JP2004205297A - 有機物成分測定方法および測定装置 - Google Patents

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多郁三 広瀬
Seiichi Inagaki
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Abstract

【課題】水中の微量の有機物成分をインラインで簡易に測定することが可能な方法および装置を提供する。
【解決手段】水中の有機物成分量を測定する方法であって、サンプル水を酸性にして前記サンプル水中の無機炭酸を脱気させる脱気処理工程と、前記脱気処理工程で処理した脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させる酸化分解処理工程と、前記有機物成分の酸化分解により生成したニ酸化炭素を超純水に捕集してその濃度またはその濃度に由来するパラメータを測定し、その測定値から前記水中の有機物成分量を算出する有機物成分量算出工程とを含む有機物成分測定方法およびこれに用いる有機物成分測定装置である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中の有機物成分を定量的に測定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体の製造工程や液晶の製造工程における洗浄水として、水中の溶解成分や微小浮遊物を極微量にまで減少させた超純水が使用されており、特に半導体の高密度化、高集積化が進む最近では、イオン成分、無機酸成分、粒子成分はもちろんのこと、洗浄水中に溶解または分散している有機物が熱処理工程で炭化して線間短絡や絶縁不良を起こすのを防止するため、洗浄水中の全有機炭素(TOC:Total Organic Carbon)含有量の少ない超純水が使用されるようになってきた。
【0003】
従って、半導体製造工程、液晶製造工程で使用される超純水中に含まれる極微量の全有機炭素含有量の分析技術が開発されており、特に「燃焼酸化方式」が進んでおり、例えば島津製作所製のTOC-VCSH/CPH/CSN/CPN(商品名)がよく知られている。本方式は触媒を用いたもので、燃焼触媒酸化方式でも680℃と高温での燃焼が必要となる。このようにして燃焼触媒酸化して生成させた二酸化炭素は、メタンに還元した後、赤外分析、導電率、ガスクロマトグラフィ、炎イオン化検出のような方法によって測定する方法が一般によく知られている。
【0004】
しかしながら、有機物を燃焼させて二酸化炭素を生成させる方法(燃焼法)は、複雑な測定方法との組み合わせのため、メンテナンス維持、ランニングコスト高、初期設備投資高など、経済性や操作性などに課題があると言われている。
【0005】
一方、湿式酸化方式と呼ばれる方式があるが、有機物成分の酸化分解を行う有機物酸化力を強力にする課題があり、ペルオキソニ硫酸ナトリウム酸化試薬と紫外線照射、加熱の組み合わせで酸化力を高める方式が利用されている。また、光酸化によって二酸化炭素を生成させる方法(光酸化方式)は、水溶液中に複数の未知の有機物を含む場合、その測定は困難であると言われている。
【0006】
このため、光酸化法を改良した、光触媒を用いる方法も考案されているが、装置構成が複雑である、定性的な測定方法であるといった問題がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特表平2−503111号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
最近の半導体製造工場や液晶製造工場などで洗浄工程に使用する超純水は、洗浄工程排水を、洗浄液を原液、1段目純水洗浄水を1次洗浄排水、2段目超純水洗浄水を2次洗浄排水、仕上げ洗浄水を3次洗浄排水と呼び、2次洗浄排水および3次洗浄排水は洗浄対象物によっては全有機炭素成分(TOC)濃度が平均的に1〜3mg/L(ppm)であり、この程度の低濃度の低分子易分解性有機物でも不溶解性の難分解性有機物成分でも製造工程からの有機物成分はその性状が把握されているため、処理して再利用されている事例が多い。
【0009】
そのため、水中の微量の有機物成分を濃度範囲がppmオーダーでのインラインで簡易に測定することでき、定量的な測定精度が可能な方法および装置が要望されているが、未だ実用化されるまでには至っていない。
【0010】
本発明はこのような従来技術の課題に対処してなされたもので、水中の微量の有機物成分をインラインで簡易に測定することが可能で、また、高濃度排水のインラインでの全有機炭素(TOC)成分の測定にも適用可能な方法および装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の有機物成分測定方法は、水中の有機物成分量を測定する方法であって、サンプル水を酸性にして前記サンプル水中の無機炭酸を脱気させる脱気処理工程と、前記脱気処理工程で処理した脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させる酸化分解処理工程と、前記有機物成分の酸化分解により生成したニ酸化炭素を超純水に捕集してその濃度またはその濃度に由来するパラメータを測定し、その測定値から前記水中の有機物成分量を算出する有機物成分量算出工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の有機物成分測定方法は、水中の有機物成分量を測定する方法であって、測定対象の水中からサンプル水を採取し、該サンプル水に酸根を加えてpHを酸性領域に移行させ、水温を制御しながら、窒素ガスを曝気させてサンプル水中の無機炭酸を脱気させる脱気処理工程と、前記脱気処理工程で処理した脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させ、送気ガスで送気する酸化分解処理工程と、前記送気された二酸化炭素を水温を制御した超純水に捕集してその濃度またはその濃度に由来するパラメーターを測定し、その測定値から前記水中の有機物成分量を算出する有機物成分量算出工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の有機物成分測定方法において、前記酸化分解処理工程における送気ガスとしては、窒素ガスまたは窒素・酸素混合ガスが使用される。窒素・酸素混合ガスは、難分解性有機化合物を多く含む水が測定対象の場合に使用される。混合ガスにおける酸素ガスの割合は、窒素ガスの20%以下であることが好ましい。
【0014】
また、前記脱気処理工程において、サンプル水の酸性領域がpH表示で5.5以下になるように酸根を加えることができる。
【0015】
さらに、前記酸化分解処理工程において、脱気処理水に紫外線を照射して、前記脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させることができる。この場合、脱気処理水に光触媒微粒子を懸濁させて紫外線を照射してもよい。光触媒微粒子としては、アナターゼ型酸化チタン微粒子またはアナターゼ型酸化チタン微粒子にプラチナを添着した微粒子を用いることができる。
【0016】
また、有機物成分量算出工程において、ニ酸化炭素を捕集した純水の電気伝導度を測定して、その測定値から前記水中の溶存炭酸量を求め、この溶存炭酸量から前記水中の有機物成分量を算出することができる。
【0017】
本発明の有機物成分測定装置は、水中の有機物成分量を測定する装置であって、測定対象の水中からサンプル水が導入され、この導入されたサンプル水のpHを制御するpH調節手段と、酸根を添加して前記サンプル水を酸性領域に移行させる酸根供給手段と、前記サンプル水の水温を制御する水温調節手段と、窒素ガスを曝気させて前記サンプル水中の無機炭酸を脱気させる脱気手段とを備えた脱気槽と、前記脱気槽で処理した脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させる紫外線照射手段と、前記生成された二酸化炭素を送気する送気手段を備えたリアクターと、水温を制御する水温調節手段を備え、前記送気されたニ酸化炭素を水温を制御した超純水中に捕集するニ酸化炭素捕集器と、前記超純水中のニ酸化炭素の濃度またはその濃度に由来するパラメータを測定する測定手段と、その測定値から前記水中の有機物成分量を算出する算出手段とを備えた有機物成分量算出装置とを具備することを特徴とする。
【0018】
本発明の有機物成分測定装置において、前記リアクターは、前記脱気処理水中に含まれる有機物成分の紫外線照射による酸化分解を促進する光触媒微粒子が、前記脱気処理水中に懸濁状態で収容されるように構成することができる。
【0019】
また、前記有機物成分量算出装置における測定手段は、前記超純水の電気伝導度を測定する電気伝導度計、前記超純水の水温を測定する水温計と、前記超純水のpHを測定するpH計とを備えることができる。ここで、有機物成分量算出装置は、前記電気伝導度計、前記水温計および前記pH計の各計測値を入力して、前記水中の溶存炭素量を算出し、この溶存炭素量を全有機炭素濃度に換算して出力する演算手段を備えることができる。
【0020】
本発明の有機物成分測定方法および測定装置においては、水中の有機物成分が1mg/L(ppm)以下の微量であっても、また、水中の有機物成分が高濃度であっても、インラインで簡易に測定することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る有機物成分測定装置の一実施形態を概略的に示す構成図である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の有機物成分測定装置は、脱気槽1と、リアクター2と、二酸化炭素捕集器3と、演算変換器付モニター4とを備えている。
【0024】
脱気槽1には、超純水の製造ラインあるいは半導体製造工程、液晶製造工程の洗浄ライン等からサンプル水を、サンプル水導入配管20に連結するサンプル水導入管5よりサンプル水を脱気槽1に注入して、このサンプル水を酸性に移行するため酸根(主に燐酸を使用)を注入する酸供給配管21、サンプル水に窒素ガスを送り込む窒素ガス供給配管22に連結する窒素ガス散気管6で曝気させ、脱気槽1内に送り込んだ窒素ガスや脱気槽1内で生じたガスを排気する無機炭酸由来二酸化炭素(CO2)排気ダクト23、およびリアクター2へ脱気処理水を移送する脱気処理水移送管7が接続されている。また、脱気槽1の外周には、脱気槽1内を所定の温度に保持するため加熱ヒータ11が配設されている。
【0025】
リアクター2内には、光触媒微粒子が収容されているとともに、紫外線照射ランプユニット8が挿着されている。紫外線照射ランプユニット8は1本に限らず複数本配置するようにしてもよい(図1では、1本の紫外線ランプユニットのみ示す。)。また、リアクター2には、脱気処理水に必要に応じて酸根(主に燐酸を使用)を注入する酸供給配管24、およびリアクター2内の処理水に窒素ガス、または窒素ガスに酸素ガスを混入した混合ガス等を送り込むガス供給配管25が接続されている。ガス供給配管25は気液分離用フィルター9の下部に接続されている。さらに、ドレイン排出用のドレイン配管29、およびリアクター2内に送り込まれた混合ガス等やリアクター2内で有機物成分が酸化分解して生成された二酸化炭素を二酸化炭素捕集器3へ移送する有機物成分由来二酸化炭素移送ダクト26が接続されている。
【0026】
二酸化炭素捕集器3には、二酸化炭素吸収用超純水を供給するための超純水供給配管27、二酸化炭素捕集器用排気ダクト28、測定終了後の二酸化炭素吸着水を外部へ排出する排水管30が接続されており、また、二酸化炭素捕集器3の外周には、二酸化炭素捕集器3内を所定の温度に保持するため加熱ヒータ12が配設されている。
【0027】
さらに、二酸化炭素捕集器3には、電気伝導度の他、水温およびpH値を検出する電気伝導度等検出センサー41が付設されており、これらの計測値が演算変換器付モニター4に入力され、脱気槽1に導入されたサンプル水中の全有機炭素濃度(TOC)に換算されて出力されるようになっている。
【0028】
次に、このような有機物測定装置を用いて水中の有機物量を測定する方法について記載する。
【0029】
まず、サンプル水導入管20に介挿されている制御バルブV-20を開き、所定量のサンプル水を脱気槽1に導入する。このとき、脱気処理水移送管7のバルブV-7は閉じておく。次いで、pH調節装置(図示なし)に連動した酸供給配管21の制御バルブV-21から酸根(主に燐酸使用)を注入し、サンプル水をpHが5.5以下の酸性領域に移行させるとともに、窒素ガス供給配管22の制御バルブV-22で窒素ガス流量を制御して連続的に送り込み、サンプル水を窒素ガスで曝気する。酸性領域への移行と窒素ガスの曝気により、サンプル水に含まれる無機炭酸塩の炭素成分が二酸化炭素(CO2)となって窒素ガスとともに排気ダクト23から排出される。この間、必要ならば水温調節装置(図示なし)で加熱ヒータ11を制御通電し、サンプル水の水温を35℃前後の温度に保持する。
【0030】
サンプル水5に含まれる無機炭酸塩の炭素成分がすべて除去されたところで、脱気処理水移送管7の制御バルブV-7を開き、脱気処理水を脱気槽1からリアクター2に移送して、バルブV-7を閉じる。このとき、ドレイン配管29の制御バルブV-29は閉じておく。この状態で、ガス供給配管25の制御バルブV-25より、窒素ガス、窒素ガスに酸素ガスを混入した混合ガス等を送り込み、光触媒微粒子を脱気処理水中に浮遊懸濁させるとともに、紫外線照射ランプユニット8により脱気処理水に紫外線を照射する。この紫外線の照射によって脱気処理水に含まれる有機物成分が酸化分解され二酸化炭素が生成される。この場合、有機物成分が低分子で易分解成分の場合は窒素ガスのみの曝気で紫外線照射のみで二酸化炭素まで酸化分解されるが、難分解性有機物成分の場合は酸化分解を補助するため窒素ガス中に酸素ガスを混入して二酸化炭素にまで酸化分解させる。その際、混入させる酸素ガス量は窒素ガス量に対して20%以下とすることが好ましい。
【0031】
このように生成された二酸化炭素は、窒素ガスまたは混合ガスとともに有機物成分由来二酸化炭素移送ダクト26で送気して、これを二酸化炭素捕集器3の超純水中に捕集し、この純水の電気伝導度を演算変換器付モニター4内に内蔵する電気伝導度測定計で測定する。
【0032】
二酸化炭素捕集器3内での超純水の電気伝導度の変化は、純水中の二酸化炭素の濃度に依存し、かつ、二酸化炭素捕集器3に捕集される二酸化炭素はすべてサンプル水に含まれる有機物成分中の炭素に由来しているため、予め二酸化炭素量既知の純水を用いて二酸化炭素濃度と純水の電気伝導度の関係を求めておくことにより、二酸化炭素捕集器3内での純水に取り込まれた溶存二酸化炭素の濃度、さらにはこの濃度からサンプル水中の全有機炭素量(TOC)を算出することができる。
【0033】
なお、本実施形態では、電気伝導度測定計の計測値を入力し、水温、pH値などでの補正を行い、予め求めておいた既知のデータからサンプル水中の全有機炭素濃度に換算して出力する演算変換器付モニター4が設けられているため、電気伝導度の測定と同時にサンプル水中の全有機炭素量を知ることができる。
【0034】
ここで、標準温度25℃における電気伝導度(μS/cm)と比抵抗値(MΩ・cm)と溶存炭素量との関係を表1に示すとともに、溶存炭酸(CO2)量と電気伝導度(μS/cm)との関係を図2に示す。これらの標準的データを演算変換器付モニター4に内蔵された電気伝導度/溶存炭酸変換器に挿入して比較判断データとする。特に、図2は、標準パターンとして認識させて、画像標準として変換換算に利用する。
【0035】
【表1】
Figure 2004205297
【0036】
なお、本発明においては、サンプル水をサンプル水導入配管20から脱気槽1およびリアクター2に順に所定の流量で連続的に導入しつつ、二酸化炭素捕集器3内の超純水の電気伝導度を連続的に測定するようにしてもよい。
【0037】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
実施例1
半導体製造工場の2次洗浄水および3次洗浄水が混ざった混合洗浄水ラインから、サンプル水として混合洗浄水350mlを、加熱ヒータ11の温度を35℃に設定した、図1に示す装置の脱気槽(ガラス製、有効内容積400ml)1に導入した。次いで、脱気槽1内に高純度の燐酸水溶液を2次洗浄水のpH値が約4となるように注入するとともに、脱気槽1内に窒素ガスを50ml/minの流量で連続的に送気した。
【0039】
2分後、リアクター2(ガラス製、有効内容積400ml)に脱気処理水を移送し、脱気処理水移送管7の制御バルブV-7を閉じた後、ガス供給配管25の制御バルブV-25を調整して、酸素ガスと窒素ガスの混合ガス(混合比1:5)を50ml/minの流量で連続的に送気するとともに、紫外線照射ランプユニット(U字型、三共電気社製 型名:GUSL6ZH)8により紫外線を照射した。光触媒微粒子にはアナターゼ型酸化チタン微粉末(日本アエロジル社製 P25型、平均粒径0.02μm)を1g用い、懸濁させて、有機物成分の酸化分解を3分間行った。また、これと平行して、酸化分解反応に入る前に、予め加熱ヒータ12の温度を25℃に設定した二酸化炭素捕集器3(ガラス製、有効内容積200ml)内に比抵抗値15MΩ・cm以上の超純水150mlの電気伝導度を測定したところ0.06μS/cmの測定値を得た。
【0040】
炭酸ガス捕集器3中の超純水中に、有機物成分由来炭酸ガス移送ダクト26の制御バルブV-26を開にして3分間、有機物成分由来二酸化炭素を導入した。測定結果は、水温が24.5℃、電気伝導度が3.95μS/cmであった。演算変換器付モニター4のモニター表示は溶存炭酸(CO2)量が10mg/Lと表示された。これにより、全有機炭素濃度(TOC)が求められることが確認できた。
この結果は、従来の燃焼触媒酸化方式によるTOC測定装置を用いて測定した結果とよく一致していた。
【0041】
実施例2
実施例1と同じ測定装置を用いて、実施例1と同じ混合洗浄水ラインからのサンプル水を連続的に通水する測定方法で測定した。脱気槽1およびリアクター2内の滞留量が常時350mlになるように調整し、また、送気量がそれぞれ100ml/minになるように窒素ガス供給配管22の制御バルブV-22およびガス供給配管25の制御バルブV-25を調整し、さらに、脱気槽1の水温がほぼ25℃になるように加熱ヒータ11で調整した。サンプル水導入配管20、脱気処理水移送管7およびドレイン配管29のそれぞれの制御バルブV-20、V-7、V-29は、通水量が70l/minになるように調節した。二酸化炭素捕集器3内の滞留量は常時150mlに保持して、注入される超純水量は30ml/minになるように超純水供給配管27の制御バルブV-27を調整した。
【0042】
測定結果は、経時的変化がほとんどなく、ほぼ水温が24.0℃、電気伝導度が3.95μS/cmであった。演算変換器付モニター4のモニター表示は溶存炭酸(CO2)量が10mg/Lと表示され、実施例1と同様の結果が得られた。これにより、全有機炭素濃度(TOC)が求められることが確認できた。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水中の有機物成分をインラインで簡易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機物成分測定装置の一例を概略的に示す構成図。
【図2】超純水中の溶存炭酸(CO2)量と電気伝導度の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1……曝気槽 2……リアクター 3……二酸化炭素捕集器
4……演算変換器付モニター 5……サンプル水導入管
6……窒素ガス散気管 7……脱気処理水移送管
8……紫外線照射ランプユニット 11、12……加熱ヒータ
20……サンプル水導入配管 21、24……酸供給配管
22……窒素ガス供給配管 23……無機炭酸由来二酸化炭素排気ダクト
25……ガス供給配管 26……有機物成分由来二酸化炭素移送ダクト
27……超純水供給配管 41……電気伝導度等検出センサー

Claims (13)

  1. 水中の有機物成分量を測定する方法であって、
    サンプル水を酸性にして前記サンプル水中の無機炭酸を脱気させる脱気処理工程と、
    前記脱気処理工程で処理した脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させる酸化分解処理工程と、
    前記有機物成分の酸化分解により生成したニ酸化炭素を超純水に捕集してその濃度またはその濃度に由来するパラメータを測定し、その測定値から前記水中の有機物成分量を算出する有機物成分量算出工程と
    を含むことを特徴とする有機物成分測定方法。
  2. 水中の有機物成分量を測定する方法であって、
    測定対象の水中からサンプル水を採取し、該サンプル水に酸根を加えてpHを酸性領域に移行させ、水温を制御しながら、窒素ガスを曝気させてサンプル水中の無機炭酸を脱気させる脱気処理工程と、
    前記脱気処理工程で処理した脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させ、送気ガスで送気する酸化分解処理工程と、
    前記送気された二酸化炭素を水温を制御した超純水に捕集してその濃度またはその濃度に由来するパラメータを測定し、その測定値から前記水中の有機物成分量を算出する有機物成分量算出工程と
    を含むことを特徴とする有機物成分測定方法。
  3. 前記酸化分解処理工程において、送気ガスが窒素ガスまたは窒素・酸素混合ガスであることを特徴とする請求項2記載の有機物成分測定方法。
  4. 前記脱気処理工程において、サンプル水の酸性領域がpH表示で5.5以下になるように酸根を加えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の有機物成分測定方法。
  5. 前記酸化分解処理工程において、脱気処理水に紫外線を照射して、前記脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の有機物成分測定方法。
  6. 前記酸化分解処理工程において、脱気処理水に光触媒微粒子を懸濁させて紫外線を照射して、前記脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させることを特徴とする請求項5記載の有機物成分測定方法。
  7. 光触媒微粒子が、アナターゼ型酸化チタン微粒子であることを特徴とする請求項6記載の有機物成分測定方法。
  8. 光触媒微粒子が、アナターゼ型酸化チタン微粒子にプラチナを添着した微粒子であることを特徴とする請求項6記載の有機物成分測定方法。
  9. 有機物成分量算出工程において、ニ酸化炭素を捕集した純水の電気伝導度を測定して、その測定値から前記水中の溶存炭酸量を求め、この溶存炭酸量から前記水中の有機物成分量を算出することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の有機物成分測定方法。
  10. 水中の有機物成分量を測定する装置であって、
    測定対象の水中からサンプル水が導入され、この導入されたサンプル水のpHを制御するpH調節手段と、酸根を添加して前記サンプル水を酸性領域に移行させる酸根供給手段と、前記サンプル水の水温を制御する水温調節手段と、窒素ガスを曝気させて前記サンプル水中の無機炭酸を脱気させる脱気手段とを備えた脱気槽と、
    前記脱気槽で処理した脱気処理水中に含まれる有機物成分を酸化分解して二酸化炭素を生成させる紫外線照射手段と、前記生成された二酸化炭素を送気する送気手段を備えたリアクターと、
    水温を制御する水温調節手段を備え、前記送気されたニ酸化炭素を水温を制御した超純水中に捕集するニ酸化炭素捕集器と、
    前記超純水中のニ酸化炭素の濃度またはその濃度に由来するパラメータを測定する測定手段と、その測定値から前記水中の有機物成分量を算出する算出手段とを備えた有機物成分量算出装置と
    を具備することを特徴とする有機物成分測定装置。
  11. 前記リアクターは、前記脱気処理水中に含まれる有機物成分の紫外線照射による酸化分解を促進する光触媒微粒子が、前記脱気処理水中に懸濁状態で収容されるように構成されていることを特徴とする請求項10記載の有機物成分測定装置。
  12. 前記有機物成分量算出装置における測定手段は、前記超純水の電気伝導度を測定する電気伝導度計、前記超純水の水温を測定する水温計と、前記超純水のpHを測定するpH計とを備えることを特徴とする請求項10または11記載の有機物成分測定装置。
  13. 前記有機物成分量算出装置は、前記電気伝導度計、前記水温計および前記pH計の各計測値を入力して、前記水中の溶存炭素量を算出し、この溶存炭素量を全有機炭素濃度に換算して出力する演算手段を備えることを特徴とする請求項12記載の有機物成分測定装置。
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