JP2004207285A - 光電変換装置、固体撮像装置、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電変換効率の悪い特定波長光の検出を行う場合に、光電変換効率を向上して出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図る。
【解決手段】フォトダイオード部114を形成したシリコン基板110の上にカラーフィルター層130が設けられ、平坦化層130A内にフィルター膜130Bが設けられ、入射光から所定の波長光に分離してフォトダイオード部114に入射させる。また、平坦化層130A内には、青色のフィルター膜130Bとフォトダイオード部114の中間位置に波長変換膜140が形成され、フィルター膜130Bを透過した青色波長光を、光電変換効率の高い緑色波長光に近い波長に変換してフォトダイオード部114に入射させる。
【選択図】 図1
【解決手段】フォトダイオード部114を形成したシリコン基板110の上にカラーフィルター層130が設けられ、平坦化層130A内にフィルター膜130Bが設けられ、入射光から所定の波長光に分離してフォトダイオード部114に入射させる。また、平坦化層130A内には、青色のフィルター膜130Bとフォトダイオード部114の中間位置に波長変換膜140が形成され、フィルター膜130Bを透過した青色波長光を、光電変換効率の高い緑色波長光に近い波長に変換してフォトダイオード部114に入射させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種カメラシステムや光学センサ等の光検出手段に用いられる光電変換装置、固体撮像装置、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばCCD型の固体撮像装置では、半導体基板の表面に形成されたフォトダイオード(光電変換部)に光を入射させ、そのフォトダイオードで発生した信号電荷によって映像信号を得る構成となっており、カラー画像を得るための構成としては、フォトダイオードに入射する光を例えばRGBの3原色成分に分離するカラーフィルターや分光プリズムを設け、各色成分光による映像信号を得るようにしている。
なお、カラーフィルターの構成としては、色変換層を用いて色純度を向上するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、従来の固体撮像装置の一例を示す断面図である。以下、本図に基づいて第1の従来例を説明する。
図示のように、この固体撮像装置では、N型のシリコン基板(基板上に形成されたN型領域)10の上層にPウェル領域12が形成され、このPウェル領域12内にはフォトダイオード部14および垂直CCD部16が形成され、さらにフォトダイオード部14から垂直CCD部16に信号電荷を読み出すトランスファーゲート部18が設けられている。
なお、フォトダイオード部14は下層のN層14Aと上層(最表層)のP+層14Bを含んでおり、垂直CCD部16は下層のP層16Aと上層のN層16Bを含んでいる。
また、隣接する画素のフォトダイオード部14と垂直CCD部16との間は、P+層によるチャネルストップ領域20が設けられ、各画素を分離している。
【0004】
また、このような各素子を設けたシリコン基板10の上部には、シリコン酸化膜(ゲート酸化膜)22Aを介してポリシリコン膜等による転送電極24が形成されている。この転送電極24は、基板表面のフォトダイオード部14を避ける位置に形成されており、その上部には、シリコン酸化膜22Bを介して遮光膜26が形成されている。この遮光膜26は、アルミニウムまたはタングステン等から形成されており、フォトダイオード部14を受光領域に対応する開口部を有している。
【0005】
また、遮光膜26の上部はカバー膜28で被膜される。このカバー膜28は、例えばシリコン系のパシベーション膜であるPSG膜から構成され、その屈折率は、およそ1. 46程度とされる。
このカバー膜28の上には、カラーフィルター層30が形成される。このカラーフィルター層30は、平坦化層30Aとフィルター膜30Bが積層された構造となっている。このカラーフィルター層30の屈折率は、およそ1. 5〜1. 6程度であり、パシベーション層と同程度とされる。
さらに、カラーフィルター層30の上部にはマイクロレンズ32が形成されている。
【0006】
また、このような構造を有するCCD型の固体撮像装置では、さらに一般に縦型オーバーフロードレイン構造と呼ばれるフォトダイオード部に蓄積された余分な電荷をはき出す機能を有している。
これは、信号電荷の蓄積時間を含む駆動時間帯にN型のシリコン基板(または基板上に形成されたN領域)に正の逆バイアス電圧を印加することによって、フォトダイオード部内で光電変換された余分な電荷が、他のフォトダイオード部や垂直CCD部に漏れ混むことなく、基板側にはき出される構造である。
【0007】
ところが、この図6に示す構造では、シリコン基板の表面の反射によって、入射光の損失が大きく、十分な感度が得られないという課題がある。例えば、可視光を採光することを目的とする固体撮像装置においては、325nmから475nmのいわゆる青色波長付近の光が劣化し易いことになる。
そこで、このような課題を解決するために、フォトダイオード部の上に反射防止膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
図7は、このような従来の固体撮像装置の一例を示す断面図である。以下、本図に基づいて第2の従来例を説明する。なお、図7において、図6と共通の構成については、同一符号を付して個々の説明は省略する。
図示のように、この固体撮像装置は、図6に示す構成に加えて、シリコン窒化膜による反射防止膜を追加したものである。
すなわち、本例においても、フォトダイオード部14等を設けたシリコン基板10の上部にシリコン酸化膜(ゲート酸化膜)22Aが形成され、その上に薄いシリコン窒化膜34が形成されている。なお、シリコン酸化膜22Aは、図6に示す例に比べて薄い膜に形成されている。シリコン窒化膜は、屈折率がシリコン酸化膜よりも大きく、シリコンよりも小さいものである。具体的には、シリコン酸化膜の屈折率は、およそ1. 45であり、シリコン窒化膜の屈折率は、およそ2. 0程度とされる。
【0009】
また、この場合、シリコン酸化膜の膜厚をd2、シリコン窒化膜の膜厚をd3とすると、各膜厚d2、d3はそれぞれ600Å以下とし、好ましくは250Å〜350Å程度の所定の膜厚に設定される。
このように膜厚d2、d3を設定することで、可視光領域内で比較的平坦な分光特性の反射防止膜を得ることができる。そして、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の膜厚d2、d3を適切な膜厚に設定することで、平均して12〜13%程度の反射率に抑えることができ、従来のシリコン基板で40%程度反射していたものを、およそ1/3程度に抑えることができる。
なお、このように反射防止膜として機能するシリコン酸化膜22A及びシリコン窒化膜34の上層の構造は、図6に示す例と同様であるので説明は省略するが、シリコン窒化膜34は、遮光膜36の開口部に臨む状態で配置され、この開口部からフォトダイオード部14に入射する光の反射を防止している。
また、カラーフィルター層30の屈折率は、およそ1. 5から1. 6程度であり、カバー膜28と同程度とされる。このためシリコン窒化膜34上での干渉効果が緩和されることとなり、その結果、高感度化が実現される。
【0010】
次に、上述した図6及び図7に示す従来例は、受光した可視光を素子内のフィルター層30でRGB光に分離して光電変換を行う単板式のCCD型固体撮像装置の例であったが、分光プリズムによってRGB光に分離し、それぞれの分離光を3つのCCD型固体撮像装置でそれぞれ光電変換を行う3板式のCCD型固体撮像装置が提供されている。
図8は3板式の固体撮像装置の概略を示すブロック図である。以下、本図に基づいて第3の従来例を説明する。
分光プリズム50は、波長分解によって入射光をRGBの3原色光に分離して出力し、各色に対応して設けられた3つのCCD型固体撮像装置52、54、56に入射させる。各固体撮像装置52、54、56は、各成分光を入射し、それぞれ光電変換を行うことにより、RGBの各映像信号を出力する。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−202118号公報
【特許文献2】
特開平4−206571号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各従来例には、以下のような問題がある。
まず、第1の従来例では、上述のようにシリコン基板10の表面の反射によって入射光の損失が大きく、十分な感度が得られない。
【0013】
また、第2の従来例では、シリコン基板10とシリコン窒化膜34の間にシリコン窒化膜34の剥離を防ぐためにシリコン酸化膜22Aが配置されているが、このシリコン酸化膜はシリコンとシリコン窒化膜の間に位置する屈折率を有する材質であるために、光学上、シリコン基板10の上に直にシリコン窒化膜34を形成した場合と比較して感度の低下を招いている。
また、感度の観点からシリコン基板10とシリコン窒化膜34の間のシリコン酸化膜22Bの膜厚を無視できるほど極薄に形成した場合においても、シリコン基板10とシリコン窒化膜34、及びその上のシリコン酸化膜の屈折率とほぼ等しいカバー膜28と断続的に屈折率が低下するために、その界面で発生する反射を避けることはできず、40%程度の反射率以下には抑えることができないという問題が生ずる。特に青色光のシリコン界面での反射は、475nmから625nm付近のいわゆる緑色波長と比較して高い。
【0014】
さらに、縦型オーバーフロードレイン構造を有する構造では、625nmから775nmのいわゆる赤色波長付近の光電変換効率も上述した緑色構造よりも光電変換されてフォトダイオード部に蓄積される効率が低くなる。
これは波長が長くなるほど、吸収長が長くなるため、赤色波長の光は光電変換された後に、フォトダイオード部に蓄積されずに基板にはき出される確率が高くなるためである。
このため、上述したCCD型の固体撮像装置の分光特性は、緑色の波長域がもっとも高く、青色の波長域、赤色の波長域はともに緑色の波長域よりも低くなる。
【0015】
また、図8に示した第3の従来例においても、青色の波長域及び赤色の波長域の光電変換効率がともに緑色の波長域の光電変換効率よりも低くなる傾向はさけることができない。
また、上述した特許文献1で開示されるカラーフィルターを用いた場合でも、各成分光の色純度は改善できるものの、カラーフィルターの前段で波長変換を行う構成であるので、青色の波長域や赤色の波長域では光電変換効率が低下してしまい、上述と同様の課題を含むものである。
なお、以上は可視光を扱う固体撮像装置を例に説明したが、例えば補色を扱う固体撮像装置、あるいは赤外線センサやフォトカプラ等のように、特定波長光を扱う他の光電変換装置においても同様の課題が存在するものである。
【0016】
そこで本発明の目的は、光電変換効率の悪い特定波長光の検出を行う場合に、光電変換効率を向上して出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる光電変換装置、固体撮像装置、及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、半導体基板に設けられた光電変換部と、前記半導体基板の上部に設けられ、特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部とを有することを特徴とする。
また本発明は、半導体基板に設けられた複数の光電変換部と、前記半導体基板の上部に設けられ、前記複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部と、前記複数の光電変換部のうちの全てまたは一部の光電変換部と前記波長分離部との間に設けられ、前記波長分離部からの特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部とを有することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、半導体基板の表層領域に光電変換部を形成する工程と、前記半導体基板の上部に、特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部を形成する工程とを有することを特徴とする。
また本発明は、半導体基板の表層領域に複数の光電変換部を形成する工程と、前記半導体基板の上部に、前記複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部を形成する工程と、前記複数の光電変換部のうちの全てまたは一部の光電変換部と前記波長分離部との間に、前記波長分離部からの特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の光電変換装置では、半導体基板に設けられた光電変換部の上部に、特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を設けたことから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能となり、出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることが可能となる。
また、本発明の固体撮像装置では、半導体基板に設けられた複数の光電変換部の上部に、波長分離部によって分離した特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を設けたことから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能となり、出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることが可能となる。
【0020】
また、本発明の光電変換装置の製造方法では、光電変換部を形成した半導体基板の上部に、特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を形成することから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能な光電変換装置を作成でき、この光電変換装置における出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることが可能となる。
また、本発明の固体撮像装置の製造方法では、光電変換部を形成した半導体基板の上部に、複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部と、この波長分離部からの特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を形成することから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能な固体撮像装置を作成でき、この固体撮像装置における出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による光電変換装置、固体撮像装置、及びその製造方法の実施の形態例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態例による固体撮像装置を示す断面図である。以下、本図に基づいて第1の実施の形態例を説明する。
図示のように、この固体撮像装置は、図6に示した従来例と同様に、N型のシリコン基板(基板上に形成されたN型領域)110の上層領域に形成されたPウェル領域112内に、フォトダイオード部114、垂直CCD部116、トランスファーゲート部118、およびチャネルストップ領域120等が設けられている。
また、フォトダイオード部114は下層のN層114Aと上層(最表層)のP+層114Bを含んでおり、垂直CCD部116は下層のP層116Aと上層のN層116Bを含んでいる。
【0022】
また、このような各素子を設けたシリコン基板110の上部には、シリコン酸化膜(ゲート酸化膜)122Aを介して転送電極124が形成され、その上部に、シリコン酸化膜122Bを介して遮光膜126、カバー膜128、カラーフィルター層130、及びマイクロレンズ132が順次形成されている。
なお、カバー膜128の屈折率は、およそ1. 46程度であり、カラーフィルター層130の屈折率は、およそ1. 5〜1. 6程度である。
また、図1では、図7に示した反射防止膜としてのシリコン窒化膜を設けていない例を挙げているが、このような反射防止膜としてのシリコン窒化膜を設けたものであってもよい。
【0023】
そして、本例においても、カラーフィルター層130は、平坦化層130Aとフィルター膜130Bが積層された構造となっているが、平坦化層130Aにおける青色(B)のフィルター膜130Bの下層領域には、波長変換膜140が形成されている。
この波長変換膜140は、青色(B)のフィルター膜130Bを透過してくるおよそ325nmから475nmまでの波長範囲のいわゆる青色波長付近の光がフォトダイオード部114内での光電変換で劣化し易いことから、この青色の波長域の光を、それよりも長い緑色の波長域(およそ475nmから625nmまでの波長範囲)にシフトさせる機能を有している。
【0024】
そして、図1に示すように、本例では、カラーフィルター層130の平坦化層130Aにおける比較的深い位置に波長変換膜140を埋め込み構造で配置しており、できるだけフォトダイオード部114の受光部に近い位置に設けるようにしている。
このように波長変換膜140を埋め込み構造で配置し、フォトダイオード部114の受光部に近い位置に設けることで、波長変換後の光の分散を抑制し、効率よくフォトダイオード部114に入射させることができる。
なお、カラーフィルター層130の平坦化層130Aにおけるフィルター膜130Bの深さ位置は各色毎に異なるものであるので、このフィルター膜130Bとフォトダイオード部114との間隔を考慮して、最適な特性が得られる深さ位置に波長変換膜140を埋め込み形成するものとする。
【0025】
また、波長変換膜140の面積は、フィルター膜130Bより小さく、フォトダイオード部114の受光部より大きいものである。すなわち、マイクロレンズ132からフォトダイオード部114の受光部に集光される光の光路径に合わせてフィルター膜130B及び波長変換膜140の面積が設定されている。
【0026】
そして、このような波長変換機能を有する波長変換膜140の膜種としては、例えばルモゲンなどの有機化合物系の材質による波長変換膜を用いることができる。例えば、ルモゲン自体が固くなく軟性または液体状の材質であるために、平坦化層130Aの内部に容易に形成することができる。
また、同様の波長変換機能を有するものとして、YIG、TiO2 LaB6 、サファイヤ等の非線形結晶層を用いることも可能である。
【0027】
また、本例の固体撮像装置では、いわゆる縦型オーバーフロードレイン構造を採用しており、信号電荷の蓄積時間を含む駆動時間帯にN型のシリコン基板(または基板上に形成されたN領域)に正の逆バイアス電圧を印加することによって、フォトダイオード部内で光電変換された余分な電荷をシリコン基板の深部に形成したオーバフローバリア(OFB)を越えてシリコン基板の裏側に排出し、他のフォトダイオード部や垂直CCD部に漏れ混むことなく、基板側にはき出される構造である。
なお、同様の機能として、フォトダイオード部内で光電変換された余分な電荷を隣接する拡散領域に排出する、いわゆる横型オーバーフロードレイン構造を採用してもよい。
【0028】
また、図1に示す例では、青色のフィルター膜130Bの下層領域にだけ波長変換膜140を設けているが、同様に赤色(R)のフィルター膜130Bの下層領域に波長変換膜140を設けてもよい。
この場合、赤色フィルター膜130Bを透過してくるおよそ625nmから775nmまでの波長範囲のいわゆる赤色波長付近の光を、それよりも短い緑色の波長域(およそ475nmから625nmまでの波長範囲)にシフトさせるようにし、光電変換特性の向上を図ることができる。
【0029】
次に、本例の固体撮像装置の製造方法について簡単に説明する。
まず、シリコン基板110のPウェル領域112に、各種イオン注入等によってフォトダイオード部114、垂直CCD部116、トランスファーゲート部118、及びチャネルストップ領域120等を形成する。
次に、このシリコン基板110の上部に、シリコン酸化膜(ゲート酸化膜)122Aを形成し、その上に転送電極124をフォトリソグラフィ等によって形成し、その上部に、シリコン酸化膜122Bを介して遮光膜126、カバー膜128を形成する。
【0030】
そして、このカバー膜128の上層に、カラーフィルター層130の平坦化層130Aのうちの最下層膜を形成する。平坦化層130Aは、例えばシリコン酸化膜等をCVD(chemical vapor deposition )等によって積層したものであり、その最下層膜の膜厚は、波長変換膜140を設ける高さ位置に応じて形成する。
次に、その上に平坦化層130Aの第2層膜を形成するが、この第2層膜は、波長変換膜140を形成するための孔部を持ったパターンで形成する。そして、この第2層膜の孔部に上述したルモゲンなどの波長変換膜材を埋め込み、余分な波長変換膜材を除去して波長変換膜140を形成する。
この後、その上層に平坦化層130Aの第3層膜を形成する。この第3層膜の膜厚は、波長変換膜140とフィルター膜130Bの間隔に応じて形成する。
そして、その上に、フィルター膜130Bをパターニングし、さらに平坦化層130Aの最上層膜を形成する。なお、これらの形成には、従来と同様の方法を用いることができる。
そして、さらに上層にマイクロレンズ132を形成し、図1に示す構成を完成する。
【0031】
以上のように、波長変換膜として軟性または液状のルモゲン等の有機化合物系の材質を用いることで容易に埋め込み構造の波長変換膜を形成することができる。特に半導体基板の上層膜のフィルターの下層に波長変換膜を形成する単板式の固体撮像装置においては、ルモゲン等の有機化合物系の材質を用いた方が加工が容易であり、製造上用い易いという利点がある。
なお、波長変換膜140の製造方法は、以上の例に限らず、種々採用できるものである。
また、本実施の形態例によれば、シリコン界面下に余分な構造、工程を設けることなく、基板上に設けられる上層膜中の波長変換膜140によって素子の感度を増大することができるという利点がある。また、シリコン界面下に余分な構造、工程を設けることがないことから、暗電流、白点などのノイズ成分を増大させることがないという利点がある。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態例について説明する。
また、上述した第1の実施の形態例では、本発明を単板式のCCD型固体撮像装置に適用した例であったが、第2の実施の形態例として本発明を3板式のCCD型固体撮像装置に適用した例を説明する。
図2は本発明の第2の実施の形態例による固体撮像装置の概略を示すブロック図である。以下、本図に基づいて第2の実施の形態について説明する。
この固体撮像装置は、分光プリズム150によって入射可視光をRGB光に分離し、それぞれの分離光を3つのCCD型固体撮像装置152、154、156でそれぞれ光電変換を行うものであるが、青色(B)の光を検出する固体撮像装置152の受光部に波長変換膜160を設け、およそ325nmから475nmまでの波長範囲のいわゆる青色波長付近の光を、それよりも長い緑色の波長域(およそ475nmから625nmまでの波長範囲)にシフトさせて固体撮像装置152に入射させるものである。
【0033】
なお、このような3板式の固体撮像装置では、各固体撮像装置にカラーフィルタ層は設けられないため、図1に示す例のように、波長変換膜をカラーフィルタ層に埋設する構成とはならないが、本例においても固体撮像装置152の半導体基板上に配置される上層膜(例えば平坦化層や層間絶縁膜等)中に波長変換膜160を埋め込むような構成とすることは可能である。
また、波長変換膜160の膜種等は上述した第1の実施の形態例で説明したものと同様であるものとする。
また、図2に示す例では、青色波長付近光だけを波長変換する構成について説明したが、同様に赤色波長付近光を波長変換するようにしてもよい。
【0034】
次に、本発明の第3の実施の形態例について説明する。
上述した第1、第2の実施の形態例は、本発明を固体撮像装置として構成した例であるが、以下の第3、第4、第5の実施の形態例は、本発明を光センサ等の光電変換装置として構成した例である。
図3は本発明の第3の実施の形態例による固体撮像装置の概略を示す断面図である。以下、本図に基づいて第3の実施の形態について説明する。
図示のように、本例の光電変換装置は、半導体基板200の表層領域にフォトダイオード210を形成するとともに、この半導体基板200の上部に設けた受光膜220中に波長変換膜230を設けている。受光膜220はシリコン酸化膜等よりなり、波長変換膜230は上述した図1に示すものと同様の膜材を用いている。
なお、受光膜220の上には、集光レンズ240が設けられている。
【0035】
本例の光電変換装置は、例えば特殊用途の光センサ等として構成され、例えば特定波長光源(図示せず)から出射された特定波長光をフォトダイオード210の感度(光電変換特性)に対応した波長に波長変換膜230で変換するような構成となっている。
なお、このような光電変換装置における波長変換膜230の製造方法は、図1に示す固体撮像装置で説明した製造方法と同様の方法を用いることができるので説明は省略する。
【0036】
次に、本発明の第4の実施の形態例について説明する。
図4は本発明の第4の実施の形態例による固体撮像装置の概略を示す断面図である。以下、本図に基づいて第4の実施の形態について説明する。
図示のように、本例の光電変換装置は、分光プリズム250によって分離した3つの波長帯域の光を半導体基板260に形成した3つのセンサ部262、264、266によって検出するような構成である。この場合、各センサ部262、264、266は、それぞれ固体撮像素子のような画素アレイ状に形成されていてもよいし、単一または複数のフォトダイオードで形成されたものであってもよい。
そして、本例においても、センサ部の光電変換特性上、感度の悪い波長帯域については、半導体基板260上の上層膜270中に波長変換膜272を配置し、波長変換を行ってセンサ部262に供給する。
なお、このような光電変換装置の用途は多様であり、種々の光センサとして応用できるものである。したがって、分光する帯域の数や分光方法、センサ部の数や構成、さらに波長変換膜の配置等については種々採用できるものである。また、製造方法については、上述した各実施の形態例と同様であるので説明は省略する。
【0037】
次に、本発明の第5の実施の形態例について説明する。
図5は本発明の第5の実施の形態例による固体撮像装置の概略を示す断面図である。以下、本図に基づいて第5の実施の形態について説明する。
本例の光電変換装置は、フォトカプラとして構成されており、発光素子としての発光ダイオード(LED)310と受光素子としてのフォトダイオード(PD)320とが対向配置され、その中間に波長変換膜330を配置して、発光ダイオード310からの光の波長をフォトダイオード320の光電変換特性に応じた波長に変換する。
なお、フォトダイオード320は半導体基板340の表面領域に設けられており、波長変換膜330は半導体基板340の上部に設けられた絶縁膜(シリコン酸化膜)350中に形成されている。また、発光ダイオード310は、絶縁膜350の上部に取り付けられている。
このような構成によれば、発光ダイオード310とフォトダイオード320の波長特性が適正に一致しない場合でも、適正な感度を得ることができ、動作特性の信頼性を向上することができる。
なお、製造方法は上述した実施の形態例と同様であるので説明は省略する。
【0038】
以上、本発明の実施の形態例について説明したが、本発明は上述した例に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば上述した第1、第2の実施の形態例では、固体撮像装置として主にCCD型の素子を例に説明したが、本発明はCMOS型の固体撮像装置にも同様に適用し得るものである。
また、光電変換用の素子として、フォトダイオードを用いた例を説明したが、他の素子を利用することも可能である。
また、波長変換部は、全ての光電変換部に対応して設けてもよいし、上述の各例のように、一部の光電変換部に対応して設けてもよい。
【0039】
また、上述した第1、第2の実施の形態例では、色分解方式としてRGBの3原色系を用いる例を説明したが、本発明は補色系の色分解についても応用が可能である。
例えば補色系のフィルタは、RGBの3原色のうちの1つの色を減衰させた成分光を透過するものであり、例えばシアンには緑と青、マゼンタには赤と青、イエローには赤と緑の各成分が含まれる。したがって、マゼンタについては、赤と青で長波長域と短波長域とが含まれるため、緑波長に対してほぼ中立であり、波長変換を行っても特性の改善とはならないが、シアンでは緑波長よりも短波長側に傾いた波長光がフォトダイオード部に入射することになり、逆にイエローでは緑波長よりも長波長側に傾いた波長光がフォトダイオード部に入射することになる。そこで、シアンの成分光は波長変換膜を設けて長波長側にシフトして緑波長に近付け、イエローの成分光は波長変換膜を設けて短波長側にシフトして緑波長に近付けるようにし、それぞれの光電変換特性を改善するような構成が可能である。
ただし、本発明の場合、分解される個々の波長域が複数の波長域にまたがる補色フィルターよりも、分解される個々の波長域が複数の波長域にまたがらない単色フィルターを用いた方が、シフトさせたい波長域だけをフィルターの透過域とすることが容易に可能となることから、波長をシフトすることによる著しい感度向上効果が望めるものであり、上述した3原色系の構成の方がより好ましい例となる。
【0040】
また、本発明は可視光用の素子に留まらず、より長波長光の光電変換を行う素子に適用してもよい。この場合、シリコン基板上に形成される素子に限らず、シリコンゲルマニウム基板によって実現できる超長波長光の光電変換素子に本発明を適用してもよい。
また、例えば2種類の色成分光に対応して2種類の波長変換膜を設ける場合、各波長変換膜の位置としては、各色成分毎に適宜設定できるものである。例えば、RGBの赤と青にそれぞれ波長変換膜を設ける場合、両者の散乱特性等を考慮して、青の波長変換膜をフォトダイオードのより近い位置に配置するような構成とすることも可能である。これにより、各色毎に最適な波長変換光の入射状態を得ることが可能となる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の光電変換装置によれば、半導体基板に設けられた光電変換部の上部に、特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を設けたことから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能となり、出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる効果がある。
また、本発明の固体撮像装置によれば、半導体基板に設けられた複数の光電変換部の上部に、波長分離部によって分離した特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を設けたことから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能となり、出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる効果がある。
【0042】
また、本発明の光電変換装置の製造方法によれば、光電変換部を形成した半導体基板の上部に、特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を形成することから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能な光電変換装置を作成でき、この光電変換装置における出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる効果がある。
また、本発明の固体撮像装置の製造方法によれば、光電変換部を形成した半導体基板の上部に、複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部と、この波長分離部からの特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を形成することから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能な固体撮像装置を作成でき、この固体撮像装置における出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例による固体撮像装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態例による固体撮像装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態例による光電変換装置を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態例による光電変換装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態例による光電変換装置を示す断面図である。
【図6】従来の固体撮像装置の第1の例を示す断面図である。
【図7】従来の固体撮像装置の第2の例を示す断面図である。
【図8】従来の固体撮像装置の第3の例を示す断面図である。
【符号の説明】
110……シリコン基板、112……Pウェル領域、114……フォトダイオード部、116……垂直CCD部、118……トランスファーゲート部、120……チャネルストップ領域、122A、122B……シリコン酸化膜、124……転送電極、126……遮光膜、128……カバー膜、130……カラーフィルター層、130A……平坦化層、130B……フィルター膜、132……マイクロレンズ、140……波長変換膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種カメラシステムや光学センサ等の光検出手段に用いられる光電変換装置、固体撮像装置、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばCCD型の固体撮像装置では、半導体基板の表面に形成されたフォトダイオード(光電変換部)に光を入射させ、そのフォトダイオードで発生した信号電荷によって映像信号を得る構成となっており、カラー画像を得るための構成としては、フォトダイオードに入射する光を例えばRGBの3原色成分に分離するカラーフィルターや分光プリズムを設け、各色成分光による映像信号を得るようにしている。
なお、カラーフィルターの構成としては、色変換層を用いて色純度を向上するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、従来の固体撮像装置の一例を示す断面図である。以下、本図に基づいて第1の従来例を説明する。
図示のように、この固体撮像装置では、N型のシリコン基板(基板上に形成されたN型領域)10の上層にPウェル領域12が形成され、このPウェル領域12内にはフォトダイオード部14および垂直CCD部16が形成され、さらにフォトダイオード部14から垂直CCD部16に信号電荷を読み出すトランスファーゲート部18が設けられている。
なお、フォトダイオード部14は下層のN層14Aと上層(最表層)のP+層14Bを含んでおり、垂直CCD部16は下層のP層16Aと上層のN層16Bを含んでいる。
また、隣接する画素のフォトダイオード部14と垂直CCD部16との間は、P+層によるチャネルストップ領域20が設けられ、各画素を分離している。
【0004】
また、このような各素子を設けたシリコン基板10の上部には、シリコン酸化膜(ゲート酸化膜)22Aを介してポリシリコン膜等による転送電極24が形成されている。この転送電極24は、基板表面のフォトダイオード部14を避ける位置に形成されており、その上部には、シリコン酸化膜22Bを介して遮光膜26が形成されている。この遮光膜26は、アルミニウムまたはタングステン等から形成されており、フォトダイオード部14を受光領域に対応する開口部を有している。
【0005】
また、遮光膜26の上部はカバー膜28で被膜される。このカバー膜28は、例えばシリコン系のパシベーション膜であるPSG膜から構成され、その屈折率は、およそ1. 46程度とされる。
このカバー膜28の上には、カラーフィルター層30が形成される。このカラーフィルター層30は、平坦化層30Aとフィルター膜30Bが積層された構造となっている。このカラーフィルター層30の屈折率は、およそ1. 5〜1. 6程度であり、パシベーション層と同程度とされる。
さらに、カラーフィルター層30の上部にはマイクロレンズ32が形成されている。
【0006】
また、このような構造を有するCCD型の固体撮像装置では、さらに一般に縦型オーバーフロードレイン構造と呼ばれるフォトダイオード部に蓄積された余分な電荷をはき出す機能を有している。
これは、信号電荷の蓄積時間を含む駆動時間帯にN型のシリコン基板(または基板上に形成されたN領域)に正の逆バイアス電圧を印加することによって、フォトダイオード部内で光電変換された余分な電荷が、他のフォトダイオード部や垂直CCD部に漏れ混むことなく、基板側にはき出される構造である。
【0007】
ところが、この図6に示す構造では、シリコン基板の表面の反射によって、入射光の損失が大きく、十分な感度が得られないという課題がある。例えば、可視光を採光することを目的とする固体撮像装置においては、325nmから475nmのいわゆる青色波長付近の光が劣化し易いことになる。
そこで、このような課題を解決するために、フォトダイオード部の上に反射防止膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
図7は、このような従来の固体撮像装置の一例を示す断面図である。以下、本図に基づいて第2の従来例を説明する。なお、図7において、図6と共通の構成については、同一符号を付して個々の説明は省略する。
図示のように、この固体撮像装置は、図6に示す構成に加えて、シリコン窒化膜による反射防止膜を追加したものである。
すなわち、本例においても、フォトダイオード部14等を設けたシリコン基板10の上部にシリコン酸化膜(ゲート酸化膜)22Aが形成され、その上に薄いシリコン窒化膜34が形成されている。なお、シリコン酸化膜22Aは、図6に示す例に比べて薄い膜に形成されている。シリコン窒化膜は、屈折率がシリコン酸化膜よりも大きく、シリコンよりも小さいものである。具体的には、シリコン酸化膜の屈折率は、およそ1. 45であり、シリコン窒化膜の屈折率は、およそ2. 0程度とされる。
【0009】
また、この場合、シリコン酸化膜の膜厚をd2、シリコン窒化膜の膜厚をd3とすると、各膜厚d2、d3はそれぞれ600Å以下とし、好ましくは250Å〜350Å程度の所定の膜厚に設定される。
このように膜厚d2、d3を設定することで、可視光領域内で比較的平坦な分光特性の反射防止膜を得ることができる。そして、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の膜厚d2、d3を適切な膜厚に設定することで、平均して12〜13%程度の反射率に抑えることができ、従来のシリコン基板で40%程度反射していたものを、およそ1/3程度に抑えることができる。
なお、このように反射防止膜として機能するシリコン酸化膜22A及びシリコン窒化膜34の上層の構造は、図6に示す例と同様であるので説明は省略するが、シリコン窒化膜34は、遮光膜36の開口部に臨む状態で配置され、この開口部からフォトダイオード部14に入射する光の反射を防止している。
また、カラーフィルター層30の屈折率は、およそ1. 5から1. 6程度であり、カバー膜28と同程度とされる。このためシリコン窒化膜34上での干渉効果が緩和されることとなり、その結果、高感度化が実現される。
【0010】
次に、上述した図6及び図7に示す従来例は、受光した可視光を素子内のフィルター層30でRGB光に分離して光電変換を行う単板式のCCD型固体撮像装置の例であったが、分光プリズムによってRGB光に分離し、それぞれの分離光を3つのCCD型固体撮像装置でそれぞれ光電変換を行う3板式のCCD型固体撮像装置が提供されている。
図8は3板式の固体撮像装置の概略を示すブロック図である。以下、本図に基づいて第3の従来例を説明する。
分光プリズム50は、波長分解によって入射光をRGBの3原色光に分離して出力し、各色に対応して設けられた3つのCCD型固体撮像装置52、54、56に入射させる。各固体撮像装置52、54、56は、各成分光を入射し、それぞれ光電変換を行うことにより、RGBの各映像信号を出力する。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−202118号公報
【特許文献2】
特開平4−206571号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各従来例には、以下のような問題がある。
まず、第1の従来例では、上述のようにシリコン基板10の表面の反射によって入射光の損失が大きく、十分な感度が得られない。
【0013】
また、第2の従来例では、シリコン基板10とシリコン窒化膜34の間にシリコン窒化膜34の剥離を防ぐためにシリコン酸化膜22Aが配置されているが、このシリコン酸化膜はシリコンとシリコン窒化膜の間に位置する屈折率を有する材質であるために、光学上、シリコン基板10の上に直にシリコン窒化膜34を形成した場合と比較して感度の低下を招いている。
また、感度の観点からシリコン基板10とシリコン窒化膜34の間のシリコン酸化膜22Bの膜厚を無視できるほど極薄に形成した場合においても、シリコン基板10とシリコン窒化膜34、及びその上のシリコン酸化膜の屈折率とほぼ等しいカバー膜28と断続的に屈折率が低下するために、その界面で発生する反射を避けることはできず、40%程度の反射率以下には抑えることができないという問題が生ずる。特に青色光のシリコン界面での反射は、475nmから625nm付近のいわゆる緑色波長と比較して高い。
【0014】
さらに、縦型オーバーフロードレイン構造を有する構造では、625nmから775nmのいわゆる赤色波長付近の光電変換効率も上述した緑色構造よりも光電変換されてフォトダイオード部に蓄積される効率が低くなる。
これは波長が長くなるほど、吸収長が長くなるため、赤色波長の光は光電変換された後に、フォトダイオード部に蓄積されずに基板にはき出される確率が高くなるためである。
このため、上述したCCD型の固体撮像装置の分光特性は、緑色の波長域がもっとも高く、青色の波長域、赤色の波長域はともに緑色の波長域よりも低くなる。
【0015】
また、図8に示した第3の従来例においても、青色の波長域及び赤色の波長域の光電変換効率がともに緑色の波長域の光電変換効率よりも低くなる傾向はさけることができない。
また、上述した特許文献1で開示されるカラーフィルターを用いた場合でも、各成分光の色純度は改善できるものの、カラーフィルターの前段で波長変換を行う構成であるので、青色の波長域や赤色の波長域では光電変換効率が低下してしまい、上述と同様の課題を含むものである。
なお、以上は可視光を扱う固体撮像装置を例に説明したが、例えば補色を扱う固体撮像装置、あるいは赤外線センサやフォトカプラ等のように、特定波長光を扱う他の光電変換装置においても同様の課題が存在するものである。
【0016】
そこで本発明の目的は、光電変換効率の悪い特定波長光の検出を行う場合に、光電変換効率を向上して出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる光電変換装置、固体撮像装置、及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、半導体基板に設けられた光電変換部と、前記半導体基板の上部に設けられ、特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部とを有することを特徴とする。
また本発明は、半導体基板に設けられた複数の光電変換部と、前記半導体基板の上部に設けられ、前記複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部と、前記複数の光電変換部のうちの全てまたは一部の光電変換部と前記波長分離部との間に設けられ、前記波長分離部からの特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部とを有することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、半導体基板の表層領域に光電変換部を形成する工程と、前記半導体基板の上部に、特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部を形成する工程とを有することを特徴とする。
また本発明は、半導体基板の表層領域に複数の光電変換部を形成する工程と、前記半導体基板の上部に、前記複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部を形成する工程と、前記複数の光電変換部のうちの全てまたは一部の光電変換部と前記波長分離部との間に、前記波長分離部からの特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の光電変換装置では、半導体基板に設けられた光電変換部の上部に、特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を設けたことから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能となり、出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることが可能となる。
また、本発明の固体撮像装置では、半導体基板に設けられた複数の光電変換部の上部に、波長分離部によって分離した特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を設けたことから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能となり、出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることが可能となる。
【0020】
また、本発明の光電変換装置の製造方法では、光電変換部を形成した半導体基板の上部に、特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を形成することから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能な光電変換装置を作成でき、この光電変換装置における出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることが可能となる。
また、本発明の固体撮像装置の製造方法では、光電変換部を形成した半導体基板の上部に、複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部と、この波長分離部からの特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を形成することから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能な固体撮像装置を作成でき、この固体撮像装置における出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による光電変換装置、固体撮像装置、及びその製造方法の実施の形態例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態例による固体撮像装置を示す断面図である。以下、本図に基づいて第1の実施の形態例を説明する。
図示のように、この固体撮像装置は、図6に示した従来例と同様に、N型のシリコン基板(基板上に形成されたN型領域)110の上層領域に形成されたPウェル領域112内に、フォトダイオード部114、垂直CCD部116、トランスファーゲート部118、およびチャネルストップ領域120等が設けられている。
また、フォトダイオード部114は下層のN層114Aと上層(最表層)のP+層114Bを含んでおり、垂直CCD部116は下層のP層116Aと上層のN層116Bを含んでいる。
【0022】
また、このような各素子を設けたシリコン基板110の上部には、シリコン酸化膜(ゲート酸化膜)122Aを介して転送電極124が形成され、その上部に、シリコン酸化膜122Bを介して遮光膜126、カバー膜128、カラーフィルター層130、及びマイクロレンズ132が順次形成されている。
なお、カバー膜128の屈折率は、およそ1. 46程度であり、カラーフィルター層130の屈折率は、およそ1. 5〜1. 6程度である。
また、図1では、図7に示した反射防止膜としてのシリコン窒化膜を設けていない例を挙げているが、このような反射防止膜としてのシリコン窒化膜を設けたものであってもよい。
【0023】
そして、本例においても、カラーフィルター層130は、平坦化層130Aとフィルター膜130Bが積層された構造となっているが、平坦化層130Aにおける青色(B)のフィルター膜130Bの下層領域には、波長変換膜140が形成されている。
この波長変換膜140は、青色(B)のフィルター膜130Bを透過してくるおよそ325nmから475nmまでの波長範囲のいわゆる青色波長付近の光がフォトダイオード部114内での光電変換で劣化し易いことから、この青色の波長域の光を、それよりも長い緑色の波長域(およそ475nmから625nmまでの波長範囲)にシフトさせる機能を有している。
【0024】
そして、図1に示すように、本例では、カラーフィルター層130の平坦化層130Aにおける比較的深い位置に波長変換膜140を埋め込み構造で配置しており、できるだけフォトダイオード部114の受光部に近い位置に設けるようにしている。
このように波長変換膜140を埋め込み構造で配置し、フォトダイオード部114の受光部に近い位置に設けることで、波長変換後の光の分散を抑制し、効率よくフォトダイオード部114に入射させることができる。
なお、カラーフィルター層130の平坦化層130Aにおけるフィルター膜130Bの深さ位置は各色毎に異なるものであるので、このフィルター膜130Bとフォトダイオード部114との間隔を考慮して、最適な特性が得られる深さ位置に波長変換膜140を埋め込み形成するものとする。
【0025】
また、波長変換膜140の面積は、フィルター膜130Bより小さく、フォトダイオード部114の受光部より大きいものである。すなわち、マイクロレンズ132からフォトダイオード部114の受光部に集光される光の光路径に合わせてフィルター膜130B及び波長変換膜140の面積が設定されている。
【0026】
そして、このような波長変換機能を有する波長変換膜140の膜種としては、例えばルモゲンなどの有機化合物系の材質による波長変換膜を用いることができる。例えば、ルモゲン自体が固くなく軟性または液体状の材質であるために、平坦化層130Aの内部に容易に形成することができる。
また、同様の波長変換機能を有するものとして、YIG、TiO2 LaB6 、サファイヤ等の非線形結晶層を用いることも可能である。
【0027】
また、本例の固体撮像装置では、いわゆる縦型オーバーフロードレイン構造を採用しており、信号電荷の蓄積時間を含む駆動時間帯にN型のシリコン基板(または基板上に形成されたN領域)に正の逆バイアス電圧を印加することによって、フォトダイオード部内で光電変換された余分な電荷をシリコン基板の深部に形成したオーバフローバリア(OFB)を越えてシリコン基板の裏側に排出し、他のフォトダイオード部や垂直CCD部に漏れ混むことなく、基板側にはき出される構造である。
なお、同様の機能として、フォトダイオード部内で光電変換された余分な電荷を隣接する拡散領域に排出する、いわゆる横型オーバーフロードレイン構造を採用してもよい。
【0028】
また、図1に示す例では、青色のフィルター膜130Bの下層領域にだけ波長変換膜140を設けているが、同様に赤色(R)のフィルター膜130Bの下層領域に波長変換膜140を設けてもよい。
この場合、赤色フィルター膜130Bを透過してくるおよそ625nmから775nmまでの波長範囲のいわゆる赤色波長付近の光を、それよりも短い緑色の波長域(およそ475nmから625nmまでの波長範囲)にシフトさせるようにし、光電変換特性の向上を図ることができる。
【0029】
次に、本例の固体撮像装置の製造方法について簡単に説明する。
まず、シリコン基板110のPウェル領域112に、各種イオン注入等によってフォトダイオード部114、垂直CCD部116、トランスファーゲート部118、及びチャネルストップ領域120等を形成する。
次に、このシリコン基板110の上部に、シリコン酸化膜(ゲート酸化膜)122Aを形成し、その上に転送電極124をフォトリソグラフィ等によって形成し、その上部に、シリコン酸化膜122Bを介して遮光膜126、カバー膜128を形成する。
【0030】
そして、このカバー膜128の上層に、カラーフィルター層130の平坦化層130Aのうちの最下層膜を形成する。平坦化層130Aは、例えばシリコン酸化膜等をCVD(chemical vapor deposition )等によって積層したものであり、その最下層膜の膜厚は、波長変換膜140を設ける高さ位置に応じて形成する。
次に、その上に平坦化層130Aの第2層膜を形成するが、この第2層膜は、波長変換膜140を形成するための孔部を持ったパターンで形成する。そして、この第2層膜の孔部に上述したルモゲンなどの波長変換膜材を埋め込み、余分な波長変換膜材を除去して波長変換膜140を形成する。
この後、その上層に平坦化層130Aの第3層膜を形成する。この第3層膜の膜厚は、波長変換膜140とフィルター膜130Bの間隔に応じて形成する。
そして、その上に、フィルター膜130Bをパターニングし、さらに平坦化層130Aの最上層膜を形成する。なお、これらの形成には、従来と同様の方法を用いることができる。
そして、さらに上層にマイクロレンズ132を形成し、図1に示す構成を完成する。
【0031】
以上のように、波長変換膜として軟性または液状のルモゲン等の有機化合物系の材質を用いることで容易に埋め込み構造の波長変換膜を形成することができる。特に半導体基板の上層膜のフィルターの下層に波長変換膜を形成する単板式の固体撮像装置においては、ルモゲン等の有機化合物系の材質を用いた方が加工が容易であり、製造上用い易いという利点がある。
なお、波長変換膜140の製造方法は、以上の例に限らず、種々採用できるものである。
また、本実施の形態例によれば、シリコン界面下に余分な構造、工程を設けることなく、基板上に設けられる上層膜中の波長変換膜140によって素子の感度を増大することができるという利点がある。また、シリコン界面下に余分な構造、工程を設けることがないことから、暗電流、白点などのノイズ成分を増大させることがないという利点がある。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態例について説明する。
また、上述した第1の実施の形態例では、本発明を単板式のCCD型固体撮像装置に適用した例であったが、第2の実施の形態例として本発明を3板式のCCD型固体撮像装置に適用した例を説明する。
図2は本発明の第2の実施の形態例による固体撮像装置の概略を示すブロック図である。以下、本図に基づいて第2の実施の形態について説明する。
この固体撮像装置は、分光プリズム150によって入射可視光をRGB光に分離し、それぞれの分離光を3つのCCD型固体撮像装置152、154、156でそれぞれ光電変換を行うものであるが、青色(B)の光を検出する固体撮像装置152の受光部に波長変換膜160を設け、およそ325nmから475nmまでの波長範囲のいわゆる青色波長付近の光を、それよりも長い緑色の波長域(およそ475nmから625nmまでの波長範囲)にシフトさせて固体撮像装置152に入射させるものである。
【0033】
なお、このような3板式の固体撮像装置では、各固体撮像装置にカラーフィルタ層は設けられないため、図1に示す例のように、波長変換膜をカラーフィルタ層に埋設する構成とはならないが、本例においても固体撮像装置152の半導体基板上に配置される上層膜(例えば平坦化層や層間絶縁膜等)中に波長変換膜160を埋め込むような構成とすることは可能である。
また、波長変換膜160の膜種等は上述した第1の実施の形態例で説明したものと同様であるものとする。
また、図2に示す例では、青色波長付近光だけを波長変換する構成について説明したが、同様に赤色波長付近光を波長変換するようにしてもよい。
【0034】
次に、本発明の第3の実施の形態例について説明する。
上述した第1、第2の実施の形態例は、本発明を固体撮像装置として構成した例であるが、以下の第3、第4、第5の実施の形態例は、本発明を光センサ等の光電変換装置として構成した例である。
図3は本発明の第3の実施の形態例による固体撮像装置の概略を示す断面図である。以下、本図に基づいて第3の実施の形態について説明する。
図示のように、本例の光電変換装置は、半導体基板200の表層領域にフォトダイオード210を形成するとともに、この半導体基板200の上部に設けた受光膜220中に波長変換膜230を設けている。受光膜220はシリコン酸化膜等よりなり、波長変換膜230は上述した図1に示すものと同様の膜材を用いている。
なお、受光膜220の上には、集光レンズ240が設けられている。
【0035】
本例の光電変換装置は、例えば特殊用途の光センサ等として構成され、例えば特定波長光源(図示せず)から出射された特定波長光をフォトダイオード210の感度(光電変換特性)に対応した波長に波長変換膜230で変換するような構成となっている。
なお、このような光電変換装置における波長変換膜230の製造方法は、図1に示す固体撮像装置で説明した製造方法と同様の方法を用いることができるので説明は省略する。
【0036】
次に、本発明の第4の実施の形態例について説明する。
図4は本発明の第4の実施の形態例による固体撮像装置の概略を示す断面図である。以下、本図に基づいて第4の実施の形態について説明する。
図示のように、本例の光電変換装置は、分光プリズム250によって分離した3つの波長帯域の光を半導体基板260に形成した3つのセンサ部262、264、266によって検出するような構成である。この場合、各センサ部262、264、266は、それぞれ固体撮像素子のような画素アレイ状に形成されていてもよいし、単一または複数のフォトダイオードで形成されたものであってもよい。
そして、本例においても、センサ部の光電変換特性上、感度の悪い波長帯域については、半導体基板260上の上層膜270中に波長変換膜272を配置し、波長変換を行ってセンサ部262に供給する。
なお、このような光電変換装置の用途は多様であり、種々の光センサとして応用できるものである。したがって、分光する帯域の数や分光方法、センサ部の数や構成、さらに波長変換膜の配置等については種々採用できるものである。また、製造方法については、上述した各実施の形態例と同様であるので説明は省略する。
【0037】
次に、本発明の第5の実施の形態例について説明する。
図5は本発明の第5の実施の形態例による固体撮像装置の概略を示す断面図である。以下、本図に基づいて第5の実施の形態について説明する。
本例の光電変換装置は、フォトカプラとして構成されており、発光素子としての発光ダイオード(LED)310と受光素子としてのフォトダイオード(PD)320とが対向配置され、その中間に波長変換膜330を配置して、発光ダイオード310からの光の波長をフォトダイオード320の光電変換特性に応じた波長に変換する。
なお、フォトダイオード320は半導体基板340の表面領域に設けられており、波長変換膜330は半導体基板340の上部に設けられた絶縁膜(シリコン酸化膜)350中に形成されている。また、発光ダイオード310は、絶縁膜350の上部に取り付けられている。
このような構成によれば、発光ダイオード310とフォトダイオード320の波長特性が適正に一致しない場合でも、適正な感度を得ることができ、動作特性の信頼性を向上することができる。
なお、製造方法は上述した実施の形態例と同様であるので説明は省略する。
【0038】
以上、本発明の実施の形態例について説明したが、本発明は上述した例に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば上述した第1、第2の実施の形態例では、固体撮像装置として主にCCD型の素子を例に説明したが、本発明はCMOS型の固体撮像装置にも同様に適用し得るものである。
また、光電変換用の素子として、フォトダイオードを用いた例を説明したが、他の素子を利用することも可能である。
また、波長変換部は、全ての光電変換部に対応して設けてもよいし、上述の各例のように、一部の光電変換部に対応して設けてもよい。
【0039】
また、上述した第1、第2の実施の形態例では、色分解方式としてRGBの3原色系を用いる例を説明したが、本発明は補色系の色分解についても応用が可能である。
例えば補色系のフィルタは、RGBの3原色のうちの1つの色を減衰させた成分光を透過するものであり、例えばシアンには緑と青、マゼンタには赤と青、イエローには赤と緑の各成分が含まれる。したがって、マゼンタについては、赤と青で長波長域と短波長域とが含まれるため、緑波長に対してほぼ中立であり、波長変換を行っても特性の改善とはならないが、シアンでは緑波長よりも短波長側に傾いた波長光がフォトダイオード部に入射することになり、逆にイエローでは緑波長よりも長波長側に傾いた波長光がフォトダイオード部に入射することになる。そこで、シアンの成分光は波長変換膜を設けて長波長側にシフトして緑波長に近付け、イエローの成分光は波長変換膜を設けて短波長側にシフトして緑波長に近付けるようにし、それぞれの光電変換特性を改善するような構成が可能である。
ただし、本発明の場合、分解される個々の波長域が複数の波長域にまたがる補色フィルターよりも、分解される個々の波長域が複数の波長域にまたがらない単色フィルターを用いた方が、シフトさせたい波長域だけをフィルターの透過域とすることが容易に可能となることから、波長をシフトすることによる著しい感度向上効果が望めるものであり、上述した3原色系の構成の方がより好ましい例となる。
【0040】
また、本発明は可視光用の素子に留まらず、より長波長光の光電変換を行う素子に適用してもよい。この場合、シリコン基板上に形成される素子に限らず、シリコンゲルマニウム基板によって実現できる超長波長光の光電変換素子に本発明を適用してもよい。
また、例えば2種類の色成分光に対応して2種類の波長変換膜を設ける場合、各波長変換膜の位置としては、各色成分毎に適宜設定できるものである。例えば、RGBの赤と青にそれぞれ波長変換膜を設ける場合、両者の散乱特性等を考慮して、青の波長変換膜をフォトダイオードのより近い位置に配置するような構成とすることも可能である。これにより、各色毎に最適な波長変換光の入射状態を得ることが可能となる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の光電変換装置によれば、半導体基板に設けられた光電変換部の上部に、特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を設けたことから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能となり、出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる効果がある。
また、本発明の固体撮像装置によれば、半導体基板に設けられた複数の光電変換部の上部に、波長分離部によって分離した特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を設けたことから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能となり、出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる効果がある。
【0042】
また、本発明の光電変換装置の製造方法によれば、光電変換部を形成した半導体基板の上部に、特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を形成することから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能な光電変換装置を作成でき、この光電変換装置における出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる効果がある。
また、本発明の固体撮像装置の製造方法によれば、光電変換部を形成した半導体基板の上部に、複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部と、この波長分離部からの特定波長光を入射して光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して光電変換部に入射させる波長変換部を形成することから、特定波長光の光電変換効率を光電変換部に対応して向上することが可能な固体撮像装置を作成でき、この固体撮像装置における出力信号の品質向上やノイズ削減、検出感度の向上や動作信頼性の向上等を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例による固体撮像装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態例による固体撮像装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態例による光電変換装置を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態例による光電変換装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態例による光電変換装置を示す断面図である。
【図6】従来の固体撮像装置の第1の例を示す断面図である。
【図7】従来の固体撮像装置の第2の例を示す断面図である。
【図8】従来の固体撮像装置の第3の例を示す断面図である。
【符号の説明】
110……シリコン基板、112……Pウェル領域、114……フォトダイオード部、116……垂直CCD部、118……トランスファーゲート部、120……チャネルストップ領域、122A、122B……シリコン酸化膜、124……転送電極、126……遮光膜、128……カバー膜、130……カラーフィルター層、130A……平坦化層、130B……フィルター膜、132……マイクロレンズ、140……波長変換膜。
Claims (45)
- 半導体基板に設けられた光電変換部と、
前記半導体基板の上部に設けられ、特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部と、
を有することを特徴とする光電変換装置。 - 前記光電変換部は光電変換効率の低い波長帯域と光電変換効率の高い波長帯域とを有し、前記波長変換部は前記特定波長光を前記光電変換部における光電変換効率の低い波長帯域から光電変換効率の高い波長帯域に変換することを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
- 前記波長変換部は、前記半導体基板の上部に設けられた上層膜中に埋め込まれた構造で設けられていることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
- 前記波長変換部の上部に設けられ、入射光から特定波長光を分離して前記波長変換部に入射させる波長分離部を有することを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
- 前記波長分離部が分光プリズムであることを特徴とする請求項4記載の光電変換装置。
- 前記波長分離部がバンドパスフィルターであることを特徴とする請求項4記載の光電変換装置。
- 特定波長光源から出射された特定波長光を入射することを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
- 異なる波長光に対応する複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離する波長分離部とを有し、前記複数の光電変換部のうちの一部または全ての光電変換部に対応して前記波長変換部を設けたことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
- 半導体基板に設けられた複数の光電変換部と、
前記半導体基板の上部に設けられ、前記複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部と、
前記複数の光電変換部のうちの全てまたは一部の光電変換部と前記波長分離部との間に設けられ、前記波長分離部からの特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部と、
を有することを特徴とする固体撮像装置。 - 前記光電変換部は光電変換効率の低い波長帯域と光電変換効率の高い波長帯域とを有し、前記波長変換部は前記特定波長光を前記光電変換部における光電変換効率の低い波長帯域から光電変換効率の高い波長帯域に変換することを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記波長変換部は、前記半導体基板の上部に設けられた上層膜中に埋め込まれた構造で設けられていることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記光電変換部は、前記半導体基板に光電変換によって信号電荷を生成する第1導電型不純物領域を設けたものであることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記光電変換部は、さらに前記第1導電型不純物領域の上層に第2導電型不純物領域を設けたものであることを特徴とする請求項12記載の固体撮像装置。
- 前記光電変換部は、前記第2導電型不純物領域と第1導電型不純物領域に逆バイアス電圧を印加して、前記光電変換部で生成された前記信号電荷の過剰な信号電荷を取り除く構造を有することを特徴とする請求項13記載の固体撮像装置。
- 前記過剰な信号電荷を取り除く構造は、縦型オーバーフロードレイン構造であることを特徴とする請求項14記載の固体撮像装置。
- 前記過剰な信号電荷を取り除く構造は、横型オーバーフロードレイン構造であることを特徴とする請求項14記載の固体撮像装置。
- 前記半導体基板がシリコン基板であることを特徴とすることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記波長分離部は、入射光から可視光を分離するものであることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記波長変換部は、波長が325nmから475nmまでの範囲の青色波長付近の光を475nmから625nmの範囲の緑色波長付近の光に波長変換することを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記波長変換部は、波長が625nmから775nmまでの範囲の赤色波長付近の光を475nmから625nmの範囲の緑色波長付近の光に波長変換することを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記波長変換部は、非線形結晶層より形成されていることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記非線形結晶層は、YIG、またはTiO2 LaB6 、またはサファイヤによって構成されることを特徴とする請求項21記載の固体撮像装置。
- 前記波長変換部は、有機化合物系材料よりなる波長変換膜より形成されていることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記有機化合物系材料がルモゲンであることを特徴とする請求項23記載の固体撮像装置。
- 前記波長分離部が分光プリズムであることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記波長分離部がバンドパスフィルターであることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記波長分離部は、分離した個々の波長域が複数の波長域にまたがることなく、かつ連続した1つの波長域ごとに分離するものであることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 前記波長分離部がRGBの原色カラーフィルターであることを特徴とする請求項27記載の固体撮像装置。
- 半導体基板の表層領域に光電変換部を形成する工程と、
前記半導体基板の上部に、特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部を形成する工程と、
を有することを特徴とする光電変換装置の製造方法。 - 前記光電変換部は光電変換効率の低い波長帯域と光電変換効率の高い波長帯域とを有し、前記波長変換部を形成する工程では、前記特定波長光を前記光電変換部における光電変換効率の低い波長帯域から高い波長帯域に変換する層を形成することを特徴とする請求項29記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記波長変換部を形成する工程では、前記半導体基板の上部に設けられた上層膜中に前記波長変換部を埋め込み構造で設けることを特徴とする請求項29記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記波長変換部の上部に、入射光から特定波長光を分離して前記波長変換部に入射させる波長分離部を形成する工程を有することを特徴とする請求項29記載の光電変換装置の製造方法。
- 半導体基板の表層領域に複数の光電変換部を形成する工程と、
前記半導体基板の上部に、前記複数の光電変換部に対応する複数の特定波長光を入射光から分離して各光電変換部に供給する波長分離部を形成する工程と、
前記複数の光電変換部のうちの全てまたは一部の光電変換部と前記波長分離部との間に、前記波長分離部からの特定波長光を入射して前記光電変換部における光電変換特性に対応した波長に変換して前記光電変換部に入射させる波長変換部を形成する工程と、
を有することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 前記光電変換部は光電変換効率の低い波長帯域と光電変換効率の高い波長帯域とを有し、前記波長変換部を形成する工程では、前記特定波長光を前記光電変換部における光電変換効率の低い波長帯域から高い波長帯域に変換する層を形成することを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記波長変換部を形成する工程では、前記半導体基板の上部に設けられた上層膜中に前記波長変換部を埋め込み構造で設けることを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記光電変換部を形成する工程は、前記半導体基板に光電変換によって信号電荷を生成する第1導電型不純物領域を形成する工程を含むことを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記光電変換部を形成する工程は、さらに前記第1導電型不純物領域の上層に第2導電型不純物領域を形成する工程を含むことを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記半導体基板にシリコン基板を用いることを特徴とすることを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記波長変換部を形成する工程では、波長が325nmから475nmまでの範囲の青色波長付近の光を475nmから625nmの範囲の緑色波長付近の光に波長変換する波長変換部を形成することを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記波長変換部を形成する工程では、波長が625nmから775nmまでの範囲の赤色波長付近の光を475nmから625nmの範囲の緑色波長付近の光に波長変換する波長変換部を形成することを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記波長変換部を形成する工程では、非線形結晶層を形成することを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記非線形結晶層を、YIG、またはTiO2 LaB6 、またはサファイヤによって形成することを特徴とする請求項41記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記波長変換部を形成する工程では、有機化合物系材料による波長変換膜を形成することを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記有機化合物系材料がルモゲンであることを特徴とする請求項43記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記波長分離部を形成する工程では、分離した個々の波長域が複数の波長域にまたがることなく、かつ連続した1つの波長域ごとに分離する層を形成することを特徴とする請求項33記載の固体撮像装置の製造方法。
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