JP2004206162A - 通信装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インタフェースの機能や動作に関する設定について使用性を向上させた通信装置を提供する。
【解決手段】デジタル複合機1は、具備可能な複数のインタフェースのうちのいずれか一つのみを排他的に用いる通信装置である。デジタル複合機1は、例えばI/F−A5からI/F−B14へのインタフェースの変更に応じて、EEPROM6に記憶している有線LAN15のための通信パラメータをハードディスク13に移動する一方、ハードディスク13に保存している無線LAN16のための通信パラメータをEEPROM6に記憶する。インタフェースの変更に応じて、ハードディスク13を参照してEEPROM6に記憶する通信パラメータを変更するので、再度の通信パラメータの設定が不要となる。
【選択図】 図1
【解決手段】デジタル複合機1は、具備可能な複数のインタフェースのうちのいずれか一つのみを排他的に用いる通信装置である。デジタル複合機1は、例えばI/F−A5からI/F−B14へのインタフェースの変更に応じて、EEPROM6に記憶している有線LAN15のための通信パラメータをハードディスク13に移動する一方、ハードディスク13に保存している無線LAN16のための通信パラメータをEEPROM6に記憶する。インタフェースの変更に応じて、ハードディスク13を参照してEEPROM6に記憶する通信パラメータを変更するので、再度の通信パラメータの設定が不要となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の通信インタフェースを装備可能な通信装置および画像形成装置に関するものであり、より詳細には、例えば複数の通信インタフェースを装備可能なデジタル複合機のような通信装置および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の通信インタフェースを装備可能な通信装置において、その通信インタフェースを排他的に用いる通信装置が知られている。ここで、複数の通信インタフェースを装備可能であるとは、コネクタを複数有していることを意味する。また、コネクタは、例えばインタフェースカード、インタフェース用制御基板などのインタフェース装置が着脱可能なスロットと、インタフェース装置が例えばハンダ付けによって実装され、脱着不可である内蔵インタフェース(実装コネクタ)と、を含むものとする。コネクタは、インタフェース装置が装着されると、通信インタフェースとして機能する。
【0003】
例えば、拡張ボード(インタフェース)自身の機能や動作に関する設定に視点を置いた、複数インタフェースを排他使用する構成の複合機(画像形成装置)がある。このような例においては、各インタフェースの利用環境から同時利用する利点がないため、複数同時に処理できない構造として、共通の通信処理部分を簡素化することが望ましいとされる。このため、通信インタフェースを一つしか動作させない排他的利用制限が設けられる。
【0004】
ここで、共通の通信処理部分として、例えば通信インタフェースのための通信パラメータを記憶する記憶素子を挙げることができる。上記通信装置が通信を行う際には、記憶素子に記憶している通信パラメータを参照して通信を行う。この記憶素子とは例えばEEPROM(Electrical Erasable Programmable Read Only Memory)である。また、通信パラメータとは、例えば通信インタフェースがEthernet(登録商標)のLAN(Local Area Network)である場合には、IPアドレス、サブネットマスクなどを含むものである。上記構成によれば通信インタフェースを一つしか動作させないので、例えばその通信インタフェースのための通信パラメータのみを記憶素子に記憶すればよい。
【0005】
この複合機における、排他的に用いる通信インタフェースを別の通信インタフェースに変更する手順について説明する。ここでは、電源の投入後に通信インタフェースの変更の有無を判別する場合について説明する。
【0006】
例えば、図12に示すように、S31において通信インタフェースの変更の有無を判別する。この通信インタフェースの変更の有無は、例えば複合機の備えているスロットにインタフェース装置が装着されているか否かを判別することによって行ってもよい。S31にて、用いる通信インタフェースの変更がある場合にはS32に進み、変更がない場合にはS34に進む。
【0007】
S32においては、記憶素子に記憶されている、以前(電源切断前)に用いていたパラメータを廃棄(消去)して、S33に進む。S33においては、新たに用いる通信インタフェースの通信パラメータの設定を行い、S34に進む。
【0008】
ここで、従来の複合機においては、S33の設定において、ユーザが通信パラメータの各項目を新たに手で入力していた。または、複合機には通信パラメータの既定のデフォルト(default)値が設定され、ユーザがその各項目を修正するようになっていた。S34においては、新たに用いる通信インタフェースの初期化を行い、処理を終了する。
【0009】
なお、例えば日本国の公開特許公報「特開平6−282486号公報(公開日:1994年10月7日)」には、コンピュータに拡張ボードを挿入する際の共有メモリアドレス空間設定の自動化を目的とした、共有メモリのアドレス設定方法が記載されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−282486号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成においては、通信装置の利便性が非常に悪いという問題がある。
【0012】
すなわち、通信インタフェースの変更に応じて通信パラメータを変更する場合に、例えばその通信インタフェースのために以前に設定した通信パラメータがあるときには、その内容をそのまま設定するか、またはその内容を参照して修正することが一般的である。
【0013】
このため、例えば事前の第1のインタフェースでの動作中に、この通信パラメータを印刷してから、第2のインタフェースに変更する。第1のインタフェースの通信パラメータは保管しておき、後に第1のインタフェースに復旧する際に用いる。すなわち、過去に印刷・保管していたパラメータ印刷結果を利用して、操作パネル等への操作を行って設定をする。このように、設定の際には再びユーザが入力する必要があり、非常に利便性が悪い。
【0014】
また、例えば印刷し、保管していた印刷結果を紛失する虞れもある。この場合には、試行錯誤してパラメータを設定することとなり、裏付けなくパラメータを設定して実環境に合致しない場合も多くなる。また、試行錯誤を繰り返すため、さらなる利便性低下を招くことになる。
【0015】
なお、複数の通信インタフェースの通信パラメータ全てを記憶素子に保持するには、記憶素子の容量的制約・コストなどの問題が伴う。すなわち、全てのパラメータを記憶する容量に加えて、記憶素子は通信装置、複合機の動作制御上で必要な他の様々なデータを記憶する必要がある。このため、容量的制約・コストなどから、パラメータ全てを記憶素子に保持するのは、非常に困難、かつ非現実的である。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性、使用性を向上させた通信装置および画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る通信装置は、上記課題を解決するために、インタフェース装置が装着されることによって通信インタフェースとして機能するスロットを含むコネクタと、上記通信インタフェースのための通信パラメータを記憶する記憶素子と、上記コネクタのうちのいずれか一つを用いて、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを参照して通信を行う通信制御部とを備える通信装置において、上記通信パラメータを保存するための記録媒体と、上記スロットへの上記インタフェース装置の着脱を検出する検出部と、上記検出部によって装着が検出された上記インタフェース装置による第1の通信インタフェースと上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースとが異なるときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、さらに上記記録媒体に第1の通信インタフェースのための上記通信パラメータを保存しているときにはこの通信パラメータを上記記憶素子に記憶するパラメータ制御部と、を備えていることを特徴としている。
【0018】
ここで、インタフェース装置とは、例えばインタフェースカード、インタフェース用制御基板である。コネクタは、インタフェース装置が着脱可能なスロットと、インタフェース装置が例えばハンダ付けによって実装され、脱着不可である内蔵インタフェース(実装コネクタ)と、を含むものとする。より詳細には、上記通信装置のコネクタには、少なくとも一つのスロットが含まれる。上記通信装置は、実装コネクタを備えていなくてもよい。コネクタは、インタフェース装置が装着されると、このインタフェース装置に応じた通信インタフェースとして機能する。
【0019】
通信装置は、通信インタフェースのために設定される所定の通信パラメータを参照して、通信を行う。この通信パラメータとは、例えば通信インタフェースがEthernet(登録商標)のLAN(Local Area Network)である場合には、IPアドレス、サブネットマスクなどを含むパラメータである。
【0020】
上記通信装置は、通信インタフェースのための通信パラメータを記憶する記憶素子を備えている。ここで、記憶素子とはいわゆるメモリである。メモリは、例えばCPU(Central Processing Unit)からアドレスを指定してアクセスすることのできる素子である。この記憶素子を用いるCPUのような演算装置からは、記憶素子に対して、演算装置自身の記憶領域と同様にアクセスでき、例えばファイルシステムを介してアクセスする必要がない。また、この記憶素子は、不揮発性の記憶素子であることが好ましい。また、この記憶素子は、インタフェース装置が装着されているコネクタによる通信インタフェースのための通信パラメータを記憶するものであってもよい。インタフェース装置が装着されているコネクタとは、上述の実装コネクタとインタフェース装置が装着されているスロットとに相当する。
【0021】
また、記憶素子は、インタフェース装置が装着されているコネクタのうちのいずれか一つのための通信パラメータのみを記憶する構成であってもよい。この場合には、上記通信装置を、以下のように表現することもできる。すなわち、インタフェース装置が装着されることによって通信インタフェースとして機能するスロットを含むコネクタと、上記コネクタのうちのいずれか一つによる上記通信インタフェースのための通信パラメータを記憶する記憶素子と、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを参照して上記通信パラメータによる上記通信インタフェースにて通信を行う通信制御部とを備える通信装置において、上記通信パラメータを保存するための記録媒体と、上記スロットへの上記インタフェース装置の着脱を検出する検出部と、上記検出部によって装着が検出された上記インタフェース装置による第1の通信インタフェースと上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースとが異なるときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、さらに上記記録媒体に第1の通信インタフェースのための上記通信パラメータが記録されているときにはこの通信パラメータを上記記憶素子に記憶するパラメータ制御部と、を備えている構成である、と表現することもできる。
【0022】
上記通信装置の通信制御部は、インタフェース装置が装着されているコネクタのうちのいずれか一つを用いて、かつ、記憶素子に記憶している通信パラメータを参照して、通信を行う。すなわち、記憶素子には、インタフェース装置が装着されているコネクタによる通信インタフェースのうちのいくつかの通信パラメータが記憶されている。このように、記憶素子に記憶する通信パラメータは、一つのみであってもよいし、複数であってもよい。通信制御部は、そのうちの一つの通信パラメータを参照し、かつその通信パラメータの通信インタフェースとなるコネクタを用いて通信を行う。すなわち、上記通信装置は排他的に通信インタフェースを用いる通信装置である。例えば、記憶素子に一つのみの通信パラメータを記憶する構成の場合には、通信制御部は、その一つのみの通信パラメータを参照し、かつその通信パラメータの通信インタフェースとなるコネクタを用いて通信を行う。
【0023】
なお、通信制御部がコネクタのうちのいずれか一つを選択する方法は、どのようなものであってもよく、例えばコネクタに優先順位をつけておき、最も優先順位の高いものを用いるようにしてもよい。すなわち、優先順位に応じて検出部にて各スロットを検出し、始めに装着が確認されたスロットを用いるようにしてもよい。また、インタフェース装置が全てのスロットに装着されていないときに、実装コネクタを用いるようにしてもよい。または、通信装置の表示パネルに選択可能なコネクタまたは選択可能な通信インタフェースなどを表示して、ユーザによる選択を検出するようにしてもよい。
【0024】
また、上記通信装置は、通信パラメータを保存するための記録媒体を備えている。この記録媒体には、例えば以前に設定した通信パラメータを保存することができる。この記録媒体は、例えばCPUからファイルシステムを介してアクセスするような媒体である。
【0025】
上記通信装置の検出部が、スロットへのインタフェース装置の装着を検出すると、通信装置のパラメータ制御部は以下のような動作を行う。
【0026】
すなわち、装着されたスロットによる通信インタフェース(第1の通信インタフェース)と、今まで用いていた通信インタフェースであって、記憶素子に記憶している通信パラメータを用いる通信インタフェース(第2の通信インタフェース)とが、同じであるか否かを判別する。
【0027】
例えば記憶素子に、排他的に用いるスロットによる通信インタフェースのための通信パラメータのみを記憶する場合には、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが同じであるか否かを判別する。また、記憶素子に複数の通信インタフェースのための通信パラメータを記憶できるときには、記憶素子に記憶している通信パラメータのなかに、第1の通信インタフェースの通信パラメータが含まれているか否かを判別する。含まれている場合には、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが同じであると判別し、含まれていない場合には異なると判別する。
【0028】
または、上記通信装置のパラメータ制御部が、検出部によって装着が検出されたインタフェース装置による第1の通信インタフェースが、記憶素子に記憶している通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースに含まれていないときに、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが異なると判別する構成である、と表現することもできる。
【0029】
そして、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが異なるときには、記憶素子に記憶している通信パラメータ(第2の通信インタフェースの通信パラメータ)を記録媒体に移動して保存する。すなわち、通信パラメータを記録媒体に記録するとともに記憶素子から消去する。また、記録媒体に、第1の通信インタフェースの通信パラメータが保存されているときには、この通信パラメータを読み出して、記憶素子に記憶する。
【0030】
したがって、記憶素子に、装着されたスロットによる通信インタフェースの通信パラメータが記憶されるので、通信制御部がこの装着されたスロットを選択して、このスロットを用いて通信できる。
【0031】
また、記憶素子からは第2の通信インタフェースの通信パラメータを消去して、第1の通信インタフェースの通信パラメータを記憶する。このため、記憶素子において、通信パラメータのための記憶領域をそれほど増加させない。したがって、記憶素子のメモリ領域を節約して、効率的に使用できる。また、記録媒体に比べて記録容量当たりの単価が通常高価である記憶素子を節約してコストを低減できる。
【0032】
また、記録媒体に保存されていた通信パラメータ(第1の通信インタフェースの通信パラメータ)を用いるので、例えばユーザがこの通信パラメータを設定する必要はない。すなわち、再入力、再設定を不要にできる。このように、使用する通信インタフェースを変更する際に、以前に設定した通信パラメータを復帰させて用いることができるので、操作性を向上できる。
【0033】
したがって、記憶素子を節約して効率よく使用しつつ、操作性を向上させた通信装置を提供できる。
【0034】
また、通信制御部が選択した通信インタフェースが用いられるので、ユーザに通信インタフェースの選択について不要に意識させることがなく、操作性を向上できる。例えば使用する通信インタフェースのメニューだけを操作パネル上に表示して、ユーザを混乱させることがない。
【0035】
なお、通信装置のパラメータ制御部は、例えば記憶素子に通信パラメータを記憶していない場合には、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが異なると判別して、記録媒体に保存されている第1の通信インタフェースの通信パラメータを記憶素子に記憶する構成であってもよい。
【0036】
また、通信装置のパラメータ制御部は、例えば記録媒体に第1の通信インタフェースの通信パラメータが保存されていないときであっても、第1の通信インタフェースの通信パラメータを設定するためのデフォルト(default)パラメータが保存されているときには、このデフォルトパラメータを記憶素子に記憶する構成であってもよい。
【0037】
なお、上述の通信装置を、複数の通信インタフェースを装備可能で、かつその通信インタフェースを排他的に使用する通信装置において、新規通信インタフェースが装着された場合、旧通信インタフェース用のパラメータを記録媒体に保存し、新規通信インタフェース用のパラメータを(記録媒体から読み出し)記憶素子に作成する構成である、と表現することもできる。
【0038】
本発明に係る通信装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記パラメータ制御部は、上記検出部によって上記インタフェース装置の取り外しが検出されたときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、上記記録媒体に保存している上記通信パラメータのいずれかを上記記憶素子に記憶することを特徴としている。
【0039】
ここで、パラメータ制御部が、記録媒体に保存している通信パラメータのうちのいずれかを選択する方法は、どのようなものであってもよく、例えば通信パラメータまたは通信インタフェースに優先順位をつけておき、最も優先順位の高いものを用いるようにしてもよい。または、通信装置の表示パネルに選択可能な通信パラメータまたは選択可能な通信インタフェースなどを表示して、ユーザによる選択を検出するようにしてもよい。または、例えば、記録媒体に保存している通信パラメータの保存した日時を参照して、保存した日時が最も新しいものを選択するようにしてもよい。
【0040】
上記構成によれば、記憶素子から通信パラメータを消去して、新たに通信パラメータを記憶するので、記憶素子において、通信パラメータのための記憶領域をそれほど増加させない。したがって、記憶素子のメモリ領域を節約して、効率的に使用できる。また、記録媒体に比べて通常高価である記憶素子を節約してコストを低減できる。
【0041】
また、記録媒体に保存されていた通信パラメータを用いるので、例えばユーザがこの通信パラメータを設定する必要はない。すなわち、再入力、再設定を不要にできる。このように、使用する通信インタフェースを変更する際に、以前に設定した通信パラメータを復帰させて用いることができるので、操作性を向上できる。
【0042】
また、通信制御部が選択した通信インタフェースが用いられるので、ユーザに通信インタフェースの選択について不要に意識させることがなく、操作性を向上できる。例えば使用する通信インタフェースのメニューだけを操作パネル上に表示して、ユーザを混乱させることがない。
【0043】
なお、上述の通信装置を、上記構成において、新規通信インタフェースが外された場合、新規通信インタフェースのパラメータをHDD(ハードディスクドライブ)に保存し、旧通信インタフェースパラメータをHDDから読み出しEEPROMに作成する構成である、と表現することもできる。
【0044】
また、上述の通信装置の上記パラメータ制御部は、上記検出部によって上記インタフェース装置の取り外しが検出されたときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、上記インタフェース装置の装着されている上記コネクタによる、上記記録媒体に記録されている上記通信パラメータのいずれかを上記記憶素子に記憶する構成であってもよい。この構成であれば、確実にそのコネクタを用いて通信を行うことができる。
【0045】
本発明に係る通信装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記検出部は、上記スロットを予め指定した優先順位に応じて検査して、上記インタフェース装置の着脱を判別することを特徴としている。
【0046】
上記構成において、検出部が優先順位に応じてスロットを検査して、例えばインタフェース装置の装着を検出すると、上述のようにパラメータ制御部が、装着の検出されたスロットにおける通信インタフェースと記憶素子に記憶している通信パラメータを用いる通信インタフェースとが異なるか否かを判別する。異なる場合には、上述のように、パラメータ制御部は、記憶素子に記憶している通信パラメータを記録媒体に移動して保存するとともに、さらに記録媒体に記録されている通信インタフェースのための通信パラメータを記憶素子に記憶する。
【0047】
また、上記構成において、検出部が優先順位に応じてスロットを検査して、例えばインタフェース装置の取り外しを検出すると、上述のようにパラメータ制御部が、記憶素子に記憶している通信パラメータを記録媒体に移動して保存するとともに、記録媒体に記録されている通信パラメータのいずれかを記憶素子に記憶する。
【0048】
したがって、優先順位の高い通信パラメータを、必要に応じて記憶素子に記憶し、または記憶素子から消去できる。したがって、通信制御部によるスロットの選択、通信インタフェースの選択に、優先順位を反映させて、優先順位に応じた通信インタフェースの選択が可能となる。
【0049】
なお、上述の通信装置を、上記構成において、新規通信通信インタフェースとは、優先順位の高いスロットに装着された通信ボードである構成である、と表現することもできる。
【0050】
また、上記通信装置は、上記インタフェース装置が装着されて脱着不可となっている実装コネクタを含んでいるとともに、上記検出部が全ての上記スロットにおいて上記インタフェース装置は装着されていないと検出したときには、上記パラメータ制御部が上記実装コネクタの上記通信インタフェースを上記記憶素子に記憶する構成であってもよい。
【0051】
本発明に係る通信装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記パラメータ制御部は、上記検出部が上記インタフェース装置から読取った識別のための識別子と、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータに含まれる識別子とを比較することによって、上記インタフェース装置による上記通信インタフェースと上記記憶素子の上記通信パラメータのための上記通信インタフェースとが異なるか否かを判別することを特徴としている。
【0052】
ここで、例えば一つのスロットに、複数種類のインタフェース装置のいずれかが装着可能である場合もある。この場合には、スロットに対する装着の有無だけで、使用する通信インタフェースを判別することはできない。
【0053】
上記構成によれば、インタフェース装置から識別子を読取って、判別を行うので、例えば一つのスロットに複数のインタフェース装置が装着可能であっても、判別を確実にできる。
【0054】
また、この判別に応じて、必要がある場合には、上述のように記憶素子に記憶する通信パラメータを書き換えるので、所望の通信インタフェースでの通信が可能となる。
【0055】
このように、オプション通信インタフェースが一つだけでなく様々な種類の通信インタフェースが装着されることが考えられる。したがって、識別子で判別することによって、使用する通信インタフェースの通信パラメータだけを記憶素子に確実に記憶させて、記憶素子の記憶容量を節約できる。
【0056】
または、パラメータ制御部は、上記インタフェース装置から読取った識別子と、記録媒体に保存している通信パラメータに含まれる識別子とを比較する構成であってもよい。この構成によれば、装着されたインタフェース装置のための通信パラメータを、記録媒体に保存している通信パラメータと比較することが容易となる。
【0057】
なお、上述の通信装置を、上記構成において、新規通信インタフェースが装着された場合、新規通信インタフェースの識別子を読み込み、その識別子に適合した通信ボード用のパラメータを(HDDから読み出し)EEPROMに作成する構成である、と表現することもできる。
【0058】
また、上記通信装置は、上記検出部が、上記コネクタに含まれる、上記インタフェース装置が装着されて脱着不可の実装コネクタについても、上記インタフェース装置から識別のための識別子を読取る構成であってもよい。
【0059】
また、本発明に係る通信装置を、例えば以下のように表現することもできる。すなわち、インタフェース装置が装着されることによって通信インタフェースとして機能するスロットを含むコネクタと、上記スロットへの上記インタフェース装置の着脱を検出する検出部と、上記インタフェース装置が装着されている上記コネクタのうちのいずれか一つのための通信パラメータを記憶する記憶素子と、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを参照して通信を行う通信制御部とを備える通信装置において、上記通信パラメータを保存するための記録媒体と、上記検出部によって装着が検出された上記インタフェース装置による第1の通信インタフェースと上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースとが異なるときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、上記記録媒体に第1の通信インタフェースのための上記通信パラメータが記録されているときに、この通信パラメータを上記記憶素子に記憶するパラメータ制御部と、を備えている通信装置である、と表現することもできる。
【0060】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、画像データの印刷および画像データの読取を行う画像形成部と、上述のいずれかの通信装置とを備え、上記通信装置が、画像形成装置本体の外部と上記画像形成部との間で通信を行うことを特徴としている。
【0061】
上記構成の画像形成装置は、画像形成部において、画像データの印刷および画像データの読取を行う。画像形成装置は通信装置を備えており、この通信装置を介して、外部からの画像データを画像形成部へと送り、または画像形成部からの画像データを外部へと送る。すなわち、画像形成装置は、例えば外部からの画像データを画像形成部にて印刷し、また例えば画像形成部にて読取った画像データを外部へと送る。
【0062】
ここで、通信装置は使用性を向上させた通信装置であるので、使用性を向上させた画像形成装置を提供できる。
【0063】
また、この構成において、通信装置の記録媒体として、画像形成装置に備えられる画像メモリを用いても良い。この画像メモリとは、画像形成装置の画像形成部にて読取った画像データを記録するためのものである。また、印刷を行うために外部から入力された画像データをバッファするためのものでもある。画像メモリを記録媒体として用いるようにすれば、新たな記録媒体が不要となり、コストを低減できる。
【0064】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。
【0065】
本実施形態のデジタル複合機(画像形成装置)1は、図1に示すように、概略的に、操作パネル2、複合機エンジン(画像形成部)3および制御部(通信装置)4を含んでいる。
【0066】
デジタル複合機1は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能などを備えた複合機である。また、デジタル複合機1は、制御部4を介して他の装置とデータの送受信を行う通信装置として機能する。また、デジタル複合機1は、データの送受信のためのコネクタを複数備えている。
【0067】
コネクタは、例えばインタフェースカード、インタフェース用制御基板などのインタフェース装置が着脱可能なスロットと、インタフェース装置が例えばハンダ付けによって実装され、脱着不可である内蔵インタフェース(実装コネクタ)と、を含むものとする。コネクタは、インタフェース装置が装着されると、通信インタフェース(インタフェース)として機能する。
【0068】
デジタル複合機1は、データの送受信の際には、複数のインタフェースのうちのいずれか一つを排他的に用いるようになっている。
【0069】
本実施形態の操作パネル2は、デジタル複合機1に一体となった液晶のタッチパネルである。操作パネル2は、デジタル複合機1の操作を行うための操作部である。また、操作パネル2は、デジタル複合機1の動作状況を表示するための表示パネルでもある。
【0070】
複合機エンジン3は、デジタル複合機1における印刷動作を行うための画像形成部、画像読取動作を行うための画像読取部である。また、制御部4が複合機エンジン3を制御することによって、デジタル複合機1におけるプリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能などが実現される。
【0071】
制御部4は、デジタル複合機1の制御を行うためのものである。制御部4は、I/F−A(interface−A)(スロット、コネクタ、通信インタフェース)5、EEPROM(Electrical Erasable Programmable Read Only Memory)(記憶素子)6、CPU(Central Processing Unit)(通信制御部、検出部、パラメータ制御部)7、ROM(Read Only Memory)8、RAM(Random Access Memory)9、エンジンI/F(インタフェース)10、タイマ11、RTC(Real Time Clock)12、ハードディスク(ハードディスクドライブ、HDD)(記録媒体)13およびI/F−B(スロット、コネクタ、通信インタフェース)14を含んでいる。
【0072】
I/F−A5は、デジタル複合機1に備えられた通信インタフェース用のコネクタである。本実施形態のI/F−A5には、有線LAN15からのインタフェース装置が接続されている。これによって、I/F−A5は、LAN(Local Area Network)用のインタフェースとして機能する。本実施形態のデジタル複合機1は、有線LAN15へのLAN用のインタフェースであるI/F−A5を標準インタフェースとして用いる。なお、本実施形態においては、I/F−A5には、常に有線LAN15からのインタフェース装置を接続しておくものとする。したがって、I/F−A5は、例えばハンダ付けによってインタフェース装置が実装された内蔵インタフェース(実装コネクタ)であってもよい。
【0073】
このI/F−A5を用いる際には、所定の通信パラメータを設定する。設定した通信パラメータは、後述するEEPROM6に記憶する。なお、通信パラメータとは、例えば有線LAN15がEthernet(登録商標)である場合には、デジタル複合機1のIPアドレス、サブネットマスクなどを含むパラメータであり、詳細は後述する。
【0074】
また、デジタル複合機1は、有線LAN15を介してホスト(ホストコンピュータ)17、18、19と接続されている。例えば各ホスト17〜19からの印刷指示が、有線LAN15を介してデジタル複合機1に伝達されるようになっている。
【0075】
EEPROM6は、デジタル複合機1の制御に用いられる不揮発性の記憶素子である。EEPROM6には、制御のために必要なパラメータなどが記憶される。例えば、EEPROM6には、デジタル複合機1におけるプリンタとしてのデフォルト(default)設定が記憶される。このデフォルト設定とは、例えばデジタル複合機1のデフォルトトレイの指定、デジタル複合機1における両面ユニットの有無のような情報である。また、EEPROM6には、上述の通信パラメータを記憶する。例えばCPU7からEEPROM6のデータにアクセスする際には、アドレスを指定してアクセスする。EEPROM6は、例えばフラッシュROMであってもよい。
【0076】
CPU7は、デジタル複合機1における制御を行うための演算装置である。CPU7は、EEPROM6に記憶している通信パラメータを参照して通信を行う通信制御部として機能する。また、CPU7は、デジタル複合機1のスロットへのインタフェース装置の着脱(装着、取り外し)を検出する検出部として機能する。また、CPU7は、インタフェース装置の着脱の検出に応じて、EEPROM6に記憶している通信パラメータを書き換えるパラメータ制御部として機能する。
【0077】
ROM8、RAM9は、制御処理に用いる記憶領域である。エンジンI/F10は、複合機エンジン3と制御部4とのインタフェースである。タイマ11は、制御処理に用いるタイマである。RTC12は、制御処理に用いるカレンダ機能を有する装置である。
【0078】
ハードディスク13は、例えば複合機エンジン3にて読取った画像のデータを蓄積(バッファ)するための記録媒体である。このハードディスク13は、制御におけるパラメータを記録するためにも用いられる。また、ハードディスク13は、通信パラメータを保存するためにも用いられる。CPU7からは、ファイルシステムを介して、ハードディスク13のデータにアクセスするようになっている。
【0079】
I/F−B14は、デジタル複合機1の通信インタフェース用のコネクタである。このI/F−B14は、インタフェースカード(拡張I/F基板)を挿入(装着)すると、無線LAN用のインタフェースとして機能するスロットである。本実施形態のデジタル複合機1においては、無線LAN用のインタフェースとしてのI/F−B14を、オプションのインタフェースとして用いる。また、デジタル複合機1がI/F−B14を用いる場合には、I/F−B14から無線LAN16を介して、ホスト19などとデータの送受信を行う。
【0080】
上記構成のデジタル複合機1において、例えばホスト19から送信された画像データの印刷を行う場合には、有線LAN15にて送信された画像データをI/F−A5を介してハードディスク13に蓄積する一方、CPU7がエンジンI/F10を介して複合機エンジン3を制御する。これによってデータの印刷を行う。
【0081】
また、デジタル複合機1において、読取を行った画像データをホスト19に送信する場合には、複合機エンジン3にて読取った画像データをハードディスク13に蓄積する一方、CPU7がI/F−A5、有線LAN15を介してホスト19に送信する。
【0082】
このように、デジタル複合機1は、デジタル複合機1の外部のホスト19などとデジタル複合機1との間の通信を、制御部4を介して行うようになっている。
【0083】
ここで、デジタル複合機1には、I/F−A5とI/F−B14との二つのインタフェースが備えられている。上述のように、I/F−A5は標準のインタフェースであり、I/F−B14はオプションのインタフェースである。
【0084】
本実施形態のデジタル複合機1においては、このI/F−A5とI/F−B14との二つのインタフェースを、CPU7が排他的に用いるようになっている。すなわち、例えばI/F−B14にインタフェースカードが挿入されていない場合には、標準のインタフェースであるI/F−A5のみが使用可能である。一方、例えばI/F−B14にインタフェースカードが挿入されている場合には、このI/F−B14のみが使用可能となる。使用可能なインタフェースの判別は、後述するように、デジタル複合機1への電源投入後に所定の判別動作によって行う。
【0085】
そこで、デジタル複合機1におけるインタフェースの設定について説明する。
【0086】
まず、デジタル複合機1のインタフェースが、図2に示すように、I/F−A5のみが使用可能となっているとする。このとき、EEPROM6には、使用可能なインタフェースに関する通信パラメータである、パラメータA(P−A)(通信パラメータ)が記憶されている状態となる。ここで、使用不可であることを示すため、図2においては、I/F−B14は点線にて表示している。このI/F−B14についての通信パラメータであるパラメータB(P−B)(通信パラメータ)は、ここではハードディスク13に格納されているものとする。
【0087】
このように、使用可能なインタフェースに関する通信パラメータ(パラメータA)を、EEPROM6に格納する。EEPROM6は、メモリと同様にアドレスを指定してアクセスする記憶素子であるので、通信制御部、パラメータ制御部としてのCPU7から簡単にアクセスできる。すなわち、例えばデジタル複合機1において使用中の通信インタフェースに関する通信パラメータをハードディスク13に記録する場合と比較して、アクセスの際にファイルシステムを介する必要がないので、アクセスに必要な手順を簡単にできる。したがって、通信パラメータを参照して行う通信を、より早く実行できる。
【0088】
一方、使用しないインタフェースに関する通信パラメータ(パラメータB)は、ハードディスク13に格納する。このようにすれば、後にハードディスク13に格納した通信パラメータを再利用することができ、後でパラメータの設定の手間を省くことができる。
【0089】
次に、図3に示すように、I/F−B14にインタフェースカードが挿入された場合を説明する。この場合には、後述する手順によってI/F−B14が使用可能となる。
【0090】
I/F−B14が使用可能となっている場合には、使用可能なインタフェースであるI/F−B14に関する通信パラメータを、パラメータB(P−B)としてEEPROM6に記憶する。ここで、使用不可であることを示すため、図3においては、I/F−A5は点線にて表示している。このI/F−A5についての通信パラメータであるパラメータA(P−A)は、ハードディスク13に格納する。
【0091】
次に、インタフェースの設定を変更する手順について、図4に基づいて説明する。
【0092】
本実施形態のデジタル複合機1は、電源の投入後に、インタフェースの設定について判別するようになっている。電源の投入後には、S1において、使用可能なインタフェースの変更の有無について判別する。インタフェースの変更が有る場合にはS2に進み、変更が無い場合にはS4に進む。
【0093】
インタフェースの変更がある場合のS2においては、EEPROM6に記憶している、いままで使用しており(使用可能であって)これからは用いないインタフェースについての通信パラメータ(旧パラメータ)を、ハードディスク13に移動して保存し、S3に進む。すなわち、旧パラメータをハードディスク13に記録して、EEPROM6から削除する。
【0094】
S3においては、これから用いるインタフェースについての通信パラメータ(新パラメータ)を、例えばハードディスク13から読出して、EEPROM6に記憶して、S4に進む。また、ハードディスク13に、これから用いるインタフェースについての通信パラメータが格納されていない場合には、例えば操作パネル2にその旨を表示して、その通信パラメータについての設定を行うようにしてもよい。また、例えば、ある通信インタフェースをデジタル複合機1にて初めて用いる場合には、そのための設定が必要となる。この場合に、これから用いるインタフェースについてのデフォルト設定がハードディスク13に格納されているならば、これをEEPROM6に記憶して、ユーザによって修正させてもよい。
【0095】
S4においては、用いるインタフェースの初期化を行い、処理を終了する。この初期化とは、インタフェースの変更の有無に関わらず、動作させるべきインタフェースの初期的処理を意味し、例えば、インタフェース内のレジスタに既定の初期値を設定することに相当する。
【0096】
ここで、例えば図2に示す状態から図3に示す状態へと変化する場合には、上述の手順は以下のように実行される。
【0097】
まず、図2に示すように、デジタル複合機1のEEPROM6はパラメータA(P−A)を記憶している。ここで、図3に示すように、I/F−B14にインタフェースカードが挿入される。電源投入後のS1においては、CPU7は、インタフェースカードの挿入を検出して、これから用いるインタフェースをI/F−B14であると判別する。また、EEPROM6を参照して、使用可能であったインタフェースをI/F−A5であると判別する。したがって、インタフェースの変更があると判断してS2に進む。
【0098】
S2においては、CPU7は、I/F−A5についての通信パラメータ(旧パラメータ)であるパラメータA(P−A)を、EEPROM6からハードディスク13へと移動する。S3においては、CPU7は、I/F−B14についての通信パラメータであるパラメータB(P−B)を、ハードディスク13から読み出してEEPROM6に記憶する。S4において、CPU7は、I/F−B14の初期化を行う。
【0099】
このように、デジタル複合機1は、スロットI/F−B14へのインタフェースカードの挿入を検出すると、EEPROM6のパラメータA(P−A)をハードディスク13に移動して保存するとともに、ハードディスク13のパラメータB(P−B)をEEPROM6に記憶する。したがって、ハードディスク13に保存されているパラメータBを用いるので、パラメータの再設定が不要となる。また、EEPROM6は、パラメータA(P−A)を削除してパラメータB(P−B)を記憶するので、記憶に必要な領域はそれほど増加しない。
【0100】
次に、図3に示す状態から図2に示す状態へと変化する場合について説明する。
【0101】
まず、図3に示すように、デジタル複合機1のEEPROM6はパラメータB(P−B)を記憶している。ここで、図2に示すように、I/F−B14からインタフェースカードが取り外される。電源投入後のS1においては、CPU7は、インタフェースカードの取り外しを検出して、これから用いるインタフェースをI/F−A5であると判別する。また、EEPROM6を参照して、使用可能であったインタフェースをI/F−B14であると判別する。したがって、インタフェースの変更があると判断してS2に進む。
【0102】
S2においては、CPU7は、I/F−B14についての通信パラメータ(旧パラメータ)であるパラメータB(P−B)を、EEPROM6からハードディスク13へと移動する。S3においては、CPU7は、I/F−A5についての通信パラメータであるパラメータA(P−A)を、ハードディスク13から読み出してEEPROM6に記憶する。S4において、CPU7は、I/F−A5の初期化を行う。
【0103】
このように、デジタル複合機1は、スロットI/F−B14からのインタフェースカードの取り外しを検出すると、EEPROM6のパラメータB(P−B)をハードディスク13に移動して保存するとともに、ハードディスク13のパラメータA(P−A)をEEPROM6に記憶する。このように、ハードディスク13に保存されているパラメータBを用いるので、パラメータの再設定が不要となる。また、EEPROM6は、パラメータB(P−B)を削除してパラメータA(P−A)を記憶するので、記憶領域はそれほど増加しない。
【0104】
〔実施例1〕
次に、より詳細な実施例として、上述したデジタル複合機1において、インタフェースとしてEthernet(登録商標)のインタフェースとWireless通信のインタフェースとを排他的に用いる場合について説明する。
【0105】
この実施例においては、デジタル複合機1は、操作パネル2、複合機エンジン3および制御部4aを備え、制御部4aにEthernet(登録商標)I/F5a、EEPROM6a、CPU7a、ROM8a、RAM9a、エンジンI/F10a、タイマ11a、RTC12a、ハードディスク13aおよびWireless I/F14aが含まれるものとする。各部材5a〜14aは、上述の実施の形態における部材5〜14にそれぞれ相当するものであり、構成、動作についても上述の実施の形態とほぼ同様である。
【0106】
例えば、図5に示すように、デジタル複合機1がEthernet(登録商標)I/F5aを用いる場合には、EEPROM6aはEthernet(登録商標)の通信パラメータ(Ethernet(登録商標)パラメータ)(通信パラメータ)P−aを記憶する。また、使用不可であるWireless I/F14aは点線にて示している。Wireless I/F14aのパラメータであるWireless パラメータ(通信パラメータ)P−bは、ハードディスク13aに格納する。
【0107】
また、例えば、図6に示すように、デジタル複合機1がWireless I/F14aを用いる場合には、EEPROM6aはWirelessの通信パラメータ(Wirelessパラメータ)P−bを記憶する。また、使用不可であるEthernet(登録商標)I/F5aは点線にて示している。Ethernet(登録商標)I/F5aのパラメータであるEthernet(登録商標)パラメータP−aは、ハードディスク13aに格納する。
【0108】
ここで、インタフェース用のパラメータであるEthernet(登録商標)パラメータP−a、Wireless パラメータP−bの構成について、図7、8に基づいて説明する。
【0109】
本実施形態のEthernet(登録商標)パラメータP−aは、図7に示すように、I/F(インタフェース)ID(識別子), IP Address, Subnet Mask, Gateway Addressに加えて、Ethernet(登録商標)Speed, Ethernet(登録商標)Duplex Modeなどの各項目を含んでいる。本実施形態のEthernet(登録商標)パラメータP−aは、256Byteのデータである。
【0110】
I/F IDは、インタフェースを区別するための識別子である。例えば、インタフェースカード(オプションカード)自体の固有のIDであり、本実施例において、I/F IDは、有線(Ethernet(登録商標))かワイヤレス(Wireless)かを区別するために用いる識別子である。本実施形態のデジタル複合機1は、例えば使用するインタフェースの変更の有無を判別する際には、スロットに対するインタフェース装置の着脱だけでなく、このI/F IDを用いて判別することもできる。この点については後述する。
【0111】
IP Addressは、Ethernet(登録商標)のIP(Internet Protocol)において、送信元、送信先を指定するためのアドレスである。Subnet Mask(サブネットマスク)は、ブロードキャストデータが伝達される範囲であるサブネットを指定するためのサブネットアドレスを判別する際に用いられる情報である。Gateway Addressは、異なるサブネットへデータを伝達するための例えばルータなどのIP Addressである。Ethernet(登録商標) Speedは、例えば10Mbps,100Mbpsといったデータの伝達速度である。Ethernet(登録商標)Duplex Modeは、通信を全二重で行うか、半二重で行うかを指定するためのものである。
【0112】
また、本実施形態のWireless パラメータP−bは、図8に示すように、I/F(インタフェース)ID, IP Address, Subnet Mask, Gateway Addressに加えて、Wireless Mode, SSID(Service Set ID), Wireless Channel, WEP(Wired Equivalent Privacy) Encryption, WEP Key Valueなどの各項目を含んでいる。本実施形態のWireless パラメータP−bは、384Byteのデータである。
【0113】
I/F ID, IP Address, Subnet Mask, Gateway Addressの各項目については、Ethernet(登録商標)パラメータと同様である。これに加えて、無線端末としてのデジタル複合機1を指定するために、Wireless パラメータP−bは以下のような項目を含んでいる。
【0114】
Wireless Modeは、ワイヤレス通信を行う際の通信形態を指定するものであり、例えばInfrastructureかまたはAdhocかを指定する。Infrastructureは、有線LANにて接続されたホスト同士と、無線端末との間でワイヤレス通信を行う場合に指定する。Adhocは、無線端末同士でワイヤレス通信を行う場合に指定する。本実施例においては、例えば図1に示すようにInfrastructureが指定される。
【0115】
SSIDは、無線端末をグループ化するためのIDである。例えばアクセスポイントが複数ある場合であっても、このIDを用いてグループ間の混信を防ぐことができる。IDの内容としては、例えば無線端末とアクセスポイントとで、同じ文字列を指定する。これによってグループ化できる。なお、無線端末側でのSSIDを、例えば空欄や「ANY」との指定にすると、全てのSSIDで通信が可能となる。したがって、SSIDを、空欄や「ANY」に指定して、ネットワークに接続するようにしてもよい。
【0116】
Wireless Channelは、通信に用いる周波数を指定するためのものである。WEP Encryptionは、無線通信において暗号化を行うか否かを指定するフラグである。また、WEP Key Valueは、暗号化のキーを指定するものである。なお、WEP(WiredEquivalent Privacy)とは、無線通信における暗号化技術である。無線通信は傍受が極めて容易であるため、送信されるパケットを暗号化して傍受者に内容を知られないようにすることによって、安全性を確保しようとするものである。RC4アルゴリズムを用いる秘密鍵暗号化方式であり、IEEEによって標準化され、IEEE802.11bのセキュリティシステムとして採用されている。
【0117】
次に、上述の構成のデジタル複合機1における、インタフェースを設定する手順について、図9に基づいて説明する。
【0118】
電源投入後に、S11において、EEPROM6aに記憶されている通信パラメータのI/F IDの内容を確認する。I/F IDがEthernet(登録商標)のIDである場合にはS12に進み、I/F IDがWirelessのIDである場合にはS18に進む。
【0119】
S12においては、Wireless I/F14aに装着されているインタフェースカードから、通信インタフェースを特定するための識別子を読取る。読取った識別子がWireless パラメータP−bのI/F IDである場合にはS14に進む。また、読取った識別子がWireless パラメータP−bのI/F IDでない場合、またはWireless I/F14aにインタフェースカードが装着されていない場合には、S13に進む。
【0120】
このように、S12においてWireless I/F14aに装着されているインタフェースカードから読取った識別子を、S11にてEEPROM6aから読取った識別子(I/F ID)と比較する。すなわち、S11における識別子とS12における識別子とが同じである場合には、用いていた通信インタフェースとこれから用いる通信インタフェースとが同じであるとしてS13に進む。S11における識別子とS12における識別子とが同じでない場合には、用いていた通信インタフェースとこれから用いる通信インタフェースとが異なるとしてS14に進む。
【0121】
S13においては、Ethernet(登録商標)I/F5aを用いるものとして、Ethernet(登録商標)I/F5aの初期化を行い、処理を終了する。
【0122】
一方、S14においては、Wireless I/F14aを用いるものとして、操作パネル2に通信インタフェースを変更する旨の表示を行う。例えば、図10(a)に示すように、「Ethernet(登録商標)」の通信インタフェースから「Wireless」の通信インタフェースへと変更する旨を操作パネル2に表示して、ユーザに通知する。
【0123】
S15においては、EEPROM6aに記憶しているEthernet(登録商標)パラメータP−aを、ハードディスク13aに移動する。S16においては、ハードディスク13aに保存しているWirelessパラメータP−bを読み出して、EEPROM6aに記憶する。S17においては、Wireless I/F14aの初期化を行い、処理を終了する。なお、S14における変更する旨の表示は、例えばS15、S16、S17のいずれかの後に行うようにしてもよい。
【0124】
一方、S11においてI/F IDがWirelessのIDであると判別された場合のS18では、Wireless I/F14aに装着されているインタフェースカードから、通信インタフェースを特定するための識別子を読取る。読取った識別子がWireless パラメータP−bのI/F IDである場合にはS19に進む。また、読取った識別子がWireless パラメータP−bのI/F IDでない場合、またはWireless I/F14aにインタフェースカードが装着されていない場合には、S20に進む。
【0125】
このように、S18においてWireless I/F14aに装着されているインタフェースカードから読取った識別子を、S11にてEEPROM6aから読取った識別子(I/F ID)と比較する。すなわち、S11における識別子とS18における識別子とが同じである場合には、用いていた通信インタフェースとこれから用いる通信インタフェースとが同じであるとしてS19に進む。S11における識別子とS18における識別子とが同じでない場合には、用いていた通信インタフェースとこれから用いる通信インタフェースとが異なるとしてS20に進む。
【0126】
S19においては、Wireless I/F14aを用いるものとして、Wireless I/F14aの初期化を行い、処理を終了する。
【0127】
一方、S20においては、Ethernet(登録商標)I/F5aを用いるものとして、操作パネル2に通信インタフェースを変更する旨の表示を行い、S21に進む。例えば、図10(b)に示すように、「Wireless」の通信インタフェースから「Ethernet(登録商標)」の通信インタフェースへと変更する旨を操作パネル2に表示して、ユーザに通知する。
【0128】
S21においては、EEPROM6aに記憶しているWirelessパラメータP−bを、ハードディスク13aに移動する。S22においては、ハードディスク13aに保存しているEthernet(登録商標)パラメータP−aを読み出して、EEPROM6aに記憶する。S23においては、Ethernet(登録商標)I/F5aの初期化を行い、処理を終了する。なお、S20における変更する旨の表示は、例えばS21、S22、S23のいずれかの後に行うようにしてもよい。
【0129】
このように、デジタル複合機1は、S11とS12、またはS11とS18において、EEPROM6aに記憶している通信パラメータのI/F ID(識別子)と、インタフェース装置から読取った識別子とを比較することによって、インタフェースの変更を判別する構成であってもよい。このようにすれば、例えば一つのスロットに複数のインタフェース装置のいずれかが装着可能な場合であっても、識別子を用いて確実に判別できる。
【0130】
〔実施例2〕
上述の実施例1にて説明したデジタル複合機1は、図9を参照して説明したインタフェースの設定動作でなく、以下に説明する手順によってインタフェースの設定を行ってもよい。すなわち、デジタル複合機1に備えているスロットを、予め指定した優先順位に応じて検査して、インタフェース装置の着脱を判別するようにしてもよい。
【0131】
ここで、本実施例にて説明するデジタル複合機1は、上述のようにEthernet(登録商標)I/F5aとWireless I/F14aとの二つのコネクタ(インタフェース)を備えており、Ethernet(登録商標)I/F5aを標準のインタフェースとして用いる一方で、オプションのインタフェースであるWireless I/F14aにインタフェースカード(インタフェース装置)が挿入されている場合にはWireless I/F14aを優先して用いる。この場合には、Wireless I/F14aの方がEthernet(登録商標)I/F5aよりも優先順位が上となっている。また、Ethernet(登録商標)I/F5aには、上述のように、常に有線LAN15からのインタフェース装置が接続されているものとする。また、各インタフェース装置には、インタフェースを識別するための識別子が記憶されているものとする。
【0132】
まず、デジタル複合機1の電源の投入後には、図11に示すように、S24にてインタフェースのための各スロットのチェックを行う。これは、例えば各スロットにインタフェースカードが挿入されているか否かのチェックである。
【0133】
ここで、本実施例においては、スロットごとに指定された優先順位に応じて、優先順位の高い順にスロットをチェックして、インタフェースカードの装着されている、最も優先順位の高いスロットを判別する。
【0134】
S24の次のS25においては、インタフェースカードが挿入されているスロットのうち、最も優先順位が高いスロットに装着されているインタフェースカードの識別子を読取り、S26に進む。また、CPU7は、インタフェースカードが挿入されているスロットのうち、最も優先順位が高いスロットを通信に用いるように設定する。
【0135】
なお、インタフェース装置が実装されて脱着不可である実装コネクタがデジタル複合機1に備えられ、全てのスロットにインタフェース装置が装着されていないときには、このS25において、実装コネクタのインタフェース装置から識別子を読取ってもよい。すなわち、実装コネクタの優先順位を、各スロットよりも低く設定してもよい。このとき、CPU7は、実装コネクタを通信に用いるように設定する。
【0136】
S26においては、EEPROM6aに記憶している通信パラメータのI/F IDを読取り、S25にて読取った識別子と比較して、識別子の変化があるか否かを判別する。識別子の変化がある場合にはS27に進み、識別子の変化がない場合にはS30に進む。
【0137】
S27においては、S25にて読取った識別子の通信インタフェースが、デジタル複合機1にて対応が可能な通信インタフェースであるか否か、すなわちサポートされている通信インタフェースであるか否かを判別する。対応が可能である場合にはS28に進み、対応が不可能である場合にはS30に進む。例えば、ハードディスク13aに、その通信インタフェースのための通信パラメータが保存されているか、またはその通信インタフェースのための通信パラメータのデフォルト設定が保存されているか、のいずれかの場合には、対応が可能であると判別してもよい。
【0138】
S28においてはEEPROM6aに記憶している通信パラメータを、ハードディスク13aに移動する。S29においてはハードディスク13aに保存していた通信パラメータをEEPROM6aに記憶して、S30に進む。
【0139】
S30においては、使用するコネクタの通信インタフェースを用いるために、このコネクタを初期化して、処理を終了する。
【0140】
このように、本実施例のデジタル複合機1は、優先順位に応じてスロットを検査して、インタフェース装置の着脱を判別する構成である。すなわち、優先順位の高いWireless I/F14aを検査して、このスロットにインタフェースカードが装着されている場合にはこのスロットを用いるように通信パラメータを設定し、またこのスロットにインタフェースカードが装着されていない場合にはこのスロットではなくEthernet(登録商標)I/F5aを用いるように通信パラメータを設定する。したがって、優先順位の高いスロットへのインタフェースカードの着脱に応じて、通信インタフェースを簡単に切り替えることができる。
【0141】
なお、上述の実施の形態、実施例においては、電源の投入後に、使用するインタフェースの判別を行う場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。その他の所望のタイミングにて、使用するインタフェースの判別を行ってもよく、例えばユーザの指示に応じて所望のタイミングで判別するようにしてもよい。
【0142】
また、記録媒体としてはハードディスクに限るものではなく、例えばフロッピディスク、(書き込み可能な)光ディスク、光磁気ディスクなどであってもよい。ただし、ハードディスクであれば、高速アクセスが可能である。
【0143】
ここで、通常、記憶素子としてのEEPROMの容量は非常に小さいものである。このため、従来の技術においては、各インタフェースについてのパラメータをEEPROMに全て記憶することができずに、消去するようになっていた。
【0144】
一方、本実施形態においては、容量の小さいEEPROMと、さらに記録媒体としてのハードディスクとを組み合わせることによって、各インタフェースについてのパラメータをデジタル複合機1中に保持する。これによって、パラメータの再設定を不要にできる。
【0145】
また、本実施形態のデジタル複合機1は、各スロットに優先順位をつけることによって、使用するスロットを特定する構成であってもよいし、またはスロットに着脱するインタフェース装置の識別子を用いて、使用する通信インタフェースを特定する構成であってもよい。いずれの構成であっても、所望のスロットに所望のインタフェース装置を装着すると、デジタル複合機1がそれを判別して、所定の通信パラメータを設定する。以前に設定した通信パラメータがハードディスク13・13aに記録されている場合には、その通信パラメータをEEPROM6aに記憶する。したがって、再設定を不要にして、ユーザにとって使用し易い、使用性を向上させたデジタル複合機1を提供できる。
【0146】
また、以上のように、本発明は、プリンタ等の画像形成装置(デジタル複合機)におけるインタフェース用設定に関するものである。また、複数インタフェースを排他使用する通信装置に関するものである。
【0147】
上述のように、複数のインタフェースを具備可能にしつつ、動作上一つのインタフェースのみを任意に使用可能とする排他的使用制限のあるデジタル複合機において、動作インタフェースを別のインタフェースに変更した場合、不揮発性の半導体メモリ(Flash/EEPROMなど)に保持する動作設定パラメータの中で、変更前「旧 インタフェース」用設定パラメータを大容量記録装置(ハードディスクなど)に保存し、空いた領域を「新 インタフェース」用設定パラメータに使用する。さらに、動作インタフェースを「旧」に戻す際には、ハードディスクに保管しておいたパラメータをEEPROMに復帰させ利用する。
【0148】
また、上述の構成は、見方を変えればコンピュータとも言えるデジタル複合機の、ある視点では拡張ボードとも言える複数インタフェースに関するものであり、その設定に関する自動化を目的とするものである、と表現することもできる。
【0149】
ここで、従来の特開平6−282486号公報は、コンピュータの拡張ボードに関するものである。上記公報においては、コンピュータからの拡張ボードへのアクセスに関する設定の自動化について述べられている。しかしながら、拡張ボードがインタフェースに限定されるものではないため、拡張ボード自身の機能や動作に関わる設定の自動化については述べられていない。
【0150】
一方、上述のように、本発明に係るデジタル複合機1においては、上記公報における拡張ボードをインタフェースに限定している。また、インタフェースへの限定に伴い、インタフェースの機能や動作に関する設定について自動化し、使用性を向上させている。また、上述のように、記憶素子としてのEEPROMを節約して効率良く使用しつつ、操作性も向上する方式を実現した。
【0151】
本発明は上述した実施形態、実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態、実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0152】
上述の具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0153】
【発明の効果】
本発明に係る通信装置は、以上のように、通信パラメータを保存するための記録媒体と、スロットへのインタフェース装置の着脱を検出する検出部と、上記検出部によって装着が検出された上記インタフェース装置による第1の通信インタフェースと記憶素子に記憶している上記通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースとが異なるときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、さらに上記記録媒体に第1の通信インタフェースのための上記通信パラメータを保存しているときにはこの通信パラメータを上記記憶素子に記憶するパラメータ制御部と、を備えている構成である。
【0154】
それゆえ、記録媒体に保存されていた通信パラメータ(第1の通信インタフェースの通信パラメータ)を用いるので、例えばユーザがこの通信パラメータを設定する必要はなく、再入力、再設定を不要として、操作性を向上できるという効果を奏する。
【0155】
本発明に係る通信装置は、以上のように、上記構成において、上記パラメータ制御部は、上記検出部によって上記インタフェース装置の取り外しが検出されたときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、上記記録媒体に保存している上記通信パラメータのいずれかを上記記憶素子に記憶する構成である。
【0156】
それゆえ、記録媒体に保存されていた通信パラメータを用いるので、例えばユーザがこの通信パラメータを設定する必要はなく、再入力、再設定を不要として、操作性を向上できるという効果を奏する。
【0157】
本発明に係る通信装置は、以上のように、上記構成において、上記検出部は、上記スロットを予め指定した優先順位に応じて検査して、上記インタフェース装置の着脱を判別する構成である。
【0158】
それゆえ、優先順位の高い通信パラメータを、必要に応じて記憶素子に記憶し、または記憶素子から消去して、優先順位に応じた通信インタフェースの選択が可能となるという効果を奏する。
【0159】
本発明に係る通信装置は、以上のように、上記構成において、上記パラメータ制御部は、上記検出部が上記インタフェース装置から読取った識別のための識別子と、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータに含まれる識別子とを比較することによって、上記インタフェース装置による上記通信インタフェースと上記記憶素子の上記通信パラメータのための上記通信インタフェースとが異なるか否かを判別する構成である。
【0160】
それゆえ、インタフェース装置から識別子を読取って判別を行うので、例えば一つのスロットに複数種類のインタフェース装置のいずれかが装着可能であっても、判別を確実にできるという効果を奏する。
【0161】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、画像データの印刷および画像データの読取を行う画像形成部と、上述のいずれかの通信装置とを備え、上記通信装置が、画像形成装置本体の外部と上記画像形成部との間で通信を行う構成である。
【0162】
それゆえ、通信装置は使用性を向上させた通信装置であるので、使用性を向上させた画像形成装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態の概略を示すブロック図である。
【図2】上記画像形成装置の一部を示す概略のブロック図である。
【図3】図2とは異なる状態の上記画像形成装置の一部を示す概略のブロック図である。
【図4】上記画像形成装置における、インタフェースの変更の手順を示すフローチャートである。
【図5】上記画像形成装置の一実施例の一部を示す概略のブロック図である。
【図6】図5とは異なる状態の、上記画像形成装置の一部を示す概略のブロック図である。
【図7】上記画像形成装置にて用いる通信パラメータの一例の概略を示す図である。
【図8】上記画像形成装置にて用いる通信パラメータの他の一例の概略を示す図である。
【図9】上記画像形成装置の一実施例における、インタフェースの変更の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図10】(a)は上記画像形成装置の表示画面の一例を示す平面図であり、(b)は上記画像形成装置の表示画面の他の一例を示す平面図である。
【図11】上記画像形成装置の他の一実施例における、インタフェースの変更の手順を示すフローチャートである。
【図12】従来の画像形成装置における、インタフェースの変更の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタル複合機(画像形成装置)
2 操作パネル
3 複合機エンジン(画像形成部)
4、4a 制御部(通信装置)
5 I/F−A(スロット、コネクタ、通信インタフェース)
5a Ethernet(登録商標)I/F(スロット、コネクタ、通信インタフェース)
6、6a EEPROM(記憶素子)
7、7a CPU(通信制御部、検出部、パラメータ制御部)
13、13a ハードディスク(記録媒体)
14 I/F−B(スロット、コネクタ、通信インタフェース)
14a Wireless I/F(スロット、コネクタ、通信インタフェース)
P−A パラメータA(通信パラメータ)
P−B パラメータB(通信パラメータ)
P−a Ethernet(登録商標)パラメータ(通信パラメータ)
P−b Wirelessパラメータ(通信パラメータ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の通信インタフェースを装備可能な通信装置および画像形成装置に関するものであり、より詳細には、例えば複数の通信インタフェースを装備可能なデジタル複合機のような通信装置および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の通信インタフェースを装備可能な通信装置において、その通信インタフェースを排他的に用いる通信装置が知られている。ここで、複数の通信インタフェースを装備可能であるとは、コネクタを複数有していることを意味する。また、コネクタは、例えばインタフェースカード、インタフェース用制御基板などのインタフェース装置が着脱可能なスロットと、インタフェース装置が例えばハンダ付けによって実装され、脱着不可である内蔵インタフェース(実装コネクタ)と、を含むものとする。コネクタは、インタフェース装置が装着されると、通信インタフェースとして機能する。
【0003】
例えば、拡張ボード(インタフェース)自身の機能や動作に関する設定に視点を置いた、複数インタフェースを排他使用する構成の複合機(画像形成装置)がある。このような例においては、各インタフェースの利用環境から同時利用する利点がないため、複数同時に処理できない構造として、共通の通信処理部分を簡素化することが望ましいとされる。このため、通信インタフェースを一つしか動作させない排他的利用制限が設けられる。
【0004】
ここで、共通の通信処理部分として、例えば通信インタフェースのための通信パラメータを記憶する記憶素子を挙げることができる。上記通信装置が通信を行う際には、記憶素子に記憶している通信パラメータを参照して通信を行う。この記憶素子とは例えばEEPROM(Electrical Erasable Programmable Read Only Memory)である。また、通信パラメータとは、例えば通信インタフェースがEthernet(登録商標)のLAN(Local Area Network)である場合には、IPアドレス、サブネットマスクなどを含むものである。上記構成によれば通信インタフェースを一つしか動作させないので、例えばその通信インタフェースのための通信パラメータのみを記憶素子に記憶すればよい。
【0005】
この複合機における、排他的に用いる通信インタフェースを別の通信インタフェースに変更する手順について説明する。ここでは、電源の投入後に通信インタフェースの変更の有無を判別する場合について説明する。
【0006】
例えば、図12に示すように、S31において通信インタフェースの変更の有無を判別する。この通信インタフェースの変更の有無は、例えば複合機の備えているスロットにインタフェース装置が装着されているか否かを判別することによって行ってもよい。S31にて、用いる通信インタフェースの変更がある場合にはS32に進み、変更がない場合にはS34に進む。
【0007】
S32においては、記憶素子に記憶されている、以前(電源切断前)に用いていたパラメータを廃棄(消去)して、S33に進む。S33においては、新たに用いる通信インタフェースの通信パラメータの設定を行い、S34に進む。
【0008】
ここで、従来の複合機においては、S33の設定において、ユーザが通信パラメータの各項目を新たに手で入力していた。または、複合機には通信パラメータの既定のデフォルト(default)値が設定され、ユーザがその各項目を修正するようになっていた。S34においては、新たに用いる通信インタフェースの初期化を行い、処理を終了する。
【0009】
なお、例えば日本国の公開特許公報「特開平6−282486号公報(公開日:1994年10月7日)」には、コンピュータに拡張ボードを挿入する際の共有メモリアドレス空間設定の自動化を目的とした、共有メモリのアドレス設定方法が記載されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−282486号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成においては、通信装置の利便性が非常に悪いという問題がある。
【0012】
すなわち、通信インタフェースの変更に応じて通信パラメータを変更する場合に、例えばその通信インタフェースのために以前に設定した通信パラメータがあるときには、その内容をそのまま設定するか、またはその内容を参照して修正することが一般的である。
【0013】
このため、例えば事前の第1のインタフェースでの動作中に、この通信パラメータを印刷してから、第2のインタフェースに変更する。第1のインタフェースの通信パラメータは保管しておき、後に第1のインタフェースに復旧する際に用いる。すなわち、過去に印刷・保管していたパラメータ印刷結果を利用して、操作パネル等への操作を行って設定をする。このように、設定の際には再びユーザが入力する必要があり、非常に利便性が悪い。
【0014】
また、例えば印刷し、保管していた印刷結果を紛失する虞れもある。この場合には、試行錯誤してパラメータを設定することとなり、裏付けなくパラメータを設定して実環境に合致しない場合も多くなる。また、試行錯誤を繰り返すため、さらなる利便性低下を招くことになる。
【0015】
なお、複数の通信インタフェースの通信パラメータ全てを記憶素子に保持するには、記憶素子の容量的制約・コストなどの問題が伴う。すなわち、全てのパラメータを記憶する容量に加えて、記憶素子は通信装置、複合機の動作制御上で必要な他の様々なデータを記憶する必要がある。このため、容量的制約・コストなどから、パラメータ全てを記憶素子に保持するのは、非常に困難、かつ非現実的である。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性、使用性を向上させた通信装置および画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る通信装置は、上記課題を解決するために、インタフェース装置が装着されることによって通信インタフェースとして機能するスロットを含むコネクタと、上記通信インタフェースのための通信パラメータを記憶する記憶素子と、上記コネクタのうちのいずれか一つを用いて、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを参照して通信を行う通信制御部とを備える通信装置において、上記通信パラメータを保存するための記録媒体と、上記スロットへの上記インタフェース装置の着脱を検出する検出部と、上記検出部によって装着が検出された上記インタフェース装置による第1の通信インタフェースと上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースとが異なるときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、さらに上記記録媒体に第1の通信インタフェースのための上記通信パラメータを保存しているときにはこの通信パラメータを上記記憶素子に記憶するパラメータ制御部と、を備えていることを特徴としている。
【0018】
ここで、インタフェース装置とは、例えばインタフェースカード、インタフェース用制御基板である。コネクタは、インタフェース装置が着脱可能なスロットと、インタフェース装置が例えばハンダ付けによって実装され、脱着不可である内蔵インタフェース(実装コネクタ)と、を含むものとする。より詳細には、上記通信装置のコネクタには、少なくとも一つのスロットが含まれる。上記通信装置は、実装コネクタを備えていなくてもよい。コネクタは、インタフェース装置が装着されると、このインタフェース装置に応じた通信インタフェースとして機能する。
【0019】
通信装置は、通信インタフェースのために設定される所定の通信パラメータを参照して、通信を行う。この通信パラメータとは、例えば通信インタフェースがEthernet(登録商標)のLAN(Local Area Network)である場合には、IPアドレス、サブネットマスクなどを含むパラメータである。
【0020】
上記通信装置は、通信インタフェースのための通信パラメータを記憶する記憶素子を備えている。ここで、記憶素子とはいわゆるメモリである。メモリは、例えばCPU(Central Processing Unit)からアドレスを指定してアクセスすることのできる素子である。この記憶素子を用いるCPUのような演算装置からは、記憶素子に対して、演算装置自身の記憶領域と同様にアクセスでき、例えばファイルシステムを介してアクセスする必要がない。また、この記憶素子は、不揮発性の記憶素子であることが好ましい。また、この記憶素子は、インタフェース装置が装着されているコネクタによる通信インタフェースのための通信パラメータを記憶するものであってもよい。インタフェース装置が装着されているコネクタとは、上述の実装コネクタとインタフェース装置が装着されているスロットとに相当する。
【0021】
また、記憶素子は、インタフェース装置が装着されているコネクタのうちのいずれか一つのための通信パラメータのみを記憶する構成であってもよい。この場合には、上記通信装置を、以下のように表現することもできる。すなわち、インタフェース装置が装着されることによって通信インタフェースとして機能するスロットを含むコネクタと、上記コネクタのうちのいずれか一つによる上記通信インタフェースのための通信パラメータを記憶する記憶素子と、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを参照して上記通信パラメータによる上記通信インタフェースにて通信を行う通信制御部とを備える通信装置において、上記通信パラメータを保存するための記録媒体と、上記スロットへの上記インタフェース装置の着脱を検出する検出部と、上記検出部によって装着が検出された上記インタフェース装置による第1の通信インタフェースと上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースとが異なるときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、さらに上記記録媒体に第1の通信インタフェースのための上記通信パラメータが記録されているときにはこの通信パラメータを上記記憶素子に記憶するパラメータ制御部と、を備えている構成である、と表現することもできる。
【0022】
上記通信装置の通信制御部は、インタフェース装置が装着されているコネクタのうちのいずれか一つを用いて、かつ、記憶素子に記憶している通信パラメータを参照して、通信を行う。すなわち、記憶素子には、インタフェース装置が装着されているコネクタによる通信インタフェースのうちのいくつかの通信パラメータが記憶されている。このように、記憶素子に記憶する通信パラメータは、一つのみであってもよいし、複数であってもよい。通信制御部は、そのうちの一つの通信パラメータを参照し、かつその通信パラメータの通信インタフェースとなるコネクタを用いて通信を行う。すなわち、上記通信装置は排他的に通信インタフェースを用いる通信装置である。例えば、記憶素子に一つのみの通信パラメータを記憶する構成の場合には、通信制御部は、その一つのみの通信パラメータを参照し、かつその通信パラメータの通信インタフェースとなるコネクタを用いて通信を行う。
【0023】
なお、通信制御部がコネクタのうちのいずれか一つを選択する方法は、どのようなものであってもよく、例えばコネクタに優先順位をつけておき、最も優先順位の高いものを用いるようにしてもよい。すなわち、優先順位に応じて検出部にて各スロットを検出し、始めに装着が確認されたスロットを用いるようにしてもよい。また、インタフェース装置が全てのスロットに装着されていないときに、実装コネクタを用いるようにしてもよい。または、通信装置の表示パネルに選択可能なコネクタまたは選択可能な通信インタフェースなどを表示して、ユーザによる選択を検出するようにしてもよい。
【0024】
また、上記通信装置は、通信パラメータを保存するための記録媒体を備えている。この記録媒体には、例えば以前に設定した通信パラメータを保存することができる。この記録媒体は、例えばCPUからファイルシステムを介してアクセスするような媒体である。
【0025】
上記通信装置の検出部が、スロットへのインタフェース装置の装着を検出すると、通信装置のパラメータ制御部は以下のような動作を行う。
【0026】
すなわち、装着されたスロットによる通信インタフェース(第1の通信インタフェース)と、今まで用いていた通信インタフェースであって、記憶素子に記憶している通信パラメータを用いる通信インタフェース(第2の通信インタフェース)とが、同じであるか否かを判別する。
【0027】
例えば記憶素子に、排他的に用いるスロットによる通信インタフェースのための通信パラメータのみを記憶する場合には、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが同じであるか否かを判別する。また、記憶素子に複数の通信インタフェースのための通信パラメータを記憶できるときには、記憶素子に記憶している通信パラメータのなかに、第1の通信インタフェースの通信パラメータが含まれているか否かを判別する。含まれている場合には、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが同じであると判別し、含まれていない場合には異なると判別する。
【0028】
または、上記通信装置のパラメータ制御部が、検出部によって装着が検出されたインタフェース装置による第1の通信インタフェースが、記憶素子に記憶している通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースに含まれていないときに、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが異なると判別する構成である、と表現することもできる。
【0029】
そして、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが異なるときには、記憶素子に記憶している通信パラメータ(第2の通信インタフェースの通信パラメータ)を記録媒体に移動して保存する。すなわち、通信パラメータを記録媒体に記録するとともに記憶素子から消去する。また、記録媒体に、第1の通信インタフェースの通信パラメータが保存されているときには、この通信パラメータを読み出して、記憶素子に記憶する。
【0030】
したがって、記憶素子に、装着されたスロットによる通信インタフェースの通信パラメータが記憶されるので、通信制御部がこの装着されたスロットを選択して、このスロットを用いて通信できる。
【0031】
また、記憶素子からは第2の通信インタフェースの通信パラメータを消去して、第1の通信インタフェースの通信パラメータを記憶する。このため、記憶素子において、通信パラメータのための記憶領域をそれほど増加させない。したがって、記憶素子のメモリ領域を節約して、効率的に使用できる。また、記録媒体に比べて記録容量当たりの単価が通常高価である記憶素子を節約してコストを低減できる。
【0032】
また、記録媒体に保存されていた通信パラメータ(第1の通信インタフェースの通信パラメータ)を用いるので、例えばユーザがこの通信パラメータを設定する必要はない。すなわち、再入力、再設定を不要にできる。このように、使用する通信インタフェースを変更する際に、以前に設定した通信パラメータを復帰させて用いることができるので、操作性を向上できる。
【0033】
したがって、記憶素子を節約して効率よく使用しつつ、操作性を向上させた通信装置を提供できる。
【0034】
また、通信制御部が選択した通信インタフェースが用いられるので、ユーザに通信インタフェースの選択について不要に意識させることがなく、操作性を向上できる。例えば使用する通信インタフェースのメニューだけを操作パネル上に表示して、ユーザを混乱させることがない。
【0035】
なお、通信装置のパラメータ制御部は、例えば記憶素子に通信パラメータを記憶していない場合には、第1の通信インタフェースと第2の通信インタフェースとが異なると判別して、記録媒体に保存されている第1の通信インタフェースの通信パラメータを記憶素子に記憶する構成であってもよい。
【0036】
また、通信装置のパラメータ制御部は、例えば記録媒体に第1の通信インタフェースの通信パラメータが保存されていないときであっても、第1の通信インタフェースの通信パラメータを設定するためのデフォルト(default)パラメータが保存されているときには、このデフォルトパラメータを記憶素子に記憶する構成であってもよい。
【0037】
なお、上述の通信装置を、複数の通信インタフェースを装備可能で、かつその通信インタフェースを排他的に使用する通信装置において、新規通信インタフェースが装着された場合、旧通信インタフェース用のパラメータを記録媒体に保存し、新規通信インタフェース用のパラメータを(記録媒体から読み出し)記憶素子に作成する構成である、と表現することもできる。
【0038】
本発明に係る通信装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記パラメータ制御部は、上記検出部によって上記インタフェース装置の取り外しが検出されたときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、上記記録媒体に保存している上記通信パラメータのいずれかを上記記憶素子に記憶することを特徴としている。
【0039】
ここで、パラメータ制御部が、記録媒体に保存している通信パラメータのうちのいずれかを選択する方法は、どのようなものであってもよく、例えば通信パラメータまたは通信インタフェースに優先順位をつけておき、最も優先順位の高いものを用いるようにしてもよい。または、通信装置の表示パネルに選択可能な通信パラメータまたは選択可能な通信インタフェースなどを表示して、ユーザによる選択を検出するようにしてもよい。または、例えば、記録媒体に保存している通信パラメータの保存した日時を参照して、保存した日時が最も新しいものを選択するようにしてもよい。
【0040】
上記構成によれば、記憶素子から通信パラメータを消去して、新たに通信パラメータを記憶するので、記憶素子において、通信パラメータのための記憶領域をそれほど増加させない。したがって、記憶素子のメモリ領域を節約して、効率的に使用できる。また、記録媒体に比べて通常高価である記憶素子を節約してコストを低減できる。
【0041】
また、記録媒体に保存されていた通信パラメータを用いるので、例えばユーザがこの通信パラメータを設定する必要はない。すなわち、再入力、再設定を不要にできる。このように、使用する通信インタフェースを変更する際に、以前に設定した通信パラメータを復帰させて用いることができるので、操作性を向上できる。
【0042】
また、通信制御部が選択した通信インタフェースが用いられるので、ユーザに通信インタフェースの選択について不要に意識させることがなく、操作性を向上できる。例えば使用する通信インタフェースのメニューだけを操作パネル上に表示して、ユーザを混乱させることがない。
【0043】
なお、上述の通信装置を、上記構成において、新規通信インタフェースが外された場合、新規通信インタフェースのパラメータをHDD(ハードディスクドライブ)に保存し、旧通信インタフェースパラメータをHDDから読み出しEEPROMに作成する構成である、と表現することもできる。
【0044】
また、上述の通信装置の上記パラメータ制御部は、上記検出部によって上記インタフェース装置の取り外しが検出されたときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、上記インタフェース装置の装着されている上記コネクタによる、上記記録媒体に記録されている上記通信パラメータのいずれかを上記記憶素子に記憶する構成であってもよい。この構成であれば、確実にそのコネクタを用いて通信を行うことができる。
【0045】
本発明に係る通信装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記検出部は、上記スロットを予め指定した優先順位に応じて検査して、上記インタフェース装置の着脱を判別することを特徴としている。
【0046】
上記構成において、検出部が優先順位に応じてスロットを検査して、例えばインタフェース装置の装着を検出すると、上述のようにパラメータ制御部が、装着の検出されたスロットにおける通信インタフェースと記憶素子に記憶している通信パラメータを用いる通信インタフェースとが異なるか否かを判別する。異なる場合には、上述のように、パラメータ制御部は、記憶素子に記憶している通信パラメータを記録媒体に移動して保存するとともに、さらに記録媒体に記録されている通信インタフェースのための通信パラメータを記憶素子に記憶する。
【0047】
また、上記構成において、検出部が優先順位に応じてスロットを検査して、例えばインタフェース装置の取り外しを検出すると、上述のようにパラメータ制御部が、記憶素子に記憶している通信パラメータを記録媒体に移動して保存するとともに、記録媒体に記録されている通信パラメータのいずれかを記憶素子に記憶する。
【0048】
したがって、優先順位の高い通信パラメータを、必要に応じて記憶素子に記憶し、または記憶素子から消去できる。したがって、通信制御部によるスロットの選択、通信インタフェースの選択に、優先順位を反映させて、優先順位に応じた通信インタフェースの選択が可能となる。
【0049】
なお、上述の通信装置を、上記構成において、新規通信通信インタフェースとは、優先順位の高いスロットに装着された通信ボードである構成である、と表現することもできる。
【0050】
また、上記通信装置は、上記インタフェース装置が装着されて脱着不可となっている実装コネクタを含んでいるとともに、上記検出部が全ての上記スロットにおいて上記インタフェース装置は装着されていないと検出したときには、上記パラメータ制御部が上記実装コネクタの上記通信インタフェースを上記記憶素子に記憶する構成であってもよい。
【0051】
本発明に係る通信装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記パラメータ制御部は、上記検出部が上記インタフェース装置から読取った識別のための識別子と、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータに含まれる識別子とを比較することによって、上記インタフェース装置による上記通信インタフェースと上記記憶素子の上記通信パラメータのための上記通信インタフェースとが異なるか否かを判別することを特徴としている。
【0052】
ここで、例えば一つのスロットに、複数種類のインタフェース装置のいずれかが装着可能である場合もある。この場合には、スロットに対する装着の有無だけで、使用する通信インタフェースを判別することはできない。
【0053】
上記構成によれば、インタフェース装置から識別子を読取って、判別を行うので、例えば一つのスロットに複数のインタフェース装置が装着可能であっても、判別を確実にできる。
【0054】
また、この判別に応じて、必要がある場合には、上述のように記憶素子に記憶する通信パラメータを書き換えるので、所望の通信インタフェースでの通信が可能となる。
【0055】
このように、オプション通信インタフェースが一つだけでなく様々な種類の通信インタフェースが装着されることが考えられる。したがって、識別子で判別することによって、使用する通信インタフェースの通信パラメータだけを記憶素子に確実に記憶させて、記憶素子の記憶容量を節約できる。
【0056】
または、パラメータ制御部は、上記インタフェース装置から読取った識別子と、記録媒体に保存している通信パラメータに含まれる識別子とを比較する構成であってもよい。この構成によれば、装着されたインタフェース装置のための通信パラメータを、記録媒体に保存している通信パラメータと比較することが容易となる。
【0057】
なお、上述の通信装置を、上記構成において、新規通信インタフェースが装着された場合、新規通信インタフェースの識別子を読み込み、その識別子に適合した通信ボード用のパラメータを(HDDから読み出し)EEPROMに作成する構成である、と表現することもできる。
【0058】
また、上記通信装置は、上記検出部が、上記コネクタに含まれる、上記インタフェース装置が装着されて脱着不可の実装コネクタについても、上記インタフェース装置から識別のための識別子を読取る構成であってもよい。
【0059】
また、本発明に係る通信装置を、例えば以下のように表現することもできる。すなわち、インタフェース装置が装着されることによって通信インタフェースとして機能するスロットを含むコネクタと、上記スロットへの上記インタフェース装置の着脱を検出する検出部と、上記インタフェース装置が装着されている上記コネクタのうちのいずれか一つのための通信パラメータを記憶する記憶素子と、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを参照して通信を行う通信制御部とを備える通信装置において、上記通信パラメータを保存するための記録媒体と、上記検出部によって装着が検出された上記インタフェース装置による第1の通信インタフェースと上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースとが異なるときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、上記記録媒体に第1の通信インタフェースのための上記通信パラメータが記録されているときに、この通信パラメータを上記記憶素子に記憶するパラメータ制御部と、を備えている通信装置である、と表現することもできる。
【0060】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、画像データの印刷および画像データの読取を行う画像形成部と、上述のいずれかの通信装置とを備え、上記通信装置が、画像形成装置本体の外部と上記画像形成部との間で通信を行うことを特徴としている。
【0061】
上記構成の画像形成装置は、画像形成部において、画像データの印刷および画像データの読取を行う。画像形成装置は通信装置を備えており、この通信装置を介して、外部からの画像データを画像形成部へと送り、または画像形成部からの画像データを外部へと送る。すなわち、画像形成装置は、例えば外部からの画像データを画像形成部にて印刷し、また例えば画像形成部にて読取った画像データを外部へと送る。
【0062】
ここで、通信装置は使用性を向上させた通信装置であるので、使用性を向上させた画像形成装置を提供できる。
【0063】
また、この構成において、通信装置の記録媒体として、画像形成装置に備えられる画像メモリを用いても良い。この画像メモリとは、画像形成装置の画像形成部にて読取った画像データを記録するためのものである。また、印刷を行うために外部から入力された画像データをバッファするためのものでもある。画像メモリを記録媒体として用いるようにすれば、新たな記録媒体が不要となり、コストを低減できる。
【0064】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。
【0065】
本実施形態のデジタル複合機(画像形成装置)1は、図1に示すように、概略的に、操作パネル2、複合機エンジン(画像形成部)3および制御部(通信装置)4を含んでいる。
【0066】
デジタル複合機1は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能などを備えた複合機である。また、デジタル複合機1は、制御部4を介して他の装置とデータの送受信を行う通信装置として機能する。また、デジタル複合機1は、データの送受信のためのコネクタを複数備えている。
【0067】
コネクタは、例えばインタフェースカード、インタフェース用制御基板などのインタフェース装置が着脱可能なスロットと、インタフェース装置が例えばハンダ付けによって実装され、脱着不可である内蔵インタフェース(実装コネクタ)と、を含むものとする。コネクタは、インタフェース装置が装着されると、通信インタフェース(インタフェース)として機能する。
【0068】
デジタル複合機1は、データの送受信の際には、複数のインタフェースのうちのいずれか一つを排他的に用いるようになっている。
【0069】
本実施形態の操作パネル2は、デジタル複合機1に一体となった液晶のタッチパネルである。操作パネル2は、デジタル複合機1の操作を行うための操作部である。また、操作パネル2は、デジタル複合機1の動作状況を表示するための表示パネルでもある。
【0070】
複合機エンジン3は、デジタル複合機1における印刷動作を行うための画像形成部、画像読取動作を行うための画像読取部である。また、制御部4が複合機エンジン3を制御することによって、デジタル複合機1におけるプリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能などが実現される。
【0071】
制御部4は、デジタル複合機1の制御を行うためのものである。制御部4は、I/F−A(interface−A)(スロット、コネクタ、通信インタフェース)5、EEPROM(Electrical Erasable Programmable Read Only Memory)(記憶素子)6、CPU(Central Processing Unit)(通信制御部、検出部、パラメータ制御部)7、ROM(Read Only Memory)8、RAM(Random Access Memory)9、エンジンI/F(インタフェース)10、タイマ11、RTC(Real Time Clock)12、ハードディスク(ハードディスクドライブ、HDD)(記録媒体)13およびI/F−B(スロット、コネクタ、通信インタフェース)14を含んでいる。
【0072】
I/F−A5は、デジタル複合機1に備えられた通信インタフェース用のコネクタである。本実施形態のI/F−A5には、有線LAN15からのインタフェース装置が接続されている。これによって、I/F−A5は、LAN(Local Area Network)用のインタフェースとして機能する。本実施形態のデジタル複合機1は、有線LAN15へのLAN用のインタフェースであるI/F−A5を標準インタフェースとして用いる。なお、本実施形態においては、I/F−A5には、常に有線LAN15からのインタフェース装置を接続しておくものとする。したがって、I/F−A5は、例えばハンダ付けによってインタフェース装置が実装された内蔵インタフェース(実装コネクタ)であってもよい。
【0073】
このI/F−A5を用いる際には、所定の通信パラメータを設定する。設定した通信パラメータは、後述するEEPROM6に記憶する。なお、通信パラメータとは、例えば有線LAN15がEthernet(登録商標)である場合には、デジタル複合機1のIPアドレス、サブネットマスクなどを含むパラメータであり、詳細は後述する。
【0074】
また、デジタル複合機1は、有線LAN15を介してホスト(ホストコンピュータ)17、18、19と接続されている。例えば各ホスト17〜19からの印刷指示が、有線LAN15を介してデジタル複合機1に伝達されるようになっている。
【0075】
EEPROM6は、デジタル複合機1の制御に用いられる不揮発性の記憶素子である。EEPROM6には、制御のために必要なパラメータなどが記憶される。例えば、EEPROM6には、デジタル複合機1におけるプリンタとしてのデフォルト(default)設定が記憶される。このデフォルト設定とは、例えばデジタル複合機1のデフォルトトレイの指定、デジタル複合機1における両面ユニットの有無のような情報である。また、EEPROM6には、上述の通信パラメータを記憶する。例えばCPU7からEEPROM6のデータにアクセスする際には、アドレスを指定してアクセスする。EEPROM6は、例えばフラッシュROMであってもよい。
【0076】
CPU7は、デジタル複合機1における制御を行うための演算装置である。CPU7は、EEPROM6に記憶している通信パラメータを参照して通信を行う通信制御部として機能する。また、CPU7は、デジタル複合機1のスロットへのインタフェース装置の着脱(装着、取り外し)を検出する検出部として機能する。また、CPU7は、インタフェース装置の着脱の検出に応じて、EEPROM6に記憶している通信パラメータを書き換えるパラメータ制御部として機能する。
【0077】
ROM8、RAM9は、制御処理に用いる記憶領域である。エンジンI/F10は、複合機エンジン3と制御部4とのインタフェースである。タイマ11は、制御処理に用いるタイマである。RTC12は、制御処理に用いるカレンダ機能を有する装置である。
【0078】
ハードディスク13は、例えば複合機エンジン3にて読取った画像のデータを蓄積(バッファ)するための記録媒体である。このハードディスク13は、制御におけるパラメータを記録するためにも用いられる。また、ハードディスク13は、通信パラメータを保存するためにも用いられる。CPU7からは、ファイルシステムを介して、ハードディスク13のデータにアクセスするようになっている。
【0079】
I/F−B14は、デジタル複合機1の通信インタフェース用のコネクタである。このI/F−B14は、インタフェースカード(拡張I/F基板)を挿入(装着)すると、無線LAN用のインタフェースとして機能するスロットである。本実施形態のデジタル複合機1においては、無線LAN用のインタフェースとしてのI/F−B14を、オプションのインタフェースとして用いる。また、デジタル複合機1がI/F−B14を用いる場合には、I/F−B14から無線LAN16を介して、ホスト19などとデータの送受信を行う。
【0080】
上記構成のデジタル複合機1において、例えばホスト19から送信された画像データの印刷を行う場合には、有線LAN15にて送信された画像データをI/F−A5を介してハードディスク13に蓄積する一方、CPU7がエンジンI/F10を介して複合機エンジン3を制御する。これによってデータの印刷を行う。
【0081】
また、デジタル複合機1において、読取を行った画像データをホスト19に送信する場合には、複合機エンジン3にて読取った画像データをハードディスク13に蓄積する一方、CPU7がI/F−A5、有線LAN15を介してホスト19に送信する。
【0082】
このように、デジタル複合機1は、デジタル複合機1の外部のホスト19などとデジタル複合機1との間の通信を、制御部4を介して行うようになっている。
【0083】
ここで、デジタル複合機1には、I/F−A5とI/F−B14との二つのインタフェースが備えられている。上述のように、I/F−A5は標準のインタフェースであり、I/F−B14はオプションのインタフェースである。
【0084】
本実施形態のデジタル複合機1においては、このI/F−A5とI/F−B14との二つのインタフェースを、CPU7が排他的に用いるようになっている。すなわち、例えばI/F−B14にインタフェースカードが挿入されていない場合には、標準のインタフェースであるI/F−A5のみが使用可能である。一方、例えばI/F−B14にインタフェースカードが挿入されている場合には、このI/F−B14のみが使用可能となる。使用可能なインタフェースの判別は、後述するように、デジタル複合機1への電源投入後に所定の判別動作によって行う。
【0085】
そこで、デジタル複合機1におけるインタフェースの設定について説明する。
【0086】
まず、デジタル複合機1のインタフェースが、図2に示すように、I/F−A5のみが使用可能となっているとする。このとき、EEPROM6には、使用可能なインタフェースに関する通信パラメータである、パラメータA(P−A)(通信パラメータ)が記憶されている状態となる。ここで、使用不可であることを示すため、図2においては、I/F−B14は点線にて表示している。このI/F−B14についての通信パラメータであるパラメータB(P−B)(通信パラメータ)は、ここではハードディスク13に格納されているものとする。
【0087】
このように、使用可能なインタフェースに関する通信パラメータ(パラメータA)を、EEPROM6に格納する。EEPROM6は、メモリと同様にアドレスを指定してアクセスする記憶素子であるので、通信制御部、パラメータ制御部としてのCPU7から簡単にアクセスできる。すなわち、例えばデジタル複合機1において使用中の通信インタフェースに関する通信パラメータをハードディスク13に記録する場合と比較して、アクセスの際にファイルシステムを介する必要がないので、アクセスに必要な手順を簡単にできる。したがって、通信パラメータを参照して行う通信を、より早く実行できる。
【0088】
一方、使用しないインタフェースに関する通信パラメータ(パラメータB)は、ハードディスク13に格納する。このようにすれば、後にハードディスク13に格納した通信パラメータを再利用することができ、後でパラメータの設定の手間を省くことができる。
【0089】
次に、図3に示すように、I/F−B14にインタフェースカードが挿入された場合を説明する。この場合には、後述する手順によってI/F−B14が使用可能となる。
【0090】
I/F−B14が使用可能となっている場合には、使用可能なインタフェースであるI/F−B14に関する通信パラメータを、パラメータB(P−B)としてEEPROM6に記憶する。ここで、使用不可であることを示すため、図3においては、I/F−A5は点線にて表示している。このI/F−A5についての通信パラメータであるパラメータA(P−A)は、ハードディスク13に格納する。
【0091】
次に、インタフェースの設定を変更する手順について、図4に基づいて説明する。
【0092】
本実施形態のデジタル複合機1は、電源の投入後に、インタフェースの設定について判別するようになっている。電源の投入後には、S1において、使用可能なインタフェースの変更の有無について判別する。インタフェースの変更が有る場合にはS2に進み、変更が無い場合にはS4に進む。
【0093】
インタフェースの変更がある場合のS2においては、EEPROM6に記憶している、いままで使用しており(使用可能であって)これからは用いないインタフェースについての通信パラメータ(旧パラメータ)を、ハードディスク13に移動して保存し、S3に進む。すなわち、旧パラメータをハードディスク13に記録して、EEPROM6から削除する。
【0094】
S3においては、これから用いるインタフェースについての通信パラメータ(新パラメータ)を、例えばハードディスク13から読出して、EEPROM6に記憶して、S4に進む。また、ハードディスク13に、これから用いるインタフェースについての通信パラメータが格納されていない場合には、例えば操作パネル2にその旨を表示して、その通信パラメータについての設定を行うようにしてもよい。また、例えば、ある通信インタフェースをデジタル複合機1にて初めて用いる場合には、そのための設定が必要となる。この場合に、これから用いるインタフェースについてのデフォルト設定がハードディスク13に格納されているならば、これをEEPROM6に記憶して、ユーザによって修正させてもよい。
【0095】
S4においては、用いるインタフェースの初期化を行い、処理を終了する。この初期化とは、インタフェースの変更の有無に関わらず、動作させるべきインタフェースの初期的処理を意味し、例えば、インタフェース内のレジスタに既定の初期値を設定することに相当する。
【0096】
ここで、例えば図2に示す状態から図3に示す状態へと変化する場合には、上述の手順は以下のように実行される。
【0097】
まず、図2に示すように、デジタル複合機1のEEPROM6はパラメータA(P−A)を記憶している。ここで、図3に示すように、I/F−B14にインタフェースカードが挿入される。電源投入後のS1においては、CPU7は、インタフェースカードの挿入を検出して、これから用いるインタフェースをI/F−B14であると判別する。また、EEPROM6を参照して、使用可能であったインタフェースをI/F−A5であると判別する。したがって、インタフェースの変更があると判断してS2に進む。
【0098】
S2においては、CPU7は、I/F−A5についての通信パラメータ(旧パラメータ)であるパラメータA(P−A)を、EEPROM6からハードディスク13へと移動する。S3においては、CPU7は、I/F−B14についての通信パラメータであるパラメータB(P−B)を、ハードディスク13から読み出してEEPROM6に記憶する。S4において、CPU7は、I/F−B14の初期化を行う。
【0099】
このように、デジタル複合機1は、スロットI/F−B14へのインタフェースカードの挿入を検出すると、EEPROM6のパラメータA(P−A)をハードディスク13に移動して保存するとともに、ハードディスク13のパラメータB(P−B)をEEPROM6に記憶する。したがって、ハードディスク13に保存されているパラメータBを用いるので、パラメータの再設定が不要となる。また、EEPROM6は、パラメータA(P−A)を削除してパラメータB(P−B)を記憶するので、記憶に必要な領域はそれほど増加しない。
【0100】
次に、図3に示す状態から図2に示す状態へと変化する場合について説明する。
【0101】
まず、図3に示すように、デジタル複合機1のEEPROM6はパラメータB(P−B)を記憶している。ここで、図2に示すように、I/F−B14からインタフェースカードが取り外される。電源投入後のS1においては、CPU7は、インタフェースカードの取り外しを検出して、これから用いるインタフェースをI/F−A5であると判別する。また、EEPROM6を参照して、使用可能であったインタフェースをI/F−B14であると判別する。したがって、インタフェースの変更があると判断してS2に進む。
【0102】
S2においては、CPU7は、I/F−B14についての通信パラメータ(旧パラメータ)であるパラメータB(P−B)を、EEPROM6からハードディスク13へと移動する。S3においては、CPU7は、I/F−A5についての通信パラメータであるパラメータA(P−A)を、ハードディスク13から読み出してEEPROM6に記憶する。S4において、CPU7は、I/F−A5の初期化を行う。
【0103】
このように、デジタル複合機1は、スロットI/F−B14からのインタフェースカードの取り外しを検出すると、EEPROM6のパラメータB(P−B)をハードディスク13に移動して保存するとともに、ハードディスク13のパラメータA(P−A)をEEPROM6に記憶する。このように、ハードディスク13に保存されているパラメータBを用いるので、パラメータの再設定が不要となる。また、EEPROM6は、パラメータB(P−B)を削除してパラメータA(P−A)を記憶するので、記憶領域はそれほど増加しない。
【0104】
〔実施例1〕
次に、より詳細な実施例として、上述したデジタル複合機1において、インタフェースとしてEthernet(登録商標)のインタフェースとWireless通信のインタフェースとを排他的に用いる場合について説明する。
【0105】
この実施例においては、デジタル複合機1は、操作パネル2、複合機エンジン3および制御部4aを備え、制御部4aにEthernet(登録商標)I/F5a、EEPROM6a、CPU7a、ROM8a、RAM9a、エンジンI/F10a、タイマ11a、RTC12a、ハードディスク13aおよびWireless I/F14aが含まれるものとする。各部材5a〜14aは、上述の実施の形態における部材5〜14にそれぞれ相当するものであり、構成、動作についても上述の実施の形態とほぼ同様である。
【0106】
例えば、図5に示すように、デジタル複合機1がEthernet(登録商標)I/F5aを用いる場合には、EEPROM6aはEthernet(登録商標)の通信パラメータ(Ethernet(登録商標)パラメータ)(通信パラメータ)P−aを記憶する。また、使用不可であるWireless I/F14aは点線にて示している。Wireless I/F14aのパラメータであるWireless パラメータ(通信パラメータ)P−bは、ハードディスク13aに格納する。
【0107】
また、例えば、図6に示すように、デジタル複合機1がWireless I/F14aを用いる場合には、EEPROM6aはWirelessの通信パラメータ(Wirelessパラメータ)P−bを記憶する。また、使用不可であるEthernet(登録商標)I/F5aは点線にて示している。Ethernet(登録商標)I/F5aのパラメータであるEthernet(登録商標)パラメータP−aは、ハードディスク13aに格納する。
【0108】
ここで、インタフェース用のパラメータであるEthernet(登録商標)パラメータP−a、Wireless パラメータP−bの構成について、図7、8に基づいて説明する。
【0109】
本実施形態のEthernet(登録商標)パラメータP−aは、図7に示すように、I/F(インタフェース)ID(識別子), IP Address, Subnet Mask, Gateway Addressに加えて、Ethernet(登録商標)Speed, Ethernet(登録商標)Duplex Modeなどの各項目を含んでいる。本実施形態のEthernet(登録商標)パラメータP−aは、256Byteのデータである。
【0110】
I/F IDは、インタフェースを区別するための識別子である。例えば、インタフェースカード(オプションカード)自体の固有のIDであり、本実施例において、I/F IDは、有線(Ethernet(登録商標))かワイヤレス(Wireless)かを区別するために用いる識別子である。本実施形態のデジタル複合機1は、例えば使用するインタフェースの変更の有無を判別する際には、スロットに対するインタフェース装置の着脱だけでなく、このI/F IDを用いて判別することもできる。この点については後述する。
【0111】
IP Addressは、Ethernet(登録商標)のIP(Internet Protocol)において、送信元、送信先を指定するためのアドレスである。Subnet Mask(サブネットマスク)は、ブロードキャストデータが伝達される範囲であるサブネットを指定するためのサブネットアドレスを判別する際に用いられる情報である。Gateway Addressは、異なるサブネットへデータを伝達するための例えばルータなどのIP Addressである。Ethernet(登録商標) Speedは、例えば10Mbps,100Mbpsといったデータの伝達速度である。Ethernet(登録商標)Duplex Modeは、通信を全二重で行うか、半二重で行うかを指定するためのものである。
【0112】
また、本実施形態のWireless パラメータP−bは、図8に示すように、I/F(インタフェース)ID, IP Address, Subnet Mask, Gateway Addressに加えて、Wireless Mode, SSID(Service Set ID), Wireless Channel, WEP(Wired Equivalent Privacy) Encryption, WEP Key Valueなどの各項目を含んでいる。本実施形態のWireless パラメータP−bは、384Byteのデータである。
【0113】
I/F ID, IP Address, Subnet Mask, Gateway Addressの各項目については、Ethernet(登録商標)パラメータと同様である。これに加えて、無線端末としてのデジタル複合機1を指定するために、Wireless パラメータP−bは以下のような項目を含んでいる。
【0114】
Wireless Modeは、ワイヤレス通信を行う際の通信形態を指定するものであり、例えばInfrastructureかまたはAdhocかを指定する。Infrastructureは、有線LANにて接続されたホスト同士と、無線端末との間でワイヤレス通信を行う場合に指定する。Adhocは、無線端末同士でワイヤレス通信を行う場合に指定する。本実施例においては、例えば図1に示すようにInfrastructureが指定される。
【0115】
SSIDは、無線端末をグループ化するためのIDである。例えばアクセスポイントが複数ある場合であっても、このIDを用いてグループ間の混信を防ぐことができる。IDの内容としては、例えば無線端末とアクセスポイントとで、同じ文字列を指定する。これによってグループ化できる。なお、無線端末側でのSSIDを、例えば空欄や「ANY」との指定にすると、全てのSSIDで通信が可能となる。したがって、SSIDを、空欄や「ANY」に指定して、ネットワークに接続するようにしてもよい。
【0116】
Wireless Channelは、通信に用いる周波数を指定するためのものである。WEP Encryptionは、無線通信において暗号化を行うか否かを指定するフラグである。また、WEP Key Valueは、暗号化のキーを指定するものである。なお、WEP(WiredEquivalent Privacy)とは、無線通信における暗号化技術である。無線通信は傍受が極めて容易であるため、送信されるパケットを暗号化して傍受者に内容を知られないようにすることによって、安全性を確保しようとするものである。RC4アルゴリズムを用いる秘密鍵暗号化方式であり、IEEEによって標準化され、IEEE802.11bのセキュリティシステムとして採用されている。
【0117】
次に、上述の構成のデジタル複合機1における、インタフェースを設定する手順について、図9に基づいて説明する。
【0118】
電源投入後に、S11において、EEPROM6aに記憶されている通信パラメータのI/F IDの内容を確認する。I/F IDがEthernet(登録商標)のIDである場合にはS12に進み、I/F IDがWirelessのIDである場合にはS18に進む。
【0119】
S12においては、Wireless I/F14aに装着されているインタフェースカードから、通信インタフェースを特定するための識別子を読取る。読取った識別子がWireless パラメータP−bのI/F IDである場合にはS14に進む。また、読取った識別子がWireless パラメータP−bのI/F IDでない場合、またはWireless I/F14aにインタフェースカードが装着されていない場合には、S13に進む。
【0120】
このように、S12においてWireless I/F14aに装着されているインタフェースカードから読取った識別子を、S11にてEEPROM6aから読取った識別子(I/F ID)と比較する。すなわち、S11における識別子とS12における識別子とが同じである場合には、用いていた通信インタフェースとこれから用いる通信インタフェースとが同じであるとしてS13に進む。S11における識別子とS12における識別子とが同じでない場合には、用いていた通信インタフェースとこれから用いる通信インタフェースとが異なるとしてS14に進む。
【0121】
S13においては、Ethernet(登録商標)I/F5aを用いるものとして、Ethernet(登録商標)I/F5aの初期化を行い、処理を終了する。
【0122】
一方、S14においては、Wireless I/F14aを用いるものとして、操作パネル2に通信インタフェースを変更する旨の表示を行う。例えば、図10(a)に示すように、「Ethernet(登録商標)」の通信インタフェースから「Wireless」の通信インタフェースへと変更する旨を操作パネル2に表示して、ユーザに通知する。
【0123】
S15においては、EEPROM6aに記憶しているEthernet(登録商標)パラメータP−aを、ハードディスク13aに移動する。S16においては、ハードディスク13aに保存しているWirelessパラメータP−bを読み出して、EEPROM6aに記憶する。S17においては、Wireless I/F14aの初期化を行い、処理を終了する。なお、S14における変更する旨の表示は、例えばS15、S16、S17のいずれかの後に行うようにしてもよい。
【0124】
一方、S11においてI/F IDがWirelessのIDであると判別された場合のS18では、Wireless I/F14aに装着されているインタフェースカードから、通信インタフェースを特定するための識別子を読取る。読取った識別子がWireless パラメータP−bのI/F IDである場合にはS19に進む。また、読取った識別子がWireless パラメータP−bのI/F IDでない場合、またはWireless I/F14aにインタフェースカードが装着されていない場合には、S20に進む。
【0125】
このように、S18においてWireless I/F14aに装着されているインタフェースカードから読取った識別子を、S11にてEEPROM6aから読取った識別子(I/F ID)と比較する。すなわち、S11における識別子とS18における識別子とが同じである場合には、用いていた通信インタフェースとこれから用いる通信インタフェースとが同じであるとしてS19に進む。S11における識別子とS18における識別子とが同じでない場合には、用いていた通信インタフェースとこれから用いる通信インタフェースとが異なるとしてS20に進む。
【0126】
S19においては、Wireless I/F14aを用いるものとして、Wireless I/F14aの初期化を行い、処理を終了する。
【0127】
一方、S20においては、Ethernet(登録商標)I/F5aを用いるものとして、操作パネル2に通信インタフェースを変更する旨の表示を行い、S21に進む。例えば、図10(b)に示すように、「Wireless」の通信インタフェースから「Ethernet(登録商標)」の通信インタフェースへと変更する旨を操作パネル2に表示して、ユーザに通知する。
【0128】
S21においては、EEPROM6aに記憶しているWirelessパラメータP−bを、ハードディスク13aに移動する。S22においては、ハードディスク13aに保存しているEthernet(登録商標)パラメータP−aを読み出して、EEPROM6aに記憶する。S23においては、Ethernet(登録商標)I/F5aの初期化を行い、処理を終了する。なお、S20における変更する旨の表示は、例えばS21、S22、S23のいずれかの後に行うようにしてもよい。
【0129】
このように、デジタル複合機1は、S11とS12、またはS11とS18において、EEPROM6aに記憶している通信パラメータのI/F ID(識別子)と、インタフェース装置から読取った識別子とを比較することによって、インタフェースの変更を判別する構成であってもよい。このようにすれば、例えば一つのスロットに複数のインタフェース装置のいずれかが装着可能な場合であっても、識別子を用いて確実に判別できる。
【0130】
〔実施例2〕
上述の実施例1にて説明したデジタル複合機1は、図9を参照して説明したインタフェースの設定動作でなく、以下に説明する手順によってインタフェースの設定を行ってもよい。すなわち、デジタル複合機1に備えているスロットを、予め指定した優先順位に応じて検査して、インタフェース装置の着脱を判別するようにしてもよい。
【0131】
ここで、本実施例にて説明するデジタル複合機1は、上述のようにEthernet(登録商標)I/F5aとWireless I/F14aとの二つのコネクタ(インタフェース)を備えており、Ethernet(登録商標)I/F5aを標準のインタフェースとして用いる一方で、オプションのインタフェースであるWireless I/F14aにインタフェースカード(インタフェース装置)が挿入されている場合にはWireless I/F14aを優先して用いる。この場合には、Wireless I/F14aの方がEthernet(登録商標)I/F5aよりも優先順位が上となっている。また、Ethernet(登録商標)I/F5aには、上述のように、常に有線LAN15からのインタフェース装置が接続されているものとする。また、各インタフェース装置には、インタフェースを識別するための識別子が記憶されているものとする。
【0132】
まず、デジタル複合機1の電源の投入後には、図11に示すように、S24にてインタフェースのための各スロットのチェックを行う。これは、例えば各スロットにインタフェースカードが挿入されているか否かのチェックである。
【0133】
ここで、本実施例においては、スロットごとに指定された優先順位に応じて、優先順位の高い順にスロットをチェックして、インタフェースカードの装着されている、最も優先順位の高いスロットを判別する。
【0134】
S24の次のS25においては、インタフェースカードが挿入されているスロットのうち、最も優先順位が高いスロットに装着されているインタフェースカードの識別子を読取り、S26に進む。また、CPU7は、インタフェースカードが挿入されているスロットのうち、最も優先順位が高いスロットを通信に用いるように設定する。
【0135】
なお、インタフェース装置が実装されて脱着不可である実装コネクタがデジタル複合機1に備えられ、全てのスロットにインタフェース装置が装着されていないときには、このS25において、実装コネクタのインタフェース装置から識別子を読取ってもよい。すなわち、実装コネクタの優先順位を、各スロットよりも低く設定してもよい。このとき、CPU7は、実装コネクタを通信に用いるように設定する。
【0136】
S26においては、EEPROM6aに記憶している通信パラメータのI/F IDを読取り、S25にて読取った識別子と比較して、識別子の変化があるか否かを判別する。識別子の変化がある場合にはS27に進み、識別子の変化がない場合にはS30に進む。
【0137】
S27においては、S25にて読取った識別子の通信インタフェースが、デジタル複合機1にて対応が可能な通信インタフェースであるか否か、すなわちサポートされている通信インタフェースであるか否かを判別する。対応が可能である場合にはS28に進み、対応が不可能である場合にはS30に進む。例えば、ハードディスク13aに、その通信インタフェースのための通信パラメータが保存されているか、またはその通信インタフェースのための通信パラメータのデフォルト設定が保存されているか、のいずれかの場合には、対応が可能であると判別してもよい。
【0138】
S28においてはEEPROM6aに記憶している通信パラメータを、ハードディスク13aに移動する。S29においてはハードディスク13aに保存していた通信パラメータをEEPROM6aに記憶して、S30に進む。
【0139】
S30においては、使用するコネクタの通信インタフェースを用いるために、このコネクタを初期化して、処理を終了する。
【0140】
このように、本実施例のデジタル複合機1は、優先順位に応じてスロットを検査して、インタフェース装置の着脱を判別する構成である。すなわち、優先順位の高いWireless I/F14aを検査して、このスロットにインタフェースカードが装着されている場合にはこのスロットを用いるように通信パラメータを設定し、またこのスロットにインタフェースカードが装着されていない場合にはこのスロットではなくEthernet(登録商標)I/F5aを用いるように通信パラメータを設定する。したがって、優先順位の高いスロットへのインタフェースカードの着脱に応じて、通信インタフェースを簡単に切り替えることができる。
【0141】
なお、上述の実施の形態、実施例においては、電源の投入後に、使用するインタフェースの判別を行う場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。その他の所望のタイミングにて、使用するインタフェースの判別を行ってもよく、例えばユーザの指示に応じて所望のタイミングで判別するようにしてもよい。
【0142】
また、記録媒体としてはハードディスクに限るものではなく、例えばフロッピディスク、(書き込み可能な)光ディスク、光磁気ディスクなどであってもよい。ただし、ハードディスクであれば、高速アクセスが可能である。
【0143】
ここで、通常、記憶素子としてのEEPROMの容量は非常に小さいものである。このため、従来の技術においては、各インタフェースについてのパラメータをEEPROMに全て記憶することができずに、消去するようになっていた。
【0144】
一方、本実施形態においては、容量の小さいEEPROMと、さらに記録媒体としてのハードディスクとを組み合わせることによって、各インタフェースについてのパラメータをデジタル複合機1中に保持する。これによって、パラメータの再設定を不要にできる。
【0145】
また、本実施形態のデジタル複合機1は、各スロットに優先順位をつけることによって、使用するスロットを特定する構成であってもよいし、またはスロットに着脱するインタフェース装置の識別子を用いて、使用する通信インタフェースを特定する構成であってもよい。いずれの構成であっても、所望のスロットに所望のインタフェース装置を装着すると、デジタル複合機1がそれを判別して、所定の通信パラメータを設定する。以前に設定した通信パラメータがハードディスク13・13aに記録されている場合には、その通信パラメータをEEPROM6aに記憶する。したがって、再設定を不要にして、ユーザにとって使用し易い、使用性を向上させたデジタル複合機1を提供できる。
【0146】
また、以上のように、本発明は、プリンタ等の画像形成装置(デジタル複合機)におけるインタフェース用設定に関するものである。また、複数インタフェースを排他使用する通信装置に関するものである。
【0147】
上述のように、複数のインタフェースを具備可能にしつつ、動作上一つのインタフェースのみを任意に使用可能とする排他的使用制限のあるデジタル複合機において、動作インタフェースを別のインタフェースに変更した場合、不揮発性の半導体メモリ(Flash/EEPROMなど)に保持する動作設定パラメータの中で、変更前「旧 インタフェース」用設定パラメータを大容量記録装置(ハードディスクなど)に保存し、空いた領域を「新 インタフェース」用設定パラメータに使用する。さらに、動作インタフェースを「旧」に戻す際には、ハードディスクに保管しておいたパラメータをEEPROMに復帰させ利用する。
【0148】
また、上述の構成は、見方を変えればコンピュータとも言えるデジタル複合機の、ある視点では拡張ボードとも言える複数インタフェースに関するものであり、その設定に関する自動化を目的とするものである、と表現することもできる。
【0149】
ここで、従来の特開平6−282486号公報は、コンピュータの拡張ボードに関するものである。上記公報においては、コンピュータからの拡張ボードへのアクセスに関する設定の自動化について述べられている。しかしながら、拡張ボードがインタフェースに限定されるものではないため、拡張ボード自身の機能や動作に関わる設定の自動化については述べられていない。
【0150】
一方、上述のように、本発明に係るデジタル複合機1においては、上記公報における拡張ボードをインタフェースに限定している。また、インタフェースへの限定に伴い、インタフェースの機能や動作に関する設定について自動化し、使用性を向上させている。また、上述のように、記憶素子としてのEEPROMを節約して効率良く使用しつつ、操作性も向上する方式を実現した。
【0151】
本発明は上述した実施形態、実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態、実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0152】
上述の具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0153】
【発明の効果】
本発明に係る通信装置は、以上のように、通信パラメータを保存するための記録媒体と、スロットへのインタフェース装置の着脱を検出する検出部と、上記検出部によって装着が検出された上記インタフェース装置による第1の通信インタフェースと記憶素子に記憶している上記通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースとが異なるときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、さらに上記記録媒体に第1の通信インタフェースのための上記通信パラメータを保存しているときにはこの通信パラメータを上記記憶素子に記憶するパラメータ制御部と、を備えている構成である。
【0154】
それゆえ、記録媒体に保存されていた通信パラメータ(第1の通信インタフェースの通信パラメータ)を用いるので、例えばユーザがこの通信パラメータを設定する必要はなく、再入力、再設定を不要として、操作性を向上できるという効果を奏する。
【0155】
本発明に係る通信装置は、以上のように、上記構成において、上記パラメータ制御部は、上記検出部によって上記インタフェース装置の取り外しが検出されたときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、上記記録媒体に保存している上記通信パラメータのいずれかを上記記憶素子に記憶する構成である。
【0156】
それゆえ、記録媒体に保存されていた通信パラメータを用いるので、例えばユーザがこの通信パラメータを設定する必要はなく、再入力、再設定を不要として、操作性を向上できるという効果を奏する。
【0157】
本発明に係る通信装置は、以上のように、上記構成において、上記検出部は、上記スロットを予め指定した優先順位に応じて検査して、上記インタフェース装置の着脱を判別する構成である。
【0158】
それゆえ、優先順位の高い通信パラメータを、必要に応じて記憶素子に記憶し、または記憶素子から消去して、優先順位に応じた通信インタフェースの選択が可能となるという効果を奏する。
【0159】
本発明に係る通信装置は、以上のように、上記構成において、上記パラメータ制御部は、上記検出部が上記インタフェース装置から読取った識別のための識別子と、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータに含まれる識別子とを比較することによって、上記インタフェース装置による上記通信インタフェースと上記記憶素子の上記通信パラメータのための上記通信インタフェースとが異なるか否かを判別する構成である。
【0160】
それゆえ、インタフェース装置から識別子を読取って判別を行うので、例えば一つのスロットに複数種類のインタフェース装置のいずれかが装着可能であっても、判別を確実にできるという効果を奏する。
【0161】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、画像データの印刷および画像データの読取を行う画像形成部と、上述のいずれかの通信装置とを備え、上記通信装置が、画像形成装置本体の外部と上記画像形成部との間で通信を行う構成である。
【0162】
それゆえ、通信装置は使用性を向上させた通信装置であるので、使用性を向上させた画像形成装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態の概略を示すブロック図である。
【図2】上記画像形成装置の一部を示す概略のブロック図である。
【図3】図2とは異なる状態の上記画像形成装置の一部を示す概略のブロック図である。
【図4】上記画像形成装置における、インタフェースの変更の手順を示すフローチャートである。
【図5】上記画像形成装置の一実施例の一部を示す概略のブロック図である。
【図6】図5とは異なる状態の、上記画像形成装置の一部を示す概略のブロック図である。
【図7】上記画像形成装置にて用いる通信パラメータの一例の概略を示す図である。
【図8】上記画像形成装置にて用いる通信パラメータの他の一例の概略を示す図である。
【図9】上記画像形成装置の一実施例における、インタフェースの変更の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図10】(a)は上記画像形成装置の表示画面の一例を示す平面図であり、(b)は上記画像形成装置の表示画面の他の一例を示す平面図である。
【図11】上記画像形成装置の他の一実施例における、インタフェースの変更の手順を示すフローチャートである。
【図12】従来の画像形成装置における、インタフェースの変更の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタル複合機(画像形成装置)
2 操作パネル
3 複合機エンジン(画像形成部)
4、4a 制御部(通信装置)
5 I/F−A(スロット、コネクタ、通信インタフェース)
5a Ethernet(登録商標)I/F(スロット、コネクタ、通信インタフェース)
6、6a EEPROM(記憶素子)
7、7a CPU(通信制御部、検出部、パラメータ制御部)
13、13a ハードディスク(記録媒体)
14 I/F−B(スロット、コネクタ、通信インタフェース)
14a Wireless I/F(スロット、コネクタ、通信インタフェース)
P−A パラメータA(通信パラメータ)
P−B パラメータB(通信パラメータ)
P−a Ethernet(登録商標)パラメータ(通信パラメータ)
P−b Wirelessパラメータ(通信パラメータ)
Claims (5)
- インタフェース装置が装着されることによって通信インタフェースとして機能するスロットを含むコネクタと、上記通信インタフェースのための通信パラメータを記憶する記憶素子と、上記コネクタのうちのいずれか一つを用いて、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを参照して通信を行う通信制御部とを備える通信装置において、
上記通信パラメータを保存するための記録媒体と、
上記スロットへの上記インタフェース装置の着脱を検出する検出部と、
上記検出部によって装着が検出された上記インタフェース装置による第1の通信インタフェースと上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを用いる第2の通信インタフェースとが異なるときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、さらに上記記録媒体に第1の通信インタフェースのための上記通信パラメータを保存しているときにはこの通信パラメータを上記記憶素子に記憶するパラメータ制御部と、を備えていることを特徴とする通信装置。 - 上記パラメータ制御部は、上記検出部によって上記インタフェース装置の取り外しが検出されたときに、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータを上記記録媒体に移動して保存するとともに、上記記録媒体に保存している上記通信パラメータのいずれかを上記記憶素子に記憶することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 上記検出部は、上記スロットを予め指定した優先順位に応じて検査して、上記インタフェース装置の着脱を判別することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
- 上記パラメータ制御部は、上記検出部が上記インタフェース装置から読取った識別のための識別子と、上記記憶素子に記憶している上記通信パラメータに含まれる識別子とを比較することによって、上記インタフェース装置による上記通信インタフェースと上記記憶素子の上記通信パラメータのための上記通信インタフェースとが異なるか否かを判別することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の通信装置。
- 画像データの印刷および画像データの読取を行う画像形成部と、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の通信装置とを備え、
上記通信装置が、画像形成装置本体の外部と上記画像形成部との間で通信を行うことを特徴とする画像形成装置。
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JP2002370924A JP2004206162A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 通信装置および画像形成装置 |
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KR20060026496A (ko) * | 2004-09-20 | 2006-03-24 | 삼성전자주식회사 | 유선 통신을 이용한 무선 화상형성장치 무선 설정 시스템및 방법 |
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JP2014059714A (ja) * | 2012-09-18 | 2014-04-03 | Seiko Epson Corp | 表示装置、表示システム、および、表示装置の制御方法 |
US10652934B2 (en) | 2017-09-19 | 2020-05-12 | Canon Kabushiki Kaisha | Communication apparatus, method for controlling the same, and storage medium |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002370924A patent/JP2004206162A/ja not_active Withdrawn
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