JP2004208282A - データ処理装置 - Google Patents

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JP2004208282A JP2003385304A JP2003385304A JP2004208282A JP 2004208282 A JP2004208282 A JP 2004208282A JP 2003385304 A JP2003385304 A JP 2003385304A JP 2003385304 A JP2003385304 A JP 2003385304A JP 2004208282 A JP2004208282 A JP 2004208282A
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光昭 須藤
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Abstract

【課題】任意のパラレル数lで入力される情報語を、任意のパリティ数pで符号化する。
【解決手段】 例えば、4パラレル8パリティエンコーダは、8個のレジスタ、32(=8×4)個の固定係数乗算器、12(=8+4)個の加算器で構成される。固定係数乗算器の係数hj (t)(0≦t≦7、0≦j≦3)は、
j (t)=g'jp-1 (t-1)+hj-1 (t-1)
(0≦j≦p−1,1≦t≦l−1)
j (0)=g'j
0 (t)=g'0p-1 (t-1)
であり、
g'j=0 (0≦j≦u−1、uはp/lの剰余)
g'j=gj-u (u≦j≦u+(p−1))
である。
本発明は、ディジタルデータを符号化して送信する送信装置、ディジタルデータ
を符号化して情報記録媒体に記録する記録装置に適用することができる。
【選択図】図13

Description

本発明は、データ処理装置に関し、例えば、ディジタルデータを符号化して、通信したり、情報記録媒体に記録したりする場合に用いて好適なデータ処理装置に関する。
ディジタルデータを、放送網などの伝送路を介して通信したり、情報記録媒体に記録したりする場合、例えば、RS(Reed-Solomon)符号化処理、BCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)符号化処理等の巡回符号化処理が用いられる。
図1は、入力されるディジタルデータ(以下、情報語と記述する)を巡回符号化処理によって符号化し、符号データ(以下、符号語と記述する)を出力するエンコーダの一般的な構成例を示している。ここで、情報語のビット幅は、RS符号化処理を行うエンコーダの場合、mビット(mは2以上の正数)であり、BCH符号化処理を行うエンコーダの場合、1ビットである。
このエンコーダ1は、パリティ演算回路11、および複数のレジスタ12−1乃至12−5によって構成されている。
パリティ演算回路11には、エンコーダ1の上段に位置するコントローラ(不図示)から、パリティ演算回路11が内蔵するレジスタの初期化を指示するための入力開始フラグが、レジスタ12−1を介して入力される。また、パリティ演算回路11には、エンコーダ1を制御するコントローラから、パリティ演算回路11が内蔵するセレクタの出力を、情報語とパリティのいずれとするかを切り替えるためのパリティ位置指定フラグが、レジスタ12−3を介して入力される。
パリティ演算回路11は、レジスタ12−4を介して入力される情報語に所定の演算を施して符号語を生成し、レジスタ12−5を介して出力する。
以下、一般的なエンコーダに関する議論を簡単にするため、「パリティ演算回路」自身を、「エンコーダ」として定義する。例えば、図1に示されたエンコーダ1では、レジスタ12−1乃至12−5を省略して考えて、情報語が入力されてから対応する符号語が出力されるまでの符号化レイテンシ(latency)を0とし、パリティ演算回路11が内蔵するレジスタは適切なタイミングで初期化されるとし、パリティ演算回路11が内蔵するセレクタは適切なタイミングで出力を切り替えるものとして、パリティ演算回路11自身を、エンコーダと称して説明を継続する。
このように構成される一般的なエンコーダは、シリアル入力される情報語をエンコードすることができる図2に示すようなシリアルエンコーダ21と、パラレル数p(例えばp=2)で並列に入力される(以下、「pパラレル入力される」とも記述する)情報語をエンコードすることができる図3に示すような2パラレルエンコーダ31が存在している(例えば、特許文献1参照)。
特許第3288883号公報
上述したように、2パラレル入力される情報語をエンコードすることができる2パラレルエンコーダは存在するが、2パラレルエンコーダを、図4に示すようなlパラレルエンコーダ(lは任意の正数)に拡張する方法は確立されていないので、任意のパラレル数lで入力される情報語を、任意のパリティ数pで符号化できるlパラレルpパリティエンコーダは実現されていない課題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、任意のパラレル数lで入力される情報語を、任意のパリティ数pで符号化できるlパラレルpパリティエンコーダを実現することを目的とする。
本発明の第1のデータ処理装置は、パリティ数pと同数の記憶素子からなるシフトレジスタと、パリティ数pとパラレル数lの積p・lと同数の乗算器と、パリティ数pとパラレル数lの和p+lと同数の加算器とを備え、生成多項式g(x)を、
g(x)=g0+g1・x+g2・x2+…+gp-1・xp-1+xp
として、固定係数乗算器においてそれぞれ乗算される係数hj (t)は、
j (t)=g'jp-1 (t-1)+hj-1 (t-1)
(0≦j≦p−1,1≦t≦l−1)
j (0)=g'j
0 (t)=g'0p-1 (t-1)
であり、
g'j=0 (0≦j≦u−1、uはp/lの剰余)
g'j=gj-u (u≦j≦u+(p−1))
であることを特徴とする。
本発明の第1のデータ処理装置は、入力される情報語の情報長kがパラレル数lの倍数ではない場合、情報長がパラレル数lの倍数であるk'となるように、ダミーの情報語を付加する付加手段と、付加手段によって付加されたダミーの情報語に対応して生成された符号語を除去する除去手段をさらに備えることができる。
本発明の第2のデータ処理装置は、パリティ数pと同数の記憶素子からなるシフトレジスタと、パリティ数pとパラレル数lの積p・lと同数のスイッチと、パリティ数pとパラレル数lの和p+lと同数の加算器とを備え、生成多項式g(x)を、
g(x)=g0+g1・x+g2・x2+…+gp-1・xp-1+xp
として、スイッチに対してそれぞれ演算される係数hj (t)は、
j (t)=g'jp-1 (t-1)+hj-1 (t-1)
(0≦j≦p−1,1≦t≦l−1)
j (0)=g'j
0 (t)=g'0p-1 (t-1)
であって、
g'j=0 (0≦j≦u−1、uはp/lの剰余)
g'j=gj-u (u≦j≦u+(p−1))
であり、
スイッチは、演算された係数hj (t)が0である場合には接続をオフとし、演算された係数hj (t)が1である場合には接続をオンとすることを特徴とする。
本発明の第2のデータ処理装置は、入力される情報語の情報長kがパラレル数lの倍数ではない場合、情報長がパラレル数lの倍数であるk'となるように、ダミーの情報語を付加する付加手段と、付加手段によって付加されたダミーの情報語に対応して生成された符号語を除去する除去手段をさらに備えることができる。
本発明の第1のデータ処理装置においては、パラレル数lで並列に入力され、ビット幅が1ビット以上である情報語がパリティ数pで符号化される。
本発明の第2のデータ処理装置においては、パラレル数lで並列に入力され、ビット幅が1ビットである情報語がパリティ数pで符号化される。
本発明によれば、任意のパラレル数lで入力される情報語を、任意のパリティ数pで符号化することが可能となる。また、本発明によれば、任意のパラレル数lで入力される情報語の情報長に拘わらず、任意のパリティ数pで符号化することが可能となる。
以下、図面を参照して、任意のパラレル数lで入力される情報語を、任意のパリティ数pでエンコードできるlパラレルpパリティエンコーダを生成する手順について説明する。
まず、シリアル4パリティエンコーダと2パラレル4パリティエンコーダを比較し、その比較結果に習って、4パラレル8パリティエンコーダの回路構成を類推する。そして、この類推を一般化して、lパラレルpパリティエンコーダ(lおよびpは任意の正数)の回路構成を類推し、その妥当性を証明することとする。
ここで、以下の条件を仮定する。
情報語のビット幅は、RS符号化処理を行うエンコーダの場合、mビット(mは2以上の正数)であり、BCH符号化処理を行うエンコーダの場合、1ビットである。
有限体はGF(2m)を使用する。
符号長nおよび情報長kは、パラレル数lの倍数である。
なお、符号長nおよび情報長kのそれぞれがパラレル数lの倍数ではない場合については後述する。
まず、符号のパラメータが、
有限体GF(2m
パリティ数p=4
生成多項式g(x)=g0+g1・x+g2・x2+g3・x3+x4
であるシリアル4パリティエンコーダと2パラレル4パリティエンコーダを比較し、2パラレル化に伴う変化を確認する。
ここで、図5にシリアル4パリティエンコーダの構成例を示す。このシリアル4パリティエンコーダ51は、主に、4個のレジスタ52−0乃至52−3(以下、レジスタr0乃至r3とも記述する)、4個の固定係数乗算器53−0乃至53−3、および4個の加算器54−0乃至54−3から構成される。図6は、符号長n=10、パリティ数p=4である場合の情報語入力と符号語またはパリティの出力タイミングを示している。
図7は2パラレル4パリティエンコーダの構成例を示している。この2パラレル4パリティエンコーダ61は、主に、4個のレジスタ62−0乃至62−3(以下、レジスタR0乃至R3とも記述する)、8個の固定係数乗算器、および6個の加算器から構成される。図8は、符号長n=10、パリティ数p=4である場合の情報語入力と符号語またはパリティの出力タイミングを示している。
シリアル4パリティエンコーダ51に対し、符号語ij-1,ij-2が順に入力された場合、レジスタr0乃至r3の値は図9に示すように変化する。なお、シリアル4パリティエンコーダ51のレジスタr0乃至r3は、それぞれ、初期値としてd0乃至d3を保持しているものとする。
図9に示されたレジスタr0乃至r3の値の変化のうち、初期状態から2クロック後の値に注目して整理すれば、図10に示すとおりとなる。この結果は、図7に示された回路の構成例と一致していることがわかる。
図5に示されたシリアル4パリティエンコーダ51と、図7に示された2パラレル4パリティエンコーダ61の回路構成を比較すれば、図11に示すように、レジスタ、固定係数乗算器、および加算器の数に関して以下のことがわかる。
レジスタの数については、シリアル4パリティエンコーダ51と2パラレル4パリティエンコーダ61はともに、パリティ数pと同数の4個のレジスタを有すること。
レジスタの配置については、シリアル4パリティエンコーダ51においてr0,r1,r2,r3の順に配置されていたレジスタが、2パラレル4パリティエンコーダ61においてR0,R2とR1,R3の順に2パラレルで配置されていること。
固定係数乗算器の数については、シリアル4パリティエンコーダ51は、パリティ数pと同数の4個の乗算器を有し、2パラレル4パリティエンコーダ61は、パリティ数pのl(=2)倍の8個の乗算器を有すること。
加算器の数については、シリアル4パリティエンコーダ51は、パリティ数pと同数の4個の固定係数乗算器を有し、2パラレル4パリティエンコーダ61は、(パリティ数p+パラレル数l)の6個の固定係数乗算器を有すること。
図11に示した比較結果に基づき、4パラレル8パリティエンコーダを類推すれば、図12に示すとおり、そのレジスタの数はパリティ数pと同数の8個であり、固定係数乗算器の数は32(=8×4)個であり、加算器の数は12(=8+4)個であると類推できる。また、4パラレル8パリティエンコーダの回路構成は図13に示すとおりであると類推できる。
ただし、図13に示された4パラレル8パリティエンコーダ71の32個の固定係数乗算器の係数hj (t)(0≦t≦7、0≦j≦3)は現段階では未定であるので、以下に説明するように係数hj (t)を決定する。
まず、4パラレル8パリティエンコーダ71と、図14に示すようなシリアル8パリティエンコーダ81の関係について、図15を参照して確認する。ここで、図15Aは、シリアル8パリティエンコーダ81を構成する8個のレジスタ82−0乃至82−7(r0乃至r7)の値の変化を表している。図15Bは、4パラレル8パリティエンコーダ71を構成する8個のレジスタ72−0乃至72−7(R0乃至R7)の値の変化を表している。
図15Aと図15Bを比較して明らかなように、シリアル8パリティエンコーダ81のレジスタr0乃至r7の4sクロック後の値と、4パラレル8パリティエンコーダ71のレジスタR0乃至R7のsクロック後に保持している値とが等しいことが確認できる(s=0,1,2,…,k/4)。
また、符号長nおよび情報長kがパラレル数l=4の倍数であることを条件としているので、4パラレル8パリティエンコーダ71の8個のレジスタR0乃至R7は、sクロック後にパリティを保持していることが保証される。
以下、シリアル8パリティエンコーダ81の8個のレジスタr0乃至r7の4sクロック後の値と、4パラレル8パリティエンコーダ71の8個のレジスタR0乃至R7のsクロック後の値とが等しいことに基づき、4パラレル8パリティエンコーダ71を構成する32個の乗算器のそれぞれの係数hj (t)を、以下の手順に従って決定する。
まず、シリアル8パリティエンコーダ81を構成するレジスタ82−0乃至82−7(r0乃至r7)のうち、j(0≦j≦7)番目のレジスタrjのnクロック後の値rj (n)を示す次式(1)を、図14に示された回路構成に基づいて導出する。
Figure 2004208282
(1)
ただし、j番目のレジスタの初期値rj (0)と値r-1 (n)については、
Figure 2004208282
である。
なお、式(1)において、
jは、j番目の固定係数乗算器の係数であり、
7 (n-1)は、7番目のレジスタr7の(n−1)クロック後の値であり、
k-nは、nクロック後に入力された情報語であり、
j-1 (n-1)は、(j−1)番目のレジスタrj-1の(n−1)クロック後の値である。
式(1)において、n=4とすることによりレジスタr0乃至レジスタr7の4クロック後の値r0 (4)乃至r7 (4)を演算することができる。コンピュータを用いて演算した値r0 (4)乃至r7 (4)を以下に示す。
Figure 2004208282
次に、式(1)に基づき、4パラレル8パリティエンコーダ71を構成するレジスタR0乃至R7のうち、j(0≦j≦7)番目のレジスタRjの1クロック後の値Rj (1)を示す式を導出する。まず、
Figure 2004208282
である。したがって、コンピュータを用いて演算した値r0 (4)乃至r7 (4)がそのままR0 (1)乃至R7 (1)となる。例えば、R0 (1)=r0 (4)を変形すれば、次式(2)となる。
Figure 2004208282
(2)
式(2)と図13に示された4パラレル8パリティエンコーダ71の回路構成を比較して明らかなように、式(2)において下線を付した部分のそれぞれと、h0 (0)乃至h0 (3)とが等しいことがわかる。すなわち、次式(3)のとおりである。
Figure 2004208282
(3)
式(3)の関係を用いれば、式(2)を次式(4)に変形することができる。
Figure 2004208282
(4)
1 (1)乃至R7 (1)についても同様に計算することができる。ここで、R0 (1)乃至R7 (1)は、次の一般式(5)を用いて表現することができる。
Figure 2004208282
(5)
ただし、
Figure 2004208282
である。また、hj (t)は、rj (4)を演算することにより求めることができる。
以上の結果により、図13の類推された4パラレル8パリティエンコーダ71の回路構成の妥当性が示され、固定係数乗算器の係数hj (t)を決定することができた。
ところで、上述したように、hj (t)は、rj (4)を演算することにより求めることができる。しかしながら、パラレル数lやパリティ数pが変更される度に、rjを演算し、それを用いてhj (t)を求めていたのでは効率的ではない。そこで、hj (t)を簡単に演算できるように、次式(6)に示すように、hj (t)の一般式を導出した。
Figure 2004208282
(6)
まとめると、4パラレル8パリティエンコーダ71を構成するj(0≦j≦7)番目のレジスタRjの1クロック後の値Rj (1)は、次式(7)によって表すことができる。
Figure 2004208282
(7)
以上で、類推した4パラレル8パリティエンコーダ71の妥当性の説明を終了する。
次に、4パラレル8パリティエンコーダ71を拡張して、lパラレルpパリティエンコーダを類推する手順について説明する。ここで、パラレル数lは、任意の正数であり、パリティ数pおよび情報長kは、依然としてパラレル数lの倍数であることを条件とする。
まず、図16に示すようなシリアルpパリティエンコーダを構成するp個のレジスタ92−0乃至92−(p−1)のうち、j(0≦j≦p−1)番目のレジスタ92−j(以下、レジスタrjと記述する)のnクロック後の値rj (n)を表す式を、このシリアルpパリティエンコーダ91の回路構成に基づいて次式(8)のように生成する。
Figure 2004208282
(8)
ただし、
Figure 2004208282
である。
なお、式(8)において、
jは、j番目の固定係数乗算器の係数であり、
p-1 (n-1)は、(p−1)番目のレジスタrp-1の(n−1)クロック後の値であり、
k-nは、nクロック後に入力された情報語であり、
j-1 (n-1)は、(j−1)番目のレジスタrj-1の(n−1)クロック後の値である。
次に、式(8)に基づき、類推するlパラレルpパリティエンコーダのj(0≦j≦p−1)番目のレジスタRjの1クロック後の値Rj (1)を生成すれば、次式(9)に示すような一般式となる。
Figure 2004208282
(9)
ただし、
Figure 2004208282
である。
ここで、一般式(9)の妥当性を証明する。具体的には、
Figure 2004208282
を、数学的帰納法によって証明する。
まず、
Figure 2004208282
が成立することを確認する。まず、左辺を計算すると、
Figure 2004208282
(10)
となる。一方、右辺を計算すると、
Figure 2004208282
(11)
となる。したがって、式(10)と式(11)を比較して明らかなように、
Figure 2004208282
が成立することが確認された。
次に、
Figure 2004208282
が成立すると仮定して、rj (s+1)を、rj (n)の定義に基づいて計算すると、
Figure 2004208282
(12)
である。
仮定によれば、
Figure 2004208282
が成立するので、これらを式(12)に代入すれば、
Figure 2004208282
(13)
となる。
以上の結果により、
Figure 2004208282

が証明された。
以上のように、一般式(9)の妥当性が証明されたので、これに基づいてlパラレルpパリティエンコーダの回路構成を示せば、図17に示すとおりとなる。
例えば、一般式(9)を用いて、2パラレル4パリティエンコーダを構成する8個の固定係数乗算器のそれぞれの係数を求める場合、一般式(9)に、パラレル数l=2、パリティ数p=4を代入すればよい。このようにして求めた8個の係数は以下のとおりである。
Figure 2004208282
これらの係数は、図7に示された2パラレル4パリティエンコーダ61を構成する固定係数乗算器の係数と一致していることが確認できる。
以上で、パリティ数pおよび情報長kがパラレル数lの倍数である場合におけるlパラレルpパリティエンコーダを類推する手順の説明を終了する。
次に、パリティ数pがパラレル数lの倍数ではない場合におけるlパラレルpパリティエンコーダを類推する手順について説明する。
この場合、pよりも大きい値であって、かつ、lの倍数のうち、pに最も近い値p'をパリティ数とするlパラレルp'パリティエンコーダを想定し、このlパラレルp'パリティエンコーダを構成する固定係数乗算器の係数hj (t)を、次式(14)を用いて求めれば、lパラレルpパリティエンコーダとして動作させることができる。
パリティ数pの符号のパラメータは以下のとおりである。なお、生成多項式の係数をg'iとする。
有限体GF(2m
パリティ数p(=deg(g(x)))
生成多項式g(x)=g'0+g'1・x+…+g'p-1・xp-1+xp
Figure 2004208282
(14)
ここで、giは次式(17)に示すように、g'iを用いて計算される。
Figure 2004208282
(15)
ただし、uはpをlで除算したときの剰余である。
例えば、2パラレル3パリティエンコーダを類推する場合を例に説明する。この場合、符号のパラメータは以下のとおりである。
有限体GF(2m
パリティ数p=3
生成多項式g(x)=g'0+g'1・x+g'2・x2+x3
まず始めに、図18に示すようなシリアル3パリティエンコーダを想定する。このシリアル3パリティエンコーダ111に対する情報語入力と符号語またはパリティの出力タイミングは、符号長n=9、パリティ数p=3の場合、図19に示すとおりとなる。
シリアル3パリティエンコーダ111を構成するレジスタ112−0乃至112−2(以下、レジスタr0乃至r2とも記述する)のnクロック後の値r0 (n)乃至r2 (n)は、
Figure 2004208282

(16)
となる。
次に、シリアル3パリティエンコーダ111のレジスタ112−0の低次元側に、新たにレジスタを追加して、生成したいエンコーダのパラレル数l=2の倍数のレジスタを有する、図20に示すようなシリアル4パリティエンコーダを想定する。このシリアル4パリティエンコーダ120は、シリアル3パリティエンコーダ111に対して、固定係数0を乗算する固定係数乗算器121およびレジスタ122を追加したものであり、4個のレジスタ120,112−0乃至112−2(以下、レジスタr0乃至r3とも記述する)を有している。
シリアル4パリティエンコーダ120に対する情報語入力と符号語またはパリティの出力タイミングは、符号長n=10、パリティ数p=4の場合、図21に示すとおりとなる。
シリアル4パリティエンコーダ120を構成するレジスタr0乃至r3のnクロック後の値は、
Figure 2004208282

(17)
である。
このシリアル4パリティエンコーダ120を2パラレル化して、図7に示されたような2パラレル4パリティエンコーダ61を生成すればよい。この手順については、既に説明済みである。
ここで、式(16)と式(17)を比較して明らかなように、図20のシリアル4パリティエンコーダ120は、実質的に図18のシリアル3パリティエンコーダ111と同様のシリアル3パリティエンコーダに他ならない。したがって、シリアル4パリティエンコーダ120を構成する固定係数乗算器の係数0,g'0,g'1,g'2を、図7の2パラレル4パリティエンコーダ61を構成する固定係数乗算器の係数に代入すれば、実質的に2パラレル3パリティエンコーダを得ることができる。
いまの場合、具体的には、以下に示す代入を行えばよい。
0=0
1=g'0
2=g'1
3=g'2
このようにして得た2パラレル3パリティエンコーダを図22に示す。この2パラレル3パリティエンコーダ131を構成する固定係数乗算器の係数は、図示のとおりである。2パラレル3パリティエンコーダ131に対する情報語入力と符号語またはパリティの出力タイミングは、符号長n=9、パリティ数p=3の場合、図23に示すとおりとなる。
ところで、図22に示された2パラレル3パリティエンコーダ131のレジスタ131−0の値は常に0であるので、レジスタ131−0およびレジスタ131−0の上段の固定係数乗算器132,134および加算器133を省略して、図24に示すような回路構成とすることが可能である。このようにした場合、2パラレル3パリティエンコーダ131に対する情報語入力と符号語またはパリティの出力タイミングは、符号長n=9、パリティ数p=3の場合、図25に示すとおりとなる。
以上で、パリティ数pがパラレル数lの倍数ではない場合におけるlパラレルpパリティエンコーダを類推する手順についての説明を終了する。
次に、情報長kがパラレル数lの倍数ではない場合に対応する構成例について説明する。この場合、図26に示すように、lパラレルpパリティエンコーダ101の上段に0付加回路151を設け、下段に0削除回路152を設ければよい。このときのパリティ数pおよびパラレル数lは、任意の数である。
0付加回路151は、符号化すべき本来の情報語に、情報長がパラレル数lの倍数であるk'となるように、ダミーの情報語(例えば、0)を便宜的に付加して、lパラレルpパリティエンコーダ101に出力する。この場合、lパラレルpパリティエンコーダ101により、符号長n=(k'+p)の符号語が生成される。
0削除回路152は、lパラレルpパリティエンコーダ101によって生成された符号長n=(k'+p)の符号語のうち、0付加回路151により便宜的に付加された所定の数の0に対応する符号語を削除する。
例えば、lパラレルpパリティエンコーダ101の位置に2パラレル4パリティエンコーダ61が用いられて情報長k=5の情報語が符号化される場合、図27に示すように、0付加回路151により、情報語に1個の0が便宜的に付加されて情報長k'=6とされ、2パラレル4パリティエンコーダ61により符号長n=10(=6+4)の符号語が生成される。そして、生成された符号語のうち、便宜的に付加された所定の数の0に対応する符号語が、0削除回路152によって削除され、符号長n=9(=5+4)の符号語が出力される。
また、例えば、lパラレルpパリティエンコーダ101の位置に2パラレル3パリティエンコーダ131が用いられて情報長k=5の情報語が符号化される場合、図28に示すように、0付加回路151により、情報語に1個の0が便宜的に付加されて情報長k'=6とされ、2パラレル3パリティエンコーダ131により符号長n=9(=6+3)の符号語が生成される。そして、生成された符号語のうち、便宜的に付加された所定の数の0に対応する符号語が、0削除回路152によって削除され、符号長n=8(=5+3)の符号語が出力される。
以上で、情報長kがパラレル数lの倍数ではない場合に対応するための構成例についての説明を終了する。
ところで、ここまで説明した各エンコーダは、入力される情報語のビット幅がmビット(mは2以上の正数)であって、例えばRS符号化処理を行うものであるが、回路を構成する固定係数乗算器を、その係数が0である場合にはオフとなり、その係数が1である場合にはオンとなるようなスイッチに置換すれば、入力される情報語のビット幅が1ビットであって、例えばBCH符号化処理を行うエンコーダを得ることができる。
例えば、図7に示された2パラレル4パリティエンコーダ61の8個の固定係各数乗算器を、回路の接続をオンまたはオフとするスイッチに置換すれば、図29に示すようなBCH符号化用の2パラレル4パリティエンコーダを得ることができる。例えば、この2パラレル4パリティエンコーダ161のスイッチ163−0は、演算された係数g0が0の場合にオフとなり、1の場合にオンとなるようになされている。同様に、スイッチ163−7は、演算された係数g3 2+g2が0の場合にオフとなり、1の場合にオンとなるようになされている。
また例えば、図13に示された4パラレル8パリティエンコーダ71の32個の固定係数乗算器を、それぞれ、スイッチに置換すれば、図30に示すようなBCH符号化用の4パラレル8パリティエンコーダを得ることができる。例えば、この4パラレル8パリティエンコーダ171のスイッチ173−0は、演算された係数h0 (0)が0の場合にオフとなり、1の場合にオンとなるようになされている。同様に、スイッチ173−31は、演算された係数h7 (3)が0の場合にオフとなり、1の場合にオンとなるようになされている。
以上説明したように、本発明を用いれば、任意の情報長kの情報語を符号化するlパラレルpパリティエンコーダを生成することが可能となる。ここで、パラレル数lおよびパリティ数pは任意の数である。
ディジタルデータを符号化するエンコーダの一般的な構成例を示すブロック図である。 シリアルエンコーダの一例を示す図である。 2パラレルエンコーダの一例を示す図である。 lパラレルエンコーダの一例を示す図である。 シリアル4パリティエンコーダの構成例を示すブロック図である。 図5のシリアル4パリティエンコーダによる情報語入力、並びに符号語およびパリティ出力のタイミングを示す図である。 2パラレル4パリティエンコーダの構成例を示すブロック図である。 図7の2パラレル4パリティエンコーダによる情報語入力、並びに符号語およびパリティ出力のタイミングを示す図である。 図5のシリアル4パリティエンコーダを構成するレジスタr0乃至r3の値を示す図である。 図5のシリアル4パリティエンコーダを構成するレジスタr0乃至r3の2クロック後の値を整理した図である。 図5のシリアル4パリティエンコーダと、図7の2パラレル4パリティエンコーダとの比較結果を示す図である。 本発明を適用した4パラレル8パリティエンコーダを構成するレジスタ等の数を類推した結果を示す図である。 本発明を適用した4パラレル8パリティエンコーダの構成例を示すブロック図である。 シリアル8パリティエンコーダの構成例を示すブロック図である。 図14のシリアル8パリティエンコーダと図13の4パラレル8パリティエンコーダとの関係を説明するための図である。 シリアルpパリティエンコーダの構成例を示す図である。 本発明を適用したlパラレルpパリティエンコーダの構成例を示すブロック図である。 シリアル3パリティエンコーダの構成例を示す図である。 図18のシリアル3パリティエンコーダによる情報語入力、並びに符号語およびパリティ出力のタイミングを示す図である。 シリアル4パリティエンコーダの構成例を示す図である。 図20のシリアル4パリティエンコーダによる情報語入力、並びに符号語およびパリティ出力のタイミングを示す図である。 本発明を適用した2パラレル3パリティエンコーダの第1の構成例を示す図である。 図22の2パラレル3パリティエンコーダによる情報語入力、並びに符号語およびパリティ出力のタイミングを示す図である。 本発明を適用した2パラレル3パリティエンコーダの第2の構成例を示す図である。 図24の2パラレル3パリティエンコーダによる情報語入力、並びに符号語およびパリティ出力のタイミングを示す図である。 情報長kがパラレル数lの倍数ではない場合に対応するための構成例を示す図である。 図26のシステムの2パラレル4パリティエンコーダが用いられて、情報長k=5の情報語が符号化される場合における、情報語入力、並びに符号語およびパリティ出力のタイミングを示す図である。 図26のシステムの2パラレル3パリティエンコーダが用いられて、情報長k=5の情報語が符号化される場合における、情報語入力、並びに符号語およびパリティ出力のタイミングを示す図である。 BCH符号化用の2パラレル4パリティエンコーダの構成例を示すブロック図である。 本発明を適用したBCH符号化用の4パラレル8パリティエンコーダの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
71 4パラレル8パリティエンコーダ, 101 lパラレルpパリティエンコーダ, 131 2パラレル3パリティエンコーダ, 151 0付加回路, 152 0削除回路, 171 4パラレル8パリティエンコーダ

Claims (4)

  1. 任意のパラレル数lで並列に入力されるディジタルデータである情報語を、任意のパリティ数pで符号化するデータ処理装置において、
    前記パリティ数pと同数の記憶素子からなるシフトレジスタと、
    前記パリティ数pと前記パラレル数lの積p・lと同数の乗算器と、
    前記パリティ数pと前記パラレル数lの和p+lと同数の加算器と
    を備え、
    生成多項式g(x)を、
    g(x)=g0+g1・x+g2・x2+…+gp-1・xp-1+xp
    として、前記固定係数乗算器においてそれぞれ乗算される係数hj (t)は、
    j (t)=g'jp-1 (t-1)+hj-1 (t-1)
    (0≦j≦p−1,1≦t≦l−1)
    j (0)=g'j
    0 (t)=g'0p-1 (t-1)
    であり、
    g'j=0 (0≦j≦u−1、uはp/lの剰余)
    g'j=gj-u (u≦j≦u+(p−1))
    である
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  2. 入力される前記情報語の情報長kが前記パラレル数lの倍数ではない場合、情報長がパラレル数lの倍数であるk'となるように、ダミーの情報語を付加する付加手段と、
    前記付加手段によって付加された前記ダミーの情報語に対応して生成された符号語を除去する除去手段を
    さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 任意のパラレル数lで並列に入力されるディジタルデータである情報語を、任意のパリティ数pで符号化するデータ処理装置において、
    前記パリティ数pと同数の記憶素子からなるシフトレジスタと、
    前記パリティ数pと前記パラレル数lの積p・lと同数のスイッチと、
    前記パリティ数pと前記パラレル数lの和p+lと同数の加算器と
    を備え、
    生成多項式g(x)を、
    g(x)=g0+g1・x+g2・x2+…+gp-1・xp-1+xp
    として、前記スイッチに対してそれぞれ演算される係数hj (t)は、
    j (t)=g'jp-1 (t-1)+hj-1 (t-1)
    (0≦j≦p−1,1≦t≦l−1)
    j (0)=g'j
    0 (t)=g'0p-1 (t-1)
    であって、
    g'j=0 (0≦j≦u−1、uはp/lの剰余)
    g'j=gj-u (u≦j≦u+(p−1))
    であり、
    前記スイッチは、演算された係数hj (t)が0である場合には接続をオフとし、
    演算された係数hj (t)が1である場合には接続をオンとする
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  4. 入力される前記情報語の情報長kが前記パラレル数lの倍数ではない場合、情報長がパラレル数lの倍数であるk'となるように、ダミーの情報語を付加する付加手段と、
    前記付加手段によって付加された前記ダミーの情報語に対応して生成された符号語を除去する除去手段を
    さらに備えることを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012169926A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Fujitsu Ltd Crc演算回路
JP2015512585A (ja) * 2012-03-26 2015-04-27 ザイリンクス インコーポレイテッドXilinx Incorporated 非バイナリ線形ブロックコードの並列符号化

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