JP2001083083A - 全窒素の測定方法及び測定装置 - Google Patents

全窒素の測定方法及び測定装置

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JP2001083083A
JP2001083083A JP26111299A JP26111299A JP2001083083A JP 2001083083 A JP2001083083 A JP 2001083083A JP 26111299 A JP26111299 A JP 26111299A JP 26111299 A JP26111299 A JP 26111299A JP 2001083083 A JP2001083083 A JP 2001083083A
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total nitrogen
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reagent
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Koji Yamada
浩司 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温又は常温から100℃の比較的低温、且
つ常圧下にて、試料中の窒素化合物を硝酸イオンに分解
でき、更に硝酸イオンの測定時におけるペルオキソ二硫
酸カリウムによる妨害を防ぐことのできる全窒素の測定
方法及び測定装置を提供する。 【解決手段】 全窒素測定方法は、(a)試料水に酸
化分解試薬を加える工程;(b)前記(a)工程によっ
て得られた試料水に紫外線を照射しながら所定時間電気
分解を行い、試料水中の窒素化合物から硝酸イオンを生
じさせる工程;(c)前記(b)工程によって得られた
試料水に測定前処理試薬を加える工程;及び(d)前記
(c)工程によって得られた試料水に所定波長の光を照
射して吸光光度を測定する工程;を含み構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素化合物を含む
試料水中の全窒素濃度を測定する方法及び測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば工場排水、海水、河川水な
ど、窒素化合物を含む試料水中の全窒素測定には、一般
的にJIS K 0102(以下、「JIS法」と呼
ぶ。)に規定された方法を用いる。
【0003】JIS法による全窒素測定では、一般にペ
ルオキソ二硫酸カリウムのアルカリ性溶液を用いて試料
水を前処理し、試料水中の窒素化合物を全て硝酸イオン
とし、この硝酸イオンを定量することによって全窒素濃
度を求める。即ち、図4に示すように、所定量の試料水
を耐熱性のガラス瓶などの密閉容器に採り(ステップ
1)、これにペルオキソ二硫酸カリウム(ステップ
2)、及び水酸化ナトリウム(ステップ3)を加えて、
高圧蒸気滅菌器中で120℃で30分間加熱することに
よって試料水中の有機物などを分解し、試料水中の全て
の窒素化合物を硝酸イオンに酸化分解する(ステップ
4)。こうして前処理された試料を放冷した後、塩酸を
加えてpHを2〜3に調節して(ステップ5)、硝酸イ
オンの吸収波長である220nmの紫外線吸光光度を測
定し、全窒素濃度を求める(ステップ6)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の測定方法による試料水中の全窒素測定方法には以下
のような問題点があった。
【0005】つまり、上記JIS法によるペルオキソ二
硫酸カリウム分解法では、120℃といった高温高圧条
件下での分解処理を行うので、操作上の困難を伴う上、
安全性の面でも問題がある。又、高圧蒸気滅菌器のよう
に高温(120℃)で密閉できる耐熱及び耐圧構造の加
熱分解装置が必要になるため、自動計測器を考慮した場
合、120℃という高温蒸気に耐えうる耐熱、耐圧構造
の加熱分解装置を備えることは、コスト高になる他、保
守性及び安全性の点でも問題がある。
【0006】そこで、例えば室温程度の低温、しかも常
圧下で試料水中の窒素化合物を硝酸イオンに分解するこ
とが望ましい。しかし、従来、ペルオキソ二硫酸カリウ
ムを用いて低温で窒素化合物を完全に分解することがで
きなかった。これは、ペルオキソ二硫酸カリウム分解法
では、ペルオキソ二硫酸カリウムによる酸化分解によっ
て窒素化合物を分解しており、温度を下げるとこの分解
が完全に起こらないためである。
【0007】又、従来、ペルオキソ二硫酸カリウムを用
いて低温及び常圧下で窒素化合物を分解しようとする
と、上述のように窒素化合物の酸化分解が完全に起こら
ないばかりか、ペルオキソ二硫酸カリウムが残存してし
まい、このペルオキソ二硫酸カリウムが硝酸イオンの測
定波長である220nmの光を吸収する。これによっ
て、見かけ上窒素分が増加し、測定値がばらつく原因と
なり、全窒素測定は更に妨害される。
【0008】従って、本発明の目的は、一般には、簡易
で安全な全窒素の測定方法を提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、簡易で低コスト、し
かも安全で保守性に優れた全窒素の測定装置を提供する
ことである。
【0010】本発明の他の目的は、常温、又は常温から
100℃の比較的低温であって、しかも常圧下にて、試
料中の窒素化合物を硝酸イオンに高効率にて分解し、こ
の硝酸イオンを定量することによって全窒素濃度を測定
する方法及び測定装置を提供することである。
【0011】本発明の更に他の目的は、常温、又は常温
から100℃の比較的低温であって、しかも常圧下に
て、酸化分解試薬として加えられたペルオキソ二硫酸カ
リウムの残存分を良好に分解し、ペルオキソ二硫酸カリ
ウムによる全窒素測定の妨害を防ぐことのできる全窒素
測定方法及び測定装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
全窒素測定方法及び測定装置にて達成される。要約すれ
ば、本発明は、試料水中の全窒素を測定する方法におい
て、(a)試料水に酸化分解試薬を加える工程、(b)
前記(a)工程によって得られた試料水に紫外線を照射
しながら所定時間電気分解を行い、試料水中の窒素化合
物から硝酸イオンを生じさせる工程、(c)前記(b)
工程によって得られた試料水に測定前処理試薬を加える
工程、及び(d)前記(c)工程によって得られた試料
水に所定波長の光を照射して吸光光度を測定する工程、
を含むことを特徴とする全窒素測定方法である。
【0013】本発明の他の態様によると、全窒素を測定
する装置において、(A)(a)試料水及び酸化分解試
薬が供給される分解槽と、(b)前記分解槽内に配置さ
れ、電源に電気的に接続された陽極及び陰極を備えた電
極部材と、(c)前記分解槽内の試料水に紫外線を照射
する紫外線照射手段と、を有し、紫外線を照射しながら
試料水を所定時間電気分解する分解装置と、(B)前記
分解装置からの試料水と測定前処理試薬との試料水混合
体が供給される測定セルと、(C)前記測定セル内の試
料水混合体に所定波長の光を照射し、吸光光度を測定す
る吸光光度検出部と、を有することを特徴とする全窒素
測定装置が提供される。
【0014】本発明の一実施態様によると、前記(b)
工程は、常温で行う。
【0015】本発明の他の実施態様によると、前記
(b)工程は、常温から100℃以下に加熱した状態で
行い、好ましくは、加熱された試料水は前記測定前処理
試薬を加える前に冷却する。
【0016】本発明の好ましい実施態様によると、前記
酸化分解試薬は水酸化ナトリウムとペルオキソ二硫酸カ
リウムとを含み、前記測定前処理試薬は前記試料水を酸
性に調整する塩酸を含み、前記所定波長は硝酸イオンに
特有の220nmである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る全窒素の測定
方法及び測定装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0018】実施例1 先ず、図1及び図2を参照して、本発明に従った、試料
水中の全窒素測定方法及び装置について説明する。図1
は、本発明に従う全窒素測定方法の手順を示すフロー図
である。図2は、本発明に従う全窒素測定装置の一実施
例の概略構成図である。
【0019】図1に示すように、本発明の全窒素測定方
法によれば、先ず試料水が計量され(ステップ1)、次
いでこの試料水に所定量のアルカリ性ペルオキソ二硫酸
カリウム溶液(水酸化ナトリウム−ペルオキソ二硫酸カ
リウム溶液)が加えられる(ステップ2)。その後、分
解工程において、試料水中の窒素化合物は硝酸イオンに
酸化分解される(ステップ3)。続いて試料水は計量さ
れ(ステップ4)、測定前処理試薬として、pH調整剤
である塩酸の所定量が加えられる(ステップ5)。その
後、試料溶液中の硝酸イオンの吸収波長である220n
mの紫外線吸光光度を測定して硝酸イオンを定量し、試
料水中の全窒素測定を行う(ステップ6)。
【0020】本発明によれば、分解工程(ステップ3)
において、常温から100℃、且つ常圧条件下で試料水
中の窒素化合物を酸化分解する。つまり、本発明によれ
ば、常温から100℃といった比較的低温、且つ常圧条
件下において、ペルオキソ二硫酸カリウムによる窒素化
合物の酸化分解に加えて、紫外線を照射しながら所定時
間、例えば15〜60分間、試料水を電気分解を行うこ
とによって、試料水中の窒素化合物から硝酸イオンを生
じさせる。更に、本発明によれば、窒素化合物の酸化分
解に寄与せずに試料水中に残ったペルオキソ二硫酸カリ
ウムをも良好に分解する。この時、必要に応じて100
℃以下に加熱することができる。
【0021】図2をも参照して、本発明の全窒素測定方
法及び測定装置を更に説明する。試料水は、試料供給手
段としての試料計量管1によって計量されて、分解装置
3に供給される。必要に応じて希釈水が希釈水計量管2
で計量されて分解装置3に供給される。又、酸化分解試
薬供給手段として、酸化分解試薬タンク4内のアルカリ
性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液(水酸化ナトリウム−
ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)が計量管5にて計量さ
れて分解装置3に供給される。
【0022】分解装置3には、試料水の電気分解を行う
ための電極が備えられており、水の電気分解が起こるよ
うに電圧が印加される。又、分解装置3は、試料水に紫
外線を照射する紫外線照射手段を有している。又、詳し
くは後述するように、必要に応じて加熱手段を備えるこ
とができる。
【0023】分解装置3にて所定時間電気分解を行い、
窒素化合物が硝酸イオンとされ、同時に添加されたペル
オキソ二硫酸カリウムが分解された試料水の全て、或は
一部が計量管6にて計量されて反応槽7へと供給され
る。又、反応槽7には、pH調整剤である塩酸の所望量
が、測定前処理試薬供給手段としての塩酸タンク8及び
計量管9によって計量された後供給される。こうして反
応槽7内で試料水と塩酸とが混合されて、試料水はpH
2〜3程度の酸性に調整される。
【0024】次いで、反応槽7から試料水の全て、或は
一部が計量管10にて計量されて測定セル11に導かれ
る。次いで、紫外線吸光光度検出部12は、測定セル1
1に導入された試料水に硝酸イオンの吸収波長である2
20nmの光を照射し、その吸光度を測定する。こうし
て測定された吸光度から試料水中の硝酸イオンを定量
し、全窒素濃度を測定することができる。
【0025】その後、測定セル11内の試料水は排出経
路を経て測定装置外に排出される。尚、図示していない
が、分解装置3、反応槽7、測定セル11及び試料水の
流路などは洗浄水供給手段からの洗浄水により洗浄され
て、続く測定に供される。又、分解装置3、反応槽7に
残った試料水や洗浄水を排出する経路を別途設けること
などもできる。
【0026】図3は本発明に従う分解装置3の一実施例
の概略構成をより詳しく示す。分解装置3は、筐体とし
てのアルミブロック34内に分解槽31を備え、分解槽
31の流入口37及び流出口38はアルミブロック34
外に突出される。本実施例では、分解槽31は石英ガラ
ス製とされ、20mLの試料水中の窒素化合物の分解が
可能なように構成される。
【0027】分解槽31の流入口37には、試料水導入
管P1がバルブV1を介して、又酸化分解試薬導入管P
2がバルブV2を介して接続され、これら導入管P1、
P2を経て、計量された試料水、アルカリ性ペルオキソ
二硫酸カリウム溶液(水酸化ナトリウム−ペルオキソ二
硫酸カリウム溶液)がそれぞれ分解槽31に供給され
る。
【0028】又、分解槽31内には、陽極32a、陰極
32bからなる電極部材32が配置され、それぞれアル
ミブロック34外に設けられた電源36に導線32cを
介して接続され、分解工程時に直流電圧が印加される。
電源36としては、定電圧制御が可能な電源である直流
電圧発生手段、又は定電流制御が可能な電源である直流
電流発生手段を用いることができ、本実施例では、直流
電圧発生手段を用いて定電圧制御を行った。又、本実施
例では電極部材32(32a、32b)はプラチナ(P
t)電極を用いた。好ましくは電極32a、32bは分
解槽31の下部、即ち流出口38近傍に配置し、電極面
から発生する酸素が浮上する間の試料水との接触時間を
長くする。
【0029】更に、アルミブロック34内には、分解槽
31に紫外線を照射する紫外線照射手段(紫外線ラン
プ)33を設ける。紫外線照射手段の光源としては特に
限定されるものではなく例えば重水素ランプ、水銀ラン
プ、キセノンランプなど、中心波長200〜400nm
程度の紫外線を照射できるものから適宜選択すればよ
い。本実施例では、4Wの殺菌灯(松下電器産業株式会
社製、中心波長240nm)を用いた。
【0030】分解装置3による分解工程を更に説明する
と、分解槽31では、酸化分解試薬として添加されたペ
ルオキソ二硫酸カリウムによる窒素化合物の酸化に加え
て、試料水を電気分解することによって、電極面で水が
電気分解されて次式のように生成した酸素によって窒素
化合物を分解する。
【0031】H2O → H2 + 1/2O2 更に、紫外線ランプ33を用いて試料水に紫外線を照射
することによって、電気分解によって陽極32a近傍に
生成した酸素は次式のような反応によって活性化され、
窒素化合物の酸化分解を促進する。
【0032】 紫外線照射によって発生した酸素原子やオゾンは、電気
分解によって発生した酸素とともに、試料水中の窒素化
合を酸化分解させ、硝酸イオンにする。
【0033】このように、本発明によれば、酸化分解試
薬としてのペルオキソ二硫酸カリウムによる窒素化合物
の酸化分解に加えて、紫外線を照射しながら試料水を電
気分解することにより、電気分解によって生じた酸素、
及び紫外線照射によって活性化された酸素原子やオゾン
によって効率よく試料水中の窒素化合物を硝酸イオンに
分解することができる。又、本発明によれば、窒素化合
物を効率良く分解するために重要な酸素を、試料水自体
の電気分解によって発生するので、例えば、別途空気を
吹き込む手段などを設ける必要がなく、簡易な構成とす
ることができる。
【0034】更に、本発明によれば、余剰の、即ち、窒
素化合物の酸化分解に寄与しなかったペルオキソ二硫酸
カリウムを、次式のような電極面での還元反応によって
分解することができる。
【0035】S28 2-+2e- → 2SO4 2- 分解槽31内で窒素化合物が硝酸イオンに分解された試
料水は、その後、導管P3及びバルブV3を介して上述
の反応槽7に導出される。
【0036】以上説明した分解工程によって、試料水に
よっては20℃〜30℃といった常温、常圧条件下にて
窒素化合物から硝酸イオンを良好に生じさせ、更にペル
オキソ二硫酸カリウムの残存分をも分解することができ
る。しかし、必要に応じて分解装置3に加熱手段35を
設け、試料水を100℃以下に加熱することによって、
ペルオキソ二硫酸カリウムによる窒素化合物の酸化分
解、電気分解及び紫外線照射による窒素化合物の酸化分
解、更に、残存するペルオキソ二硫酸カリウムの分解を
促進することができる。
【0037】本発明によれば、加熱手段35による加熱
は100℃以下で十分であり、常温から100℃の範囲
で適宜選択することができる。本実施例では、加熱手段
としてアルミブロック34の外側に電熱ヒータ35を設
け、アルミブロック34内を加熱することによって試料
水を加熱する構成とした。
【0038】尚、試料水を加熱する際には、pH調整剤
である塩酸を試料水に加える前に、例えば反応槽7内で
試料水を放冷するなど、試料水を冷却する工程を加える
ことが好ましい。又、上述のように、加熱手段は本発明
にとって必須ではなく、必要に応じて設けられることを
理解されたい。
【0039】次に、図3に示す分解装置3を用いた分解
工程の実験例について説明する。
【0040】実験例 先ず、窒素化合物を含まない試料水、即ち、ゼロ液とし
て純水を用い、以下に示す〜の条件で分解装置3に
て分解工程を行った。その後、塩酸((1+8)HC
l)を加えて試料水のpHを2〜3の酸性に調整した
後、硝酸イオンの吸収波長である220nmの紫外線吸
光光度、即ち、ゼロ液によるブランク吸光度を測定し
た。又、同じ試料水(ゼロ液)をJIS法(手分析)に
よって分解処理し、同様に220nmの紫外線吸光光度
を測定して、分解装置3を用いた場合の測定結果と比較
した。 純水(ゼロ液)20mLを分解槽31に供給し、アル
カリ性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液(水酸化ナトリウ
ム−ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)(2w/v%Na
OH−3w/v%ペルオキソ二硫酸カリウム(以下、同
様))を4mL添加した後、ヒータ35を用いて95℃
に加熱し、30分間分解。 純水(ゼロ液)20mLを分解槽31に供給し、アル
カリ性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を添加した後、ヒ
ータ35を用いて95℃に加熱し、電極部材32に3V
の電圧を印加して30分間分解。 純水(ゼロ液)20mLを分解槽31に供給し、アル
カリ性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を添加した後、ヒ
ータ35を用いて95℃に加熱し、電極部材32に3V
の電圧を印加して、4Wの殺菌灯で分解槽31に紫外線
を照射しながら30分間分解。 純水(ゼロ液)20mLを分解槽31に供給し、アル
カリ性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を添加した後、加
熱せずに電極部材32に3Vの電圧を印加し、4Wの殺
菌灯で分解槽31に紫外線を照射しながら30分間分
解。
【0041】結果を表1に示す。
【0042】
【表1】 表1に示す結果から、95℃の加熱分解のみでは(条件
)、添加した酸化分解試薬であるペルオキソ二硫酸カ
リウムが、分解されずにかなり残存してしまい、ブラン
クの吸光度が高い値となった。このように、95℃にお
ける加熱分解のみでは加えたペルオキソ二硫酸カリウム
の妨害によって全窒素測定は不可能であることが分か
る。
【0043】一方、95℃の加熱に加えて電気分解を行
うと(条件)、ブランク吸光度はかなり下がる。これ
によって、本発明にて利用される電気分解が残存ペルオ
キソ二硫酸カリウムの分解に効果的であることが理解さ
れよう。
【0044】更に、紫外線を照射しながら試料水(ゼロ
液)を電気分解すると、95℃の加熱状態(条件)、
室温(条件)の双方の状態において、ブランク吸光度
はJIS法による高温蒸気滅菌器(オートクレーブ)使
用時と同等となり、完全にペルオキソ二硫酸カリウムが
分解されたと考えられる。このように、本発明に従って
紫外線を照射しながら試料水を電気分解することによっ
て、良好に残存ペルオキソ二硫酸カリウムを分解でき、
従ってペルオキソ二硫酸カリウムが220nmの光を吸
収して、ブランク吸光度が上がることに起因する、全窒
素測定の誤差を防止できることが理解されよう。
【0045】次に、試料水としてL−グルタミン酸と硫
酸アンモニウムとの混合溶液(混合溶液)、及び下水処
理場、食品産業排水、ゴミ焼却場排水、油脂工業廃水か
らそれぞれ採取された4種類の実試料について、分解槽
3を用いて以下の条件及びで分解を行った。その
後、塩酸((1+8)HCl)を加えて試料水のpHを
2〜3の酸性に調整した後、硝酸イオンの吸収波長であ
る220nmの紫外線吸光光度を測定することによって
全窒素測定を行い、JIS法(手分析)による測定値と
比較した。 試料水20mLを分解槽31に供給し、アルカリ性ペ
ルオキソ二硫酸カリウム溶液(水酸化ナトリウム−ペル
オキソ二硫酸カリウム溶液)(2w/v%NaOH−3
w/v%ペルオキソ二硫酸カリウム(以下、同様))を
4mL添加した後、加熱せずに電極部材32に3Vの電
圧を印加し、4Wの殺菌灯で分解槽31に紫外線を照射
しながら30分間分解。 試料水20mLを分解槽31に供給し、アルカリ性ペ
ルオキソ二硫酸カリウム溶液を添加した後、ヒータ35
を用いて95℃に加熱し、電極部材32に3Vの電圧を
印加して、4Wの殺菌灯で分解槽31に紫外線を照射し
ながら30分間分解。
【0046】結果を表2に示す。尚、表2中、分解率は
JIS法による全窒素測定値を100%として示す。
【0047】
【表2】 表2に示す結果から、混合溶液及び実試料の双方に関し
て、紫外線を照射しながら試料水を電気分解することに
よって、室温においても、JIS法と比較して良好な全
窒素測定結果が得られることが理解されよう。このよう
に、本発明によれば、常温であっても試料水中の窒素化
合物、及び添加されたペルオキソ二硫酸カリウムの残存
分を良好に分解することができ、ペルオキソ二硫酸カリ
ウムが残存することによる全窒素測定値のばらつきなど
を防止して、良好な全窒素測定値を得ることができる。
【0048】又、表2の結果から分かるように、試料水
によっては電気分解、紫外線照射に加えて100℃以下
(95℃)まで加熱することによって、試料水中の窒素
化合物、及び残存するペルオキソ二硫酸カリウムの分解
を促進することができる。
【0049】以上、本発明によれば、常温から100
℃、しかも常圧といった条件下で窒素化合物を硝酸イオ
ンに分解することができ、更に、窒素化合物の酸化分解
に寄与せずに残ったペルオキソ二硫酸カリウムをも分解
することができる。従って、ペルオキソ二硫酸カリウム
の妨害無しに、紫外線吸光光度測定(220nm)によ
る硝酸イオンの測定を実施することができ、良好な全窒
素測定結果を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の全窒素測
定方法及び測定装置は、(a)試料水に酸化分解試薬を
加える工程、(b)前記(a)工程によって得られた試
料水に紫外線を照射しながら所定時間電気分解を行い、
試料水中の窒素化合物から硝酸イオンを生じさせる工
程、(c)前記(b)工程によって得られた試料水に測
定前処理試薬を加える工程、及び(d)前記(c)工程
によって得られた試料水に所定波長の光を照射して吸光
光度を測定する工程、を含む構成とされるので、常温か
ら100℃の比較的低温であって、しかも常圧下にて、
試料中の窒素化合物を硝酸イオンに分解し、この硝酸イ
オンを定量することによって全窒素濃度を測定すること
が可能である。又、本発明によれば、常温から100℃
の比較的低温であって、しかも常圧下にて、酸化分解試
薬として加えられたペルオキソ二硫酸カリウムの残存分
を良好に分解し、ペルオキソ二硫酸カリウムによる全窒
素測定の妨害を防ぐことのできる。従って、本発明によ
れば、簡易で安全な全窒素の測定方法を提供することが
できる。又、簡易で低コスト、しかも安全で保守性に優
れた全窒素の測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る全窒素測定方法の手順を示すフロ
ー図である。
【図2】本発明に係る全窒素測定装置の一実施例を示す
概略構成図である。
【図3】本発明に従って構成される分解装置の一実施例
を示す概略構成図である。
【図4】JIS法による全窒素測定方法の手順を示すフ
ロー図である。
【符号の説明】
3 分解装置 31 分解槽 32 電極部材 33 紫外線ランプ(紫外線照射手段) 35 ヒータ(加熱手段)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料水中の全窒素を測定する方法におい
    て、 (a)試料水に酸化分解試薬を加える工程、 (b)前記(a)工程によって得られた試料水に紫外線
    を照射しながら所定時間電気分解を行い、試料水中の窒
    素化合物から硝酸イオンを生じさせる工程、 (c)前記(b)工程によって得られた試料水に測定前
    処理試薬を加える工程、及び (d)前記(c)工程によって得られた試料水に所定波
    長の光を照射して吸光光度を測定する工程、を含むこと
    を特徴とする全窒素測定方法。
  2. 【請求項2】 前記(b)工程は、常温で行うことを特
    徴とする請求項1の全窒素測定方法。
  3. 【請求項3】 前記(b)工程は、常温から100℃以
    下に加熱した状態で行うことを特徴とする請求項1の全
    窒素測定方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱された試料水は前記測定前処理
    試薬を加える前に冷却することを特徴とする請求項3の
    全窒素測定方法
  5. 【請求項5】 前記酸化分解試薬は水酸化ナトリウムと
    ペルオキソ二硫酸カリウムとを含み、前記測定前処理試
    薬は前記試料水を酸性に調整する塩酸を含み、前記所定
    波長は硝酸イオンに特有の220nmであることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の全窒素測定
    方法。
  6. 【請求項6】 全窒素を測定する装置において、 (A)(a)試料水及び酸化分解試薬が供給される分解
    槽と、 (b)前記分解槽内に配置され、電源に電気的に接続さ
    れた陽極及び陰極を備えた電極部材と、 (c)前記分解槽内の試料水に紫外線を照射する紫外線
    照射手段と、を有し、紫外線を照射しながら試料水を所
    定時間電気分解する分解装置と、 (B)前記分解装置からの試料水と測定前処理試薬との
    試料水混合体が供給される測定セルと、 (C)前記測定セル内の試料水混合体に所定波長の光を
    照射し、吸光光度を測定する吸光光度検出部と、を有す
    ることを特徴とする全窒素測定装置。
  7. 【請求項7】 前記分解装置は、常温にて前記電気分解
    及び紫外線照射を行うことを特徴とする請求項6の全窒
    素測定装置。
  8. 【請求項8】 前記分解装置は、更に、試料水を常温か
    ら100℃以下に加熱する加熱手段を有することを特徴
    とする請求項6の全窒素測定装置。
  9. 【請求項9】 前記酸化分解試薬は水酸化ナトリウムと
    ペルオキソ二硫酸カリウムとを含み、前記測定前処理試
    薬は前記試料水を酸性に調整する塩酸を含み、前記所定
    波長は硝酸イオンに特有の220nmであることを特徴
    とする請求項6、7又は8の全窒素測定装置。
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