JP2004205631A - 光デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性を向上させつつも光学部品の基切り替え位置保持性能が高く、しかも製造が容易な光デバイスを提供する。
【解決手段】基体2の上面には、ミラー4を支持した可動部3が、弾性支持部5によって変位可能に支持されている。可動部3の両側面にはラッチ爪9が一体に設けられており、さらに可動部3の両側方に、ラッチ爪9に対応するラッチ爪10が一体に設けられた弾性ラッチ部7が配置されている。可動部3は、可動部3および基体2に設けられた電極対を有する可動部用アクチュエータ6により変位され、これによってラッチ爪9,10同士が係合する。係合の解除は、弾性ラッチ部7および基体2に設けられた電極対を有するラッチ部用アクチュエータ8によってなされる。係合が解除されると、可動部3は弾性支持部5のばね力により元の位置へ復帰する。
【選択図】 図1
【解決手段】基体2の上面には、ミラー4を支持した可動部3が、弾性支持部5によって変位可能に支持されている。可動部3の両側面にはラッチ爪9が一体に設けられており、さらに可動部3の両側方に、ラッチ爪9に対応するラッチ爪10が一体に設けられた弾性ラッチ部7が配置されている。可動部3は、可動部3および基体2に設けられた電極対を有する可動部用アクチュエータ6により変位され、これによってラッチ爪9,10同士が係合する。係合の解除は、弾性ラッチ部7および基体2に設けられた電極対を有するラッチ部用アクチュエータ8によってなされる。係合が解除されると、可動部3は弾性支持部5のばね力により元の位置へ復帰する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信などの分野において、光信号の光路切り替え、減衰、遮断、あるいはフィルタリングなどに用いられる光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光信号の光路切り替え、減衰、遮断あるいはフィルタリングなどを行う光デバイスにおいては、これらの機能を発揮するためのミラーや光学フィルタといった光学部品を光路中に出し入れ可能に支持する可動部を有している。可動部は、基体に対して弾性構造体を介して支持され、例えば静電アクチュエータによって駆動される。すなわち、静電アクチュエータに電圧を印加することにより生じる静電気力によって可動部を変位させ、電圧の印加をオフすることによって静電気力が消失すると、弾性構造体の持つばね力によって、可動部は元の位置へ復帰する。
【0003】
ところが、上述した光デバイスは、静電アクチュエータに電圧が印加されている間だけ可動部が変位した位置にあるので、停電などによって静電気力が消失すると、変位していた可動部は元の位置へ復帰し、デバイスとしての機能が損なわれてしまう。そこで、静電気力が消失しても可動部の位置が復帰しないような自己保持機能を有する機構を設けた光デバイスが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、基体の表面に互いに対向して設けられた第1および第2の固定電極と、これらの間に配置された可動電極と、可動電極に支持された支持部に設けられた工学部品と、可動電極の両端において可動電極を基体に対して弾性的に支持する板ばね部とを有する光デバイスが開示されている。
【0005】
この光デバイスでは、第1の固定電極と可動電極との間に電圧を印加すると、可動電極は第1の固定電極に引き寄せられ、支持部に取付けられた光学部品も第1の固定電極側へ変位する。このとき、板ばね部は、可動電極の移動に伴い、一旦湾曲した後に直線状になった状態で止まり、電圧の印加をオフしても、可動電極は第1の固定電極側へ引き寄せられた位置で保持される。一方、第2の固定電極と可動電極との間に電圧を印加すると、可動電極は第2の固定電極側へ引き寄せられ、上述した板ばね部の自己保持機能によって、電圧の印加をオフしても可動電極は第2の固定電極側へ引き寄せられた位置で保持される。
【0006】
こういった光デバイスは、微細な構造を有することから、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を利用して作製される。MEMSは、マイクロマシンとも呼ばれ、半導体製造技術を応用してシリコン基板に微細な三次元構造を形成し、センサやアクチュエータの超小型化を実現する技術として注目されている技術である。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−116388号公報(第7〜8欄、図4、図7)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光デバイスには、以下に示すような問題点があった。
【0009】
上述した光デバイスでは、可動電極を移動させる際に板ばね部は一旦湾曲した状態となる。このとき、板ばね部には大きな負荷が加わり、特に根元部に大きな歪みが生じるので、繰り返し動作に対する耐久性に問題がある。耐久性を向上させるためには、板ばね部が湾曲したときに加わる負荷が小さくなるように設計することが考えられる。しかし、このことは、板ばね部によるばね力を小さくする結果を招くので、自己保持機能が低下してしまう。つまり、板ばね部は、わずかな力でも最大湾曲点を越えて変形し、これによって可動電極の位置が切り替わってしまうので、振動などによって光学部品の位置が切り替わり、光デバイスの信頼性が低下してしまう。
【0010】
また、上記特許文献1には、板ばね部を蝶番式に構成して過大な応力が加わらないようにすることも記載されているが、微小なデバイスでこのような蝶番構造を形成するのは非常に困難である。
【0011】
そこで本発明は、耐久性を向上させつつも光学部品の切り替え位置保持性能が高く、しかも製造が容易な光デバイスを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の光デバイスは、基体と、
前記基体に変位可能に弾性的に支持された可動部と、
前記可動部に支持され、前記可動部の変位に伴って光路中に出し入れされる光学部品と、
前記可動部を変位させるための、前記可動部および前記基体に前記可動部の変位方向に対向して設けられた電極対を備えた可動部用アクチュエータと、
前記基体に変位可能に弾性的に支持され、前記可動部が前記可動部用アクチュエータによって変位された位置で前記可動部に係合可能なラッチ構造を備えた弾性ラッチ部と、
前記弾性ラッチ部を前記ラッチ構造の前記可動部との係合を解除する向きに変位させるための、前記弾性ラッチ部および前記基体に前記弾性ラッチ部の変位方向に対向して設けられた電極対を備えたラッチ部用アクチュエータとを有する。
【0013】
上記のように構成された本発明の光デバイスでは、可動部は、可動部用アクチュエータにより変位されると、弾性ラッチ部のラッチ構造と係合し、変位した状態が維持される。ラッチ構造による係合は、ラッチ部用アクチュエータの電極対に電圧を印加し、弾性ラッチ部を変位させることによって解除されるので、可動部が変位した状態では、可動部用アクチュエータおよびラッチ部用アクチュエータのそれぞれの電極対に電圧が印加されていなくても、可動部すなわち光学部品が変位した状態が保持される。しかも、可動部が変位した状態の保持は、弾性ラッチ部のラッチ構造によってなされるので、可動部の支持部のばね力を小さく設定しても、上述した保持機能が損なわれることはない。したがって、可動部の支持部に加わる負荷を小さくすることができ、結果的に、耐久性に優れ、かつ光学部品の切り替え位置保持性能の高い光デバイスが得られる。また、本発明の光デバイスは、構造も簡単であるので、製造も容易である。
【0014】
可動部を安定して変位させるためには、可動部を一端部が基体に支持された板状の部材とし、かつ、弾性ラッチ部を可動部の両側方に配置することが好ましい。また、弾性ラッチ部に設けられるラッチ構造を、弾性ラッチ部に一体に設けられたラッチ爪とし、さらに可動部にもこのラッチ爪と係合するラッチ爪を一体に設けた構成とすることにより、弾性ラッチ部による可動部の係合をより確実に行える。
【0015】
弾性ラッチ部および可動部の双方にラッチ爪を設けた場合、可動部の変位方向を基体の主面に沿った方向とし、各ラッチ爪を、それぞれ系止面および傾斜面の2つの側面を有し互いに逆向きに形成された三角形状の突起とすることで、可動部を可動部用アクチュエータで変位させるだけでラッチ爪同士が係合される。さらにこの場合、弾性ラッチ部の、可動部が可動部用アクチュエータによって変位されていないときに可動部のラッチ爪と係合する位置に第2のラッチ爪を設けることで、可動部が変位していない状態での可動部すなわち光学部品の位置安定性が向上する。また、可動部および弾性ラッチ部の各ラッチ爪は矩形状の凸部として形成してもよい。この場合は、可動部が変位していない中立位置を、可動部の変位方向について可動部のラッチ爪が弾性ラッチ部のラッチ爪と重なる位置とすることで、可動部のラッチ爪は、可動部の変位前および変位後の双方の位置で弾性ラッチ部のラッチ爪と係合することができるので、双方の位置での光学部品の位置安定性が向上する。
【0016】
また、本発明の光デバイスにおいて、可動部を基体の主面に沿って変位させる構成とした場合、可動部を可動部用アクチュエータによる変位方向と反対方向へ変位させるための第2の可動部用アクチュエータをさらに付加してもよい。これにより、可動部の戻り方向での変位速度を向上させることができるので、光デバイスの切り替え応答性が向上する。
【0017】
さらに、本発明の光デバイスにおいては、可動部を、基体の主面に基体と間隔をあけて配置され、かつ基体の主面と平行に延びる片持ち梁として構成することもできる。これにより、可動部を基体の主面に略垂直な方向に変位させることができる。この場合、可動部を変位させるだけで弾性ラッチ部との係合状態を得るために、ラッチ構造を弾性ラッチ部に一体に設けられたラッチ爪とし、このラッチ爪が、その根元部から先端に向かって基体の主面に接近するように傾斜し、可動部用アクチュエータにより可動部が変位することによって可動部に押圧される傾斜面を有する構成とすることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による光デバイスの平面図である。
【0020】
この光デバイス1は、2×2光スイッチとして構成されるものであり、基体2の上面に、光学部品として光路切り替えのためのミラー4を支持する可動部3が、基体2の上面と平行な方向に移動可能に設けられている。可動部3は板状の部材であり、その一端部が、弾性支持部5によって基体2に弾性的に支持されている。
【0021】
また、光デバイス1は、可動部3を弾性支持部5による弾性的な支持力(ばね力)に抗して移動させるために、可動部3と一体に形成された電極および可動部3を変位させる方向でこの電極と対向して基体2に形成された電極を備えた静電アクチュエータである、可動部用アクチュエータ6を有する。本実施形態では、可動部用アクチュエータ6を構成する電極対を、互いに噛み合う櫛歯状の電極として形成している。両電極間に電圧を印加すると、両電極間に互いに引き寄せあう静電気力が働くので、可動部3は弾性支持部5のばね力に抗して矢印A方向に移動する。一方、両電極間への電圧の印加がオフされると、両電極間に働いていた静電気力は消失し、弾性支持部5のばね力によって可動部3は元の位置へ復帰する。
【0022】
可動部3の両側面には、それぞれラッチ爪9が一体に設けられている。さらに、可動部3の両側方には、可動部3の移動方向に沿って延び、一端の支持部7aにおいて基体2に弾性的に支持された弾性ラッチ部7が設けられている。弾性ラッチ部7の、可動部3のラッチ爪9に対向する領域には、可動部3が弾性支持部5のばね力に抗して移動した状態のときに可動部3のラッチ爪9と係合するラッチ爪10が一体に設けられている。
【0023】
また、各弾性ラッチ部7を支持部7aでのばね力に抗して可動部3から離れる向きに変位させるための静電アクチュエータとして、光デバイス1は、弾性ラッチ部7と一体に形成された電極および弾性ラッチ部7を変位させる方向でこの電極と対向して基体2に形成された電極を備えたラッチ部用アクチュエータ8を有する。本実施形態では、ラッチ部用アクチュエータ8を構成する電極対を、互いに噛み合う櫛歯状の電極として形成している。両電極間に電圧を印加すると、両電極間に互いに引き寄せあう静電気力が働くので、弾性ラッチ部7は支持部7aでのばね力に抗して矢印B方向に変位する。一方、両電極間への電圧の印加がオフされると、両電極間に働いていた静電気力は消失し、支持部7aでのばね力によって弾性ラッチ部7は元の位置に復帰する。
【0024】
ここで、上述したラッチ爪9,10について、図2を参照して詳しく説明する。可動部3に設けられたラッチ爪9は、可動部3の側面から三角形状に突出した部分として形成されており、可動部用アクチュエータ6による可動部3の移動方向と反対方向を向いた係止面9a、および係止面9aよりも可動部3の移動方向側に位置し係止面9aに対して傾斜した傾斜面9bの2つの側面を有する。弾性ラッチ部7に設けられたラッチ爪10は、弾性ラッチ部7の可動部3と対向する側面から三角形状に突出した部分として形成されており、可動部用アクチュエータ6による可動部3の移動方向を向いた係止面10a、および係止面10aよりも可動部3の移動方向と反対側に位置し係止面10aに対して傾斜した傾斜面10bの2つの側面を有する。
【0025】
弾性ラッチ部7のラッチ爪10の係止面10aは、可動部3のラッチ爪9の係止面9aよりも可動部3の移動方向側に位置している。可動部3の移動方向についての両係止面9a,10a間の距離Lは、可動部3を移動させるべき距離すなわちミラー4(図1参照)を移動させるべき距離と等しい距離に設定される。また、ラッチ爪9の係止面9aの、可動部3の側面からの突出長さE1は、ラッチ爪9と弾性ラッチ部7との隙間Cが、ラッチ爪10の係止面10aの、弾性ラッチ部7の側面からの突出長さE2よりも小さくなるように設定されている。
【0026】
上述した構造は、基体2をシリコン基板で構成することによって、MEMS技術を利用してシリコン基板から容易に形成することができる。
【0027】
再び図1を参照すると、基体2の上面には、2つの入射側の光ファイバ11a,11bおよび2つの受光側の光ファイバ12a,12bが、入射側の各光ファイバ11a,11bから出射した光信号の光路13a,13bが可動部3の上方で交差するように、例えば基体2に形成したV溝(不図示)上に保持するなどの方法によって位置決め固定されている。ミラー4は、可動部3のラッチ爪9が弾性ラッチ部7のラッチ爪10と係合した状態のときに光路13a,13bの交点上に位置し、かつ両面に形成された反射面が可動部3の移動方向と平行となるように、可動部3上に設置されている。
【0028】
なお、各光ファイバ11a,11b,12a,12bの先端にはコリメータ(不図示)が取付けられており、各光ファイバ11a,11b,12a,12b間では、光信号は平行光とされる。
【0029】
次に、上述した本実施形態の光デバイス1の動作について説明する。
【0030】
図1に示す状態では、可動部用アクチュエータ6およびラッチ部用アクチュエータ8には電圧は印加されておらず、ミラー4は第1の位置にある。この位置では、ミラー4は光路13a,13bから外れた位置にある。したがって、光ファイバ11aから出射した光信号は光ファイバ12bに入射され、光ファイバ11bから出射した光信号は光ファイバ12aに入射される。
【0031】
この状態で可動部用アクチュエータ6に電圧を印加すると、可動部用アクチュエータ6に発生する静電気力によって可動部3は矢印A方向に引き寄せられる。これにより、図3に示すように、可動部3のラッチ爪9の傾斜面9bは弾性ラッチ部7のラッチ爪10の傾斜面10bを押圧する。弾性ラッチ部7は、支持部7aにおいて弾性的に支持されているので、ラッチ爪9の傾斜面9bがラッチ爪10の傾斜面10bを押圧することにより、弾性ラッチ部7は互いに離れる向きに弾性変形する。
【0032】
さらに可動部3が移動すると、可動部3のラッチ爪9の傾斜面9bは弾性ラッチ部7のラッチ爪10の傾斜面10bを乗り越える。これにより、弾性ラッチ部7はそれ自身が持つばね力によって元の位置へ復帰し、図4に示すように、弾性ラッチ部7のラッチ爪10が可動部3のラッチ爪9に係合する。弾性ラッチ部7は可動部3の両側に設けられているので、両ラッチ爪9,10の係合状態をバランス良く安定して保持することができる。なお、弾性ラッチ部7は可動部3の片側だけに配置してもよいが、ラッチ爪9,10の係合時の可動部3の安定性を考慮すると、両側に配置した方が好ましい。
【0033】
両ラッチ爪9,10が係合した後、可動部用アクチュエータ6への電圧の印加がオフされる。この際、弾性支持部5によって、可動部3にはラッチ爪9の係止面9aが弾性ラッチ部7のラッチ爪10の係止面10aに押圧される向きの力が働いているので、可動部用アクチュエータ6への電圧の印加をオフしても、可動部3の位置は、ラッチ爪9が弾性ラッチ部7のラッチ爪10に係合した位置に保持される。
【0034】
この状態では、ミラー4は第2の位置に位置し、この位置ではミラー4は光路13a,13bの交点上に位置する。光ファイバ11aから出射した光信号はミラー4の一方の反射面で反射して光ファイバ12aに入射し、光ファイバ11bから出射した光信号はミラー4の他方の反射面で反射して光ファイバ12bに入射する。
【0035】
一方、図4に示す状態でラッチ部用アクチュエータ8に電圧を印加すると、弾性ラッチ部7はラッチ部用アクチュエータ8に発生する静電気力によって互いに離れる向きに変位し、両ラッチ爪9,10の係合が外れる。このとき、可動部用アクチュエータ6への電圧の印加はオフされているので、両ラッチ爪9,10の係合が外れると、可動部3は、弾性支持部5のばね力によって初期位置に復帰する。その後、ラッチ部用アクチュエータ8への電圧の印加をオフすることにより、弾性ラッチ部7は、それ自身のばね力によって元の位置へ復帰し、再び図1に示した状態となる。
【0036】
以上説明したように、ラッチ爪9を有する可動部3を弾性支持部5で支持し、可動部3が弾性支持部5のばね力に抗して移動した状態でラッチ爪9と係合して可動部3を保持する保持構造を設けることで、極めて簡単な構造で、可動部3の自己保持機能を実現することができる。その結果、可動部3が移動した後の位置を維持するための電力が不要であるので、停電などにより電力の供給が途絶えた場合でも、光デバイス1は、電力が途絶える前の状態を維持することができ、しかも、可動部3を移動させる間だけ電力を供給するようにすれば、省電力化を図ることができる。
【0037】
また、ラッチ爪9が係合した状態では、ラッチ爪9は、弾性支持部5によって弾性ラッチ部7のラッチ爪10に押圧されているので、外部からの振動に対しても高い自己保持機能を有する。さらに、可動部3が移動した状態の保持は、ラッチ爪9の、弾性ラッチ部7のラッチ爪10への係合によってなされるので、弾性支持部5により生じさせるばね力を小さく設定しても、自己保持機能が損なわれることはない。したがって、弾性支持部5に加わる負荷を小さくすることができるので、結果的に、光デバイス1の耐久性も向上させることができる。
【0038】
しかも、基体2上の可動部3および弾性ラッチ部7を変位させるためのアクチュエータとして静電アクチュエータを用いているので、可動部3や弾性ラッチ部7といった構造と同時にこれらの駆動機構も、半導体製造技術を利用して基体2上に容易に作製することができる。
【0039】
本実施形態では、図4に示したように両ラッチ爪9,10が係合した状態のときにミラー4が光路13a,13b上に位置する場合を例に挙げて説明したが、逆に、図1に示す状態のときにミラー4が光路13a,13b上に位置し、図4に示す状態のときにミラー4が光路13a,13bから外れる位置にミラー4を設置してもよい。
【0040】
ただしこの場合、ミラー4が光路13a,13b上に位置しているときは、両ラッチ爪9,10は係合していないので振動などによってミラー4の位置が不安定になるおそれがある。そこで、両ラッチ爪9,10が係合していないときにも可動部3の位置すなわちミラー4の位置を安定して保持するために、図5に示すように、弾性ラッチ部7に第2のラッチ爪15を設けるのが好ましい。なお、図5は、図1に相当する状態でのラッチ爪9,10の近傍の拡大図であり、図1と同一の部分については図1と同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0041】
第2のラッチ爪15は、可動部3を移動させる前の状態のときに可動部3のラッチ爪9が当接する位置に設けられている。ここで、第2のラッチ爪15は、可動部3のラッチ爪9が弾性支持部5(図1参照)によるばね力が作用した状態で当接していることが望ましい。そして、可動部3を移動させることによって、可動部3のラッチ爪9は弾性ラッチ部7の第2のラッチ爪15から離れ、上述したようにして弾性ラッチ部7のラッチ爪10と係合する。このように、弾性ラッチ部7に第2のラッチ爪15を設けることによって、可動部3が移動する前の状態でも可動部3の位置を安定して保持することができる。
【0042】
また、本実施形態では、光学部品としてミラー4を適用した例を示したが、これに限らず、光学フィルタや遮光板など、光路上に作用することで所望の機能を発揮する種々の光学部品を可動部3上に設けることもできる。光学部品として光学フィルタを用いれば、光デバイスをオン/オフ切り替え式の光フィルタとして機能させることができ、光学部品として遮光板を用いれば、光デバイスを光アッテネータとして機能させることができる。光路の配置は、このような光デバイスの機能に応じて適宜変更することができるし、さらに、光路を形成する部材も、光ファイバではなく導波路とすることもできる。
【0043】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態による光デバイスの、光学部品が第1の位置にある状態を示す平面図であり、図7は、図6に示す光デバイスの、光学部品が第2の位置にある状態を示す平面図である。
【0044】
本実施形態の光デバイス21では、可動部23および弾性ラッチ部27にそれぞれ設けられたラッチ爪29,30は、矩形状の凸部として形成されている。また、可動部23を移動させるための静電アクチュエータとしては、第1の実施形態と同様の第1の可動部用アクチュエータ26aの他に、第1の可動部用アクチュエータ26aによる移動方向と反対方向へ移動させるための第2の可動部用アクチュエータ26bを有する。第2の可動部用アクチュエータ26bは、可動部23の移動方向について第1の可動部用アクチュエータ26aと対称に形成された櫛歯状の電極対を有する。また、可動部23上に設けられる光学部品24は、光路上に作用することで所望の機能を発揮する、ミラー、光学フィルタ、あるいは遮光板など任意の部品を用いることができる。光路は、図面では省略しているが、光ファイバや導波路などで構成することができ、また、光デバイス21の機能などに応じて配置される。
【0045】
その他の構成は第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0046】
ここで、本実施形態におけるラッチ爪29,30について、図8を参照して詳しく説明する。可動部23に設けられたラッチ爪29は、可動部23が第1の可動部用アクチュエータ26aにより移動される前の状態で光学部品24が第1の位置にあるとき(図8(a)参照)に弾性ラッチ部27のラッチ爪30と対面する第1の係止面29aと、可動部23が第1の可動部用アクチュエータ26aにより移動された後の状態で光学部品24が第2の位置にあるとき(図8(b)参照)に弾性ラッチ部27のラッチ爪30と対面する第2の係止面29bとを有する。
【0047】
弾性支持部25(図6参照)のばね力が可動部23に作用しておらず可動部23が移動していない中立位置は、第1の位置と第2の位置の中間位置、すなわち可動部23の移動方向についてラッチ爪29が弾性ラッチ部27のラッチ爪30と重なる位置となるように設定される。したがって、図8(a)に示す第1の位置では、可動部23のラッチ爪29は第1の係止面29aが弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧され、図8(b)に示す第2の位置では、可動部23のラッチ爪29は第2の係止面29bが弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧される。つまり、第1の位置および第2の位置の双方の位置において、両ラッチ爪29,30は係合状態にある。
【0048】
弾性ラッチ部27のラッチ爪30の、可動部23の移動方向における長さMは、可動部23を移動させるべき距離すなわち光学部品24(図6参照)を移動させるべき距離と等しい長さに設定される。
【0049】
次に、本実施形態の光デバイス21の動作について、図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0050】
図6に示す状態では、各可動部用アクチュエータ26a,26bおよびラッチ部用アクチュエータ28には電圧は印加されておらず、可動部23すなわち光学部品24は、弾性支持部25のばね力によってラッチ爪29の第1の係止面29aが弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧されることで第1の位置に保持されている。
【0051】
この状態でラッチ部用アクチュエータ28に電圧を印加する(S41)と、ラッチ部用アクチュエータ28に発生する静電気力によって弾性ラッチ部27が互いに離間する向きに変位し、ラッチ爪29,30の係合が外れる。係合が外れた後、第1の可動部用アクチュエータ26aに電圧を印加する(S42)。これにより、可動部23は静電気力によって第1の可動部用アクチュエータ26a側に引き寄せられ、ラッチ爪29が弾性ラッチ部27のラッチ爪30を越える位置まで可動部23が移動する。
【0052】
可動部23がこの位置まで移動した後、ラッチ部用アクチュエータ28への電圧の印加をオフする(S43)。これにより、弾性ラッチ部27はそれ自身のbね力によって元の位置へ復帰する。その後、第1の可動部用アクチュエータ26aへの電圧の印加をオフする(S44)。第1の可動部用アクチュエータ26aへの電圧の印加をオフすることによって、可動部23は弾性支持部25による矢印A2方向の力を受ける。その結果、可動部23のラッチ爪29は、その第2の係止面29bが弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧されるので、図7に示すように、可動部23すなわち光学部品24は第2の位置に保持される。
【0053】
図10に、可動部23すなわち光学部品24を第1の位置から第2の位置へ移動させるときの、ラッチ部用アクチュエータ28および第1の可動部用アクチュエータ26aへの電圧の印加のタイミングチャートを示す。図10に示すように、第1の可動部用アクチュエータ26aは、ラッチ部用アクチュエータ28に対して所定の時間だけ遅延したタイミングで駆動される。この所定の時間とは、弾性ラッチ部27が変位するのに要する時間である。
【0054】
第2の位置にある光学部品24を第1の位置へ戻すには、第1の可動部用アクチュエータ26aの代わりに第2の可動部用アクチュエータ26bを用いて、ラッチ部用アクチュエータ28および第2の可動部用アクチュエータ26bを上述したのと同様に駆動する。すなわち、ラッチ部用アクチュエータ28に電圧を印加して弾性ラッチ部27を開いた後、第2の可動部用アクチュエータ26bに電圧を印加して可動部23を矢印A2方向に移動させる。その後、ラッチ部用アクチュエータ28への電圧の印加をオフし、最後に第2の可動部用アクチュエータ26bへの電圧をオフする。
【0055】
以上説明したように本実施形態によれば、第1の位置および第2の位置の双方で可動部23のラッチ爪29が弾性ラッチ部27のラッチ爪30に係合するので、第1の位置および第2の位置の両位置において、高い自己保持機能を達成することができる。また、可動部23を移動させる前に弾性ラッチ部27を開き、弾性ラッチ部27のラッチ爪30が可動部23のラッチ爪29に接触しないようにすることで、可動部23を移動させる際の負荷を小さくすることができる。その結果、可動部23を小さな力で移動させることができ、更なる省電力化を達成することができる。
【0056】
さらに、本実施形態では、可動部23を引き戻す、すなわち光学部品24を第1の位置へ復帰させるのに、弾性支持部25のばね力だけでなく第2の可動部用アクチュエータ26bによる静電気力も利用しているので、第2の位置から第1の位置への移動時間を短縮することができる。これにより、両方向についての可動部23の応答性が向上し、結果的に光学部品24の位置の切り替え速度を向上させることができる。この第2の可動部用アクチュエータ26bは、第1の実施形態においても同様の目的で適用することができる。
【0057】
また、本実施形態においても、弾性支持部25は、可動部23のラッチ爪29を弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧させる程度のばね力を生じさせればよいので、第1の実施形態と同様に、弾性支持部25に加わる負荷は小さくてすみ、光デバイス21の耐久性を向上させることができる。
【0058】
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態による光デバイスの平面図である。また、図12は、図11に示す光デバイスのC−C線断面図であり、併せてその動作も示している。
【0059】
本実施形態の光デバイス51では、光学部品54を支持する可動部53は、基体52の上面に基体52の上面と間隔をあけて配置され、かつ、基体52の上面と平行に延びる片持ち梁として形成されている。したがって、可動部53は、その基体52との支持部を支点として基体52の上面に略垂直な方向に弾性変位可能に構成されている。可動部53の両側面には、それぞれ可動部53の幅方向外側に突出するラッチ爪59が設けられている。
【0060】
可動部53の両側方には、第1の実施形態と同様に基体52に弾性的に支持され、ラッチ部用アクチュエータ58によって可動部53に対して離間および接近する方向に変位される弾性ラッチ部57が配置されている。各弾性ラッチ部57の、可動部53のラッチ爪59と対向する領域には、可動部53に向かって延びるラッチ爪60が形成されている。弾性ラッチ部57に設けられたラッチ爪60は、図12に示すように、その上面が、根元部から先端に向かって基体52の上面に接近する向きに傾斜した傾斜面60aとなっている。また、可動部53が変位していない状態(図12(a)参照)では、弾性ラッチ部57のラッチ爪60の少なくとも一部は、可動部53のラッチ爪59と基体52との間の領域に位置している。
【0061】
さらに、図12に示すように、光デバイス51は、可動部53を変位させるための可動部用アクチュエータとして、可動側電極65および固定側電極66を有する。可動側電極65は、可動部53の先端部の、基体52と対向する面に形成されている。固定側電極66は、基体52の上面の、可動側電極65と対向する領域に形成されている。可動側電極65と固定側電極66との間に電圧を印加することにより、両者間に静電気力が働き、可動部53が基体52側に引き寄せられる。
【0062】
次に、本実施形態の光デバイス51の動作について説明する。
【0063】
図12(a)に示す状態では、可動部用アクチュエータおよびラッチ部用アクチュエータ58には電圧は印加されていない。また、可動部53は弾性ラッチ部57のラッチ爪60の上方に位置しており、光学部品54は第1の位置にある。
【0064】
この状態で可動部用アクチュエータ、すなわち可動側電極65と固定側電極66との間に電圧を印加すると、可動部53は静電気力によって基体52側へ引き寄せられる。このとき、弾性ラッチ部57のラッチ爪60の傾斜面60aが、可動部53のラッチ爪59によって押圧されるので、図12(b)に示すように、弾性ラッチ部57が押し広げられる。
【0065】
さらに可動部53が基体52側へ引き寄せられ、可動部53のラッチ爪59の上面が弾性ラッチ部57のラッチ爪60の間を通過すると、図12(c)に示すように、弾性ラッチ部57は、それ自身のばね力によって元の位置に復帰し、ラッチ爪60が可動部53のラッチ爪59の上方に位置する。
【0066】
その後、可動側電極65と固定側電極66との間に印加していた電圧をオフする。これにより、可動部53に働いていた静電気力が消失する。その結果、可動部53のラッチ爪59は、可動部53のばね力により弾性ラッチ部57のラッチ爪60の下面に押圧された係合状態となるので、可動部53すなわち光学部品54は第2の位置に保持される。
【0067】
光学部品54を第2の位置から第1の位置へ切り替えるには、ラッチ部用アクチュエータ58に電圧を印加する。すると、弾性ラッチ部57は互いに離れる方向に変位し、ラッチ爪60が可動部53のラッチ爪59から外れることによって、可動部53はそのばね力によって元の位置へ復帰する。これにより、可動部53すなわち光学部品54は第1の位置へ復帰する。その後、ラッチ部用アクチュエータ58への電圧の印加をオフすると、弾性ラッチ部57も元の位置へ復帰し、図12(a)に示す状態となる。
【0068】
以上説明したように本実施形態によれば、可動部53を基体52の上面に対して略垂直方向に移動させるように構成したことで、可動部53を移動させるための可動部用アクチュエータを構成する部材を、可動部53と基体52との間に対向して配置することができる。このことにより、基体52の上面に対する可動部用アクチュエータの占める面積を小さくすることができ、その結果、光デバイス51の小型化が達成される。
【0069】
また、可動部53は、その支点を中心に単純に上下動するだけであり、可動部53に加わる負荷も小さいので、切り替え動作に対する光デバイス51の耐久性も向上したものとなる。しかも、第2の位置では可動部53のラッチ爪59が弾性ラッチ部57のラッチ爪60に係合した状態とされるので、高い自己保持機能を達成することができる。
【0070】
本実施形態のような構成の場合、光学部品54が第1の位置にあるとき、可動部53はラッチ爪59が係合状態になく、場合によっては外力により振動することが懸念される。そこで、第1の位置にあるときの光学部品54の位置を安定させるために、図12(a)に示す状態で可動部53のラッチ爪59が弾性ラッチ部57のラッチ爪60に接触していることが望ましい。
【0071】
本実施形態でも、光学部品54としては、光路上に作用することで所望の機能を発揮する、ミラー、光学フィルタ、あるいは遮光板など任意の部品を用いることができる。光路は、図面では省略しているが、光ファイバや導波路などで構成することができ、また、光デバイス51の機能などに応じて配置される。なお、第1の位置と第2の位置を比べると、第2の位置では係合構造が作用しているため、第2の位置のほうが光学部品54の位置安定性は高い。このことから、光路は、光学部品54が第2の位置にあるときに光学部品54に入射するように設置するのが好ましい。
【0072】
また、本実施形態では可動部53にラッチ爪59を設けていたが、弾性ラッチ部57のラッチ爪60が係合できる形状であれば、可動部53のラッチ爪59は必ずしも設けなくてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光学部品を支持する可動部の変位状態を保持する弾性ラッチ部と、弾性ラッチ部による可動部の係合を解除させるラッチ部用アクチュエータとを有する構成とすることで、可動部の支持部に加わる負荷を小さくすることができ、結果的に、耐久性に優れ、かつ光学部品の切り替え位置保持性能の高い光デバイスとすることができる。また、本発明の光デバイスは、複雑な構成も必要ないので、容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による光デバイスの平面図である。
【図2】図1に示す光デバイスの、第1の位置におけるラッチ構造部の拡大図である。
【図3】図1に示す光デバイスの、第1の位置から第2の位置への変位途中でのラッチ構造部の拡大図である。
【図4】図1に示す光デバイスの、第2の位置における平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の変更例を示す、ラッチ構造部の拡大図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による光デバイスの、第1の位置における平面図である。
【図7】図6に示す光デバイスの、第2の位置における平面図である。
【図8】図6に示す光デバイスのラッチ構造部を動作とともに示す拡大図である。
【図9】図6に示す光デバイスの動作のフローチャートである。
【図10】図6に示す光アクチュエータの動作時の各アクチュエータへの電圧印加のタイミングチャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態による光デバイスの平面図である。
【図12】図11に示す光デバイスの動作をC−C線断面で示す図である。
【符号の説明】
1,21,51 光デバイス
2,52 基体
3,23,53 可動部
4 ミラー
5,25 弾性支持部
6,26a,26b 可動部用アクチュエータ
7,27,57 弾性ラッチ部
8,28,58 ラッチ部用アクチュエータ
9,10,29,30,59,60 ラッチ爪
9a,10a,29a,29b 係止面
9b,10b,60a 傾斜面
11a,11b,12a,12b 光ファイバ
13a,13b 光路
15 第2のラッチ爪
24,54 光学部品
65 可動側電極
66 固定側電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信などの分野において、光信号の光路切り替え、減衰、遮断、あるいはフィルタリングなどに用いられる光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光信号の光路切り替え、減衰、遮断あるいはフィルタリングなどを行う光デバイスにおいては、これらの機能を発揮するためのミラーや光学フィルタといった光学部品を光路中に出し入れ可能に支持する可動部を有している。可動部は、基体に対して弾性構造体を介して支持され、例えば静電アクチュエータによって駆動される。すなわち、静電アクチュエータに電圧を印加することにより生じる静電気力によって可動部を変位させ、電圧の印加をオフすることによって静電気力が消失すると、弾性構造体の持つばね力によって、可動部は元の位置へ復帰する。
【0003】
ところが、上述した光デバイスは、静電アクチュエータに電圧が印加されている間だけ可動部が変位した位置にあるので、停電などによって静電気力が消失すると、変位していた可動部は元の位置へ復帰し、デバイスとしての機能が損なわれてしまう。そこで、静電気力が消失しても可動部の位置が復帰しないような自己保持機能を有する機構を設けた光デバイスが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、基体の表面に互いに対向して設けられた第1および第2の固定電極と、これらの間に配置された可動電極と、可動電極に支持された支持部に設けられた工学部品と、可動電極の両端において可動電極を基体に対して弾性的に支持する板ばね部とを有する光デバイスが開示されている。
【0005】
この光デバイスでは、第1の固定電極と可動電極との間に電圧を印加すると、可動電極は第1の固定電極に引き寄せられ、支持部に取付けられた光学部品も第1の固定電極側へ変位する。このとき、板ばね部は、可動電極の移動に伴い、一旦湾曲した後に直線状になった状態で止まり、電圧の印加をオフしても、可動電極は第1の固定電極側へ引き寄せられた位置で保持される。一方、第2の固定電極と可動電極との間に電圧を印加すると、可動電極は第2の固定電極側へ引き寄せられ、上述した板ばね部の自己保持機能によって、電圧の印加をオフしても可動電極は第2の固定電極側へ引き寄せられた位置で保持される。
【0006】
こういった光デバイスは、微細な構造を有することから、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を利用して作製される。MEMSは、マイクロマシンとも呼ばれ、半導体製造技術を応用してシリコン基板に微細な三次元構造を形成し、センサやアクチュエータの超小型化を実現する技術として注目されている技術である。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−116388号公報(第7〜8欄、図4、図7)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光デバイスには、以下に示すような問題点があった。
【0009】
上述した光デバイスでは、可動電極を移動させる際に板ばね部は一旦湾曲した状態となる。このとき、板ばね部には大きな負荷が加わり、特に根元部に大きな歪みが生じるので、繰り返し動作に対する耐久性に問題がある。耐久性を向上させるためには、板ばね部が湾曲したときに加わる負荷が小さくなるように設計することが考えられる。しかし、このことは、板ばね部によるばね力を小さくする結果を招くので、自己保持機能が低下してしまう。つまり、板ばね部は、わずかな力でも最大湾曲点を越えて変形し、これによって可動電極の位置が切り替わってしまうので、振動などによって光学部品の位置が切り替わり、光デバイスの信頼性が低下してしまう。
【0010】
また、上記特許文献1には、板ばね部を蝶番式に構成して過大な応力が加わらないようにすることも記載されているが、微小なデバイスでこのような蝶番構造を形成するのは非常に困難である。
【0011】
そこで本発明は、耐久性を向上させつつも光学部品の切り替え位置保持性能が高く、しかも製造が容易な光デバイスを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の光デバイスは、基体と、
前記基体に変位可能に弾性的に支持された可動部と、
前記可動部に支持され、前記可動部の変位に伴って光路中に出し入れされる光学部品と、
前記可動部を変位させるための、前記可動部および前記基体に前記可動部の変位方向に対向して設けられた電極対を備えた可動部用アクチュエータと、
前記基体に変位可能に弾性的に支持され、前記可動部が前記可動部用アクチュエータによって変位された位置で前記可動部に係合可能なラッチ構造を備えた弾性ラッチ部と、
前記弾性ラッチ部を前記ラッチ構造の前記可動部との係合を解除する向きに変位させるための、前記弾性ラッチ部および前記基体に前記弾性ラッチ部の変位方向に対向して設けられた電極対を備えたラッチ部用アクチュエータとを有する。
【0013】
上記のように構成された本発明の光デバイスでは、可動部は、可動部用アクチュエータにより変位されると、弾性ラッチ部のラッチ構造と係合し、変位した状態が維持される。ラッチ構造による係合は、ラッチ部用アクチュエータの電極対に電圧を印加し、弾性ラッチ部を変位させることによって解除されるので、可動部が変位した状態では、可動部用アクチュエータおよびラッチ部用アクチュエータのそれぞれの電極対に電圧が印加されていなくても、可動部すなわち光学部品が変位した状態が保持される。しかも、可動部が変位した状態の保持は、弾性ラッチ部のラッチ構造によってなされるので、可動部の支持部のばね力を小さく設定しても、上述した保持機能が損なわれることはない。したがって、可動部の支持部に加わる負荷を小さくすることができ、結果的に、耐久性に優れ、かつ光学部品の切り替え位置保持性能の高い光デバイスが得られる。また、本発明の光デバイスは、構造も簡単であるので、製造も容易である。
【0014】
可動部を安定して変位させるためには、可動部を一端部が基体に支持された板状の部材とし、かつ、弾性ラッチ部を可動部の両側方に配置することが好ましい。また、弾性ラッチ部に設けられるラッチ構造を、弾性ラッチ部に一体に設けられたラッチ爪とし、さらに可動部にもこのラッチ爪と係合するラッチ爪を一体に設けた構成とすることにより、弾性ラッチ部による可動部の係合をより確実に行える。
【0015】
弾性ラッチ部および可動部の双方にラッチ爪を設けた場合、可動部の変位方向を基体の主面に沿った方向とし、各ラッチ爪を、それぞれ系止面および傾斜面の2つの側面を有し互いに逆向きに形成された三角形状の突起とすることで、可動部を可動部用アクチュエータで変位させるだけでラッチ爪同士が係合される。さらにこの場合、弾性ラッチ部の、可動部が可動部用アクチュエータによって変位されていないときに可動部のラッチ爪と係合する位置に第2のラッチ爪を設けることで、可動部が変位していない状態での可動部すなわち光学部品の位置安定性が向上する。また、可動部および弾性ラッチ部の各ラッチ爪は矩形状の凸部として形成してもよい。この場合は、可動部が変位していない中立位置を、可動部の変位方向について可動部のラッチ爪が弾性ラッチ部のラッチ爪と重なる位置とすることで、可動部のラッチ爪は、可動部の変位前および変位後の双方の位置で弾性ラッチ部のラッチ爪と係合することができるので、双方の位置での光学部品の位置安定性が向上する。
【0016】
また、本発明の光デバイスにおいて、可動部を基体の主面に沿って変位させる構成とした場合、可動部を可動部用アクチュエータによる変位方向と反対方向へ変位させるための第2の可動部用アクチュエータをさらに付加してもよい。これにより、可動部の戻り方向での変位速度を向上させることができるので、光デバイスの切り替え応答性が向上する。
【0017】
さらに、本発明の光デバイスにおいては、可動部を、基体の主面に基体と間隔をあけて配置され、かつ基体の主面と平行に延びる片持ち梁として構成することもできる。これにより、可動部を基体の主面に略垂直な方向に変位させることができる。この場合、可動部を変位させるだけで弾性ラッチ部との係合状態を得るために、ラッチ構造を弾性ラッチ部に一体に設けられたラッチ爪とし、このラッチ爪が、その根元部から先端に向かって基体の主面に接近するように傾斜し、可動部用アクチュエータにより可動部が変位することによって可動部に押圧される傾斜面を有する構成とすることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による光デバイスの平面図である。
【0020】
この光デバイス1は、2×2光スイッチとして構成されるものであり、基体2の上面に、光学部品として光路切り替えのためのミラー4を支持する可動部3が、基体2の上面と平行な方向に移動可能に設けられている。可動部3は板状の部材であり、その一端部が、弾性支持部5によって基体2に弾性的に支持されている。
【0021】
また、光デバイス1は、可動部3を弾性支持部5による弾性的な支持力(ばね力)に抗して移動させるために、可動部3と一体に形成された電極および可動部3を変位させる方向でこの電極と対向して基体2に形成された電極を備えた静電アクチュエータである、可動部用アクチュエータ6を有する。本実施形態では、可動部用アクチュエータ6を構成する電極対を、互いに噛み合う櫛歯状の電極として形成している。両電極間に電圧を印加すると、両電極間に互いに引き寄せあう静電気力が働くので、可動部3は弾性支持部5のばね力に抗して矢印A方向に移動する。一方、両電極間への電圧の印加がオフされると、両電極間に働いていた静電気力は消失し、弾性支持部5のばね力によって可動部3は元の位置へ復帰する。
【0022】
可動部3の両側面には、それぞれラッチ爪9が一体に設けられている。さらに、可動部3の両側方には、可動部3の移動方向に沿って延び、一端の支持部7aにおいて基体2に弾性的に支持された弾性ラッチ部7が設けられている。弾性ラッチ部7の、可動部3のラッチ爪9に対向する領域には、可動部3が弾性支持部5のばね力に抗して移動した状態のときに可動部3のラッチ爪9と係合するラッチ爪10が一体に設けられている。
【0023】
また、各弾性ラッチ部7を支持部7aでのばね力に抗して可動部3から離れる向きに変位させるための静電アクチュエータとして、光デバイス1は、弾性ラッチ部7と一体に形成された電極および弾性ラッチ部7を変位させる方向でこの電極と対向して基体2に形成された電極を備えたラッチ部用アクチュエータ8を有する。本実施形態では、ラッチ部用アクチュエータ8を構成する電極対を、互いに噛み合う櫛歯状の電極として形成している。両電極間に電圧を印加すると、両電極間に互いに引き寄せあう静電気力が働くので、弾性ラッチ部7は支持部7aでのばね力に抗して矢印B方向に変位する。一方、両電極間への電圧の印加がオフされると、両電極間に働いていた静電気力は消失し、支持部7aでのばね力によって弾性ラッチ部7は元の位置に復帰する。
【0024】
ここで、上述したラッチ爪9,10について、図2を参照して詳しく説明する。可動部3に設けられたラッチ爪9は、可動部3の側面から三角形状に突出した部分として形成されており、可動部用アクチュエータ6による可動部3の移動方向と反対方向を向いた係止面9a、および係止面9aよりも可動部3の移動方向側に位置し係止面9aに対して傾斜した傾斜面9bの2つの側面を有する。弾性ラッチ部7に設けられたラッチ爪10は、弾性ラッチ部7の可動部3と対向する側面から三角形状に突出した部分として形成されており、可動部用アクチュエータ6による可動部3の移動方向を向いた係止面10a、および係止面10aよりも可動部3の移動方向と反対側に位置し係止面10aに対して傾斜した傾斜面10bの2つの側面を有する。
【0025】
弾性ラッチ部7のラッチ爪10の係止面10aは、可動部3のラッチ爪9の係止面9aよりも可動部3の移動方向側に位置している。可動部3の移動方向についての両係止面9a,10a間の距離Lは、可動部3を移動させるべき距離すなわちミラー4(図1参照)を移動させるべき距離と等しい距離に設定される。また、ラッチ爪9の係止面9aの、可動部3の側面からの突出長さE1は、ラッチ爪9と弾性ラッチ部7との隙間Cが、ラッチ爪10の係止面10aの、弾性ラッチ部7の側面からの突出長さE2よりも小さくなるように設定されている。
【0026】
上述した構造は、基体2をシリコン基板で構成することによって、MEMS技術を利用してシリコン基板から容易に形成することができる。
【0027】
再び図1を参照すると、基体2の上面には、2つの入射側の光ファイバ11a,11bおよび2つの受光側の光ファイバ12a,12bが、入射側の各光ファイバ11a,11bから出射した光信号の光路13a,13bが可動部3の上方で交差するように、例えば基体2に形成したV溝(不図示)上に保持するなどの方法によって位置決め固定されている。ミラー4は、可動部3のラッチ爪9が弾性ラッチ部7のラッチ爪10と係合した状態のときに光路13a,13bの交点上に位置し、かつ両面に形成された反射面が可動部3の移動方向と平行となるように、可動部3上に設置されている。
【0028】
なお、各光ファイバ11a,11b,12a,12bの先端にはコリメータ(不図示)が取付けられており、各光ファイバ11a,11b,12a,12b間では、光信号は平行光とされる。
【0029】
次に、上述した本実施形態の光デバイス1の動作について説明する。
【0030】
図1に示す状態では、可動部用アクチュエータ6およびラッチ部用アクチュエータ8には電圧は印加されておらず、ミラー4は第1の位置にある。この位置では、ミラー4は光路13a,13bから外れた位置にある。したがって、光ファイバ11aから出射した光信号は光ファイバ12bに入射され、光ファイバ11bから出射した光信号は光ファイバ12aに入射される。
【0031】
この状態で可動部用アクチュエータ6に電圧を印加すると、可動部用アクチュエータ6に発生する静電気力によって可動部3は矢印A方向に引き寄せられる。これにより、図3に示すように、可動部3のラッチ爪9の傾斜面9bは弾性ラッチ部7のラッチ爪10の傾斜面10bを押圧する。弾性ラッチ部7は、支持部7aにおいて弾性的に支持されているので、ラッチ爪9の傾斜面9bがラッチ爪10の傾斜面10bを押圧することにより、弾性ラッチ部7は互いに離れる向きに弾性変形する。
【0032】
さらに可動部3が移動すると、可動部3のラッチ爪9の傾斜面9bは弾性ラッチ部7のラッチ爪10の傾斜面10bを乗り越える。これにより、弾性ラッチ部7はそれ自身が持つばね力によって元の位置へ復帰し、図4に示すように、弾性ラッチ部7のラッチ爪10が可動部3のラッチ爪9に係合する。弾性ラッチ部7は可動部3の両側に設けられているので、両ラッチ爪9,10の係合状態をバランス良く安定して保持することができる。なお、弾性ラッチ部7は可動部3の片側だけに配置してもよいが、ラッチ爪9,10の係合時の可動部3の安定性を考慮すると、両側に配置した方が好ましい。
【0033】
両ラッチ爪9,10が係合した後、可動部用アクチュエータ6への電圧の印加がオフされる。この際、弾性支持部5によって、可動部3にはラッチ爪9の係止面9aが弾性ラッチ部7のラッチ爪10の係止面10aに押圧される向きの力が働いているので、可動部用アクチュエータ6への電圧の印加をオフしても、可動部3の位置は、ラッチ爪9が弾性ラッチ部7のラッチ爪10に係合した位置に保持される。
【0034】
この状態では、ミラー4は第2の位置に位置し、この位置ではミラー4は光路13a,13bの交点上に位置する。光ファイバ11aから出射した光信号はミラー4の一方の反射面で反射して光ファイバ12aに入射し、光ファイバ11bから出射した光信号はミラー4の他方の反射面で反射して光ファイバ12bに入射する。
【0035】
一方、図4に示す状態でラッチ部用アクチュエータ8に電圧を印加すると、弾性ラッチ部7はラッチ部用アクチュエータ8に発生する静電気力によって互いに離れる向きに変位し、両ラッチ爪9,10の係合が外れる。このとき、可動部用アクチュエータ6への電圧の印加はオフされているので、両ラッチ爪9,10の係合が外れると、可動部3は、弾性支持部5のばね力によって初期位置に復帰する。その後、ラッチ部用アクチュエータ8への電圧の印加をオフすることにより、弾性ラッチ部7は、それ自身のばね力によって元の位置へ復帰し、再び図1に示した状態となる。
【0036】
以上説明したように、ラッチ爪9を有する可動部3を弾性支持部5で支持し、可動部3が弾性支持部5のばね力に抗して移動した状態でラッチ爪9と係合して可動部3を保持する保持構造を設けることで、極めて簡単な構造で、可動部3の自己保持機能を実現することができる。その結果、可動部3が移動した後の位置を維持するための電力が不要であるので、停電などにより電力の供給が途絶えた場合でも、光デバイス1は、電力が途絶える前の状態を維持することができ、しかも、可動部3を移動させる間だけ電力を供給するようにすれば、省電力化を図ることができる。
【0037】
また、ラッチ爪9が係合した状態では、ラッチ爪9は、弾性支持部5によって弾性ラッチ部7のラッチ爪10に押圧されているので、外部からの振動に対しても高い自己保持機能を有する。さらに、可動部3が移動した状態の保持は、ラッチ爪9の、弾性ラッチ部7のラッチ爪10への係合によってなされるので、弾性支持部5により生じさせるばね力を小さく設定しても、自己保持機能が損なわれることはない。したがって、弾性支持部5に加わる負荷を小さくすることができるので、結果的に、光デバイス1の耐久性も向上させることができる。
【0038】
しかも、基体2上の可動部3および弾性ラッチ部7を変位させるためのアクチュエータとして静電アクチュエータを用いているので、可動部3や弾性ラッチ部7といった構造と同時にこれらの駆動機構も、半導体製造技術を利用して基体2上に容易に作製することができる。
【0039】
本実施形態では、図4に示したように両ラッチ爪9,10が係合した状態のときにミラー4が光路13a,13b上に位置する場合を例に挙げて説明したが、逆に、図1に示す状態のときにミラー4が光路13a,13b上に位置し、図4に示す状態のときにミラー4が光路13a,13bから外れる位置にミラー4を設置してもよい。
【0040】
ただしこの場合、ミラー4が光路13a,13b上に位置しているときは、両ラッチ爪9,10は係合していないので振動などによってミラー4の位置が不安定になるおそれがある。そこで、両ラッチ爪9,10が係合していないときにも可動部3の位置すなわちミラー4の位置を安定して保持するために、図5に示すように、弾性ラッチ部7に第2のラッチ爪15を設けるのが好ましい。なお、図5は、図1に相当する状態でのラッチ爪9,10の近傍の拡大図であり、図1と同一の部分については図1と同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0041】
第2のラッチ爪15は、可動部3を移動させる前の状態のときに可動部3のラッチ爪9が当接する位置に設けられている。ここで、第2のラッチ爪15は、可動部3のラッチ爪9が弾性支持部5(図1参照)によるばね力が作用した状態で当接していることが望ましい。そして、可動部3を移動させることによって、可動部3のラッチ爪9は弾性ラッチ部7の第2のラッチ爪15から離れ、上述したようにして弾性ラッチ部7のラッチ爪10と係合する。このように、弾性ラッチ部7に第2のラッチ爪15を設けることによって、可動部3が移動する前の状態でも可動部3の位置を安定して保持することができる。
【0042】
また、本実施形態では、光学部品としてミラー4を適用した例を示したが、これに限らず、光学フィルタや遮光板など、光路上に作用することで所望の機能を発揮する種々の光学部品を可動部3上に設けることもできる。光学部品として光学フィルタを用いれば、光デバイスをオン/オフ切り替え式の光フィルタとして機能させることができ、光学部品として遮光板を用いれば、光デバイスを光アッテネータとして機能させることができる。光路の配置は、このような光デバイスの機能に応じて適宜変更することができるし、さらに、光路を形成する部材も、光ファイバではなく導波路とすることもできる。
【0043】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態による光デバイスの、光学部品が第1の位置にある状態を示す平面図であり、図7は、図6に示す光デバイスの、光学部品が第2の位置にある状態を示す平面図である。
【0044】
本実施形態の光デバイス21では、可動部23および弾性ラッチ部27にそれぞれ設けられたラッチ爪29,30は、矩形状の凸部として形成されている。また、可動部23を移動させるための静電アクチュエータとしては、第1の実施形態と同様の第1の可動部用アクチュエータ26aの他に、第1の可動部用アクチュエータ26aによる移動方向と反対方向へ移動させるための第2の可動部用アクチュエータ26bを有する。第2の可動部用アクチュエータ26bは、可動部23の移動方向について第1の可動部用アクチュエータ26aと対称に形成された櫛歯状の電極対を有する。また、可動部23上に設けられる光学部品24は、光路上に作用することで所望の機能を発揮する、ミラー、光学フィルタ、あるいは遮光板など任意の部品を用いることができる。光路は、図面では省略しているが、光ファイバや導波路などで構成することができ、また、光デバイス21の機能などに応じて配置される。
【0045】
その他の構成は第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0046】
ここで、本実施形態におけるラッチ爪29,30について、図8を参照して詳しく説明する。可動部23に設けられたラッチ爪29は、可動部23が第1の可動部用アクチュエータ26aにより移動される前の状態で光学部品24が第1の位置にあるとき(図8(a)参照)に弾性ラッチ部27のラッチ爪30と対面する第1の係止面29aと、可動部23が第1の可動部用アクチュエータ26aにより移動された後の状態で光学部品24が第2の位置にあるとき(図8(b)参照)に弾性ラッチ部27のラッチ爪30と対面する第2の係止面29bとを有する。
【0047】
弾性支持部25(図6参照)のばね力が可動部23に作用しておらず可動部23が移動していない中立位置は、第1の位置と第2の位置の中間位置、すなわち可動部23の移動方向についてラッチ爪29が弾性ラッチ部27のラッチ爪30と重なる位置となるように設定される。したがって、図8(a)に示す第1の位置では、可動部23のラッチ爪29は第1の係止面29aが弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧され、図8(b)に示す第2の位置では、可動部23のラッチ爪29は第2の係止面29bが弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧される。つまり、第1の位置および第2の位置の双方の位置において、両ラッチ爪29,30は係合状態にある。
【0048】
弾性ラッチ部27のラッチ爪30の、可動部23の移動方向における長さMは、可動部23を移動させるべき距離すなわち光学部品24(図6参照)を移動させるべき距離と等しい長さに設定される。
【0049】
次に、本実施形態の光デバイス21の動作について、図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0050】
図6に示す状態では、各可動部用アクチュエータ26a,26bおよびラッチ部用アクチュエータ28には電圧は印加されておらず、可動部23すなわち光学部品24は、弾性支持部25のばね力によってラッチ爪29の第1の係止面29aが弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧されることで第1の位置に保持されている。
【0051】
この状態でラッチ部用アクチュエータ28に電圧を印加する(S41)と、ラッチ部用アクチュエータ28に発生する静電気力によって弾性ラッチ部27が互いに離間する向きに変位し、ラッチ爪29,30の係合が外れる。係合が外れた後、第1の可動部用アクチュエータ26aに電圧を印加する(S42)。これにより、可動部23は静電気力によって第1の可動部用アクチュエータ26a側に引き寄せられ、ラッチ爪29が弾性ラッチ部27のラッチ爪30を越える位置まで可動部23が移動する。
【0052】
可動部23がこの位置まで移動した後、ラッチ部用アクチュエータ28への電圧の印加をオフする(S43)。これにより、弾性ラッチ部27はそれ自身のbね力によって元の位置へ復帰する。その後、第1の可動部用アクチュエータ26aへの電圧の印加をオフする(S44)。第1の可動部用アクチュエータ26aへの電圧の印加をオフすることによって、可動部23は弾性支持部25による矢印A2方向の力を受ける。その結果、可動部23のラッチ爪29は、その第2の係止面29bが弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧されるので、図7に示すように、可動部23すなわち光学部品24は第2の位置に保持される。
【0053】
図10に、可動部23すなわち光学部品24を第1の位置から第2の位置へ移動させるときの、ラッチ部用アクチュエータ28および第1の可動部用アクチュエータ26aへの電圧の印加のタイミングチャートを示す。図10に示すように、第1の可動部用アクチュエータ26aは、ラッチ部用アクチュエータ28に対して所定の時間だけ遅延したタイミングで駆動される。この所定の時間とは、弾性ラッチ部27が変位するのに要する時間である。
【0054】
第2の位置にある光学部品24を第1の位置へ戻すには、第1の可動部用アクチュエータ26aの代わりに第2の可動部用アクチュエータ26bを用いて、ラッチ部用アクチュエータ28および第2の可動部用アクチュエータ26bを上述したのと同様に駆動する。すなわち、ラッチ部用アクチュエータ28に電圧を印加して弾性ラッチ部27を開いた後、第2の可動部用アクチュエータ26bに電圧を印加して可動部23を矢印A2方向に移動させる。その後、ラッチ部用アクチュエータ28への電圧の印加をオフし、最後に第2の可動部用アクチュエータ26bへの電圧をオフする。
【0055】
以上説明したように本実施形態によれば、第1の位置および第2の位置の双方で可動部23のラッチ爪29が弾性ラッチ部27のラッチ爪30に係合するので、第1の位置および第2の位置の両位置において、高い自己保持機能を達成することができる。また、可動部23を移動させる前に弾性ラッチ部27を開き、弾性ラッチ部27のラッチ爪30が可動部23のラッチ爪29に接触しないようにすることで、可動部23を移動させる際の負荷を小さくすることができる。その結果、可動部23を小さな力で移動させることができ、更なる省電力化を達成することができる。
【0056】
さらに、本実施形態では、可動部23を引き戻す、すなわち光学部品24を第1の位置へ復帰させるのに、弾性支持部25のばね力だけでなく第2の可動部用アクチュエータ26bによる静電気力も利用しているので、第2の位置から第1の位置への移動時間を短縮することができる。これにより、両方向についての可動部23の応答性が向上し、結果的に光学部品24の位置の切り替え速度を向上させることができる。この第2の可動部用アクチュエータ26bは、第1の実施形態においても同様の目的で適用することができる。
【0057】
また、本実施形態においても、弾性支持部25は、可動部23のラッチ爪29を弾性ラッチ部27のラッチ爪30に押圧させる程度のばね力を生じさせればよいので、第1の実施形態と同様に、弾性支持部25に加わる負荷は小さくてすみ、光デバイス21の耐久性を向上させることができる。
【0058】
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態による光デバイスの平面図である。また、図12は、図11に示す光デバイスのC−C線断面図であり、併せてその動作も示している。
【0059】
本実施形態の光デバイス51では、光学部品54を支持する可動部53は、基体52の上面に基体52の上面と間隔をあけて配置され、かつ、基体52の上面と平行に延びる片持ち梁として形成されている。したがって、可動部53は、その基体52との支持部を支点として基体52の上面に略垂直な方向に弾性変位可能に構成されている。可動部53の両側面には、それぞれ可動部53の幅方向外側に突出するラッチ爪59が設けられている。
【0060】
可動部53の両側方には、第1の実施形態と同様に基体52に弾性的に支持され、ラッチ部用アクチュエータ58によって可動部53に対して離間および接近する方向に変位される弾性ラッチ部57が配置されている。各弾性ラッチ部57の、可動部53のラッチ爪59と対向する領域には、可動部53に向かって延びるラッチ爪60が形成されている。弾性ラッチ部57に設けられたラッチ爪60は、図12に示すように、その上面が、根元部から先端に向かって基体52の上面に接近する向きに傾斜した傾斜面60aとなっている。また、可動部53が変位していない状態(図12(a)参照)では、弾性ラッチ部57のラッチ爪60の少なくとも一部は、可動部53のラッチ爪59と基体52との間の領域に位置している。
【0061】
さらに、図12に示すように、光デバイス51は、可動部53を変位させるための可動部用アクチュエータとして、可動側電極65および固定側電極66を有する。可動側電極65は、可動部53の先端部の、基体52と対向する面に形成されている。固定側電極66は、基体52の上面の、可動側電極65と対向する領域に形成されている。可動側電極65と固定側電極66との間に電圧を印加することにより、両者間に静電気力が働き、可動部53が基体52側に引き寄せられる。
【0062】
次に、本実施形態の光デバイス51の動作について説明する。
【0063】
図12(a)に示す状態では、可動部用アクチュエータおよびラッチ部用アクチュエータ58には電圧は印加されていない。また、可動部53は弾性ラッチ部57のラッチ爪60の上方に位置しており、光学部品54は第1の位置にある。
【0064】
この状態で可動部用アクチュエータ、すなわち可動側電極65と固定側電極66との間に電圧を印加すると、可動部53は静電気力によって基体52側へ引き寄せられる。このとき、弾性ラッチ部57のラッチ爪60の傾斜面60aが、可動部53のラッチ爪59によって押圧されるので、図12(b)に示すように、弾性ラッチ部57が押し広げられる。
【0065】
さらに可動部53が基体52側へ引き寄せられ、可動部53のラッチ爪59の上面が弾性ラッチ部57のラッチ爪60の間を通過すると、図12(c)に示すように、弾性ラッチ部57は、それ自身のばね力によって元の位置に復帰し、ラッチ爪60が可動部53のラッチ爪59の上方に位置する。
【0066】
その後、可動側電極65と固定側電極66との間に印加していた電圧をオフする。これにより、可動部53に働いていた静電気力が消失する。その結果、可動部53のラッチ爪59は、可動部53のばね力により弾性ラッチ部57のラッチ爪60の下面に押圧された係合状態となるので、可動部53すなわち光学部品54は第2の位置に保持される。
【0067】
光学部品54を第2の位置から第1の位置へ切り替えるには、ラッチ部用アクチュエータ58に電圧を印加する。すると、弾性ラッチ部57は互いに離れる方向に変位し、ラッチ爪60が可動部53のラッチ爪59から外れることによって、可動部53はそのばね力によって元の位置へ復帰する。これにより、可動部53すなわち光学部品54は第1の位置へ復帰する。その後、ラッチ部用アクチュエータ58への電圧の印加をオフすると、弾性ラッチ部57も元の位置へ復帰し、図12(a)に示す状態となる。
【0068】
以上説明したように本実施形態によれば、可動部53を基体52の上面に対して略垂直方向に移動させるように構成したことで、可動部53を移動させるための可動部用アクチュエータを構成する部材を、可動部53と基体52との間に対向して配置することができる。このことにより、基体52の上面に対する可動部用アクチュエータの占める面積を小さくすることができ、その結果、光デバイス51の小型化が達成される。
【0069】
また、可動部53は、その支点を中心に単純に上下動するだけであり、可動部53に加わる負荷も小さいので、切り替え動作に対する光デバイス51の耐久性も向上したものとなる。しかも、第2の位置では可動部53のラッチ爪59が弾性ラッチ部57のラッチ爪60に係合した状態とされるので、高い自己保持機能を達成することができる。
【0070】
本実施形態のような構成の場合、光学部品54が第1の位置にあるとき、可動部53はラッチ爪59が係合状態になく、場合によっては外力により振動することが懸念される。そこで、第1の位置にあるときの光学部品54の位置を安定させるために、図12(a)に示す状態で可動部53のラッチ爪59が弾性ラッチ部57のラッチ爪60に接触していることが望ましい。
【0071】
本実施形態でも、光学部品54としては、光路上に作用することで所望の機能を発揮する、ミラー、光学フィルタ、あるいは遮光板など任意の部品を用いることができる。光路は、図面では省略しているが、光ファイバや導波路などで構成することができ、また、光デバイス51の機能などに応じて配置される。なお、第1の位置と第2の位置を比べると、第2の位置では係合構造が作用しているため、第2の位置のほうが光学部品54の位置安定性は高い。このことから、光路は、光学部品54が第2の位置にあるときに光学部品54に入射するように設置するのが好ましい。
【0072】
また、本実施形態では可動部53にラッチ爪59を設けていたが、弾性ラッチ部57のラッチ爪60が係合できる形状であれば、可動部53のラッチ爪59は必ずしも設けなくてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光学部品を支持する可動部の変位状態を保持する弾性ラッチ部と、弾性ラッチ部による可動部の係合を解除させるラッチ部用アクチュエータとを有する構成とすることで、可動部の支持部に加わる負荷を小さくすることができ、結果的に、耐久性に優れ、かつ光学部品の切り替え位置保持性能の高い光デバイスとすることができる。また、本発明の光デバイスは、複雑な構成も必要ないので、容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による光デバイスの平面図である。
【図2】図1に示す光デバイスの、第1の位置におけるラッチ構造部の拡大図である。
【図3】図1に示す光デバイスの、第1の位置から第2の位置への変位途中でのラッチ構造部の拡大図である。
【図4】図1に示す光デバイスの、第2の位置における平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の変更例を示す、ラッチ構造部の拡大図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による光デバイスの、第1の位置における平面図である。
【図7】図6に示す光デバイスの、第2の位置における平面図である。
【図8】図6に示す光デバイスのラッチ構造部を動作とともに示す拡大図である。
【図9】図6に示す光デバイスの動作のフローチャートである。
【図10】図6に示す光アクチュエータの動作時の各アクチュエータへの電圧印加のタイミングチャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態による光デバイスの平面図である。
【図12】図11に示す光デバイスの動作をC−C線断面で示す図である。
【符号の説明】
1,21,51 光デバイス
2,52 基体
3,23,53 可動部
4 ミラー
5,25 弾性支持部
6,26a,26b 可動部用アクチュエータ
7,27,57 弾性ラッチ部
8,28,58 ラッチ部用アクチュエータ
9,10,29,30,59,60 ラッチ爪
9a,10a,29a,29b 係止面
9b,10b,60a 傾斜面
11a,11b,12a,12b 光ファイバ
13a,13b 光路
15 第2のラッチ爪
24,54 光学部品
65 可動側電極
66 固定側電極
Claims (10)
- 基体と、
前記基体に変位可能に弾性的に支持された可動部と、
前記可動部に支持され、前記可動部の変位に伴って光路中に出し入れされる光学部品と、
前記可動部を変位させるための、前記可動部および前記基体に前記可動部の変位方向に対向して設けられた電極対を備えた可動部用アクチュエータと、
前記基体に変位可能に弾性的に支持され、前記可動部が前記可動部用アクチュエータによって変位された位置で前記可動部に係合可能なラッチ構造を備えた弾性ラッチ部と、
前記弾性ラッチ部を前記ラッチ構造の前記可動部との係合を解除する向きに変位させるための、前記弾性ラッチ部および前記基体に前記弾性ラッチ部の変位方向に対向して設けられた電極対を備えたラッチ部用アクチュエータとを有する光デバイス。 - 前記可動部は一端部が前記基体に支持された板状の部材であり、前記弾性ラッチ部は前記可動部の両側方に配置されている、請求項1に記載の光デバイス。
- 前記ラッチ構造は、前記弾性ラッチ部に一体に設けられたラッチ爪であり、前記可動部にも前記ラッチ爪と係合するラッチ爪が一体に設けられている、請求項1または2に記載の光デバイス。
- 前記可動部の変位方向は前記基体の主面に沿った方向であり、
前記可動部のラッチ爪は、前記可動部用アクチュエータによる前記可動部の変位方向と反対方向を向いた係止面、および該係止面よりも前記可動部の変位方向側に位置し前記系止面に対して傾斜した傾斜面の2つの側面を有して前記可動部の側面から三角形状に突出して形成され、
前記弾性ラッチ部のラッチ爪は、前記可動部用アクチュエータによる前記可動部の変位方向を向いた系止面、および該系止面よりも前記可動部の変位方向と反対側に位置し前記系止面に対して傾斜した傾斜面の2つの側面を有して前記弾性ラッチ部の側面から三角形状に突出して形成されている、請求項3に記載の光デバイス。 - 前記弾性ラッチ部の、前記可動部が前記可動部用アクチュエータによって変位されていないときに前記可動部のラッチ爪と係合する位置に第2のラッチ爪を有する、請求項4に記載の光デバイス。
- 前記可動部および前記弾性ラッチ部のラッチ爪はそれぞれ矩形状の凸部として形成されている、請求項3に記載の光デバイス。
- 前記可動部が変位していない中立位置は、前記可動部の変位方向について前記可動部のラッチ爪が前記弾性ラッチ部のラッチ爪と重なる位置である、請求項6に記載の光デバイス。
- 前記可動部を前記可動部用アクチュエータによる変位方向と反対方向へ変位させるための第2の可動部用アクチュエータをさらに有する、請求項4ないし7のいずれか1項に記載の光デバイス。
- 前記可動部は、前記基体の主面に前記基体と間隔をあけて配置され、かつ前記基体の主面と平行に延びる片持ち梁であり、前記可動部用アクチュエータの電極対は、前記可動部および前記基体の互いの対向面に設けられている、請求項1または2に記載の光デバイス。
- 前記ラッチ構造は、前記弾性ラッチ部に一体に設けられたラッチ爪であり、該ラッチ爪は、その根元部から先端に向かって前記基体の主面に接近するように傾斜し、前記可動部用アクチュエータにより前記可動部が変位することによって前記可動部に押圧される傾斜面を有する、請求項9に記載の光デバイス。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009274158A (ja) * | 2008-05-13 | 2009-11-26 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 微細可動デバイス及びその駆動方法 |
WO2023032071A1 (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-09 | 日本電信電話株式会社 | 光スイッチ及び光スイッチシステム |
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2002
- 2002-12-24 JP JP2002372097A patent/JP2004205631A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009274158A (ja) * | 2008-05-13 | 2009-11-26 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 微細可動デバイス及びその駆動方法 |
WO2023032071A1 (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-09 | 日本電信電話株式会社 | 光スイッチ及び光スイッチシステム |
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