JP2006064977A - 光デバイス、センサ、光学素子 - Google Patents

光デバイス、センサ、光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、小型でしかも応答性に優れ、作製も容易かつ低コストで行うことのできる光デバイス等を提供することを目的とする。
【解決手段】 フォトニック結晶から形成された固定基板20と、可動基板30とを備える光学素子10を用い、光デバイス100Aを構成した。固定基板20の導波路25と、可動基板30の導波路32とを、互いに重なり合うように設け、エバネッセント光による光結合が可能な状態とし、アクチュエータ40で、可動基板30を固定基板20に対して相対移動させるようにした。これにより、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32との間で光結合によって伝播する光の量が変化し、導波路25から出射される光と、導波路32から出射される光の強度等を制御する。このような光学素子10を用いることで、変位、力、圧力、加速度等を検出する高感度のセンサを構成することもできる。
【選択図】図4

Description

本発明は、光の強度を制御したり、複数の光路の切替を制御したりすることのできる光デバイス、物理量を高感度に測定できるセンサ、およびそれらに用いることのできる光学素子に関する。
近年、データ通信は光ファイバを介したものに移行しつつあり、これに伴い、データの伝送速度も飛躍的に高まっている。このような光ファイバを介したデータ通信経路を構成する光の導波路において、光の強度を制御したり、複数の光路の切替を制御する光デバイスには、様々なタイプのものが開発されている。
従来、このような光デバイスとしては、電場等の外場により屈折率等の光学特性が変化する電気光学材料を使用するものが主流の一つとなっている(例えば、非特許文献1の「LiNbO3光スイッチ」参照。)。このような方式の光デバイスでは、導波路の変調を行うためには、電気光学効果を用いるため特殊な材料の利用が必要で、コストの増大を招くとともに、デバイスの構造が複雑で作製しにくいものになっていた。
また、温度変化に伴う材料の光学特性の変化を使用して、光の位相変調を行い、制御を行う方法も主流となっている(例えば、非特許文献1の「石英系熱光学スイッチ」参照。)。しかし、このような光デバイスにおいては、熱の応答が遅く、また熱は広い範囲に影響を与えるため小型化しにくい問題がある。
さて、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の発展により、マイクロメータサイズの機構をナノメータ精度で駆動することが可能になっている。光スイッチとしては、このMEMS技術を用いたものも多数提案されている。例えば、光ファイバからの光ビームを、可動式のマイクロミラーで反射し、接続先のファイバを切り替えるものがある(例えば、非特許文献1の「2D−MEMS光スイッチ」参照。)。
しかし、このような手法では、空気中を走る直径100μm近い光ビームを、直接、マイクロミラーを作動させることによって切り替える。このため、マイクロミラーを、光ビームと同程度の100μm近い距離だけ駆動する必要がある。MEMS技術を用いた静電駆動等のアクチュエータは、数μm以下の駆動を得意とし、100μm近い駆動距離が必要となる上記技術に適用するには、非常に厳しい動作条件となっていた。また、駆動距離が大きいため、その動作レスポンス、動作スピードに課題がある。さらに、構造が複雑で、しかも組み立てには手間がかかるうえ、マイクロミラーの角度等に高い精度が要求されるといった課題もある。
また、近年では、シリコンなどの材料にナノ加工を行うだけで導波路を形成することができるフォトニック結晶の技術が発展し、異種材料を用いず単一材料で、小さな面積に導波路の回路を実現することが可能になってきている。このようなフォトニック結晶を用いた導波路と、入射側の光ファイバの位置関係を可変とすることにより、出射光を制御するものもある(例えば、特許文献1参照。)。この技術では、フォトニック結晶に複数の導波路を形成し、フォトニック結晶の外部に設けた駆動機構で、入射側の光ファイバに対する導波路の相対的な位置を変動させることで、それぞれの導波路に入射側の光ファイバから導入される光ビームの量を変化させ、これによって出射光を制御する。
しかし、このような技術においても、光ファイバの位置関係を可変とするには外部に設けた機械的な駆動機構を用いている。このため、光デバイスの小型化、動作レスポンス等には改善の余地がある。
一方、センサに関しては、エバネッセント光を利用した変位センサとして近接場光顕微鏡が実現されていて、光の波長以下の観察が可能になっている。
しかし、このような近接場光顕微鏡においては、先端の極めて細い光プローブを作製し、高精度で位置合わせを行う必要があり、従来の機械量センサに置き換わる簡便なセンサとしては利用が難しい。
三木 哲也、須藤 昭一編、「光通信技術ハンドブック」、株式会社オプトロニクス社、2002年(平成14年)1月30日、p304−p308 特開2003−344678号公報
上記したように、従来の光デバイスにおいては、小型でしかも応答性に優れ、作製も容易かつ低コストで行うことのできるものは存在しないのが実情であった。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、小型でしかも応答性に優れ、作製も容易かつ低コストで行うことのできる光デバイスを提供することを目的とする。
また、センサとしては、従来の機械量センサに置き換わる簡便なセンサは存在せず、小型でしかも高感度のセンサの開発が望まれている。
上記技術的課題に基づいてなされた本発明の他の目的は、簡便かつ小型でしかも高感度なセンサを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記したような光デバイスやセンサに用いることのできる光学素子を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明の光デバイスは、所定波長の光を伝播する第一の導波路と、第一の導波路に対して相対移動可能とされた第二の導波路と、第二の導波路を第一の導波路に対して相対移動させる駆動機構と、を備える。第二の導波路は、第一の導波路との間でエバネッセント光による光結合が可能な寸法を隔てて設けられている。
このような構成の光デバイスにおいては、第一の導波路または第二の導波路に光を入射させると、光を入射させた側の導波路からエバネッセント光が染み出し、第一の導波路と第二の導波路との間で光結合が生じ、他方の導波路に光が伝播する。このとき、駆動機構によって、第二の導波路を第一の導波路に対して相対移動させることで、エバネッセント光による光結合によって第一の導波路と第二の導波路の間で伝播される光の量が変化する。
これを利用し、光デバイスを、第一の導波路および第二の導波路の少なくとも一方に入射された光が、第一の導波路および第二の導波路から出射される量(強度)を制御する、光強度制御器として用いることができる。
また、上記光デバイスは、第一の導波路および第二の導波路の少なくとも一方に入射された光を、第一の導波路と第二の導波路とで切替可能に出射させる、いわゆる切替器として用いることもできる。
ここで、光デバイスは、第一の導波路と第二の導波路を備えるわけであるが、光を入射するのは、第一の導波路、第二の導波路のいずれか一方のみとしても良いし、第一の導波路および第二の導波路の双方としても良い。同様に、出射された光を利用するのは、第一の導波路、第二の導波路のいずれか一方のみとしても良いし、第一の導波路および第二の導波路の双方としても良い。
このような光デバイスにおいて、駆動機構により、第二の導波路を第一の導波路に対して相対移動させるようにしたが、第一の導波路側も駆動機構で移動させるようにしても良い。
さて、本発明の光デバイスにおいて、第一の導波路は、誘電率の異なる二つの物質を、第一の導波路が連続する方向において交互に周期的に配列することで形成された第一の基板に形成することができる。また、第二の導波路は、誘電率の異なる二つの物質を、第二の導波路が連続する方向において交互に周期的に配列することで形成された第二の基板に形成することができる。すなわち、第一の基板、第二の基板はフォトニック結晶によって形成することができる。この場合、第一の基板と第二の基板は、第一の導波路を形成する物質および第二の導波路を形成する物質と異なる有効誘電率を有した他の物質を介し、エバネッセント光による光結合が可能な寸法を隔てて対向配置する。ここで、第一の基板、第二の基板は、それぞれ誘電率の異なる二つの物質を交互に配列することで第一の導波路、第二の導波路を形成するわけであるが、誘電率の異なる二つの物質の一方は空気(雰囲気)とすることができる。つまり、第一の基板、第二の基板に周期的に孔を形成することで、第一の導波路、第二の導波路を形成できる。この場合、第一の基板、第二の基板は、それぞれ、実質的に一つの材料で形成できる。また、対向配置される第一の導波路と第二の導波路の間に介在する物質も、第一の導波路を形成する物質および第二の導波路を形成する物質と異なる誘電率を有したものであればよく、この物質も空気(雰囲気)とすることができる。
ところで、駆動機構は、第一の基板と第二の基板を、第一の基板に略平行な方向または第一の基板に略直交する方向に相対移動させることで、第一の導波路と第二の導波路の間におけるエバネッセント光による光結合によって第一の導波路と第二の導波路の間で伝播される光の量を変化させることができる。また、エバネッセント光の結合を変化させるには、原理的には、相対移動の方向はいかなる方向であっても良い。
このような駆動機構は、第一の基板に固定された第一の電極と、第一の電極に対向配置され、第一の電極との間に電圧を印加したときに生じる静電力によって、第二の基板を第一の基板に対し第一の基板に略平行な方向に相対移動させる第二の電極と、を備えた構成のものを採用できる。このような駆動機構としては、いわゆる櫛型の静電アクチュエータ等がある。この場合、第二の電極を、第二の基板が位置する面内に形成し、第二の基板と同一材料で一体に形成することができる。これにより、第二の基板と第二の電極を同一製造工程で形成することができる。
また、第二の基板を、一部が第一の基板に固定されて、残部が第一の基板に対して弾性変形可能に設けられた構成とし、駆動機構では、第一の基板と第二の基板との間に電圧を印加し、第一の基板と第二の基板との間に生じる静電力によって、第二の基板を第一の基板に略直交する方向に弾性変形させることで、第二の基板を第一の基板に対して相対移動させることもできる。
さらに、駆動機構を、線膨張係数が異なる二つの物質が積層されることで形成され、第二の基板の一端側を第一の基板に固定する支持部材と、支持部材の温度を変化させる温度変化部と、を備える構成とすることもできる。このような駆動機構では、温度変化部で支持部材の温度を変化させると、線膨張係数が異なる二つの物質の熱変形度合いに差が出て、支持部材が変形する。つまり、このような駆動機構は、バイモルフ型のアクチュエータを構成する。このような支持部材で、第二の基板の一端側を第一の基板に固定すると、支持部材の変形に伴って、第二の基板が第一の基板に対して相対移動するのである。このとき、第二の基板の第一の基板に対する相対移動方向はいかなるものであっても良いが、その相対移動方向を第一の基板に略直交する方向とする場合、以下のような構成が有効である。すなわち、支持部材を、第二の基板が位置する面内に形成され、第二の基板と同一材料で一体に形成された第一の部材と、第一の部材とは線膨張係数が異なる材料で形成され、第二の基板が位置する面に略直交する方向に積層された第二の部材と、を備える構成とするのである。
本発明は、変位、力、圧力、加速度等の物理量を検出するセンサとして捉えることもできる。このセンサは、所定波長の光を伝播する第一の導波路と、第一の導波路との間でエバネッセント光による光結合が可能な寸法を隔てて設けられ、第一の導波路に対して相対移動可能とされた第二の導波路と、第一の導波路または第二の導波路に所定波長の光を入射させる光源と、第二の導波路が第一の導波路に対して相対移動したとき、第一の導波路と第二の導波路の少なくとも一方において出射される光の量の変化を検出する検出部と、を備えることを特徴とする。
このようなセンサにおいては、光源から第一の導波路または第二の導波路に光を入射させた状態で、変位、力、圧力、加速度等によって、第二の導波路が第一の導波路に対して相対移動すると、エバネッセント光による光結合によって第一の導波路と第二の導波路の間で伝播される光の量が変化する。この変化を検出部で検出することで、第二の導波路の第一の導波路に対する相対移動量等が分かるので、これに基づき、センサに作用した、変位、力、圧力、加速度等を得るのである。
本発明のセンサにおいても、誘電率の異なる二つの物質を第一の導波路が連続する方向において交互に周期的に配列することで形成された第一の基板に第一の導波路を形成し、誘電率の異なる二つの物質を第二の導波路が連続する方向において交互に周期的に配列することで形成された第二の基板に第二の導波路を形成することができる。すなわち、第一の基板、第二の基板をフォトニック結晶で形成するのである。
この場合、第二の基板が外力によって弾性変形することで、第二の導波路が第一の導波路に対して相対移動したとき、検出部にて、第一の導波路と第二の導波路の少なくとも一方において出射される光の量の変化を検出することができる。これにより、センサを、変位センサ、力センサ、圧力センサ等として機能させることができる。
また、第二の基板に加わった加速度によって基板が弾性変形することで、第二の導波路が第一の導波路に対して相対移動したとき、検出部にて、第一の導波路と第二の導波路の少なくとも一方において出射される光の量の変化を検出することもできる。これにより、センサを、加速度センサとして機能させることができる。
本発明は、誘電率の異なる二つの物質を交互に周期的に配列することで形成された第一の基板と、誘電率の異なる二つの物質を交互に周期的に配列することで形成された第二の基板と、を備える光学素子として捉えることもできる。この光学素子において、第一の基板には、第一の基板を構成する一方の物質中に周期的に配列される他方の物質を連続して欠落させたことで第一の導波路が形成されている。また、第二の基板は、第一の基板に対して所定の寸法を隔てた状態で第一の基板と略平行に対向配置され、第一の基板に略平行な方向または第一の基板に略直交する方向に相対移動可能とされている。この第二の基板には、第二の基板を構成する一方の物質中に周期的に配列される他方の物質を連続して欠落させたことで第二の導波路が形成されている。そして、この第二の導波路は、第一の導波路の少なくとも一部が重なり合うよう形成されている。
このような光学素子は、上記したような光デバイスやセンサを構成するのに用いることができる。さらに、本発明の光学素子は、光デバイスやセンサ以外の用途に用いることを制限するものではない。
さて、本発明の光学素子において、第一の基板と第二の基板の間隔は、第一の導波路の少なくとも一部が第二の導波路と重なり合う位置において、第一の導波路および/または第二の導波路を透過する光の波長以下とするのが好ましい。
このような間隔を隔てて配置された第一の基板と第二の基板は、言い換えれば、第一の導波路の少なくとも一部が第二の導波路と重なり合う位置において、第一の導波路と第二の導波路の間でエバネッセント光による光結合が可能な寸法を隔てて対向配置されている、と捉えることもできる。
このような光学素子において、第一の導波路と第二の導波路の少なくとも一方は、第一の基板および第二の基板内で屈曲して形成するのが好ましく、これによって、重なり合う第一の導波路と第二の導波路の結合距離を正確に定義するとともに、第一の基板および第二の基板の端部において、第一の導波路と第二の導波路を所定寸法以上離間させることができる。これにより、第一の基板および第二の基板の端部において、第一の導波路や第二の導波路に光ファイバ等を接続するための物理的なスペースを確保できる。
本発明の光デバイスによれば、小型でしかも応答性に優れ、作製も容易かつ低コストで行うことが可能となる。このような光デバイスは、光通信での交換器等の用途に広く用いることが可能である。さらに、光デバイスにフォトニック結晶を利用することで、小型に集積が容易になるため、集積化した大規模交換器等への利用が期待できる。
また、本発明のセンサによれば、近接場光顕微鏡に匹敵する精度を、特殊なプローブなしで、ワンチップの構成で実現できるため、変位、力、圧力、加速度等の検出において、低コストで簡便な高精度センサを実現できる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
〔第一の実施の形態〕
図1は、本実施の形態における光デバイスに適用される光学素子10の構成を説明するための図である。
この図1に示すように、光学素子10は、固定基板(第一の基板)20と、可動基板(第二の基板)30とを備える。
固定基板20は、ベース21上に、クラッド層22と、コア層23とが積層されたもので、例えば、ベース21はシリコン(Si)で形成され、クラッド層22はベース21とは誘電率が異なる物質、例えばシリコン酸化膜(SiO2)または窒化シリコン膜、コア層23は、例えば誘電体であるシリコン結晶(Si)で形成されている。
これにより、コア層23は、その一面側はクラッド層22に接し、他面側は空気等の雰囲気に接し、両面を誘電率(屈折率)の異なる物質に挟み込まれた状態となっている。
コア層23には、所定の配列で、孔24が周期的に形成されている。孔24は、所定径(例えば数百nm、より具体例を挙げれば200nm)を有し、正三角形を単位胞とする三角格子状等(他の格子形状の場合もある)に配列され、各単位胞における孔24どうしは、入射される光の波長に応じた所定の間隔(前記の正三角形の一辺の長さ)を隔てている。また、コア層23の母材(例えばSi)と孔24の部分を満たす物質(一般には空気等の気体、他の物質を充填しても良い)により、誘電率(屈折率)の異なる2種類の物質が交互に周期的に配列された構成となる。
コア層23には、このような孔24が、所定の連続する軌跡に沿って欠損する(孔24を形成しない)ことで、いわゆる導波路(第一の導波路)25が形成されている。
一方、可動基板30は、誘電体であるシリコン結晶(Si)で形成されている。この可動基板30にも、コア層23と同様の所定の配列で、孔31が周期的に形成されている。そして、可動基板30には、孔31を所定の連続する軌跡に沿って欠落させる(孔31を形成しない)ことで、いわゆる導波路(第二の導波路)32が形成されている。
この可動基板30は、固定基板20のコア層23の表面から所定寸法離間した状態で略平行に保持されている。これにより、可動基板30は、その両面側が空気等の雰囲気に接し、屈折率の異なる物質に挟み込まれた状態となっている。
ここで、可動基板30の導波路32は、その一部が、コア層23の導波路25に重なる位置に形成されている。そして、可動基板30は、固定基板20のコア層23の表面に対し、可動基板30の導波路32とコア層23の導波路25の一方からエバネッセント光(場)が染み出したときに、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32との間で光結合が生じるよう、互いに僅かな間隔を隔てつつ、エバネッセント光の領域(場)内で近接して設けられている。このような固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32との間隔は、例えば導波路25、32に入射する光の波長以下とするのが好ましい。
また、可動基板30は、固定基板20の表面に略平行な方向、または固定基板20に接近・離間する方向(つまり固定基板20の表面に略直交する方向)に沿って、固定基板20に対し相対移動可能となるように設けられる。可動基板30を、固定基板20の表面に略平行な方向または略直交する方向に相対移動可能とするには、可動基板30自体、または可動基板30を支持する部材を弾性変形させるのが好ましい。このような構造の詳細例については、後に詳述する。
このような光学素子10では、固定基板20においては、コア層23の上下面にて、屈折率が異なる他の物質(下面側にクラッド層22、上面側は空気)が存在することで、導波路25の一端側の入射端から入射した所定波長の光はコア層23の上下面で反射しながら伝播し、導波路25の他端側の出射端から出射する。また、可動基板30においては、その上下面に屈折率が異なる他の物質が存在することで、導波路32の一端側から入射した光は可動基板30の上下面で反射しながら伝播し、導波路32の他端側から出射するようになっている。
さて、固定基板20の導波路25や可動基板30の導波路32を伝播する光は、その一部がエバネッセント光としてコア層23、可動基板30の表面から外部に染み出す。例えば、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが近接して重なり合う位置において、固定基板20の導波路25から染み出したエバネッセント光は、このエバネッセント光の領域内に位置する可動基板30に光結合し、導波路32に伝播する。すると、伝播された光は、通常の伝播光として導波路32を伝播していく。逆に、可動基板30の導波路32から染み出したエバネッセント光は、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが近接して重なり合う位置において、このエバネッセント光の領域内に位置する固定基板20のコア層23に光結合して伝播し、通常の伝播光として、導波路25を伝播していく。このようにして、光学素子10においては、エバネッセント光による光結合によって、固定基板20の導波路25および可動基板30の導波路32の一方に入射した光を、固定基板20の導波路25および可動基板30の導波路32の他方から出射させることができる。
このような光学素子10において、可動基板30を、固定基板20の表面に対し、略平行な方向、または略直交する方向に相対移動させると、固定基板20の導波路25と、可動基板30の導波路32との間のエバネッセント光の結合強度が変動する。
可動基板30を、固定基板20の表面に対し、略平行な方向に相対移動させたときに、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32からそれぞれ射出される光は、図2に示すように変化する。
ここで、固定基板20のコア層23および可動基板30の厚さ、つまり導波路25、32の厚さは、それぞれ0.22μm、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが重なり合う長さを1.8μmとしてシミュレーションを行った。そして、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが完全に重なり合った位置を層位置ずれ0(μm)とし、この位置から可動基板30が、固定基板20の表面に対し略平行な方向に沿って、導波路25の幅方向に移動させた。このとき、固定基板20の導波路25に一定の強度の光を入射し、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32のそれぞれから射出される光の強度を電場強度として検出した。ここで、図2は、{(可動基板30の導波路32から射出される光の電場強度)/(固定基板20の導波路25から射出される光の電場強度)}=(電場強度比)とし、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32の層位置ずれ寸法と電場強度比との関係を示すものである。
この図2に示すように、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32の層位置ずれが±0.1μm以内であるときに、強い光結合が起こり、電場強度比は93/7程度であったが、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32の層位置ずれがそれ以上大きくなると、電場強度比は低下し、層位置ずれが0.4μmのときには電場強度比は16/84にまで低下する。このように、層位置ずれが大きくになるにつれて、光結合が弱くなり、電場強度比は低下する傾向を示す。
また、可動基板30を、固定基板20の表面に対し、略直交する方向に相対移動させたときに、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32からそれぞれ射出される光の強度は、図3に示すように変化する。
ここで、可動基板30を、固定基板20の表面に対して略直交する方向に移動させることで、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32の間隔(これを面間距離と称する)を、0.1〜0.4μmに変化させた。このとき、固定基板20の導波路25に一定の強度の光を入射し、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32のそれぞれから射出される光の強度を電場強度として検出した。図3は、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32の面間距離と電場強度比との関係を示すものである。
この図3に示すように、面間距離が0.1μmと近接しているときには強い光結合が起こり、電場強度比が93/7であったものが、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32の面間距離が大きくなるにつれて、電場強度比は低下し、面間距離が0.4μmとなったときには3/97となる。このように、面間距離が大きくなるにつれて、光結合が弱くなり、電場強度比は低下する傾向を示す。
上記のような特性を有する変動を利用することで、光学素子10を、例えばスイッチング素子等の光デバイスとして利用できる。すなわち、本実施の形態において、光デバイス100A〜100Cは、上記のような構成の光学素子10を用いて構成される。
図4に示すように、光デバイス100Aは、光学素子10の可動基板30を、固定基板20の表面に略平行な方向に駆動するアクチュエータ(駆動機構)40を備えた構成となっている。
ここで、光学素子10は、可動基板30の一端が、両端部33aが固定されたビーム部材33に一体に設けられている。可動基板30の変位量を大きくするため、図4に示したように、可動基板30は、端部(図3の例では両端)33aが固定されたビーム部材33の略中央部に、連結部35を介して連結するのが好ましい。このような構造では、ビーム部材33が弾性変形して撓むことで、可動基板30を、固定基板20の表面に略平行な方向に移動可能とすることができる。
アクチュエータ40には、櫛型の静電アクチュエータを用いる。このアクチュエータ40は、固定基板20側に固定された固定電極(第一の電極)41と、この固定電極41に対向するように設けられた可動電極(第二の電極)42とから構成される。固定電極41、可動電極42は、それぞれ基部41a、42aから、複数本の電極子41b、42bが延び出るように形成されている。これら固定電極41と可動電極42は、固定電極41の電極子41bと可動電極42の電極子42bとが交互に並ぶよう、互いに対向配置されている。そして、可動電極42は、連結部43を介し、ビーム部材33の略中央部に一体に連結されている。
このようなアクチュエータ40は、外部に設けられた電源50から、固定電極41と可動電極42との間に電圧を印加すると、双方の間に静電力が発生し、これによって可動電極42は固定電極41側に引き付けられる。これによってビーム部材33が弾性変形し、可動基板30が固定基板20に対し、略平行な方向に変位し、固定基板20の導波路25と、可動基板30の導波路32との相対位置関係が変化する。
なお、電源50で印加する電圧は、図示しないコントローラによって制御することもできる。
ところで、可動基板30、連結部35、ビーム部材33、可動電極42、連結部43は、エッチングやフォトリソグラフィ技術を用いた半導体製造プロセスを適用し、同一材料で一体に形成することもできる。
さて、上記のような構成を有する光デバイス100Aは、例えば、固定基板20の導波路25の一端側25a、固定基板20の導波路25の他端側25b、および可動基板30の導波路32の他端側32bに、それぞれ、図示しないコネクタ等を介して光ファイバを接続して使用することもできる。
このような使用形態で、図示しない光ファイバから導波路25の一端側25aに光を送り込むと、この光は、導波路25を伝播していき、他端側25bから図示しない光ファイバに送出される。導波路25を伝播する光の一部はエバネッセント光として染み出す。このエバネッセント光は、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが近接して重なり合う位置において、エバネッセント光の領域内に位置する可動基板30の導波路32に光結合して伝播する。導波路32に伝播したエバネッセント光は、通常の伝播光として、導波路32を伝播していき、導波路32の他端側32bから図示しない光ファイバに送出される。
ここで、アクチュエータ40で、可動基板30を、固定基板20に対して略平行な方向に変位させると、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32との相対位置関係が変化する。これによって、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが近接して重なり合う位置において、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32との重なり寸法が変化する。その結果、導波路25から染み出すエバネッセント光が、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが近接して重なり合う位置において、導波路32に伝播する量が変化する。これにより、固定基板20の導波路25から出射される光と、可動基板30の導波路32から出射される光の量を変化させることができる。
これにより、光デバイス100Aを、光の強度の制御や、複数の光路の切替を行うことのできるスイッチング素子として機能させることができる。具体的には、固定基板20の導波路25および可動基板30の導波路32のいずれかから出射される光の強度を制御したり、ON/OFF制御を行うことができる。さらに、光デバイス100Aを、1入力2出力、2入力2出力、あるいは2入力1出力の光路系統を有するものとし、光路の切替や、それぞれの光路から出力される光強度制御等を行うことができる。
上述したような光デバイス100Aは、電気光学材料のような特殊な材料を使用する必要がないため、製造プロセスが簡単になり、製造コストも安くなる。また、熱変調型に比べると応答速度も速く、周囲に与える影響も少ないため集積化しやすい。また、MEMS式の光スイッチに比べると、駆動に要する変位は1μm以下と極めて小さいため、アクチュエータ40として、MEMSで最も組み合わせやすい静電駆動機構が容易に組み込める。そして、駆動に必要な駆動電圧も数ボルト以下であり、機構が小型化できるため、応答速度も高速化できる。
また、固定基板20、可動基板30に導波路型のフォトニック結晶を利用したので、アッセンブリの必要がなく、光デバイス100Aを容易に作製することができる。
さらに、静電駆動型の駆動機構をアクチュエータ40として導入することで、アクチュエータ40や可動基板30等をシリコン等の単一の材料で構成することができ、しかも、その製造には半導体製造プロセスを利用できるので、光デバイス100Aをさらに容易に作製することができる。
このようにして、光デバイス100Aを、小型でしかも応答性に優れ、作製も容易かつ低コストで行うことのできるものとすることが可能となる。このような光デバイス100Aは、光通信での交換器等の用途に広く用いることが可能である。特に固定基板20、可動基板30にフォトニック結晶を利用したので、小型に集積が容易になるため、集積化した大規模交換器への利用が期待できる。
ところで、上記のような構成の光学素子10を用い、以下に示すような光デバイス100Bを構成することもできる。
すなわち、図5に示すように、光デバイス100Bは、光学素子10を構成する固定基板20と可動基板30とが、エバネッセント光の領域内に間隔を隔てて対向配置され、さらに可動基板30の一端部30cが、台座34によって固定基板20に固定されたカンチレバー状の構成となっている。
このような光デバイス100Bでは、固定基板20と可動基板30との間に電圧を印加すると、双方の間に静電力が発生し、可動基板30は固定基板20側に引き付けられる。これによって可動基板30が固定基板20に対して略直交する方向に変位し、固定基板20の導波路25と、可動基板30の導波路32との相対位置関係が変化する。
つまり、光デバイス100Bにおいては、固定基板20と可動基板30とが、極板式のアクチュエータを構成している。
固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32との相対位置関係が変化すると、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが近接して重なり合う位置において、導波路25から染み出したエバネッセント光が、可動基板30の導波路32に伝播する量が変化する。つまり、光デバイス100Bから、固定基板20の導波路25に接続された光ファイバに出射される光と、可動基板30の導波路32に接続された光ファイバに出射される光の量を変化させることができる。これにより、光デバイス100Bを、光の強度の制御や、複数の光路の切替を行うことのできるスイッチング素子として機能させることができる。
上述したような光デバイス100Bにおいても、上記光デバイス100Aと同様の効果を奏することができる。
さらに、上記のような構成の光学素子10を用い、以下に示すような光デバイス100Cを構成することもできる。
すなわち、図6に示すように、光デバイス100Cは、光学素子10を構成する固定基板20と可動基板30とが、エバネッセント光の領域内に間隔を隔てて対向配置され、可動基板30の一端部30dに熱駆動式のアクチュエータ(駆動機構、支持部材)60が設けられている。
アクチュエータ60は、一端側61aが固定基板20に固定され、他端側61bが可動基板30に向けて延びる略T字状のビーム部材(第一の部材)61と、このビーム部材61の一面側に積層して膜状に形成された膜部材(第二の部材)62とから形成されている。ここでビーム部材61は、可動基板30と同一材料で一体に形成することができる。また、ビーム部材61と膜部材62は、線膨張係数が互いに異なる材料で形成されており、アクチュエータ60は、いわゆるバイモルフ(バイメタル)構造を有している。すなわちアクチュエータ60は、温度を変化させたときのビーム部材61と膜部材62との線膨張係数の違いによって、ビーム部材61を、ビーム部材61と膜部材62の積層方向に変形させるものである。
アクチュエータ60に温度変化を生じさせるには、いかなる手段を用いても良いが、一般的には膜部材62を金属膜で形成し、温度変化部としての電源63から膜部材62に通電することで、膜部材62を加熱するのが好ましい。
このようなアクチュエータ60により、ビーム部材61が、ビーム部材61と膜部材62の積層方向に変形すると、ビーム部材61の先端部に一体に形成された可動基板30が、固定基板20に対して略直交する方向に変位する。これによって、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32との相対位置関係が変化する。すると、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが近接して重なり合う位置において、導波路25から染み出るエバネッセント光が、光結合によって導波路25から可動基板30の導波路32に伝播する量が変化する。つまり、光デバイス100Cから、固定基板20の導波路25に接続された光ファイバに出射される光と、可動基板30の導波路32に接続された光ファイバに出射される光の量を変化させることができる。これにより、光デバイス100Cを、光の強度の制御や、複数の光路の切替を行うことのできるスイッチング素子として機能させることができる。
そして、上述したような光デバイス100Cにおいても、上記光デバイス100Aと同様の効果を奏することができる。
ところで、上記第一の実施の形態においては、可動基板30を固定基板20に対して相対移動させるための駆動機構として、静電駆動式のアクチュエータ40、固定基板20および可動基板30を極板とする極板式のアクチュエータ、熱駆動式のアクチュエータ60を例示したが、これに限るものではない。すなわち、所望の精度で可動基板30を駆動することができるのであれば、例えば、ピエゾ素子等を用いた駆動機構を採用することができる。
また、上記第一の実施の形態においては、可動基板30を固定基板20に対して移動させる構成としたが、もちろん、双方を移動させるようにしても良い。
さらに、可動基板30を固定基板20に対して相対移動させるための可動基板30の支持構造は、上記したものに限るものではなく、適宜他の構造を採用することもできる。
〔第二の実施の形態〕
次に、本発明の第二の実施の形態を示す。ここでは、上記第一の実施の形態に示したような特性を有する光学素子10を、変位センサ、力センサ、圧力センサ、加速度センサ等のセンサとして利用する場合の例を示す。
図7に示すように、センサ200は、光学素子10を構成する固定基板20と可動基板30とが、エバネッセント光の領域内に間隔を隔てて対向配置され、さらに可動基板30の一端部30eが固定基板20に固定されたカンチレバー状の構成となっている。センサ200としては、さらに、例えば固定基板20の導波路25に光を入射する光源201と、固定基板20の導波路25および可動基板30の導波路32から出射される光の量をそれぞれ検出する検出部202とを備える。
このような構成において、センサ200で変位、力、圧力を検出する場合には、可動基板30に対し、直接または間接的に外力を加え、可動基板30を弾性変形させるようにする。センサ200で加速度を検出する場合には、加速度によって生じる可動基板30自体の慣性力により、可動基板30が弾性変形するようにする。
光源201から例えば固定基板20の導波路25に光を入射した状態で、可動基板30の変形により、可動基板30が固定基板20に対して略直交する方向に変位すると、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32との相対位置関係が変化する。すると、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが近接して重なり合う位置において、導波路25から染み出るエバネッセント光が、光結合によって導波路25から可動基板30の導波路32に伝播する量が変化する。これによって、固定基板20から出射される光と、可動基板30の導波路32から出射される光の量が変化するので、これを検出部202で検出し、可動基板30に加わった物理量(変位、力、圧力、加速度等)を検出する。
このときの光の量の変化は、図3に示すようなものとなるため、センサ200は、10nmレベルの分解能を十分に発揮することができる。
上述したように、光学素子10を用いたセンサ200によれば、近接場光顕微鏡に匹敵する精度を、特殊なプローブなしで、ワンチップの構成で実現できるため、変位、力、圧力、加速度等の検出において、低コストで簡便な高精度センサを実現できる。
ところで、上記したようなセンサ200は、十分に高精度な分解能を有しているが、さらに感度を向上させるには、可動基板30が外力に対し容易に変位するのが好ましい。これには、可動基板30をなるべく薄くすること、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32とが近接して重なり合う位置を、可動基板30のなるべく先端側とすること等が考えられる。
なお、上記第一および第二の実施の形態においては、固定基板20の導波路25に光を入射するようにしたが、可動基板30の導波路32に光を入射するようにしても良い。また、固定基板20の導波路25と可動基板30の導波路32の双方にそれぞれ光を入射することも可能である。
また、固定基板20の導波路25または可動基板30の導波路32の一方にのみ光を入射するのであれば、光が入射されない側の導波路25または32については、固定基板20や可動基板30の中間部から出射側の端部に向けて形成しても良い。
さらに、固定基板20の導波路25と、可動基板30の導波路32は、エバネッセント光による光結合が生じるのであれば、いかなる形態で形成しても良い。例えば、上記の例では導波路25を直線状とし、導波路32を屈曲形状とするようにしたが、双方を直線状としても良いし、また導波路25についても導波路32と同様に屈曲形状としても良い。また、その屈曲方向も、固定基板20や可動基板30の表面に沿った方向ではなく、固定基板20や可動基板30の厚さ方向に屈曲させても良い。
この他、可動基板30を固定基板20に対して相対移動可能とする支持構造は、片持ちに限らず、可動基板30を両端部で支持する構造、あるいは可動基板30の外周部を固定基板20に固定し、可動基板30の中央部を変位させるメンブレン(ダイヤフラム)構造とすることもできる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施の形態における光学素子の構成を説明するための斜視図である。 可動基板を、固定基板の表面に略平行な方向に変位させたときの光強度の変化を示す図である。 可動基板を、固定基板の表面に略直交する方向に変位させたときの光強度の変化を示す図である。 光デバイスの一例を示す図であり、櫛型の静電アクチュエータで可動基板を駆動する方式の光デバイスの構成を示す図である。 同、極板型の静電アクチュエータで可動基板を駆動する方式の光デバイスの構成を示す図である。 同、熱駆動式のアクチュエータで可動基板を駆動する方式の光デバイスの構成を示す図である。 センサの構成を示す図である。
符号の説明
10…光学素子、20…固定基板(第一の基板)、23…コア層、24…孔、25…導波路(第一の導波路)、30…可動基板(第二の基板)、32…導波路(第二の導波路)、33…ビーム部材、40…アクチュエータ(駆動機構)、41…固定電極(第一の電極)、42…可動電極(第二の電極)、50…電源、60…アクチュエータ(駆動機構、支持部材)、61…ビーム部材(第一の部材)、62…膜部材(第二の部材)、100A、100B、100C…光デバイス、200…センサ、201…光源、202…検出部

Claims (18)

  1. 所定波長の光を伝播する第一の導波路と、
    前記第一の導波路との間でエバネッセント光による光結合が可能な寸法を隔てて設けられ、前記第一の導波路に対して相対移動可能とされた第二の導波路と、
    前記第二の導波路を前記第一の導波路に対して相対移動させることで、エバネッセント光による光結合によって前記第一の導波路と前記第二の導波路の間で伝播される光の量を変化させる駆動機構と、
    を備えることを特徴とする光デバイス。
  2. 前記駆動機構で前記第二の導波路を前記第一の導波路に対して相対移動させ、前記第一の導波路と前記第二の導波路の間で伝播される光の量を変化させることで、前記第一の導波路および前記第二の導波路の少なくとも一方に入射された光が、前記第一の導波路および前記第二の導波路から出射される量を制御することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  3. 前記駆動機構で前記第二の導波路を前記第一の導波路に対して相対移動させ、前記第一の導波路と前記第二の導波路の間で伝播される光の量を変化させることで、前記第一の導波路および前記第二の導波路の少なくとも一方に入射された光を、前記第一の導波路と前記第二の導波路とで切替可能に出射させることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  4. 前記第一の導波路は、誘電率の異なる二つの物質を、前記第一の導波路が連続する方向において交互に周期的に配列することで形成された第一の基板に形成され、
    前記第二の導波路は、誘電率の異なる二つの物質を、前記第二の導波路が連続する方向において交互に周期的に配列することで形成された第二の基板に形成され、
    前記第一の基板と前記第二の基板は、前記第一の導波路を形成する前記物質および前記第二の導波路を形成する前記物質と異なる有効誘電率を有した他の物質を介し、エバネッセント光による光結合が可能な寸法を隔てて対向配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光デバイス。
  5. 前記駆動機構は、前記第一の基板と前記第二の基板を、前記第一の基板に略平行な方向または前記第一の基板に略直交する方向に相対移動させることで、エバネッセント光による光結合によって前記第一の導波路と前記第二の導波路の間で伝播される光の量を変化させることを特徴とする請求項4に記載の光デバイス。
  6. 前記駆動機構は、
    前記第一の基板に固定された第一の電極と、
    前記第一の電極に対向配置され、前記第一の電極との間に電圧を印加したときに生じる静電力によって、前記第二の基板を前記第一の基板に対し前記第一の基板に略平行な方向に相対移動させる第二の電極と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の光デバイス。
  7. 前記第二の電極は、前記第二の基板が位置する面内に形成され、前記第二の基板と同一材料で一体に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の光デバイス。
  8. 前記第二の基板は、一部が前記第一の基板に固定されて、残部が前記第一の基板に対して弾性変形可能に設けられ、
    前記駆動機構は、前記第一の基板と前記第二の基板との間に電圧を印加し、前記第一の基板と前記第二の基板との間に生じる静電力によって、前記第二の基板を前記第一の基板に略直交する方向に弾性変形させて前記第一の基板に対し相対移動させることを特徴とする請求項5に記載の光デバイス。
  9. 前記駆動機構は、
    線膨張係数が異なる二つの物質が積層されることで形成され、前記第二の基板の一端側を前記第一の基板に固定する支持部材と、
    前記支持部材の温度を変化させる温度変化部と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の光デバイス。
  10. 前記支持部材は、前記第二の基板が位置する面内に形成され、前記第二の基板と同一材料で一体に形成された第一の部材と、
    前記第一の部材とは線膨張係数が異なる材料で形成され、前記第二の基板が位置する面に略直交する方向に積層された第二の部材と、を備えることを特徴とする請求項9に記載の光デバイス。
  11. 所定波長の光を伝播する第一の導波路と、
    前記第一の導波路との間でエバネッセント光による光結合が可能な寸法を隔てて設けられ、前記第一の導波路に対して相対移動可能とされた第二の導波路と、
    前記第一の導波路または前記第二の導波路に所定波長の前記光を入射させる光源と、
    前記第二の導波路が前記第一の導波路に対して相対移動したとき、前記第一の導波路と前記第二の導波路の少なくとも一方において出射される光の量の変化を検出する検出部と、
    を備えることを特徴とするセンサ。
  12. 前記第一の導波路は、誘電率の異なる二つの物質を、前記第一の導波路が連続する方向において交互に周期的に配列することで形成された第一の基板に形成され、
    前記第二の導波路は、誘電率の異なる二つの物質を、前記第二の導波路が連続する方向において交互に周期的に配列することで形成された第二の基板に形成され、
    前記第一の基板と前記第二の基板は、前記第一の導波路を形成する前記物質および前記第二の導波路を形成する前記物質と異なる有効誘電率を有した他の物質を介し、エバネッセント光による光結合が可能な寸法を隔てて対向配置されていることを特徴とする請求項11に記載のセンサ。
  13. 前記第二の基板が外力によって弾性変形することで、前記第二の導波路が前記第一の導波路に対して相対移動したとき、前記検出部は、前記第一の導波路と前記第二の導波路の少なくとも一方において出射される光の量の変化を検出することを特徴とする請求項12に記載のセンサ。
  14. 前記第二の基板に加わった加速度によって前記第二の基板が弾性変形することで、前記第二の導波路が前記第一の導波路に対して相対移動したとき、前記検出部は、前記第一の導波路と前記第二の導波路の少なくとも一方において出射される光の量の変化を検出することを特徴とする請求項12に記載のセンサ。
  15. 誘電率の異なる二つの物質を交互に周期的に配列することで形成された第一の基板と、
    前記第一の基板において、一方の前記物質中に周期的に配列される他方の前記物質を連続して欠落させたことで形成された第一の導波路と、
    前記第一の基板に対して所定の寸法を隔てた状態で前記第一の基板と略平行に対向配置されて、前記第一の基板に対し略平行な方向または略直交する方向に相対移動可能とされ、誘電率の異なる二つの物質を交互に周期的に配列することで形成された第二の基板と、
    前記第二の基板において、前記第一の導波路の少なくとも一部が重なり合うよう、一方の前記物質中に周期的に配列される他方の前記物質を連続して欠落させたことで形成された第二の導波路と、
    を備えることを特徴とする光学素子。
  16. 前記第一の基板と前記第二の基板の間隔は、前記第一の導波路の少なくとも一部が前記第二の導波路と重なり合う位置において、前記第一の導波路および/または前記第二の導波路を透過する光の波長以下であることを特徴とする請求項15に記載の光学素子。
  17. 前記第一の基板と前記第二の基板は、前記第一の導波路の少なくとも一部が前記第二の導波路と重なり合う位置において、前記第一の導波路と前記第二の導波路の間でエバネッセント光による光結合が可能な寸法を隔てて対向配置されていることを特徴とする請求項15または16に記載の光学素子。
  18. 前記第一の導波路と前記第二の導波路の少なくとも一方は、前記第一の基板および前記第二の基板内で屈曲して形成され、前記第一の基板および前記第二の基板の端部において、前記第一の導波路と前記第二の導波路が所定寸法以上離間していることを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載の光学素子。
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