回路の出力を平滑して負荷に供給するLCフィルタと、当該LCフィルタの出力電圧に基づいて電力変換回路を制御する制御回路とを具備し、上記制御回路が、出力電圧を電力変換回路に対して負帰還するメジャーループ(例えば実施の形態におけるメイン制御部を介するループ)と、出力電圧に比例した電圧を電力変換回路に正帰還するマイナーループとを備える。
【0025】
このようにLCフィルタの出力電圧に比例した電圧を正帰還させることにより、LCフィルタを含む、制御回路の制御対象の共振特性を制御することができるようになり、安定性を保持しつつ高速応答が可能な電源装置が実現される。なお、マイナーループは出力電圧に比例した電圧を正帰還させるものであり、電流検出回路のように複雑な回路は必要ない。
【0026】
なお、上で述べたメジャーループがPI(P:比例、I:積分)制御器により構成されるようにしてもよい。また、上で述べたメジャーループがPID(D:微分)制御器により構成されるようにしてもよい。
【0027】
本発明の第2の態様に係る電源装置は、入力直流電源からの入力電圧を変換する電力変換回路と、当該電力変換回路の出力を平滑して負荷に供給するLCフィルタと、当該LCフィルタの出力電圧に基づいて電力変換回路を制御する制御回路とを具備し、上記制御回路が、出力電圧を電力変換回路に対して負帰還する負帰還回路と、出力電圧に比例した電圧を電力変換回路に正帰還する比例正帰還回路とを備える。
【0028】
なお、上で述べた制御回路が差動増幅器を備え、上記負帰還回路が差動増幅器の反転入力端子に接続され、上記比例正帰還回路が差動増幅器の非反転入力端子に接続されるようにしてもよい。このように差動増幅器を共用することにより、制御回路の構成がシンプルになる。
【0029】
上で述べた負帰還回路が比例制御要素と積分制御要素とにより構成されるようにしてもよい。また、比例制御要素と積分制御要素と微分制御要素とにより構成されるようにしてもよい。
【0030】
本発明の第3の態様に係る電源装置は、入力直流電源からの入力電圧を変換する電力変換回路と、当該電力変換回路の出力を平滑して負荷に供給するLCフィルタと、当該LCフィルタの出力電圧に基づいて電力変換回路を制御する制御回路とを具備し、上記制御回路が、出力電圧を電力変換回路に負帰還するメジャーループと、出力電圧に比例した電圧を電力変換回路に正帰還するマイナーループとを備え、上記マイナーループが、前記LCフィルタと同次の伝達関数で構成される。このようにマイナーループの伝達関数がLCフィルタの伝達関数と同次となるような構成を採用することによりLCフィルタの共振緩和のための設計がメジャーループの設計とは切り離して行うことが容易になる。
【0031】
なお、以下でも具体的に説明するが、本発明の第1乃至第3の態様に係る電源装置を実現する回路は多数存在し、いずれであってもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
本発明の第1の実施の形態に係る電源装置10の回路構成を図1に示す。電源装置10は、降圧型の電源装置であって、LCフィルタ部1と、PID制御器である制御部2と、電力変換部3とから構成される。
【0033】
制御部2は、抵抗R1、R3、R4、R6及びR7と、キャパシタC2と、増幅器21と、基準電圧電源22とを含む。抵抗R1は、LCフィルタ部1の負荷Roの正極側の端子に接続されている。すなわち、出力電圧Voが入力される。また、抵抗R1の他端は、増幅器21の負極側入力端子(反転入力端子とも呼ぶ)に接続されており、さらに抵抗R4及びキャパシタC2に接続されている。キャパシタC2と抵抗R3は直列に接続されており、キャパシタC2及び抵抗R3は抵抗R4と並列に接続されている。従って、その一端がキャパシタC2に接続している抵抗R4の他端は、抵抗R3と接続されている。また、抵抗R3及びR4は増幅器21の出力端子及び電力変換部3のPWM比較器32の第1の入力端子に接続されている。また、抵抗R6の一端はLCフィルタ部1の負荷Roの正極側の端子に接続されており、抵抗R6の他端は抵抗R7及び増幅器21(オペアンプ、差動増幅器とも呼ぶ)の正極側入力端子(非反転入力端子とも呼ぶ)に接続されている。抵抗R7の他端は基準電圧電源22の正極側端子に接続されており、基準電圧電源22の負極側端子は接地されている。なお、回路200は抵抗R6及びR7を含む。
【0034】
電力変換部3は、三角波発振器31と、PWM比較器32と、ドライブ回路33と、ダイオード34と、MOSFET35と、入力電源36とから構成される。PWM比較器32の第1の入力端子は制御部2の増幅器21の出力端子に接続され、第2の入力端子は三角波発振器31に接続される。PWM比較器32の出力はドライブ回路33に接続される。ドライブ回路33の出力は、MOSFET35のゲートに接続される。MOSFET35のドレインは、入力電源36の正極側端子に接続されており、ソースはダイオード34のカソード及びチョークコイルLに接続されている。入力電源36の負極側端子は、ダイオード34のアノードとキャパシタと負荷Roの負極側端子とに接続される。
【0035】
LCフィルタ部1は、チョークコイルLと、キャパシタCと、負荷Roとが含まれる。その一端がMOSFET35のソース及びダイオード34のカソードに接続されているチョークコイルLの他端は、キャパシタC及び負荷Roの正極側端子に接続されている。上で述べたように、その一端がチョークコイルL及び負荷Roの正極側端子に接続されたキャパシタCの他端は、負荷Roの負極側端子とダイオード34のアノードと入力電源36の負極側端子と接続されている。
【0036】
図1に示した電源装置10の動作を簡単に説明すると、制御部2は負荷Roに現れる出力電圧Voと基準電圧Vrefに基づいて制御信号を生成する。この制御信号はPWM比較器32において三角波発振器31から出力される三角波信号と比較され、制御信号の電圧に応じたパルス幅の信号が出力される。PWM比較器32の出力信号はドライブ回路33を介してMOSFET35をオン又はオフする。入力電源36の入力電圧Viは、MOSFET35のオン及びオフに従って変換され、ダイオード34とチョークコイルL及びキャパシタCとにより構成されるLCフィルタにより平滑化されて負荷Roに出力電圧Voとして出力される。これにより出力電圧Voを基準電圧Vrefに一致するよう安定的な制御がなされる。なお、出力電圧Voは、抵抗R6及びR7により抵抗分割された後に増幅器21の正極側入力端子に入力され、正帰還される。
【0037】
図2に図1に示した電源装置のブロック線図を示す。このブロック線図では、出力電圧Voが負帰還されて基準電圧Vrefとの差が計算され、その計算結果である(Vref−Vo)が制御部2の回路200に対応する伝達関数301に入力される。伝達関数301の出力は制御部2の回路200以外のメイン制御部に対応する伝達関数G(303)に入力される。伝達関数Gは、メイン制御部の回路構成によって異なり、図1に示したPI制御器の場合には、以下のような式で表される。
【数7】
【0038】
また、基準電圧Vrefは制御部2の回路200に対応する伝達関数302に入力された後にフィードフォワードされる。伝達関数302は、伝達関数301と同じである。さらに、出力電圧Voは制御部2の回路200に対応する伝達関数306に入力された後に正帰還され、これがマイナーループを構成することになる。伝達関数306は、図2にも示されているようにR7/(R6+R7)である。すなわち、比例定数のみである。この伝達関数306は、伝達関数302と伝達関数G(303)の出力と加算される。この3つの値の加算結果は、電力変換部3に対応する伝達関数Kp(304)に入力され、伝達関数Kp(304)の出力はLCフィルタ部1に対応する伝達関数H(305)に入力され、当該伝達関数H(305)の出力が出力電圧Voとなる。なお、伝達関数Kp(304)及び伝達関数H(305)を合わせた伝達関数は、(1)式で表される。図18で示した電源の仕様及び回路定数は本実施の形態でもそのまま使用するものとする。
【0039】
なお、伝達関数302は、本実施の形態のようなスイッチング電源では基準電圧Vrefは固定で変わらないため、応答性及び安定性に影響がないため、電源装置全体の設計ではあまり考慮しなくとも良い。また、伝達関数301が加わることにより、これがない時に比べて伝達関数G(303)への入力は(1−R7/(R6+R7))倍となるが、その分メイン制御部の回路定数を調整することにより、当該伝達関数301の影響を無くすことができる。
【0040】
このように本実施の形態では、帰還ループが2本設けられ、そのうちマイナーループ部は正帰還であって、且つ当該回路200に対応する伝達関数306が比例要素のみであるという点に大きな特徴がある。また、このようなマイナーループ部が設けられると、ブロック線図上伝達関数301の影響を除き、メイン制御部の伝達関数G(303)とマイナーループ部とは互いに影響が及ばなくなる。伝達関数301は比例要素のみであってその影響は限定的であり、メイン制御部とマイナーループ部は実質的に独立に設計できるようになっている。すなわち、設計の自由度が高まっている。
【0041】
また、伝達関数Kp(304)及び伝達関数H(305)により求められる伝達関数は、メイン制御部に対応する伝達関数G(303)の制御対象であり、LCフィルタ部1に対応する伝達関数H(305)の特性を変化させるものではない。一方、回路200に対応する伝達関数306は、以下に詳細に述べるようにLCフィルタ部1の周波数特性を改善するように作用する。なお、本電源装置10において厳密な意味で制御対象のモデル化を考えた場合、電力変換部3に含まれるMOSFET35のスイッチング遅れや他の遅れ要素も存在することになる。しかし、厳密なモデル表現は難しく、MOSFET35のスイッチング遅れなどがどの程度なのか不明確なため、本願ではLCフィルタ部1の遅れが他に比べて非常に大きいものとしてLCフィルタ部1と、また無視することのできない大きなゲインを有する電力変換部3とを制御対象としてモデル化した場合の例を示すものとする。
【0042】
次にこのマイナーループ部の、LCフィルタ部1の周波数特性に対する作用について説明する。抵抗R6=10KΩ、抵抗R7=1.05KΩとすると、R7/(R6+R7)=0.095(=e0)となる。すなわち、出力電圧Voのe0倍の電圧が伝達関数Kp(304)及び伝達関数H(305)に対して正帰還される。この回路200の伝達関数306(e0)と伝達関数Kp及び伝達関数H(305)の伝達関数((1)式)とから求められる閉ループの伝達関数は、以下の式で表される。
【数8】
具体的な数値を入れて記載すると以下のようになる。
【数9】
【0043】
(9)式と(2)式を比較すると分母の定数項の値が減少していることがわかる。この効果を(2)式及び(9)式をボード線図で表して確認する。図3において上段はゲインの周波数特性を表し、下段は位相の周波数特性を表す。図3中、Aは(9)式を表すカーブであり、Bは(2)式を表すカーブである。明らかに、マイナーループ部を導入することにより、共振ピークが緩和されると共に104Hzまでは20dB以上ゲインが上がっていることが分かる。また、位相は最終的に180°遅れることは変わりないが、−90°遅れる周波数を共振周波数とすると、約3×104Hzからマイナーループ部を導入することにより約7×103Hzに下がっていることが分かる。このように、マイナーループ部を導入する効果として、LCフィルタ部1の周波数特性が変化し、共振特性を緩和するという効果がある。
【0044】
ここでマイナーループ部を導入するとどうして制御対象たるLCフィルタ部1の周波数特性が変化するかということを簡単に説明しておく。一般的にLCフィルタのような2次系の特性は、伝達関数の分母のs2+2ζωs+ω2で表される。なお、ζは減衰係数、ωは共振周波数である。上でも述べたが(9)式は(2)式と比較すると、その分母の定数項の値が小さくなるため、ω2の値が小さくなる。すなわち、ωが小さくなる。次に、(9)式と(2)式を比較すると1次の係数(1/(CRo)=4.255×104)は変化していないため、ωが小さくなればζは逆に大きくなる。図4(a)及び図4(b)に一般的にζの値によって共振特性がどのように変化するかを示す図を示す。図4(a)はゲインと周波数(ω/ωs:ωsは共振周波数)の関係を表し、図4(b)は位相と周波数の関係を表す。ゲインは、ζが小さければ共振周波数におけるピークが大きくなり、大きくなればなるほど共振周波数におけるピークが緩和されるのが分かる。一方、位相はζが小さいほど急激に位相遅れが発生するが、ζが大きくなると位相遅れが緩やかになる。従って、本実施の形態のようにζが大きくなると共振ピークも緩和されるようになる。
【0045】
本実施の形態のようにマイナーループ部を導入することにより、簡単な構成でLCフィルタ部1の周波数特性を制御することができるようになる。なお、別の方法にて上で述べたように共振ピークを緩和する手法があれば、それを用いても良い。
【0046】
次に図2に示したブロック線図における一巡伝達関数及びその周波数特性を説明する。その前提として、図1で示した制御部2のマイナーループ部以外のメイン制御部の伝達関数は、図5のような回路定数を採用すると、(7)式に従って以下で示すようになる。なお、抵抗R1=1KΩ、抵抗R3=1.3KΩ、抵抗R4=2Ω、キャパシタC2=7.6μFである。
【数10】
(10)式をボード線図で表すと図6のようになる。図6では、上段がゲインの周波数特性を表し、下段が位相の周波数特性を表す。約10Hzから約3×104Hzまで約50dBゲインが減少し、約3×104Hz以上の周波数帯域ではフラットとなっている。また、位相は、約4×102Hzまでに85°程度位相遅れが生じ、それ以上の帯域では0°まで戻るような周波数特性を有する。
【0047】
(9)式と(10)式から図2に示したブロック線図における一巡伝達関数を計算し、ボード線図に表すと図7のようになる。図7では、上段がゲインの周波数特性を表し、下段が位相の周波数特性を表す。ゲインは、10Hz程度までフラットであるが、約6×103Hzまで第1の傾きにて減少し、さらに高周波帯域においては第1の傾きより大きな第2の傾きにて減少する。位相は、102Hzまで、102Hzから2×103Hzまで、2×103Hzから1.5×104Hzまで3段階で−185°程度まで遅れるが、3×105Hz以上の周波数帯域では−180°になる。
【0048】
ここで比較のため従来技術のPI制御器による一巡伝達関数のボード線図と図7に示したマイナーループ部を設けた場合の一巡伝達関数のボード線図とを重ねてみると図8のようになる。図8では、上段がゲインの周波数特性を表し、下段が位相の周波数特性を表す。上段において曲線81はマイナーループ部を設けた場合のゲインカーブであり、曲線82はマイナーループ部がない場合のゲインカーブである。このように、104Hz程度までマイナーループ部が設けられた場合の方がゲインが高くなっており、ゲイン交差周波数も1.2×103Hzから5×103Hzと高くなっていることが分かる。さらに共振周波数におけるピークもなくなっている。また、下段において曲線83はマイナーループ部がない場合の位相カーブであり、曲線84はマイナーループ部が設けられた場合の位相カーブである。図3でも説明したように、減衰係数ζが大きくなった効果によりマイナーループ部が設けられた場合の曲線84の方が、位相の急激な変化が少なくなっており、位相余裕も約50°確保され、安定性も確保できている。このように高ゲイン化による高速応答も実現できるようになる。
【0049】
なお、ゲイン交差周波数が上昇すると、閉ループの伝達関数において広帯域化につながる。
【0050】
[実施の形態2]
次にメイン制御器がPID制御器である場合の例を説明する。すなわち制御部2は、図9に示すような制御部2aとなる。すなわち、抵抗R1乃至R4並びにR6及びR7と、キャパシタC1及びC2と、増幅器21と、基準電圧電源22とを含む。抵抗R1及びキャパシタC1は、LCフィルタ部1の負荷Roの正極側の端子に接続されている。すなわち、出力電圧Voが入力される。キャパシタC1と抵抗R2は直列に接続されており、キャパシタC1及び抵抗R2は抵抗R1と並列に接続されている。従って、その一端がキャパシタC1に接続している抵抗R1の他端は、抵抗R2に接続されている。また、抵抗R1及びR2は、増幅器21の負極側入力端子に接続されており、さらに抵抗R4及びキャパシタC2に接続されている。キャパシタC2と抵抗R3は直列に接続されており、キャパシタC2及び抵抗R3は抵抗R4と並列に接続されている。従って、その一端がキャパシタC2と接続している抵抗R4の他端は、抵抗R3と接続されている。なお、抵抗R3及びR4は増幅器21の出力端子及び電力変換部3のPWM比較器32の第1の入力端子に接続されている。なお、抵抗R6の一端はLCフィルタ部1の負荷Roの正極側の端子に接続されており、抵抗R6の他端は抵抗R7及び増幅器21の正極側入力端子に接続されている。抵抗R7の他端は基準電圧電源22の正極側端子に接続されており、基準電圧電源22の負極側端子は接地されている。なお、回路200は抵抗R6及びR7を含む。
【0051】
図9に示した制御部2aの回路200以外のメイン制御部の伝達関数は、以下のとおりである。
【数11】
【0052】
但し、N0、N1、N2、D0及びD1は係数であって、抵抗R1乃至R4及びキャパシタC1及びC2との関係は以下のとおりである。
【数12】
【0053】
より具体的には図10のテーブルのような回路定数を使用する。すなわち、R1=1KΩ、R2=52Ω、R3=1KΩ、R4=370KΩ、C1=3.8nF、C2=2.7nFである。抵抗R6及びR7については実施の形態1と同じである。尚、本回路定数は図2のブロック線図上において伝達関数301によりR6/(R6+R7)倍ゲインが下がることを考慮して、メイン制御部の伝達関数Gのゲインを(R6+R7)/R6倍して計算してある。この回路定数を元に(11)式に相当するメイン制御部の伝達関数を表すと、以下に示すようになる。
【数13】
この(13)式をボード線図に表すと図11のようになる。
【0054】
次に本実施の形態に係る一巡伝達関数のボード線図を図12に示す。図12では上段にゲインの周波数特性を、下段に位相の周波数特性を表す。ゲインはPI制御器を用いた図7の場合に比して全体として高くなっている。また、7×103Hzから5×104Hzまでは比較的ゲイン曲線の傾斜が大きい周波数帯域51が設けられている。またゲイン交差周波数は約2×105Hzとなっており、これもPI制御器と比べても高くなっている。位相においても、周波数帯域51に対応して位相遅れが−205°程度と大きくなり、再度128°程度まで戻る部分が生じている。
【0055】
ここで比較のため従来技術のPID制御器による一巡伝達関数のボード線図と図12に示したマイナーループ部を設けた場合の一巡伝達関数のボード線図とを重ねてみると図13のようになる。図13では、上段がゲインの周波数特性を表し、下段が位相の周波数特性を表す。マイナーループ部を設けない場合のゲイン曲線54とマイナーループ部を設けた場合のゲイン曲線53とを比較すると、2.5×104Hzまでマイナーループ部が設けられた方の曲線53の方がゲインが高くなっており、共振周波数におけるピークも緩和されている。但し、ゲイン交差周波数は曲線53及び54で同じになっている。また、周波数帯域51ではゲイン曲線53の傾きはゲイン曲線54より大きくなっている。位相についても、マイナーループ部を設けた場合の位相曲線56とマイナーループ200を設けない場合の位相曲線55を比較すると、1×104Hzから3×105Hzまでの帯域において、位相が逆の動きをしているが、安定性を判断する上で重要なゲイン交差周波数における位相余裕は、位相曲線56の方でも約50°確保されており安定性は維持されている。
【0056】
このようにメイン制御部がPI制御器であってもPID制御器であっても同様に、マイナーループ部によりLCフィルタ部1及び電力変換部3で構成される制御対象の周波数特性を変化させ、さらに安定性を確保した上で高ゲイン化又はゲインの高傾斜化による高速応答を可能にすることができる。
【0057】
[実施の形態3]
第3の実施の形態では、第2の実施の形態とは異なるPID制御器を制御部に採用する例を示す。
【0058】
すなわち、図9に示した制御部2aにおける抵抗R4を取りはずした回路である。より具体的には図14に示すように、制御部2bは、抵抗R1、R2及びR3と、キャパシタC1及びC2と、増幅器21と、基準電圧電源22とを含む。抵抗R1及びキャパシタC1は、LCフィルタ部1の負荷Roの正極側の端子に接続されている。キャパシタC1と抵抗R2は直列に接続されており、キャパシタC1及び抵抗R2は抵抗R1と並列に接続されている。従って、その一端がキャパシタC1に接続している抵抗R1の他端は、抵抗R2に接続されている。抵抗R1及びR2は、増幅器21の負極側入力端子に接続されており、さらにキャパシタC2に接続されている。キャパシタC2と抵抗R3は直列に接続されている。また、抵抗R3は増幅器21の出力端子及び電力変換部3のPWM比較器32の第1の入力端子に接続されている。なお、抵抗R6の一端はLCフィルタ部1の負荷Roの正極側の端子に接続されており、抵抗R6の他端は抵抗R7及び増幅器21の正極側入力端子に接続されている。抵抗R7の他端は基準電圧電源22の正極側端子に接続されており、基準電圧電源22の負極側端子は接地されている。なお、回路200は、抵抗R6及びR7を含む。
【0059】
このような制御部2bの回路200以外のメイン制御部の伝達関数は、基本的には(11)式のとおりであって、N0、N1、N2、D0及びD1は、抵抗R1乃至R3並びにキャパシタC1及びC2で以下のとおり表される。
【数14】
このようなメイン制御部の伝達関数であっても第2の実施の形態における効果を奏することができる。なお、マイナーループ部がメイン制御部とは実質的に独立に設計できる点についても同様である。
【0060】
[実施の形態4]
実施の形態1乃至3では、降圧型の電源装置の例を示したが、本発明は、昇圧型及び昇降圧型の電源装置にも適用可能である。降圧型の電源装置との差は、図1の回路100の回路構成である。
【0061】
図15に図1における回路100に相当する昇圧型の回路110を示す。回路110は、入力電源111、チョークコイル112、MOSFET113と、ダイオード114と、キャパシタ115と、負荷116とを含む。入力電源111の正極側端子はチョークコイル112に接続されている。チョークコイルの他端はMOSFET113のドレイン及びダイオード114のアノードに接続されている。ダイオード114のカソードは、キャパシタ115及び負荷116の正極側端子に接続されている。キャパシタ115の他端及び負荷116の負極側端子は、MOSFET113のソース及び入力電源111の負極側端子と接続されている。なお、図示されていないが、MOSFET113のゲートは電力変換部3のドライブ回路に接続されており、負荷116の正極側端子は制御部に接続されている。
【0062】
図16に図1における回路100に相当する昇降圧型の回路120を示す。回路120は、入力電源121、チョークコイル122、MOSFET123と、ダイオード124と、キャパシタ125と、負荷126とを含む。入力電源121の正極側端子はMOSFET123のドレインに接続されている。MOSFET123のソースはチョークコイル122とダイオード124のカソードに接続されている。ダイオード124のアノードはキャパシタ125及び負荷126の正極側端子に接続されている。チョークコイル122及びキャパシタ125の他端は、負荷126の負極側端子及び入力電源121の負極側端子に接続されている。なお、図示されていないが、MOSFET123のゲートは電力変換部3のドライブ回路に接続されており、負荷126の正極側端子は制御部に接続されている。
【0063】
このような回路110及び120であっても、制御部を例えば実施の形態1乃至3のいずれかの構成を採用すれば、実施の形態1乃至3と同等の効果を得ることができるようになる。
【0064】
なお、本発明の回路定数は実施の形態1及び2に示したものだけに限定されるものではなく、上で述べた特徴を実現できればどのような回路構成であっても良い。また、PI制御器やPID制御器ではなく、PD制御器を用いるようにしても良い。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡易な構成で安定性を維持しつつ高速応答が可能な電源装置を提供することができる。
【0066】
また、LCフィルタを含む、制御回路の制御対象の共振特性を簡単な構成にて変化させ、安定性を維持しつつ高速応答を可能とする電源装置を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電源装置の回路構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における電源装置のブロック線図を示す図である。
【図3】マイナーループ部を導入した際の制御対象の周波数特性の変化を表すためのボード線図である。
【図4】2次系のζと共振特性の関係を表す図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるメイン制御部の回路定数を表すテーブルである。
【図6】本発明の実施の形態1におけるメイン制御部の伝達関数のボード線図である。
【図7】本発明の実施の形態1における一巡伝達関数のボード線図を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1における一巡伝達関数の周波数特性と従来技術における一巡伝達関数の周波数特性とを比較するためのボード線図である。
【図9】本発明の実施の形態2における制御部の回路構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2における回路定数を表すテーブルである。
【図11】本発明の実施の形態2におけるメイン制御部の伝達関数の周波数特性を表すボード線図である。
【図12】本発明の実施の形態2における一巡伝達関数の周波数特性を示すボード線図である。
【図13】本発明の実施の形態2における一巡伝達関数の周波数特性と従来技術における一巡伝達関数の周波数特性とを比較するためのボード線図である。
【図14】本発明の実施の形態3における制御部の回路構成を示す図である。
【図15】昇圧型の電源装置の回路構成例(一部)を示す図である。
【図16】昇降圧型の電源装置の回路構成例(一部)を示す図である。
【図17】従来技術の電源装置のブロック線図を示す図である。
【図18】電源装置の仕様及び回路定数を表すテーブルである。
【図19】LCフィルタ及び電力変換部の伝達関数の周波数特性を示すボード線図である。
【図20】PI制御器の伝達関数の周波数特性を示すボード線図である。
【図21】従来の電源装置(PI制御器を採用した場合)の一巡伝達関数を示すボード線図である。
【図22】PID制御器の伝達関数の周波数特性を示すボード線図である。
【図23】従来の電源装置(PID制御器を採用した場合)の一巡伝達関数を示すボード線図である。
【図24】米国特許第5583752号に示されたブロック線図である。
【図25】米国特許第5844403号に示された回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 LCフィルタ部 2,2b,2c 制御部
3 電力変換部 34 ダイオード
35 MOSFET 36 入力電源
Claims (8)
- 入力直流電源からの入力電圧を変換する電力変換回路と、当該電力変換回路の出力を平滑して負荷に供給するLCフィルタと、当該LCフィルタの出力電圧に基づいて前記電力変換回路を制御する制御回路とを具備する電源装置において、
前記制御回路が、
前記出力電圧を前記電力変換回路に負帰還するメジャーループと、
前記出力電圧に比例した電圧を前記電力変換回路に正帰還するマイナーループと、
を備えたことを特徴とする電源装置。 - 前記メジャーループが、PI制御器により構成されることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
- 前記メジャーループが、PID制御器により構成されることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
- 入力直流電源からの入力電圧を変換する電力変換回路と、当該電力変換回路の出力を平滑して負荷に供給するLCフィルタと、当該LCフィルタの出力電圧に基づいて前記電力変換回路を制御する制御回路とを具備する電源装置において、
前記制御回路が、
前記出力電圧を前記電力変換回路に負帰還する負帰還回路と、
前記出力電圧に比例した電圧を前記電力変換回路に正帰還する比例正帰還回路と、
を備えたことを特徴とする電源装置。 - 前記制御回路は、差動増幅器を備え、
前記負帰還回路は、前記差動増幅器の反転入力端子に接続され、
前記比例正帰還回路が、前記差動増幅器の非反転入力端子に接続されたことを特徴とする請求項4記載の電源装置。 - 前記負帰還回路が、比例制御要素と積分制御要素とにより構成されることを特徴とする請求項5記載の電源装置。
- 前記負帰還回路が、比例制御要素と積分制御要素と微分制御要素とにより構成されることを特徴とする請求項5記載の電源装置。
- 入力直流電源からの入力電圧を変換する電力変換回路と、当該電力変換回路の出力を平滑して負荷に供給するLCフィルタと、当該LCフィルタの出力電圧に基づいて前記電力変換回路を制御する制御回路とを具備する電源装置において、
前記制御回路が、
前記出力電圧を前記電力変換回路に負帰還するメジャーループと、
前記出力電圧に比例した電圧を前記電力変換回路に正帰還するマイナーループとを備え、
前記マイナーループが、前記LCフィルタと同次の伝達関数で構成されることを特徴とする電源装置。
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-
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