JP2004205192A - 冷凍機用ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】必要な流量を確保することができる冷凍機用ポンプを提供する。
【解決手段】蒸気発生室71で発生する蒸気圧を利用して液溜め室72内の液相冷媒を押し出す。これにより、流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生するといった問題が原理的に発生しない。したがって、蒸気発生室71で発生する蒸気圧を制御してり吐出流量を制御することにより必要な流量を確保することができる。また、廃熱により冷媒ポンプ70を駆動するので、冷媒ポンプ70での消費動力を大幅に低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】蒸気発生室71で発生する蒸気圧を利用して液溜め室72内の液相冷媒を押し出す。これにより、流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生するといった問題が原理的に発生しない。したがって、蒸気発生室71で発生する蒸気圧を制御してり吐出流量を制御することにより必要な流量を確保することができる。また、廃熱により冷媒ポンプ70を駆動するので、冷媒ポンプ70での消費動力を大幅に低減することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機用ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
出願人は、冷凍機の消費動力を低減することを目的とした発明(特願2002−21544号)を既に出願している。
【0003】
ところで、上記出願に係る発明では、加熱器をなす廃熱回収器に流体を送るポンプを必要とするが、このポンプの吸入側の圧力が低下すると、インペラ等の羽根車に表面近傍において流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生してしまう。
【0004】
そして、キャビテーションが発生すると、ポンプから吐出される液体の流量が低下してしまうので、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなる。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な冷凍機用ポンプを提供し、第2には、必要な流量を確保することができる冷凍機用ポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された作動流体が有するエネルギにて稼動するポンプ手段(30)と、ポンプ手段(30)に流入する作動流体を加熱する加熱器(40)とを有する冷凍機に用いられ、ポンプ手段(30)から流出した作動流体のうち液化した作動流体を加熱器(40)に送り出すポンプであって、作動流体を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生室(71)と、液化した作動流体が溜まるとともに、蒸気発生室(71)で発生した蒸気圧が作用する液溜め室(72)と、液溜め室(72)内の液化した作動流体を排出する排出口(73)と、液溜め室(72)内の蒸気圧を低下させる蒸気圧低下手段(74)とを備えることを特徴とする。
【0007】
これにより、本発明では、蒸気発生室(71)で発生する蒸気圧を利用して流体を押し出すように吐出するので、流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生するといった問題が原理的に発生しない。
【0008】
したがって、蒸気発生室(71)で発生する蒸気圧を制御してり吐出流量を制御することにより必要な流量を確保することができ、「従来の技術及び発明が解決しようとする課題」の欄で述べたような、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなるといった問題を解決することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、蒸気圧を液溜め室(72)の上方側に導く圧力導入手段(75)備え、さらに、排出口(73)は、液溜め室(72)内の液面より下方側に位置していることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の発明では、蒸気発生室(71)と液溜め室(72)とは、少なくとも上方側で連通しており、さらに、排出口(73)は、液溜め室(72)内の液面より下方側に位置していることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明では、液溜め室(72)はシリンダ(701)内を回転変位し、蒸気発生室(71)と液溜め室(72)とは、液溜め室(72)が所定位置にあるときに連通し、さらに、排出口(73)と液溜め室(72)とは、液溜め室(72)が所定位置と異なる所定位置にあるときに連通することを特徴とする。
【0012】
これにより、流体を連続的に吐出することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、液溜め室(72)は、シリンダ(701)内で回転するロータ(702)、ロータ(702)に出没可能に収納されたベーン(703)及びシリンダ(701)にて構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明では、蒸気圧低下手段(74)は、液溜め室(72)の蒸気を液溜め室(72)外に排出する蒸気排出口(74)により構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明では、蒸気圧低下手段(74)は、液溜め室(72)の蒸気を冷却する冷却手段により構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載の発明では、蒸気発生室(71)の容積は、蒸気発生室(71)の容積と液溜め室(72)の容積との和に、作動流体の飽和液比容積を作動流体の飽和ガス比容積を除した値を乗じた値であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項9に記載の発明では、蒸気発生室(71)内の作動流体の量が所定量以上となったときに、蒸気発生室(71)内の作動流体を加熱する加熱手段(140、150)を備えることを特徴とする。
【0018】
これにより、液溜め室(72)内の圧力を確実に上昇させて液溜め室(72)内の液相冷媒を確実に送り出すことができる。
【0019】
請求項10に記載の発明では、蒸気発生室(71)内の作動流体の量が所定量未満のときに、蒸気発生室(71)内の作動流体を冷却する冷却手段(140、150)を備えることを特徴とする。
【0020】
これにより、蒸気発生室(71)に十分な量の液相冷媒を溜めた後、加熱することとなるので、液溜め室(72)内の圧力を確実に上昇させて液溜め室72内の液相冷媒を確実に送り出すことができる。
【0021】
請求項11に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された冷媒が有するエネルギにて稼動する第1ポンプ(30)と、第1ポンプ(30)に流入する冷媒を加熱する加熱器(40)と、第1ポンプ(30)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を蒸発器(10)に供給する気液分離器(50)と、気液分離器(50)にて分離された液相冷媒を加熱器(40)に送り出す、請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプにて構成された第2ポンプ(70)と備え、蒸気排出口(74)は、放熱器(20)の冷媒出口(20a)から放熱器(20)の冷媒入口(20b)に至る冷媒通路のうち、液溜め室(72)より圧力が低い部位に接続されていることを特徴とする。
【0022】
これにより、液溜め室(72)内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができるので、第2ポンプ(70)を確実に稼動させることができる。
【0023】
請求項12に記載の発明では、蒸気排出口(74)は、気液分離器(50)と蒸発器(10)とを繋ぐ冷媒通路に接続されていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項13に記載の発明では、気液分離器(50)と蒸発器(10)とを繋ぐ冷媒通路には、冷媒を減圧する減圧手段(80)が設けられており、蒸気排出口(74)は、減圧手段(80)の冷媒出口側に接続されていることを特徴とするものである。
【0025】
請求項14に記載の発明では、蒸気排出口(74)は、蒸発器(10)の冷媒出口側に接続されていることを特徴とするものである。
【0026】
請求項15に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された冷媒が有するエネルギにて稼動する第1ポンプ(30)と、第1ポンプ(30)に流入する冷媒を加熱する加熱器(40)と、第1ポンプ(30)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を蒸発器(10)に供給する気液分離器(50)と、気液分離器(50)にて分離された液相冷媒を加熱器(40)に送り出す、請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプにて構成された第2ポンプ(70)と備え、蒸気排出口(74)は、放熱器(20)の冷媒通路途中に接続されていることを特徴とする。
【0027】
これにより、蒸気排出口(74)から排出されたガス成分を放熱器(20)にて冷却することができるので、蒸発器(10)に蒸気排出口(74)から排出された高温のガスが流れ込んでしまうことを防止できる。
【0028】
したがって、蒸発器(10)の冷却能力が低下してしまうことを未然に防止しながら、液溜め室(72)内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。
【0029】
請求項16に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された冷媒が有するエネルギにて稼動する第1ポンプ(30)と、第1ポンプ(30)に流入する冷媒を加熱する加熱器(40)と、第1ポンプ(30)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を蒸発器(10)に供給する気液分離器(50)と、気液分離器(50)にて分離された液相冷媒を加熱器(40)に送り出す、請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプにて構成された第2ポンプ(70)と備え、放熱器(20)は、複数器の熱交換器(21、22)にて構成されており、蒸気排出口(74)は、複数器の熱交換器(21、22)間を繋ぐ冷媒通路に接続されていることを特徴とする。
【0030】
これにより、蒸気排出口(74)から排出されたガス成分を複数器の熱交換器(21、22)のいずれかにてにて冷却することができるので、蒸発器(10)に蒸気排出口(74)から排出された高温のガスが流れ込んでしまうことを防止できる。
【0031】
したがって、蒸発器(10)の冷却能力が低下してしまうことを未然に防止しながら、液溜め室(72)内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。
【0032】
請求項17に記載の発明では、第1ポンプ(30)は、ノズル(31)から噴射する流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプであることを特徴とするものである。
【0033】
請求項18に記載の発明では、請求項8ないし14のいずれか1つに記載の冷凍機を備える車両用空調装置であって、蒸気発生室(71)は、車両で発生する廃熱を熱源として蒸気を発生させることを特徴とする。
【0034】
これにより、第2ポンプ(70)での消費動力を大幅に低減することができる。
【0035】
請求項19に記載の発明では、請求項10に記載の冷凍機用ポンプ(70)を備える冷凍機であって、高温のエンジン冷却水を熱源として加熱手段(140、150)が構成され、低温のエンジン冷却水を冷熱源として冷却手段(140、150)が構成されていることを特徴とするものである。
【0036】
請求項20に記載の発明では、請求項10に記載の冷凍機用ポンプ(70)を備える冷凍機であって、エンジン(100)を流出した高温のエンジン冷却水を熱源として加熱手段(140、150)が構成され、ラジエータ(110)にて冷却された低温のエンジン冷却水を冷熱源として冷却手段(140、150)が構成されていることを特徴とするものである。
【0037】
請求項21に記載の発明では、ラジエータ(110)にて冷却されたエンジン冷却水を更に冷却して冷熱源の温度を低下させるサブラジエータ(120)を備えることを特徴とするものである。
【0038】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る冷凍機を車両用空調装置に適用したものであって、図1は本実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【0040】
蒸発器10は冷媒を蒸発させることにより室内に吹き出す空気から吸熱して空気を冷却する低圧側冷媒熱交換器であり、放熱器20は蒸発器10にて蒸発した冷媒を冷却する高圧側冷媒熱交換器である。なお、本実施形態では、冷媒としていフロン(HFC134a)を採用している。
【0041】
エジェクタポンプ30は、蒸発器10側から冷媒を吸引して放熱器20側に吐出する第1ポンプ手段であり、具体的には、図2に示すように、高圧冷媒の圧力エネルギ(圧力ヘッド)を速度エネルギ(速度ヘッド)に変換して冷媒を減圧膨張させるノズル31、ノズル31から噴射する高速の冷媒噴流により蒸発器10側から冷媒を巻き込むように吸引しながら、ノズル31から噴射する冷媒と蒸発器10から吸引した冷媒とを混合させる混合部32、及び混合部32から流出する冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換して冷媒の圧力を昇圧させるディフューザ33等からなるものである。
【0042】
なお、エジェクタポンプ30においては、混合部32及びディフューザ33にて冷媒圧力が上昇するので、混合部32及びディフューザ33により昇圧部が構成される。
【0043】
また、図1中、廃熱熱交換器40は、走行用エンジンの廃熱、つまりエンジン冷却水を熱源としてノズル31に流入する冷媒を加熱する加熱手段であり、気液分離器50は、放熱器20から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるとともに、液相冷媒を廃熱熱交換器40及び蒸発器10側に供給するタンク手段である。
【0044】
なお、廃熱熱交換器40は、エンジン冷却水と冷媒とが、両者を対向流れ又は直交対向流流れの状態で熱交換させるように構成することが望ましい。
【0045】
圧縮機60は、電磁クラッチ等の動力を断続可能に伝達する動力伝達手段を介して走行用エンジンから動力を得て蒸発器10側から冷媒を吸引して放熱器20側に吐出するものであり、冷媒ポンプ70は気液分離器50から液相冷媒を吸引して廃熱熱交換器40側に冷媒を循環させる第2ポンプ手段である。なお、冷媒ポンプ70の詳細は後述する。
【0046】
減圧器80は、気液分離器50と蒸発器10とを結ぶ冷媒通路に設けられて冷媒を等エンタルピー的に減圧する減圧手段であり、本実施形態では、蒸発器10の冷媒出口における冷媒過熱度が所定値となるように開度が制御される温度式膨脹弁が採用されている。
【0047】
逆止弁81は圧縮機60から吐出された冷媒が放熱器20に流れることなく、ショートサーキットしてしまうこと防止するもので、蒸発器10からエジェクタポンプ30側に冷媒が流れることのみ許容する。
【0048】
次に、冷媒ポンプ70について述べる。
【0049】
図3は冷媒ポンプ70を示す概略図であり、蒸気発生室71は、内部に溜まった流体(本実施形態では、冷媒)を加熱して蒸気を発生させるサブタンクであり、液溜め室72は、液化した流体(本実施形態では、液相冷媒)が溜まるとともに、上方側で蒸気発生室71と連通して蒸気発生室71で発生した蒸気圧が作用するメインタンクである。
【0050】
なお、蒸気発生室71内は、エンジン冷却水により加熱されているとともに、本実施形態では、蒸気発生室71と液溜め室72との間に断熱用の空間を設けることにより蒸気発生室71と液溜め室72とを熱的に分断している。
【0051】
液相冷媒排出口73は、液溜め室72内の液相冷媒を廃熱熱交換器40側に排出するための排出口であり、気相冷媒排出口74は、液溜め室72内のガス成分を液溜め室72外に排出して液溜め室72内の蒸気圧を低下させる蒸気圧低下手段をなすものである。
【0052】
そして、液相冷媒排出口73は気相冷媒排出口74より下方側で開口し、気相冷媒排出口74は、蒸気発生室71と液溜め室72とを連通させる連通路75の最下部より上方側で開口している。
【0053】
なお、流入口76は、気液分離器50から送られて来た相冷媒を液溜め室72に排出するもので、本実施形態では、液溜め室72の最上部にて開口しているが、その位置は液溜め室72の最上部に限定されるものではない。
【0054】
また、流入口76側に設けられた第1バルブ77は、冷媒ポンプ70内(本実施形態では、液溜め室72内)に冷媒が流入することのみを許容し、冷媒ポンプ70内から冷媒ポンプ70外に冷媒が排出されることを阻止する逆止弁である。
【0055】
また、気相冷媒排出口74側に設けられた第2バルブ78は、液溜め室72内の圧力が所定圧力以下となったときに気相冷媒排出口74と、気液分離器50と蒸発器10とを繋ぐ冷媒通路のうち減圧器80の冷媒流れ上流側とを連通させる差圧弁である。
【0056】
なお、気相冷媒排出口74を接続する箇所は、放熱器20の冷媒出口20a(図1参照)から放熱器(20)の冷媒入口20b(図1参照)に至る冷媒通路のうち、後述する液送り出しモード終了時の液溜め室72より圧力が低い部位であればどこでもよい。
【0057】
また、液相冷媒排出口73側に設けられた第3バルブ79は、液溜め室72内の圧力と廃熱熱交換器40側との圧力差が所定圧力差以上となるように液溜め室72内の圧力が廃熱熱交換器40側の圧力より高くなったときに、液溜め室72内と廃熱熱交換器40側とを連通させるとともに、廃熱熱交換器40側から液溜め室72側に冷媒が流れ込むことを防止する弁である。
【0058】
次に、冷媒ポンプ70の作動を述べる。
【0059】
冷媒ポンプ70は、以下に述べる4つのモード、つまり液溜めモード、圧力上昇モード、液送り出しモード及び圧力降下モードを、液溜めモード→圧力上昇モード→液送り出しモード→圧力降下モード→液溜めモードの順で繰り返すことで液相冷媒を廃熱熱交換器40側に吐出する。
【0060】
1.液溜めモード(図4参照)
このモードでは、第1バルブ77及び第3バルブ79が開き、第2バルブ78が閉じた状態となるので、気液分離器50から液溜め室72に液相冷媒が流れ込み液溜め室72に液相冷媒が溜まっていく。
【0061】
なお、液溜め室72に冷媒を供給するに当たって、初回供給時は、図示しない電動ポンプ等の流体移動手段により供給し、初回供給以降は、液溜め室72と気液分離器50との圧力差を利用して供給する。
【0062】
2.圧力上昇モード(図5参照)
液溜め室72の液面高さが連通路75の最下部より上昇すると、液相冷媒の一部が蒸気発生室71内に流れ込んで加熱されて蒸発するため、蒸発した冷媒の圧力、つまり蒸気圧が次第に上昇していく。
【0063】
なお、第2バルブ78は開から閉になり、第3バルブ79は閉じたままであり、第1バルブ77は冷媒が液溜め室72に供給されている間、つまり初回供給時は電動ポンプが稼している間、初回供給以降は、気液分離器50の圧力が液溜め室72内の圧力より高い間は開き、その後、閉じる。
【0064】
3.送り出しモード(図6参照)
液溜め室72内の圧力が上昇して第3バルブ79が開くと、液溜め室72内の液相冷媒は、サイフォン内の液体のごとく、液溜め室72内の蒸気圧に押されて液溜め室72から吐出されて廃熱熱交換器40側に送り出される。
【0065】
4.圧力降下モード(図7参照)
蒸気発生室71内の冷媒が全て蒸発し、かつ、液溜め室72内の冷媒が吐出されて液溜め室72における気相冷媒の占める割合が上昇すると、液溜め室72内の圧力が低下するため、第2バルブ78が開いて液溜め室72内のガス成分が液溜め室72外、つまり冷媒ポンプ70外に排出される。
【0066】
なお、気液分離器50内の圧力は、圧縮機60の吐出圧又はエジェクタポンプ30の吐出圧相当であり、気相冷媒排出口74は減圧器80の冷媒入口側圧力相当であり、かつ、第1バルブ77として逆止弁を用いているので、液溜め室72のガスを排出しながら、液相冷媒が液溜め室72内に供給される場合もある。
【0067】
ところで、上述の作動説明から明らかなように、蒸気発生室71の容積V1は、蒸気発生室71の容積V1と液溜め室72の容積V2との和V(=V1+V2)に、作動流体である冷媒の飽和液比容積1/ρ1を作動流体の飽和ガス比容積1/ρ2を除した値を乗じた値、つまりV1=V×{(1/ρ1)/(1/ρ2)}とすることが望ましい。
【0068】
これは、蒸気発生室71及び液溜め室72内すべてが液相冷媒で満たされていたとき、蒸気発生室71内の液相冷媒が昇圧したい圧力下ですべて蒸発したときに、ちょうど液溜め室72の液相冷媒が昇圧したい圧力に昇圧されながら送り込まれるように計算された値である。
【0069】
次に、本実施形態に係る冷凍機の作動を述べる。
【0070】
エジェクタポンプ30及び圧縮機60は、共に冷媒を循環させるポンプ手段として機能するものでり、▲1▼圧縮機60を停止させて冷媒ポンプ70のみ稼動させれば、エジェクタポンプ30のみがポンプ手段として機能し、▲2▼冷媒ポンプ70を停止させて圧縮機60のみを稼動させれば、圧縮機60のみがポンプ手段として機能し、▲3▼圧縮機60及び冷媒ポンプ70の両者を稼動させれば、エジェクタポンプ30及び圧縮機60の両者がポンプ手段として機能して機能する。
【0071】
ここで、上記▲1▼〜▲3▼の場合における冷凍機の作動を述べておく。
【0072】
▲1▼エジェクタポンプ30のみがポンプ手段として機能する場合
エジェクタポンプ30のみをポンプ手段として機能させた場合には、図8に示すように、気液分離器50→冷媒ポンプ70→廃熱熱交換器40→エジェクタポンプ30→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する駆動流れと、気液分離器50→減圧器80→蒸発器10→エジェクタポンプ30→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する吸引流れとが発生する。
【0073】
因みに、図9はエジェクタポンプ30のみをポンプ手段として機能させた場合の冷凍機の冷媒状態を示すp−h線図であり、図9の番号は図8の●で示される位置の冷媒状態を示すものである。
【0074】
そして、駆動流れは、冷媒ポンプ70により冷媒を廃熱熱交換器40に循環させるに十分な程度まで昇圧されて廃熱熱交換器40に流入する。廃熱熱交換器40に流入した冷媒は、廃熱を吸熱してそのエンタルピーを増大させた状態でエジェクタポンプ30のノズル31に流入し、ノズル31にて等エントロピー的に減圧膨脹する。つまり、エジェクタポンプ30は、ノズル31にて低下したエンタルピー量に相当するポンプ仕事をする。
【0075】
▲2▼圧縮機60のみがポンプ手段として機能する場合
圧縮機60のみをポンプ手段として機能させた場合の作動は、通常の蒸気圧縮式冷凍機と同じであり、図9の1→2→3→7→1の順の順に冷媒状態が変化する。
【0076】
▲3▼エジェクタポンプ30及び圧縮機60をポンプ手段として機能させた場合
この場合には、上記▲1▼と▲2▼とを組み合わせ作動であり、蒸発器10内の冷媒は、圧縮機60及びエジェクタポンプ30の両者により吸引される。
【0077】
なお、上記説明における図9は、作動状態を示す一例であり、冷媒圧力及び温度等は図9に示される関係に限定されるものではない。具体的には、図9では、ノズル31に流入する冷媒の圧力は、空調負荷、つまり外気温度や蒸発器10で必要とされる冷凍能力等によって変化するものである。
【0078】
ところで、外気温度が低下すると、空調負荷が低下し放熱器20内の圧力が低下するので、エジェクタポンプ30にて廃熱から回収できるポンプ仕事が一定なならば、吸引流の流量、すなわち蒸発器10を流れる冷媒流量を増大させることができる。
【0079】
そして、図10は廃熱温度をパラメータとしたときの外気温度と蒸発器10で発生する冷凍能力(冷房能力)との関係を示すものである。
【0080】
そこで、本実施形態に係る空調装置では、空調熱負荷、つまり外気温度及び必要冷房能力に基づいて、エジェクタポンプ30のみにて蒸発器10側から放熱器20側に冷媒を循環させる場合、圧縮機60のみにて蒸発器10側から放熱器20側に冷媒を循環させる場合、並びに圧縮機60及びエジェクタポンプ30にて蒸発器10側から放熱器20側に冷媒を循環させる場合のいずれかを自動選択して運転するように制御している。
【0081】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0082】
本実施形態では、蒸気発生室71で発生する蒸気圧を利用して液相冷媒を押し出すように吐出するので、流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生するといった問題が原理的に発生しない。
【0083】
したがって、蒸気発生室71で発生する蒸気圧を制御してり吐出流量を制御することにより必要な流量を確保することができ、「従来の技術及び発明が解決しようとする課題」の欄で述べたような、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなるといった問題を解決することができる。
【0084】
また、廃熱により冷媒ポンプ70を駆動するので、冷媒ポンプ70での消費動力を大幅に低減することができる。
【0085】
(第2実施形態)
第1実施形態では、連通路75を介して液溜め室72から蒸気発生室71への液冷媒の供給、及び蒸気発生室71で発生した蒸気の液溜め室72室への供給を行ったが、本実施形態は、図11に示すように、連通路75では主に蒸気発生室71で発生した蒸気の液溜め室72室への供給を行い、液溜め室72から蒸気発生室71への液冷媒の供給は、液相冷媒通路75aを介して行うものである。
【0086】
なお、液相冷媒通路75aの冷媒吸入口75bは流入口76より下方側に開口させる必要がある。
【0087】
また、液溜めモード時のみバルブ75cを開き、圧力上昇モード及び液送り出しモードバルブ75cを閉じ、圧力降下モード時では、バルブ75cを開いても閉じてもどちらでもよい。つまり、液溜め室72内の圧力が所定圧力以下のときにバルブ75cを開けばよい。
【0088】
(第3実施形態)
本実施形態の冷媒ポンプ70は、図12に示すように、シリンダ701内で回転するロータ702、ロータ702に出没可能に収納された複数枚(本実施形態では、4枚)のベーン703及びシリンダ701にてシリンダ701内を回転変位する液溜め室72を構成したものである。
【0089】
そして、液溜め室72が所定位置(本実施形態では、72(b)の位置)にあるときに蒸気発生室71と液溜め室72とが連通し、液溜め室72が前記所定位置と異なる所定位置(本実施形態では、72(c)の位置)にあるときに液相冷媒排出口73と液溜め室72とが連通し、液溜め室72が前記2つの所定位置と異なる所定位置(本実施形態では、72(d)の位置)にあるときに気相冷媒排出口74と液溜め室72とが連通し、液溜め室72が前記2つの所定位置と異なる所定位置(本実施形態では、72(a)の位置)にあるときに流入口76と液溜め室72とが連通するように構成したものである。
【0090】
次に、本実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動を述べる。
【0091】
本実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動サイクルと上述の実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動サイクルとは基本的に同じであり、72(a)の位置ある液溜め室72が液溜めモードであり、72(b)の位置ある液溜め室72が圧力上昇モードであり、72(c)の位置ある液溜め室72が液送り出しモードであり、72(d)の位置ある液溜め室72が圧力降下モードである。
【0092】
つまり、初回起動時のみ、電動モータ等の回転駆動手段によりロータ702を回転させると、液溜め室72がシリンダ701内を回転変位しながら液溜めモード(図13参照)→圧力上昇モード(図14参照)→液送り出しモード(図15参照)→圧力降下モード(図16参照)→液溜めモードの順で繰り返すことで液相冷媒を廃熱熱交換器40側に吐出する。
【0093】
なお、本実施形態では、ロータ702の回転中心をシリンダ701の中心に対してずらすことにより、ロータ702が一方向(本実施形態では、左向き)に回るようにしている。
【0094】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0095】
蒸気発生室71で発生する蒸気圧を利用して液相冷媒を押し出すように吐出するので、流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生するといった問題が原理的に発生しない。
【0096】
したがって、蒸気発生室71で発生する蒸気圧を制御してり吐出流量を制御することにより必要な流量を確保することができ、「従来の技術及び発明が解決しようとする課題」の欄で述べたような、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなるといった問題を解決することができる。
【0097】
また、廃熱により冷媒ポンプ70を駆動するので、冷媒ポンプ70での消費動力を大幅に低減することができる。
【0098】
また、液溜め室72がシリンダ701内を回転変位しながら液溜めモード→圧力上昇モード→液送り出しモード→圧力降下モード→液溜めモードの順で繰り返すので、液相冷媒を連続的に廃熱熱交換器40側に吐出することができる。
【0099】
(第4実施形態)
本実施形態は、第3実施形態の変形例である。具体的には、第3実施形態では、ロータ702の回転中心をシリンダ701の中心に対してずらすことにより、ロータ702が確実に一方向に回るようにしたが、本実施形態では、図17に示すように、ロータ702の回転中心をシリンダ701の中心配置し、シリンダ701の異形(本実施形態では、略三角状)とすることにより、各モード時にベーン703に作用する力の総和がロータ702が一方向に回る向きとなるようにしたものである。
【0100】
なお、本実施形態では、所定の位置にある液溜め室72を加熱するとにより、所定の位置にある液溜め室72が蒸気発生室71として機能する。
【0101】
(第5実施形態)
上述の実施形態では、気相冷媒排出口74を減圧器80の冷媒流れ上流側に接続したが、本実施形態は、図18に示すように、減圧器80の上流側に冷媒を減圧する絞り81を設け、この絞り81の冷媒出口側に気相冷媒排出口74を接続したものである。なお、本実施形態に用いる冷媒ポンプ70は、第1〜4の実施形態のいずれでもよい。
【0102】
これにより、気相冷媒排出口74の接続先圧力を液溜め室72内圧力より確実に低下させることができるので、液溜め室72内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。延いては、冷媒ポンプ70を確実に稼動させることができる。
【0103】
因みに、本実施形態では、絞り81としてオリフィス等の絞り開度が固定された固定絞りを採用しているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0104】
(第6実施形態)
本実施形態は、図19に示すように、気相冷媒排出口74を蒸発器10の冷媒出口側に接続したものである。なお、本実施形態に用いる冷媒ポンプ70は、第1〜4の実施形態のいずれでもよい。
【0105】
これにより、気相冷媒排出口74の接続先圧力を液溜め室72内圧力より確実に低下させることができるので、液溜め室72内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。
【0106】
(第7実施形態)
本実施形態は、気相冷媒排出口74を放熱器20の冷媒通路途中に接続したものである。具体的には、図20に示すように、放熱器20を複数器の熱交換器21、22にて構成するとともに、気相冷媒排出口74を複数器の熱交換器21、22間を繋ぐ冷媒通路に接続したものである。
【0107】
これにより、気相冷媒排出口74から排出された気相冷媒を熱交換器22にて冷却することができるので、蒸発器10に気相冷媒排出口74から排出された高温の気相冷媒が流れ込んでしまうことを防止できる。
【0108】
したがって、蒸発器10の冷却能力が低下してしまうことを未然に防止しながら、液溜め室72内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。
【0109】
(第8実施形態)
上述の実施形態では、気相冷媒排出口74から液溜め室72の蒸気を液溜め室72外に排出することにより蒸気圧低下手段を構成したが、本実施形態は、図21に示すように、圧力降下モード時に液溜め室72の蒸気を冷却することにより蒸気圧低下手段を構成したものである。
【0110】
なお、冷却方法は、空冷、及び減圧器80にて減圧された低圧冷媒による冷却等のいずれの手段であってもよい。
【0111】
因みに、図19には第1実施形態に係る冷媒ポンプ70が記載されているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、第2〜4実施形態に係る冷媒ポンプ70のいずれであってもよい。
【0112】
(第9実施形態)
上述の実施形態では、常にエンジン冷却水を蒸気発生室71に供給していたが、本実施形態は、図22に示すように、蒸気発生室71内の液相冷媒量が所定量以上となったときのみ、エンジン100から流出した高温のエンジン冷却水を蒸気発生室71に供給し、蒸気発生室71内の液相冷媒量が所定量未満のときには、ラジエータ110及びサブラジエータ110にて冷却されて低温となったエンジン冷却水を蒸気発生室71に供給するものである。
【0113】
以下に、本実施形態を詳述する。エンジン100は走行用駆動源をなす内燃機関であり、ラジエータ110はエンジン100の温度を所定温度に保つためにエンジン冷却水を冷却する放熱器であり、サブラジエータ120は蒸気発生室71に低温のエンジン冷却水を供給するためにラジエータ110から流出したエンジン冷却水を更に冷却するものであり、切替弁140は蒸気発生室71に高温のエンジン冷却水を供給する場合と低温のエンジン冷却水を供給する場合とを切り替えるバルブである。
【0114】
また、ポンプ130はエンジン冷却水を循環させるものである。なお、本実施形態に係るポンプ130は、エンジン100から動力を受けて稼動するものであるが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば電動モータにて駆動してもよい。
【0115】
なお、上述の説明から明らかなように、蒸気発生室71に設けられた冷媒とエンジン冷却水とを熱交換する熱交換器150及び切替弁140により、特許請求の範囲に記載された加熱手段及び冷却手段を構成されており、熱交換器150に高温のエンジン冷却水が供給されたときには熱交換器150は加熱手段として機能し、熱交換器150に低温のエンジン冷却水が供給されたときには熱交換器150は冷却手段として機能する。
【0116】
次に、本実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動を述べる。
【0117】
本実施形態に係る冷媒ポンプ70の基本的作動は、第1実施形態に係る冷媒ポンプ70と同様に、液溜めモード→圧力上昇モード→液送り出しモード→圧力降下モード→液溜めモードの順で繰り返すことで液相冷媒を廃熱熱交換器40側に吐出するものである。そこで、以下、第1実施形態に係る冷媒ポンプ70との相違点を中心に本実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動を述べる。
【0118】
1.液溜めモード(図23参照)
このモードでは、第1バルブ77及び第3バルブ79が開き、第2バルブ78が閉じた状態となるので、気液分離器50から液溜め室72に液相冷媒が流れ込み液溜め室72に液相冷媒が溜まっていく。
【0119】
このとき、蒸気発生室71内の液相冷媒量は所定量未満であるため、熱交換器150に低温のエンジン冷却水が供給され、蒸気発生室71内の液相冷媒は蒸発することなく所定量まで溜まっていく。
【0120】
2.圧力上昇モード(図24参照)
蒸気発生室71内の液相冷媒量は所定量以上となったときに、熱交換器150に高温のエンジン冷却水を供給して蒸気発生室71内の液相冷媒を加熱して蒸気圧を上昇させる。
【0121】
なお、蒸気発生室71内の液相冷媒量は所定量以上となったか否かの判定は、液溜め室72若しくは蒸気発生室71内の圧力、又は蒸気発生室71内の液面高かさを検出するセンサの検出値、又はタイマー等の計測時間に基づいて判定される。
【0122】
3.送り出しモード(図25参照)
液溜め室72内の圧力が上昇して第3バルブ79が開くと、液溜め室72内の液相冷媒は、サイフォン内の液体のごとく、液溜め室72内の蒸気圧に押されて液溜め室72から吐出されて廃熱熱交換器40側に送り出される。
【0123】
そして、蒸気発生室71内の液相冷媒がほぼ無くなったとき、又は液溜め室72内の液相冷媒量が所定量以下となったときに、熱交換器150への高温エンジン冷却水の供給を停止して、低温のエンジン冷却水を供給し始める。
【0124】
4.圧力降下モード(図26参照)
蒸気発生室71内の冷媒が全て蒸発し、かつ、液溜め室72内の冷媒が吐出されて液溜め室72における気相冷媒の占める割合が上昇すると、液溜め室72内の圧力が低下するため、第2バルブ78が開いて液溜め室72内のガス成分が液溜め室72外、つまり冷媒ポンプ70外に排出される。
【0125】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0126】
これにより、蒸気発生室71に十分な量の液相冷媒を溜めた後、加熱することとなるので、液溜め室72内の圧力を確実に上昇させて液溜め室72内の液相冷媒を確実に送り出すことができる。
【0127】
なお、本実施形態では、エンジン冷却水にて蒸気発生室71内を加熱又は冷却したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0128】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1ポンプとしてノズル31から噴射する流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプ、つまりエジェクタポンプ30を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば膨脹機にて稼動するポンプ等を用いてもよい。
【0129】
また、第1、2実施形態では、流入口76は液溜め室72の最上流部に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0130】
また、第3実施形態では、蒸気発生室71が独立に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば所定の位置にある液溜め室72を加熱するようにしてもよい。なお、この場合、所定の位置にある液溜め室72が蒸気発生室71として機能する。
【0131】
また、第1、2実施形態に係る冷媒ポンプ70を複数台組み合わせて多気筒とすることにより、冷媒を連続的に送り出すようにしてもよい。なお、この場合、例えば蒸気発生室71を1つとして蒸気発生室71を複数の液溜め室72にて共有してもよい。
【0132】
また、第3実施形態に係る冷媒ポンプ70において、ロータ702をシリンダ701の中心に配置して各液溜め室72の体積を同一とし、ロータ702をモータやタービン等の回転機で回転させてもよい。
【0133】
すなわち、本発明は、蒸気圧を利用して液溜め室72内の液相冷媒を押し出すことによりキャビテーションによる弊害を解決するものであるので、上記のような構成とすれば、液溜め室72内の圧力を利用してロータ701を一方向に回転させることはできないものの、蒸気圧にて液溜め室72内の液相冷媒が押し出されるので、本発明の課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエジェクタの模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る冷凍機の冷媒流れを示す模式図である。
【図9】p−h線図である。
【図10】外気温度と冷房能力との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の第2実施形態に係る冷媒ポンプの模式図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの模式図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図17】本発明の第4実施形態に係る冷媒ポンプの模式図である。
【図18】本発明の第5実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図19】本発明の第6実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図20】本発明の第7実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図21】本発明の第8実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図22】本発明の第9実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図23】本発明の第9実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図24】本発明の第9実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図25】本発明の第9実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図26】本発明の第9実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【符号の説明】
10…蒸発器、20…放熱器、30…エジェクタポンプ、
40…廃熱熱交換器、50…気液分離器、60…圧縮機、
70…冷媒ポンプ、71…蒸気発生室71、72…液溜め室72、
80…減圧器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機用ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
出願人は、冷凍機の消費動力を低減することを目的とした発明(特願2002−21544号)を既に出願している。
【0003】
ところで、上記出願に係る発明では、加熱器をなす廃熱回収器に流体を送るポンプを必要とするが、このポンプの吸入側の圧力が低下すると、インペラ等の羽根車に表面近傍において流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生してしまう。
【0004】
そして、キャビテーションが発生すると、ポンプから吐出される液体の流量が低下してしまうので、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなる。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な冷凍機用ポンプを提供し、第2には、必要な流量を確保することができる冷凍機用ポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された作動流体が有するエネルギにて稼動するポンプ手段(30)と、ポンプ手段(30)に流入する作動流体を加熱する加熱器(40)とを有する冷凍機に用いられ、ポンプ手段(30)から流出した作動流体のうち液化した作動流体を加熱器(40)に送り出すポンプであって、作動流体を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生室(71)と、液化した作動流体が溜まるとともに、蒸気発生室(71)で発生した蒸気圧が作用する液溜め室(72)と、液溜め室(72)内の液化した作動流体を排出する排出口(73)と、液溜め室(72)内の蒸気圧を低下させる蒸気圧低下手段(74)とを備えることを特徴とする。
【0007】
これにより、本発明では、蒸気発生室(71)で発生する蒸気圧を利用して流体を押し出すように吐出するので、流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生するといった問題が原理的に発生しない。
【0008】
したがって、蒸気発生室(71)で発生する蒸気圧を制御してり吐出流量を制御することにより必要な流量を確保することができ、「従来の技術及び発明が解決しようとする課題」の欄で述べたような、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなるといった問題を解決することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、蒸気圧を液溜め室(72)の上方側に導く圧力導入手段(75)備え、さらに、排出口(73)は、液溜め室(72)内の液面より下方側に位置していることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の発明では、蒸気発生室(71)と液溜め室(72)とは、少なくとも上方側で連通しており、さらに、排出口(73)は、液溜め室(72)内の液面より下方側に位置していることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明では、液溜め室(72)はシリンダ(701)内を回転変位し、蒸気発生室(71)と液溜め室(72)とは、液溜め室(72)が所定位置にあるときに連通し、さらに、排出口(73)と液溜め室(72)とは、液溜め室(72)が所定位置と異なる所定位置にあるときに連通することを特徴とする。
【0012】
これにより、流体を連続的に吐出することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、液溜め室(72)は、シリンダ(701)内で回転するロータ(702)、ロータ(702)に出没可能に収納されたベーン(703)及びシリンダ(701)にて構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明では、蒸気圧低下手段(74)は、液溜め室(72)の蒸気を液溜め室(72)外に排出する蒸気排出口(74)により構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明では、蒸気圧低下手段(74)は、液溜め室(72)の蒸気を冷却する冷却手段により構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載の発明では、蒸気発生室(71)の容積は、蒸気発生室(71)の容積と液溜め室(72)の容積との和に、作動流体の飽和液比容積を作動流体の飽和ガス比容積を除した値を乗じた値であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項9に記載の発明では、蒸気発生室(71)内の作動流体の量が所定量以上となったときに、蒸気発生室(71)内の作動流体を加熱する加熱手段(140、150)を備えることを特徴とする。
【0018】
これにより、液溜め室(72)内の圧力を確実に上昇させて液溜め室(72)内の液相冷媒を確実に送り出すことができる。
【0019】
請求項10に記載の発明では、蒸気発生室(71)内の作動流体の量が所定量未満のときに、蒸気発生室(71)内の作動流体を冷却する冷却手段(140、150)を備えることを特徴とする。
【0020】
これにより、蒸気発生室(71)に十分な量の液相冷媒を溜めた後、加熱することとなるので、液溜め室(72)内の圧力を確実に上昇させて液溜め室72内の液相冷媒を確実に送り出すことができる。
【0021】
請求項11に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された冷媒が有するエネルギにて稼動する第1ポンプ(30)と、第1ポンプ(30)に流入する冷媒を加熱する加熱器(40)と、第1ポンプ(30)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を蒸発器(10)に供給する気液分離器(50)と、気液分離器(50)にて分離された液相冷媒を加熱器(40)に送り出す、請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプにて構成された第2ポンプ(70)と備え、蒸気排出口(74)は、放熱器(20)の冷媒出口(20a)から放熱器(20)の冷媒入口(20b)に至る冷媒通路のうち、液溜め室(72)より圧力が低い部位に接続されていることを特徴とする。
【0022】
これにより、液溜め室(72)内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができるので、第2ポンプ(70)を確実に稼動させることができる。
【0023】
請求項12に記載の発明では、蒸気排出口(74)は、気液分離器(50)と蒸発器(10)とを繋ぐ冷媒通路に接続されていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項13に記載の発明では、気液分離器(50)と蒸発器(10)とを繋ぐ冷媒通路には、冷媒を減圧する減圧手段(80)が設けられており、蒸気排出口(74)は、減圧手段(80)の冷媒出口側に接続されていることを特徴とするものである。
【0025】
請求項14に記載の発明では、蒸気排出口(74)は、蒸発器(10)の冷媒出口側に接続されていることを特徴とするものである。
【0026】
請求項15に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された冷媒が有するエネルギにて稼動する第1ポンプ(30)と、第1ポンプ(30)に流入する冷媒を加熱する加熱器(40)と、第1ポンプ(30)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を蒸発器(10)に供給する気液分離器(50)と、気液分離器(50)にて分離された液相冷媒を加熱器(40)に送り出す、請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプにて構成された第2ポンプ(70)と備え、蒸気排出口(74)は、放熱器(20)の冷媒通路途中に接続されていることを特徴とする。
【0027】
これにより、蒸気排出口(74)から排出されたガス成分を放熱器(20)にて冷却することができるので、蒸発器(10)に蒸気排出口(74)から排出された高温のガスが流れ込んでしまうことを防止できる。
【0028】
したがって、蒸発器(10)の冷却能力が低下してしまうことを未然に防止しながら、液溜め室(72)内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。
【0029】
請求項16に記載の発明では、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、蒸発器(10)側から冷媒を吸引して放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された冷媒が有するエネルギにて稼動する第1ポンプ(30)と、第1ポンプ(30)に流入する冷媒を加熱する加熱器(40)と、第1ポンプ(30)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を蒸発器(10)に供給する気液分離器(50)と、気液分離器(50)にて分離された液相冷媒を加熱器(40)に送り出す、請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプにて構成された第2ポンプ(70)と備え、放熱器(20)は、複数器の熱交換器(21、22)にて構成されており、蒸気排出口(74)は、複数器の熱交換器(21、22)間を繋ぐ冷媒通路に接続されていることを特徴とする。
【0030】
これにより、蒸気排出口(74)から排出されたガス成分を複数器の熱交換器(21、22)のいずれかにてにて冷却することができるので、蒸発器(10)に蒸気排出口(74)から排出された高温のガスが流れ込んでしまうことを防止できる。
【0031】
したがって、蒸発器(10)の冷却能力が低下してしまうことを未然に防止しながら、液溜め室(72)内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。
【0032】
請求項17に記載の発明では、第1ポンプ(30)は、ノズル(31)から噴射する流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプであることを特徴とするものである。
【0033】
請求項18に記載の発明では、請求項8ないし14のいずれか1つに記載の冷凍機を備える車両用空調装置であって、蒸気発生室(71)は、車両で発生する廃熱を熱源として蒸気を発生させることを特徴とする。
【0034】
これにより、第2ポンプ(70)での消費動力を大幅に低減することができる。
【0035】
請求項19に記載の発明では、請求項10に記載の冷凍機用ポンプ(70)を備える冷凍機であって、高温のエンジン冷却水を熱源として加熱手段(140、150)が構成され、低温のエンジン冷却水を冷熱源として冷却手段(140、150)が構成されていることを特徴とするものである。
【0036】
請求項20に記載の発明では、請求項10に記載の冷凍機用ポンプ(70)を備える冷凍機であって、エンジン(100)を流出した高温のエンジン冷却水を熱源として加熱手段(140、150)が構成され、ラジエータ(110)にて冷却された低温のエンジン冷却水を冷熱源として冷却手段(140、150)が構成されていることを特徴とするものである。
【0037】
請求項21に記載の発明では、ラジエータ(110)にて冷却されたエンジン冷却水を更に冷却して冷熱源の温度を低下させるサブラジエータ(120)を備えることを特徴とするものである。
【0038】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る冷凍機を車両用空調装置に適用したものであって、図1は本実施形態に係る冷凍機の模式図である。
【0040】
蒸発器10は冷媒を蒸発させることにより室内に吹き出す空気から吸熱して空気を冷却する低圧側冷媒熱交換器であり、放熱器20は蒸発器10にて蒸発した冷媒を冷却する高圧側冷媒熱交換器である。なお、本実施形態では、冷媒としていフロン(HFC134a)を採用している。
【0041】
エジェクタポンプ30は、蒸発器10側から冷媒を吸引して放熱器20側に吐出する第1ポンプ手段であり、具体的には、図2に示すように、高圧冷媒の圧力エネルギ(圧力ヘッド)を速度エネルギ(速度ヘッド)に変換して冷媒を減圧膨張させるノズル31、ノズル31から噴射する高速の冷媒噴流により蒸発器10側から冷媒を巻き込むように吸引しながら、ノズル31から噴射する冷媒と蒸発器10から吸引した冷媒とを混合させる混合部32、及び混合部32から流出する冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換して冷媒の圧力を昇圧させるディフューザ33等からなるものである。
【0042】
なお、エジェクタポンプ30においては、混合部32及びディフューザ33にて冷媒圧力が上昇するので、混合部32及びディフューザ33により昇圧部が構成される。
【0043】
また、図1中、廃熱熱交換器40は、走行用エンジンの廃熱、つまりエンジン冷却水を熱源としてノズル31に流入する冷媒を加熱する加熱手段であり、気液分離器50は、放熱器20から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるとともに、液相冷媒を廃熱熱交換器40及び蒸発器10側に供給するタンク手段である。
【0044】
なお、廃熱熱交換器40は、エンジン冷却水と冷媒とが、両者を対向流れ又は直交対向流流れの状態で熱交換させるように構成することが望ましい。
【0045】
圧縮機60は、電磁クラッチ等の動力を断続可能に伝達する動力伝達手段を介して走行用エンジンから動力を得て蒸発器10側から冷媒を吸引して放熱器20側に吐出するものであり、冷媒ポンプ70は気液分離器50から液相冷媒を吸引して廃熱熱交換器40側に冷媒を循環させる第2ポンプ手段である。なお、冷媒ポンプ70の詳細は後述する。
【0046】
減圧器80は、気液分離器50と蒸発器10とを結ぶ冷媒通路に設けられて冷媒を等エンタルピー的に減圧する減圧手段であり、本実施形態では、蒸発器10の冷媒出口における冷媒過熱度が所定値となるように開度が制御される温度式膨脹弁が採用されている。
【0047】
逆止弁81は圧縮機60から吐出された冷媒が放熱器20に流れることなく、ショートサーキットしてしまうこと防止するもので、蒸発器10からエジェクタポンプ30側に冷媒が流れることのみ許容する。
【0048】
次に、冷媒ポンプ70について述べる。
【0049】
図3は冷媒ポンプ70を示す概略図であり、蒸気発生室71は、内部に溜まった流体(本実施形態では、冷媒)を加熱して蒸気を発生させるサブタンクであり、液溜め室72は、液化した流体(本実施形態では、液相冷媒)が溜まるとともに、上方側で蒸気発生室71と連通して蒸気発生室71で発生した蒸気圧が作用するメインタンクである。
【0050】
なお、蒸気発生室71内は、エンジン冷却水により加熱されているとともに、本実施形態では、蒸気発生室71と液溜め室72との間に断熱用の空間を設けることにより蒸気発生室71と液溜め室72とを熱的に分断している。
【0051】
液相冷媒排出口73は、液溜め室72内の液相冷媒を廃熱熱交換器40側に排出するための排出口であり、気相冷媒排出口74は、液溜め室72内のガス成分を液溜め室72外に排出して液溜め室72内の蒸気圧を低下させる蒸気圧低下手段をなすものである。
【0052】
そして、液相冷媒排出口73は気相冷媒排出口74より下方側で開口し、気相冷媒排出口74は、蒸気発生室71と液溜め室72とを連通させる連通路75の最下部より上方側で開口している。
【0053】
なお、流入口76は、気液分離器50から送られて来た相冷媒を液溜め室72に排出するもので、本実施形態では、液溜め室72の最上部にて開口しているが、その位置は液溜め室72の最上部に限定されるものではない。
【0054】
また、流入口76側に設けられた第1バルブ77は、冷媒ポンプ70内(本実施形態では、液溜め室72内)に冷媒が流入することのみを許容し、冷媒ポンプ70内から冷媒ポンプ70外に冷媒が排出されることを阻止する逆止弁である。
【0055】
また、気相冷媒排出口74側に設けられた第2バルブ78は、液溜め室72内の圧力が所定圧力以下となったときに気相冷媒排出口74と、気液分離器50と蒸発器10とを繋ぐ冷媒通路のうち減圧器80の冷媒流れ上流側とを連通させる差圧弁である。
【0056】
なお、気相冷媒排出口74を接続する箇所は、放熱器20の冷媒出口20a(図1参照)から放熱器(20)の冷媒入口20b(図1参照)に至る冷媒通路のうち、後述する液送り出しモード終了時の液溜め室72より圧力が低い部位であればどこでもよい。
【0057】
また、液相冷媒排出口73側に設けられた第3バルブ79は、液溜め室72内の圧力と廃熱熱交換器40側との圧力差が所定圧力差以上となるように液溜め室72内の圧力が廃熱熱交換器40側の圧力より高くなったときに、液溜め室72内と廃熱熱交換器40側とを連通させるとともに、廃熱熱交換器40側から液溜め室72側に冷媒が流れ込むことを防止する弁である。
【0058】
次に、冷媒ポンプ70の作動を述べる。
【0059】
冷媒ポンプ70は、以下に述べる4つのモード、つまり液溜めモード、圧力上昇モード、液送り出しモード及び圧力降下モードを、液溜めモード→圧力上昇モード→液送り出しモード→圧力降下モード→液溜めモードの順で繰り返すことで液相冷媒を廃熱熱交換器40側に吐出する。
【0060】
1.液溜めモード(図4参照)
このモードでは、第1バルブ77及び第3バルブ79が開き、第2バルブ78が閉じた状態となるので、気液分離器50から液溜め室72に液相冷媒が流れ込み液溜め室72に液相冷媒が溜まっていく。
【0061】
なお、液溜め室72に冷媒を供給するに当たって、初回供給時は、図示しない電動ポンプ等の流体移動手段により供給し、初回供給以降は、液溜め室72と気液分離器50との圧力差を利用して供給する。
【0062】
2.圧力上昇モード(図5参照)
液溜め室72の液面高さが連通路75の最下部より上昇すると、液相冷媒の一部が蒸気発生室71内に流れ込んで加熱されて蒸発するため、蒸発した冷媒の圧力、つまり蒸気圧が次第に上昇していく。
【0063】
なお、第2バルブ78は開から閉になり、第3バルブ79は閉じたままであり、第1バルブ77は冷媒が液溜め室72に供給されている間、つまり初回供給時は電動ポンプが稼している間、初回供給以降は、気液分離器50の圧力が液溜め室72内の圧力より高い間は開き、その後、閉じる。
【0064】
3.送り出しモード(図6参照)
液溜め室72内の圧力が上昇して第3バルブ79が開くと、液溜め室72内の液相冷媒は、サイフォン内の液体のごとく、液溜め室72内の蒸気圧に押されて液溜め室72から吐出されて廃熱熱交換器40側に送り出される。
【0065】
4.圧力降下モード(図7参照)
蒸気発生室71内の冷媒が全て蒸発し、かつ、液溜め室72内の冷媒が吐出されて液溜め室72における気相冷媒の占める割合が上昇すると、液溜め室72内の圧力が低下するため、第2バルブ78が開いて液溜め室72内のガス成分が液溜め室72外、つまり冷媒ポンプ70外に排出される。
【0066】
なお、気液分離器50内の圧力は、圧縮機60の吐出圧又はエジェクタポンプ30の吐出圧相当であり、気相冷媒排出口74は減圧器80の冷媒入口側圧力相当であり、かつ、第1バルブ77として逆止弁を用いているので、液溜め室72のガスを排出しながら、液相冷媒が液溜め室72内に供給される場合もある。
【0067】
ところで、上述の作動説明から明らかなように、蒸気発生室71の容積V1は、蒸気発生室71の容積V1と液溜め室72の容積V2との和V(=V1+V2)に、作動流体である冷媒の飽和液比容積1/ρ1を作動流体の飽和ガス比容積1/ρ2を除した値を乗じた値、つまりV1=V×{(1/ρ1)/(1/ρ2)}とすることが望ましい。
【0068】
これは、蒸気発生室71及び液溜め室72内すべてが液相冷媒で満たされていたとき、蒸気発生室71内の液相冷媒が昇圧したい圧力下ですべて蒸発したときに、ちょうど液溜め室72の液相冷媒が昇圧したい圧力に昇圧されながら送り込まれるように計算された値である。
【0069】
次に、本実施形態に係る冷凍機の作動を述べる。
【0070】
エジェクタポンプ30及び圧縮機60は、共に冷媒を循環させるポンプ手段として機能するものでり、▲1▼圧縮機60を停止させて冷媒ポンプ70のみ稼動させれば、エジェクタポンプ30のみがポンプ手段として機能し、▲2▼冷媒ポンプ70を停止させて圧縮機60のみを稼動させれば、圧縮機60のみがポンプ手段として機能し、▲3▼圧縮機60及び冷媒ポンプ70の両者を稼動させれば、エジェクタポンプ30及び圧縮機60の両者がポンプ手段として機能して機能する。
【0071】
ここで、上記▲1▼〜▲3▼の場合における冷凍機の作動を述べておく。
【0072】
▲1▼エジェクタポンプ30のみがポンプ手段として機能する場合
エジェクタポンプ30のみをポンプ手段として機能させた場合には、図8に示すように、気液分離器50→冷媒ポンプ70→廃熱熱交換器40→エジェクタポンプ30→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する駆動流れと、気液分離器50→減圧器80→蒸発器10→エジェクタポンプ30→放熱器20→気液分離器50の順に冷媒が循環する吸引流れとが発生する。
【0073】
因みに、図9はエジェクタポンプ30のみをポンプ手段として機能させた場合の冷凍機の冷媒状態を示すp−h線図であり、図9の番号は図8の●で示される位置の冷媒状態を示すものである。
【0074】
そして、駆動流れは、冷媒ポンプ70により冷媒を廃熱熱交換器40に循環させるに十分な程度まで昇圧されて廃熱熱交換器40に流入する。廃熱熱交換器40に流入した冷媒は、廃熱を吸熱してそのエンタルピーを増大させた状態でエジェクタポンプ30のノズル31に流入し、ノズル31にて等エントロピー的に減圧膨脹する。つまり、エジェクタポンプ30は、ノズル31にて低下したエンタルピー量に相当するポンプ仕事をする。
【0075】
▲2▼圧縮機60のみがポンプ手段として機能する場合
圧縮機60のみをポンプ手段として機能させた場合の作動は、通常の蒸気圧縮式冷凍機と同じであり、図9の1→2→3→7→1の順の順に冷媒状態が変化する。
【0076】
▲3▼エジェクタポンプ30及び圧縮機60をポンプ手段として機能させた場合
この場合には、上記▲1▼と▲2▼とを組み合わせ作動であり、蒸発器10内の冷媒は、圧縮機60及びエジェクタポンプ30の両者により吸引される。
【0077】
なお、上記説明における図9は、作動状態を示す一例であり、冷媒圧力及び温度等は図9に示される関係に限定されるものではない。具体的には、図9では、ノズル31に流入する冷媒の圧力は、空調負荷、つまり外気温度や蒸発器10で必要とされる冷凍能力等によって変化するものである。
【0078】
ところで、外気温度が低下すると、空調負荷が低下し放熱器20内の圧力が低下するので、エジェクタポンプ30にて廃熱から回収できるポンプ仕事が一定なならば、吸引流の流量、すなわち蒸発器10を流れる冷媒流量を増大させることができる。
【0079】
そして、図10は廃熱温度をパラメータとしたときの外気温度と蒸発器10で発生する冷凍能力(冷房能力)との関係を示すものである。
【0080】
そこで、本実施形態に係る空調装置では、空調熱負荷、つまり外気温度及び必要冷房能力に基づいて、エジェクタポンプ30のみにて蒸発器10側から放熱器20側に冷媒を循環させる場合、圧縮機60のみにて蒸発器10側から放熱器20側に冷媒を循環させる場合、並びに圧縮機60及びエジェクタポンプ30にて蒸発器10側から放熱器20側に冷媒を循環させる場合のいずれかを自動選択して運転するように制御している。
【0081】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0082】
本実施形態では、蒸気発生室71で発生する蒸気圧を利用して液相冷媒を押し出すように吐出するので、流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生するといった問題が原理的に発生しない。
【0083】
したがって、蒸気発生室71で発生する蒸気圧を制御してり吐出流量を制御することにより必要な流量を確保することができ、「従来の技術及び発明が解決しようとする課題」の欄で述べたような、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなるといった問題を解決することができる。
【0084】
また、廃熱により冷媒ポンプ70を駆動するので、冷媒ポンプ70での消費動力を大幅に低減することができる。
【0085】
(第2実施形態)
第1実施形態では、連通路75を介して液溜め室72から蒸気発生室71への液冷媒の供給、及び蒸気発生室71で発生した蒸気の液溜め室72室への供給を行ったが、本実施形態は、図11に示すように、連通路75では主に蒸気発生室71で発生した蒸気の液溜め室72室への供給を行い、液溜め室72から蒸気発生室71への液冷媒の供給は、液相冷媒通路75aを介して行うものである。
【0086】
なお、液相冷媒通路75aの冷媒吸入口75bは流入口76より下方側に開口させる必要がある。
【0087】
また、液溜めモード時のみバルブ75cを開き、圧力上昇モード及び液送り出しモードバルブ75cを閉じ、圧力降下モード時では、バルブ75cを開いても閉じてもどちらでもよい。つまり、液溜め室72内の圧力が所定圧力以下のときにバルブ75cを開けばよい。
【0088】
(第3実施形態)
本実施形態の冷媒ポンプ70は、図12に示すように、シリンダ701内で回転するロータ702、ロータ702に出没可能に収納された複数枚(本実施形態では、4枚)のベーン703及びシリンダ701にてシリンダ701内を回転変位する液溜め室72を構成したものである。
【0089】
そして、液溜め室72が所定位置(本実施形態では、72(b)の位置)にあるときに蒸気発生室71と液溜め室72とが連通し、液溜め室72が前記所定位置と異なる所定位置(本実施形態では、72(c)の位置)にあるときに液相冷媒排出口73と液溜め室72とが連通し、液溜め室72が前記2つの所定位置と異なる所定位置(本実施形態では、72(d)の位置)にあるときに気相冷媒排出口74と液溜め室72とが連通し、液溜め室72が前記2つの所定位置と異なる所定位置(本実施形態では、72(a)の位置)にあるときに流入口76と液溜め室72とが連通するように構成したものである。
【0090】
次に、本実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動を述べる。
【0091】
本実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動サイクルと上述の実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動サイクルとは基本的に同じであり、72(a)の位置ある液溜め室72が液溜めモードであり、72(b)の位置ある液溜め室72が圧力上昇モードであり、72(c)の位置ある液溜め室72が液送り出しモードであり、72(d)の位置ある液溜め室72が圧力降下モードである。
【0092】
つまり、初回起動時のみ、電動モータ等の回転駆動手段によりロータ702を回転させると、液溜め室72がシリンダ701内を回転変位しながら液溜めモード(図13参照)→圧力上昇モード(図14参照)→液送り出しモード(図15参照)→圧力降下モード(図16参照)→液溜めモードの順で繰り返すことで液相冷媒を廃熱熱交換器40側に吐出する。
【0093】
なお、本実施形態では、ロータ702の回転中心をシリンダ701の中心に対してずらすことにより、ロータ702が一方向(本実施形態では、左向き)に回るようにしている。
【0094】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0095】
蒸気発生室71で発生する蒸気圧を利用して液相冷媒を押し出すように吐出するので、流体圧力が局所的に低下して流体が沸騰し、キャビテーションが発生するといった問題が原理的に発生しない。
【0096】
したがって、蒸気発生室71で発生する蒸気圧を制御してり吐出流量を制御することにより必要な流量を確保することができ、「従来の技術及び発明が解決しようとする課題」の欄で述べたような、ポンプ、つまり羽根車の回転数を増大させても吐出流量が増大しなくなり、必要な流量を確保することができなくなるといった問題を解決することができる。
【0097】
また、廃熱により冷媒ポンプ70を駆動するので、冷媒ポンプ70での消費動力を大幅に低減することができる。
【0098】
また、液溜め室72がシリンダ701内を回転変位しながら液溜めモード→圧力上昇モード→液送り出しモード→圧力降下モード→液溜めモードの順で繰り返すので、液相冷媒を連続的に廃熱熱交換器40側に吐出することができる。
【0099】
(第4実施形態)
本実施形態は、第3実施形態の変形例である。具体的には、第3実施形態では、ロータ702の回転中心をシリンダ701の中心に対してずらすことにより、ロータ702が確実に一方向に回るようにしたが、本実施形態では、図17に示すように、ロータ702の回転中心をシリンダ701の中心配置し、シリンダ701の異形(本実施形態では、略三角状)とすることにより、各モード時にベーン703に作用する力の総和がロータ702が一方向に回る向きとなるようにしたものである。
【0100】
なお、本実施形態では、所定の位置にある液溜め室72を加熱するとにより、所定の位置にある液溜め室72が蒸気発生室71として機能する。
【0101】
(第5実施形態)
上述の実施形態では、気相冷媒排出口74を減圧器80の冷媒流れ上流側に接続したが、本実施形態は、図18に示すように、減圧器80の上流側に冷媒を減圧する絞り81を設け、この絞り81の冷媒出口側に気相冷媒排出口74を接続したものである。なお、本実施形態に用いる冷媒ポンプ70は、第1〜4の実施形態のいずれでもよい。
【0102】
これにより、気相冷媒排出口74の接続先圧力を液溜め室72内圧力より確実に低下させることができるので、液溜め室72内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。延いては、冷媒ポンプ70を確実に稼動させることができる。
【0103】
因みに、本実施形態では、絞り81としてオリフィス等の絞り開度が固定された固定絞りを採用しているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0104】
(第6実施形態)
本実施形態は、図19に示すように、気相冷媒排出口74を蒸発器10の冷媒出口側に接続したものである。なお、本実施形態に用いる冷媒ポンプ70は、第1〜4の実施形態のいずれでもよい。
【0105】
これにより、気相冷媒排出口74の接続先圧力を液溜め室72内圧力より確実に低下させることができるので、液溜め室72内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。
【0106】
(第7実施形態)
本実施形態は、気相冷媒排出口74を放熱器20の冷媒通路途中に接続したものである。具体的には、図20に示すように、放熱器20を複数器の熱交換器21、22にて構成するとともに、気相冷媒排出口74を複数器の熱交換器21、22間を繋ぐ冷媒通路に接続したものである。
【0107】
これにより、気相冷媒排出口74から排出された気相冷媒を熱交換器22にて冷却することができるので、蒸発器10に気相冷媒排出口74から排出された高温の気相冷媒が流れ込んでしまうことを防止できる。
【0108】
したがって、蒸発器10の冷却能力が低下してしまうことを未然に防止しながら、液溜め室72内のガス成分を確実、かつ、速やかに排出することができる。
【0109】
(第8実施形態)
上述の実施形態では、気相冷媒排出口74から液溜め室72の蒸気を液溜め室72外に排出することにより蒸気圧低下手段を構成したが、本実施形態は、図21に示すように、圧力降下モード時に液溜め室72の蒸気を冷却することにより蒸気圧低下手段を構成したものである。
【0110】
なお、冷却方法は、空冷、及び減圧器80にて減圧された低圧冷媒による冷却等のいずれの手段であってもよい。
【0111】
因みに、図19には第1実施形態に係る冷媒ポンプ70が記載されているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、第2〜4実施形態に係る冷媒ポンプ70のいずれであってもよい。
【0112】
(第9実施形態)
上述の実施形態では、常にエンジン冷却水を蒸気発生室71に供給していたが、本実施形態は、図22に示すように、蒸気発生室71内の液相冷媒量が所定量以上となったときのみ、エンジン100から流出した高温のエンジン冷却水を蒸気発生室71に供給し、蒸気発生室71内の液相冷媒量が所定量未満のときには、ラジエータ110及びサブラジエータ110にて冷却されて低温となったエンジン冷却水を蒸気発生室71に供給するものである。
【0113】
以下に、本実施形態を詳述する。エンジン100は走行用駆動源をなす内燃機関であり、ラジエータ110はエンジン100の温度を所定温度に保つためにエンジン冷却水を冷却する放熱器であり、サブラジエータ120は蒸気発生室71に低温のエンジン冷却水を供給するためにラジエータ110から流出したエンジン冷却水を更に冷却するものであり、切替弁140は蒸気発生室71に高温のエンジン冷却水を供給する場合と低温のエンジン冷却水を供給する場合とを切り替えるバルブである。
【0114】
また、ポンプ130はエンジン冷却水を循環させるものである。なお、本実施形態に係るポンプ130は、エンジン100から動力を受けて稼動するものであるが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば電動モータにて駆動してもよい。
【0115】
なお、上述の説明から明らかなように、蒸気発生室71に設けられた冷媒とエンジン冷却水とを熱交換する熱交換器150及び切替弁140により、特許請求の範囲に記載された加熱手段及び冷却手段を構成されており、熱交換器150に高温のエンジン冷却水が供給されたときには熱交換器150は加熱手段として機能し、熱交換器150に低温のエンジン冷却水が供給されたときには熱交換器150は冷却手段として機能する。
【0116】
次に、本実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動を述べる。
【0117】
本実施形態に係る冷媒ポンプ70の基本的作動は、第1実施形態に係る冷媒ポンプ70と同様に、液溜めモード→圧力上昇モード→液送り出しモード→圧力降下モード→液溜めモードの順で繰り返すことで液相冷媒を廃熱熱交換器40側に吐出するものである。そこで、以下、第1実施形態に係る冷媒ポンプ70との相違点を中心に本実施形態に係る冷媒ポンプ70の作動を述べる。
【0118】
1.液溜めモード(図23参照)
このモードでは、第1バルブ77及び第3バルブ79が開き、第2バルブ78が閉じた状態となるので、気液分離器50から液溜め室72に液相冷媒が流れ込み液溜め室72に液相冷媒が溜まっていく。
【0119】
このとき、蒸気発生室71内の液相冷媒量は所定量未満であるため、熱交換器150に低温のエンジン冷却水が供給され、蒸気発生室71内の液相冷媒は蒸発することなく所定量まで溜まっていく。
【0120】
2.圧力上昇モード(図24参照)
蒸気発生室71内の液相冷媒量は所定量以上となったときに、熱交換器150に高温のエンジン冷却水を供給して蒸気発生室71内の液相冷媒を加熱して蒸気圧を上昇させる。
【0121】
なお、蒸気発生室71内の液相冷媒量は所定量以上となったか否かの判定は、液溜め室72若しくは蒸気発生室71内の圧力、又は蒸気発生室71内の液面高かさを検出するセンサの検出値、又はタイマー等の計測時間に基づいて判定される。
【0122】
3.送り出しモード(図25参照)
液溜め室72内の圧力が上昇して第3バルブ79が開くと、液溜め室72内の液相冷媒は、サイフォン内の液体のごとく、液溜め室72内の蒸気圧に押されて液溜め室72から吐出されて廃熱熱交換器40側に送り出される。
【0123】
そして、蒸気発生室71内の液相冷媒がほぼ無くなったとき、又は液溜め室72内の液相冷媒量が所定量以下となったときに、熱交換器150への高温エンジン冷却水の供給を停止して、低温のエンジン冷却水を供給し始める。
【0124】
4.圧力降下モード(図26参照)
蒸気発生室71内の冷媒が全て蒸発し、かつ、液溜め室72内の冷媒が吐出されて液溜め室72における気相冷媒の占める割合が上昇すると、液溜め室72内の圧力が低下するため、第2バルブ78が開いて液溜め室72内のガス成分が液溜め室72外、つまり冷媒ポンプ70外に排出される。
【0125】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0126】
これにより、蒸気発生室71に十分な量の液相冷媒を溜めた後、加熱することとなるので、液溜め室72内の圧力を確実に上昇させて液溜め室72内の液相冷媒を確実に送り出すことができる。
【0127】
なお、本実施形態では、エンジン冷却水にて蒸気発生室71内を加熱又は冷却したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0128】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1ポンプとしてノズル31から噴射する流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプ、つまりエジェクタポンプ30を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば膨脹機にて稼動するポンプ等を用いてもよい。
【0129】
また、第1、2実施形態では、流入口76は液溜め室72の最上流部に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0130】
また、第3実施形態では、蒸気発生室71が独立に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば所定の位置にある液溜め室72を加熱するようにしてもよい。なお、この場合、所定の位置にある液溜め室72が蒸気発生室71として機能する。
【0131】
また、第1、2実施形態に係る冷媒ポンプ70を複数台組み合わせて多気筒とすることにより、冷媒を連続的に送り出すようにしてもよい。なお、この場合、例えば蒸気発生室71を1つとして蒸気発生室71を複数の液溜め室72にて共有してもよい。
【0132】
また、第3実施形態に係る冷媒ポンプ70において、ロータ702をシリンダ701の中心に配置して各液溜め室72の体積を同一とし、ロータ702をモータやタービン等の回転機で回転させてもよい。
【0133】
すなわち、本発明は、蒸気圧を利用して液溜め室72内の液相冷媒を押し出すことによりキャビテーションによる弊害を解決するものであるので、上記のような構成とすれば、液溜め室72内の圧力を利用してロータ701を一方向に回転させることはできないものの、蒸気圧にて液溜め室72内の液相冷媒が押し出されるので、本発明の課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエジェクタの模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る冷凍機の冷媒流れを示す模式図である。
【図9】p−h線図である。
【図10】外気温度と冷房能力との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の第2実施形態に係る冷媒ポンプの模式図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの模式図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図17】本発明の第4実施形態に係る冷媒ポンプの模式図である。
【図18】本発明の第5実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図19】本発明の第6実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図20】本発明の第7実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図21】本発明の第8実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図22】本発明の第9実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図23】本発明の第9実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図24】本発明の第9実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図25】本発明の第9実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【図26】本発明の第9実施形態に係る冷媒ポンプの作動説明図である。
【符号の説明】
10…蒸発器、20…放熱器、30…エジェクタポンプ、
40…廃熱熱交換器、50…気液分離器、60…圧縮機、
70…冷媒ポンプ、71…蒸気発生室71、72…液溜め室72、
80…減圧器。
Claims (21)
- 冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、
前記蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、
前記蒸発器(10)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された作動流体が有するエネルギにて稼動するポンプ手段(30)と、
前記ポンプ手段(30)に流入する作動流体を加熱する加熱器(40)とを有する冷凍機に用いられ、
前記ポンプ手段(30)から流出した作動流体のうち液化した作動流体を前記加熱器(40)に送り出すポンプであって、
作動流体を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生室(71)と、
液化した作動流体が溜まるとともに、前記蒸気発生室(71)で発生した蒸気圧が作用する液溜め室(72)と、
前記液溜め室(72)内の液化した作動流体を排出する排出口(73)と、
前記液溜め室(72)内の前記蒸気圧を低下させる蒸気圧低下手段(74)とを備えることを特徴とする冷凍機用ポンプ。 - 前記蒸気圧を前記液溜め室(72)の上方側に導く圧力導入手段(75)備え、
さらに、前記排出口(73)は、前記液溜め室(72)内の液面より下方側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の冷凍機用ポンプ。 - 前記蒸気発生室(71)と前記液溜め室(72)とは、少なくとも上方側で連通しており、
さらに、前記排出口(73)は、前記液溜め室(72)内の液面より下方側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の冷凍機用ポンプ。 - 前記液溜め室(72)はシリンダ(701)内を回転変位し、
前記蒸気発生室(71)と前記液溜め室(72)とは、前記液溜め室(72)が所定位置にあるときに連通し、
さらに、前記排出口(73)と前記液溜め室(72)とは、前記液溜め室(72)が前記所定位置と異なる所定位置にあるときに連通することを特徴とする請求項1に記載の冷凍機用ポンプ。 - 前記液溜め室(72)は、前記シリンダ(701)内で回転するロータ(702)、前記ロータ(702)に出没可能に収納されたベーン(703)及び前記シリンダ(701)にて構成されていることを特徴とする請求項4に記載の冷凍機用ポンプ。
- 前記蒸気圧低下手段(74)は、前記液溜め室(72)の蒸気を前記液溜め室(72)外に排出する蒸気排出口(74)により構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプ。
- 前記蒸気圧低下手段(74)は、前記液溜め室(72)の蒸気を冷却する冷却手段により構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプ。
- 前記蒸気発生室(71)の容積は、前記蒸気発生室(71)の容積と前記液溜め室(72)の容積との和に、作動流体の飽和液比容積を作動流体の飽和ガス比容積を除した値を乗じた値であることを特徴とする請求項1ないし7に記載の冷凍機用ポンプ。
- 前記蒸気発生室(71)内の作動流体の量が所定量以上となったときに、前記蒸気発生室(71)内の作動流体を加熱する加熱手段(140、150)を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプ。
- 前記蒸気発生室(71)内の作動流体の量が所定量未満のときに、前記蒸気発生室(71)内の作動流体を冷却する冷却手段(140、150)を備えることを特徴とする請求項9に記載の冷凍機用ポンプ。
- 冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、
前記蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、
前記蒸発器(10)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された冷媒が有するエネルギにて稼動する第1ポンプ(30)と、前記第1ポンプ(30)に流入する冷媒を加熱する加熱器(40)と、
前記第1ポンプ(30)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を前記蒸発器(10)に供給する気液分離器(50)と、
前記気液分離器(50)にて分離された液相冷媒を前記加熱器(40)に送り出す、請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプにて構成された第2ポンプ(70)と備え、
前記蒸気排出口(74)は、前記放熱器(20)の冷媒出口(20a)から前記放熱器(20)の冷媒入口(20b)に至る冷媒通路のうち、前記液溜め室(72)より圧力が低い部位に接続されていることを特徴とする冷凍機。 - 前記蒸気排出口(74)は、前記気液分離器(50)と前記蒸発器(10)とを繋ぐ冷媒通路に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の冷凍機。
- 前記気液分離器(50)と前記蒸発器(10)とを繋ぐ冷媒通路には、冷媒を減圧する減圧手段(80)が設けられており、
前記蒸気排出口(74)は、前記減圧手段(80)の冷媒出口側に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の冷凍機。 - 前記蒸気排出口(74)は、前記蒸発器(10)の冷媒出口側に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の冷凍機。
- 冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、
前記蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、
前記蒸発器(10)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された冷媒が有するエネルギにて稼動する第1ポンプ(30)と、
前記第1ポンプ(30)に流入する冷媒を加熱する加熱器(40)と、
前記第1ポンプ(30)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を前記蒸発器(10)に供給する気液分離器(50)と、
前記気液分離器(50)にて分離された液相冷媒を前記加熱器(40)に送り出す、請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプにて構成された第2ポンプ(70)と備え、
前記蒸気排出口(74)は、前記放熱器(20)の冷媒通路途中に接続されていることを特徴とする冷凍機。 - 冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器(10)と、
前記蒸発器(10)にて蒸発した冷媒を冷却する放熱器(20)と、
前記蒸発器(10)側から冷媒を吸引して前記放熱器(20)側に吐出するとともに、加熱された冷媒が有するエネルギにて稼動する第1ポンプ(30)と、
前記第1ポンプ(30)に流入する冷媒を加熱する加熱器(40)と、
前記第1ポンプ(30)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を前記蒸発器(10)に供給する気液分離器(50)と、
前記気液分離器(50)にて分離された液相冷媒を前記加熱器(40)に送り出す、請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍機用ポンプにて構成された第2ポンプ(70)と備え、
前記放熱器(20)は、複数器の熱交換器(21、22)にて構成されており、
前記蒸気排出口(74)は、前記複数器の熱交換器(21、22)間を繋ぐ冷媒通路に接続されていることを特徴とする冷凍機。 - 前記第1ポンプ(30)は、ノズル(31)から噴射する流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプであることを特徴とする請求項11ないし15のいずれか1つに記載の冷凍機。
- 請求項11ないし17のいずれか1つに記載の冷凍機を備える車両用空調装置であって、
前記蒸気発生室(71)は、車両で発生する廃熱を熱源として蒸気を発生させることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項10に記載の冷凍機用ポンプ(70)を備える冷凍機であって、
高温のエンジン冷却水を熱源として前記加熱手段(140、150)が構成され、低温のエンジン冷却水を冷熱源として前記冷却手段(140、150)が構成されていることを特徴とする車両用冷凍機。 - 請求項10に記載の冷凍機用ポンプ(70)を備える冷凍機であって、
エンジン(100)を流出した高温のエンジン冷却水を熱源として前記加熱手段(140、150)が構成され、ラジエータ(110)にて冷却された低温のエンジン冷却水を冷熱源として前記冷却手段(140、150)が構成されていることを特徴とする車両用冷凍機。 - 前記ラジエータ(110)にて冷却されたエンジン冷却水を更に冷却して前記冷熱源の温度を低下させるサブラジエータ(120)を備えることを特徴とする請求項20に記載の車両用冷凍機。
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