JP2008268891A - 光導波路デバイス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板に固定された入力側シリコン細線導波路と、基板に固定された出力側シリコン細線導波路と、該入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路の間に第1及び第2の支持梁により支持され基板から浮いて配置された中間シリコン細線導波路と、該中間シリコン細線導波路を移動させることで、入力側及び出力側シリコン細線導波路と中間シリコン細線導波路の光結合により生じる光の伝搬量を変化させる駆動機構とを備えた光導波路デバイス及びその製造方法である。
【選択図】図1
Description
馬場俊彦, 坂井篤, 深澤達彦, 大野文彰,"Si細線導波路", 電子情報通信学会論文誌C, Vol. J88-C, No.6, (2005) 363-373. Fukazawa T, Hirano T, Ohno F, Baba T, "Low loss intersection of Si photonic wire waveguides", JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, Vol.43, No.2, (2004) 646-647.
また屈折率の大きい媒質から小さい媒質に臨界角以上の入射角で光を入射すると全反射を起こす。この時トンネル効果によって、屈折率の小さい媒質の表面のごく近傍に光がしみだす現象が知られている。
このような光は、エバネッセント光と呼ばれているが、本発明は従来の光に加えてこのような特殊な光に対しても適用できる能動光導波路デバイスを提供することを課題とする。
(1)基板に固定された入力側シリコン細線導波路と、基板に固定された出力側シリコン細線導波路と、該入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路の間に第1及び第2の支持梁により支持され基板から浮いて配置された中間シリコン細線導波路と、該中間シリコン細線導波路を移動させることで、入力側及び出力側シリコン細線導波路と中間シリコン細線導波路の光結合により生じる光の伝搬量を変化させる駆動機構とを備えた光導波路デバイス。
(2)前記光結合により生じる光は、エバネッセント光による光結合により生じる光であることを特徴とする(1)に記載の光導波路デバイス。
(3)入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路は、導波路の幅及び高さが入射波長よりも小さく形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光導波路デバイス。
(4)中間シリコン細線導波路の高さは、入射波長よりも小さく、中間シリコン細線導波路の幅は、端部から中央部にかけて緩やかに膨らんだ形状であることを特徴とする(1)、(2)又は(3)に記載の光導波路デバイス。
(5)中間シリコン細線導波路は、入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路とエバネッセント光による光結合がほとんど無い距離を持って配置され、駆動機構によって中間シリコン細線導波路が入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路へエバネッセント光による光結合が可能な距離に近づくとき出力側シリコン細線導波路の伝搬光の量が増加することを特徴とする(2)に記載の光導波路デバイス。
(6)中間シリコン細線導波路は、入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路とエバネッセント光による光結合が可能な距離を持って配置され、駆動機構によって中間シリコン細線導波路が入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路からエバネッセント光による光結合がほとんど無い距離へ離れるとき出力側シリコン細線導波路の伝搬光の量が減ることを特徴とする(2)に記載の光導波路デバイス。
(7)第1の支持梁は、基板に固定されたシリコン弾性ばねを介して駆動機構に連結され、また第2の支持梁は、基板に固定されたシリコン弾性ばねに連結されていることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の光導波路デバイス。
(8)前記駆動機構は、中間シリコン細線導波路を基板に対して平行方向又は垂直方向に移動させることで、シリコン細線導波路を伝搬する光の量を制御することを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載の光導波路デバイス。
(9)前記駆動機構は、基板に固定された固定電極と、該固定電極に対向配置され、固定電極との間に電圧を印加した時に生じる静電引力によって、基板に平行方向に移動させる可動電極とで駆動するアクチュエータを備えることを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載の光導波路デバイス。
(10)前記駆動機構は、基板と中間シリコン細線導波路と連結した自立構造との間に電圧を印加した時に生じる静電引力によって、基板に固定された固定電極と基板に垂直方向に移動させる可動電極を有するアクチュエータを備えることを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載の光導波路デバイス。
(11)前記駆動機構は、アクチュエータとシリコン弾性ばねに働く力のバランスにより中間シリコン細線導波路の位置を制御することにより光の量を変化させることを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載の光導波路デバイス。
(12)入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路、アクチュエータ、第1及び第2の支持梁、シリコン弾性ばねは、同一面内に形成され、シリコンで形成されていることを特徴とする(11)に記載の光導波路デバイス。
(13)入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路のそれぞれの端部の形状がフラットであることを特徴とする(1)ないし(12)のいずれかに記載の光導波路デバイス。
(14)入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路のそれぞれの端部の形状がテーパー状であることを特徴とする(1)ないし(12)のいずれかに記載の光導波路デバイス。
(15)入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路のそれぞれの端部の形状が球状であることを特徴とする(1)ないし(12)のいずれかに記載の光導波路デバイス。
(16)入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路のそれぞれの端部付近の幅が、光結合の割合が増えるように、緩やかに拡がる形状であることを特徴とする(1)ないし(15)のいずれかに記載の光導波路デバイス。
(17)出力側シリコン細線導波路を並列にN本配置し、中間シリコン細線導波路をいずれかの出力側シリコン細線導波路に移動させることで光路を切り替える1×N光スイッチ又は1×N光減衰器を実現することを特徴とする(1)又は(2)に記載の光導波路デバイス。
(18)シリコン基板上にSiO2層を介してSi層が形成されたSOI基板を準備する工程、Si層を入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路、アクチュエータ、第1及び第2の支持梁、シリコン弾性ばねにパターニングする工程及び中間シリコン細線導波路、第1及び第2の支持梁及びシリコン弾性ばねの下のSiO2層をエッチングする工程を含む(12)に記載の光導波路デバイスの製造方法。
図1は本発明の実施の形態による光導波路デバイスの概略構成を示す図である。入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路、支持梁、シリコン弾性ばね、アクチュエータ、基板から構成される。
アクチュエータに印加する電圧をオフにすると、シリコン弾性ばねにより中間シリコン細線導波路が移動し、ギャップが広くなり、出力側シリコン細線導波路へ伝搬する光量は減少する。アクチュエータに印加する電圧を制御することによりギャップをアナログ的に変化させることができ、出力側シリコン細線導波路へ伝搬する光量をアナログ的に調節することができる。
ここで入力側シリコン細線導波路端及び出力側シリコン細線導波路端と中間シリコン細線導波路端の間のギャップが広いときは、エバネッセント光による光結合が支配的であり、ギャップが狭くなるにしたがってエバネッセント光による光結合に加えて通常の光による光結合が生じる。そしてギャップがなくなると通常の光結合が支配的となる。
また1×2光スイッチを用いて図2に示すような光クロスコネクトやアド・ドロップ光回路のような複雑な光回路を構成することもできる。
また、ギャップ量を制御することにより透過率をアナログ的に制御可能な光減衰器を実現できる。
その計算結果を図7に示す。図7は電界強度を表しており、伝搬光が支持梁へほとんど漏れることなく中間シリコン細線導波路内を伝搬していることが分かる。支持梁への光の漏れ損失は5%、反射損失は1%程度である。導波路の形状を改良することで損失を低減することが可能である。
次に、電子線描画装置を用いて形状をパターニングする(ii)。次に、パターニングされたレジストをマスクとして、デバイスシリコン層を高速原子線加工装置を用いてエッチングする(iii)。次に、後の工程でSOI基板を劈開するためにシリコン基板のダイシングを行い(iV)、次に可動部下部のSiO2を除去し、自立構造を形成するために気相フッ酸により、SiO2をエッチングする(V)。次にSOI基板をダイシングした溝に沿って劈開する(Vi)。劈開により、シリコン細線導波路の断面を側面に出現させ、そこから光を伝搬させることで光学特性の評価を行う。
図13に中間シリコン細線導波路を移動させ、その導波路先端が出力側シリコン細線導波路先端と接触している時の接触部付近のSEM写真を示す。接触させることにより光の伝搬量は最大となる。
図14に印加電圧に対するスイッチギャップの変位を示す。
また、支持梁へ光が漏れると、漏れた光がアクチュエータの櫛歯先端から散乱光として観察されるが、写真から分かるように光はほとんど漏れていないことが分かる。入力側シリコン細線導波路と出力側シリコン細線導波路のそれぞれの先端部での光の漏れは、製作の条件出しや形状の工夫で改善することができる。
Claims (18)
- 基板に固定された入力側シリコン細線導波路と、基板に固定された出力側シリコン細線導波路と、該入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路の間に第1及び第2の支持梁により支持され基板から浮いて配置された中間シリコン細線導波路と、該中間シリコン細線導波路を移動させることで、入力側及び出力側シリコン細線導波路と中間シリコン細線導波路の光結合により生じる光の伝搬量を変化させる駆動機構とを備えた光導波路デバイス。
- 前記光結合により生じる光は、エバネッセント光による光結合により生じる光であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路デバイス。
- 入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路は、導波路の幅及び高さが入射波長よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路デバイス。
- 中間シリコン細線導波路の高さは、入射波長よりも小さく、中間シリコン細線導波路の幅は、端部から中央部にかけて緩やかに膨らんだ形状であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の光導波路デバイス。
- 中間シリコン細線導波路は、入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路とエバネッセント光による光結合がほとんど無い距離を持って配置され、駆動機構によって中間シリコン細線導波路が入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路へエバネッセント光による光結合が可能な距離に近づくとき出力側シリコン細線導波路の伝搬光の量が増加することを特徴とする請求項2に記載の光導波路デバイス。
- 中間シリコン細線導波路は、入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路とエバネッセント光による光結合が可能な距離を持って配置され、駆動機構によって中間シリコン細線導波路が入力側シリコン細線導波路及び出力側シリコン細線導波路からエバネッセント光による光結合がほとんど無い距離へ離れるとき出力側シリコン細線導波路の伝搬光の量が減ることを特徴とする請求項2に記載の光導波路デバイス。
- 第1の支持梁は、基板に固定されたシリコン弾性ばねを介して駆動機構に連結され、また第2の支持梁は、基板に固定されたシリコン弾性ばねに連結されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。
- 前記駆動機構は、中間シリコン細線導波路を基板に対して平行方向又は垂直方向に移動させることで、シリコン細線導波路を伝搬する光の量を制御することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。
- 前記駆動機構は、基板に固定された固定電極と、該固定電極に対向配置され、固定電極との間に電圧を印加した時に生じる静電引力によって基板に平行方向に移動させる可動電極とで駆動するアクチュエータを備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。
- 前記駆動機構は、基板と中間シリコン細線導波路と連結した自立構造との間に電圧を印加した時に生じる静電引力によって、基板に固定された固定電極と基板に垂直方向に移動させる可動電極を有するアクチュエータを備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。
- 前記駆動機構は、アクチュエータとシリコン弾性ばねに働く力のバランスにより中間シリコン細線導波路の位置を制御することにより光の量を変化させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。
- 入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路、アクチュエータ、第1及び第2の支持梁、シリコン弾性ばねは、同一面内に形成され、シリコンで形成されていることを特徴とする請求項11に記載の光導波路デバイス。
- 入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路のそれぞれの端部の形状がフラットであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。
- 入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路のそれぞれの端部の形状がテーパー状であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。
- 入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路のそれぞれの端部の形状が球状であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。
- 入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路のそれぞれの端部付近の幅が、光結合の割合が増えるように、緩やかに拡がる形状であることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の光導波路デバイス。
- 出力側シリコン細線導波路を並列にN本配置し、中間シリコン細線導波路をいずれかの出力側シリコン細線導波路に移動させることで光路を切り替える1×N光スイッチ又は1×N光減衰器を実現することを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路デバイス。
- シリコン基板上にSiO2層を介してSi層が形成されたSOI基板を準備する工程、Si層を入力側シリコン細線導波路、中間シリコン細線導波路、出力側シリコン細線導波路、アクチュエータ、第1及び第2の支持梁、シリコン弾性ばねにパターニングする工程及び中間シリコン細線導波路、第1及び第2の支持梁及びシリコン弾性ばねの下のSiO2層をエッチングする工程を含む請求項12に記載の光導波路デバイスの製造方法。
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