JP2004206876A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対物レンズを常に円滑に動作させることにより、安定したアクセス動作、およびトラッキングサーボ動作を実現する。
【解決手段】不連続解消部801は、選択部112に対して、駆動信号切り替え指令を送出する。選択部112では、駆動信号切り替え指令に従い、出力する駆動信号をスポット位置駆動信号に切り替える。続いて、不連続解消部801では、演算部を用いて、減算部に送るスポット位置信号を、所定の時定数で減らす。減算部では、第2のAD変換器110の出力から演算部の出力する値を減算する。演算部の出力が小さくなると、スポット位置ループフィルタ111に入るスポット位置信号がゼロではなくなり、それに追従するようにスポット位置駆動信号が現れる。この追従の速度に比べて十分遅い時定数によって演算部が出力を変化させることにより、任意の速度でスポット位置サーボによる対物レンズ103の移動速度を制御することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、同心円状あるいは螺旋状の情報トラックを有する光ディスクに対して情報の記録あるいは再生を行う光ディスク装置に関する。
近年、CD(Compact Disc)あるいはMD(Mini Disc)等のように、同心円状あるいは螺旋状の情報トラックを有する光ディスクに対して情報の記録あるいは再生を行う光ディスク装置が開発されている。これらの光ディスク装置の基本構成は、レーザーダイオードなどが発する光ビームを対物レンズなどで集光して生成する光スポットにより情報トラックをトラッキングし、情報の記録あるいは再生を行うものである。このために、光ディスク装置では、何らかの手段で情報トラックと光スポットの位置ずれを示すトラッキング誤差信号を生成し、これがゼロになるように光スポットを移動させる、いわゆるトラッキングサーボが必須の要素となっている。
トラッキング誤差信号の生成方法には種々の方法が提案されているが、その中の一つの方法に分割した受光素子を用いるプッシュプル法がある。この方法は構成が単純であり、安価に製造できる点、あるいは3ビーム法などに比べて光路長を長くとらなくてもよいため小型化に向いているという特長がある反面、受光素子上の光スポットの位置に応じた直流オフセットがトラッキング誤差信号に現れるという短所がある。
最近、例えば、特許文献1に開示されている光ディスク装置のように、前記直流オフセットを光ヘッド内における受光素子上での光スポットの位置を示すスポット位置信号として用い、この信号を用いて光スポットの位置を制御するサーボ(ここではスポット位置サーボと呼ぶ)を実施しようという提案がある。ここで提案されている従来の光ディスク装置は、2分割した受光素子における各々の受光量を示す光検出出力のピーク検波を行い、2つの検波結果の差動をとることにより、スポット位置信号を生成している。
さらに前記従来の光ディスク装置は、図12に示すように、トラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成回路1201と、ここで生成したトラッキング誤差信号を用いて、光スポットが光ディスク上の情報トラックを追従するように対物レンズの位置を制御するトラッキングサーボ回路1202と、2つのピーク検波の結果の差動をとってスポット位置信号を生成する構成を持つスポット位置信号生成回路1203と、ここで生成したスポット位置信号に基づいて、光スポットが受光素子の中央に位置するように対物レンズの位置を制御するスポット位置サーボ回路1204と、対物レンズを光ディスクの径方向に移動させるトラッキングアクチュエータ1205に供給する信号を切り替える切り替えスイッチ1206を備えている。そして、通常はトラッキングサーボ回路1202によるトラッキングサーボ処理を行い、光ヘッドを径方向に移動させる、いわゆる高速アクセス時に、スポット位置サーボ回路1204によってスポット位置サーボを行う構成になっている。高速アクセス時にスポット位置サーボを行う目的は、高速アクセス中の対物レンズの移動を防止することである。
特開平9−274726号公報
ところが、実際にこのような動作を実行しようとした場合、切り替え時点でのトラッキングサーボ回路1202とスポット位置サーボ回路1204の出力が一致しているとは限らない。
図13は従来の光ディスク装置においてトラッキングサーボ処理とスポット位置サーボ処理を切り替えた際のトラッキングアクチュエータ1205に供給される駆動信号の低域成分を示した図である。トラッキングサーボがかかっている期間1301では、光スポットが情報トラックを追従するため光ディスクの偏心により、駆動信号が正弦波状に変化する。高速アクセス開始などに伴い、スポット位置サーボを開始する(期間1302)と、開始時点で段差が生じて、その後、スポット位置サーボの目標位置に到達すると、駆動信号は目標位置に応じた出力に集束する。前記駆動信号の段差の原因としては、トラッキングサーボとスポット位置サーボの開ループ利得の違い、あるいはトラッキング誤差信号とスポット位置信号の直流オフセットの違いなどがあげられる。
特に低域成分が一致していない場合、切り替え時点においてトラッキングアクチュエータの駆動信号に段差が生じ、対物レンズが高速に移動してしまう。また、光ディスクからの反射光から横断トラック本数を検出して行う高速アクセス開始時は、光ヘッドの移動速度が低いため、対物レンズの移動速度が光ヘッドの移動速度より高くなり、移動トラック本数の検出に誤差が発生してしまうという問題があった。
本発明は係る点に鑑み、対物レンズを常に円滑に動作させることにより、安定したアクセス動作、およびトラッキングサーボ動作を実現する光ディスク装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため、本発明は、光ディスクに照射する光スポットを半径方向に移動させる光スポット移動手段を備える光ヘッドと、前記光スポットと光ディスク上の情報トラックの相対位置を示すトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、光ヘッドにおける受光素子上の光スポットの径方向の位置を示すスポット位置信号を生成するスポット位置信号生成手段と、前記トラッキング誤差信号に基づいて、光スポットが前記情報トラックを追従するように前記光スポット移動手段を駆動するトラッキング駆動信号を生成するトラッキングサーボ手段と、前記スポット位置信号に基づいて、光スポットの前記光ディスク上の位置を固定するように前記光スポット移動手段を駆動するスポット位置駆動信号を生成するスポット位置サーボ手段と、前記トラッキング駆動信号と前記スポット位置駆動信号との少なくともいずれか一方を選択して、前記光スポット移動手段に供給する駆動信号選択手段と、少なくとも前記トラッキング駆動信号による光スポット移動手段の駆動を開始する直前の所定時間の間、あるいはスポット位置信号が所定値以下になるまで、前記スポット位置駆動信号による光スポット移動手段の駆動を行う駆動信号選択手段とを備えたものである。
本発明によれば、トラッキングサーボからスポット位置サーボに移行を円滑に行うことが可能になり、このため高速アクセスにおけるアクセス精度の向上、および対物レンズに重力が加わって光ヘッドが片側に偏位している際のトラッキングサーボ引き込み時の動作安定化に結びつき、実用上の効果が非常に大きい。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の実施形態を説明するための参考例1を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は参考例1の光ディスク装置の対物レンズを径方向に駆動するための構成を示すブロック図であって、101は光ディスク、102は対物レンズ103,光スポット移動手段であるトラッキングアクチュエータ104,受光素子105を内蔵する光ヘッドである。対物レンズ103は、レーザーダイオード(図示せず)などの光源が発した光ビームを集光して、光ディスク101に照射する。トラッキングアクチュエータ104は対物レンズ103を径方向に移動させる。対物レンズ103が径方向に移動すると、光ディスク101上および受光素子105上の光スポットも同様に移動する。受光素子105は、光ディスクが反射した光を受光し、受光量に応じた電気信号に変換する。
106は受光素子105が出力する電気信号からトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成回路、107はトラッキング誤差信号をAD(Analog−Digital)変換する第1のAD変換器、108は、トラッキング誤差信号に対して位相補償などの信号処理を施すことにより、トラッキング駆動信号を生成するトラッキングサーボ手段であるトラッキングループフィルタ、109は受光素子105が出力する電気信号から受光素子105上の光スポットの位置を示すスポット位置信号を生成するスポット位置信号生成回路、110はスポット位置信号をAD変換する第2のAD変換器、111はスポット位置信号に対して位相補償などの信号処理を施すことによりスポット位置駆動信号を生成するスポット位置サーボ手段であるスポット位置ループフィルタ、112は、トラッキング駆動信号とスポット位置駆動信号を入力し、いずれか一方を第3の駆動信号として出力する駆動信号選択手段である選択部、113は第3の駆動信号をDA(Digital−Analog)変換して出力するDA変換器、114はDA変換器の出力を増幅してトラッキングアクチュエータ104に供給する増幅回路、115は選択部112の切り替えに伴い第3の駆動信号に生じる段差を解消する不連続解消部、116はトラッキングサーボとスポット位置サーボの切り替えを指示するマイクロコントローラである。
図2は参考例1におけるトラッキングループフィルタ108,スポット位置ループフィルタ111および不連続解消部115の構成を示すブロック図であり、201はトラッキングループフィルタ108の微分演算部、202はトラッキングループフィルタ108の積分演算部、203はトラッキングループフィルタ108の比例演算部、204はスポット位置ループフィルタ111の微分演算部、205はスポット位置ループフィルタ111の積分演算部、206はスポット位置ループフィルタ111の比例演算部である。
図3(A),(B)は、トラッキングサーボとスポット位置サーボを切り替える際の不連続解消部115の動作(後述する)を示すフローチャートである。図3(A)はトラッキングサーボからスポット位置サーボへの切り替え時のフローチャート、図3(B)はスポット位置サーボからトラッキングサーボへの切り替え時のフローチャートである。
図4は、参考例1において、トラッキングサーボ処理とスポット位置サーボ処理を切り替えた際にトラッキングアクチュエータ104に供給する駆動信号の低域成分を示した図である。図4において縦軸が駆動信号の低域成分の大きさ、横軸が時間を示す。
次に参考例1における光ディスク装置の動作について説明する。まず、トラッキングサーボをかける場合について説明する。受光素子105は、光ディスク101で反射された光を受光し、受光量に応じた電気信号をトラッキング誤差信号生成回路106に出力する。トラッキング誤差信号生成回路106では、受光素子105が出力する電気信号から、光ディスク101上の情報トラックと光スポットの相対位置を示すトラッキング誤差信号を生成する。トラッキング誤差信号の生成方法には、既知の方法である3ビーム法あるいはプッシュプル法などがあるが、ここではいずれの方法を用いてもよい。
トラッキング誤差信号生成回路106は、生成したトラッキング誤差信号を、第1のAD変換器107を介してトラッキングループフィルタ108に供給する。トラッキングループフィルタ108は、図2に示すように、微分演算部201,積分演算部202,比例演算部203を有しており、トラッキング誤差信号に対して位相補償を施してトラッキング駆動信号として出力する。トラッキング駆動信号は選択部112に入る。選択部112はトラッキング駆動信号をDA変換器113に出力する。DA変換器113は入力した信号をデジタル−アナログ変換し、増幅回路114に送る。増幅回路114では入力した信号を増幅し、トラッキングアクチュエータ104に供給する。トラッキングアクチュエータ104は、供給された信号に従って対物レンズ103を駆動する。このような一連の動きによってトラッキングサーボが実施され、光スポットは情報トラックを追従する。
前記動作に並行して、受光素子105はスポット位置信号生成回路109に対しても電気信号を送り、スポット位置信号生成回路109では受け取った電気信号から、例えば、従来の光ディスク装置で用いられているような方法でスポット位置信号を生成し、第2のAD変換器110を介してスポット位置ループフィルタ111に供給している。
高速アクセスを行う場合など、トラッキングサーボからスポット位置サーボに切り替える際、不連続解消部115は、図3(A)に示すフローチャートに従い、トラッキングアクチュエータ104を駆動する信号に段差が生じないようにする処理を行う。マイクロコントローラ116が発行するトラッキングサーボからスポット位置サーボへの切り替え指令を受け取ると(A301)、トラッキングループフィルタ108の積分演算部202で積分されている値に対して、下式(数1)の演算を施し、スポット位置ループフィルタ111の積分演算部205の初期値として設定する(A302)。
Figure 2004206876
但し、TPはトラッキングループフィルタ108の積分演算部202の積分値
SPはスポット位置ループフィルタ111の積分演算部205の積分値
TGはトラッキングループフィルタ108の比例演算部203の利得
SGはスポット位置ループフィルタ111の比例演算部206の利得
前記演算処理は、トラッキングループフィルタ108からスポット位置ループフィルタ111への低域成分の引継を意味し、この処理を行うことにより、トラッキングアクチュエータ104を駆動する信号の段差は解消される。TPによるトラッキング駆動信号の値をTPDとすると、TPDは下式(数2)で表される。
Figure 2004206876
これに対して連続するスポット位置駆動信号を求めようとした場合、スポット位置ループフィルタ111の積分演算部205の出力の値をSPとすると、下式(数3)に示すように、
Figure 2004206876
となり、前記(数1)が求められる。
積分演算器205の初期値設定が完了すると不連続解消部115は、駆動信号切り替え指令を選択部112に送出し(A303)、選択部112はこの信号を受けて、スポット位置駆動信号をDA変換器113に送る。
スポット位置ループフィルタ111では、供給されたスポット位置信号に対して、微分演算部204,積分演算部205,比例演算部206を用いて、位相補償などの処理を施し、スポット位置駆動信号として出力する。スポット位置駆動信号は、選択部112,DA変換器113,増幅回路114を介してトラッキングアクチュエータ104に入り、トラッキングアクチュエータ104は対物レンズ103を移動させる。これらの一連の動作によって、スポット位置サーボが実施される。
反対に、スポット位置サーボからトラッキングサーボに移行する場合、不連続解消部115は、マイクロコントローラ116から、スポット位置サーボからトラッキングサーボへの切り替え指令を受け(B301)、スポット位置ループフィルタ111における積分演算部205の積分値と、比例演算部206の利得と、トラッキングループフィルタ108の比例演算部203との利得から、トラッキングループフィルタ108の積分演算部202の初期値を求める。この初期値は下式(数4)により求められる。
Figure 2004206876
但し、TPはトラッキングループフィルタ108の積分演算部202の積分値
SPはスポット位置ループフィルタ111の積分演算部205の積分値
TGはトラッキングループフィルタ108の比例演算部203の利得
SGはスポット位置ループフィルタ111の比例演算部206の利得
前記TPを積分演算部202の初期値とすることにより、トラッキングアクチュエータ104を駆動する信号の低域成分の段差をなくすことができる。不連続解消部115は、このようにして算出したTPを積分演算部202に設定し(B302)、選択部112に駆動信号切り替え指令を送出する(B303)。選択部112はトラッキング駆動信号を選択し、DA変換器113に送る。
以下、DA変換器113は、入力した信号をデジタル−アナログ変換し、増幅回路114に送り、増幅回路114は入力した信号を増幅しトラッキングアクチュエータ104に供給する。トラッキングアクチュエータ104は、入力した信号に基づき対物レンズ103を移動させ、トラッキングサーボが実施される。
これまでに説明した一連の動作を行った際のトラッキングアクチュエータ104に供給される信号の低域成分は、図4に示すような動きをする。ただし、図4は、光ヘッド102が上下方向に移動するように光ディスク装置を立てた場合の低域成分の動きを示している。トラッキングサーボがかかっている期間(401)では、光ディスク101の偏心に追従して低域成分は正弦波状に変化している。スポット位置サーボに切り替わった時点(402)で、不連続解消部115の働きにより、低域成分はトラッキングサーボからスポット位置サーボに引き継がれ、連続的に変化している。低域成分はスポット位置サーボのループゲインによって決まる速度によりスポット位置サーボの目標値に向かって変化していき(期間403)、スポット位置サーボの目標位置に到達した時点で安定する(期間404)。
図4において、スポット位置サーボがかかっている期間(406)において低域成分の安定点がゼロでないのは、光ディスク装置が立っているためである。対物レンズ103に対して重力により下向きの力がかかるのに対抗して、対物レンズ103を受光素子105の略真ん中まで引き上げるために必要な低域成分の値が安定点となっている。スポット位置サーボからトラッキングサーボへの切り替えに際しても、切り替え時点(405)で不連続解消部115によりトラッキングループフィルタ108の積分演算部202に適切な値が設定されるために、低域成分に段差を生じることなく、トラッキングサーボへの切り替えが行われ、以降トラッキングサーボが実施される(期間407)。
トラッキングサーボを実施する前にスポット位置サーボをかけることは、特に光ディスク装置を立てた場合に有効である。すなわち、トラッキングサーボをかけるのに先立ち、スポット位置サーボによって対物レンズ103を受光素子105の中央付近に位置させることにより、対物レンズ103の左右の可動範囲を最大限にとることができ、トラッキング引き込み動作の安定が図れる。スポット位置サーボをかけている際のトラッキングアクチュエータ104に供給される信号の低域成分は、重力に対抗するだけの値を持っているため、本参考例1のように、スポット位置サーボの低域成分をトラッキングサーボの低域成分に引き継ぐことにより、トラッキングサーボ開始時点でも重力に釣り合った低域成分を出力することができ、事前にスポット位置サーボをかけることによる上述のメリットを効果的に生かすことができる。
以上のように参考例1によれば、トラッキングサーボとスポット位置サーボを切り替える際に、トラッキングアクチュエータ104に供給される信号の低域成分に生じる段差を解消する不連続解消部115を設けることにより、切り替え時点で対物レンズ103が急激に移動することがなくなる。これは、高速アクセスにおいて、アクセス精度の向上、あるいはトラッキングサーボ引き込みの安定性向上に極めて有効である。
不連続解消部115内では、トラッキングサーボからスポット位置サーボに切り替える際に、トラッキングループフィルタ108における積分演算部202の積分値に所定の演算を施し、演算結果をスポット位置ループフィルタ111の積分演算部205に設定するか、あるいはスポット位置サーボからトラッキングサーボに切り替える際に、スポット位置ループフィルタ111の積分演算部205の積分値に所定の演算を施して、演算結果をトラッキングループフィルタ108の積分演算部202に設定することにより、スポット位置誤差信号とトラッキング誤差信号のオフセットなどに影響されることなく、低域成分を各サーボ間で引き継ぎ、選択部112の出力を滑らかに変化させることを可能にしている。
ここで、参考例1において、トラッキングサーボからスポット位置サーボに切り替えた直後からしばらくの間におけるトラッキングアクチュエータ104を駆動する信号の低域成分の変化について注目する。図5(A),(B)にトラッキングサーボからスポット位置サーボに移行する際のトラッキングアクチュエータ104に供給する駆動信号の低域成分の波形図を示す。縦軸が大きさ、横軸が時間である。通常、サーボ残差を少なくするため、サーボループの利得は、相応に高く設定している。このため、図5(A)に示すように、トラッキングサーボ(期間501)からスポット位置サーボ(期間502)に移行した場合、移行した瞬間(503)のトラッキングアクチュエータ104に供給される駆動信号の低域成分は連続的に変化するが、スポット位置サーボの利得によって急速にスポット位置信号がゼロになるようにスポット位置駆動信号が変化し(期間504)、結果として対物レンズ103が振動してしまうおそれがあるという問題がある。
前記問題を参考例2の光ディスク装置では解決している。参考例2を図5〜図7を用いて説明する。
図5(A),(B)は、トラッキングアクチュエータ104に供給する駆動信号の低域成分を示した図であり、図5(A)はスポット位置サーボの利得一定の場合、図5(B)は参考例2の場合であって、スポット位置サーボの利得を変化させた場合である。図5において縦軸は信号の大きさ、横軸は時間を示す。
図6は参考例2におけるトラッキングループフィルタ601,スポット位置ループフィルタ605および不連続解消部609の構成を示すブロック図である。参考例2におけるトラッキングループフィルタ601,スポット位置ループフィルタ605,不連続解消部609は、前記参考例1の光ディスク装置におけるトラッキングループフィルタ108,スポット位置ループフィルタ111,不連続解消部115にそれぞれ対応しており、参考例2において、これらの3要素以外は参考例1と同様の構成を有する。
また、図7は参考例2における不連続解消部609が行う処理のフローチャートである。
以下、参考例2における光ディスク装置の動作を説明する。
マイクロコントローラ116は、必要に応じて、例えば高速アクセス処理の開始時に、トラッキングサーボからスポット位置サーボへの切り替え指令を不連続解消部609に送る。不連続解消部609では、図7に示すフローチャートに従った処理を行い、トラッキングアクチュエータ104に供給される駆動信号の低域成分が急激に変化しないようにする。まず、マイクロコントローラ116からのトラッキングサーボからスポット位置サーボへの切り替え指令を受け取る(701)と、スポット位置ループフィルタ605の比例演算部608の利得SGを、所定量だけ下げる(702)。次に、トラッキングループフィルタ601の積分演算部603の積分値TPに対して参考例1と同様の演算を施し、スポット位置ループフィルタ605の積分演算部607に設定する(703)。続いて、選択部112に対して駆動信号切り替え指令を発行し(704)、所定時間の経過を待つ(705)。所定時間経過後、スポット位置ループフィルタ605の比例演算部608の利得SGを、前記ステップ(702)で下げた分だけ上げる(706)。
このような処理を行うことにより、トラッキングサーボからスポット位置サーボに切り替えた後の所定時間の間、スポット位置サーボの利得が下がり、図5(B)に示すように、スポット位置サーボが集束するまでの時間が長くなる(505)。これは、対物レンズ103がスポット位置サーボの目標点まで移動する際の速度が遅くなることを意味する。
以上説明したように、参考例2の光ディスク装置は、トラッキングサーボからスポット位置サーボに切り替える際に、不連続解消部609が所定時間の間スポット位置サーボの利得を下げることにより、対物レンズ103の位置の急激な変化をなくすることができ、対物レンズの急激な動きによる高速アクセス時のアクセス精度の劣化などの問題を解消することができる。
なお、参考例2では、所定時間の間スポット位置サーボの利得を下げたが、不連続解消部609がスポット位置信号を監視し、所定の範囲に入った時点(スポット位置サーボが略集束した時点)で、スポット位置サーボの利得を通常の値に戻してもよい。この方法では、スポット位置信号の監視という処理が増えるが、利得を下げている時間が短くなるという利点がある。
次に本発明の実施形態について説明する。実施形態による光ディスク装置のブロック図を図8に示す。図8において、符号101〜116により示す部材は、前記参考例1において説明した部材と同じであるので同一符号を付して詳しい説明は省略する。ただし、トラッキングループフィルタ108およびスポット位置ループフィルタ111については、不連続解消部801からの接続がなくなっており、トラッキングサーボとスポット位置サーボの切り替えの際、各ループフィルタの値の設定は行わない。本実施形態において特徴的なことは、第2のAD変換器110とスポット位置ループフィルタ111の間に不連続解消部801が設置されていることである。
不連続解消部801の内部のブロック図を図9に示す。図9において、901はスポット位置信号を記憶するスポット位置信号記憶部、902はスポット位置信号記憶部901が記憶したスポット位置信号に対して演算を施して出力する演算部、903は演算部902の出力をスポット位置信号から減算するスポット位置サーボ目標設定手段としての減算部である。
以下、本実施形態について図8〜図11を用いて説明する。トラッキングサーボがかかっているときの動作は以下の通りである。トラッキングループフィルタ108は、トラッキング誤差信号生成回路106が生成するトラッキング誤差信号からトラッキング駆動信号を出力する。選択部112は、トラッキングループフィルタ108が出力するトラッキング駆動信号を選択して、DA変換器113に送る。DA変換器113では、入力した信号をデジタル−アナログ変換し、増幅回路114に送る。増幅回路114は入力した駆動信号を増幅し、トラッキングアクチュエータ104に供給する。トラッキングアクチュエータ104は入力した駆動信号に従い対物レンズ103を移動させる。
マイクロコントローラ116がトラッキングサーボからスポット位置サーボへの切り替え指示を不連続解消部801に送ると、不連続解消部801では、図10に示す手順でトラッキングアクチュエータ104を駆動する信号の低域成分が不連続にならないようにする。まず、マイクロコントローラ116からの上記切り替え指示を受信すると(1001)、この時点でのスポット位置信号をスポット位置信号記憶部901を用いて記憶する(1002)。次に、記憶したスポット位置信号を演算部902を経由して減算部903に送る(1003)。この際、演算部902は、1倍の演算を行う。減算部903では、演算部902からのスポット位置信号を、第2のAD変換器110の出力から減算し、スポット位置ループフィルタ111に出力する。この時点では、減算部903の出力はゼロとなり、スポット位置ループフィルタ111は、サーボ誤差がないものとして、現在の光スポット位置を保持するようなスポット位置駆動信号を生成する。
次に、不連続解消部801は、選択部112に対して、駆動信号切り替え指令を送出する(1004)。選択部112では、駆動信号切り替え指令に従い、出力する駆動信号をスポット位置駆動信号に切り替える。続いて、不連続解消部801では、演算部902を用いて、減算部903に送るスポット位置信号を、所定の時定数で減らす(1005)。減算部903では、第2のAD変換器110の出力から演算部902の出力する値を減算する。演算部902の出力が小さくなると、スポット位置ループフィルタ111に入るスポット位置信号がゼロではなくなり、それに追従するようにスポット位置駆動信号が現れる。この追従の速度に比べて十分遅い時定数によって演算部902が出力を変化させることにより、任意の速度でスポット位置サーボによる対物レンズの移動速度を制御することができる。
特に、高速アクセス開始時では、図11(A),(B)の期間1101に示すように変化させることが望ましい。図11(A)は演算部902の出力を示し、図11(B)はトラッキングアクチュエータ104に供給する駆動信号の低域成分を示す。同図において、1101は演算部902が出力を変化させている期間、1102はトラッキングサーボがかかっている期間、1103はスポット位置サーボがかかっている期間である。このようにすることによって、初めの光ヘッド102の移動速度が遅い期間では、演算部902の時定数を小さく設定し、ゆっくり対物レンズ103を移動させ、十分に光ヘッド102の移動速度が速くなった後に、演算部902の時定数を大きくし、早急に対物レンズ103を受光素子105の中央付近に移動させ、アクセス終了時のトラッキングサーボの引き込みに備えるようにすることができる。
また、本実施形態では、処理を簡便にするために、スポット位置ループフィルタ111の積分演算部に対する値の設定を行わなかったが、参考例1および参考例2で示したループフィルタの内容を変化させる方法と組み合わせると、トラッキングアクチュエータ104の駆動信号の不連続解消の効果はさらに高くなる。
以上説明したように、本実施形態では、トラッキングサーボからスポット位置サーボに移行する際に、スポット位置信号を記憶し、このスポット位置信号を、第2のAD変換器110が出力する現在のスポット位置信号から引くことにより、スポット位置サーボの目標位置を移行時点のスポット位置とし、この目標位置を徐々に受光素子105の中央に移動させることにより、急激な対物レンズ103の移動を防止し、高速アクセス処理のアクセス精度の向上を図ることができる。
また、本実施形態は、参考例2に比べて、スポット位置サーボの利得を最適な状態に上げたまま、対物レンズ103の高速な移動を防止できるため、スポット位置サーボの残留誤差の増大を防ぐことができる。
また、演算部902による演算の方法を、例えば上述したような、初めはゆっくり、途中から高速に変化させる等のように工夫を施すことが可能であることも、この方法の大きな特徴である。
なお、これまでの説明では、トラッキング誤差信号およびスポット位置信号をアナログデジタル変換して各種処理を施したが、全てあるいは一部をアナログ回路により実行するようにしてもよい。
また、これまでの説明では、光スポット移動手段として、対物レンズ103を移動させるトラッキングアクチュエータ104を使用したが、例えばガルバノミラーを用いて光スポットの位置を変える等、他の方法を用いてもよい。
また、参考例1では、切り替え前に用いていたループフィルタの低域成分に、2つのループフィルタの利得の比を乗算し、その結果を切り替え後のループフィルタの低域成分として設定したが、切り替えに伴ってトラッキングアクチュエータの駆動信号に段差が生じないような処理であれば、どのようなものであってもよい。
本発明は、情報トラックを有する光ディスクに対して情報の記録あるいは再生を行う光ディスク装置に適用され、特にトラッキングサーボからスポット位置サーボに移行を円滑に行うことを要求される光ディスク装置に用いて有効である。
本発明の実施形態を説明するための参考例1の光ディスク装置における対物レンズを径方向に駆動するための構成を示すブロック図 参考例1におけるトラッキングループフィルタ,スポット位置ループフィルタおよび不連続解消部の構成を示すブロック図 参考例1における不連続解消部の動作に係るフローチャート 参考例1におけるトラッキングアクチュエータに供給する駆動信号の低域成分を示す波形図 参考例2を説明するためのトラッキングアクチュエータに供給する駆動信号の低域成分を示す波形図 参考例2におけるトラッキングループフィルタ,スポット位置ループフィルタおよび不連続解消部の構成を示すブロック図 参考例2における不連続解消部の処理に係るフローチャート 本発明の実施形態を説明するための光ディスク装置における対物レンズを径方向に駆動するための構成を示すブロック図 本実施形態における不連続解消部801の構成を示すブロック図 本実施形態における不連続解消部の処理に係るフローチャート 本実施形態における演算部が出力する信号とトラッキングアクチュエータに供給する駆動信号の低域成分を示す波形図 従来の光ディスク装置の構成を示すブロック図 従来の光ディスク装置におけるトラッキングアクチュエータに供給する駆動信号の低域成分を示す波形図
符号の説明
101 光ディスク
102 光ヘッド
103 対物レンズ
104 トラッキングアクチュエータ
105 受光素子
106 トラッキング誤差信号生成回路
108 トラッキングループフィルタ
109 スポット位置信号生成回路
111 スポット位置ループフィルタ
112 選択部
801 不連続解消部

Claims (1)

  1. 光ディスクに照射する光スポットを半径方向に移動させる光スポット移動手段を備える光ヘッドと、
    前記光スポットと光ディスク上の情報トラックの相対位置を示すトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、
    光ヘッドにおける受光素子上の光スポットの径方向の位置を示すスポット位置信号を生成するスポット位置信号生成手段と、
    前記トラッキング誤差信号に基づいて、光スポットが前記情報トラックを追従するように前記光スポット移動手段を駆動するトラッキング駆動信号を生成するトラッキングサーボ手段と、
    前記スポット位置信号に基づいて、光スポットの前記光ディスク上の位置を固定するように前記光スポット移動手段を駆動するスポット位置駆動信号を生成するスポット位置サーボ手段と、
    前記トラッキング駆動信号と前記スポット位置駆動信号との少なくともいずれか一方を選択して、前記光スポット移動手段に供給する駆動信号選択手段と、
    少なくとも前記トラッキング駆動信号による光スポット移動手段の駆動を開始する直前の所定時間の間、あるいはスポット位置信号が所定値以下になるまで、前記スポット位置駆動信号による光スポット移動手段の駆動を行う駆動信号選択手段と、
    を備えたことを特徴とする光ディスク装置。

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