JP2004206698A - 設備制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】各ユーザがいちいち作業環境を再構築する必要がない共用ワークスペースを提供する。
【解決手段】所定の空間領域内に設備1を設けて種々の作業を行い得るように構成したブースと、前記設備1が具現するユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記ブースを利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備するブースシステムとした。
【選択図】図2
【解決手段】所定の空間領域内に設備1を設けて種々の作業を行い得るように構成したブースと、前記設備1が具現するユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記ブースを利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備するブースシステムとした。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数人に共用されるワークスペースへの応用に好適な設備制御システム(特に、ブースシステム)に関する。
空間を間仕切り壁(パーティション)で区切り空間区分毎に什器、機器等を配置して個人用ブースを構成することは一般的に行われており、そのための製品も市場に流通している(例えば、特許文献1、2を参照)。
近時では、空間利用効率の向上あるいは空間利用の汎用化の観点より、各人の自席を特定しない態様のブースがオフィスに導入されつつある。さらには、ビジネスパーソンが随時立ち寄って利用できるようなレンタルブースも存在する(例えば、非特許文献1を参照)。
特開2001−349070号公報
特開平10−219889号公報
"ビジネスレンタルスペース デスカット"、[online]、平成14年10月3日検索、インターネット<URL http://www.kokuyo.co.jp/desk/>
これらにおいて、ブースに設けられている各種の什器、機器等は、不特定の複数人に共用されることとなる。しかしながら、効率的に作業に取り組むことができる作業環境は個々人で異なる。従って、ブースを利用するユーザは、その利用の都度、什器、機器等を調整して自分にとって最適と考える作業環境を構築する煩雑さを強いられる。加えて、パーソナルコンピュータに代表される情報通信機器がブースに備えられており、複数人で共用しながらこれを使用した作業を行う場合にも面倒がある。即ち、GUI(Graphical User Interface)のデスクトップ環境の設定、キーボード等の入力装置の設定や、自身の電子メールアカウントや送信先アドレスといった情報の授受のための設定その他がユーザ毎に異なることに加え、中途段階で作業を中断するとき、あるいは中断している作業の再開をするときには、中途の作業データの保存、移動、あるいは作業データの読み込み、アプリケーションプログラムの再起動、等を、ブース利用の度に逐一行わなくてはならない。さらに、ブースには複数種の什器、機器等が設けられることが通常であり、所望の作業環境を構築すべくユーザはそれらを一つ一つ調整せざるを得ない。
以上の問題に鑑みて、本発明は、各ユーザがいちいち作業環境を再構築する負担を解消した共用ワークスペースを実現しようとするものである。
上述した課題を解決すべく、本発明では、図1に示すように、作業環境を構築するべく設けられた複数の設備1の一部または全部を一括に制御するものであって、前記設備1が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、所要の作業環境を構築する(べく設備1を操作する)ためのトリガとなる情報の入力を受け付ける作業環境操作手段M2と、前記作業環境操作手段M2で受け付けた情報に応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御する環境制御手段M4とを具備する設備制御システムを構成した。作業を行うためのワークスペースに複数種の設備1を設けた場合において、これら設備1を一括に制御し得るように環境制御手段M4を実装することにより、設備1の各々を個別に調整することなく作業環境を構築可能となる。
作業環境操作手段M2が受領する情報は、作業環境情報取得手段M3が取得する作業環境情報を左右し、ひいては設備1に対する制御の内容を左右するものである。作業環境操作手段M2が受領する情報の具体的内容には種々の態様が考えられるが、その一つとして、設備1を利用しようとするユーザを識別する情報が挙げられる。図2に示すように、前記設備1を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21を作業環境操作手段M2として設け、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報取得手段M3が取得することで、ユーザ毎の作業環境を構築可能となる。即ち、図1に示すように、作業環境を構築するべく設けられた複数の設備1の一部または全部を一括に制御するためのものであって、前記設備1が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記設備1を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備する設備制御システムを構成した。このようなものであれば、ユーザ自身が利用の度に設備1を調整して自己の作業環境を構築する必要がない。しかも、所定の空間領域即ち作業を行うためのワークスペースに複数種の設備1を設けたとしても、これら設備1を制御する環境制御手段M4を適宜に実装することで、ユーザ認証手段M21による認証に従い複数種の設備1の調整を一括して実行でき、ユーザが設備1を個別に調整せずとも所望の作業環境を構築可能となる。よって、複数人で共用するワークスペースとして好適なものとなる。
ここで、設備1とは、ワークスペースに配設すべき種々の家具、什器、機器、端末装置等を包括する概念である。例示すると、ユーザによって使用される椅子、デスク、照明機器、空調機器等や、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、情報を表示するためのディスプレイ、その他が、ここに言う設備1に該当する。
作業環境とは、設備1により具現される状況を言う。上記の例に当てはめて述べると、実世界における作業環境(椅子の座の高さや背もたれの傾斜角度、デスクの天板の高さ、照明の明るさ、空調機器の設定等)、仮想的な作業環境(パーソナルコンピュータ等の動作の状態、ディスプレイの画面の表示内容等)、コミュニケーション環境(パーソナルコンピュータ等やIP(Internet Protocol)電話等を端末として稼働するコミュニケーションツール(ソフトウェア)における各種設定、よくコミュニケーションをとるメンバのアドレス(通信の宛先アドレス)、通信接続を許可するメンバのアドレス等)は、それぞれ作業環境である。作業環境情報格納手段M1は、該システムを管理するための所定のコンピュータに実装されているハードディスク等の補助記憶装置であってもよく、各ユーザが所持可能なメモリカード等の記録媒体であってもよい。作業環境情報格納手段M1が、前記所定のコンピュータに実装されている補助記憶装置と各ユーザが所持する記録媒体とを併用するものであってもよい。また、作業環境情報の一時的な記憶領域として、コンピュータのメインメモリを用いてもよい。補助記憶装置とメインメモリ、ユーザが所持する記憶媒体を併用してもよい。さらには、作業環境情報格納手段M1が、物理的に離れた複数のコンピュータ上にそれぞれ実現されていてもよい。なお、作業環境情報は、各ユーザ毎に個別のものとしてもよく、複数のユーザが属するグループ毎に個別のものとしてもよい。設備1を配設したワークスペースを複数ユーザが同時に使用するような場合には、ユーザ認証手段M21が複数ユーザのグループを認証し、作業環境情報取得手段M3が該グループに関連づけられている作業環境情報を取得するものとすることができる。
特に、本発明では、所定の空間領域内に設備1を設けて種々の作業を行い得るように構成したブースと、前記設備1が具現するユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記ブースを利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備するブースシステムとした。このようなものであれば、ユーザ自身がブースの利用の度に設備1を調整して自己の作業環境を構築する必要がない。しかも、ブースに複数種の設備1を設けたとしても、これら設備1を制御する環境制御手段M4を適宜に実装することで、ユーザ認証手段M21による認証に従い複数種の設備1の調整を一括して実行でき、ユーザが設備1を個別に調整せずとも所望の作業環境を構築可能となる。よって、複数人で共用するワークスペースとして好適なものとなる。既に述べたように、設備1とは、ブースに配設すべき種々の家具、什器、機器、端末装置等を包括する概念である。例示すると、ユーザによって使用される椅子、デスク、照明機器、空調機器等や、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、情報を表示するためのディスプレイ、その他が、ここに言う設備1に該当する。作業環境とは、設備1により具現される状況を言う。上記の例に当てはめて述べると、椅子の座の高さや背もたれの傾斜角度、デスクの天板の高さ、照明の明るさ、空調機器の設定、パーソナルコンピュータ等の動作の状態、ディスプレイの画面の表示内容は、それぞれ作業環境である。作業環境情報格納手段M1は、該ブースシステムを管理するための所定のコンピュータに実装されているハードディスク等の補助記憶装置に作業環境情報を格納するものであってもよく、各ユーザが所持するメモリカード等の記録媒体に作業環境情報を格納するものであってもよい。または、前記所定のコンピュータに実装されている補助記憶装置と各ユーザが所持する記録媒体とを併用するものとしてもよい。
加えて、所定の空間領域に配されたデスクとともに配置され利用される設備1と、前記設備1が具現するユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記デスク及びこれに付帯する設備1を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備するデスクシステムとして機能する設備制御システムとすることができる。このとき、デスクを伴うワークスペース(このワークスペースは、間仕切り壁によって区画されていないオープンスペースであることを妨げない)に各種の設備1を設けたものにおいて、デスクとともに利用される設備1の一括制御が可能となる。ここに言うデスクは、環境制御手段M4によって制御されない一般的なデスクであって構わないが、作業環境情報に基づき制御される(例えば、天板の高さや角度等が調整されたり、引き出しの錠の解錠/閉錠が切り替わったりする)設備1の一となっていることも好ましい。
さらには、複数人が集うことができる空間領域である集合スペースに設けられた設備1と、前記設備1が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記集合スペース及びその設備1を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備する集合スペースシステムとして機能する設備制御システムとすることもできる。ここで、集合スペースとは、複数のユーザを収容でき、複数ユーザの各々が自身の作業を行い得るかまたは複数ユーザが協調して作業を行い得る空間領域を言う。会議室や応接室等はその典型であるが、一つの部屋の全体でなく一つの部屋の中に区画された部分空間領域であるということも考えられる。
なお、本発明に係るシステムにおける作業環境操作手段M2として、図3に示すように、設備1を利用するユーザの現況を検知する現況検知手段M22を設けて、前記現況検知手段M22で検知したユーザの現況に応じた作業環境情報を作業環境情報取得手段M3が取得するものとしてもよい。ユーザの現況とは、ワークスペースにて作業を行うユーザの作業状況、ユーザの心身の状況や、ユーザの周囲の状況を言う。例示すると、ユーザが在席しているか離席しているか、ユーザのバイタル(ユーザの体温、心拍、血圧、脈拍、心電図、呼吸や発汗、呼気中の二酸化炭素濃度、脳波等)、ユーザの恒常的な身体特性(身長や座高、体重等や、車椅子使用者である等)、ユーザの周囲の環境(温度、湿度、光量、騒音の大きさ等)、その他である。因みにこのとき、ユーザ認証手段M21は必須でない。
並びに、作業環境操作手段M2として、図4に示すように、作業環境が具現されるスケジュールに係る情報、言い換えるならば設備1によって具現される作業環境のスケジュールを規定する情報を参照するスケジュール参照手段M23を設けて、前記スケジュール参照手段M23が参照したスケジュールに応じた作業環境情報を作業環境情報取得手段M3が取得するものとしてもよい。スケジュールに係る情報とは、設備1を利用するユーザのスケジュール、または、作業環境自体のスケジュールを規定する情報をいう。具現すべき作業環境のスケジュールが個々のユーザと関連づけられていないような場合、ユーザ認証手段M21は必須の構成要素とはならない。逆に、具現すべき作業環境のスケジュールが個々のユーザと関連づけられている場合や、ユーザのスケジュールに応じて刻々と作業環境を変更しようとする場合には、ユーザ認証手段M21とスケジュール参照手段M23、作業環境情報取得手段M3とを協働させる。即ち、図5に示すように、前記設備1を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに関連する、作業環境が具現されるスケジュールに係る情報を参照するスケジュール参照手段M23と、前記スケジュール参照手段M23が参照したスケジュールに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御する環境制御手段M4とを具備するシステムとして、ユーザ毎に規定されるスケジュールに則って設備を制御して作業環境を構築し得るものとすることが可能である。
前記設備1として、少なくとも、物理作用(機械的作用、電磁気的作用、熱的作用等)を営むことで実世界における作業環境を具現する物理的設備を設けておくことが好ましい。つまり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置が構築するコンピューティング環境(例えば、GUI型のOS(Operating System)が仮想的に具現するいわゆるデスクトップ環境)以外の、実世界においてユーザの心身に影響を及ぼす作業環境を構築する物理的設備(即ち、ここに言う情報処理装置以外の設備1)を制御し得るシステムとすることが望ましい。
前記物理的設備の一として、透視性若しくは透光性を調整し得る調光機構を内包し前記空間領域の周囲を仕切る間仕切り壁を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記間仕切り壁の透視性若しくは透光性を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記間仕切り壁の透視性若しくは透光性を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記間仕切り壁の透視性若しくは透光性を調整すべく前記調光機構を制御する手段を包含するものであれば、ワークスペース(特に、ブース)を利用しているユーザのプライバシーを保護できるだけでなく、ブースが現在利用されているか否かをブース外より速やかに視認することができる。調光機構の典型例としては、透明度を制御可能な調光ガラスを挙げることができる。このとき、間仕切り壁が調光ガラスを内包し、前記作業環境情報格納手段M1が前記調光ガラスの透明度を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記調光ガラスの透明度を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記調光ガラスの透明度を制御する手段を包含するものとなる。なお、調光機構は、アクチュエータにより駆動可能なブラインド(ここに言うブラインドとは、日光や視線を遮蔽する目的で間仕切り壁に内在させた、あるいは付帯させた、日除け、ルーバ、すだれ、カーテン、ロールスクリーン、ベネチアンブラインド、シャッター等を包括する概念である)を用いて構成することもできる。この場合には、間仕切り壁がブラインドを内包し、前記作業環境情報格納手段M1が前記ブラインドによる透視性若しくは透光性の調節の状態を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記ブラインドによる透視性若しくは透光性の調節の状態を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記ブラインドを制御、駆動して該ブラインドによる透視性若しくは透光性の調節の状態を制御する手段を包含するものとなる。間仕切り壁に、防音機能(アクティブ消音装置等)を付帯させておけばより好ましい。
本発明に係る設備制御システムに、ユーザの現況を外部に知らせるための現況表示機構を設けておくことも好ましい。既に述べたように、ユーザの現況とはユーザの体調やユーザの作業の状況、ユーザの在席/離席その他を包括する概念である。現況表示機構は、作業環境情報格納手段M1に格納されている作業環境情報に基づいて制御されるとは限られない。外部とは、設備が設けられた空間領域の外(ブース外、デスクが配された空間領域外または集合スペース外)である。現況表示機構は、ユーザの現況を文字等で表示するディスプレイであったり、ランプであったり、音声出力装置であったりする。または、ユーザの現況に関する情報を電気通信回線を介して外部のコンピュータに向けて送信するものとしても構わない。
前記物理的設備の一として、ユーザが利用している前記空間領域(または、ブース)への他者の訪問の可否に関する該ユーザの意思を空間領域外に知らせる意思表示機構を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記意思表示機構による意思表示の状態を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記意思表示機構による意思表示の状態を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記意思表示機構による意思表示の状態を制御する手段を包含するものであれば、必要に応じてユーザがワークスペース(または、ブース)内での作業に集中できる状況を実現することができる。なお、意思表示機構を、前記環境報知機構と同一のものとすることを妨げない。
前記物理的設備の一として、空間領域(または、ブース)内に音声を出力する音響機器を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記音響機器により出力される音声を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記音響機器により出力される音声を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記音響機器により出力される音声を制御する手段を包含するものであれば、作業に集中できるような環境音を流したり、好みの楽曲を流したりというように、所望の音声を流して作業環境を整えることができる。ここで、音声を制御するとは、音響機器により出力される音声の内容や音量、出力チャネル、イコライザの調整パラメータ等を制御することを言う。音響機器が出力する音声には、いわゆる環境音、楽曲、放送番組その他が含まれる。音声を規定する作業環境情報には、出力すべき音声を識別する情報若しくは音声データ自体、音量、イコライザの調整パラメータ、あるいは、出力すべき音声の種類(とりわけ、音楽のジャンル)、放送番組等を出力させる場合にあっては放送局を識別する情報、その他の情報が含まれる。
前記物理的設備の一として、電子ペーパ等の情報を表示するための薄型表示デバイス(表示内容の書き換えや消去を行うときにのみ電力を消費し、情報を表示している最中においては電力を消費しないものが好ましい)を用いた表示媒体を包含し、前記作業環境情報格納手段M1が、前記表示媒体の表示内容を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が、前記表示媒体の表示内容を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が、前記表示媒体の表示内容を制御する手段を包含するものであれば、各ユーザが閲覧する文書、書類、書籍や図表、イラスト、写真その他の画像を前記表示媒体を介して具現させることができる。
前記物理的設備の一として、電子ペーパを用いてなる文書媒体を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記文書媒体の記載内容を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記文書媒体の記載内容を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記文書媒体の記載内容を制御する手段を包含するものであれば、各ユーザが閲覧する文書、書類、書籍等を前記文書媒体を介して具現させることができる。そして、ブース等の利用に際しユーザが紙媒体の文書等を持ち運ぶ必要がなくなる。なお、文書媒体を、前記表示媒体と同一のものとすることを妨げない。
また、前記設備1として、所要のプログラムを用いて各種処理を実行可能な情報処理装置を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記情報処理装置によるプログラムの実行状態を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記情報処理装置によるプログラムの実行状態を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記情報処理装置によるプログラムの実行状態を制御する手段を包含するものであれば、複数ユーザで情報処理装置を共用することが容易となる。ここで、情報処理装置とは、所要のプログラムを用いて種々のデータを処理できるもの一般を意味する。パーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDA(Personal Digital Assistants)等がその典型であるが、SBC(Server Base Computing)を実現するためのクライアントコンピュータ(ユーザが直接使用する)及び/またはサーバコンピュータ(前記クライアントコンピュータと接続し実際にアプリケーションプログラムを実行する)であっても構わない。プログラムの実行状態とは、例えば、何れのアプリケーションプログラムが起動しているか、何れのデータファイルをオープンしているか、GUI型のOSを搭載している場合において何れのウィンドウが画面上のどの位置に開かれているか、デスクトップ環境の設定、マウスポインタの移動速度や音声出力のボリューム等の入出力装置の設定、パスや仮想メモリのサイズ等のOS上の設定、その他である。
前記設備1として、各種情報を表示可能なディスプレイを設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記ディスプレイの表示内容を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記ディスプレイの表示内容を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記ディスプレイの表示内容を制御する手段を包含するものであれば、視覚に訴えかける環境をユーザに応じて構築可能となる。なお、ここに言うディスプレイは、前記情報処理装置に接続されてテキスト、画像、映像、ウィンドウ、アイコン、デスクトップ背景(いわゆる壁紙)等を表示するものには限られない。よって例えば、家族の写真やメモ書き等のユーザの任意の画像あるいは映像を表示するものであってもよい。
前記設備1として、一若しくは複数の相手と通信可能な通信機構を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記通信機構を介する通信の相手先を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記通信機構を介する通信の相手先を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記通信機構を介する通信の相手先を制御する手段を包含するものであることも好ましい。通信機構とは、電気通信回線を介した通信接続により、電子メール、チャット、音声チャット、ビデオチャット、ファイル共有、アプリケーションプログラム共有、GUI型のOSにおけるデスクトップ共有、ネットワーク会議、等の通信サービスを実現するためのものを言い、通常、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDA等の情報通信機器を内包してなる。上記の情報処理装置とここに言う通信機構とが同一ハードウェアを利用して構成されることを妨げない。通信の相手先の制御とは、既に通信接続している相手若しくは将来的に通信接続することが可能な相手、並びに通信接続を拒否する相手を規定することを指す。「相手」は、人間には限られず、IPアドレス、ドメインネームその他の識別子で識別される所定のコンピュータ等であることもある。
そして、前記通信機構が、複数の前記空間領域(または、ブース)に配され、各空間領域を利用しているユーザ間のコミュニケーションを取り持つ機能を有するものであるならば、それぞれの空間領域に散開しているユーザが仮想的に同一空間領域に集合して作業をしている状況を作り出すことが可能となる。つまり、IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)、IP電話やいわゆるインスタントメッセンジャークライアントアプリケーション等を介したユーザ間の通信が確立される。
前記設備1を利用するユーザへのアクセスの可否に関する情報を取得するユーザ状況確認手段と、前記ユーザ状況確認手段が取得した前記ユーザへのアクセスの可否に関する情報を他のユーザに通知するユーザ状況通知手段とをさらに具備してもよい。アクセスとは、上記の通信機構を介したユーザ間のやり取り(電話やチャット)や、あるユーザが作業を行っているワークスペースまたはブースへの訪問を言う。あるユーザへのアクセスの可否に関する情報とは、
(I)設備1が配されたワークスペースまたはブースに当該ユーザが存在しているか否か(在席、一時的な離席(離席しているがシステムからログアウトしていない状態。通常、後刻復帰する)または完全な離席(システムからログアウトした状態。帰宅等))に関する情報
(II)ユーザがブース等を利用している状況下で、当該ユーザへのアクセスが許容されるか否か、特に、当該ユーザがアクセスされることを希望するか否かに関する情報
である。(I)の情報は、例えば空間領域内に設置した人感センサ等を用いてユーザの在席/離席を検知することで取得できる。(II)の情報は、通常、ユーザ自身が所要の入力デバイスを介してその意思を入力することによって得られる。但し、ユーザの作業状況(通常の状況であるか、多忙や取り込み中であるか、休憩中であるか、等)等を各種センサその他の手段でセンシングし、当該ユーザへのアクセス可否に関する情報を取得するものとしても構わない。例を挙げると、設備1として設けられた情報処理装置に実装されている入力デバイス(キーボード等)のタイピングの頻度が高いときに作業に没頭しているものとしてアクセスを拒否すべき状態にあると判断する、または、空間領域(または、ブース)内に複数人が存在していることをセンサを介して検知した場合に来客中と見なしてアクセスを拒否すべき状態にあると判断する、等の態様が考えられる。
(I)設備1が配されたワークスペースまたはブースに当該ユーザが存在しているか否か(在席、一時的な離席(離席しているがシステムからログアウトしていない状態。通常、後刻復帰する)または完全な離席(システムからログアウトした状態。帰宅等))に関する情報
(II)ユーザがブース等を利用している状況下で、当該ユーザへのアクセスが許容されるか否か、特に、当該ユーザがアクセスされることを希望するか否かに関する情報
である。(I)の情報は、例えば空間領域内に設置した人感センサ等を用いてユーザの在席/離席を検知することで取得できる。(II)の情報は、通常、ユーザ自身が所要の入力デバイスを介してその意思を入力することによって得られる。但し、ユーザの作業状況(通常の状況であるか、多忙や取り込み中であるか、休憩中であるか、等)等を各種センサその他の手段でセンシングし、当該ユーザへのアクセス可否に関する情報を取得するものとしても構わない。例を挙げると、設備1として設けられた情報処理装置に実装されている入力デバイス(キーボード等)のタイピングの頻度が高いときに作業に没頭しているものとしてアクセスを拒否すべき状態にあると判断する、または、空間領域(または、ブース)内に複数人が存在していることをセンサを介して検知した場合に来客中と見なしてアクセスを拒否すべき状態にあると判断する、等の態様が考えられる。
ユーザ状況通知手段は、一般に、複数の前記空間領域(または、ブース)に配された通信機構を利用するものとなる。そして、あるユーザへのアクセスの可否に関する情報を他のユーザが使用している通信機構に送信することにより、他のユーザへの通知を行う。ユーザ状況通知手段は、他のユーザが使用する通信機構に向けて直接に情報を送信してもよく、他のユーザが使用する通信機構への情報の伝達を中継する所定のコンピュータに向けて送信することで間接的に他のユーザにアクセスの可否に関する情報を通知してもよい。他のユーザは、通信機構を使用してこの情報を受け取ることで、あるユーザの在席/離席や作業状況等の、当該ユーザへのアクセスの可否を居ながらにして知得できる。
図6に示すように、予め前記設備1(または、ブース)の利用が許可されているユーザを前記ユーザ認証手段M21が認証した場合にのみ前記空間領域(または、ブース)への入室を可能としそれ以外の場合には空間領域への入室を制止する入室管理手段M5をさらに具備するものとすれば、レンタルブース、レンタルワークスペースとしてより好ましいものとなる。入室管理手段M5は、例えば、ブース等の出入口に設けたドアと該ドアの開閉を禁止するドアロックとを用いて構成できる。このドアは、開閉駆動する駆動機構を伴うもの(即ち、自動ドア)として構成してもよい。
前記設備1を利用しているユーザがその利用を終了した時点での作業環境に係る作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1に書き込むことができる作業環境情報書込手段M6をさらに具備するものであれば、次回のブース等の利用において前回の利用終了時点での作業環境を再現することが可能となる。
さらに、図7に示すように、前記作業環境情報書込手段M6が複数の設備1に係る作業環境情報を組として前記作業環境情報格納手段M1に書き込むことができるものであり、前記作業環境情報取得手段M3が前記設備1を利用しているユーザの任意に応じて前記作業環境情報の組を前記作業環境情報格納手段M1より取得できるものであり、前記環境制御手段M4が前記作業環境情報取得手段M3で取得した前記作業環境情報の組に基づき前記複数の設備1を制御して作業環境を具現させることができるものであるならば、ブースを利用しているユーザが複数の設備1を一括して調整することができるようになる。加えて、作業環境情報の複数の組を作業環境情報格納手段M1に予め書き込んでおき、これら作業環境情報の組を選択的に用いて設備1の制御を行うことも可能となる。
複数の設備1に係る作業環境情報の組である環境モード情報を格納する環境モード情報格納手段をさらに具備し、前記作業環境情報取得手段M3が、前記設備1を利用しているユーザの任意に応じて前記環境モード情報を前記環境モード情報格納手段より取得できるものであり、前記環境制御手段M4が、前記作業環境情報取得手段M3で取得した前記環境モード情報に基づき前記複数の設備1を制御して作業環境を具現させることができるものであるならば、予めセットされた環境モードをユーザが適宜に呼び出すことが可能となる。例えば、作業に集中するのに適した環境モード(照明が明るい、比較的室温が低い、椅子の背もたれが起きている、音声が出力されていない、等)、リラックスするのに適した環境モード(照明が暗い、比較的室温が高い、椅子の背もたれがリクライニングしている、ユーザの好みの音楽が出力されている、等)、その他をユーザの作業の状況に応じて適宜に変更可能となる。この環境モードは、ユーザ毎に規定されているとは限られず、ユーザ自身が設定したものにも限られない。即ち、予め第三者によって与えられていたり、あるいはインターネット上のウェブサーバよりダウンロードする等によって所望の環境モード情報を取得、利用できたりする。環境モード情報格納手段は、前記作業環境情報格納手段M1と同一のものとしてもよく、前記作業環境情報格納手段M1とは別個のものとしてもよい。
図8に示すように、前記設備1(または、ブース)を利用しているユーザが一時的に前記空間領域(または、ブース)を離れたときにこの離席を検知する離席検知手段M7と、前記離席検知手段M7が前記ユーザの離席を検知した場合に前記設備1を省資源若しくは機能維持またはセキュリティのための所定の待機状態に制御する待機手段M8とをさらに具備するものとすれば、省エネルギーや設備1の寿命の延長に資する。待機状態とは、例えばいわゆる省電力モード、スクリーンセーバモード、スリープモード等である。また、離席検知手段M7の存在により、ユーザが席を離れたことを知得できるため、情報処理装置をロックしたり、他者のブース内への侵入を防止したりでき、ユーザ不在時のセキュリティの向上にもつながる。
しかして、本発明に係る設備制御システム、ブースシステム、デスクシステムまたは集合スペースシステムにおいて用いられるものとして、前記環境制御手段M4による制御を受け付け、物理作用を営むことで実世界における作業環境を具現する物理的設備を提供するならば、種々のユーザが独自のワークスペースを構成することが可能となる。
以上に詳述した本発明によれば、各ユーザがいちいち作業環境を再構築する負担を解消した共用ワークスペースを実現可能である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図9ないし図 に示すものは、本発明に係る設備制御システムを利用してなる、ブースシステム(または、デスクシステム)である。本実施形態におけるブースBは、オフィスワークや学業、研究活動等を行う目的でユーザが一時的に占有できる空間領域及び設備1群を構成要素とするものである。例えば、図9に示すように、椅子101、デスク102、照明103、エアーコンディショナー104、ディスプレイ105、各ユーザが閲覧しようとする文書を再現するための文書媒体106、ブースBの周囲を仕切る間仕切り壁107、該ブースBへの他者の訪問の可否に関する意思表示をするための意思表示機構108、音声を出力し得る音声機器109、情報処理装置並びに通信機構として用いることが可能なコンピュータ2、等を、所定の空間領域内に設備1として設けてある。
椅子101は、座、背もたれその他種々の部材101aと、これら部材101aの一部若しくは全部を駆動するアクチュエータ(電動駆動、液圧駆動、気圧駆動等の駆動方式を問わない)101bと、アクチュエータ101bを制御するコントローラ101cとを内包してなり、コントローラ101cに制御信号を入力することで部材101aを駆動して椅子101の座の高さ、背もたれの傾斜等を調整できるものである。とりわけ、ハンディキャップを有するユーザに対応できるようにその形状、構造等が変化するものであることが好ましい。この椅子101に、マッサージ機能を付与しても構わない。
デスク102は、天板、脚その他種々の部材102aと、これら部材102aの一部若しくは全部を駆動するアクチュエータ102bと、アクチュエータ102bを制御するコントローラ102cとを内包してなり、コントローラ102cに制御信号を入力することで部材102aを駆動して天板の高さ位置等を制御できるものである。
照明103は、電球、蛍光灯若しくは発光ダイオード等の照明要素103aと、照明要素103aへの電力供給を制御するコントローラ103bとを内包してなり、コントローラ103bに制御信号を入力することで照明要素103aによる照明の明るさ、光色等を制御できるものである。
エアーコンディショナー104は、該エアーコンディショナー104が内包するコントローラ104aに制御信号を入力することでブースB内の温度、風量、風向等を設定できるものである。また、湿度調整機能、粉塵除去機能や、所定の粒子を散布する機能(マイナスイオンを発生させる機能や、ユーザの心身に影響を与える香りを発生させる機能、等)を具備するものであってもよい。
ディスプレイ105は、文字、画像、映像等を表示可能なものである。本実施形態では、コンピュータ2と接続しており、ディスプレイ105に表示すべき文字、画像、映像等は該コンピュータ2により制御される。言い換えるならば、画面表示内容に係る画像データがコンピュータ2よりもたらされる。
文書媒体106は、一若しくは複数枚の電子ペーパ106aを内包してなり、ユーザが閲覧しようとする文書、書籍等を再現できるものである。電子ペーパ106aとは、記載内容を熱、電気、光等で制御(書込、消去、再書込)できる情報表示デバイスの総称である。電子ペーパ106aの方式には種々のものが存在する。例えば、半面が白色で半面が黒色のビーズをプラスティックシートに挟み込んであり電界を印加することでビーズを回転させて白色あるいは黒色を表出せしめるものや、青色染料に白色ビーズを浮かせたカプセルを配列してあり電界を印加することで白色ビーズを表示面側あるいは反表示面側に移動させて白色あるいは青色を表出せしめるもの、等を挙げることができる。電子ペーパ106aは、その記載内容が不揮発(電力供給が途絶えても記載内容が保持される)であることが望ましい。なお、本実施形態における文書媒体106は、本発明に係る表示媒体でもある。そして、文書、書籍、書籍や図表、イラスト、写真その他の画像をも表示可能である。
間仕切り壁107は、調光ガラス107aを内包してなり、ブースBの内外を区切っている。調光ガラス107aは、その透明度を調整することが可能な既知のものである。但し、間仕切り壁107が、シャッター、カーテン若しくはブラインド等を窓や壁に付帯させて、これらシャッター、カーテン若しくはブラインド等をアクチュエータにより駆動可能であるものとしてもよい。このとき、アクチュエータを制御することで前記シャッター等を開けたり閉めたりする。間仕切り壁107に情報表示用のディスプレイ装置を設けておき、該ディスプレイ装置を用いた広告の表示等を行うことも考えられる。
意思表示機構108は、ブースB外より視認可能な部位(図示例では、間仕切り壁107の外側面の所定部位)に設けてある。意思表示機構108による意思表示の態様は種々のものが考えられるが、例えば、2色のランプ(赤色と緑色、等)を具備し、その一方(赤色)を点灯させている状態が該ブースBへの他者の訪問を拒否する意思を表示し、他方(緑色)を点灯させている状態が該ブースBへの他者の訪問を許可する意思を表示しているものとすることができる。意思表示機構108は、ユーザの意思やその他のユーザの現況に関する情報を表示し得るディスプレイ装置(特に、下記カードリーダ501に付帯させて設けたタッチパネル付きディスプレイ)等であってもよく、ランプに限られないことは言うまでもない。
音響機器109は、ブース内に音声を出力するためのものであり、少なくともアンプ、スピーカ等を内包してなる。また、音響機器109は、マイクを内包することがある。図示例では、音響機器109をブースBの天井近傍に設けてあるが、例えば椅子101の背もたれ若しくはヘッドレスト(即ち、着座したユーザの頭部の近傍にあたる部位)にスピーカを設置するものとしてもよい。この場合には、スピーカの出力音量を小さくすることができ、ブースBの防音の見地から有利である。
因みに、椅子101に、雑音を低減するための防音機能を付与しておくことも好ましい。例えば、図示しないアクティブ消音装置(マイク、消音回路及びスピーカを要素としてなり、マイクを介して集音した雑音と逆位相の信号を消音回路が生成し、これをスピーカより出力することで雑音を打ち消す装置)を椅子101の背もたれ若しくはヘッドレストに設置して防音機能を発揮させることが考えられる。音響機器109のスピーカとアクティブ消音装置のスピーカとを共通化しても構わない。このようなものであれば、オフィスその他のワークスペースにおいて周囲の雑音に惑わされることなくユーザが作業に集中できる環境を構築できる。逆に、椅子101に着座しているユーザが電話やビデオ会議、音声チャット等を行うに際し、このユーザが発する声が周囲に伝搬することを抑制することもできるようになるため、複数人が集合して作業している状況下で他者への影響を低減し得る。なお、このような消音装置自体もまた、本システムにおける物理的設備の一と見ることができる。このとき、作業環境情報の一として、消音装置による消音機能のON/OFFを規定する情報が含まれる。
コンピュータ2は、図10に示すようなハードウェア資源を有する。即ち、コンピュータ2は、プロセッサ2a、メインメモリ2b、ハードディスクドライブに代表される補助記憶装置2c、外部と通信を行うための通信インタフェース2d、表示制御装置2e、ユーザによる操作入力を受け付ける入力装置2f等を有する。通信インタフェース2dは、NIC(Network Interface Card)、モデム、RS−232C、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、あるいは無線通信デバイス、その他を包含する。表示制御装置2eは、プロセッサ2aより受けた描画指示をもとに表示させるべき画像データを生成しディスプレイ105に向けて送出するビデオチップ2e1(あるいは、グラフィクスチップ)、画像データ等を一時的に格納しておくビデオメモリ2e2(Video RAM)等の既知のデバイスを用いて構成できる。入力装置2fは、被験者の手指により操作可能な押下ボタン、キーボード、マウス、トラックパッド、タッチパネル等である。通常、プロセッサ2aによって実行されるべきプログラムが補助記憶装置2cに格納されており、プログラムの実行の際には補助記憶装置2cからメインメモリ2bに読み込まれ、プロセッサ2aによって解読される。そして、当該プログラムに従い上記のハードウェア資源を作動し、情報処理装置、通信機構としての役割を果たすようにしている。
情報処理装置は、所要のプログラムを用いてユーザの任意に応じた各種処理を実行可能なものであり、例えば、既存のOSプログラム、及び該OS上で動作する各種アプリケーションプログラムをコンピュータ2にインストールすることで構成できる。なお、コンピュータ2が、SBCあるいはリモートコンピューティングによって情報処理装置としての役割を果たすものであることを妨げない。即ち、コンピュータ2が、ユーザに直接使用されるクライアントコンピュータ2であるとともに、該クライアントコンピュータ2と電気通信回線を介して接続し実際にプログラムを起動するサーバコンピュータ3に指示を与えることでユーザの任意に応じた各種処理を実行し得るものとなっていることを妨げない。このとき、ユーザが入力装置2fを用いてした操作入力の内容を示すデータをクライアントコンピュータ2よりサーバコンピュータ3に送信し、これを受け取ったサーバコンピュータ3がユーザによる操作入力に応じてプログラムを実行する。そして、プログラムの実行結果に係るデータをクライアントコンピュータ2に返信する。クライアントコンピュータ2は、サーバコンピュータ3より返信されたデータに基づき、例えばディスプレイ105にプログラムの実行結果を出力する。つまり、クライアントコンピュータ2が、サーバコンピュータ3にインストールされているプログラムを用いて、ユーザの任意に応じた各種処理を実行する。
通信機構は、電気通信回線を介した通信接続により一若しくは複数の相手と情報の授受を行うためのものである。本実施形態における通信機構は、クライアントコンピュータ2若しくはサーバコンピュータ3にインストールしたアプリケーションプログラム(電子メールクライアント、ネットワーク会議用クライアント、他)を用いて、他のコンピュータとの間で電子メール、チャット、音声チャット、ビデオチャット、ファイル共有、アプリケーションプログラム共有、GUI型のOSにおけるデスクトップ共有、ネットワーク会議、等の通信サービスを実現する。ここで、他のコンピュータは、別のブースBに設けられているものであってもよく、WAN(Wide Area Network)若しくはインターネット等の電気通信回線を介して接続しているブースシステム外のコンピュータ(図示せず)であってもよい。なお、通信機構は、複数の空間領域即ち複数のブースBに配され、各ブースBを利用しているユーザ間のコミュニケーションを取り持つ機能を有するものであることが好ましい。
また、ブースBの出入口には、ドア401と、ドア401の開閉を禁止するドアロック402とを設けてある。
上述のように構成したブースBを複数配設して(図9では、ブースBに設けるべき設備1を一部省略している)、不特定数のユーザの利用に供するものとしている。複数のブースBは、同一建物内若しくは同一フロア内に設けてもよく、別々のフロア内に若しくは相異なる場所に存在する別々の建物内に設けてもよい。
しかして、図2に示すように、ユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、ブースBを利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき設備1群を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを少なくとも具備するブースシステムを構築している。
ブースB内に設置している設備1は、2つのカテゴリーに大別できる。即ち、物理作用を営むことで実世界において成り立つ作業環境、いわばリアル環境を具現する物理的設備と、それ以外の設備1である。本実施形態にあって、椅子101、デスク102、照明103、エアーコンディショナー104、文書媒体106(または、表示媒体)、間仕切り壁107、意思表示機構108、音声機器109が物理的設備に該当し、ディスプレイ105及び情報処理装置並びに通信機構としての役割を担うコンピュータ2がその他の設備1に該当する。本実施形態では、物理的設備、その他の設備1をそれぞれ制御する2つの制御系を形成している。
先に、物理的設備を制御する「リアル環境制御系」に関して詳述する。リアル環境制御系の構成を、図11に示す。図11に示すように、上記の物理的設備のうち、椅子101、デスク102、照明103、エアーコンディショナー104、間仕切り壁107は、制御用コントローラ702に接続し、文書媒体106、音声機器109は、制御端末701に接続している。制御用コントローラ702は、サーバコンピュータ3と接続しており、該サーバコンピュータ3より与えられる指示を基に、接続している物理的設備の各々に対し制御信号を送信する。但し、物理的設備の各々に制御用コントローラを実装する(例えば、制御用コントローラをチップ化して各物理的設備に個別に組み込む)ことを妨げない。制御端末701もまた、サーバコンピュータ3と接続している。制御端末701は、例えば、図12に示すように、プロセッサ701a、メインメモリ701b、補助記憶装置701c、外部と通信を行うための通信インタフェース701d、表示制御装置701e、ディスプレイ701g、ユーザによる操作入力を受け付ける入力装置701f等のハードウェア資源を有する。通常、プロセッサ701aによって実行されるべきプログラムが補助記憶装置701cに格納されており、プログラムの実行の際には補助記憶装置701cからメインメモリ701bに読み込まれ、プロセッサ701aによって解読される。そして、当該プログラムに従い上記のハードウェア資源を作動し、後述する作業環境情報書込手段M6としての機能を発揮するとともに、文書媒体106及び音響機器109に対しては環境制御手段M4としても機能する。なお、物理的設備、制御端末701、制御コントローラ702並びにサーバコンピュータ3の接続は、より対線や電力線等の有線による通信接続(いわゆる電灯線通信)や、いわゆる無線LAN(Local Area Network)やbluetooth(登録商標)の如きトランシーバを介した無線通信接続により行うことができる。
サーバコンピュータ3は、図13に示すようなハードウェア資源を有する。即ち、サーバコンピュータ3は、プロセッサ3a、メインメモリ3b、ハードディスクドライブに代表される補助記憶装置3c、外部と通信を行うための通信インタフェース3d、等を有する。通信インタフェース3dは、NIC、モデム、RS−232C、USB、IEEE1394、あるいは無線通信デバイス、その他を包含する。通常、プロセッサ3aによって実行されるべきプログラムが補助記憶装置3cに格納されており、プログラムの実行の際には補助記憶装置3cからメインメモリ3bに読み込まれ、プロセッサ3aによって解読される。そして、当該プログラムに従い上記のハードウェア資源を作動し、制御用コントローラ702と協働して椅子101、デスク102、照明103、エアーコンディショナー104、ディスプレイ105、間仕切り壁107に対する環境制御手段M4としての機能を発揮する。なお、本実施形態では、複数のブースBを配設しており、各ブースBに設けてある物理的設備群が同じく各ブースに設けてある制御用コントローラ702若しくは制御端末701に接続し、これら制御用コントローラ702及び制御端末701がおしなべてサーバコンピュータ3に接続する。同時に、サーバコンピュータ3が、WAN若しくはインターネット等の電気通信回線と通信可能に接続していてもよい。
また、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得機構を設けている。本実施形態において、各ユーザに予め配布してある、若しくは各ユーザが予め所持している、ユーザ識別情報を格納しているユーザ識別情報格納デバイスと、該ユーザ識別情報格納デバイスよりユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得デバイスとで、ユーザ識別情報取得機構を構成している。ユーザ識別情報格納デバイス、ユーザ識別情報取得デバイスは、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification;カード状若しくはタグ状等の記録媒体に対し、電磁波を用いて情報の記録または読出を行う認識方法)技術を応用して構成できる。RFIDの方式としては、電磁誘導方式(電磁誘導作用を利用して記録媒体に電力を供給しながら記録媒体と交信する方式)、マイクロ波方式(マイクロ波帯を用いて記録媒体と交信する方式)、光方式(赤外線等の光波を用いて記録媒体と交信する方式)、その他を挙げることができるが、何れの方式を採用するかについては特に限定されない。本実施形態では、RFIDタグをカード上に構成したカードがユーザ識別情報格納デバイスとなり、前記カードに記録されているユーザ識別情報を読み取るカードリーダがユーザ識別情報取得デバイスとなる。但し、ユーザ識別情報格納デバイス及びユーザ識別情報取得デバイスの態様は、このようなものには限られない。例えば、RFID技術にはよらないICカードや磁気カード、光ディスク等の記録メディアやユーザが所有している携帯情報端末(携帯電話端末、PDA、他)等をユーザ識別情報格納デバイスとし、並びに、これらに格納されているユーザ識別情報を取得するICカードリーダや磁気カードリーダ、記録メディア読み取り装置(ドライブ)や前記携帯情報端末と情報の授受を行い得る通信インタフェース等をユーザ識別情報取得デバイスとすることもできる。
リアル環境制御系では、各ユーザに予め配布してあるカード(例えば、非接触式ICカード)をユーザ識別情報格納デバイスとし、該カードに記録されているユーザ識別情報を読み取るカードリーダ(非接触式ICカードリーダ)501をユーザ識別情報取得デバイスとして、ユーザ識別情報取得機構を構成している。因みに、カードリーダ501は、10キー等のキー入力装置またはタッチパネル等の入力デバイスを付帯させており、ユーザが該入力デバイスを使用してパスコード等を入力し得るものとなっている。カードリーダ501は、ブースBの所要部位に設ける。図示例では、間仕切り壁107の外側面、出入口の傍らに配置してある。但し、カードリーダ501の設置位置はこれには限られない。例えば、ドアロック402を設けないような場合には、ブースBの内方にカードリーダ501を設けることもできる。
ユーザがブースBの利用を開始しようとするときのリアル環境制御系の処理の手順を、図14を参照して述べる。ブースBを利用しようとするユーザは、ユーザ識別情報取得機構が内包するカードリーダ501に自身が所有するカードをかざす。すると、カードリーダ501がカードに記録されているユーザ識別情報を取得する。ユーザ識別情報取得機構は、サーバコンピュータ3と接続しており、ユーザ識別情報取得機構が取得したユーザ識別情報は(ブースNo.の如き)該ブースBを識別する情報とともにサーバコンピュータ3に送信される。他方、サーバコンピュータ3の補助記憶装置3cの所要の記憶領域に、ブースBの利用が許可されているユーザに係るユーザ識別情報が予め格納されている。サーバコンピュータ3は、ユーザ識別情報取得機構が取得したユーザ識別情報を受け取り、これを自身が格納しているユーザ識別情報と比較して、ブースBを利用しようとするユーザの認証を行う。即ち、本実施形態では、ユーザ識別情報取得機構とサーバコンピュータ3とが協働して、ユーザ認証手段M21としての役割を果たす。但し、ユーザ認証手段M21によるユーザ認証の方式が、ユーザにパスコードの入力を求めるようなものであってもよい。この場合のパスコードは、ユーザ識別情報に該当する。ユーザ認証手段M21が、バイオメトリック認証を行うものであってもよい。この場合、ユーザの身体的特徴に基づくバイオメトリックデータ(例えば、指紋、声紋、筆跡、網膜のパターン、虹彩のパターン、血管のパターン等)が、ユーザ識別情報に該当する。勿論、ユーザ認証手段M21が、複数の方式を併用してユーザ認証を行うものであっても構わない。
予めブースBの利用が許可されているユーザを前記ユーザ認証手段M21が認証した場合、サーバコンピュータ3は、補助記憶装置3cの所要の記憶領域を用いてなるブース利用ログ管理データベースに、利用されようとするブースBのブースNo.(即ち、ブースBを識別する識別子)や利用ユーザに係るユーザ識別情報、利用開始時間等の情報を含む利用ログを書き込む。かつ、サーバコンピュータ3から指示を出すことで制御用コントローラ702に制御信号を送信させてドアロック402によるドア401の開閉の禁止を解除させる。一方で、それ以外の場合には、ドアロック402によるドア401の開閉の禁止を解除しない。即ち、本実施形態では、ドア401及びドアロック402を用いて入室管理手段M5を構成している。因みに、いわゆる自動ドアのように、ドア401を開閉駆動する駆動機構をブースBに設けて構成するものとしてもよい。また、入室管理手段M5は必須ではない。加えて、ブースBの利用を許可した旨を示す信号をユーザ識別情報取得機構に返信し、カードリーダ501が他のユーザのカードに反応しないようにする。さらに、予めブースBの利用が許可されているユーザを前記ユーザ認証手段M21が認証した場合にはじめてブースBの設備1の電源をONにするようにしてもよい。このとき、サーバコンピュータ3より制御用コントローラ702に指示を与えて該制御用コントローラ702によって各設備1の電源をONにするか、若しくは設備1に電力を供給する電源装置(図示せず)に対し制御信号を送信して各設備1の電源をONにする。
ユーザ認証手段M21がブースBを利用しようとするユーザの認証を行ったあと、作業環境情報取得手段M3が、ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を作業環境情報格納手段M1より取得する。本実施形態において、作業環境情報格納手段M1は、サーバコンピュータ3のメインメモリ3b若しくは補助記憶手段3cの所要の記憶領域を利用して構成され、各ユーザ毎の作業環境情報をユーザ識別情報に関連づけて格納している。作業環境情報とは、設備1群によって具現される作業環境を規定する情報である。具体例を列挙すると、椅子101における座の高さ、背もたれの傾斜等を規定する情報、デスク102における天板の高さ位置等を規定する情報、照明103における明るさ、光色等を規定する情報、エアーコンディショナー104における設定温度、風量、風向、湿度や粉塵除去機能、粒子散布機能の運転状況等を規定する情報、間仕切り壁107における調光ガラス107aの透明度を規定する情報、文書媒体106における電子ペーパ106a上に記載すべき記載内容を規定する情報(または、表示媒体に表示させるべき文字、図表、画像等を規定するデータ)、意思表示機構108における意思表示の状態(上記例に当てはめれば、赤/緑何れのランプを点灯させているか)を規定する情報、音響機器109に出力させるべき音声を規定する情報、言い換えるならば出力させる音声を識別する識別情報または出力させる音声の音声データが、それぞれ作業環境情報に該当する。作業環境情報取得手段M3としての役割は、サーバコンピュータ3が担う。即ち、ユーザ認証手段M21が得た、ブースBを利用しようとするユーザを識別するユーザ識別情報を基に、該ユーザに関連づけられる作業環境情報を作業環境情報格納手段M1より取得する。但し、作業環境情報のうち一部若しくは全部を、ユーザが所持する所定の記録媒体に格納しておく態様を妨げない。例示すると、ユーザが所持するカードに作業環境情報の一部若しくは全部が格納してあり、カードリーダ501がユーザ認証後にカードより作業環境情報を読み込むようにしてもよい。この場合、カードが作業環境情報格納手段M1に、カードリーダ501が作業環境情報取得手段M3に、それぞれ該当する。
そして、環境制御手段M4が、作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づいて設備1群を制御する。リアル環境制御系では、サーバコンピュータ3と制御用コントローラ702とが協働して、並びにサーバコンピュータ3と制御端末701とが協働して環境制御手段M4としての役割を果たす。具体的には、サーバコンピュータ3が取得した作業環境情報を基に制御用コントローラ702に指示を与え、該制御コントローラより椅子101、デスク102、照明103、エアーコンディショナー104、間仕切り壁107、意思表示機構108等に制御信号を送信する。この結果、椅子101における座の高さ、背もたれの傾斜等、デスク102における天板の高さ位置等、照明103における明るさ、光色等、エアーコンディショナー104における設定温度、風量、風向湿度や粉塵除去機能、粒子散布機能の運転状況等、間仕切り壁107における調光ガラス107aの透明度、意思表示機構108における意思表示の状態その他がユーザに合わせて制御される。因みに、ブースB内に人感センサ601、602が設置されているような場合には、該人感センサ601、602がユーザの存在を感知したときにはじめて制御が実行に移されるようにしてもよい。並びに、サーバコンピュータ3が取得した作業環境情報、即ち電子ペーパ106a上に記載すべき記載内容を規定する情報(または、電子ペーパ106aに表示させるべき文字、図表、画像等を規定するデータ)を制御端末701に送信し、これを受け取った制御端末701が電子ペーパ106a、ひいては文書媒体106(または、表示媒体)を制御する。同じく、サーバコンピュータ3が取得した作業環境情報たる音響機器109に出力させるべき音声を規定する情報を制御端末701に送信し、これを受け取った制御端末701が音響機器109を制御する。なお、本実施形態では、出力させるべき音声コンテンツの音声データをサーバコンピュータ3より制御端末701に送信し、該音声データを利用して制御端末701が音響機器109に音声を出力させるものとしているが、これ以外の態様をとることを妨げない。よって、例えば、サーバコンピュータ3より作業環境情報として音声コンテンツを識別する識別情報が制御端末701に送信され、これを受け取った制御端末701が該識別情報に関連づけられる音声コンテンツをWAN、インターネット等の電気通信回線を介して接続している外部のコンピュータよりダウンロードし、若しくは自身の補助記憶装置に格納している音声コンテンツより取得し、音声機器109に音声出力させるものとしてもよい。結果、文書媒体106における記載内容(または、表示媒体における表示内容)がユーザに合わせて再現され、ユーザが望む音声コンテンツの出力が実現する。上記より、ユーザに応じた作業環境が設備1群により具現される、即ちブースBを利用しようとするユーザが所望する作業環境が構築される。
ブースBを利用中のユーザが設備1を調整して作業環境を変更しようとするときのリアル環境制御系の処理の手順を、図15を参照して述べる。設備1を調整しようとするユーザは、制御端末701を利用し(入力装置701fを使用して操作入力を行うことによって)設備1を調整するための指示をリアル環境制御系に対して行う。制御端末701は、ユーザによる操作入力を受け付けることで、ユーザが何れの設備1を調整しようとしているか、及びどのように設備1を調整しようとしているかに関する情報を得る。そして、これを基に制御用コントローラ702に制御指示を与えて椅子101、デスク102、照明103、エアーコンディショナー104、間仕切り壁107、意思表示機構108等の一部若しくは全部に制御信号を送信させる。あるいは、ユーザが調整しようとしている設備1が文書媒体106(または、表示媒体)である場合には、ユーザが制御端末701を利用して電子ペーパ106a上に記載しようとする(表示させようとする)内容を指示し、この指示を受けた制御端末701がサーバコンピュータ3または電気通信回線を介して接続している外部のコンピュータに格納されている記載(表示)内容を規定する情報をダウンロードして文書媒体106(または、表示媒体)を制御する。同様に、ユーザが調整しようとしている設備1が音声機器109である場合には、ユーザが制御端末701を利用して出力させようとする音声コンテンツを指示し、この指示を受けた制御端末701がサーバコンピュータ3または電気通信回線を介して接続している外部のコンピュータに格納されている音声コンテンツの音声データをダウンロードして音声機器109を制御する。
なお、リアル環境制御系では、制御端末701が主体となって、各設備1が具現する作業環境に係る作業環境情報を作業環境情報格納手段M1に書き込む作業環境情報書込手段M6としての役割を果たす。そして、椅子101、デスク102、照明103、エアーコンディショナー104、間仕切り壁107の調光ガラス107a、文書媒体106の記載内容(表示媒体の表示内容)、意思表示機構108による意思表示、音声機器109が出力している音声等の状態を調査し、それらの状態を規定する作業環境情報を生成して、該ユーザを識別するユーザ識別情報と関連づけて作業環境情報格納手段M1に書き込む。作業環境情報を生成して作業環境情報格納手段M1に書き込むタイミングは、特に限定されない。よって、ブースBを利用中のユーザが自ら設備1を調整する都度、調整の対象となった設備1についての作業環境情報を書き込んでもよく、ユーザがブースBの利用を終了する時に実施すべき終了処理の一環として各設備1についての作業環境情報を書き込んでもよい。本実施形態にあっては、現時点の設備1の制御の状態を規定する情報を制御端末701のメインメモリ701b若しくは補助記憶装置701cの所要の記憶領域または制御用コントローラ702に実装されているメモリ(図示せず)に格納しておくものとし、ユーザによる設備1の調整が行われたときはその調整に対応して格納している情報を変更する。この情報を用いて作業環境情報を生成し、適宜のタイミングにて作業環境情報格納手段M1への書き込みを行う。
因みに、ブースBを利用中のユーザが複数の設備1を一括で調整できるようにすることが望ましい。ブースBを利用中のユーザが複数の設備1を一括調整して作業環境を変更しようとするときのリアル環境制御系の処理の手順を、図16、図17を参照して述べる。図16に示すように、ユーザは、制御端末701を利用して指示を与えることで、設備1群の一部若しくは全部に対する制御の状態のセットである「環境モード」を規定する情報(環境モード情報)を、作業環境情報格納手段M1に格納しておくことができる。一例を挙げると、現時点における作業環境を一つの環境モードとして保存する旨の指示がユーザにより与えられた場合、ユーザ識別情報及び環境モードを識別する識別子と複数の設備1の制御の状態を規定する情報とをサーバコンピュータ3に送信して、これらを該サーバコンピュータ3のメインメモリ3b若しくは補助記憶装置3cの所要の記憶領域に格納させる。このように、作業環境情報書込手段M6は、複数の設備1に係る作業環境情報を組として作業環境情報格納手段M1に書き込むことができる。そして、ユーザが複数の設備1の一括調整を行おうとするときには、図17に示すように、予め保存しておいた環境モード情報を制御端末701を利用して選択的に呼び出す。このとき、制御端末701は、ユーザ識別情報及びユーザが所望する環境モードを識別する識別子をサーバコンピュータ3に送信する。これらを受け取ったサーバコンピュータ3は、ユーザ識別情報及び環境モードを識別する識別子に関連づけられる作業環境情報の組を作業環境情報格納手段M1より取得し、取得した作業環境情報の組を参照して、これら作業環境情報を基に複数の設備1の各々に対する制御を行う。即ち、作業環境情報取得手段M3は、ブースを利用しているユーザの任意に応じて作業環境情報の組を作業環境情報格納手段M1より取得できるものであり、環境制御手段M4は、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報の組に基づき複数の設備1を制御して作業環境を具現させることができるものである。
複数の設備1に係る作業環境情報の組である環境モード情報を予め格納している環境モード情報格納手段を設けておき、ユーザの任意に応じて環境モードの呼び出しを行い得るように構成しておくことも好ましい。環境モード情報格納手段は、サーバコンピュータ3のメインメモリ3bまたは補助記憶手段3cの所要の記憶領域を利用してなるものとしてもよく、クライアントコンピュータ2のメインメモリ2bまたは補助記憶手段2cの所要の記憶領域を利用してなるものとしてもよい。あるいは、ユーザが携帯可能な記憶デバイス、特にユーザが所有しているカードを環境モード情報格納手段としてもよい。本実施形態では、環境モード情報格納手段と前記作業環境情報格納手段M1とは同一である。しかして、作業環境情報格納手段M1が、ユーザ毎の作業環境情報及びユーザ毎の環境モード情報、さらには各ユーザが共通して利用可能な環境モード情報をも格納するものとしている。ユーザが複数の設備1の一括調整を行おうとするときには、環境モード情報格納手段(作業環境情報格納手段M1)に予め格納されている環境モード情報を制御端末701を利用して選択的に呼び出す。このとき、制御端末701は、ユーザが所望する環境モードを識別する識別子をサーバコンピュータ3を送信する。これを受け取ったサーバコンピュータ3は、環境モードを識別する識別子に関連づけられる作業環境情報の組即ち環境モード情報を環境モード情報格納手段(作業環境情報格納手段M1)より取得し、取得した作業環境情報の組を参照して、複数の設備1の各々に対する制御を行う。即ち、作業環境情報取得手段M3は、ブースを利用しているユーザの任意に応じて環境モード情報を環境モード情報格納手段(作業環境情報格納手段M1)より取得できるものであり、環境制御手段M4は、前記作業環境情報取得手段M3で取得した環境モード情報に基づき複数の設備1を制御して作業環境を具現させることができるものである。
次に、情報処理装置、通信機構並びにディスプレイ105を制御する「SBC環境制御系」に関して詳述する。SBC環境制御系の構成を、図18に示す。図18に示すように、情報処理装置及び通信機構としての役割を果たすコンピュータ2とサーバコンピュータ3とがLAN等の電気通信回線を介して接続している。また、ディスプレイ105はコンピュータ2に接続する。なお、本実施形態では、複数のブースBを配設しており、各ブースBに設けてあるコンピュータ2がおしなべてサーバコンピュータ3に接続する。
コンピュータ2はSBCあるいはリモートコンピューティングにおけるクライアントとして機能し、サーバコンピュータ3はSBCあるいはリモートコンピューティングにおけるサーバとして機能する。かつ、SBC環境制御系では、サーバコンピュータ3がクライアントコンピュータ2と協働して情報処理装置、通信機構並びにディスプレイ105に対する環境制御手段M4としての機能を発揮する。
また、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得機構を設けている。既に述べたように、本実施形態においては、各ユーザに予め配布してある、若しくは各ユーザが予め所持している、ユーザ識別情報を格納しているユーザ識別情報格納デバイスと、該ユーザ識別情報格納デバイスよりユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得デバイスとで、ユーザ識別情報取得機構を構成している。但し、ユーザ自身のバイオメトリックデータや、ユーザ自身が知得しているパスコード等をユーザ識別情報と見なし、これらの入力を受け付ける装置をもってユーザ識別情報取得機構とすることもできる。
SBC環境制御系では、各ユーザに予め配布してあるカードをユーザ識別情報格納デバイスとし、該カードに記録されているユーザ識別情報を読み取るカードリーダ502(例えば、接触式ICカードリーダ)をユーザ識別情報取得デバイスとして、ユーザ識別情報の一端を構成している。本実施形態では、同一のカードをSBC環境制御系におけるカードリーダ502とリアル環境制御系におけるカードリーダ501とでそれぞれ読み取らせるものとし、SBC環境制御系におけるカードリーダ502とリアル環境制御系におけるカードリーダ501とを別個のものとしている。但し、これらのカードリーダ501、502を一体のものとすることを妨げない。カードリーダ502は、ブースBの内方に設ける。なお、カードリーダ502の設置位置はこれには限られない。例えば、ドアロック402を設けないような場合には、ブースBの外方にカードリーダ502を設けることもできる。さらに、SBC環境制御系におけるカードリーダ502とリアル環境制御系におけるカードリーダ501とを一体のものとするならば、ドアロック402を設けるような場合にはブースBの外方に、ドアロック402を設けないような場合にはブースBの内方または外方に一体のカードリーダを設けることとなる。
ユーザがブースBの利用を開始しようとするときのSBC環境制御系の処理の手順を、図19を参照して述べる。クライアントコンピュータ2は、ユーザのログインを待ち受ける状態にある。ブースBを利用しようとするユーザは、ユーザ識別情報取得機構が内包するカードリーダ502に自身が所有するカードを挿入する。すると、カードリーダ502がカードに記録されている情報、例えばユーザIDを取得する。カードリーダ502はクライアントコンピュータ2と接続しており、取得したユーザIDをクライアントコンピュータ2に送信する。カードリーダ502よりユーザIDを受け取ったクライアントコンピュータ2は、さらにユーザに対してユーザ識別情報の一部をなすパスコードの入力を求める。ユーザは、コンピュータ2の入力装置2fを使用してパスコードを入力する。ユーザによるパスコードの入力を受け付けたクライアントコンピュータ2は、ユーザID及びパスコードをユーザ識別情報としてサーバコンピュータ3に送信する。つまり、SBC環境制御系では、カードリーダ502とクライアントコンピュータ2とが協働してユーザ識別情報取得機構を構成しており、該ユーザ識別情報取得機構が取得したユーザ識別情報は(ブースNo.の如き)該ブースBを識別する情報とともにサーバコンピュータ3に送信される。他方、サーバコンピュータ3の補助記憶装置3cの所要の記憶領域に、ブースBの利用が許可されているユーザに係るユーザ識別情報が予め格納されている。サーバコンピュータ3は、ユーザ識別情報取得機構が取得したユーザ識別情報を受け取り、これを自身が格納しているユーザ識別情報と比較して、ブースBを利用しようとするユーザの認証を行う。即ち、ユーザ識別情報取得機構とサーバコンピュータ3とが協働して、ユーザ認証手段M21としての役割を果たす。このように、SBC環境制御系におけるユーザ認証手段M21とリアル環境制御系におけるユーザ認証手段M21とは別個のものである。但し、SBC環境制御系におけるユーザ認証手段M21とリアル環境制御系におけるユーザ識別情報手段M2とを同一とすることを妨げない。勿論、ユーザ認証手段M21によるユーザ認証が上記以外の方式をとるものでも構わない。
予めブースBの利用が許可されているユーザを前記ユーザ認証手段M21が認証した場合、サーバコンピュータ3は、補助記憶装置3cの所要の記憶領域を用いてなるSBC利用ログ管理データベースに、利用されようとするブースBのブースNo.や利用ユーザに係るユーザ識別情報、利用開始時刻等の情報を含む利用ログを書き込む。
ユーザ認証手段M21がブースBを利用しようとするユーザの認証を行ったあと、作業環境情報取得手段M3が、ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を作業環境情報格納手段M1より取得する。本実施形態において、作業環境情報格納手段M1は、サーバコンピュータ3のメインメモリ3b若しくは補助記憶手段3cの所要の記憶領域を利用して構成され、各ユーザ毎の作業環境情報をユーザ識別情報に関連づけて格納している。所要のプログラムを用いて各種処理を実行可能な情報処理装置においては、該情報処理装置によるプログラムの実行状態を規定する情報が作業環境情報となる。ディスプレイ105においては、該ディスプレイ105の画面上に表示すべき内容を規定する情報が作業環境情報となる。また、通信機構においては、該通信機構を介した通信の相手先を規定する情報が作業環境情報となる。作業環境情報取得手段M3としての役割は、サーバコンピュータ3が担う。即ち、ユーザ認証手段M21が得た、ブースBを利用しようとするユーザを識別するユーザ識別情報を基に、該ユーザに関連づけられる作業環境情報を作業環境情報格納手段M1より取得する。但し、作業環境情報のうち一部若しくは全部を、ユーザが所持する所定の記録媒体に格納しておく態様を妨げない。例示すると、ユーザが所持するカードに作業環境情報の一部若しくは全部が格納してあり、カードリーダ502がユーザ認証後にカードより作業環境情報を読み込むようにしてもよい。この場合、カードが作業環境情報格納手段M1に、カードリーダ502が作業環境情報取得手段M3に、それぞれ該当する。
そして、環境制御手段M4が、作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づいて設備1群を制御する。SBC環境制御系では、サーバコンピュータ3単独で、またはサーバコンピュータ3とクライアントコンピュータ2とが協働して、環境制御手段M4としての役割を果たす。本実施形態では、情報処理装置たるクライアントコンピュータ2がサーバコンピュータ3にインストールされているプログラムを該サーバコンピュータ3上で実行させるSBCを行うものとしており、ユーザがクライアントコンピュータ2を使用して作業をしている際にはプログラムの実行にまつわるデータ(例えば、何れのアプリケーションプログラムが起動しているか、何れのデータファイルをオープンしているか、GUI型のOSを搭載している場合において何れのウィンドウが画面上のどの位置に開かれているか、デスクトップ環境の設定、マウスポインタの移動速度や音声出力のボリューム等の入出力装置の設定、パスや仮想メモリのサイズ等のOS上の設定、その他にまつわる各種データ)の多くがサーバコンピュータ3のメインメモリ3b若しくは補助記憶装置3cに記憶されている。従って、情報処理装置によるプログラムの実行状態を制御するにあたっては、作業環境情報取得手段がプログラムの実行にまつわるデータを作業環境情報格納手段より取得し、これを基に環境制御手段M4がサーバコンピュータ3のプロセス管理(アプリケーションプログラムの起動をはじめとする)や、メインメモリ3b若しくは補助記憶装置3cへのプログラムの実行にまつわるデータの再書き込み、データファイルのオープン等を実施して、プログラムの実行状態を再現する。ディスプレイ105による画面表示内容を制御するにあたっては、環境制御手段M4がディスプレイ105の表示内容を規定する作業環境情報をクライアントコンピュータ2に送信して、該クライアントコンピュータ2にディスプレイ105の表示内容を制御させる。また、通信機構を介する通信の相手先を制御するにあたっては、環境制御手段M4が作業環境情報を基にサーバコンピュータ3若しくはクライアントコンピュータ2の通信サービス用プログラムの動作を制御することで、通信の相手先を制御する。結果、ユーザに応じたコンピューティング環境、通信環境が具現される、即ちブースBを利用しようとするユーザが所望する作業環境が構築される。つまり、ユーザは、自身が利用するブースBの場所にかかわらず、普段利用しているコンピューティング(ソフトウェア)環境を利用することができる。また、該ユーザによる利用が許可されている一若しくは複数のプログラムを起動可能な状態となる、いわば、コンピュータ上における自分用ツールの呼び出しが可能となる。さらに、該ユーザが普段利用している一若しくは複数のサービス(グループウェア、メール、インターネット上のサービス等)の利用を開始する差異、ユーザ名やパスワードの入力を逐一行うことなくその利用が可能となる。
上記に加え、ブースBを利用しているユーザが一時的に該ブースBを離れたときにこの離席を検知する離席検知手段M7と、離席検知手段M7が前記ユーザの離席を検知した場合に前記設備1を省資源若しくは機能維持のための所定の待機状態に制御する待機手段M8とをさらに具備するものとしてもよい。本実施形態では、付近の人の存在の有無を感知する人感センサ601、602を予めブースBの内方に設けてあり、該人感センサ601、602を利用して離席検知手段M7を構成している。人感センサ601、602は、例えば人体より発される赤外線等を感知するものである。
ユーザが一時的に席を離れるときの、リアル環境制御系の処理の手順及びSBC環境制御系の処理の手順を、図20、図21を参照して述べる。リアル環境制御系にあって、人感センサ601は例えば制御端末701と接続している。そして、人感センサ601がユーザの存在を感知しなくなったとき、制御端末701はユーザが離席したものと判断する。図20に示すように、ユーザが離席したと判断した制御端末701は、制御用コントローラ702に接続している設備1群については間接的に制御し、制御端末701に接続している文書媒体106若しくは音声機器109に対しては直接に制御して、これら物理的設備群の一部若しくは全部を待機状態に制御する。即ち、制御端末701と制御用コントローラ702とが協働して、待機手段M8としての役割を果たす。待機状態の態様は、各々の設備1の性質によっても異なるが、例えば、いわゆる省電力モード(電力供給の停止を含む)や電源のOFFを挙げることができる。因みにこのとき、文書媒体106(または、表示媒体)を構成する電子ペーパ106aが表示している内容の消去を実行することも好ましい(第三者による盗み見を回避するため)。かつ、リアル環境制御系では、離席検知手段M7がユーザの離席を検知したときに、各設備1が具現する作業環境に係る作業環境情報を作業環境情報書込手段M6たる制御端末701が作業環境情報格納手段M1に書き込むものとしている。
SBC環境制御系にあっては、人感センサ602は例えばクライアントコンピュータ2と接続している。但し、SBC環境制御系とリアル環境制御系とで一の人感センサを共用することを妨げない、言い換えるならば、SBC環境制御系における人感センサ602とリアル環境制御系における人感センサ601とを共通のものとすることを妨げない。そして、人感センサ602がユーザの存在を感知しなくなったとき、クライアントコンピュータ2はユーザが離席したものと判断する。図21に示すように、ユーザが離席したと判断したクライアントコンピュータ2は、情報処理装置、通信機構並びにディスプレイ105を待機状態に制御する。即ち、SBC環境制御系では、クライアントコンピュータ2が待機手段M8としての役割を果たす。待機状態の態様としては、例えばディスプレイ105のスクリーンセーバモード、クライアントコンピュータ2のスリープモード若しくはスタンバイモード等を挙げることができる。本実施形態では、クライアントコンピュータ2上でスクリーンセーバモジュールプログラムを起動することにより、情報処理装置、通信機構並びにディスプレイ105を待機状態に制御するものとしている。
因みに、本実施形態に係るブースシステムでは、ユーザが一時的にブースB外に出る際にはカードをカードリーダ502に挿入したままにしておく。また、ドアロック402をオートロック式のものとしており、ユーザがブースB外に出た場合にはドア401が自動的にロックされる。但し、必ずしもユーザが席を離れる際にカードをカードリーダ502に残しておくとは限られない。勿論、SBC環境制御系におけるカードリーダ502とリアル環境制御系におけるカードリーダ501とが一体である場合や、ドアロック402が存在しない場合等においては、離席するユーザがカードを残していかないものとすることができる。
続いて、席を離れていたユーザが復帰するときの、リアル環境制御系の処理の手順及びSBC環境制御系の処理の手順を、図22、図23を参照して述べる。ユーザがブースBに戻ってきたときには、ドア401はドアロック402によりロックされており、しかも該ユーザはカードを所持していない。従って、ユーザは、カードリーダ501が付帯させているキー入力装置等の入力デバイスを使用してパスコードを入力する。図22に示すように、ユーザが入力したパスコードは、カードリーダ501を内包するユーザ識別情報取得機構によりサーバコンピュータ3に送信される。サーバコンピュータ3は、パスコードを受け取り、これを自身が格納しているユーザ識別情報及び/またはブース利用ログ管理データベースにある情報と比較して、復帰しようとするユーザの認証を行う。ブースBに戻ってきたユーザが該ブースBを利用する権限を有するユーザであることを認証した場合、ドアロック402に制御信号を送信してドア401の開閉の禁止を解除させる。一方で、それ以外の場合には、ドアロック402によるドア401の開閉の禁止を解除しない。ドア401が開成してしかる後、ブースB内に入室したユーザを人感センサ601が感知すると、制御用コントローラ702に接続している設備1群については間接的に制御し、制御端末701に接続している文書媒体106若しくは音声機器109に対しては直接に制御して、これら物理的設備群の待機状態を解除する。
さらに、ブースB内に入室したユーザを人感センサ602が感知したとき、SBC環境制御系におけるクライアントコンピュータ2はユーザが復帰したものと判断する。ユーザが復帰したと判断したクライアントコンピュータ2は、情報処理装置、通信機構並びにディスプレイ105の待機状態を解除する。なお、既に述べたように、待機状態にあって、クライアントコンピュータ2上でスクリーンセーバモジュールプログラムを起動している。図23に示すように、ユーザが復帰したと判断したクライアントコンピュータ2は、ユーザに対してパスコードの入力を求める。ユーザは、入力装置2fを使用してパスコードの入力を行う。パスコードの入力を受け付けたクライアントコンピュータ2は、該パスコードが正しいものであるかどうかを判定し、パスコードが正しければスクリーンセーバモジュールを解除するという形で待機状態を解除する。例えば、ユーザのカードに予め暗号化されたパスコードが記録されており、記録されている暗号化パスワードをカードリーダ502を介して取得し、これを入力されたパスコードと比較するという態様で、パスコードの正否判定ひいては復帰しようとするユーザの認証を実施することができる。上述したように、設備1の待機状態を解除するにあたり、ブースBに現れた人物が該ブースBを利用しているユーザであることを確認することが好ましい。なお、このとき、ユーザに対してパスコードの入力を求めることでユーザを認証する態様には限られず、例えばユーザのバイオメトリックデータの入力を求める、あるいはユーザが所持するRFIDタグ(あるいは、カード)に記憶されている該ユーザを識別するための情報をRFIDにより読み出す、等の態様でユーザを認証するものとしても構わない。
最後に、ユーザがブースBの利用を終了しようとするときの、SBC環境制御系の処理の手順及びリアル環境制御系の処理の手順を、図24、図25を参照して述べる。ユーザがブースBの利用を終了しようとするとき、SBC環境制御系に属するカードリーダ502に挿入しているカードを抜くか、クライアントコンピュータ2を操作してブースBの利用を終了する旨を指示する。図24に示すように、カードの抜出を感知した若しくはブースBの利用終了の旨の指示を受け付けたクライアントコンピュータ2は、SBCシステムのログアウト要求をサーバコンピュータ3に送信する。ログアウト要求を受け付けたサーバコンピュータ3は、ログアウト処理の一環として、クライアントコンピュータ2若しくはサーバコンピュータ3のメインメモリ2b、3b、補助記憶装置2c、3cの所要領域に記憶されているプログラムの実行にまつわるデータを読み込み、これを基にプログラムの実行状態を規定する作業環境情報を生成して作業環境情報格納手段M1に書き込む。ディスプレイ105の表示内容を規定する作業環境情報をクライアントコンピュータ2より取得し、作業環境情報格納手段M1に書き込む。あるいは、クライアントコンピュータ2若しくはサーバコンピュータ3のメインメモリ2b、3b、補助記憶装置2c、3cの所要領域に記憶されている、通信機構を介した通信の相手先を規定する情報を、作業環境情報格納手段M1に書き込む。即ち、SBC環境制御系では、サーバコンピュータ3が主体となって作業環境情報書込手段M6としての役割を果たし、ユーザがSBCシステムの利用を終了した時点での作業環境に係る作業環境情報を、該ユーザに係るユーザ識別情報と関連づけて作業環境情報格納手段M1に書き込む。同時に、SBC利用ログ管理データベースに、利用されたブースBのブースNo.や利用ユーザに係るユーザ識別情報、利用終了時刻等の情報を含む終了ログを書き込む。他方、クライアントコンピュータ2は、サーバコンピュータ3より指示を受けて他のユーザのログインを待ち受ける状態に戻る。
さらに、ブースBの利用を終えたユーザは、例えばブースB外に退出してリアル環境制御系に属するカードリーダ501に再びカードを読み取らせる。図25に示すように、カードリーダ501を内包するユーザ識別情報取得機構は、ユーザ識別情報をブースNo.の如き該ブースBを識別する情報とともにサーバコンピュータ3に送信する。サーバコンピュータ3は、ユーザ識別情報取得機構が取得したユーザ識別情報を受け取り、ブース利用ログ管理データベースに、利用されたブースBのブースNo.や利用ユーザに係るユーザ識別情報、利用終了時刻等の情報を書き込む。加えて、ブースBの利用を終了した旨を示す信号をユーザ識別情報取得機構に返信し、カードリーダ501が他のユーザのカードに反応するようにする。なお、リアル環境制御系では、ユーザがブースBの利用を終了した時点での作業環境に係る作業環境情報の書き込みを、離席検知手段M7がユーザの離席を検知したときに実行するものとしている。
本システムの基本構成及びその動作に関する説明は以上である。但し、本システムの各部の構成は種々に変形可能である。よって、以降では、本システムの変形例について述べることとする。
上記実施形態では、接触式または非接触式のカードリーダ501、502を用いてユーザ識別情報取得機構を構成していたが、他の態様として、ユーザが所有している磁気カードに記録されているユーザ識別情報を読み出す磁気カードリーダや、ユーザが所有している携帯可能な情報処理端末(携帯電話端末、PDA、等)に格納されているユーザ識別情報を読み出す有線/無線データ通信インタフェース、等を用いてユーザ識別情報取得機構を構成することもできる。
図26では、リアル環境制御系とSBC環境制御系とを分けて図示している。また、図26では、ユーザ識別情報取得機構として単一のカードリーダ501を設けており、該カードリーダ501をリアル環境制御系並びにSBC環境制御系におけるユーザ認証手段M21の構成要素としている。このように、SBC環境制御系におけるカードリーダ502とリアル環境制御系におけるカードリーダ501とを一体のものとすることができる(即ち、リアル環境制御系におけるユーザ識別情報取得機構とSBC環境制御系におけるユーザ識別情報取得機構とを単一のものとすることができる)。しかしながら、リアル環境制御系とSBC環境制御系とは必ずしも分離しているとは限られず、図11及び図18に示しているように、両者が一体的な系をなしている態様を妨げるものではない。
リアル環境制御系における、物理的設備を制御するために働くサーバコンピュータ3と、SBC環境制御系における、SBCを実現するために働くサーバコンピュータ3とを別個のコンピュータとしてもよい。
ブースに設けた設備1群を制御する制御系が、上記のリアル環境制御系とSBC環境制御系とのように複数の制御系を内包してなるとは限られず、単一の制御系で全ての設備1を制御するものとすることを妨げない。
ユーザ識別情報取得機構、制御端末701及びクライアントコンピュータ2の間の関係は種々に変形可能であるので、ここで補足しておく。例えば、図27に例示する態様では、所定の空間領域内またはブースB内に設けた単一のコンピュータ2に所定のプログラムをインストールして、ユーザ識別情報取得機構、制御端末701及びクライアントコンピュータ(情報処理装置)としての役割を担わせている。このコンピュータ2は、サーバコンピュータ3とデータ授受を行うための電気通信回線N1(例えば、IP通信を行い得る)と接続しているとともに、物理的設備の少なくとも一部を制御するための設備制御線N2(例えば、より対線、電灯線等を介した有線通信路。但し、有線/無線を問わない)とも接続している。図27ないし図29には図示していないが、各物理的設備は設備制御線N2に直接に接続されることもあれば、制御コントローラ702を介して間接的に接続されることもある。さらに、ユーザ識別情報取得機構の要素であるカードリーダ501をも接続してある。そして、クライアントコンピュータとして働くときにユーザに参照されるディスプレイ105のみならず、制御端末701用のディスプレイ701g、ユーザ識別情報取得機構用のタッチパネル付きディスプレイ501aの制御までもがこのコンピュータ2によって行われる。この態様では、一つのブースBに設けるべきハードウェアの数を減らすことができる。並びに、ブースBまたは設備1を利用しようとするユーザを認証するためのユーザ識別情報がクライアントコンピュータ2を介してサーバコンピュータ3に送信されるため、リアル環境制御系及びSBC環境制御系を制御するためのユーザ認証処理が一度で済む。反面、コンピュータ2にかかる処理負荷は大きくなる。
上記のように、リアル環境制御系における制御端末701とSBC環境制御系におけるクライアントコンピュータ2とを単一のコンピュータで実現してもよいが、図28に例示するように、制御端末701とクライアントコンピュータ2とを互いに別個のコンピュータとしてもよい。タッチパネル付きディスプレイ501aは、制御端末701によって制御される。この態様では、ブースBまたは設備1を利用しようとするユーザを認証するためのユーザ識別情報が、制御端末701にもたらされる。このユーザ識別情報を受け取った制御端末701が、サーバコンピュータ3と通信を行い、ユーザ認証を実行してリアル環境制御系の制御を行う。同時に、ユーザ識別情報が、制御端末701を介してクライアントコンピュータ2にもたらされる。このユーザ識別情報を受け取ったクライアントコンピュータ2が、サーバコンピュータ3と通信を行い、ユーザ認証を実行してSBC環境制御系の制御を行う。
図29に例示する態様は、図26に近いものであるが、カードリーダを、図12に示す制御端末701と類似のハードウェア資源を具備する入退出管理用端末501Xに接続または実装している場合である。このとき、カードリーダ及び入退出管理用端末501Xがユーザ識別情報取得機構を構成する。入退出管理用端末501Xは、単独で情報処理を実行し得る。よって、入退出管理用端末501Xにタッチパネル付きディスプレイ501aを制御させ、このディスプレイ501aに広告その他各種の情報を表示させるようなことも可能である。この態様では、ブースBまたは設備1を利用しようとするユーザを認証するためのユーザ識別情報が、入退出管理用端末501Xを介して制御端末701及びクライアントコンピュータ2にもたらされる。そして、このユーザ識別情報を受け取った制御端末701及びクライアントコンピュータ2の各々が、サーバコンピュータ3と通信を行い、ユーザ認証を実行してリアル環境制御系及びSBC環境制御系の制御を行う。
上記実施形態では主にサーバコンピュータ3に作業環境情報を蓄積していたが、特にリアル環境制御系において、制御端末701に作業環境情報を蓄積することも考えられる。具体例を挙げて述べると、設備1を利用しようとするユーザの認証を完了したとき、サーバコンピュータ3が、当該ユーザに関連づけられているある一つの作業環境を構築するための作業環境情報若しくはある一つの環境モード情報を送信するのではなく、複数の作業環境に係る作業環境情報若しくは複数の環境モード情報を制御端末701に向けて送信して、これら作業環境情報群若しくは環境モード情報群を受信した制御端末701がそのメインメモリ701b若しくは補助記憶装置701cの所要の記憶領域に格納する。ユーザは、制御端末701の入力装置701fを介して操作入力を行い、該制御端末701が保持している作業環境情報群若しくは環境モード情報群の中から所望の作業環境に係るものを選択する。ユーザによる選択を受け付けた制御端末701は、その選択に対応した作業環境情報若しくは環境モード情報を参照し、直接にまたは制御コントローラ702を介して間接に設備1の一部若しくは全部に制御信号を送信し、制御する。結果として、ユーザの所望の作業環境が具現される。
また、利用中のユーザが設備1を調整して作業環境を変更しようとするとき、制御端末701を利用して設備1を調整するための指示をリアル環境制御系に対して行う。制御端末701は、ユーザによる操作入力を受け付けることで、ユーザが何れの設備1を調整しようとしているか、及びどのように設備1を調整しようとしているかに関する情報を得る。そして、これを基に設備1の制御を行うが、その際に個々の設備1に対して行われた調整の内容に係る情報(設備1を調整するときの調整パラメータ等)は、メインメモリ701b若しくは補助記憶装置701cに一時的に格納される。これは、図15に示しているシステムの処理手順の説明図において、制御端末701とサーバコンピュータ3との間のやり取りが(リアルタイムには)実行されないことに等しい。
並びに、ユーザは、制御端末701を利用して指示を与えることで、設備1群の一部若しくは全部に対する制御の状態のセットである環境モードを規定する環境モード情報を、該制御端末701に一時的に格納しておくことができる。現時点における作業環境を一つの環境モードとして保存する旨の指示がユーザにより与えられた場合、複数の設備1の制御の状態を規定する情報が一つの環境モード情報として制御端末701のメインメモリ701b若しくは補助記憶装置701cの所要の記憶領域に格納される。これは、図16に示しているシステムの処理手順の説明図において、制御端末701からサーバコンピュータ3へ向けた環境モード情報の送信が(リアルタイムには)実行されないことに等しい。
しかして、例えばユーザが設備1(ブースB)の利用を終了するときに、制御端末701に一時的に格納された作業環境情報若しくは環境モード情報を、当該ユーザを識別するユーザ識別情報とともにサーバコンピュータ3に向けて送信する。制御端末701よりもたらされる情報を受信したサーバコンピュータ3は、自身のメインメモリ3b若しくは補助記憶装置3cにこの情報を格納する。
つまり、ユーザが設備1(ブースB)を利用している最中において、制御端末701が一時的に作業環境情報格納手段M1としての機能を発揮することができる。このことは、作業環境の調整や変更の都度、制御端末701がサーバコンピュータ3にアクセスして余計なデータ通信処理を実行しなくて済む点で有利である。さらには、制御端末701が単独で、または制御端末701と制御用コントローラ702とが協働して、環境制御手段M4としての機能を発揮することができる。言い換えるならば、サーバコンピュータ3が設備1の制御に関与しないことがある。
リアル環境制御系、SBC環境制御系の詳細構成もまた、図示例のものには限られない。例えば、文書媒体106または表示媒体は、必ずしも制御端末701に直結しているとは限られない。制御端末701から電子ペーパ106aへの信号の送受信、即ち、サーバコンピュータ3より取得した電子ペーパ106aに表示させるべき文字、図表、画像等を規定するイメージデータの送信や、電子ペーパ106aに既に表示されている内容の消去を行うための制御信号等を該電子ペーパ106aに送信するにあたり、中継器(図示せず)を介在させることを妨げない。この中継器は、電子ペーパ106aに無線または有線にて信号を入力するものであって、デスク102の天板、文書媒体106または表示媒体を収容可能な棚、ファイルボックス等、その他に設けることができる。さらに、文書媒体106または表示媒体は、SBC環境制御系のネットワークの何れかに接続しているものとしてもよい。このときの文書媒体106または表示媒体も、SBC環境制御系のネットワークに接続している中継器を介して信号を授受するものとすることができる。
上記実施形態では、人感センサ601、602を二つ設けていたが、その個数は二個に限られない。三つ以上設けてもよく、あるいは一つだけ設けてもよい。
人感センサ601、602としてパッシブIRセンサ等を採用した場合、所定の空間領域内即ちブースB内に存在するユーザを適切に感知できないことがある。パッシブIRセンサ等は、動体の変位を検知することを通じてその存在を検知するものであるため、ユーザが身体の動きの少ない作業を行っているときやユーザが休憩をとっているとき等にはユーザの存在を安定して検知できない。このような問題に対処する方法として、ブースB内または設備1を設けた空間領域内でのユーザの身体の変位を感知するセンサに加えて、ブースBまたは設備1を設けた空間領域に対しユーザが入退出する場合に必ず発生する所定の事象を感知するセンサを用いて、離席検知手段M7を構成することが考えられる。以下、離席検知手段M7の一変形例ついて、図30及び図31を参照して説明する。
パッシブIRセンサの如きユーザの身体の変位を感知する動体センサM71を使用して、デスクワーク等を行うユーザの存在を単純に検知しようとすると、ユーザの存在の有無に関する動体センサM71自体の信号出力は頻繁に切り替わることが実験的に確かめられている。従って、この動体センサM71による信号出力を受け取ってユーザの在席/離席を判断する第一の判断手段M73(第一の判断手段M73は、動体センサM71に付帯する論理回路(図示せず)または制御端末701、クライアントコンピュータ2、サーバコンピュータ3である)では、図31のタイミングチャートに示すように、センサの出力が切り替わってもなお一定のホールド時間htの間はユーザの在席/離席に関する判断を変化させない。即ち、動体センサM71による信号出力が有人(ユーザ存在)を示すものから無人(ユーザ不在)を示すものへと切り替わったとき、第一の判断手段M73はタイマーをスタートさせ、その瞬間からホールド時間htが経過するまでの間動体センサM71の出力が無人を示すもののままであれば、初めてユーザが席を離れたものと判断する。一方で、その瞬間からホールド時間htが経過するまでの間に動体センサM71の出力が有人を示すものに切り替わったならば、第一の判断手段M73は依然ユーザが在席しているものと判断するとともに、タイマーを停止させる。
これに、ユーザの入退出に伴い必ず発生する所定の事象を感知する事象センサM72による信号出力を組み合わせる。事象センサM72が感知する事象とは、例えば、ブースBまたは設備1を設けた空間領域の内外を隔てるドア401の開閉、ユーザによるブースBまたは前記空間領域の境界の通過、等である。事象センサM72の具体的構成は、該事象センサM72が感知する事情に応じたものとなる。ドア401の開閉を感知するものとしたときにはドア401を開いたことまたは閉じたことを感知するセンサが事象センサM72となり、ユーザによる境界の通過を感知するものとしたときにはユーザの通過を感知する通過センサやこのユーザの体重を感知する感圧センサ等が事象センサM72となる。この事象センサM72による信号出力を受け取ってユーザの在席/離席を判断する第二の判断手段M74(第二の判断手段M74は、事象センサM72に付帯する論理回路(図示せず)または制御端末701、クライアントコンピュータ2、サーバコンピュータ3である)では、図31のタイミングチャートに示すように、所定の事象の発生直後から複数回(最低二回)、第一の判断手段M73による判断結果の出力を参照する。この複数回の参照の間隔tは、第一の判断手段M73におけるホールド時間htよりも短いものとする。事象センサM72がドア401の開閉を感知するセンサである場合、所定の事象たるドアの開閉の発生直後、即ちドアが閉じられた直後に一回目の参照を行い、一回目の参照からサンプリング間隔t経過後に二回目の参照を行う。図示例では、二回目の参照からサンプリング間隔t経過後にさらに三回目の参照を行うものとしている。これら複数回の参照のうち、第一の判断手段M73による判断結果の出力が一度でもユーザが在席している旨のものであるならば、ユーザが在席しているという最終判断を下すことができる。一方で、これら複数回の参照の何れにおいても、第一の判断手段M73による判断結果の出力がユーザが離席している旨のものであるならば、ユーザが離席しているという最終判断を下すことができる。因みに、ドア401の開放状態をドアセンサが感知しているとき、言い換えるならば、所定の事象が進行していることを事象センサM72が感知しているときの第二の判断手段M74による在/不在の判断出力はどちらであっても構わないが、図示例では、ドア401が開いているときにはユーザが存在していると判断するものと定めている。
上述したように、動体センサM71と、動体センサM71による出力を参照する第一の判断手段M73と、事象センサM72と、事象センサM72及び第一の判断手段M73による出力を参照する第二の判断手段M74とを具備してなる離席検知手段M7を構成することで、ブースB内または前記空間領域内において必ずしも動き続けない動体の在不在の検知を安定的に実行させることが可能となる。
図32に例示するように、ブースBの傍らに各ユーザの書類、文具等を保管可能なロッカーLを設けてもよい。このロッカーLに保管される各ユーザ毎の物品は、例えば、各ユーザに貸与される図示しないコンテナ(または、ケース)に収容された状態で該コンテナごとロッカーLの中に納められる。コンテナには、利用ユーザを識別するユーザ識別情報を記憶するRFIDタグ等が予め装着されている。しかして、ロッカーLは、各ブースBにおけるカードリーダ501がカードより読み取ったユーザ識別情報を(直接に、若しくはサーバコンピュータ3等を介して間接に)受信できるものとなっており、ユーザ識別情報を受信したときには当該ユーザが利用しているコンテナ、即ち、当該ユーザを識別するユーザ識別情報を記憶しているRFIDタグ等が装着されたコンテナを選出して取り出し可能とする、ちょうど既存の自動販売機の如き機構を内在させてある。このようなものであれば、各ユーザが作業の度に使用する書類、道具その他の物品を保管しておくことができ、かつユーザが必要とするときにそれを提供することができる。
所定の空間領域内またはブースB内に(設備1の一つとして)プリンタ(図示せず)を設けておき、前記ユーザ認証手段M21によるユーザ認証に応じて、設備1またはブースBの利用を開始するユーザ宛の各種情報を該プリンタより印刷出力できるようにしてもよい。このときにプリンタが出力する情報は、典型的には、当該ユーザ宛に届けられた電子メールその他のメッセージである。サーバコンピュータ3には、予め一若しくは複数のユーザ宛のメッセージを受け付けて保存しておく(電子メール受信サーバ、ニュースサーバ等の如き)機能がソフトウェアとして実装されている。そして、ユーザ認証手段M21を介して、あるユーザの設備1またはブースBの利用開始の事実を感知したときには、このユーザ宛のメッセージを例えばクライアントコンピュータ2に向けて送信し、このクライアントコンピュータ2を介してプリンタより出力させる。
これまでは、設備1(ブースB)を利用しようとするユーザ毎の作業環境を構築することに主眼を置いていた。上述した実施形態では、ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を作業環境情報格納手段M1より取得し、これに基づく設備1群の制御を実行していた。しかしながら、作業環境の構築は、設備1(ブースB)を利用するユーザに応じて行われるのみならず、ユーザの現況に応じて、または、予め定められたスケジュールに応じて行われることも考えられる。図33は、本発明に係る設備制御システムの構成説明図であり、特に、作業環境構築のトリガとなる情報の入力を受け付ける作業環境操作手段M2について示したものである。システムが作業環境操作手段M2を介して取得する情報は、下記の四種類に分類することができる。即ち、所定の空間領域またはブースBに設けられた設備1を利用しようとするユーザを識別するユーザ識別情報、設備1を利用するユーザの現況を示す情報、作業環境が具現されるスケジュールに係る情報、作業環境を直接に調整するための調整パラメータまたは環境モードの選択等の直接的な操作情報である。
第一に、ユーザ識別情報は、前述のようにユーザ認証手段M21の要素であるユーザ識別情報取得機構を介して取得できる。このときの作業環境情報取得手段M3は、ユーザ識別情報取得機構を介して取得したユーザ識別情報に関連づけて格納されている作業環境情報を作業環境情報格納手段M1より取得する。そして、環境制御手段M4が、作業環境情報取得手段M3が取得した作業環境情報に基づき、ユーザ識別情報で識別されるユーザに応じた作業環境を具現する。
第二に、ユーザの現況に関する情報は、現況検知手段M22によって検知される。現況検知手段M22としては、ユーザの在席/離席を検知する離席検知手段M7、ユーザのバイタルを計測する各種のバイタルセンサ(脳波計、血圧計、体温計、その他)、ユーザの周囲の環境を計測する周囲環境測定機構(温度計、照度計、騒音計、その他)、等が考えられる。通常、バイタルセンサや周囲環境測定機構は、ユーザが作業を行う空間領域またはブースBの内に設置される。バイタルセンサは、ユーザの身体に直接接触させない態様のものがより好ましい。離席検知手段M7、バイタルセンサ、周囲環境測定機構等は、例えば、制御端末701またはクライアントコンピュータ2に接続されており、これら制御端末701またはクライアントコンピュータ2が(予めインストールされた所定のプログラムに基づき)ユーザの在席/離席を判断したり、ユーザのバイタルデータを取得してユーザの身体状況を判断したり、周辺環境の測定データを取得してそれがどのような状態に分類されるのか判断したりする。但し、ユーザの現況に関する判断をサーバコンピュータ3に委ねる態様を妨げない。また、図示していないが、現況検知手段M22として、ユーザが使用するクライアントコンピュータ2に対する操作の頻度(典型的には、入力装置2fであるキーボードやポインティングデバイスを介した操作入力の頻度)を計測する手段を設け、計測された操作頻度を参照することで、このユーザが現在忙殺されているのか否かというような作業状況を判断するようにしてもよい。ユーザによる操作の頻度の計測は、そのためのプログラムをクライアントコンピュータ2(または、サーバコンピュータ3)にインストールすることで実現可能である。現況検知手段M22として、ユーザの身体特性やハンディキャップの有無等をセンシングする手段(例えば、測距センサまたはカメラセンサ等を使用してユーザの立位での身長を計測できるように構成し、ユーザの体格や車椅子搭乗者であるか否か等を知得し得るようにしたもの)を設けても構わない。このときの作業環境情報取得手段M3は、離席検知手段M7、バイタルセンサ、周囲環境測定機構等の現況検知手段M22を介して取得したユーザの現況に関する情報、即ちユーザの在席/離席、ユーザの心身の状況、ユーザの周辺環境等に応じた作業環境情報若しくは環境モード情報を作業環境情報格納手段M1より取得する。より具体的には、制御端末701またはクライアントコンピュータ2が判断したユーザの現況に関する情報をサーバコンピュータ3に送信し、サーバコンピュータ3がこれを参照してユーザの現況に応じた作業環境情報若しくは環境モード情報を取得する。なお、制御端末701に複数の作業環境に係る作業環境情報や複数の環境モードに係る環境モード情報が蓄積されているような場合には、制御端末701自体がユーザの現況に関する判断結果に応じた作業環境情報を取得する。そして、環境制御手段M4が、作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき、ユーザの現況に応じた作業環境を具現する。
ここで、ユーザの現況に応じた設備1群の制御について補足する。作業環境情報格納手段M1が格納している作業環境情報を、図34、図35に例示する。図34に示す例は、ユーザの現況たるユーザの身体状況と作業環境情報とを対応づけてなるものである。即ち、ユーザが元気な状況であるとき環境モードの一である「作業モード」を起動するものとし、ユーザが疲労している状況であるとき環境モードの一である「リラックスモード」を起動するものとしている。環境モード情報は、複数の設備1に係る作業環境情報の組である。例えば、「作業モード」は、ユーザが作業するのに適した作業環境を構築するべく、椅子101の背もたれを起こし、照明103を明るくし、エアーコンディショナー104における設定温度を下げ、間仕切り壁107における調光ガラス107aの透明度を低くし、意思表示機構108における意思表示の状態を他者の訪問を許可する旨のものとする、というように、空間領域(または、ブースB)に設けられた複数の設備1の少なくとも一部に対する制御を規定する情報の組とする。逆に、「リラックスモード」は、ユーザがリラックスするのに適した作業環境を構築するべく、椅子101の背もたれをリクライニングさせ、照明103を暗くし、エアーコンディショナー104における設定温度を上げ、間仕切り壁107における調光ガラス107aの透明度を高くし、意思表示機構108における意思表示の状態を他者の訪問を拒否する旨のものとする、というように、設備1群に対する制御を規定する情報の組とする。なお、ここでは物理的設備の制御についてのみ記述しているが、同様の発想でクライアントコンピュータ2、ディスプレイ105、通信機構等のヴァーチャル環境/コミュニケーション環境を具現する設備1を制御し得ることは言うまでもない。他方、ユーザの身体状況は、バイタルセンサを介して取得したデータを基に判断される。バイタルセンサは、例えば、制御端末701またはクライアントコンピュータ2に接続されており、制御端末701またはクライアントコンピュータ2がユーザのバイタルデータを取得してユーザの身体状況を判断する。そして、制御端末701またはクライアントコンピュータ2が判断したユーザの身体状況に関する情報をサーバコンピュータ3に送信し、サーバコンピュータ3がこれを参照してユーザの身体状況に応じた環境モード情報を取得する。取得された環境モード情報は、環境制御手段M4による設備1制御に供される。
図35に示す例は、現況検知手段M22がユーザの立位の身長を計測し得る場合において、現況検知手段M22で検知したユーザの身長のパラメータと、設備1の一部である椅子101、デスク102等に対する制御の内容を規定する制御パラメータとを対応づけてなる制御テーブルである。このときの作業環境情報取得手段M3は、現況検知手段M22を介して取得したユーザの現況に関するパラメータ即ち身長に対応する制御パラメータを制御テーブルより抽出し、取得する。そして、環境制御手段M4が、作業環境情報取得手段M3で取得した制御パラメータを基に、椅子101、デスク102等を一括に制御する。本例のように、作業環境情報格納手段M1が、作業環境操作手段M2(ユーザ認証手段M21、ユーザ現況検知手段M22、スケジュール参照手段M23等)で取得されるパラメータとこのパラメータに対応する制御パラメータとの組の集合である制御テーブルを格納していることがある。このときの作業環境情報は、制御テーブルに含まれる制御パラメータである。因みに、上記以外の設備1制御の例として、バイタルセンサを介してセンシングしたユーザの現況に応じてユーザが着座する椅子101の座面の温度調節を行ったり、ユーザに疲労が見られるような場合に椅子101のマッサージ機能を起動したりすることも好ましい。ユーザの身体の異常をバイタルセンサを通じて検知した場合等に、現況表示機構を利用してユーザの異常を外部に報知することも可能である。現況表示機構は意思表示機構108と同一のハードウェアを用いて構成できるが、例えば、現況表示機構たる意思表示機構108の赤いランプを明滅させる等の態様にて、ユーザに異常が発生したことを外部に報知するような態様が考えられる。
第三に、作業環境が具現されるスケジュールに係る情報は、スケジュール参照手段M23によって参照される。作業環境が具現されるスケジュールに係る情報とは、設備1を利用するユーザのスケジュール、または、作業環境自体のスケジュールである。この情報は、ユーザ自身によって設定されることもあればユーザ以外の者によって設定されることもあるが、基本的にスケジュール格納手段に予め格納される。スケジュール格納手段は、制御端末701、クライアントコンピュータ2またはサーバコンピュータ3のメインメモリ701b、2b、3b若しくは補助記憶装置701c、2c、3cの所要の記憶領域を用いて構成される。スケジュール格納手段に格納される情報の例を、図36及び図37に示す。図36は、あるユーザの一日の活動スケジュールを示す情報である。この情報には、ユーザを識別するユーザ識別情報が付与される。また、ユーザのスケジュールは日によっても異なるため、図36に示しているように該当する年月日を示す情報が付与されていることが好ましい。図37は、活動スケジュールにおける活動の内容に対応する作業環境、特に環境モードを示す情報である。図37に示す情報は、必ずしも個々のユーザ毎に異なるものではない。図36及び図37に示すこれらの情報の組み合わせにより、一日の中のある時刻において具現すべき作業環境のスケジュールが規定される。図示例によれば、当該ユーザについて、9時から12時までの間(及び、13時から15時までの間)は勤務時間であり、勤務時間に対応するモードである「作業モード」を作業環境として具現すべきとされる。同じように、12時から13時までの間(及び、15時から16時までの間)は休憩時間であり、休憩時間に対応するモードである「リラックスモード」を作業環境として具現すべきとされている。スケジュール参照手段M23は、スケジュール格納手段に予め格納されている情報を参照し、現時点において具現すべき作業環境若しくは環境モードを知得する。通常、制御端末701、クライアントコンピュータ2またはサーバコンピュータ3が(予めインストールされた所定のプログラムに基づき)スケジュール参照手段M23としての役割を担い、スケジュール格納手段に格納されている情報を参照して、現時点において具現すべき作業環境若しくは環境モードを判断する。作業環境情報取得手段M3は、スケジュール参照手段M23が参照したスケジュールに応じた作業環境情報若しくは環境モード情報を作業環境情報格納手段M1より取得する。特に、作業環境情報取得手段M3は、ワークスペースにおける作業環境を変更すべき時点が到来したとき、作業環境情報の取得を実行する。上記例に当てはめて述べると、時刻が12時となるときに、具現されるべき作業環境が「作業モード」から「休憩モード」へと移行する。その際、スケジュール参照手段M23が作業環境情報取得手段M3に対して「休憩モード」を具現すべき旨の指示を出し、この指示を受けた作業環境情報取得手段M3が「休憩モード」を構成する環境モード情報(作業環境情報)を作業環境情報取得手段M1より取得する。しかして、環境制御手段M4が、作業環境情報取得手段M3が取得した作業環境情報に基づき、スケジュールに応じた作業環境を具現する。
なお、上記例の如く作業環境が具現されるスケジュールがユーザ毎に異なるような場合、設備1(ブースB)を利用するユーザに応じてスケジュール参照手段M23が参照すべき情報が異なることとなる。従って、ユーザ認証手段M21とスケジュール参照手段M23、作業環境情報取得手段M3とを協働させる必要がある。即ち、スケジュール参照手段M23は、スケジュール格納手段に格納されている情報のうち、ユーザ認証手段M21で認証したユーザに係るユーザ識別情報に関連づけられている情報を参照することで、当該ユーザについて設定されているスケジュールの確認を行い、現時点において具現すべき作業環境若しくは環境モードを判断する。その一方で、設備1群によって具現されるべき作業環境が個々のユーザ毎に異なるものではない場合には、ユーザ認証手段M21とスケジュール参照手段M23とが必ずしも相関しない。例えば、12時から13時までの休憩時間はいわゆる昼休みとして多くの人にとって共通するスケジュールであると言える。従って、12時から13時までの間「休憩モード」を具現するという作業環境のスケジュールは、複数のユーザに共通するものとなり得る。よって、例えば、各ユーザで共通する作業環境のスケジュールを規定する情報をスケジュール格納手段に格納しておき、スケジュール参照手段M23がこの共通のスケジュールの情報を参照することで、作業環境情報取得手段M3に各ユーザ共通の作業環境情報、ここに言う「休憩モード」の環境モード情報を取得させることができる。
最後に、作業環境を直接に調整するためのパラメータ、環境モードの選択等の直接的な操作情報は、ユーザの手によって入力されるか、(設備1が設けられたブースB外から)電気通信回線を介して伝送される。このときの作業環境操作手段M2は、ユーザ自身による手動入力を受け付ける手動操作機構や、電気通信回線を介してパラメータを授受する遠隔操作機構である。手動操作機構は、例えば、ユーザによって操作される制御端末701またはクライアントコンピュータ2を主体として構成され、ユーザがこの制御端末701またはクライアントコンピュータ2を操作して所望の作業環境を設定するパラメータの入力を行う。遠隔操作機構は、例えば、ある空間領域に設けられている制御端末701またはサーバコンピュータ3と電気通信回線を介して接続している所定のコンピュータ(図示せず)を主体として構成され、ユーザ若しくはユーザ以外の第三者(システムの管理者、運営者等)がこのコンピュータを操作して所望の作業環境を設定するパラメータを入力し、入力されたパラメータが当該コンピュータより制御端末701またはサーバコンピュータ3に送信される。作業環境情報取得手段M3は、手動操作機構または遠隔操作機構を介して取得したパラメータに関連づけて格納されている作業環境情報若しくは環境モード情報を作業環境情報格納手段M1より取得する。そして、環境制御手段M4が、作業環境情報取得手段M3が取得した作業環境情報に基づき、設定入力されたパラメータに応じた作業環境を具現する。
さらに、本実施形態のシステムに、前記設備を利用するユーザへのアクセスの可否に関する情報を取得するユーザ状況確認手段と、前記ユーザ状況確認手段が取得した前記ユーザへのアクセスの可否に関する情報を他のユーザに通知するユーザ状況通知手段とを設けて、あるユーザへのアクセスの可否を他のユーザが居ながらにして知得できるようにしてもよい。ユーザへのアクセスとは、上記の通信機構を介した当該ユーザへの呼びかけ、電話発呼、チャットへの参加要請等や、当該ユーザが作業を行っている空間領域またはブースBへの訪問を言う。
ユーザへのアクセスの可否に関する情報は、当該ユーザが現在空間領域内またはブースB内に存在しているか否か、当該ユーザがアクセスされることを希望するか否か、等の情報である。これらの情報を取得するユーザ状況確認手段の構成について説明する。図38に示すように、設備1を設けた複数の空間領域即ち複数のブースBの各々には、カードリーダ501、離席検知手段M7、クライアントコンピュータ2、制御端末701等が配されている。カードリーダ501またはクライアントコンピュータ2は、ユーザ識別情報取得機構を構成する要素でもある。前記空間領域またはブースBで作業を行おうとするユーザは、カードリーダ501やクライアントコンピュータ2を介してユーザ識別情報を入力することでユーザ認証を実行する。ユーザ認証に成功した後、ユーザが設備1を利用開始するのであるが、このとき、既に図14や図19に示しているように、サーバコンピュータ3における利用ログ管理データベースに当該ユーザが設備1またはブースBを利用している事実に関する利用ログが書き込まれる。逆に、ユーザが設備1(ブースB)の利用を終了したときにも、図24や図25に示しているように当該ユーザが設備1(ブースB)の利用を終了した事実に関する利用ログが書き込まれる。つまり、サーバコンピュータ3は、どのユーザが現在何れのブースBを利用しているのかについての情報、言い換えるならばユーザが設備制御システムにログインしているかあるいは設備制御システムよりログアウトしているかについての情報を知得できる。
並びに、前記空間領域またはブースBで作業を行っているユーザがその空間領域またはブースBを離れたとき、その離席は離席検知手段M7によって検知される。離席検知手段M7がこのユーザの離席を検知した場合、当該事実をサーバコンピュータ3に報知する。より具体的には、人感センサ601、602を介してユーザの離席を感知したクライアントコンピュータ2または制御端末701が(所定のプログラムに基づき)サーバコンピュータ3に向けてユーザの離席を報知するための情報(通常、当該ユーザを識別するユーザ識別情報または当該ユーザが利用中のブースNo.の情報を含む)を送信する。離席していたユーザが復帰するときには、図22に示しているように再度のユーザ認証が実行される。従って、サーバコンピュータ3は、ユーザが離席した事実、離席していたユーザが復帰した事実のそれぞれを知得できる。
このように、ユーザへのアクセスの可否に関する情報の一である、当該ユーザが現在空間領域内またはブースB内に存在しているか否かについての情報は、カードリーダ501、離席検知手段M7、クライアントコンピュータ2の何れか少なくとも一つの機能を利用して取得される。即ち、カードリーダ501、離席検知手段M7またはクライアントコンピュータ2を用いて、ユーザ状況確認手段を構成できる。
また、空間領域またはブースBにて作業を行っているユーザが他者によるアクセスを希望するか否かについては、ユーザ自身がクライアントコンピュータ2または制御端末701の入力装置2fまたは701fを介して入力することが一般的である。この入力を受け付けたクライアントコンピュータ2または制御端末701は(所定のプログラムに基づき)ユーザの意思に関する情報をサーバコンピュータ3に送信する。この場合、ユーザへのアクセスの可否に関する情報の一である、当該ユーザが他者によるアクセスを希望するか否かについての情報は、クライアントコンピュータ2または制御端末701の何れかの機能を利用して取得される。即ち、クライアントコンピュータ2または制御端末701を用いて、ユーザ状況確認手段を構成できる。因みに、これらクライアントコンピュータ2または制御端末701が受け付けた入力は、意思表示機構108の表示状態にも反映される。但し、ユーザの作業状況(通常の状況であるか、多忙や取り込み中であるか、休憩中であるか、等)等を何らかの手段でセンシングし、当該ユーザへのアクセス可否に関する判断を下すものとしても構わない。例を挙げると、ユーザが使用するクライアントコンピュータ2(または、サーバコンピュータ3)に所定のプログラムをインストールし、該クライアントコンピュータ2に対する操作の頻度(典型的には、入力装置2fであるキーボードやポインティングデバイスを介した操作入力の頻度)を計測してユーザが現在忙殺されているか否かを判断できるようにシステムを構成することが考えられる。ユーザが忙殺されていると判断された場合に、サーバコンピュータ3が当該ユーザに対するアクセスを不可能とする旨の情報を受け取る。あるいは、設備1を設けた空間領域(または、ブースB)内に複数人が存在していることをセンサを介して検知した場合に来客中と見なし、アクセスを拒否すべき状態にあると判断することも考えられる。
しかして、上述の如きユーザ状況確認手段が取得したあるユーザへのアクセスの可否に関する情報を、ユーザ状況通知手段が他のユーザに通知する。ユーザ状況通知手段の構成について説明する。既に述べたように、ブースBを利用しているあるユーザへのアクセスの可否に関する情報は、クライアントコンピュータ2または制御端末701によってサーバコンピュータ3に向けて送信される。サーバコンピュータ3は、一のユーザグループと見なすことができる複数のユーザに係るユーザ識別情報の関連づけに関する情報(言い換えるならば、複数ユーザに係る複数のユーザ識別情報を一のグループと見なすための情報)を、予めメインメモリ3b若しくは補助記憶装置3cの所要の記憶領域に格納している。かつ、現在どのユーザが何処の空間領域またはブースBを利用しているかに関する情報即ち利用ログを保持している。サーバコンピュータ3は、所定のプログラムに基づき、クライアントコンピュータ2または制御端末701よりもたらされるあるユーザに対するアクセスの可否に関する情報を受信したとき、一のユーザグループに属する複数のユーザに係るユーザ識別情報を参照して、受信したあるユーザに対するアクセスの可否に関する情報を何れのユーザに通知すべきかを知得する。つまり、受信した情報があるユーザグループに属するユーザについてのものである場合に、このユーザグループに属している一若しくは複数のユーザを通知の対象と判断する。続いて、利用ログを参照して、通知の対象となる各ユーザが現在何れの空間領域またはブースBを利用しているかあるいは利用していないのかについて調査する。しかる後、通知の対象となるユーザが利用している空間領域またはブースBに配された通信機構(特に、クライアントコンピュータ2)に向けて、あるユーザに対するアクセスの可否に関する情報を送信する。
即ち、ユーザ状況通知手段は、あるユーザに対するアクセスの可否に関する情報をサーバコンピュータ3に向けて送信する(通信機構たる)クライアントコンピュータ2または制御端末701、並びに、その通知の対象となる一若しくは複数のユーザが存在する空間領域またはブースBに配された通信機構に向けて送信するサーバコンピュータ3を要素としてなる。
但し、あるユーザに対するアクセスの可否に関する情報をサーバコンピュータ3のメインメモリ3b若しくは補助記憶装置3cに格納しておき、他のユーザが通信機構を使用してサーバコンピュータ3に格納された情報をプルダウン式に受信するものとしてもよい。また、あるユーザに対するアクセスの可否に関する情報を、サーバコンピュータ3を介すことなく、当該ユーザが使用するクライアントコンピュータ2または制御端末701より他のユーザが使用する通信機構に向けて直接的に送信する態様を妨げない。この場合、あるユーザが使用するクライアントコンピュータ2または制御端末701は、このユーザへのアクセスの可否に関する情報を送信すべき少なくとも一の宛先を、その送信処理に先立ちメインメモリ2b若しくは補助記憶装置2cに保持している。
因みに、ユーザ状況確認手段が取得した情報を利用して、あるユーザが使用する通信機構と他のユーザが使用する通信機構との通信接続をコントロールすることも考えられる。つまり、あるユーザへのアクセスが不可能な状況にある旨の情報をユーザ状況確認手段が取得し、同じユーザが使用する通信機構がこれを受領したときに、この通信機構が外部からの通信接続要求等を拒否する処理を実行する、あるいは、あるユーザへのアクセスが不可能な状況にある旨の情報を他のユーザが使用する通信機構が受領したときに、この通信機構があるユーザの使用する通信機構へ向けた通信接続要求等を行わないようにすることが可能である。このような構成により、通信の相手先の制御が実現される。例えば、あるユーザが一時的に離席したとき、あるユーザが利用する通信機構と他のユーザが利用する通信機構との間の通信接続(例えば、ビデオチャット)が一時的に遮断される。
本実施形態によれば、所定の空間領域たるブースBにおいて作業環境を構築するべく設けられた設備1と、前記設備1が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記設備1を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備する設備制御システムを構成したため、ユーザが設備1を一つ一つ調整することなくユーザに応じた作業環境が再現される。
所定の空間領域において作業環境を構築するべく設けられた設備と、前記設備が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、前記設備を利用するユーザの現況を検知する現況検知手段M22と、前記現況検知手段M22で検知したユーザの現況に応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段とを具備する設備制御システムを構成したため、ユーザ自身が設備1を調整することなく、ユーザの在席/離席、ユーザの体調その他の現況に応じた作業環境が構築される。
所定の空間領域において作業環境を構築するべく設けられた設備と、前記設備が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、前記作業環境が具現されるスケジュールに係る情報を参照するスケジュール参照手段M23と、前記スケジュール参照手段M23が参照したスケジュールに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段とを具備する設備制御システムを構成したため、ユーザ自身が設備1を調整することなく、予め設定されたスケジュールに従って作業環境が構築される。
特に、所定の空間領域において作業環境を構築するべく設けられた設備と、前記設備が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、前記設備を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに関連する、前記作業環境が具現されるスケジュールに係る情報を参照するスケジュール参照手段M23と、前記スケジュール参照手段M23が参照したスケジュールに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段とを具備する設備制御システムとしたため、具現される作業環境のスケジュールをユーザ毎に個別に設定可能となる
より具体的には、所定の空間領域内に設備1を設けて種々の作業を行い得るように構成したブースBと、前記設備1が具現するユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記ブースBを利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備するブースシステムとしたことにより、ユーザ自身がブースBの利用の度に設備1を調整して自己の作業環境を構築する必要がない。しかも、ブースBに複数種の設備1を設けたとしても、これら設備1を制御する環境制御手段M4を適宜に実装することで、ユーザ認証手段M21による認証に従い複数種の設備1の調整を一括して実行でき、ユーザが設備1を一つ一つ調整せずとも所望の作業環境を構築可能となる。従って、複数人で共用するワークスペースとして好適なものとなる。
より具体的には、所定の空間領域内に設備1を設けて種々の作業を行い得るように構成したブースBと、前記設備1が具現するユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記ブースBを利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備するブースシステムとしたことにより、ユーザ自身がブースBの利用の度に設備1を調整して自己の作業環境を構築する必要がない。しかも、ブースBに複数種の設備1を設けたとしても、これら設備1を制御する環境制御手段M4を適宜に実装することで、ユーザ認証手段M21による認証に従い複数種の設備1の調整を一括して実行でき、ユーザが設備1を一つ一つ調整せずとも所望の作業環境を構築可能となる。従って、複数人で共用するワークスペースとして好適なものとなる。
前記設備1として、少なくとも、物理作用を営むことで実世界における作業環境を具現する物理的設備を設けたものであるため、その時々のユーザの状況やユーザが行おうとする作業の内容に応じて好適な作業環境を具現可能である。
前記物理的設備の一として、調光機構たる調光ガラス107aを内包し前記ブースBの周囲を仕切る間仕切り壁107を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記調光ガラス107aの透明度を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記調光ガラス107aの透明度を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記調光ガラス107aの透明度を制御する手段を包含するものであれば、ブースBを利用しているユーザのプライバシーを保護できるだけでなく、ブースBが現在利用されているか否かをブースB外より速やかに視認することができる。但し、調光機構として、アクチュエータにより駆動可能なブラインドを用いて構成したものを採用することを妨げない。この場合には、間仕切り壁107がブラインドを内包し、前記作業環境情報格納手段M1が前記ブラインドによる透視性若しくは透光性の調節の状態を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記ブラインドによる透視性若しくは透光性の調節の状態を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記ブラインドを制御、駆動して該ブラインドによる透視性若しくは透光性の調節の状態を制御する手段を包含するものとなる。
ユーザの現況を前記空間領域外に知らせるための現況表示機構を設けているため、必要な場合にユーザがワークスペース(または、ブースB)外に現在の状況を知らせることができるため、緊急時における連絡や、作業に集中すべく他者の訪問を拒否するような用途に有効に用いることができる。
前記物理的設備の一として、ユーザが利用しているブースBへの他者の訪問の可否に関する該ユーザの意思をブースB外に知らせる意思表示機構108を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記意思表示機構108による意思表示の状態を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記意思表示機構108による意思表示の状態を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記意思表示機構108による意思表示の状態を制御する手段を包含するものであれば、必要に応じてユーザがブースB内での作業に集中できる状況を実現することができる。
前記物理的設備の一として、ブース内に音声を出力する音響機器109を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記音響機器109により出力される音声を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記音響機器109により出力される音声を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記音響機器109により出力される音声を制御する手段を包含するものであれば、作業に集中できるような環境音を流したり、好みの楽曲を流したりというように、所望の音声を流して作業環境を整えることができる。
前記物理的設備の一として、電子ペーパ106a等の情報を表示するための薄型表示デバイスを用いてなる文書媒体106(または、表示媒体)を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記文書媒体106の記載内容(または、前記表示媒体の表示内容)を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記文書媒体106の記載内容(または、前記表示媒体の表示内容)を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記文書媒体106の記載内容(または、前記表示媒体の表示内容)を制御する手段を包含するものであれば、各ユーザが閲覧する文書、書類、書籍等や図表、写真、イラストその他の画像等を前記文書媒体106または前記表示媒体を介して具現させることができる。そして、ブースB利用に際しユーザが紙媒体の文書等を持ち運ぶ必要がなくなる。
また、前記設備1として、所要のプログラムを用いて各種処理を実行しコンピューティング環境を具現する情報処理装置を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記情報処理装置によるプログラムの実行状態を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記情報処理装置によるプログラムの実行状態を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記情報処理装置によるプログラムの実行状態を制御する手段を包含するものであれば、複数ユーザで情報処理装置を共用することが容易となる。
前記設備1として、各種情報を表示可能なディスプレイ105を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記ディスプレイ105の表示内容を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、前記作業環境情報取得手段M3が前記ディスプレイ105の表示内容を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、前記環境制御手段M4が前記ディスプレイ105の表示内容を制御する手段を包含するものであれば、視覚に訴えかける環境をユーザに応じて構築可能となる。
前記設備1として、一若しくは複数の相手と通信可能な通信機構を設けており、前記作業環境情報格納手段M1が前記通信機構を介する通信の相手先を規定する作業環境情報を格納し、前記作業環境情報取得手段M3が前記通信機構を介する通信の相手先を規定する作業環境情報を取得し、前記環境制御手段M4が前記通信機構を介する通信の相手先を制御し得るものであれば、コミュニケーション環境をユーザに応じて構築可能となる。
そして、前記通信機構が、複数の前記ブースBに配され、各ブースBを利用しているユーザ間のコミュニケーションを取り持つ機能を有するものであるならば、それぞれのブースBに散開しているユーザが仮想的に同一空間領域に集合して作業をしている状況を作り出すことが可能となる。
前記設備1を利用するユーザへのアクセスの可否に関する情報を取得するユーザ状況確認手段と、前記ユーザ状況確認手段が取得した前記ユーザへのアクセスの可否に関する情報を他のユーザに通知するユーザ状況通知手段とをさらに具備するシステムとしたため、他のユーザはあるユーザへのアクセスが現在可能であるか不可能であるかを自身の利用するブースBに居ながらにして、または実際にそのユーザにアクセスを試みることなく、知得できる。なおかつ、ユーザは、多忙な場合等において他者によるアクセスを断ることができ、自身の作業を妨害されることなく効率的に実行可能となる。
一若しくは複数の相手と通信可能な通信機構と、前記設備1を利用しているユーザが一時的に該ブースまたは前記空間領域を離れたときにこの離席を検知する離席検知手段M7とをさらに具備し、前記離席検知手段M7が前記ユーザの離席を検知した場合に、前記通信機構が、当該ユーザの離席の事実に関する情報を、他のユーザが利用している空間領域に配された通信機構に向けて直接にまたは(サーバコンピュータ3を介して)間接に送信し得るものであるため、あるユーザの離席を他のユーザに通知して、当該ユーザの不在の事実を複数ユーザで共有することができる。勿論、当該ユーザが復帰したことを前記離席検知手段M7で検知したときに、その復帰の事実に関する情報を授受することも可能である。
予め前記ブースBの利用が許可されているユーザを前記ユーザ認証手段M21が認証した場合にのみブースBへの入室を可能としそれ以外の場合にはブースBへの入室を制止する入室管理手段M5をさらに具備するため、レンタルブースとしてより好適なものとなっている。
前記ブースBを利用しているユーザがその利用を終了した時点での作業環境に係る作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1に書き込むことができる作業環境情報書込手段M6をさらに具備するため、次回のブースB利用において前回の利用終了時点での作業環境を再現することが可能となっている。さらに、本実施形態では、複数のブースBを設けこれらブースBを共通のリアル環境制御系及びSBC環境制御系で制御するものとしているため、ユーザが前回使用したブースBとは異なる場所にあるブースBを利用しようとするときにも、ユーザがいつも利用している作業環境を再現でき、また、前回使用したクライアントコンピュータ2と異なるクライアントコンピュータ2を使用するにあたっても、ユーザがいつも利用しているコンピューティング環境を復元して作業を行うことができる。
前記作業環境情報書込手段M6が複数の設備1に係る作業環境情報を組として前記作業環境情報格納手段M1に書き込むことができるものであり、前記作業環境情報取得手段M3がブースを利用しているユーザの任意に応じて前記作業環境情報の組を前記作業環境情報格納手段M1より取得できるものであり、前記環境制御手段M4が前記作業環境情報取得手段M3で取得した前記作業環境情報の組に基づき前記複数の設備1を制御して作業環境を具現させることができるものであるならば、ブースを利用しているユーザが複数の設備1を一括して調整することができるようになる。加えて、作業環境情報の複数の組を作業環境情報格納手段M1に予め書き込んでおき、これら作業環境情報の組を選択的に用いて「環境モード」として設備1の制御を行うことも可能となる。
前記ブースBを利用しているユーザが一時的に該ブースBを離れたときにこの離席を検知する離席検知手段M7と、前記離席検知手段M7が前記ユーザの離席を検知した場合に前記設備1を省資源若しくは機能維持またはセキュリティのための所定の待機状態に制御する待機手段M8とをさらに具備するものとすれば、省エネルギーや設備1の寿命の延長に資する。また、離席検知手段M7の存在により、ユーザが席を離れたことを知得できるため、コンピュータ2をロックしたり、他者のブースB内への侵入を防止したりして、ユーザ不在時のセキュリティの向上を図ることが可能となる。
さらに、本実施形態では、ブースBにデスク102を配しており、かつこのデスク102に付帯させて種々の設備1を設けてある。よって、本実施形態におけるブースシステムは、本発明に係るデスクシステムでもある。即ち、所定の空間領域に配されたデスク102とともに配置され利用される設備1と、前記設備1が具現するユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記デスク102及びこれに付帯する設備1を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備するデスクシステムとして機能する設備制御システムを構成したため、ユーザ自身が利用の度に設備1を調整して自己の作業環境を構築しなくともよいものとなる。因みに、デスクシステムとして構成する場合、デスク102及びこれに付帯する設備1群は必ずしもブースB内に配されるとは限られない。また、間仕切り壁107やドア401、ドアロック402等も必須の構成要素ではなくなる。言い換えるならば、間仕切り壁107の存在しない空間領域ににデスク102その他種々の設備1を設けたシステムを構成することが可能である。
なお、本実施形態は以上に詳述した態様に限られるものではない。特に、所定の空間領域またはブースBに設けるべき設備1の種類は、上述したようなものには限られない。また、本発明に係るブースシステムは、オフィスワーク用ブースとしての応用のみならず、例えば、いわゆる漫画喫茶やインターネットカフェ等のサービス提供スペースに導入することもできる。
ユーザがブースB内の資源を破損したり、盗んだり、あるいはブースBが不正利用されているというような事実を検知した場合には、前記現況表示機構によりその旨を外部に報知したり、制御端末701またはクライアントコンピュータ2よりその旨をサーバコンピュータ3やあるいは警備会社等の情報処理端末に通報したりするのがよい。また、この際に非常ベルを鳴らしたりしてもよい。
本発明に係る設備制御システムは、ブースBの如き単一ユーザが使用する空間領域に設けられた設備1を制御するために用いられるとは限られず、例えば会議室等の複数ユーザが同時に使用する空間領域に設けられた設備1を一括制御するためにも用いることが可能である。即ち、本発明に係る設備制御システムを利用すれば、複数人が集うことができる空間領域である集合スペースに設けられた設備1と、前記設備1が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段M1と、前記集合スペース及びその設備1を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段M21と、前記ユーザ認証手段M21で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段M1より取得する作業環境情報取得手段M3と、前記作業環境情報取得手段M3で取得した作業環境情報に基づき前記設備1を制御して作業環境を具現させる環境制御手段M4とを具備する集合スペースシステムを構成することが可能である。
その他各部の具体的構成は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
B…ブース
1…設備
M1…作業環境情報格納手段
M21…ユーザ認証手段
M22…現況検知手段
M23…スケジュール参照手段
M3…作業環境情報取得手段
M4…環境制御手段
1…設備
M1…作業環境情報格納手段
M21…ユーザ認証手段
M22…現況検知手段
M23…スケジュール参照手段
M3…作業環境情報取得手段
M4…環境制御手段
Claims (29)
- 所定の空間領域において作業環境を構築するべく設けられた設備と、
前記設備が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、
前記設備を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段と、
前記ユーザ認証手段で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、
前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段と
を具備する設備制御システム。 - 所定の空間領域において作業環境を構築するべく設けられた設備と、
前記設備が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、
前記設備を利用するユーザの現況を検知する現況検知手段と、
前記現況検知手段で検知したユーザの現況に応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、
前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段と
を具備する設備制御システム。 - 所定の空間領域において作業環境を構築するべく設けられた設備と、
前記設備が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、
前記作業環境が具現されるスケジュールに係る情報を参照するスケジュール参照手段と、
前記スケジュール参照手段が参照したスケジュールに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、
前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段と
を具備する設備制御システム。 - 所定の空間領域において作業環境を構築するべく設けられた設備と、
前記設備が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、
前記設備を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段と、
前記ユーザ認証手段で認証したユーザに関連する、前記作業環境が具現されるスケジュールに係る情報を参照するスケジュール参照手段と、
前記スケジュール参照手段が参照したスケジュールに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、
前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段と
を具備する設備制御システム。 - 所定の空間領域内に設備を設けて種々の作業を行い得るように構成したブースと、
前記設備が具現するユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、
前記ブースを利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段と、
前記ユーザ認証手段で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、
前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段と
を具備する設備制御システム。 - 所定の空間領域に配されたデスクとともに配置され利用される設備と、
前記設備が具現するユーザ毎の作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、
前記デスク及びこれに付帯する設備を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段と、
前記ユーザ認証手段で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、
前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段と
を具備する設備制御システム。 - 複数人が集うことができる空間領域である集合スペースに設けられた設備と、
前記設備が具現する作業環境を規定する情報である作業環境情報を格納している作業環境情報格納手段と、
前記集合スペース及びその設備を利用しようとするユーザの認証を行うユーザ認証手段と、
前記ユーザ認証手段で認証したユーザに応じた作業環境情報を前記作業環境情報格納手段より取得する作業環境情報取得手段と、
前記作業環境情報取得手段で取得した作業環境情報に基づき前記設備を制御して作業環境を具現させる環境制御手段と
を具備する設備制御システム。 - 前記設備として、物理作用を営むことで実世界における作業環境を具現する物理的設備を設けている請求項1、2、3、4、5、6または7記載の設備制御システム。
- 前記物理的設備が、透視性若しくは透光性を調整し得る調光機構を内包し前記空間領域の周囲を仕切る間仕切り壁を包含し、
前記作業環境情報格納手段が、前記間仕切り壁の透視性若しくは透光性を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、
前記作業環境情報取得手段が、前記間仕切り壁の透視性若しくは透光性を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、
前記環境制御手段が、前記間仕切り壁の透視性若しくは透光性を調整すべく前記調光機構を制御する手段を包含する請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の設備制御システム。 - ユーザの現況を前記空間領域外に知らせるための現況表示機構を設けている請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の設備制御システム。
- 前記物理的設備が、ユーザが利用している前記空間領域への他者の訪問の可否に関する該ユーザの意思を空間領域外に知らせる意思表示機構を包含し、
前記作業環境情報格納手段が、前記意思表示機構による意思表示の状態を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、
前記作業環境情報取得手段が、前記意思表示機構による意思表示の状態を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、
前記環境制御手段が、前記意思表示機構による意思表示の状態を制御する手段を包含する請求項8または9記載の設備制御システム。 - 前記物理的設備が、前記空間領域内に音声を出力する音響機器を包含し、
前記作業環境情報格納手段が、前記音響機器により出力される音声を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、
前記作業環境情報取得手段が、前記音響機器により出力される音声を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、
前記環境制御手段が、前記音響機器により出力される音声を制御する手段を包含する請求項8、9、10または11記載の設備制御システム。 - 前記物理的設備が、情報を表示するための薄型表示デバイスを用いた表示媒体を包含し、
前記作業環境情報格納手段が、前記表示媒体の表示内容を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、
前記作業環境情報取得手段が、前記表示媒体の表示内容を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、
前記環境制御手段が、前記表示媒体の表示内容を制御する手段を包含する請求項8、9、10、11または12記載の設備制御システム。 - 前記物理的設備が、電子ペーパを用いてなる文書媒体を包含し、
前記作業環境情報格納手段が、前記文書媒体の記載内容を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、
前記作業環境情報取得手段が、前記文書媒体の記載内容を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、
前記環境制御手段が、前記文書媒体の記載内容を制御する手段を包含する請求項8、9、10、11、12または13記載の設備制御システム。 - 前記設備として、所要のプログラムを用いて各種処理を実行可能な情報処理装置を設けており、
前記作業環境情報格納手段が、前記情報処理装置によるプログラムの実行状態を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、
前記作業環境情報取得手段が、前記情報処理装置によるプログラムの実行状態を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、
前記環境制御手段が、前記情報処理装置によるプログラムの実行状態を制御する手段を包含する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の設備制御システム。 - 前記設備として、各種情報を表示可能なディスプレイを設けており、
前記作業環境情報格納手段が、前記ディスプレイの表示内容を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、
前記作業環境情報取得手段が、前記ディスプレイの表示内容を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、
前記環境制御手段が、前記ディスプレイの表示内容を制御する手段を包含する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15記載の設備制御システム。 - 前記設備として、一若しくは複数の相手と通信可能な通信機構を設けており、
前記作業環境情報格納手段が、前記通信機構を介する通信の相手先を規定する作業環境情報を格納する手段を包含し、
前記作業環境情報取得手段が、前記通信機構を介する通信の相手先を規定する作業環境情報を取得する手段を包含し、
前記環境制御手段が、前記通信機構を介する通信の相手先を制御する手段を包含する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16記載の設備制御システム。 - 前記通信機構は、複数の前記空間領域に配され、各空間領域を利用しているユーザ間のコミュニケーションを取り持つ機能を有するものである請求項17記載の設備制御システム。
- 前記設備を利用するユーザへのアクセスの可否に関する情報を取得するユーザ状況確認手段と、
前記ユーザ状況確認手段が取得した前記ユーザへのアクセスの可否に関する情報を他のユーザに通知するユーザ状況通知手段と
をさらに具備する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18記載の設備制御システム。 - 予め前記設備の利用が許可されているユーザを前記ユーザ認証手段が認証した場合にのみ前記空間領域への入室を可能としそれ以外の場合には空間領域への入室を制止する入室管理手段をさらに具備する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19記載の設備制御システム。
- 前記設備を利用しているユーザがその利用を終了した時点での作業環境に係る作業環境情報を前記作業環境情報格納手段に書き込むことができる作業環境情報書込手段をさらに具備する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20記載の設備制御システム。
- 前記作業環境情報書込手段が、複数の設備に係る作業環境情報を組として前記作業環境情報格納手段に書き込むことができるものであり、
前記作業環境情報取得手段が、前記設備を利用しているユーザの任意に応じて前記作業環境情報の組を前記作業環境情報格納手段より取得できるものであり、
前記環境制御手段が、前記作業環境情報取得手段で取得した前記作業環境情報の組に基づき前記複数の設備を制御して作業環境を具現させることができるものである請求項21記載の設備制御システム。 - 複数の設備に係る作業環境情報の組である環境モード情報を格納する環境モード情報格納手段をさらに具備し、
前記作業環境情報取得手段が、前記設備を利用しているユーザの任意に応じて前記環境モード情報を前記環境モード情報格納手段より取得できるものであり、
前記環境制御手段が、前記作業環境情報取得手段で取得した前記環境モード情報に基づき前記複数の設備を制御して作業環境を具現させることができるものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または21記載の設備制御システム。 - 前記設備を利用しているユーザが一時的に前記空間領域を離れたときにこの離席を検知する離席検知手段と、
前記離席検知手段が前記ユーザの離席を検知した場合に前記設備を省資源若しくは機能維持またはセキュリティのための所定の待機状態に制御する待機手段と
をさらに具備する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23記載の設備制御システム。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24記載の設備制御システムにおいて前記設備として用いられるものであって、
前記環境制御手段によって制御され、実世界における作業環境を具現する物理的設備。 - 椅子を構成する部材と、これら部材の一部若しくは全部を駆動するアクチュエータと、前記環境制御手段によって入力される制御信号に基づいて前記アクチュエータを制御するコントローラとを内包してなり、椅子としての機能を発揮する請求項25記載の物理的設備。
- デスクを構成する部材と、これら部材の一部若しくは全部を駆動するアクチュエータと、前記環境制御手段によって入力される制御信号に基づいて前記アクチュエータを制御するコントローラとを内包してなり、デスクとしての機能を発揮する請求項25記載の物理的設備。
- 照明要素と、前記環境制御手段によって入力される制御信号に基づいて前記照明要素への電力供給を制御するコントローラとを内包してなり、照明としての機能を発揮する請求項25記載の物理的設備。
- 前記環境制御手段によって入力される制御信号に基づいて透視性若しくは透光性が調整される調光機構を内包してなり、間仕切り壁としての機能を発揮する請求項25記載の物理的設備。
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