JP2004207349A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体レーザ駆動用電源と、前記半導体レーザ駆動用電源に接続された複数の半導体レーザ発生手段と、前記複数の半導体レーザ発生手段の各々の出射部と一端がそれぞれ接続された複数の光ファイバーとを備え、前記複数の光ファイバーの他端はそれぞれ複数の半導体レーザ出射手段が設けられ、前記複数の半導体レーザ発生手段と前記半導体レーザ駆動用電源とが直列または並列に接続された半導体レーザ装置によって、1つの駆動用電源により複数の半導体レーザを駆動できるようにして、マルチ出力を得るか、または出力を加算することができるようにして上記課題の解決を図るものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接、切断、はんだ付け等の局部非接触加熱源として利用される半導体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7を用いて従来の技術を説明する。
【0003】
図7はレーザハンダ付け装置を示し、101はレーザ発生源であるレーザ発振器、102はレーザ光導光路、103はレーザ光の光路、104は集光レンズ、105はレーザ射出部たるレーザ光射出ノズル、106および107は被加工物、108はハンダ、109は光遮蔽物除去のためのガス、110はガス吐出口である。
【0004】
レーザ発振器101から発振されたレーザ光103はレーザ光導光路102を通過した後、集光レンズ104によって集光され、レーザ光射出ノズル105を経て、ハンダ108および被加工物106,107で構成される被接合部位に照射される。
【0005】
また、図示されてはいないガス供給手段からレーザ光射出ノズル105に供給されるガス109を、レーザ光射出ノズル105に設けたガス吐出口110から吐出して、光遮蔽物を除去しつつハンダ付けを行うものである(例えば特許文献1参照)。
【0006】
従来の装置においては、レーザ発振器101から所望のレーザ光103を得ており、レーザ発振器101のレーザ素子に流す電流値と加工点における出力は一定の関係にあり、電流を制御することによってレーザ出力を制御することができる。
【0007】
また、従来のレーザ装置は、例えば15W機出力のものは15W出力のレーザおよびファイバーと15W相当の電流が出力できるようにしたレーザ駆動用電源、30W機は30W出力のレーザおよびファイバーと30W相当の電流が出力できるようにしたレーザ駆動用電源などそれぞれ個別に組み合わせを行っていた。
【0008】
【特許文献1】
特開昭61−253170号公報(第2頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体レーザ装置の第一の課題は、出力が1出力でありマルチ出力で複数の加工点を同時加熱することができないことである。複数の加工点を同時に加熱しようとする場合は複数台のレーザ装置が必要で、設置場所が広く必要であり、また装置の価格が高くなるなどの問題がある。
【0010】
第2の課題は、従来機ではレーザの最大出力が固定化されており、加熱する対象ワークが変わった場合にレーザの出力を増加する必要がある場合にも、定格出力以上に増加させることができないことである。
【0011】
本発明は1つの駆動用電源により複数の半導体レーザを駆動できるようにして、マルチ出力を得るか、または出力を加算することができるようにして上記課題の解決を図るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の半導体レーザ装置は、半導体レーザ駆動用電源と、前期半導体駆動用電源に接続された複数の半導体レーザ発生手段と、前記複数の半導体レーザ発生手段の各々の出射部と一端がそれぞれ接続された複数の光ファイバーとを備え、前記複数の光ファイバーの他端はそれぞれ複数の半導体レーザ出射手段が設けられ、前記複数の半導体レーザ発生手段と前期半導体駆動用電源とが直列または並列に接続されるようにしたものである。
【0013】
また本発明の半導体レーザ装置は、半導体レーザ駆動用電源と、前記半導体レーザ駆動用電源に接続された複数の半導体レーザ発生手段と、前記複数の半導体レーザ発生手段の各々の出射部と一端がそれぞれ接続された複数の光ファイバーとを備え、前記複数の光ファイバーの他端は1つの半導体レーザ出射手段に接続され、前記複数の半導体レーザ発生手段と前記半導体レーザ駆動用電源とが直列または並列に接続されるようにしたものである。
【0014】
また本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、半導体レーザ駆動用電源を取り付ける工程と、複数の半導体レーザ発生手段を取り付ける工程と、前記複数の半導体レーザ発生手段の各々の出射部と複数の光ファイバーの一端をそれぞれ接続する工程と、前記複数の光ファイバーの他端を複数の半導体レーザ出射手段にそれぞれ取り付ける工程とを有し、前記複数の半導体レーザ発生手段と前記半導体レーザ駆動用電源とが直列または並列に接続される方法である。
【0015】
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、半導体レーザ駆動用電源を取り付ける工程と、複数の半導体レーザ発生手段を取り付ける工程と、前記複数の半導体レーザ発生手段の各々の出射部と複数の光ファイバーの一端をそれぞれ接続する工程と、前記複数の光ファイバーの他端を1つの半導体レーザ出射手段に取り付ける工程とを有し、前記複数の半導体レーザ発生手段と前記半導体レーザ駆動用電源とが直列または並列に接続される方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は半導体レーザ装置の構成図で、1はレーザ駆動用電源、2A〜2Dは半導体レーザ、3A〜3Dは光ファイバ、4A〜4Dは集光レンズユニット、5A〜5Dは加工点である。
【0018】
また、図2は前述の図1に示す半導体レーザ装置のレーザ駆動用電源1,半導体レーザ2A,光ファイバ3A,集光レンズユニット4Aについての詳細図で、1aは半導体レーザ駆動用のパワーサプライ、1bはパワーサプライ1aおよび半導体レーザ装置全体の制御を行う制御装置、1cは操作パネル、21aは半導体レーザ素子、22aはレーザ光を集光するためのコリメートレンズ、23aは出射部で、3Aは光ファイバーであり通常は単芯のファイバーで構成され、31aは光ファイバ3Aの入射部、32aは光ファイバ3Aの出射端である。4Aは集光レンズユニットであり光ファイバー3Aの出射光を再集光し、加工点5Aへレーザビームを集光させる。
【0019】
なお、半導体レーザ2B〜2Dについても上述と同様な構成、即ち半導体レーザ素子はそれぞれ21b〜21d、コリメートレンズはそれぞれ22b〜22d、出射部はそれぞれ23b〜23dの構成である。
【0020】
上記において、操作パネル1cより入力された出力電流値、またはレーザ出力パワー値に応じて制御装置1bによってパワーサプライ1aの出力電流を制御し、半導体レーザ素子2aの入力電流を変化させることにより、所望のレーザ出力値を得る。
【0021】
図1に示す実施の形態においては、レーザ駆動用電源1の出力電圧を半導体レーザ素子の定格ドライブ電圧の4倍に設計し、4ヶの半導体レーザ2A〜2Dを直列に接続することによって同じドライブ電流を流し、1台の装置でほぼ均一な4分岐出力を得ている。
【0022】
また、レーザ駆動用電源1の出力電流を半導体レーザ素子の定格ドライブ電流の4倍に設計し、レーザ駆動用電源に対し半導体レーザ2A〜2Dを並列に接続することによっても同じ動作を行うことができる。図2に示す例では分岐が4つの場合を記載しているが、分岐数は1〜nの任意の数にすることができる。
【0023】
図3に示す構成図は、レーザ駆動用電源1のパワーサプライ1aを1a―1〜1a―4まで複数個設けたものであり、1a―1〜1a―4のそれぞれの出力が半導体レーザ2A〜2Dの入力側に接続されている。この構成にすることによって、接続される半導体レーザの数に応じてパワーサプライを追加することができ、1つのパワーサプライを用いる場合より経済的に構成することができる。
【0024】
本実施の形態の他の例を図4に示して説明する。
【0025】
図4において、レーザ駆動用電源1,半導体レーザ2A〜2Dは、図2に示す構成と同じであるので、説明を省略する。
【0026】
光ファイバー13A〜13Dは入射部がそれぞれ131a〜131dのように分岐され、それぞれ半導体レーザ2A〜2Dへ接続されているが、光ファーバー13A〜13Dの中継部14で束ねられ、バンドル化されたまま出射部15へと導かれる。
【0027】
図5は出射部15の断面を示すもので、4本の光ファイバー13A〜13Dが束ねられており、4本の光ファイバー13A〜13Dの出力は4ヶ分の半導体レーザの出力となる。
【0028】
図3の構成においてはレーザ駆動用電源の出力に接続するレーザ数と光ファイバーの構成を変更するだけで、半導体レーザ装置の最大出力を比較的容易に変更することができる。
【0029】
図6は本実施の形態の他の半導体レーザ装置の説明図である。
【0030】
図6は、前述した図1〜図3で示す実施の形態に対し、半導体レーザ2A〜2Dのアノードおよびカソード入力端に可変抵抗器6A〜6Dをそれぞれ接続したものである。半導体レーザ素子21a〜21dは、それぞれの生産プロセスのバラツキによって同一電流を流しても出力パワーが均一にならず、それぞれの光ファイバーからの出力にバラツキが生じる場合がある。
【0031】
可変抵抗器6A〜6Dはこのバラツキをなくすために、半導体レーザ素子21a〜21dにそれぞれ流れる電流を、可変抵抗器6A〜6Dのそれぞれの抵抗値によって可変抵抗器側に分流させ、半導体レーザ素子21a〜21dの出力を均一化するためのものである。
【0032】
なお、上述の可変抵抗器6A〜6Dは、図4で示した実施の形態に設けても同様の効果が得られる。
【0033】
また、図1〜6でしめした実施の形態においては、レーザ駆動用電源を半導体レーザ2A〜2Dと直列にした構成で説明したが、レーザ駆動用電源を半導体レーザ2A〜2Dとは、並列に接続しても同様の効果が得られる。
【0034】
ところで、図1〜図6の構成においては接続する半導体レーザの数量に応じて半導体レーザ装置の定格出力値が変化することになるが、同じ制御装置を使用した場合、半導体レーザ装置の最大出力値を都度変更することができない。この問題を解決する手段として、接続される半導体レーザの数量に応じて制御装置内のプログラム内に最大出力の設定値などを変更できるパラメータ設定手段を設け、パラメータを操作パネルなどの入力手段によって容易に変更可能にしておく手段が有効である。
【0035】
次に、半導体レーザ装置の製造方法について、説明する。
【0036】
図1に示す半導体レーザ装置は、レーザ駆動用電源1を取付ける工程と、半導体レーザ2A〜2Dをそれぞれ取付ける工程と、光ファイバ3A〜3Dの両端にそれぞれ入射部31a〜31dと出射部32a〜32dとを対応させて取り付ける工程と、半導体レーザ2A〜2Dの各々の出射部23a〜23dと光ファイバー3A〜3Dのそれぞれの入射部31a〜31dをそれぞれ接続する工程と、光ファイバー3A〜3Dのそれぞれの出射部32a〜32dを集光レンズユニット4A〜4Dにそれぞれ取付ける工程とを有し、半導体レーザ2A〜2Dと半導体レーザ駆動用電源1とを直列または並列に接続することにより、前述の半導体レーザ装置が構成でき、前述と同様の効果が得られる半導体レーザ装置を製造することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、1つの駆動用電源により複数の半導体レーザを駆動でき、複数の加工点を同時に加工できるようなマルチ出力を得ることができる。またファイバーの出射端を接続することにより複数の半導体レーザの出力を加算することができ、経済的に優れた装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における半導体レーザ装置の説明図
【図2】同実施の形態における半導体レーザ装置の詳細説明図
【図3】同実施の形態における半導体レーザ装置の詳細説明図
【図4】本発明の実施の形態における他の半導体レーザ装置の説明図
【図5】同実施の形態における光ファイバーの出射端の断面図
【図6】本発明の実施の形態における他の半導体レーザ装置の説明図
【図7】従来におけるレーザ装置の説明図
【符号の説明】
1 レーザ駆動用電源
2A,2B,2C,2D 半導体レーザ
3A,3B,3C,3D 光ファイバ
4A,4B,4C,4D 集光レンズユニット
6A,6B,6C,6D 可変抵抗器
Claims (13)
- 半導体レーザ駆動用電源と、前記半導体レーザ駆動用電源に接続された複数の半導体レーザ発生手段と、前記複数の半導体レーザ発生手段の各々の出射部と一端がそれぞれ接続された複数の光ファイバーとを備え、前記複数の光ファイバーの他端はそれぞれ複数の半導体レーザ出射手段が設けられ、前記複数の半導体レーザ発生手段と前記半導体レーザ駆動用電源とが直列または並列に接続された半導体レーザ装置。
- 半導体レーザ駆動用電源と、前記半導体レーザ駆動用電源に接続された複数の半導体レーザ発生手段と、前記複数の半導体レーザ発生手段の各々の出射部と一端がそれぞれ接続された複数の光ファイバーとを備え、前記複数の光ファイバーの他端は1つの半導体レーザ出射手段に接続され、前記複数の半導体レーザ発生手段と前記半導体レーザ駆動用電源とが直列または並列に接続された半導体レーザ装置。
- 半導体レーザ発生手段のアノードとカソード間は抵抗素子を有し、その抵抗素子によって前記半導体レーザ発生手段の出力を制御した請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
- 半導体レーザ駆動用電源は、複数の電源からなる請求項1から3のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
- 半導体レーザ駆動用電源はパラメータ設定により制御される請求項1から4のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
- 複数の半導体レーザ発生手段はそれぞれ収納手段に収納され、前記複数の収納手段には各収納手段を接続する接続手段を設けた請求項1から5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
- 複数の半導体レーザ発生手段を収納する1つの収納手段を有した請求項1から5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
- 半導体レーザ駆動用電源を取り付ける工程と、複数の半導体レーザ発生手段を取り付ける工程と、前記複数の半導体レーザ発生手段の各々の出射部と複数の光ファイバーの一端をそれぞれ接続する工程と、前記複数の光ファイバーの他端を複数の半導体レーザ出射手段にそれぞれ取り付ける工程とを有し、前記複数の半導体レーザ発生手段と前記半導体レーザ駆動用電源とが直列または並列に接続される半導体レーザ装置の製造方法。
- 半導体レーザ駆動用電源を取り付ける工程と、複数の半導体レーザ発生手段を取り付ける工程と、前記複数の半導体レーザ発生手段の各々の出射部と複数の光ファイバーの一端をそれぞれ接続する工程と、前記複数の光ファイバーの他端を1つの半導体レーザ出射手段に取り付ける工程とを有し、前記複数の半導体レーザ発生手段と前記半導体レーザ駆動用電源とが直列または並列に接続される半導体レーザ装置の製造方法。
- 半導体レーザ発生手段のアノードとカソード間に抵抗素子を接続する工程を有する請求項8または9に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
- 半導体レーザ駆動用電源は、複数の電源からなる請求項8から10のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
- 複数の半導体レーザ発生手段をそれぞれ収納手段に収納する工程を有し、前記複数の収納手段には各収納手段を接続する接続手段を設けている請求項8から11のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
- 複数の半導体レーザ発生手段を1つの収納手段に収納する工程を有する請求項8から11のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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