JP2004205652A - ワイドコンバーターレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影画角を80度以上、更には100度以上にまで広げることが可能であるとともに、コンパクトな構成でありながら収差発生が少なく、結像性能が良好で実用に適した構成のワイドコンバーターレンズを提供する。
【解決手段】物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群FLと正の屈折力を有する第2レンズ群RLとを備えてアフォーカル光学系を構成する。第1レンズ群FLの最も物体側の位置には物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL101が配置され、第2レンズ群中RLには(少なくとも1つの)両凸レンズL102が配置される。そして、第1レンズ群FL(及び第2レンズ群RLの少なくとも一方)には回折光学面Gfが設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群FLと正の屈折力を有する第2レンズ群RLとを備えてアフォーカル光学系を構成する。第1レンズ群FLの最も物体側の位置には物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL101が配置され、第2レンズ群中RLには(少なくとも1つの)両凸レンズL102が配置される。そして、第1レンズ群FL(及び第2レンズ群RLの少なくとも一方)には回折光学面Gfが設けられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影レンズの物体側に装着してレンズ系全体の焦点距離を短くし、撮影画角を広げるためのワイドコンバーターレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影レンズの物体側に装着し、レンズ系全体の焦点距離を短くして撮影画角を広げるワイドコンバーターレンズが知られており、スチルカメラやビデオカメラ等に用いられている。このようなワイドコンバーターレンズは多くの場合、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群とを配置したうえで、これら両レンズ群の焦点位置をほぼ一致させ、物体側から入射した平行光束が同じく平行光束として出射するアフォーカル光学系として構成する。このような従来のワイドコンバーターレンズの例が下記の特許文献に示されており、物体側から順に負の屈折力を有する1枚の負レンズ、正の屈折力を有する1枚の正レンズと配置された計2枚のレンズからなる、比較的単純な構成のものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−138389号公報
【特許文献2】
特開平7−209580号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記2つの公報に開示されたワイドコンバーターレンズにおいては、撮影レンズ装着時の撮影画角が74度或いは76度程度と小さく、ワイド化が不充分であった。また、いずれもレンズ枚数が少なく単純な構成であるため小型軽量化が図れるものの、収差がやや大きく、結像性能が不充分であるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、撮影画角を80度以上、更には100度以上にまで広げることが可能であるとともに、コンパクトな構成でありながら収差発生が少なく、結像性能が良好で実用に適した構成のワイドコンバーターレンズを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るワイドコンバーターレンズは、撮影レンズの物体側に装着して用いられるワイドコンバーターレンズであって、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群とを備えてアフォーカル光学系を構成し、第1レンズ群の最も物体側の位置に物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有するとともに、第2レンズ群中に少なくとも1つの両凸レンズを有し、第1レンズ群及び第2レンズ群の少なくとも一方に回折光学面が設けられている。
【0007】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、最大像高に至る主光線が回折光学面に入射する角度が15度以下であることが好ましい。また、回折光学面は物体側に凸な面に形成され、回折光学面の有効径をC、前記第1レンズ群の焦点距離をfFとしたときに、0.2<C/|fF|<10.0の条件を満足していることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、回折光学面を有するレンズの焦点距離をfkとし、第1レンズ群の最も物体側に位置する面から第2レンズ群の最も像側に位置する面までの距離をLとしたときに、0.2<|fk|/L<5.0の条件を満足していることが好ましい。更に、第1レンズ群の最も物体側に位置する負メニスカスレンズは、物体側の面の曲率半径をr1、像側の面の曲率半径をr2としたときに、1.0<(r1+r2)/(r1−r2)<5.0の条件を満足していることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るワイドコンバーターレンズの実施形態について説明する。ワイドコンバーターレンズは任意の結像レンズ系の物体側に装着されて用いられるフロントコンバーターレンズの一種であり、先ず、このフロントコンバーターレンズについて光学的に説明する。フロントコンバーターレンズとは、上記のように任意の結像レンズ系(例えば撮像レンズ)の物体側に装着されて、物体側から入射した平行光束を像側へ平行光束として射出する光学系(アフォーカル光学系)をいう。この場合、フロントコンバーターレンズのアフォーカル倍率Mは、軸上近軸光線の傾角の大きさに関し、入射側に対する射出側の比(|θout/θin|:θoutは射出側の軸上近軸光線の傾角であり、θinは入射側の軸上近軸光線の傾角である)を示す。ワイドコンバーターレンズとはこのようなフロントコンバーターレンズのうち、結像レンズ系の物体側に取り付けられてレンズ系全体の焦点距離を短い方に変化させる光学系をいい、上記アフォーカル倍率Mを1.0よりも小さくする(すなわち広角化の機能を有する)ものである。
【0010】
ワイドコンバーターレンズを構成する光学系としては、逆ガリレオ型の光学系が知られている。この逆ガリレオ型の光学系は、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群と配置するとともに、第1レンズ群の物体側焦点位置と第2レンズ群の物体側焦点位置を一致させた構成となっている。その結果、物体側から平行に入射した光線束はワイドコンバーターレンズを通過した後、光束径が拡大された状態で像側へ平行に射出される。したがって、ワイドコンバーターレンズはアフォーカルコンバーターとも呼ばれ、この逆ガリレオ型のワイドコンバーターレンズにおけるアフォーカル倍率Mは、第1レンズ群の焦点距離をfFとし、第2レンズ群の焦点距離をfRとすると、下の式(a)で表される。
【0011】
【数1】
M=|fF|/fR … (a)
【0012】
但し、第1レンズ群の物体側焦点位置と第2レンズ群の物体側焦点位置とを一致させていないときでも、軸上近軸光線の傾角の大きさに関し、入射側に対する射出側の比(|θout/θin|)でM=|θout/θin|と定義する。
【0013】
なお、このMの値は、ワイドコンバーターレンズのレンズデータの部分のみを近軸追跡計算することによって求められる。すなわち、結像レンズ系によらず、ワイドコンバーターレンズのアフォーカル倍率Mはワイドコンバーターレンズ単体の構成パラメータによって定まる。但し、実用的には、第1レンズ群の物体側焦点位置と第2レンズ群の物体側焦点位置とを厳密に一致させる必要はなく、第1レンズ群及び第2レンズ群の少なくとも一方を光軸上に移動させてピント合わせ(焦点合わせ)をするか、後方の結像レンズ系(撮影レンズ)でピント合わせをすることができる範囲内において双方の焦点位置を十分に近接させておけばよい。このように双方の焦点位置が厳密に一致していない場合でも、アフォーカル倍率Mとは、軸上近軸光線の傾角の大きさに関し、入射側に対する射出側の比と考えるものとする。なお、このときのアフォーカル倍率Mは上記式(a)からずれるが、そのずれ量はわずかである。
【0014】
なお、これら双方の焦点位置を厳密に一致させた場合、ワイドコンバーターレンズと、その像側に位置する任意の結像レンズ系(焦点距離をfとする)の合成焦点距離はM×fで与えられる。ここで、双方の焦点位置が一致していない場合はM×fから若干外れてしまうが、合成した全体の光学系(ワイドコンバーターレンズ+結像レンズ系)の焦点距離は、近軸光線追跡計算をすることによって求めることが可能である。
【0015】
なお、本発明のワイドコンバーターレンズのような付加的な光学系では、それ自体において収差を十分に除去しておかないと、結像レンズ系(撮影レンズ)と組み合わせた状態における合成光学系(ワイドコンバーターレンズ+撮影レンズ)での収差が劣化してしまい、その結像性能が低下してしまうので注意が必要である。本発明は、このような逆ガリレオ型のワイドコンバーターレンズにおいて回折光学素子を用いることにより、小型であるにも拘わらず、収差発生の少ない、優れた結像性能を得る手法を見出したものである。
【0016】
次に、回折光学素子について説明する。一般に、光線を曲げる方法としては屈折と反射が知られているが、第3番目の方法として回折がある。従来知られた回折格子やフレネルゾーンプレートはこのような光の回折現象を利用した光学素子であり、回折光学素子と呼ばれる。このような回折光学素子は屈折や反射とは異なる振る舞いを示すことが知られており、その振る舞いの具体的な例としては、負の分散値を有することが挙げられる。この性質は色収差補正に極めて有効であり、高価な特殊低分散ガラスでしか達し得ない(通常のガラスでは達し得ない)良好な色収差補正が可能となる。
【0017】
本発明においては、ガラスやプラスチック等の光学部材の表面に回折光学面、すなわち回折格子やフレネルゾーンプレートのように光線を曲げて回折現象を生ずる面を形成して良好な光学性能を得ている。図9はフレネルゾーンプレートの一例を示すものであり、図9(A)は光軸方向から見たフレネルゾーンプレート1の正面図、図9(B)は図9(A)における矢視B−Bから見たフレネルゾーンプレート1の断面図である。この図9に示すフレネルゾーンプレート1は回折光学面を構成する回折格子溝の1ピッチが連続した曲線であるキノフォーム型であるが、その他、周期構造が階段状のものや三角形状等のものとすることもできる。なお、このような回折光学素子については、「『回折光学素子入門』応用物理学会日本光学会監修平成9年第1版発行」に詳しい。
【0018】
続いて、本発明に係るワイドコンバーターレンズの詳細について説明する。本発明に係るワイドコンバーターレンズは、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群とを備えて逆ガリレオ型のアフォーカル光学系を構成しており、これら第1レンズ群及び第2レンズ群の少なくとも一方に回折光学面が設けられている(回折光学面が設けられた回折光学素子を有している)。
【0019】
このように本発明に係るワイドコンバーターレンズでは、負の屈折力を有する第1レンズ群及び正の屈折力を有する第2レンズ群の少なくとも一方に回折光学面が設けられているため、従来に比して少ない枚数のレンズ数で諸収差を良好に補正することができるようになっている。このため本発明に係るワイドコンバーターレンズによれば、コンパクトな構成でありながら優れた結像性能を得ることができる。また、回折光学面を設けることにより色収差が良好に除去されるので、撮影画角を従来に比して(80度以上、更には100度以上にまで)大きく取ることが可能となる。
【0020】
ここで、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、回折光学面を有する一般の光学系の場合と同様、回折光学面に入射する光線の角度は、できるだけ小さいことが好ましい。これは、上記入射角度が大きくなると回折光学面によるフレアが発生し易くなり、画質を損ねてしまうからである。したがって、本発明に係るワイドコンバーターレンズでは、そのフレアが及ぼす影響を小さくして良好な画質を得るため、最大像高に至る主光線(絞りの中心を通る光線)が回折光学面に入射する角度(主光線の光軸が回折光学面の法線となす角度)が15度以下、好ましくは10度(より好ましくは5度)以下となるようにすること、換言すると、回折光学面は、入射する光の角度が15度(好ましくは10度。より好ましくは5度)以下となるレンズ面に設けられることが望ましい。このような条件が満たされるのであれば、回折光学面は本ワイドコンバーターレンズ中のどこに配置してもよいが、本ワイドコンバーターレンズを構成するレンズの面のうち、物体側に凸となる面のいずれかに形成するようにすれば、上記条件を満足させることが容易になる。
【0021】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズでは、上記回折光学面が物体側に凸な面に形成されており、回折光学面の有効径をC、第1レンズ群の焦点距離をfFとしたときに、下の条件式(1)を満足していることが好ましい。
【0022】
【数2】
0.2<C/|fF|<10.0 … (1)
【0023】
この条件式(1)は、回折光学面を有するレンズの適切な有効径(直径)を規定するものである。C/|fF|の値が上記条件式(1)の下限を下回ると、回折光学面を有するレンズの有効径が全系に対して小さくなり過ぎ、広角化が困難となるばかりか、十分な周辺光量の確保が難しくなる。反対に、C/|fF|の値が条件式(1)の上限を上回ると、回折光学面の製作が困難となるばかりか、レンズの研磨や心取りが困難となってコストアップにつながってしまう。しかも、有効径Cが大きくなり過ぎコマ収差が増大するので結像性能が劣化してしまい、更には外部からの有害光が入り易くなってフレア等による画質低下を招き易くなる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるには、上記条件式(1)の上限値を2.0とすることが好ましい。また、下限値については0.5とすることが好ましい。
【0024】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズでは、回折光学面を有するレンズの焦点距離をfkとし、第1レンズ群の最も物体側に位置する面から第2レンズ群の最も像側に位置する面までの距離(すなわちワイドコンバーターレンズの全長)をLとしたときに、下の条件式を満足していることが好ましい。
【0025】
【数3】
0.2<|fk|/L<5.0 … (2)
【0026】
上記条件式(2)は、回折光学面を有するレンズの焦点距離fkと本発明のワイドコンバーターレンズの全長Lとの適正なる比を定めたものである。|fk|/Lの値が条件式(2)の上限を上回ると、回折光学面を有するレンズの焦点距離fkが長くなり過ぎ、収差バランスを失い易くなる。そして、レンズ面の曲率半径の大きさが大きくなってゴーストが発生し易くなる不都合が生じる。逆に、|fk|/Lの値が条件式(2)の下限を下回ると、回折光学面を有するレンズの焦点距離が小さくなり過ぎ、この結果、ワイドコンバーターレンズの全長Lが大きくなり過ぎて小型化が困難となるばかりか、色収差補正の能力が不足してしまい、十分な色収差補正の達成が困難となる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるには、上記条件式(2)の上限値を3.0とすることが望ましい。また、下限値については1.0とすることが望ましい。
【0027】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、第1レンズ群の最も物体側に位置する負メニスカスレンズは、物体側の面の曲率半径をr1、像側の面の曲率半径をr2としたときに、下の条件式(3)を満足していることが好ましい。
【0028】
【数4】
1.0<(r1+r2)/(r1−r2)<5.0 … (3)
【0029】
上記条件式(3)は、第1レンズ群の最も物体側に位置する負メニスカスレンズの適切な形状を規定するものである。ここで、(r1+r2)/(r1−r2)の値が条件式(3)の下限を下回ると、非点収差や倍率色収差などの軸収差の劣化が大きくなり好ましくない。反対に、(r1+r2)/(r1−r2)の値が条件式(3)の上限を上回ると、レンズの研磨や芯取りが困難となりコストアップにつながる。また、上記負メニスカスレンズが回折光学面を有する場合は、その製作が極めて困難となる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるには、上記条件式(3)の上限値を3.5とすることが好ましい。また、下限値については1.0とすることが好ましい。
【0030】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいて、更に優れた性能を達成するには、第1レンズ群中、最も大きな空気間隔を隔てて位置している負メニスカスレンズにおける像側の面の曲率半径をRFとし、第2レンズ群中の両凸レンズ(複数ある場合には最も物体側に位置するもの)における物体側の面の曲率半径をRMとしたときに、下の条件式(4)が満足されることが好ましい。
【0031】
【数5】
0.0<RF/RM<3.0 … (4)
【0032】
上記条件式(4)は、最も大きな空気間隔を隔てて位置している負メニスカスレンズにおける像側の面の曲率半径RFと、第2レンズ群中の両凸レンズにおける物体側の面の曲率半径RMとの比の適切な値を規定する。RF/RMの値が条件式(4)の下限、上限のいずれを外れても、上記負メニスカスレンズで発生する正の球面収差と、上記両凸レンズで発生する負の球面収差とをバランス良く相殺することが困難となる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるには、上記条件式(4)の上限値を1.5とすることが好ましい。また、下限値については0.1とすることが好ましい。
【0033】
更に、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、第2レンズ群中の両凸レンズ(複数ある場合には最も物体側に位置するもの)のd線(λ=587.562nm)に対する屈折率をNとしたときに、下の条件式(5)を満足していることが好ましい。
【0034】
【数6】
N<1.7 … (5)
【0035】
上記条件式(5)は、第2レンズ群中に設けられる両凸レンズの屈折率Nの適正なる範囲を定めたものであり、Nの値が条件式(5)の上限を超えると、レンズ系全体のペッツバール和が小さくなり過ぎてしまい、この結果、像面湾曲が甚大となって良好な結像性能が得られなくなる不都合が生じてしまう。
【0036】
実際に、本発明のワイドコンバーターレンズを構成する際には、第1レンズ群には、物体側に凸面を向けた1つないし2つの負メニスカスレンズを有することが好ましく、第2レンズ群は1枚の両凸レンズで構成することが好ましい。また、回折光学面は、最も物体側の負メニスカスレンズないしは、第2レンズ群中に設けられた両凸レンズの物体側の面に配置することが好ましい。そして、第1レンズ群の最も物体側に位置する負メニスカスレンズは良好な結像性能を得るためには、d線に対する屈折率が1.7以上であることが好ましい。
【0037】
ところで、上述の回折光学面をレンズ上に形成する場合、製造を容易にする観点から、フレネルゾーンプレートのように、その回折光学面を光軸に対して回転対称な格子構造にすることが好ましい。このような回転対称な格子構造は、通常の非球面レンズを製作するのと同じく、精研削でも、ガラスモールドでも形成可能である。また、レンズ表面に薄い樹脂層を形成し、この樹脂層に格子構造を設けるようにしてもよい。また、回折格子は単純な単層構造に限らず、複数の格子構造を重ねて複層構造にしてもよい。このように複層構造の回折格子によれば、回折効率の波長特性や画角特性をより一層向上させることができる。
【0038】
また、回折光学面は、アッベ数が65以下の光学ガラスレンズのレンズ面上に形成することが好ましい。これは、回折格子の形成が容易で、しかも良好な光学性能が得られるからである。また、本発明のワイドコンバーターレンズにおいては回折光学面の分散能が非常に大きいので、近軸パワーをほぼ零として用いることが、全体の良好な収差バランスを確保するうえで好ましい(後述する3つの実施例では、いずれも近軸パワーは零となっている)。
【0039】
ところで、本発明に係るワイドコンバーターレンズは、任意の結像レンズ系(ここでは撮影レンズとする)の物体側に装着して用いられる。このように本発明に係るワイドコンバーターレンズを撮影レンズの物体側に装着すると、レンズ系全体の最短撮影距離は元の撮影レンズの最短撮影距離よりも小さくなるのであるが、第1レンズ群及び第2レンズ群の少なくとも一方が光軸に沿って移動する機構を設けておくことにより、近距離フォーカシングが可能となるので、焦点合わせについては特に問題はない。また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、第2レンズ群を光軸に沿って移動可能な可動レンズ群として構成することにより、比較的簡素な構造を採ることができる。また、このような構成にすれば、全長を変化させることなく合焦(フォーカシング)を行う内部合焦方式(内焦方式)を採用することも可能となる。
【0040】
更に、本発明に係るワイドコンバーターレンズは、撮影レンズのブレを検出するブレ検出手段と、ブレ検出手段からの信号とカメラの作動のシーケンス制御を行う制御手段とに基づいて適正なブレ補正量を定めるブレ制御装置と、ブレ制御装置により定められたブレ補正量に基づいて防振レンズ群を移動させる駆動機構とを組み合わせて、防振レンズシステムを構成することもできる。この場合、上記防振レンズ群は比較的小型である第2レンズ群或いは第2レンズ群の一部とし、これを光軸と直交する方向にシフトするように構成することが好ましい。また、本発明に係るワイドコンバーターレンズを構成する各レンズに加えて、非球面レンズ、屈折率分布型レンズ等を用いることにより、更に良好な光学性能が得られることはいうまでもない。
【0041】
【実施例】
以下、本発明に係るワイドコンバーターレンズの具体的な実施例について説明する。下に示す3つの実施例では、図1、図3及び図6に示すように、本発明のワイドコンバーターレンズWCを、物体側に位置して負の屈折力を有する第1レンズ群FLと、像側に位置して正の屈折力を有する第2レンズ群RLとから構成し、結像レンズ系としての撮影レンズMLを第2レンズ群RLの像側に配置した。また、回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)は第1及び第3両実施例においては第1レンズ群FL中に、また第2実施例においては第2レンズ群RL中に配置した。
【0042】
各実施例において、回折光学面の位相差は、通常の屈折率と後述する非球面式(6),(7)とを用いて行う超高屈折率法により計算した。超高屈折率法は、非球面形状の式と回折光学面の格子ピッチとの間の一定の等価関係を利用するものであり、本実施例において回折光学面は超高屈折率法のデータとして、すなわち、後述する非球面式(6),(7)及びその係数により示している。なお、本実施例では収差特性の算出対象としてd線及びg線を選んだ。本実施例において用いたd線及びg線の波長と、各スペクトル線に対して設定した具体的な屈折率の値を下の表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
各実施例において非球面は、光軸に垂直な方向の高さ(入射高)をyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(非球面量)をZ(y)とし、基準球面の曲率半径をr、近軸曲率半径をRとし、円錐係数をκとし、2次の非球面係数をC2、4次の非球面係数をC4、6次の非球面係数をC6、8次の非球面係数をC8、10次の非球面係数をC10としたとき、下の式(6),(7)で表されるものとした。
【0045】
【数7】
Z(y)=(y2/r)/(1+(1−κ(y2/r2))1/2)
+C2y2+C4y4+C6y6+C8y8+C10y10 …(6)
R=1/((1/r)+2C2) …(7)
【0046】
なお、本実施例において用いた超高屈折率法については、前述の「『回折光学素子入門』応用物理学会日本光学会監修平成9年第1版発行」に詳しい。
【0047】
(第1実施例)
図1に、本発明の第1実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す。本第1実施例に用いた光学系における撮影レンズMLは図1に示すように、物体側から順に、平板ガラスからなる第1フィルタF11、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12(負レンズ)、両凹レンズL13、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14(正レンズ)、開口絞りP15、両凸レンズL16(正レンズ)と物体側に凹面を向けた(像側に凸面を向けた)負メニスカスレンズL17(負レンズ)との接合正レンズ、両凸レンズL18(正レンズ)と両凹レンズL19(負レンズ)との貼り合わせからなる接合正レンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL20(負レンズ)、物体側に凸面を向けた正メニスカスL21(正レンズ)、両凸レンズL22、及びそれぞれ平行平板ガラスからなる第2フィルターF23及び第3フィルターF24を配置して構成した。
【0048】
また、撮影レンズMLの物体側に取り付けた本発明のワイドコンバーターレンズWCは、図1に示すように、負の屈折力を有する第1レンズ群FLと正の屈曲力を有する第2レンズ群RLとからなり、第1レンズ群FLは物体側に凸面を向けて、この面に回折光学面Gfが形成された1枚の負メニスカスレンズL101(負レンズ)から構成した。また、第2レンズ群RLは1枚の両凸レンズL102(正レンズ)から構成した。
【0049】
下の表2に、本第1実施例における各レンズの諸元を示す。表2における面番号1〜5は本発明のワイドコンバーターレンズWCに関するものであり、それぞれ図1における符号1〜5に対応する。また、表2における面番号6〜30は撮影レンズMLに関するものであり、それぞれ図1における符号6〜30に対応する。また、表2におけるrはレンズ面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径)を、dはレンズ面の間隔を、n(d)はd線に対する屈折率を、n(g)はg線に対する屈折率をそれぞれ示している。なお、表2において、非球面形状に形成されたレンズ面には、面番号の右側に*印を付している。また、非球面係数Cn(n=2,4,6,8,10)において「E−10」等は「×10-10」等を示す。以上の表2の記号の説明は、以降の実施例の表においても同様である。
【0050】
本実施例では、ワイドコンバーターレンズWCにおける面番号2及び3に相当する面が回折光学面Gfに相当し、したがってレンズL101が回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)に相当する。また、第1レンズ群FLの最も物体側に位置するレンズ面はレンズL101の物体側レンズ面(面番号1)に相当し、第2レンズ群RLの最も像側に位置するレンズ面はレンズL102の像側レンズ面(面番号5)に相当する。
【0051】
図5は本第1実施例及び後述の第2実施例において用いられる撮影レンズML単体の諸収差図を示している。この図から分かるように、本発明のワイドコンバーターレンズを装着する前の撮影レンズMLはその単体において諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能を有していることが分かる。
【0052】
【表2】
【0053】
このように本実施例では、上記条件式(1),(2),(3),(4),(5)は全て満たされることが分かる。また、本実施例では、最大像高に至る光線で、開口絞りP15の中心を通る光線(主光線)が面の法線となす角度(光線入射角)は、面番号2及び3に相当する面が最も光線入射角が小さくなっており(14.28137°)、したがってこの面に回折光学面Gfが設けられている(レンズL101が回折光学素子となっている)。
【0054】
また、図2は第1実施例における光学系の諸収差図である。各収差図においてFNOはFナンバーを、Yは像高を、Dはd線を、Gはg線をそれぞれ示している。また、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を、非点収差図、歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。更に、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。以上の収差図の説明は、以降の他の収差図においても同様である。各収差図から明らかなように、本第1実施例では諸収差が良好に補正されており、合成光学系(ワイドコンバーターレンズWC+撮影レンズML)全体において、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、この実施例に係るワイドコンバーターレンズの撮影可能画角は、図1における光路図から分かるように、92度であった。
【0055】
(第2実施例)
図3に、本発明の第2実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す。本第2実施例における本発明のワイドコンバーターレンズWCは、負の屈折力を有する第1レンズ群FLと正の屈曲力を有する第2レンズ群RLとからなり、第1レンズ群FLは物体側に凸面を向けた1枚の負メニスカスレンズL201(負レンズ)を配置して構成した。また、第2レンズ群RLは、物体側に位置する面に回折光学面Gfが形成された1枚の両凸レンズL202(正レンズ)を配置して構成した。また、撮影レンズは第1実施例における撮影レンズMLと同じとした。
【0056】
下の表3に、本第2実施例における各レンズの諸元を示す。表3における面番号1〜5は本発明のワイドコンバーターレンズWCに関するものであり、それぞれ図3における符号1〜5に対応する。撮影レンズMLは前述のように第1実施例に用いたものと同じであるので、その諸元の表記はここでは省略する。
【0057】
本実施例では、ワイドコンバーターレンズWCにおける面番号3及び4に相当する面が回折光学面Gfに相当し、したがってレンズL202が回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)に相当する。また、第1レンズ群FLの最も物体側に位置するレンズ面はレンズL201の物体側レンズ面(面番号1)に相当し、第2レンズ群RLの最も像側に位置するレンズ面はレンズL202の像側レンズ面(面番号5)に相当する。
【0058】
【表3】
【0059】
このように本実施例では、上記条件式(1),(2),(3),(4),(5)は全て満たされることが分かる。また、本実施例では、最大像高に至る光線で、開口絞りP15の中心を通る光線(主光線)が面の法線となす角度(光線入射角)は、面番号3に相当する面が最も光線入射角が小さくなっており(9.34792°)、したがってこの面に回折光学面Gfが設けられている(レンズL202が回折光学素子となっている)。
【0060】
また、図4は第1実施例における光学系の諸収差図である。各収差図から明らかなように、本第2実施例では諸収差が良好に補正されており、合成光学系(ワイドコンバーターレンズWC+撮影レンズML)全体において、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、この実施例に係るワイドコンバーターレンズの撮影可能画角は、図3における光路図から分かるように、86度であった。
【0061】
(第3実施例)
図6に、本発明の第3実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す。本第3実施例に用いた光学系における撮影レンズMLは図6に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31(負レンズ)、両凹レンズL32、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33(正レンズ)、開口絞りP34、両凸レンズL35(正レンズ)、両凸レンズL36(正レンズ)と両凹レンズL37(負レンズ)との接合正レンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ38(負レンズ)と両凸レンズL39(正レンズ)との貼り合わせからなる接合正レンズ、両凸レンズL40、及びそれぞれ平行平板ガラスからなる第2フィルターF41及び第3フィルターF42を配置して構成した。
【0062】
また、撮影レンズMLの物体側に取り付けた本発明のワイドコンバーターレンズWCは、図6に示すように、負の屈折力を有する第1レンズ群FLと正の屈曲力を有する第2レンズ群RLとからなり、第1レンズ群FLは物体側から順に、物体側に凸面を向けて像側の面に回折光学面Gfが形成された第1の負メニスカスレンズL301(負レンズ)、物体側に凸面を向けた第2の負メニスカスレンズL302(負レンズ)を配置して構成した。また、第2レンズ群RLは1枚の両凸レンズL303(正レンズ)から構成した。
【0063】
下の表4に、本第1実施例における各レンズの諸元を示す。表4における面番号1〜7は本発明のワイドコンバーターレンズWCに関するものであり、それぞれ図6における符号1〜7に対応する。また、表4における面番号8〜28は撮影レンズMLに関するものであり、それぞれ図6における符号8〜28に対応する。
【0064】
本実施例では、ワイドコンバーターレンズWCにおける面番号2及び3に相当する面が回折光学面Gfに相当し、したがってレンズL301が回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)に相当する。また、第1レンズ群FLの最も物体側に位置するレンズ面はレンズL301の物体側レンズ面(面番号1)に相当し、第2レンズ群RLの最も像側に位置するレンズ面はレンズL303の像側レンズ面(面番号7)に相当する。
【0065】
図8は本第3実施例において用いられる撮影レンズML単体の諸収差図を示している。この図から分かるように、本発明のワイドコンバーターレンズを装着する前の撮影レンズMLはその単体において諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能を有していることが分かる。
【0066】
【表4】
【0067】
このように本実施例では、上記条件式(1),(2),(3),(4),(5)は全て満たされることが分かる。また、本実施例では、最大像高に至る光線で、開口絞りP34の中心を通る光線(主光線)が面の法線となす角度(光線入射角)は、面番号2及び3に相当する面が最も光線入射角が小さくなっており(12.0674°)、したがってこの面に回折光学面Gfが設けられている(レンズL301が回折光学素子となっている)。
【0068】
また、図7は第3実施例における光学系の諸収差図である。各収差図から明らかなように、本第3実施例では諸収差が良好に補正されており、合成光学系(ワイドコンバーターレンズWC+撮影レンズML)全体において、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、この実施例に係るワイドコンバーターレンズの撮影可能画角は、図6における光路図から分かるように、102度であった。
【0069】
以上の実施例からも分かるように、本発明に係るワイドコンバーターレンズは、コンパクトな構成でありながら収差発生が少なく、優れた結像性能を有している。したがって、このワイドコンバーターレンズを、例えばデジタルスチルカメラの物体側に装着して用いれば、実用に十分な広角化機能を得ることができる。また、上述の実施例では、回折光学面はワイドコンバーターレンズを構成するレンズ面の一つに設けられていたが、これは一例であり、回折光学面を複数のレンズ面に設けるようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るワイドコンバーターレンズによれば、コンパクトな構成でありながら収差発生を少なくして、優れた結像性能を得ることができる。また、撮影画角を80度以上、更には100度以上にまで広げることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す図である。
【図2】第1実施例における合成光学系の諸収差図である。
【図3】本発明の第2実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す図である。
【図4】第2実施例における合成光学系の諸収差図である。
【図5】第1及び第2実施例における撮影レンズ単体の諸収差図である。
【図6】本発明の第3実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す図である。
【図7】第3実施例における合成光学系の諸収差図である。
【図8】第3実施例における撮影レンズ単体の諸収差図である。
【図9】フレネルゾーンプレートの一例を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)における矢視B−Bから見た断面図である。
【符号の説明】
1 フレネルゾーンプレート
WC ワイドコンバーターレンズ
FL 第1レンズ群
Gf 回折光学面
RL 第2レンズ群
ML 撮影レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影レンズの物体側に装着してレンズ系全体の焦点距離を短くし、撮影画角を広げるためのワイドコンバーターレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影レンズの物体側に装着し、レンズ系全体の焦点距離を短くして撮影画角を広げるワイドコンバーターレンズが知られており、スチルカメラやビデオカメラ等に用いられている。このようなワイドコンバーターレンズは多くの場合、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群とを配置したうえで、これら両レンズ群の焦点位置をほぼ一致させ、物体側から入射した平行光束が同じく平行光束として出射するアフォーカル光学系として構成する。このような従来のワイドコンバーターレンズの例が下記の特許文献に示されており、物体側から順に負の屈折力を有する1枚の負レンズ、正の屈折力を有する1枚の正レンズと配置された計2枚のレンズからなる、比較的単純な構成のものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−138389号公報
【特許文献2】
特開平7−209580号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記2つの公報に開示されたワイドコンバーターレンズにおいては、撮影レンズ装着時の撮影画角が74度或いは76度程度と小さく、ワイド化が不充分であった。また、いずれもレンズ枚数が少なく単純な構成であるため小型軽量化が図れるものの、収差がやや大きく、結像性能が不充分であるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、撮影画角を80度以上、更には100度以上にまで広げることが可能であるとともに、コンパクトな構成でありながら収差発生が少なく、結像性能が良好で実用に適した構成のワイドコンバーターレンズを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るワイドコンバーターレンズは、撮影レンズの物体側に装着して用いられるワイドコンバーターレンズであって、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群とを備えてアフォーカル光学系を構成し、第1レンズ群の最も物体側の位置に物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有するとともに、第2レンズ群中に少なくとも1つの両凸レンズを有し、第1レンズ群及び第2レンズ群の少なくとも一方に回折光学面が設けられている。
【0007】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、最大像高に至る主光線が回折光学面に入射する角度が15度以下であることが好ましい。また、回折光学面は物体側に凸な面に形成され、回折光学面の有効径をC、前記第1レンズ群の焦点距離をfFとしたときに、0.2<C/|fF|<10.0の条件を満足していることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、回折光学面を有するレンズの焦点距離をfkとし、第1レンズ群の最も物体側に位置する面から第2レンズ群の最も像側に位置する面までの距離をLとしたときに、0.2<|fk|/L<5.0の条件を満足していることが好ましい。更に、第1レンズ群の最も物体側に位置する負メニスカスレンズは、物体側の面の曲率半径をr1、像側の面の曲率半径をr2としたときに、1.0<(r1+r2)/(r1−r2)<5.0の条件を満足していることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るワイドコンバーターレンズの実施形態について説明する。ワイドコンバーターレンズは任意の結像レンズ系の物体側に装着されて用いられるフロントコンバーターレンズの一種であり、先ず、このフロントコンバーターレンズについて光学的に説明する。フロントコンバーターレンズとは、上記のように任意の結像レンズ系(例えば撮像レンズ)の物体側に装着されて、物体側から入射した平行光束を像側へ平行光束として射出する光学系(アフォーカル光学系)をいう。この場合、フロントコンバーターレンズのアフォーカル倍率Mは、軸上近軸光線の傾角の大きさに関し、入射側に対する射出側の比(|θout/θin|:θoutは射出側の軸上近軸光線の傾角であり、θinは入射側の軸上近軸光線の傾角である)を示す。ワイドコンバーターレンズとはこのようなフロントコンバーターレンズのうち、結像レンズ系の物体側に取り付けられてレンズ系全体の焦点距離を短い方に変化させる光学系をいい、上記アフォーカル倍率Mを1.0よりも小さくする(すなわち広角化の機能を有する)ものである。
【0010】
ワイドコンバーターレンズを構成する光学系としては、逆ガリレオ型の光学系が知られている。この逆ガリレオ型の光学系は、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群と配置するとともに、第1レンズ群の物体側焦点位置と第2レンズ群の物体側焦点位置を一致させた構成となっている。その結果、物体側から平行に入射した光線束はワイドコンバーターレンズを通過した後、光束径が拡大された状態で像側へ平行に射出される。したがって、ワイドコンバーターレンズはアフォーカルコンバーターとも呼ばれ、この逆ガリレオ型のワイドコンバーターレンズにおけるアフォーカル倍率Mは、第1レンズ群の焦点距離をfFとし、第2レンズ群の焦点距離をfRとすると、下の式(a)で表される。
【0011】
【数1】
M=|fF|/fR … (a)
【0012】
但し、第1レンズ群の物体側焦点位置と第2レンズ群の物体側焦点位置とを一致させていないときでも、軸上近軸光線の傾角の大きさに関し、入射側に対する射出側の比(|θout/θin|)でM=|θout/θin|と定義する。
【0013】
なお、このMの値は、ワイドコンバーターレンズのレンズデータの部分のみを近軸追跡計算することによって求められる。すなわち、結像レンズ系によらず、ワイドコンバーターレンズのアフォーカル倍率Mはワイドコンバーターレンズ単体の構成パラメータによって定まる。但し、実用的には、第1レンズ群の物体側焦点位置と第2レンズ群の物体側焦点位置とを厳密に一致させる必要はなく、第1レンズ群及び第2レンズ群の少なくとも一方を光軸上に移動させてピント合わせ(焦点合わせ)をするか、後方の結像レンズ系(撮影レンズ)でピント合わせをすることができる範囲内において双方の焦点位置を十分に近接させておけばよい。このように双方の焦点位置が厳密に一致していない場合でも、アフォーカル倍率Mとは、軸上近軸光線の傾角の大きさに関し、入射側に対する射出側の比と考えるものとする。なお、このときのアフォーカル倍率Mは上記式(a)からずれるが、そのずれ量はわずかである。
【0014】
なお、これら双方の焦点位置を厳密に一致させた場合、ワイドコンバーターレンズと、その像側に位置する任意の結像レンズ系(焦点距離をfとする)の合成焦点距離はM×fで与えられる。ここで、双方の焦点位置が一致していない場合はM×fから若干外れてしまうが、合成した全体の光学系(ワイドコンバーターレンズ+結像レンズ系)の焦点距離は、近軸光線追跡計算をすることによって求めることが可能である。
【0015】
なお、本発明のワイドコンバーターレンズのような付加的な光学系では、それ自体において収差を十分に除去しておかないと、結像レンズ系(撮影レンズ)と組み合わせた状態における合成光学系(ワイドコンバーターレンズ+撮影レンズ)での収差が劣化してしまい、その結像性能が低下してしまうので注意が必要である。本発明は、このような逆ガリレオ型のワイドコンバーターレンズにおいて回折光学素子を用いることにより、小型であるにも拘わらず、収差発生の少ない、優れた結像性能を得る手法を見出したものである。
【0016】
次に、回折光学素子について説明する。一般に、光線を曲げる方法としては屈折と反射が知られているが、第3番目の方法として回折がある。従来知られた回折格子やフレネルゾーンプレートはこのような光の回折現象を利用した光学素子であり、回折光学素子と呼ばれる。このような回折光学素子は屈折や反射とは異なる振る舞いを示すことが知られており、その振る舞いの具体的な例としては、負の分散値を有することが挙げられる。この性質は色収差補正に極めて有効であり、高価な特殊低分散ガラスでしか達し得ない(通常のガラスでは達し得ない)良好な色収差補正が可能となる。
【0017】
本発明においては、ガラスやプラスチック等の光学部材の表面に回折光学面、すなわち回折格子やフレネルゾーンプレートのように光線を曲げて回折現象を生ずる面を形成して良好な光学性能を得ている。図9はフレネルゾーンプレートの一例を示すものであり、図9(A)は光軸方向から見たフレネルゾーンプレート1の正面図、図9(B)は図9(A)における矢視B−Bから見たフレネルゾーンプレート1の断面図である。この図9に示すフレネルゾーンプレート1は回折光学面を構成する回折格子溝の1ピッチが連続した曲線であるキノフォーム型であるが、その他、周期構造が階段状のものや三角形状等のものとすることもできる。なお、このような回折光学素子については、「『回折光学素子入門』応用物理学会日本光学会監修平成9年第1版発行」に詳しい。
【0018】
続いて、本発明に係るワイドコンバーターレンズの詳細について説明する。本発明に係るワイドコンバーターレンズは、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群とを備えて逆ガリレオ型のアフォーカル光学系を構成しており、これら第1レンズ群及び第2レンズ群の少なくとも一方に回折光学面が設けられている(回折光学面が設けられた回折光学素子を有している)。
【0019】
このように本発明に係るワイドコンバーターレンズでは、負の屈折力を有する第1レンズ群及び正の屈折力を有する第2レンズ群の少なくとも一方に回折光学面が設けられているため、従来に比して少ない枚数のレンズ数で諸収差を良好に補正することができるようになっている。このため本発明に係るワイドコンバーターレンズによれば、コンパクトな構成でありながら優れた結像性能を得ることができる。また、回折光学面を設けることにより色収差が良好に除去されるので、撮影画角を従来に比して(80度以上、更には100度以上にまで)大きく取ることが可能となる。
【0020】
ここで、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、回折光学面を有する一般の光学系の場合と同様、回折光学面に入射する光線の角度は、できるだけ小さいことが好ましい。これは、上記入射角度が大きくなると回折光学面によるフレアが発生し易くなり、画質を損ねてしまうからである。したがって、本発明に係るワイドコンバーターレンズでは、そのフレアが及ぼす影響を小さくして良好な画質を得るため、最大像高に至る主光線(絞りの中心を通る光線)が回折光学面に入射する角度(主光線の光軸が回折光学面の法線となす角度)が15度以下、好ましくは10度(より好ましくは5度)以下となるようにすること、換言すると、回折光学面は、入射する光の角度が15度(好ましくは10度。より好ましくは5度)以下となるレンズ面に設けられることが望ましい。このような条件が満たされるのであれば、回折光学面は本ワイドコンバーターレンズ中のどこに配置してもよいが、本ワイドコンバーターレンズを構成するレンズの面のうち、物体側に凸となる面のいずれかに形成するようにすれば、上記条件を満足させることが容易になる。
【0021】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズでは、上記回折光学面が物体側に凸な面に形成されており、回折光学面の有効径をC、第1レンズ群の焦点距離をfFとしたときに、下の条件式(1)を満足していることが好ましい。
【0022】
【数2】
0.2<C/|fF|<10.0 … (1)
【0023】
この条件式(1)は、回折光学面を有するレンズの適切な有効径(直径)を規定するものである。C/|fF|の値が上記条件式(1)の下限を下回ると、回折光学面を有するレンズの有効径が全系に対して小さくなり過ぎ、広角化が困難となるばかりか、十分な周辺光量の確保が難しくなる。反対に、C/|fF|の値が条件式(1)の上限を上回ると、回折光学面の製作が困難となるばかりか、レンズの研磨や心取りが困難となってコストアップにつながってしまう。しかも、有効径Cが大きくなり過ぎコマ収差が増大するので結像性能が劣化してしまい、更には外部からの有害光が入り易くなってフレア等による画質低下を招き易くなる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるには、上記条件式(1)の上限値を2.0とすることが好ましい。また、下限値については0.5とすることが好ましい。
【0024】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズでは、回折光学面を有するレンズの焦点距離をfkとし、第1レンズ群の最も物体側に位置する面から第2レンズ群の最も像側に位置する面までの距離(すなわちワイドコンバーターレンズの全長)をLとしたときに、下の条件式を満足していることが好ましい。
【0025】
【数3】
0.2<|fk|/L<5.0 … (2)
【0026】
上記条件式(2)は、回折光学面を有するレンズの焦点距離fkと本発明のワイドコンバーターレンズの全長Lとの適正なる比を定めたものである。|fk|/Lの値が条件式(2)の上限を上回ると、回折光学面を有するレンズの焦点距離fkが長くなり過ぎ、収差バランスを失い易くなる。そして、レンズ面の曲率半径の大きさが大きくなってゴーストが発生し易くなる不都合が生じる。逆に、|fk|/Lの値が条件式(2)の下限を下回ると、回折光学面を有するレンズの焦点距離が小さくなり過ぎ、この結果、ワイドコンバーターレンズの全長Lが大きくなり過ぎて小型化が困難となるばかりか、色収差補正の能力が不足してしまい、十分な色収差補正の達成が困難となる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるには、上記条件式(2)の上限値を3.0とすることが望ましい。また、下限値については1.0とすることが望ましい。
【0027】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、第1レンズ群の最も物体側に位置する負メニスカスレンズは、物体側の面の曲率半径をr1、像側の面の曲率半径をr2としたときに、下の条件式(3)を満足していることが好ましい。
【0028】
【数4】
1.0<(r1+r2)/(r1−r2)<5.0 … (3)
【0029】
上記条件式(3)は、第1レンズ群の最も物体側に位置する負メニスカスレンズの適切な形状を規定するものである。ここで、(r1+r2)/(r1−r2)の値が条件式(3)の下限を下回ると、非点収差や倍率色収差などの軸収差の劣化が大きくなり好ましくない。反対に、(r1+r2)/(r1−r2)の値が条件式(3)の上限を上回ると、レンズの研磨や芯取りが困難となりコストアップにつながる。また、上記負メニスカスレンズが回折光学面を有する場合は、その製作が極めて困難となる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるには、上記条件式(3)の上限値を3.5とすることが好ましい。また、下限値については1.0とすることが好ましい。
【0030】
また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいて、更に優れた性能を達成するには、第1レンズ群中、最も大きな空気間隔を隔てて位置している負メニスカスレンズにおける像側の面の曲率半径をRFとし、第2レンズ群中の両凸レンズ(複数ある場合には最も物体側に位置するもの)における物体側の面の曲率半径をRMとしたときに、下の条件式(4)が満足されることが好ましい。
【0031】
【数5】
0.0<RF/RM<3.0 … (4)
【0032】
上記条件式(4)は、最も大きな空気間隔を隔てて位置している負メニスカスレンズにおける像側の面の曲率半径RFと、第2レンズ群中の両凸レンズにおける物体側の面の曲率半径RMとの比の適切な値を規定する。RF/RMの値が条件式(4)の下限、上限のいずれを外れても、上記負メニスカスレンズで発生する正の球面収差と、上記両凸レンズで発生する負の球面収差とをバランス良く相殺することが困難となる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるには、上記条件式(4)の上限値を1.5とすることが好ましい。また、下限値については0.1とすることが好ましい。
【0033】
更に、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、第2レンズ群中の両凸レンズ(複数ある場合には最も物体側に位置するもの)のd線(λ=587.562nm)に対する屈折率をNとしたときに、下の条件式(5)を満足していることが好ましい。
【0034】
【数6】
N<1.7 … (5)
【0035】
上記条件式(5)は、第2レンズ群中に設けられる両凸レンズの屈折率Nの適正なる範囲を定めたものであり、Nの値が条件式(5)の上限を超えると、レンズ系全体のペッツバール和が小さくなり過ぎてしまい、この結果、像面湾曲が甚大となって良好な結像性能が得られなくなる不都合が生じてしまう。
【0036】
実際に、本発明のワイドコンバーターレンズを構成する際には、第1レンズ群には、物体側に凸面を向けた1つないし2つの負メニスカスレンズを有することが好ましく、第2レンズ群は1枚の両凸レンズで構成することが好ましい。また、回折光学面は、最も物体側の負メニスカスレンズないしは、第2レンズ群中に設けられた両凸レンズの物体側の面に配置することが好ましい。そして、第1レンズ群の最も物体側に位置する負メニスカスレンズは良好な結像性能を得るためには、d線に対する屈折率が1.7以上であることが好ましい。
【0037】
ところで、上述の回折光学面をレンズ上に形成する場合、製造を容易にする観点から、フレネルゾーンプレートのように、その回折光学面を光軸に対して回転対称な格子構造にすることが好ましい。このような回転対称な格子構造は、通常の非球面レンズを製作するのと同じく、精研削でも、ガラスモールドでも形成可能である。また、レンズ表面に薄い樹脂層を形成し、この樹脂層に格子構造を設けるようにしてもよい。また、回折格子は単純な単層構造に限らず、複数の格子構造を重ねて複層構造にしてもよい。このように複層構造の回折格子によれば、回折効率の波長特性や画角特性をより一層向上させることができる。
【0038】
また、回折光学面は、アッベ数が65以下の光学ガラスレンズのレンズ面上に形成することが好ましい。これは、回折格子の形成が容易で、しかも良好な光学性能が得られるからである。また、本発明のワイドコンバーターレンズにおいては回折光学面の分散能が非常に大きいので、近軸パワーをほぼ零として用いることが、全体の良好な収差バランスを確保するうえで好ましい(後述する3つの実施例では、いずれも近軸パワーは零となっている)。
【0039】
ところで、本発明に係るワイドコンバーターレンズは、任意の結像レンズ系(ここでは撮影レンズとする)の物体側に装着して用いられる。このように本発明に係るワイドコンバーターレンズを撮影レンズの物体側に装着すると、レンズ系全体の最短撮影距離は元の撮影レンズの最短撮影距離よりも小さくなるのであるが、第1レンズ群及び第2レンズ群の少なくとも一方が光軸に沿って移動する機構を設けておくことにより、近距離フォーカシングが可能となるので、焦点合わせについては特に問題はない。また、本発明に係るワイドコンバーターレンズにおいては、第2レンズ群を光軸に沿って移動可能な可動レンズ群として構成することにより、比較的簡素な構造を採ることができる。また、このような構成にすれば、全長を変化させることなく合焦(フォーカシング)を行う内部合焦方式(内焦方式)を採用することも可能となる。
【0040】
更に、本発明に係るワイドコンバーターレンズは、撮影レンズのブレを検出するブレ検出手段と、ブレ検出手段からの信号とカメラの作動のシーケンス制御を行う制御手段とに基づいて適正なブレ補正量を定めるブレ制御装置と、ブレ制御装置により定められたブレ補正量に基づいて防振レンズ群を移動させる駆動機構とを組み合わせて、防振レンズシステムを構成することもできる。この場合、上記防振レンズ群は比較的小型である第2レンズ群或いは第2レンズ群の一部とし、これを光軸と直交する方向にシフトするように構成することが好ましい。また、本発明に係るワイドコンバーターレンズを構成する各レンズに加えて、非球面レンズ、屈折率分布型レンズ等を用いることにより、更に良好な光学性能が得られることはいうまでもない。
【0041】
【実施例】
以下、本発明に係るワイドコンバーターレンズの具体的な実施例について説明する。下に示す3つの実施例では、図1、図3及び図6に示すように、本発明のワイドコンバーターレンズWCを、物体側に位置して負の屈折力を有する第1レンズ群FLと、像側に位置して正の屈折力を有する第2レンズ群RLとから構成し、結像レンズ系としての撮影レンズMLを第2レンズ群RLの像側に配置した。また、回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)は第1及び第3両実施例においては第1レンズ群FL中に、また第2実施例においては第2レンズ群RL中に配置した。
【0042】
各実施例において、回折光学面の位相差は、通常の屈折率と後述する非球面式(6),(7)とを用いて行う超高屈折率法により計算した。超高屈折率法は、非球面形状の式と回折光学面の格子ピッチとの間の一定の等価関係を利用するものであり、本実施例において回折光学面は超高屈折率法のデータとして、すなわち、後述する非球面式(6),(7)及びその係数により示している。なお、本実施例では収差特性の算出対象としてd線及びg線を選んだ。本実施例において用いたd線及びg線の波長と、各スペクトル線に対して設定した具体的な屈折率の値を下の表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
各実施例において非球面は、光軸に垂直な方向の高さ(入射高)をyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(非球面量)をZ(y)とし、基準球面の曲率半径をr、近軸曲率半径をRとし、円錐係数をκとし、2次の非球面係数をC2、4次の非球面係数をC4、6次の非球面係数をC6、8次の非球面係数をC8、10次の非球面係数をC10としたとき、下の式(6),(7)で表されるものとした。
【0045】
【数7】
Z(y)=(y2/r)/(1+(1−κ(y2/r2))1/2)
+C2y2+C4y4+C6y6+C8y8+C10y10 …(6)
R=1/((1/r)+2C2) …(7)
【0046】
なお、本実施例において用いた超高屈折率法については、前述の「『回折光学素子入門』応用物理学会日本光学会監修平成9年第1版発行」に詳しい。
【0047】
(第1実施例)
図1に、本発明の第1実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す。本第1実施例に用いた光学系における撮影レンズMLは図1に示すように、物体側から順に、平板ガラスからなる第1フィルタF11、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12(負レンズ)、両凹レンズL13、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14(正レンズ)、開口絞りP15、両凸レンズL16(正レンズ)と物体側に凹面を向けた(像側に凸面を向けた)負メニスカスレンズL17(負レンズ)との接合正レンズ、両凸レンズL18(正レンズ)と両凹レンズL19(負レンズ)との貼り合わせからなる接合正レンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL20(負レンズ)、物体側に凸面を向けた正メニスカスL21(正レンズ)、両凸レンズL22、及びそれぞれ平行平板ガラスからなる第2フィルターF23及び第3フィルターF24を配置して構成した。
【0048】
また、撮影レンズMLの物体側に取り付けた本発明のワイドコンバーターレンズWCは、図1に示すように、負の屈折力を有する第1レンズ群FLと正の屈曲力を有する第2レンズ群RLとからなり、第1レンズ群FLは物体側に凸面を向けて、この面に回折光学面Gfが形成された1枚の負メニスカスレンズL101(負レンズ)から構成した。また、第2レンズ群RLは1枚の両凸レンズL102(正レンズ)から構成した。
【0049】
下の表2に、本第1実施例における各レンズの諸元を示す。表2における面番号1〜5は本発明のワイドコンバーターレンズWCに関するものであり、それぞれ図1における符号1〜5に対応する。また、表2における面番号6〜30は撮影レンズMLに関するものであり、それぞれ図1における符号6〜30に対応する。また、表2におけるrはレンズ面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径)を、dはレンズ面の間隔を、n(d)はd線に対する屈折率を、n(g)はg線に対する屈折率をそれぞれ示している。なお、表2において、非球面形状に形成されたレンズ面には、面番号の右側に*印を付している。また、非球面係数Cn(n=2,4,6,8,10)において「E−10」等は「×10-10」等を示す。以上の表2の記号の説明は、以降の実施例の表においても同様である。
【0050】
本実施例では、ワイドコンバーターレンズWCにおける面番号2及び3に相当する面が回折光学面Gfに相当し、したがってレンズL101が回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)に相当する。また、第1レンズ群FLの最も物体側に位置するレンズ面はレンズL101の物体側レンズ面(面番号1)に相当し、第2レンズ群RLの最も像側に位置するレンズ面はレンズL102の像側レンズ面(面番号5)に相当する。
【0051】
図5は本第1実施例及び後述の第2実施例において用いられる撮影レンズML単体の諸収差図を示している。この図から分かるように、本発明のワイドコンバーターレンズを装着する前の撮影レンズMLはその単体において諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能を有していることが分かる。
【0052】
【表2】
【0053】
このように本実施例では、上記条件式(1),(2),(3),(4),(5)は全て満たされることが分かる。また、本実施例では、最大像高に至る光線で、開口絞りP15の中心を通る光線(主光線)が面の法線となす角度(光線入射角)は、面番号2及び3に相当する面が最も光線入射角が小さくなっており(14.28137°)、したがってこの面に回折光学面Gfが設けられている(レンズL101が回折光学素子となっている)。
【0054】
また、図2は第1実施例における光学系の諸収差図である。各収差図においてFNOはFナンバーを、Yは像高を、Dはd線を、Gはg線をそれぞれ示している。また、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を、非点収差図、歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。更に、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。以上の収差図の説明は、以降の他の収差図においても同様である。各収差図から明らかなように、本第1実施例では諸収差が良好に補正されており、合成光学系(ワイドコンバーターレンズWC+撮影レンズML)全体において、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、この実施例に係るワイドコンバーターレンズの撮影可能画角は、図1における光路図から分かるように、92度であった。
【0055】
(第2実施例)
図3に、本発明の第2実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す。本第2実施例における本発明のワイドコンバーターレンズWCは、負の屈折力を有する第1レンズ群FLと正の屈曲力を有する第2レンズ群RLとからなり、第1レンズ群FLは物体側に凸面を向けた1枚の負メニスカスレンズL201(負レンズ)を配置して構成した。また、第2レンズ群RLは、物体側に位置する面に回折光学面Gfが形成された1枚の両凸レンズL202(正レンズ)を配置して構成した。また、撮影レンズは第1実施例における撮影レンズMLと同じとした。
【0056】
下の表3に、本第2実施例における各レンズの諸元を示す。表3における面番号1〜5は本発明のワイドコンバーターレンズWCに関するものであり、それぞれ図3における符号1〜5に対応する。撮影レンズMLは前述のように第1実施例に用いたものと同じであるので、その諸元の表記はここでは省略する。
【0057】
本実施例では、ワイドコンバーターレンズWCにおける面番号3及び4に相当する面が回折光学面Gfに相当し、したがってレンズL202が回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)に相当する。また、第1レンズ群FLの最も物体側に位置するレンズ面はレンズL201の物体側レンズ面(面番号1)に相当し、第2レンズ群RLの最も像側に位置するレンズ面はレンズL202の像側レンズ面(面番号5)に相当する。
【0058】
【表3】
【0059】
このように本実施例では、上記条件式(1),(2),(3),(4),(5)は全て満たされることが分かる。また、本実施例では、最大像高に至る光線で、開口絞りP15の中心を通る光線(主光線)が面の法線となす角度(光線入射角)は、面番号3に相当する面が最も光線入射角が小さくなっており(9.34792°)、したがってこの面に回折光学面Gfが設けられている(レンズL202が回折光学素子となっている)。
【0060】
また、図4は第1実施例における光学系の諸収差図である。各収差図から明らかなように、本第2実施例では諸収差が良好に補正されており、合成光学系(ワイドコンバーターレンズWC+撮影レンズML)全体において、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、この実施例に係るワイドコンバーターレンズの撮影可能画角は、図3における光路図から分かるように、86度であった。
【0061】
(第3実施例)
図6に、本発明の第3実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す。本第3実施例に用いた光学系における撮影レンズMLは図6に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31(負レンズ)、両凹レンズL32、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33(正レンズ)、開口絞りP34、両凸レンズL35(正レンズ)、両凸レンズL36(正レンズ)と両凹レンズL37(負レンズ)との接合正レンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ38(負レンズ)と両凸レンズL39(正レンズ)との貼り合わせからなる接合正レンズ、両凸レンズL40、及びそれぞれ平行平板ガラスからなる第2フィルターF41及び第3フィルターF42を配置して構成した。
【0062】
また、撮影レンズMLの物体側に取り付けた本発明のワイドコンバーターレンズWCは、図6に示すように、負の屈折力を有する第1レンズ群FLと正の屈曲力を有する第2レンズ群RLとからなり、第1レンズ群FLは物体側から順に、物体側に凸面を向けて像側の面に回折光学面Gfが形成された第1の負メニスカスレンズL301(負レンズ)、物体側に凸面を向けた第2の負メニスカスレンズL302(負レンズ)を配置して構成した。また、第2レンズ群RLは1枚の両凸レンズL303(正レンズ)から構成した。
【0063】
下の表4に、本第1実施例における各レンズの諸元を示す。表4における面番号1〜7は本発明のワイドコンバーターレンズWCに関するものであり、それぞれ図6における符号1〜7に対応する。また、表4における面番号8〜28は撮影レンズMLに関するものであり、それぞれ図6における符号8〜28に対応する。
【0064】
本実施例では、ワイドコンバーターレンズWCにおける面番号2及び3に相当する面が回折光学面Gfに相当し、したがってレンズL301が回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)に相当する。また、第1レンズ群FLの最も物体側に位置するレンズ面はレンズL301の物体側レンズ面(面番号1)に相当し、第2レンズ群RLの最も像側に位置するレンズ面はレンズL303の像側レンズ面(面番号7)に相当する。
【0065】
図8は本第3実施例において用いられる撮影レンズML単体の諸収差図を示している。この図から分かるように、本発明のワイドコンバーターレンズを装着する前の撮影レンズMLはその単体において諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能を有していることが分かる。
【0066】
【表4】
【0067】
このように本実施例では、上記条件式(1),(2),(3),(4),(5)は全て満たされることが分かる。また、本実施例では、最大像高に至る光線で、開口絞りP34の中心を通る光線(主光線)が面の法線となす角度(光線入射角)は、面番号2及び3に相当する面が最も光線入射角が小さくなっており(12.0674°)、したがってこの面に回折光学面Gfが設けられている(レンズL301が回折光学素子となっている)。
【0068】
また、図7は第3実施例における光学系の諸収差図である。各収差図から明らかなように、本第3実施例では諸収差が良好に補正されており、合成光学系(ワイドコンバーターレンズWC+撮影レンズML)全体において、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、この実施例に係るワイドコンバーターレンズの撮影可能画角は、図6における光路図から分かるように、102度であった。
【0069】
以上の実施例からも分かるように、本発明に係るワイドコンバーターレンズは、コンパクトな構成でありながら収差発生が少なく、優れた結像性能を有している。したがって、このワイドコンバーターレンズを、例えばデジタルスチルカメラの物体側に装着して用いれば、実用に十分な広角化機能を得ることができる。また、上述の実施例では、回折光学面はワイドコンバーターレンズを構成するレンズ面の一つに設けられていたが、これは一例であり、回折光学面を複数のレンズ面に設けるようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るワイドコンバーターレンズによれば、コンパクトな構成でありながら収差発生を少なくして、優れた結像性能を得ることができる。また、撮影画角を80度以上、更には100度以上にまで広げることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す図である。
【図2】第1実施例における合成光学系の諸収差図である。
【図3】本発明の第2実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す図である。
【図4】第2実施例における合成光学系の諸収差図である。
【図5】第1及び第2実施例における撮影レンズ単体の諸収差図である。
【図6】本発明の第3実施例に係るワイドコンバーターレンズと撮影レンズとからなる合成光学系のレンズ構成を示す図である。
【図7】第3実施例における合成光学系の諸収差図である。
【図8】第3実施例における撮影レンズ単体の諸収差図である。
【図9】フレネルゾーンプレートの一例を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)における矢視B−Bから見た断面図である。
【符号の説明】
1 フレネルゾーンプレート
WC ワイドコンバーターレンズ
FL 第1レンズ群
Gf 回折光学面
RL 第2レンズ群
ML 撮影レンズ
Claims (5)
- 撮影レンズの物体側に装着して用いられるワイドコンバーターレンズであって、
物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群とを備えてアフォーカル光学系を構成し、
前記第1レンズ群の最も物体側の位置に物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有するとともに、前記第2レンズ群中に少なくとも1つの両凸レンズを有し、
前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群の少なくとも一方に回折光学面が設けられたことを特徴とするワイドコンバーターレンズ。 - 最大像高に至る主光線が前記回折光学面に入射する角度が15度以下であることを特徴とする請求項1記載のワイドコンバーターレンズ。
- 前記回折光学面は物体側に凸な面に形成され、前記回折光学面の有効径をC、前記第1レンズ群の焦点距離をfFとしたときに、
0.2<C/|fF|<10.0
の条件を満足していることを特徴とする請求項1又は2記載のワイドコンバーターレンズ。 - 前記回折光学面を有するレンズの焦点距離をfkとし、前記第1レンズ群の最も物体側に位置する面から前記第2レンズ群の最も像側に位置する面までの距離をLとしたときに、
0.2<|fk|/L<5.0
の条件を満足していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワイドコンバーターレンズ。 - 前記第1レンズ群の最も物体側に位置する前記負メニスカスレンズは、物体側の面の曲率半径をr1、像側の面の曲率半径をr2としたときに、
1.0<(r1+r2)/(r1−r2)<5.0
の条件を満足していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のワイドコンバーターレンズ。
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