JP4471545B2 - 光スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信設備において光路の切換えに用いられる光スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12を参照して、従来の光スイッチ100について説明する。この光スイッチ100は、OFC2000(Optical Fiber Communication Conference, March 7, 2000)のTuM1(J.E.Fouquet, "Compact optical cross-connect switch based on total internal reflection in a fluid-containing planar lightwave circuit")において示された光スイッチである。この光スイッチ100は、シリカ平面光回路基板51からなっており、シリカ平面光回路基板51の中にわずかに屈折率の高い方形光導波路を形成することによって2次元の光回路を構成している。
【0003】
一般的に、シリカ平面光回路基板51としては、屈折率が1.5程度のものが用いられており、光導波路2の部分は1%程度屈折率が高い材質となっている。光導波路2の部分は一般に「コア」とも呼ばれる。光導波路2の交差点に部分的に重なる位置を横切るように溝52が形成されており、溝52の中には屈折率整合オイル56が満たされている。屈折率整合オイル56とは、光導波路2と屈折率が等しいオイルである。
【0004】
この光スイッチ100の動作について説明する。この光スイッチ100には、図示されていないバブル発生機構が備えられており、光導波路2の交差点において屈折率整合オイル56の液中にバブル53を発生させたり、再びバブル53を消滅させたりすることができる。バブル発生機構は、バブルジェット(R)方式のプリンタのヘッドにも用いられているのと同様の機構を用いることができる。
【0005】
交差点にバブル53が発生している場合には、交差点に入射した光はバブル53の表面で全反射され、バブル53が存在しない場合には、光導波路2と屈折率整合オイル56とは屈折率が等しいので光は直進する。この性質を利用して、バブル53の生成/解消によって光路を反射/直進の2つの状態に切換えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように構成される光スイッチ100においては、エッチングのプロセス上の精度により溝52の幅が少なくとも15μm程度は必要であった。また、1つの交差点当たり少なくとも0.07dBの光損失が発生するという問題点があった。一方、光スイッチ100全体としての光損失L[dB]は、次式で与えられる。
L=2C+(m−1)T+(n−1)T+R
m:入力ポートの数
n:出力ポートの数
C:光が光ファイバから光スイッチに入射する際と、光が光導波路を通って交差点である活性領域まで進む間とによってもたらされる損失[dB]
T:1つの溝を横切り、2つの交差点に挟まれる短い光導波路の区間を伝達する際の損失[dB]
R:空の溝の側壁での反射と、2つの交差点に挟まれる短い光導波路の区間の伝達とによる損失[dB]
たとえば、1000×1000の大規模な光スイッチを構成しようとした場合には、この式に具体的な数値を代入すると、
L=2×0.25+(1000−1)×0.07+(1000−1)×0.07+2.1=142.46dB
となる。したがって、理想的に製造できた場合でも142.46dBの光損失が発生する。光スイッチとして信号品質を劣化させることなく機能するためには光損失Lを10dB以下に抑える必要がある。そのように光損失を考慮すると、この方式の構成では、32×32程度以上の大規模化は困難という問題点があった。
【0007】
また、シリカ平面光回路基板51は、半導体と同様の装置で製造されるため、光スイッチが大型化した場合には非常に高価なものとなってしまうという問題点があった。さらに、屈折率整合オイル56にその都度発生するバブル53を利用しているため、発生したバブル53が小さかったり、発生位置がずれてしたりした場合には、光の切換え異常が発生するという問題点があった。さらに、屈折率整合オイル56の状態によっては、屈折率整合オイル56の小さな粒に光の局部的な吸収が発生し、信号光のエネルギーにより、光路周辺が焼損してしまうという問題点があった。
【0008】
また、従来の光スイッチでは、物理的にコンパクト化することに限界があるため、さらに光スイッチを小型化することが可能な構造の光スイッチが求められていた。
【0009】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光損失を低減することができるとともに、上述のような切換え異常や焼損の発生することのない光スイッチを提供することである。また、さらなる小型化が可能な光スイッチを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の光スイッチは、弾性材料により構成され、内部において互いに交差点で交差する第1の光導波路、第2の光導波路、および、交差点を横断するように設けられた切れ目を有する板材と、その板材の主表面の上側および下側のうち少なくともいずれか一方側に配置され、切れ目を押圧することにより、切れ目を開閉するための押圧手段とを備え、第1の光導波路を進行する光が、切れ目において、切れ目が開いている状態では、その切れ目の内壁面で反射されて第2の光導波路を進行するとともに、切れ目が閉じている状態では、その切れ目を通過して第1の光導波路を直進するように構成され、押圧手段が、圧電効果で変形する圧電部材により形成されている。
【0011】
上記の構成によれば、光損失を低減することができるとともに、切換え異常や焼損の発生することを防止することが可能となる。また、押圧手段が圧電効果で変形する圧電部材により形成されているため、光スイッチを小型化することができる。
【0012】
本発明の光スイッチは、より好ましくは、圧電部材が、板材に対して固定された固定部と、板材に対して固定されていない可動部とを含み、圧電効果により、固定部の位置に対して、可動部の位置が上下に変化することにより、可動部が切れ目を押圧する。このような構成によれば、固定部材が板材に対して固定されていることにより、板材の平板性が保たれていなくても、板材に対する圧電部材の相対的位置が常に同じになるため、確実に必要な押圧力を切れ目に与えることができる。
【0013】
本発明の光スイッチは、押圧手段が、固定部と可動部とを有する圧電シートにより構成され、可動部が、圧電シートを貫通する切分けにより切分けられた部分を利用して形成されていてもよい。このような構成によれば、圧電シートに切分けを設けるだけで、可動部と固定部とを形成することができるため、押圧手段の製造が容易になる。
【0014】
本発明の光スイッチは、圧電シートには、その圧電シートを貫通する切分けにより櫛型状の部分が切分けられ、可動部が、櫛型状の部分を利用して形成されていてもよい。このような構成によれば、複数の圧電部材を効率良く形成することができる。
【0015】
本発明の光スイッチは、可動部が、圧電シートの一部分であって、圧電シートに複数組設けられた互いに平行な2本の切分けの間の部分を利用して形成されていてもよい。このような構成によっても、複数の圧電部材を効率良く形成することができる。
【0016】
本発明の光スイッチは、圧電部材が、平板状の部材であり、その平板状の部材の周端面の外方向への移動が拘束される状態で設置されていてもよい。このような構成にすることにより、平板状の部材からなる圧電部材全体で板材を変形させることができるので、板材に非可逆的な塑性変形を与えることなく、切れ目の開閉ができるように板材を変形させることができる。
【0017】
本発明の光スイッチは、より好ましくは、圧電部材が板材の上側および下側の双方に配置されている。この構成によれば、板材の上側および下側のうち少なくともいずれか一方を選択して板材に変形を与えることができるため、切れ目の開閉を効率良く行なうことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本実施の形態の光スイッチは、弾性のある材料(たとえばポリイミド)で光導波路が形成されている。また、本実施の形態の光スイッチは、この光導波路のクロスポイント部に切込みが設けられており、この切込みを開閉することにより、光の直進または反射を切換えることが可能である。切込みが開いているときは、光導波路を通る光は切込み部の端面で全反射して進行方向が変わる。逆に、切込みが閉じているときは、光は切込み部をそのまま通過して直進する。
【0019】
以下、図1を参照して、本実施の形態における光スイッチについて、具体的に説明する。図1には、この光スイッチに用いるポリマー光導波路3の部分が示されている。このポリマーからなる光導波路3は、切れ目として、ポリイミドフィルム1に鋭利な刃物で切断して形成した第1〜第3の切込み部6a〜6cを有している。さらに、第1〜第3の切込み部6a〜6cに対して垂直に入れられた第1〜第5の応力解放切込み7a〜7eを有している。なお、本明細書では、「切込み」とは、ある断面に注目したときに、完全にシート状の部材を貫通していない状態で、シート状の部材の1辺から他の辺までのうち、ある部分では切れていて他の部分ではまだ断面の上下間で完全につながった部分の残っているものをいうものとし、「切れ目」とは、切込みを含み、さらに、シート状の部材の1辺から他の辺まで断面の一部が連続して切り離されたものをも含むものとする。
【0020】
このポリマー光導波路3においては、説明のために、第1および第2の入力ポート4a,4b、第1および第2の出力ポート5a,5bを図示しているが、入力ポートおよび出力ポートはより多く存在してもよい。また、光導波路2は、各入力ポートと出力ポートに対応してポリイミドフィルム1の内部に多数形成されており、交差点8a〜8fで交差している。
【0021】
図1には図示していないが、各交差点の近傍には、切込み部6の開閉動作機構として、交差点部分を一方の側から圧迫する押圧手段が設けられている。この押圧手段として、本実施の形態の光スイッチでは、圧電素子により構成された圧電部材を用いる。
【0022】
本実施の形態の光スイッチは、この切込み部の開閉動作を行なわせる押圧手段についての発明であり、押圧手段として、板状の圧電ユニモルフ素子を用いることで、安価、かつ、小型な機構を実現することができる。
【0023】
以下、図3〜図6を用いて、本実施の形態の光スイッチの押圧手段を具体的に説明する。
【0024】
本実施の形態の光スイッチは、図3および図4に示すように、ポリイミドフィルム1がクロスポイント部の周辺だけの穴のあいたスペーサ10で表裏から挟まれている。板状の圧電ユニモルフからなる圧電部材9の端部がスペーサ10を介してポリイミドフィルム1に対して固定されている。32×32光スイッチの場合、縦横32個ずつこの圧電部材9が配列されている。これは裏面も同様である。
【0025】
本実施の形態では、小型薄型でありながら、ポリイミドフィルム1を押圧するだけで十分な変位量と力とを発生させることができる。また、個々の圧電部材9は、ポリイミドフィルム1に支持されているため、ポリイミドフィルム1の平板性が保たれなくても、圧電部材9の押圧部とポリイミドフィルム1との隙間を保つことができるという利点がある。
【0026】
図3に示すように、図2において破線部で断面を示したポリマー光導波路2が形成されているポリイミドフィルム1の表裏それぞれに圧電部材9a,9bがスペーサ10a,10bを介して設置されている。この圧電部材9a,9bの端部には、ポリイミドフィルム1の切込み部6の周辺を押圧する押圧部11a,11bが設けられている。
【0027】
ここで、圧電ユニモルフからなる圧電部材の動作原理を、図5を用いて説明する。圧電部材9は、厚み方向に分極した圧電板20と金属板30とから構成されており、それぞれの表面には電極が接続されている。このような構成の圧電板20に電圧が印加されると、圧電効果により圧電板20が縮み、図5に示すように、圧電部材9は全体としては上部に曲がることになる。
【0028】
以下、前述の圧電部材の動作原理を利用した本実施の形態の光スイッチの動作を説明する。本実施の形態の光スイッチの圧電部材9は、図6(a)に示すように、ポリイミドフィルム1の切込み部6上下に押圧部11a,11bが位置するように構成されるとともに、先端に押圧部11a,11bが設けられた圧電部材9a,9bがスペーサ10a,10bを介してポリイミドフィルム1に固定されている。そして、切込み部6を開くときは、図6(b)に示すように、裏面の圧電部材9bを切込み部6側に曲がるように電圧が印加され、ポリイミドフィルム1が裏面から上方向に押し上げられるため、切込み部6が開いた状態となる。なお、この状態では、上側の圧電部材9aには、電圧が印加されていない。
【0029】
また、切込み部6が閉じるときは、図6(c)に示すように、表裏面ともに圧電部材9a,9bはポリイミドフィルム1の切込み部6に向かう方向に曲がるように電圧が印加される。これにより、切込み部6は、上下方向から圧縮されて変形し、切込み部6を形成する内壁面が互いに密着して、閉じた状態となる。
【0030】
また、切込み部6が閉じる状態として、図6(c)に示した状態の代わりに、図6(d)に示した状態としてもよい。表面の圧電部材9aのみがポリイミドフィルム1に向かう方向に電圧が印加され、ポリイミドフィルム1が下方向に押し下げられているため、切込み部6が閉じた状態となる。なお、この状態では、下側の圧電部材9bには電圧が印加されていない。
【0031】
なお、圧電ユニモルフ素子の変形量ΔLと発生力Fは、次の数1で表わされる。
【0032】
【数1】
【0033】
ここで、D31は圧電d定数、S11 Eはコンプライアンス定数である。
本実施の形態の圧電部材として、長さL=500μm、幅a=700μm、厚みt=22.4μmのものを用いる。また、圧電d定数d31=−262×10-12m/V、コンプライアンス定数11 E=15×10-12m2/Nを使用する。そして、圧電部材に電圧V=200Vを印加すると、変形量ΔL=10μm、発生量F=0.1Nとなる。このような条件にすることにより、ポリイミドフィルム1の厚みが50μm、切込み部の深さが40μm、切込み部と切込み部と間のピッチが700μmの場合においては、切込み部6の開閉に必要な変位量と力とを切込み部6に与えることができる。
【0034】
次に、図6(a)〜(c)を参照して、光路の切換え動作について説明する。なお、図6は、図1のX−X線断面の切換え動作を示すものとする。図6(a)〜(c)により、光導波路2の交差点8a〜8fの部分が拡大されて示されている。まず、圧電部材9a,9bがポリイミドフィルム1に押し当てられていない図6(a)の状態、および、、圧電部材9a,9bが上下からポリイミドフィルム1に押し当てられている図6(c)の状態では、圧電部材9の圧迫によって光導波路2の内壁面同士が物理的に接合されているため、信号光は切込み部6のあった部分を無反射で透過することができる。一方、圧電部材9bのみがポリイミドフィルム1に押し当てられた図6(b)の状態では、光導波路2を進んできた信号光は、切込み部6の内壁面で反射される。
【0035】
再び、図1を参照して、引き続き、動作について説明する。たとえば、図1のポリマー光導波路3を備える光スイッチにおいて、交差点8a,8b,8e,8fに圧電部材9(図2参照)を押し当て、交差点8cのみを解放しておく。この場合、交差点8cにおいては、光導波路2が切込み部6aによって45°の角度で切断されているため、交差点8cでは、光信号が全反射される。その結果、第1の入力ポート4aから入射した信号光を第1の出力ポート5aに出力することができる。
【0036】
また、交差点8a,8dに圧電部材9を押し当て、交差点8bを解放した場合には、第1の入力ポート4aから入射した信号光を第2の出力ポート5bに出力することができる。
【0037】
同様に、交差点8a〜8fの中から適宜選択した交差点のみに圧電部材9を押し当てることによって、第1および第2の入力ポート4a,4bからの入射光を第1および第2の出力ポート5a,5bのうちの任意の出力ポートに出力することができる。
【0038】
なお、たとえば、交差点8bと交差点8eとの間には、応力解放切込み7cが形成されている。そのため、交差点8bを圧電部材9によって押した場合にも変形が伝わって交差点8eが歪むのを防ぐことができる。このように、応力解放切込みを各交差点間にそれぞれ設けておくことによって、互いに近接した交差点における接続/反射をそれぞれ独立に制御することができる。
【0039】
本実施の形態における光スイッチは、上述のように、光導波路2における接続/反射の切換えを、圧電部材9を押し当てることで生じるポリマーからなる板材で形成された光導波路2の伸縮によって行なうため、従来の屈折率整合オイルを用いた方式よりも、正確に切り換えられるという利点がある。また、接続時には、光導波路同士を物理的につなげるため、きわめて少ない損失で接続できるという効果がある。
【0040】
さらに、図1に示すように、切れ目としての切込み部6の箇所において、切込み部6を挟む両側のポリイミドフィルム1が一部つながった構造としておけば、光導波路2のずれを防止することができる。
【0041】
また、切込み部6は、鋭利な刃物による切込みであってよいので、ポリイミドフィルム1の断面が刃物による切断で滑らかに加工できるという特徴を生かして散乱のない切り口を交差点に形成することができる。
【0042】
また、切れ目の間隙が信号を伝達する光の波長の1/4以下の幅となる状態と切れ目の間隙が信号を伝達する光の波長の1/4より大きい幅となる状態とを切換えるために、圧電部材9a,9bの押圧動作によって切込み部6を圧迫するという方式をとっている。そのため、切込み部6の間隙の幅を信号波長の1/4以下に狭くすることが容易にできる。そのため、切込み部6の間隙を制御する際の精度は比較的緩くてよく、光スイッチを安価に製造することができる。
【0043】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の光スイッチを、図7〜図9を用いて説明する。まず、本実施の形態の光スイッチの全体構成を、図7および図8を用いて説明する。ポリイミドフィルム1は、クロスポイント部の周辺だけの穴のあいたスペーサ10で表裏から挟み込まれており、この穴の部分に円板状の圧電バイモルフからなる圧電部材9が埋込まれている。32×32光スイッチの場合、縦横32個ずつの圧電バイモルフが配列されている。これは裏面も同様である。なお、本実施の形態では、平板の一例として円板状の圧電部材を用いたが、周端面の外方への移動が拘束される状態で設置される平板であれば、長方形などであってもよい。
【0044】
本実施の形態では、圧電部材9全体でポリイミドフィルム1を変形させることができるので、ポリイミドフィルム1に非可逆的な塑性変形を与えることなく、ポリイミドフィルム1を変形させることができる。
【0045】
本実施の形態では、図7および図8に示すように、圧電ユニモルフからなる圧電部材9全体をポリイミドフィルム1に密着させる。この圧電部材9は両端が支持部により固定されている。このときに電圧を印加すると素子の長さが変化し、素子の中央部が上下方向に凹または凸に変形する。この凹または凸の変形によりポリイミドフィルム1自体を凹または凸に撓ませる。
【0046】
次に、図9を用いて、切込みの開閉動作を説明する。なお、図9は、図1のX−X線断面の切換え動作を示すものとする。切込み部6を開くときには、図9(a)に示す状態から図9(b)に示すような状態になる。このとき、裏面の圧電部材9bは上側に凸に曲がるように電圧が印加され、ポリイミドフィルム1を裏面から上方向に押し上げることにより、切込み部6が開いた状態となる。ここで、表面側の圧電部材9aには電圧が印加されない。
【0047】
また、切込み部6を閉じるときには、図9(b)に示す状態から図9(c)に示すような状態になる。このとき、表裏面ともに圧電部材9a,9bはポリイミドフィルム1の切込み部6に向かう方向に曲がるように電圧が印加される。これにより、切込み部6が圧縮されて、切込み部6を形成する内壁面が密着して、切込み部6が閉じた状態となる。
【0048】
また、切込み部6が閉じる状態として、図9(c)に示した状態の代わりに、図9(d)に示した状態としてもよい。表面の圧電部材9aのみがポリイミドフィルム1に向かう方向に電圧が印加され、ポリイミドフィルム1が下方向に押し下げられているため、切込み部6が閉じた状態となる。なお、この状態では、下側の圧電部材9bには電圧が印加されていない。
【0049】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1および実施の形態2で示した圧電部材群を効率よく形成できる光スイッチの構造および光スイッチの製造方法について説明する。
【0050】
通常、微小な圧電部材を数多く精度よく配列するよう設置させることは、非常に困難である。そこで、実施の形態1の圧電部材群を形成するための構造の一例として、図10および図11に示すようにな構造にする。以下、図10および図11を用いて、本実施の形態の光スイッチを説明する。
【0051】
まず、導波路基板と同じ大きな圧電フィルムを形成し、裏面に金属板を貼り付ける。そして、図10に示すように、この圧電フィルム1に櫛形状の切分け80を入れる。このようにすることにより、形成された櫛型の1つ1つの歯が圧電部材として働くことになる。これら歯それぞれの表面に電極40を形成し、配線50を敷設する。なお、「切分け」とは、圧電シートの裏表を貫通するように設けられてはいるが、圧電シートを2つの部材に切り離してしまわないものである。
【0052】
一方、裏面の金属板にもアース70用の配線を行なう。そして、コントローラ60により光スイッチの制御を行なう。この方法によれば、微小な圧電部材それぞれをポリイミドフィルム1に貼付ける必要がなく、一回の工程で形成された圧電フィルム1枚をポリイミドフィルム1に貼り付けるだけでよいため、光スイッチの製造が簡単となる。
【0053】
一方、実施の形態2の圧電部材群を形成する場合には、図11に示すように、互いに平行な複数組の2本の切分け80を圧電シートに形成すればよい。なお、圧電部材を円形または長方形などの切分けを入れることにより圧電シートを切分けても実施の形態2において説明した圧電部材を形成することが可能である。
【0054】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0055】
【発明の効果】
本発明の光スイッチによれば、光損失を低減することができるとともに、切換え異常や焼損が発生することを防止することができる。また、押圧手段が圧電効果で変形する圧電部材により形成されているため、光スイッチをさらに小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態の光スイッチの切込みが開いた状態を示す斜視図である。
【図2】 本実施の形態の光スイッチの切込みが開いた状態を示す平面図である。
【図3】 本実施の形態1の光スイッチが複数設けられた場合の配列を示す図である。
【図4】 図3の一部を拡大した図である。
【図5】 圧電部材の動作原理を説明するための図である。
【図6】 本実施の形態1の光スイッチの切込みが開閉する状態を説明するための断面図である。
【図7】 本実施の形態2の光スイッチが複数設けられた場合の配列を示す図である。
【図8】 図7の一部を拡大した図である。
【図9】 本実施の形態2の光スイッチの切込みが開閉する状態を説明するための断面図である。
【図10】 実施の形態3の光スイッチを説明するための図である。
【図11】 実施の形態3の光スイッチを説明するための図である。
【図12】 従来の光スイッチを説明するための図である。
【符号の説明】
1 ポリイミドフィルム、2 光導波路(コア)、3 ポリマー光導波路、4a,4b 入力ポート、5a,5b 出力ポート、6,6a,6b,6c 切込み部、7a,7b,7c,7d,7e 応力解放切込み、8,8a,8b,8c,8d,8e,8f 交差点、9,9a,9b 圧電部材、10,10a,10b スペーサ、11,11a,11b 押圧部、20 圧電板、30 金属板、40 電極、50 配線、60 コントローラ、70 アース、80 切分け。
Claims (7)
- 弾性材料により構成され、内部において互いに交差点で交差する第1の光導波路、第2の光導波路、および、前記交差点を横断するように設けられた切れ目を有する板材と、
該板材の主表面の上側および下側のうち少なくともいずれか一方側に配置され、前記切れ目を押圧することにより、前記切れ目を開閉するための押圧手段とを備え、
前記第1の光導波路を進行する光が、前記切れ目において、前記切れ目が開いている状態では、該切れ目の内壁面で反射されて前記第2の光導波路を進行するとともに、前記切れ目が閉じている状態では、前記切れ目を通過して前記第1の光導波路を直進するように構成され、
前記押圧手段が、圧電効果で変形する圧電部材により形成された、光スイッチ。 - 前記圧電部材は、
前記板材に対して固定された固定部と、
前記板材に対して固定されていない可動部とを含み、
圧電効果により、前記固定部の位置に対して、前記可動部の位置が上下に変化することにより、前記可動部が前記切れ目を押圧する、請求項1に記載の光スイッチ。 - 前記押圧手段が、前記固定部と前記可動部とを有する圧電シートにより構成され、
前記可動部が、前記圧電シートを貫通する切分けにより切分けられた部分を利用して形成された、請求項2に記載の光スイッチ。 - 前記圧電シートには、該圧電シートを貫通する切分けにより櫛型状の部分が切分けられ、
前記可動部が、前記櫛型状の部分を利用して形成された、請求項3に記載の光スイッチ。 - 前記可動部が、前記圧電シートの一部分であって、前記圧電シートに複数組設けられた互いに平行な2本の切分けの間の部分を利用して形成された、請求項4に記載の光スイッチ。
- 前記圧電部材は、平板状の部材であり、該平板状の部材の周端面の外方向への移動が拘束される状態で設置された、請求項1に記載の光スイッチ。
- 前記圧電部材は、前記板材の上側および下側の双方に配置された、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光スイッチ。
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