JP2009253024A - レーザダイオード用電源およびレーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力AC電圧が変化した場合に変圧用のトランスを変更することなく、立上がり特性が常に同一である一定の設定駆動電圧を出力するLD用電源を提供する。
【解決手段】AC電源2からの入力電圧を整流して直流電圧を出力する一次側整流回路3と、一次側整流回路3から出力された直流電圧に基づいて形成された一次側充電電圧に対して一段目デューティーに基づいてスイッチングを施してパルス電圧を出力する一段目スイッチング素子6と、一段目スイッチング素子6から一次側に入力されるパルス電圧を変圧して二次側に出力するトランス7と、トランス7から入力される二次側パルス電圧を整流する二次側整流回路8と、二次側整流回路8から出力された二次側パルス電圧に基づいて形成された二次側充電電圧に対して二段目デューティーに基づいてスイッチングを施して高出力LDに設定されている設定駆動電圧を出力する二段目スイッチング素子11とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】AC電源2からの入力電圧を整流して直流電圧を出力する一次側整流回路3と、一次側整流回路3から出力された直流電圧に基づいて形成された一次側充電電圧に対して一段目デューティーに基づいてスイッチングを施してパルス電圧を出力する一段目スイッチング素子6と、一段目スイッチング素子6から一次側に入力されるパルス電圧を変圧して二次側に出力するトランス7と、トランス7から入力される二次側パルス電圧を整流する二次側整流回路8と、二次側整流回路8から出力された二次側パルス電圧に基づいて形成された二次側充電電圧に対して二段目デューティーに基づいてスイッチングを施して高出力LDに設定されている設定駆動電圧を出力する二段目スイッチング素子11とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザダイオード(以下、「LD」という)用電源およびこれを用いたレーザ装置に係り、特に、広範囲に変化する入力AC電圧から高出力のLDに対して適正な入力電圧を供給するのに好適なLD用電源およびこれを用いたレーザ装置に関する。
近年のレーザ装置においては、高出力化が要望されており、高出力のLDを用いることが多い。
この高出力LDを駆動するためのLD用電源としては、電気エネルギの高い高電圧の交流(AC)を入力源として当該高出力LDが要求する高い直流(DC)電圧(パルス状のものが多い)を出力するものが提案されている(特許文献1、図11参照)。
図5はこの種の従来例のLD用電源の一例を示している。
図5のLD用電源101においては、AC電源102から入力される170〜400VのAC電圧を整流回路103によって整流して平滑インダクタ104および平滑コンデンサ105によって平滑し、当該平滑コンデンサ105に一次側充電電圧を貯留する。この一次側充電電圧がスイッチング素子106による所定のドューティー比の基でパルス電圧としてトランス107の一次側に通電される。このスイッチング素子106はFET、IGBT等により形成されており、図示しない電源制御回路から信号によりオン・オフ制御される。トランス107においては、一次側と二次側とのコイル巻線比に応じた電圧の大きさを有するパルス電圧が二次側に出力される。トランス107の二次側巻線の出力電圧はダイオード108により整流されて二次側出力電圧として出力される。このダイオード108からの二次側出力電圧は平滑用のインダクタ109およびコンデンサ110に通電されて、コンデンサ110に貯留される。このコンデンサ110の両端の接続端子110a、110bには直列および並列接続されている多数の高出力のLD111が接続されており、コンデンサ110に貯留されている電圧が、スイッチング素子106の動作によって決定されているパルス電圧としてLD111に付与されて、当該LD111が発光する。
図5に示す従来のLD用電源101においては、スイッチング素子106のデューティー比を同一とすると、AC電源102の入力電圧の大きさが決定(例えば、400V)されると、一次側充電電圧の大きさが決定(540V)され、二次側出力電圧の大きさもトランス107の一次側と二次側とのコイル巻線比(例えば、2:1)に比例して決定(270V)される。
ところが、高出力LD111には適正に動作するための駆動電圧がそれぞれ設定されており、AC電源102の入力電圧の大きさが変化する場合には、スイッチング素子106のデューティー比を対応して変化させて、二次側出力電圧の大きさを高出力LD111の設定駆動電圧の大きさに合わせる必要がある。
例えば、高出力LD111の設定駆動電圧が50V、トランス107の一次側と二次側とのコイル巻線比が2:1であるとすると、AC電源102の入力電圧の大きさが400Vの場合には、スイッチング素子106のデューティー比を約19%とし、AC電源102の入力電圧の大きさが200Vの場合には、スイッチング素子106のデューティー比を約37%とすることになる。コンデンサ110の両端の接続端子110a、110bには共に50Vの出力電圧が得られるが、図6の電圧波形に示すように、スイッチング素子106のデューティー比が37%の場合には電圧波形(実線)の立上がりと立ち下がりの変化率は同一であるが、スイッチング素子106のデューティー比が19%の場合には、電圧波形(破線)の立上がりの変化率が急峻であり、立ち下がりの変化率が緩慢である。LD111は入力される駆動電圧の電圧変化率が変化すると、発光特性が変化してしまい、図示しないレーザ媒質によるレーザ発振特性も、変化していまうという不都合があった。
AC電源102の入力電圧の大きさが変化した場合においても、スイッチング素子106のデューティー比を同一に維持したまま同一の二次出力電圧を得るためには、トランス107の一次側と二次側とのコイル巻線比を入力電圧の変化に対応して変えなければならないという不都合がある。
また、AC電源102の入力電圧の大きさおよびLD電源111に設定されている設定駆動電圧に対応してそれぞれ個別のLD用電源をカスタマイズすることも考えられるが、LD用電源を共通化することができず、コスト高となるという不都合がある。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、入力されるAC電圧を制御してLDに対して設定されている設定駆動電圧を出力するLD用電源において、入力電圧が変化した場合に変圧用のトランスを変更することなく、立上がり特性が常に同一である一定の設定駆動電圧を出力することができ、入力AC電圧とLDの設定駆動電圧との組合せに対応して共用化することができるLD用電源を提供することを目的とする。
更に、本発明は前記特性を備えたLD用電源を利用したレーザ装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明のLD用電源は、出力電圧が変化するAC電源から入力するAC電圧を用いてレーザダイオードを駆動するためのレーザダイオード用電源であって、前記AC電源からの入力電圧を整流して直流電圧を出力する一次側整流回路と、前記一次側整流回路から出力された前記直流電圧に基づいて形成された一次側充電電圧に対して一段目デューティーに基づいてスイッチングを施してパルス電圧を出力する一段目スイッチング素子と、前記一段目スイッチング素子から一次側に入力される前記パルス電圧を変圧して二次側に出力するトランスと、前記トランスから入力される二次側パルス電圧を整流する二次側整流回路と、前記二次側整流回路から出力された二次側パルス電圧に基づいて形成された二次側充電電圧に対して二段目デューティーに基づいてスイッチングを施してLDに設定されている設定駆動電圧を出力する二段目スイッチング素子とを有することを特徴とする。
本発明の第1の態様のLD用電源によれば、入力されるAC電圧が変化して一次側充電電圧が変化しても、一段目スイッチング素子の一段目デューティーを変化させることによりトランスによって変圧されて形成される二次側充電電圧を常に一定とさせ、二段目スイッチング素子の二段目デューティーを常に一定に維持した状態で前記二次側充電電圧に対するスイッチングを施して高出力LDに対して設定されている設定駆動電圧を供給することができる。これにより、入力されるAC電圧が変化した場合に変圧用のトランスを変更することなく、立上がり特性が常に同一である一定の設定駆動電圧を高出力LDに対して出力することができ、入力AC電圧とLDの設定駆動電圧との組合せに対応してLD用電源を共用化することができる。
本発明のレーザ装置は、前述の第1の態様のLD用電源を備えることを特徴とする。
本発明のレーザ装置によれば、前述の特性を備えたLD用電源によりLDを常に適正に動作させて常に適正なレーザ光を発振させることができる。
本発明のLD用電源によれば、入力されるAC電圧が変化した場合に変圧用のトランスを変更することなく、立上がり特性が常に同一である一定の設定駆動電圧をLDに対して出力することができ、入力AC電圧とLDの設定駆動電圧との組合せに対応してLD用電源を共用化することができるという優れた効果を奏する。
本発明のレーザ装置によれば、前述の特性を備えたLD用電源によりLDを常に適正に動作させて常に適正なレーザ光を発振させることができる。
以下、本発明のLD用電源およびレーザ装置を図面により説明する。
図1は、本発明のLD用電源の一実施形態の回路図を示している。
本実施形態のLD用電源1においては、AC電源2から出力される170〜440VのAC電圧を入力としている。このAC電源2はレーザ装置の設置場所に供給されているAC電源2の態様により、例えば、200V、240V、400Vと電圧が変化することとなり、また単相、3相も設置場所の条件に従うものである。
このAC電源1の出力端子にはダイオードのブリッジ回路等から形成されている一次側整流回路3が接続されている。この一次側整流回路3はAC電圧を整流して直流電圧として出力する。
この一次側整流回路3の両端の出力端子には、平滑回路としての平滑インダクタ4と平滑コンデンサ5とが直列に接続されている。この平滑回路においては、一次側整流回路3から入力された直流電圧を平滑インダクタ4および平滑コンデンサ5によって平滑し、当該平滑コンデンサ5に一次側充電電圧として貯留する。
この平滑回路の平滑コンデンサ5の両端の出力端子には、一次側充電電圧に対して一段目デューティーに基づいてスイッチングを施してパルス電圧を出力する一段目スイッチング素子6が接続されている。この一段目スイッチング素子6は、FET、IGBT等により形成されており、図示しない電源制御回路からの制御信号によりオン・オフ制御される。一方のFETは、300kHz程度のスイッチング速度で動作して高速スイッチングが必要な場合に用いられ、他の方のIGBTは50kHz程度のスイッチング速度で動作して高い出力電圧が必要な場合に用いられる。
この一段目スイッチング素子6の2つの出力端子にはトランス7の一次側コイル巻線が接続されている。このトランス7は、一次側と二次側とのコイル巻線比により、一段目スイッチング素子6から一次側のコイル巻線に入力されるパルス電圧を変圧して二次側パルス電圧として二次側のコイル巻線に出力する。
このトランス7の二次側コイル巻線の両端の出力端子には二次側整流回路8を構成する2個のダイオード8a、8bのそれぞれのアノードが接続されており、これらの2個のダイオード8a、8bのそれぞれのカソードが互いに接続されて出力端子8cとされている。この出力端子8cには2個のダイオード8a、8bによってトランス7から出力される二次側パルス電圧を整流した状態のパルス電圧が出力される。
この出力端子8cとトランス7の二次側コイル巻線の中間点との間には平滑回路を構成するインダクタ9とコンデンサ10とが直列に接続される。この平滑回路においては、二次側整流回路8から入力された二次側パルス電圧をインダクタ9およびコンデンサ10によって平滑し、当該コンデンサ10に二次側充電電圧として貯留する。
この平滑回路のコンデンサ10の両端の出力端子には、二次側充電電圧に対して二段目デューティーに基づいてスイッチングを施して高出力LD15に設定されている設定駆動電圧に等しいパルス電圧を出力する二段目スイッチング素子11とダイオード12とが直列に接続されている。この二段目スイッチング素子11は、一段目スイッチング素子6と同様にFET、IGBT等により形成されており、図示しない電源制御回路からの制御信号によりオン・オフ制御される。
このダイオード12の両端の出力端子には、平滑回路としてのインダクタ13とコンデンサ14が直列に接続されている。この平滑回路においては、二次側スイッチング素子13から入力されたパルス電圧をインダクタ13およびコンデンサ14によって平滑し、当該コンデンサ14に最終出力電圧として貯留する。
このコンデンサ14の両端の接続端子14a、14bには、直列および並列接続されている多数のLD15が接続されており、コンデンサ14に貯留されている電圧が、二段目スイッチング素子11の動作によって決定されているパルス電圧としてLD15に付与されて、当該LD15が発光するように形成されている。
次に、本実施形態のLD用電源1の作用を図1から図3について説明する。
1) 動作条件
LD15の設定駆動電圧が50V、その上段の二段目スイッチング素子11の二段目デューティーが50%、その上段のトランス7の一次側と二次側とのコイル巻線比が1:1であり、AC電源2の出力電圧が400Vと200Vに変化するものとする。
LD15の設定駆動電圧が50V、その上段の二段目スイッチング素子11の二段目デューティーが50%、その上段のトランス7の一次側と二次側とのコイル巻線比が1:1であり、AC電源2の出力電圧が400Vと200Vに変化するものとする。
2) AC電源2の出力電圧が400Vの場合の動作
二段目スイッチング素子11の二段目デューティーが50%で高出力LD15の設定駆動電圧の50Vを二段目スイッチング素子11の最終出力電圧として得るためには、コンデンサ10の両端の出力端子間の二次側充電電圧の大きさを100Vとする必要がある。
二段目スイッチング素子11の二段目デューティーが50%で高出力LD15の設定駆動電圧の50Vを二段目スイッチング素子11の最終出力電圧として得るためには、コンデンサ10の両端の出力端子間の二次側充電電圧の大きさを100Vとする必要がある。
100Vの二次側充電電圧を得るためには、トランス7の一次側と二次側とのコイル巻線比が1:1であるので、その上段の一段目スイッチング素子6の一段目デューティーを19%とする必要がある。
そこで一段目スイッチング素子6の一段目デューティーを19%とする制御信号を図示しない制御装置より一段目スイッチング素子6の各ゲートに送付して動作させるように設定する。
続いて、AC電源2から400VのAC電圧出力すると、一次側整流回路3によって整流され、その直流電圧が平滑インダクタ4および平滑コンデンサ5によって平滑されて当該平滑コンデンサ5に540Vの一次側充電電圧が貯留される。続いて、この540Vの一次側充電電圧が一段目スイッチング素子6による25%のデユーティー比の基でスイッチング処理されてトランス7の一次側のコイル巻線に通電される。続いて、トランス7においては、一次側と二次側とのコイル巻線比1:1に応じた大きさの電圧(540V、図2(a)参照)を有するパルス電圧が二次側に出力される。トランス7の二次側コイル巻線の出力電圧は二次側整流回路8において整流され二次側出力電圧として出力され、続いてその二次側出力電圧は平滑用のインダクタ9およびコンデンサ10に通電されて、一段目スイッチング素子6の19%の一段目デューティーで処理された内容の100V(図2(b)参照)の二次側充電電圧として貯留される。続いてコンデンサ10から出力される二次側充電電圧に対して二段目スイッチング素子11が50%の二段目デューティーに基づいてスイッチングを施して高出力LD15に設定されている設定駆動電圧に等しい100V、デューティ50%(図2(c)参照)のパルス電圧を出力する。続いてその設定駆動電圧に等しい100V、デューティ50%のパルス電圧は平滑用のインダクタ13とコンデンサ14に通電されて、当該コンデンサ14に最終出力電圧として貯留される。このコンデンサ14に貯留されている電圧が、パルス電圧として高出力LD15に付与されて、当該高出力LD15が発光する。
3) AC電源2の出力電圧が200Vの場合の動作
二段目スイッチング素子11の二段目デューティーが50%で高出力LD15の設定駆動電圧の50Vを二段目スイッチング素子11の最終出力電圧として得るためには、コンデンサ10の両端の出力端子間の二次側充電電圧の大きさを100Vとする必要がある。
二段目スイッチング素子11の二段目デューティーが50%で高出力LD15の設定駆動電圧の50Vを二段目スイッチング素子11の最終出力電圧として得るためには、コンデンサ10の両端の出力端子間の二次側充電電圧の大きさを100Vとする必要がある。
100Vの二次側充電電圧を得るためには、トランス7の一次側と二次側とのコイル巻線比が1:1であるので、その上段の一段目スイッチング素子6の一段目デューティーを37%とする必要がある。
そこで一段目スイッチング素子6の一段目デューティーを37%とする制御信号を図示しない制御装置より一段目スイッチング素子6の各ゲートに送付して動作させるように設定する。
続いて、AC電源2から200VのAC電圧出力すると、一次側整流回路3によって整流され、その直流電圧が平滑インダクタ4および平滑コンデンサ5によって平滑されて当該平滑コンデンサ5に270Vの一次側充電電圧が貯留される。続いて、この270Vの一次側充電電圧が一段目スイッチング素子6による37%のデユーティー比の基でスイッチング処理されてトランス7の一次側のコイル巻線に通電される。続いて、トランス7においては、一次側と二次側とのコイル巻線比1:1に応じた大きさの電圧(270V、図3(a)参照)を有するパルス電圧が二次側に出力される。トランス7の二次側コイル巻線の出力電圧は二次側整流回路8において整流され二次側出力電圧として出力され、続いてその二次側出力電圧は平滑用のインダクタ9およびコンデンサ10に通電されて、一段目スイッチング素子6の37%の一段目デューティーで処理された内容の100V(図3(b)参照)の二次側充電電圧として貯留される。続いてコンデンサ10から出力される二次側充電電圧に対して二段目スイッチング素子11が50%の二段目デューティーに基づいてスイッチングを施して高出力LD15に設定されている設定駆動電圧に等しい100V、デューティ50%(図3(c)参照)のパルス電圧を出力する。続いてその設定駆動電圧に等しい100V、デューティ50%のパルス電圧は平滑用のインダクタ13とコンデンサ14に通電されて、当該コンデンサ14に最終出力電圧として貯留される。このコンデンサ14に貯留されている電圧が、パルス電圧として高出力LD15に付与されて、当該LD15が発光する。
4) 効果
このように本実施形態のLD用電源1によれば、入力されるAC電圧が400Vと200Vとに変化して一次側充電電圧が変化しても、一段目スイッチング素子6の一段目デューティーを19%と37%とに変化させることにより、トランス7によって変圧されて形成される二次側充電電圧を常に一定(100V)とさせ、二段目スイッチング素子11の二段目デューティーを常に一定(50%)に維持した状態で二次側充電電圧に対するスイッチングを施して高出力LD15に対して設定されている設定駆動電圧を供給することができる。これにより、入力されるAC電圧が変化した場合に変圧用のトランス7を変更することなく、立上がり特性が常に同一である一定の設定駆動電圧をLD15に対して出力することができ、入力AC電圧とLD15の設定駆動電圧との組合せに対応してLD用電源1を共用化することができる。
このように本実施形態のLD用電源1によれば、入力されるAC電圧が400Vと200Vとに変化して一次側充電電圧が変化しても、一段目スイッチング素子6の一段目デューティーを19%と37%とに変化させることにより、トランス7によって変圧されて形成される二次側充電電圧を常に一定(100V)とさせ、二段目スイッチング素子11の二段目デューティーを常に一定(50%)に維持した状態で二次側充電電圧に対するスイッチングを施して高出力LD15に対して設定されている設定駆動電圧を供給することができる。これにより、入力されるAC電圧が変化した場合に変圧用のトランス7を変更することなく、立上がり特性が常に同一である一定の設定駆動電圧をLD15に対して出力することができ、入力AC電圧とLD15の設定駆動電圧との組合せに対応してLD用電源1を共用化することができる。
図4は前述の実施形態のLD用電源1を搭載したレーザ装置21の一実施形態を示している。
本実施形態のレーザ装置21は、図4に示すように、レーザ光の進行方向において最上流にレーザ発振部として配設され、下流へ順に配設された光アイソレータ22、入射ユニット23、伝送用光ファイバ24、出射ユニット25および加工テーブル26とともに、レーザ加工装置27を構成している。
レーザ装置21は、ファイバレーザ発振器31およびLD用電源1を有しており、このLD用電源1として、前述の本実施形態のLD用電源1が配設されている。
ファイバレーザ発振器31は、電気光学励起部に配設されたLD40と共振器を備える。共振器は、一対の共振ミラー36、38と、その間に配設された一対の光学レンズ42、44や発振ファイバ32等の要素とからなる。発振ファイバ32は、コアおよびクラッドからなり、コアを活性媒体とし、クラッドを励起用レーザ光MBの伝播光路としている。また、共振器の下流側には、折り返しミラー46、レーザ吸収体48、ビームスプリッタ50、集光レンズ54、PD(フォトダイオード)52を有する。共振ミラー36、38および折り返しミラー46は部分反射ミラーである。
ビームスプリッタ50は、ファイバレーザ光FBの一部(たとえば1%)を所定の方向に反射させるミラーである。PD52は、ビームスプリッタ50による反射光の光路上に配設されている。集光レンズ54は、ビームスプリッタ50による反射光の光路上であってビームスプリッタ50とPD52との間に配置されている。
次に、このレーザ装置21の作用について説明する。
レーザ装置21のLD用電源1からファイバレーザ発振器31のLD40に励起電流が供給されると、LD40はポンピング用の励起用レーザ光MBを発振する。LD40から励起用レーザ光MBが照射されると、共振ミラー36は、LD40側から入射した励起用レーザ光MBを透過させるとともに、発振ファイバ32側から入射した発振光線を全反射する。光学レンズ42は励起用レーザ光MBを発振ファイバ32の一端面に集光入射させる。また、光学レンズ44は、発振ファイバ32の他端面から放出されてきた発振光線を平行光にコリメートする。
発振ファイバ32の一端面に入射した励起用レーザ光MBは、クラッド外周界面の全反射によって閉じ込められながら発振ファイバ32の内部を軸方向に伝搬し、その伝搬中にコアを何度も横切ることによってコアのイオンを光励起する。これにより、コアの両端面から軸方向に所定の波長の発振光線が放出される。この発振光線が共振ミラー36、38の間を何度も行き来することによって共振増幅され、共振ミラー38を透過したときに所定の波長のファイバレーザ光FBが得られる。
共振ミラー38より出力されたファイバレーザ光FBは、折り返しミラー46をまっすぐ透過し、ビームスプリッタ50を通ってから光アイソレータ22に入射する。一方、所定の波長のファイバレーザ光FBを得る前に励起用レーザ光MBが光学レンズ44および共振ミラー38を透過した場合、折り返しミラー46によってレーザ吸収体48の方向に折り返される。ビームスプリッタ50は、入射したファイバレーザ光FBの一部、たとえば1%、をフォトダイオード(PD)52側に反射する。集光レンズ54は反射されたファイバレーザ光FBを集光し、フォトダイオード(PD)52は反射したファイバレーザ光FBを光電変換してレーザ出力の電気信号を出力する。この電気信号はファイバーレーザ光FBの強さを一定に保つためのフィードバックとしてLD用電源1に送られる。
そして、このように構成され、作用するレーザ装置21において、その高出力のLD用電源1として前述の実施形態の高出力のLD用電源1を採用することで、高出力のLD用電源1に対して入力されるAC電圧が変化した場合においても、前述の特性を備えたLD用電源1によりLD15を常に適正に動作させて常に適正なレーザ光を発振させることができる。
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
1 LD用電源
2 AC電源
3 一次側整流回路
6 一段目スイッチング素子
7 トランス
8 二次側整流回路
11 二段目スイッチング素子
15 高出力LD
21 レーザ装置
2 AC電源
3 一次側整流回路
6 一段目スイッチング素子
7 トランス
8 二次側整流回路
11 二段目スイッチング素子
15 高出力LD
21 レーザ装置
Claims (2)
- 出力電圧が変化するAC電源から入力するAC電圧を用いてレーザダイオードを駆動するためのレーザダイオード用電源であって、
前記AC電源からの入力電圧を整流して直流電圧を出力する一次側整流回路と、
前記一次側整流回路から出力された前記直流電圧に基づいて形成された一次側充電電圧に対して一段目デューティーに基づいてスイッチングを施してパルス電圧を出力する一段目スイッチング素子と、
前記一段目スイッチング素子から一次側に入力される前記パルス電圧を変圧して二次側に出力するトランスと、
前記トランスから入力される二次側パルス電圧を整流する二次側整流回路と、
前記二次側整流回路から出力された二次側パルス電圧に基づいて形成された二次側充電電圧に対して二段目デューティーに基づいてスイッチングを施してLDに設定されている設定駆動電圧を出力する二段目スイッチング素子と
を有することを特徴とするレーザダイオード用電源。 - 請求項1に記載のレーザダイオード用電源を備えることを特徴とするレーザ装置。
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CN101908714A (zh) * | 2010-07-23 | 2010-12-08 | 天津市鼎曦光学科技有限公司 | 全数字可编程快速大电流脉冲阵列驱动电路及其控制方法 |
WO2016167019A1 (ja) * | 2015-04-15 | 2016-10-20 | 三菱電機株式会社 | レーザダイオード駆動用電源装置 |
CN106325165A (zh) * | 2016-09-27 | 2017-01-11 | 北京理工大学 | 一种高压变频窄脉冲激光电源 |
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2008
- 2008-04-07 JP JP2008099270A patent/JP2009253024A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2016167019A1 (ja) * | 2015-04-15 | 2017-12-07 | 三菱電機株式会社 | レーザダイオード駆動用電源装置 |
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