JP2004143951A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】過圧縮を防止し、容量の制御が可能なスクロール圧縮機の提供。
【解決手段】固定スクロール121及び旋回スクロール131に設けられた渦巻き状の隔壁123、133が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間Pの吸込み側109Aと吐出側109Bとの間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構140とを有し、該バイパス機構140は前記中間領域に連通しているバイパス通路143、144およびバイパス弁146を含み、該パイパス通路143、144は、高圧側のバイパス通路BHと、低圧側のバイパス通路BLとに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路BHには高圧側開閉弁(高圧バイパス弁157、又は逆止弁158)が介装されており、前記低圧側のバイパス通路BLには低圧側開閉弁(低圧バイパス弁、電磁弁156)が介装されている。
【選択図】 図1
【解決手段】固定スクロール121及び旋回スクロール131に設けられた渦巻き状の隔壁123、133が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間Pの吸込み側109Aと吐出側109Bとの間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構140とを有し、該バイパス機構140は前記中間領域に連通しているバイパス通路143、144およびバイパス弁146を含み、該パイパス通路143、144は、高圧側のバイパス通路BHと、低圧側のバイパス通路BLとに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路BHには高圧側開閉弁(高圧バイパス弁157、又は逆止弁158)が介装されており、前記低圧側のバイパス通路BLには低圧側開閉弁(低圧バイパス弁、電磁弁156)が介装されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール圧縮機に関する。特に、低外気温時の空調機の冷房運転や氷蓄熱式圧縮式冷凍機におけるピークカット運転、あるいは吸収冷凍機と圧縮式冷凍機とを組み合わせて成る複合冷凍装置の圧縮式冷凍機側へ、好適に適用することが出来るスクロール圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧縮機で効率が最も良いものの一例としてスクロール圧縮機が挙げられる。
スクロール圧縮機は渦巻状の2枚の羽根が複数の部屋を形成し、吐出口と連通する領域に至るまで、圧縮される流体が漏れること無く、圧縮することが出来る。
しかし、圧縮比が小さい用途では、圧縮途中に所定圧力まで到達してしまい、その後の仕事は無駄になってしまう。そのため、スクロール圧縮機は、吐出圧の低い運転条件には向いていなかった。
【0003】
圧縮比の小さい運転状態では、図2で示す様に、符号「c」で示す所定の吐出圧力には、圧縮行程の途中領域で到達してしまう。
しかし、吐出口とは連通していないため、c点以降の領域に存在する流体は、圧縮機から吐出されないので、吐出口に連通する領域まで、過圧縮状態となり、この間の圧縮仕事は無駄となる。
【0004】
また、従来、いわゆる電力ピークカット運転を行う蓄熱式空気調和装置が知られている。電力ピークカット運転とは、夜間に蓄熱した冷熱を電力消費量の多い昼間に冷熱源として利用し、昼間の消費電力のピークをカットする運転である。
特開平10−267433公報には、スクロール圧縮機の圧縮途中で冷媒ガスをバイパスし、圧縮機の吐出側と接続することで過圧縮を防止し、消費電力を削減する技術が開示されている。
なお、一般に、容量制御のためには回転数を制御する必要があり、この場合、インバータやインバータ対応の電動機が必要であり、高価である。
【0005】
また、スクロール圧縮機を圧縮式冷凍機の圧縮手段に用いた場合等においては、当該圧縮式冷凍機の冷凍能力に見合った冷媒圧縮能力を得るべく、容量制御が行われる。
【0006】
図6は、例えば特開平8−303361号公報に開示された従来のスクロール圧縮機の過圧縮防止機構及び容量制御機構の縦断面を表示することにより、その要部を概略的に示している。
図6において、スクロール圧縮機201の圧縮室P内の圧力が高圧室202Bの圧力よりも上昇した場合には、過圧縮バイパス孔251、過圧縮バイパス弁252で構成される過圧縮防止機構250により、圧縮室P内の冷媒を高圧室202Bにリークさせる。
これにより、図2に示すように圧縮室Pがバイパス孔251と接続されている間(図2のbの領域)においては圧縮室Pの圧力は吐出圧近くまで下がり、過圧縮を防止することが可能になる。
【0007】
容量制御運転時には、バイパス機構240に形成された背圧通路242に低圧冷媒ガスを導くことによって、圧縮途中の過剰な圧力によりバイパス弁246が押し上げられて開弁し、圧縮途中の冷媒ガスをバイパス孔244から戻し孔245を通って低圧室202A側にリークさせることにより冷凍能力に見合った容量制御が行われるように構成されている。
【0008】
しかしながら、かかる容量制御を行うために、従来技術では、スクロール圧縮機の内部に多数の流路を形成しなければならない。
その結果、製造、加工コストの増大、構造の複雑化、その他の問題が生じてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、空調機における低外気温での冷房や、氷蓄熱式空気調和装置におけるピークカット運転、あるいは吸収冷凍機と圧縮式冷凍機とを組み合わせて成る複合冷凍装置の圧縮式冷凍機側へ、好適に適用することが出来るスクロール圧縮機であって、低圧縮比運転条件下でも過圧縮の発生を防止することが出来、かつ容量制御が可能で、しかも、流路数が増加し過ぎてしまう事態を防止することが可能なスクロール圧縮機の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のスクロール圧縮機は、密閉容器内に収容された固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)と、該固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)とを有し、前記固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間(P)の吸込み側と(109A)吐出側(109B)との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構(140)とを有し、該バイパス機構(140)は前記中間領域に連通しているバイパス通路(143、144)およびバイパス弁(146)を含み、該パイパス通路(143、144)およびバイパス弁(146)は、圧縮機吐出口(125)に接続された吐出配管(109B)に連通する高圧側のバイパス通路(BH)と、圧縮機吸込口(109)に接続された吸込配管(109A)に連通する低圧側のバイパス通路(BL)とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路(BH)には高圧側開閉弁(高圧バイパス弁157、又は逆止弁158)が介装されており、前記低圧側のバイパス通路(BL)には低圧側開閉弁(低圧バイパス弁、電磁弁156)が介装されていることを特徴としている(請求項1)。
【0011】
かかる構成を具備する本発明によれば、高圧側のバイパス通路(BH)と、高圧側開閉弁(高圧バイパス弁157、又は逆止弁158)とは、過圧縮制御用のバイパス機構を構成している。一方、低圧側のバイパス通路(BL)と、低圧側開閉弁(低圧バイパス弁、電磁弁156)とは、容量制御用のバイパス機構を構成している。
過圧縮制御用のバイパス管と、容量制御用のパイパス管とを同一の配管(前記中間領域に連通する配管)で構成し、密閉容器(102)の外側で、過圧縮制御用の高圧側のバイパス通路(BH)と容量制御用の低圧側のバイパス通路(BL)とに分岐させることにより、密閉容器(102)内の貫通孔の本数を可能な限り低減できる。
【0012】
そして、本発明のスクロール圧縮機を用いた蓄熱式空気調和装置は、蓄熱槽(22)と蓄熱熱交換器(8)とを備えて該蓄熱槽(22)と蓄熱熱交換器(8)との間で蓄熱媒体を循環させる蓄熱回路(20)と、主冷媒回路(10A)および蓄熱利用回路(10B)を備えて圧縮機(1)を介装し該圧縮機(1)から吐出された冷媒を循環する冷媒回路(10)とで構成され、前記主冷媒回路(10A)は室外熱交換器(3)と室内熱交換器(6)とを備えて該室外熱交換器(3)で冷媒を凝縮させ室内熱交換器(6)で蒸発させて循環させており、前記蓄熱利用回路(10B)は前記主冷媒回路(10A)の室外熱交換器(3)と並列に設けられ循環経路を流路切替手段で切り換えて前記蓄熱熱交換器(8)を介して蓄熱回路(20)の蓄熱媒体と熱交換を行って冷媒を凝縮させて循環させるように構成されており、前記冷媒回路(10)に介装されて冷媒を圧縮する圧縮機(1)は、密閉容器内に収容された固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)と、該固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)とを有し、前記固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間(P)の吸込み側(102A)と吐出側(102B)との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構(140)とを有し、該バイパス機構(140)は前記中間領域に連通しているバイパス通路(143、144)およびバイパス弁(146)を含み、該パイパス通路(143)は、圧縮機吐出口(124)に接続された吐出配管(109B)に連通する高圧側のバイパス通路(BH)と、圧縮機吸込口(109)に接続された吸込配管(109A)に連通する低圧側のバイパス通路(BL)とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路(BH)には高圧側開閉弁(157または158)が介装されており、前記低圧側のバイパス通路(BL)には低圧側開閉弁(156)が介装されていることを特徴としている(請求項2)。
【0013】
かかる構成による本発明の蓄熱式空気調和装置によれば、冷媒は、通常冷房運転においては高圧側開閉弁(158)を閉じることによりスクロール圧縮機(1)の本来の圧縮比で圧縮され、一方、蓄熱冷房運転においては低圧側開閉弁(156)を開くことにより低い凝縮圧力に見合った低圧縮比で圧縮される。そのため、蓄熱冷房運転においては、圧縮機(1)は、冷媒を過圧縮することがなく、無駄な圧縮仕事を行うことはない。
【0014】
また、本発明のスクロール圧縮機を用いた複合冷凍装置は、吸収冷凍機(A)と圧縮式冷凍機(B)とを組み合わせ、該圧縮式冷凍機(B)の圧縮機(1)と膨張弁(12B)とを連通する冷媒配管(LC)の領域が吸収冷凍機(A)の蒸発器内(61)に組み込まれ、圧縮式冷凍機(B)の冷媒配管(LC)内を流れる冷媒が吸収冷凍機(A)の蒸発器(61)内で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されており(或いは、吸収冷凍機Aの蒸発器61が、圧縮式冷凍機Bの凝縮器として機能する様に構成されており)、前記圧縮式冷凍機(B)側で冷媒を圧縮する圧縮機(1)は、密閉容器内に収容された固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)と、該固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)とを有し、前記固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間(P)の吸込み側(102A)と吐出側(102B)との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構(140)とを有し、該バイパス機構(140)は前記中間領域に連通しているバイパス通路(143、144)およびバイパス弁(146)を含み、該パイパス通路(143)は、圧縮機吐出口(124)に接続された吐出配管(109B)に連通する高圧側のバイパス通路(BH)と、圧縮機吸込口(109)に接続された吸込配管(109A)に連通する低圧側のバイパス通路(BL)とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路(BH)には高圧側開閉弁(157)が介装されており、前記低圧側のバイパス通路(BL)には低圧側開閉弁(156)が介装されていることを特徴としている(請求項3)。
【0015】
かかる構成の本発明のスクロール圧縮機(1)は、低圧縮比運転条件下でも過圧縮の発生を防止することが出来る上に、容量制御が可能であり、低負荷では省エネ運転が可能となる。
しかも、過圧縮制御用のバイパス管と、容量制御用のパイパス管とを部分的に同一の配管で構成することによって、加工費の削減に繋げることが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、スクロール式圧縮機1を説明する前に、本発明のスクロール圧縮機1が好適に利用できる蓄熱式空気調和装置について、図3を参照して説明する。
【0017】
図3は、氷蓄熱式空気調和装置の一実施形態の構成を示している。本空気調和装置90は、冷媒回路10と蓄熱回路20とより構成されており、そして、その冷媒回路10は、主冷媒回路10A及び蓄熱利用回路10Bを備えている。
【0018】
その主冷媒回路10Aは、圧縮機1、四路切換弁2、室外熱交換器3、電動膨張弁4、及び複数台の室内熱交換器6、6、・・・が冷媒配管7を介して順に接続されており、さらにその室内熱交換器6、6、・・・からは四路切換弁2に接続されて環状の閉回路に構成されている。また、電動膨張弁4と各室内熱交換器6、6、・・・との間、つまり各室内熱交換器6、6、・・・の上流側にはそれぞれ室内膨張弁5、5、・・・が設けられている。そして、室外熱交換器3と電動膨張弁4との間には、電磁弁から成る第1開閉弁9が設けられている。
その第1開閉弁9は、後述する第2開閉弁11やその他の弁15、17、18と共に、冷媒の循環経路を切り換えるための流路切換手段を構成している。
【0019】
また、前記蓄熱利用回路10Bは、一端が圧縮機1と四路切換弁2との間の冷媒配管7aに接続され、他端が第1開閉弁9と電動膨張弁4との間の冷媒配管7bに接続されており、即ち、前記主冷媒回路10Aの室外熱交換器3と並列に設けられたバイパス回路を形成している。
そして、その蓄熱利用回路10Bには、蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aが介装されており、また、冷媒配管7aとの接続箇所と蓄熱熱交換器8との間には、電磁弁から成る第2開閉弁11が設けられている。さらに、冷媒配管7bとの接続箇所と蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aとの間には、第1製氷電磁弁15と、その第1製氷電磁弁15に並列に設けられた製氷膨張弁16とが取り付けられている。
【0020】
また、第2製氷電磁弁17を有する補助回路10Dが設けられ、その一端が蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aと第2開閉弁11との間に接続され、他端が前記主冷媒回路10Aの圧縮機1吸入側49と四路切換弁2との間に接続されている。そして、温蓄熱運転用電磁弁18を有する補助回路10Eが、その一端が第1製氷電磁弁15と蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aとの間に接続され、他端が主冷媒回路10Aの電動膨張弁4と室内膨張弁5との間に接続されている。さらに、氷核生成部24を有する補助回路20Aが、蓄熱熱交換器8と並列に設けられている。
【0021】
一方、蓄熱回路20は、ポンプ21、蓄熱熱交換器8の水側熱交換部8B、氷核生成部24、過冷却解消部25、及び蓄熱槽22が水配管23によって順に接続されて構成されている。
その蓄熱熱交換器8、蓄熱槽22に冷熱を蓄える冷蓄熱運転時には、冷媒回路10を循環する冷媒と蓄熱回路20を循環する水とを熱交換させ、その水を過冷却状態まで冷却する。そして、冷蓄熱を冷熱源として利用する蓄熱冷房運転時には、冷蓄熱を冷媒回路10に供給する。
氷核生成部24では、冷蓄熱運転時に冷媒回路10を流れる冷媒を膨張させることによって蓄熱回路20を流れる水を冷却氷化し、水配管23内面に氷核を生成する。また、過冷却解消部25では、冷蓄熱運転時に過冷却状態の水を攪拌混合し、その過冷却状態を解消してスラリー状の氷を生成する。そして、蓄熱槽22は、蓄熱熱交換器8において冷却された水、及び過冷却状態を解消して生成されたスラリー状の氷を貯留するタンクである。
【0022】
冷媒回路10の圧縮機1およびその周辺回路において、後記にて説明する圧縮機バイパス通路(図1、143)からは、高圧側バイパス通路57(図1、BH)が逆止弁(または電磁弁)56(図1、158または157)を介して吐出管53(図1、109B)に、そして、低圧側バイパス通路(図1、BL)がバイパス弁58(図1、156)を介して吸入側49(図1、109A)にそれぞれ接続されている。
【0023】
次に、上記空気調和装置90の動作について説明する。なお、以下の説明においては、内容の理解を容易にするため、冷媒の圧力損失は無視することとする。
【0024】
本空気調和装置90では、四路切換弁2、第1開閉弁9及び第2開閉弁11を切り換えることにより、蓄熱回路20を使用しない通常冷房運転及び通常暖房運転と、蓄熱回路20を利用する蓄熱冷房運転及び蓄熱暖房運転とを任意に選択して運転することができる。もちろん、蓄熱回路20内の蓄熱槽22に冷熱又は温熱を蓄える冷蓄熱運転又は温蓄熱運転も可能である。ここでは、本発明の特徴である通常冷房運転及び蓄熱冷房運転についてのみ説明し、他の運転についての説明を省略する。
【0025】
通常冷房運転:まず、通常冷房運転を説明する。通常冷房運転は、蓄熱回路20を利用しない運転である。この運転では、冷媒回路10内の冷媒は、主冷媒回路10Aを循環し、蓄熱利用回路10Bには流れない。
【0026】
通常冷房運転においては、四路切換弁2は図3に示す実線側に設定されており、第1開閉弁9は開状態に、第2開閉弁11は閉状態に設定される。
【0027】
圧縮機1から吐出された冷媒ガスは、四路切換弁2を経た後、そのまま主冷媒回路10Aを流れ、室外熱交換器3に流入する。そして、室外熱交換器3において、室外空気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、第1開閉弁9を通過した後、電動膨張弁4で流量が調整され、その後、各室内ユニットU1、U1、・・・に分配されて流入し、室内膨張弁5、5、・・・で減圧膨張され、室内熱交換器6、6、・・・に流入する。その室内熱交換器6、6、・・・で冷媒は蒸発し、室内空気を冷却する。室内熱交換器6、6、・・・を流出した冷媒は、四路切換弁2を経て、圧縮機1に吸入される。そして、圧縮機1に吸入された冷媒は、圧縮され、再び上記循環動作を繰り返す。以上のようにして室内の冷房が行われる。
【0028】
蓄熱冷房運転:次に、蓄熱冷房運転を説明する。この運転は、蓄熱槽22に蓄えられた冷熱を利用する運転であり、夏場の電力ピークをカットするために利用される運転である。
【0029】
蓄熱冷房運転においては、四路切換弁2は図3に示す実線側に設定されており、第1開閉弁9は閉状態に、第2開閉弁11は開状態に設定される。蓄熱槽22内には、深夜電力等を用いて安価に製造したスラリー状の氷が、冷熱源として貯留されている。
【0030】
蓄熱回路20では、蓄熱槽22内の冷水がポンプ21によって搬送され、回路内を循環している。蓄熱槽22から流出してポンプ21を通過した冷水は、蓄熱熱交換器8の水側熱交換部8Bに流入する。水側熱交換部8B内の冷水は、蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aを流れる冷媒を冷却する。そして、冷媒によって加熱された水は、水側熱交換部8Bを流出し、蓄熱槽22に流入する。この水は、貯留されている氷と熱交換して冷却され、冷水となって再び蓄熱槽22から流出し、上記循環動作を繰り返す。
【0031】
一方、冷媒回路10では、圧縮機1から吐出された冷媒は、蓄熱利用回路10Bに流入し、第2開閉弁11を通過して蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aに流入する。ここで、冷媒は、蓄熱熱交換器8の水側熱交換部8Bを流れる冷水によって冷却され、凝縮する。凝縮した冷媒は、冷媒側熱交換部8Aを流出した後、電動膨張弁4で流量調整される。その後、各室内ユニットU1、U1、・・・に分配され、室内膨張弁5、5、・・・で減圧膨張し、室内熱交換器6、6、・・・に流入する。冷媒は、室内熱交換器6、6、・・・で蒸発して室内空気を冷却する。室内熱交換器6、6、・・・を流出した冷媒は、四路切換弁2を経て、圧縮機1に吸入される。圧縮機1に吸入された冷媒は、圧縮され、再び上記循環動作を繰り返す。以上のようにして、蓄熱槽22内の冷蓄熱を利用した冷房が行われる。
【0032】
次に、前記通常冷房運転における冷媒の圧縮機1への吸入及び吐出動作、及び圧縮機1内の循環動作を説明する。
【0033】
通常冷房運転では、比較的高温の室外空気が熱源となるため、冷媒の凝縮温度は比較的高温となる。そのため、圧縮機の吐出圧力は比較的高くなる。本形態の場合、後記にて詳述する圧縮機のバイパス弁(後記図1、146)は、吐出圧力によって押されて逆止弁の作用により閉じたままになる。そのため、冷媒はバイパス弁(後記図1、146)からバイパスされることなく、すべて吐出口から吐出される。その結果、スクロール圧縮機本来の圧縮比で圧縮された冷媒は、すべて吐出管53を通じて四路切換弁2に流入し、上記の循環動作を行う。
【0034】
これにより、本圧縮機1は、バイパス回路が設けられていないスクロール圧縮機と同様の動作を行う。
また、容量制御が必要な場合には、容量制御用バイパス弁58を開弁し、圧縮途中のガスを吸入側に戻し、吐出冷媒ガス量を減少させることで対応可能である。
【0035】
次に、上記蓄熱冷房運転における冷媒の圧縮機1への吸入及び吐出動作、及び圧縮機1内の循環動作を説明する。
【0036】
蓄熱冷房運転では、比較的低温の冷水が熱源となるため、冷媒の凝縮温度は比較的低温となる。そのため、凝縮圧力は、比較的低くなる。その結果、圧縮室において過圧縮が発生し、バイパス弁(後記図1、146)の作用により、バイパス通路57は開いた状態になる。そのため、圧縮機1は、冷媒をスクロール圧縮機1本来の圧縮比まで昇圧せずに、凝縮圧力まで昇圧する。凝縮圧力まで昇圧された冷媒の一部は、バイパス弁(後記図1、146)を通じてバイパス通路57から吐出される。バイパス管(後記図1、案内管115)から吐出されなかった他の一部の冷媒は、吐出管53を通じて吐出される。そして、バイパス管57を流れた冷媒と吐出管53を流れた冷媒とは合流し、上記の循環動作を行う。
以上の動作により、圧縮機1は、過圧縮を発生することなく、冷媒を蒸発圧力から凝縮圧力まで昇圧する。
【0037】
次に、複合冷房装置について、図4を参照して説明する。
図4において、実施形態の複合冷凍装置は、吸収冷凍機Aと、圧縮冷凍機Bとによって構成されている。
該吸収冷凍機Aは、蒸発器61と、吸収器62と、再生器63と、凝縮器64と、前記吸収器62と前記再生器63との間に配置された溶液熱交換器65とを有している。
【0038】
蒸発器61と吸収器62とは回路L1で接続されている。吸収器62と再生器63とは回路L2と、該回路L2と逆向きの流れの回路L3とで接続されている。回路L2、回路L3はともに溶液熱交換器65を経由して流過する溶液の熱交換を行う。回路L2の吸収器62と溶液熱交換器65との間の領域には溶液の循環用ポンプ66が介装されている。また、回路L3の溶液熱交換器65と吸収器62との間の領域には減圧弁67が介装されている。
再生器63と凝縮器64とは回路L4で接続され、凝縮器64と蒸発器61とは減圧弁6を介装した回路L5で接続されている。
【0039】
尚、図4中の符号Wc2、Wh、Wc4は、符号順に吸収器62に冷熱を投入する冷却水のライン、再生器63に温熱を投入する温水ライン、凝縮器64に冷熱を投入する冷却水ラインを示す。
【0040】
圧縮式冷凍機Bは、スクロール圧縮機1と、膨張弁12Bと、室内機である蒸発器13Bと、スクロール圧縮機1と膨張弁12Bと蒸発器13Bとを循環する冷媒配管LCによって構成されている。
そして、スクロール圧縮機1と膨張弁12Bとの間の冷媒配管LCの領域が温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61内に組み込まれ、圧縮式冷凍機Aの冷媒回路(L1〜L5)内を流れる冷媒が温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61内で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されている。
【0041】
次に、図1を参照して、本発明の第1実施形態のスクロール圧縮機1を説明する。
図1で示すスクロール圧縮機1において、円筒状のケース103と、このケース103の上下両端部に被冠された上下両エンドキャップ104、105とで形成された密閉容器102内の上部には、冷媒ガスを圧縮室P内に導く吸入経路107を形成する一方、その下部に電動要素110を軸支している。
この電動要素110にて駆動するスクロール圧縮要素120は、容器102の上部に配置されている。
【0042】
前記スクロール圧縮要素120は上下に相対向する固定スクロール121と、旋回スクロール131とから構成される。そして前記電動要素110は、シャフト113を介して、旋回スクロール131を駆動する。
また、固定スクロール121の下方には渦巻状の隔壁123が形成されており、旋回スクロール131の上方には渦巻状の隔壁133が形成されている。そして、渦巻状の隔壁123、133を交互に噛み合わせることにより、複数の圧縮空間からなる圧縮室Pを形成している。
【0043】
前記旋回スクロール131は、その下方中央に形成した軸受け部134を、電動要素110のシャフト113の上端に設けた偏芯軸部114に軸合させることにより、前記電動要素110の駆動によって自転せずに固定スクロール121に対して公転させ、偏心運動を行わせる。
そして、前記圧縮室Pを、半径方向外方の低圧側圧縮空間から半径内方の高圧側圧縮空間に向かって次第に縮小させることにより、密閉容器102内の低圧室102A側に連通する吸入管109Aから流入し、吸入通路107を通して供給される冷媒ガスが圧縮される。
圧縮された冷媒ガスは、固定スクロール121の中央部に形成された圧縮室Pの高圧側に連通する吐出ポート124から、吐出弁125を介して高圧室102B側に吐出される。そして、この高圧室102Bに連通する吐出管109Bから、密閉容器102外に吐出され、凝縮器(吸収冷凍機Aの蒸発器61:図4参照)内で凝縮され、液化する。
【0044】
前記スクロール圧縮要素120に設けられた圧縮途中の冷媒ガスをバイパスさせるバイパス機構140は、前記固定スクロール121の上方に設けたカバー141を備え、該カバー141には冷媒回路(図4のLC)からの高圧冷媒ガスや、低圧冷媒ガスが選択的に供給される案内管115と、案内管115に連通するバイパス通路143とが形成されている。
バイパス通路143はバイパス弁146を介してバイパス通路144と連通しており、バイパス通路144は、圧縮室Pに連通している。
【0045】
前記パイパス通路143は、圧縮機吐出口124に接続された吐出配管109Bに連通する高圧側のバイパス通路BHと、圧縮機吸入口109に接続された吸入配管109Aに連通する低圧側のバイパス通路BLとに分岐している。
そして、前記高圧側のバイパス通路BHには高圧側開閉弁157が介装され、前記低圧側のバイパス通路BLには低圧側開閉弁156が介装されている。
【0046】
ここで、スクロール式圧縮機1では、前述の従来技術で図2を用いて説明したように、圧縮比の小さい運転条件では途中の領域では吐出弁と接続されていないため過圧縮され、無駄仕事となる。
この無駄仕事に対する対処方法及び容量制御については以下に説明する。
【0047】
上述のスクロール冷凍機1の運転に関して通常時運転と、容量制御を行った場合に分けて説明する。
【0048】
通常運転の際には、低圧側のバイパス通路BLを閉塞し(低圧開閉弁156を閉鎖し)、且つ、高圧側のバイパス通路BHを開放する(高圧開閉弁157を開放する)。
【0049】
その結果、中間領域bで過圧縮が発生した場合、差圧によりバイパス弁146が開弁し、バイパス通路144、バイパス弁146、バイパス通路143、案内管105、高圧側バイパス通路BHを介して、吐出配管109Bに送られて吐出される。
これにより、図2に示すように圧縮室Pがバイパス通路144と接続されている間(図2のbの領域)において、圧縮室Pの圧力は吐出圧近くまで下がり、過圧縮を防止することが可能になる。
【0050】
容量制御を行う際には、高圧側のバイパス通路BHは閉塞する(高圧バイパス弁157を閉鎖する)が、低圧側のバイパス通路BLは開放する(低圧バイパス弁156を開放する)。これにより、差圧によってバイパス弁146が開弁し、中間領域b2等に存在する気相冷媒は、バイパス通路144、バイパス弁146、バイパス通路143、案内管115、低圧側バイパス通路BLを介して、吸入配管109Aに送られて圧縮機1内に再度吸い込まれる。
【0051】
このように構成された第1実施形態のスクロール圧縮機1は、スクロール圧縮要素120に設けた圧縮途中の冷媒ガスを低圧側へバイパスさせて容量制御を行うバイパス機構140によって、低圧縮比運転条件下でも過圧縮の発生を防止することが出来る上に、容量制御が可能であり、低負荷では省エネ運転が可能となる。
また、過圧縮制御用のバイパス管と、容量制御用のパイパス管とを部分的に同一の配管で構成することによって、加工費の削減に繋げることが出来る。
【0052】
次に、図5を参照して第2実施形態を説明する。
図5の第2実施形態におけるスクロール圧縮機1Gは、図1及び図2の第1実施形態に対して、高圧側のバイパス通路BHに介装した開閉弁157を、逆止弁158に置き換えた点で相違する。それ以外は全て第1実施形態と同様である。
【0053】
高圧側のバイパス通路BHにおいて、高圧バイパス弁として逆止弁158を介装することによって、第1実施形態で行った高圧側のバイパス通路BHに関する制御は不要となる。
【0054】
なお、以上図示した実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【0055】
【発明の効果】
本発明の作用効果を以下に列記する。
(1) スクロール圧縮要素に設けた圧縮途中の冷媒ガスを高圧側へバイパスさせるバイパス機構によって、低圧縮比運転条件下でも過圧縮の発生を防止することが出来る。
(2) スクロール圧縮要素に設けた圧縮途中の冷媒ガスを低圧側へバイパスさせるバイパス機構によって、容量制御が可能となり、低負荷では省エネ運転が可能となる。
(3) 過圧縮制御用のバイパス管と、容量制御用のパイパス管とを部分的に同一の配管で構成することによって、加工費の削減に繋げることが出来る。
(4) 高圧側のバイパス通路において、高圧バイパス弁として逆止弁を介装することによって、高圧側のバイパス通路に関する制御は不要となる。
(5) 電力ピークカット運転を行う蓄熱式空気調和装置において、圧縮機に本発明のスクロール圧縮機を使用することで、蓄熱冷房運転での過圧縮による無駄仕事をなくし、電力ピークカットを一層促進することができる。
(6) 圧縮式冷凍機の凝縮器を吸収式冷凍機で冷却する方式において、圧縮機に本発明のスクロール圧縮機を使用することで、高効率かつ容量制御運転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の指圧線図。
【図3】本発明のスクロール圧縮機が好適に利用できる蓄熱式空気調和装置の全体構成を示すブロック図。
【図4】本発明のスクロール圧縮機が好適に利用出来る複合冷房装置の全体構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図。
【図6】従来技術のスクロール圧縮機の一例を示す要部断面図。
【符号の説明】
A・・・温水焚吸収冷凍機
B・・・圧縮式冷凍機
1、1G・・・スクロール圧縮機
8・・・蓄熱熱交換器
10・・・冷媒回路
20・・・蓄熱回路
22・・・蓄熱槽
90・・・空気調和装置
102A・・・低圧室
102B・・・高圧室
109A・・・吸入管
109B・・・吐出管
112B・・・減圧弁
113B・・・室内機
161・・・蒸発器
120・・・スクロール圧縮要素
121・・・固定スクロール
123、133・・・隔壁
131・・・旋回スクロール
140・・・バイパス機構
143、144・・・バイパス通路
146・・・バイパス弁
156、157・・・開閉弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール圧縮機に関する。特に、低外気温時の空調機の冷房運転や氷蓄熱式圧縮式冷凍機におけるピークカット運転、あるいは吸収冷凍機と圧縮式冷凍機とを組み合わせて成る複合冷凍装置の圧縮式冷凍機側へ、好適に適用することが出来るスクロール圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧縮機で効率が最も良いものの一例としてスクロール圧縮機が挙げられる。
スクロール圧縮機は渦巻状の2枚の羽根が複数の部屋を形成し、吐出口と連通する領域に至るまで、圧縮される流体が漏れること無く、圧縮することが出来る。
しかし、圧縮比が小さい用途では、圧縮途中に所定圧力まで到達してしまい、その後の仕事は無駄になってしまう。そのため、スクロール圧縮機は、吐出圧の低い運転条件には向いていなかった。
【0003】
圧縮比の小さい運転状態では、図2で示す様に、符号「c」で示す所定の吐出圧力には、圧縮行程の途中領域で到達してしまう。
しかし、吐出口とは連通していないため、c点以降の領域に存在する流体は、圧縮機から吐出されないので、吐出口に連通する領域まで、過圧縮状態となり、この間の圧縮仕事は無駄となる。
【0004】
また、従来、いわゆる電力ピークカット運転を行う蓄熱式空気調和装置が知られている。電力ピークカット運転とは、夜間に蓄熱した冷熱を電力消費量の多い昼間に冷熱源として利用し、昼間の消費電力のピークをカットする運転である。
特開平10−267433公報には、スクロール圧縮機の圧縮途中で冷媒ガスをバイパスし、圧縮機の吐出側と接続することで過圧縮を防止し、消費電力を削減する技術が開示されている。
なお、一般に、容量制御のためには回転数を制御する必要があり、この場合、インバータやインバータ対応の電動機が必要であり、高価である。
【0005】
また、スクロール圧縮機を圧縮式冷凍機の圧縮手段に用いた場合等においては、当該圧縮式冷凍機の冷凍能力に見合った冷媒圧縮能力を得るべく、容量制御が行われる。
【0006】
図6は、例えば特開平8−303361号公報に開示された従来のスクロール圧縮機の過圧縮防止機構及び容量制御機構の縦断面を表示することにより、その要部を概略的に示している。
図6において、スクロール圧縮機201の圧縮室P内の圧力が高圧室202Bの圧力よりも上昇した場合には、過圧縮バイパス孔251、過圧縮バイパス弁252で構成される過圧縮防止機構250により、圧縮室P内の冷媒を高圧室202Bにリークさせる。
これにより、図2に示すように圧縮室Pがバイパス孔251と接続されている間(図2のbの領域)においては圧縮室Pの圧力は吐出圧近くまで下がり、過圧縮を防止することが可能になる。
【0007】
容量制御運転時には、バイパス機構240に形成された背圧通路242に低圧冷媒ガスを導くことによって、圧縮途中の過剰な圧力によりバイパス弁246が押し上げられて開弁し、圧縮途中の冷媒ガスをバイパス孔244から戻し孔245を通って低圧室202A側にリークさせることにより冷凍能力に見合った容量制御が行われるように構成されている。
【0008】
しかしながら、かかる容量制御を行うために、従来技術では、スクロール圧縮機の内部に多数の流路を形成しなければならない。
その結果、製造、加工コストの増大、構造の複雑化、その他の問題が生じてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、空調機における低外気温での冷房や、氷蓄熱式空気調和装置におけるピークカット運転、あるいは吸収冷凍機と圧縮式冷凍機とを組み合わせて成る複合冷凍装置の圧縮式冷凍機側へ、好適に適用することが出来るスクロール圧縮機であって、低圧縮比運転条件下でも過圧縮の発生を防止することが出来、かつ容量制御が可能で、しかも、流路数が増加し過ぎてしまう事態を防止することが可能なスクロール圧縮機の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のスクロール圧縮機は、密閉容器内に収容された固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)と、該固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)とを有し、前記固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間(P)の吸込み側と(109A)吐出側(109B)との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構(140)とを有し、該バイパス機構(140)は前記中間領域に連通しているバイパス通路(143、144)およびバイパス弁(146)を含み、該パイパス通路(143、144)およびバイパス弁(146)は、圧縮機吐出口(125)に接続された吐出配管(109B)に連通する高圧側のバイパス通路(BH)と、圧縮機吸込口(109)に接続された吸込配管(109A)に連通する低圧側のバイパス通路(BL)とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路(BH)には高圧側開閉弁(高圧バイパス弁157、又は逆止弁158)が介装されており、前記低圧側のバイパス通路(BL)には低圧側開閉弁(低圧バイパス弁、電磁弁156)が介装されていることを特徴としている(請求項1)。
【0011】
かかる構成を具備する本発明によれば、高圧側のバイパス通路(BH)と、高圧側開閉弁(高圧バイパス弁157、又は逆止弁158)とは、過圧縮制御用のバイパス機構を構成している。一方、低圧側のバイパス通路(BL)と、低圧側開閉弁(低圧バイパス弁、電磁弁156)とは、容量制御用のバイパス機構を構成している。
過圧縮制御用のバイパス管と、容量制御用のパイパス管とを同一の配管(前記中間領域に連通する配管)で構成し、密閉容器(102)の外側で、過圧縮制御用の高圧側のバイパス通路(BH)と容量制御用の低圧側のバイパス通路(BL)とに分岐させることにより、密閉容器(102)内の貫通孔の本数を可能な限り低減できる。
【0012】
そして、本発明のスクロール圧縮機を用いた蓄熱式空気調和装置は、蓄熱槽(22)と蓄熱熱交換器(8)とを備えて該蓄熱槽(22)と蓄熱熱交換器(8)との間で蓄熱媒体を循環させる蓄熱回路(20)と、主冷媒回路(10A)および蓄熱利用回路(10B)を備えて圧縮機(1)を介装し該圧縮機(1)から吐出された冷媒を循環する冷媒回路(10)とで構成され、前記主冷媒回路(10A)は室外熱交換器(3)と室内熱交換器(6)とを備えて該室外熱交換器(3)で冷媒を凝縮させ室内熱交換器(6)で蒸発させて循環させており、前記蓄熱利用回路(10B)は前記主冷媒回路(10A)の室外熱交換器(3)と並列に設けられ循環経路を流路切替手段で切り換えて前記蓄熱熱交換器(8)を介して蓄熱回路(20)の蓄熱媒体と熱交換を行って冷媒を凝縮させて循環させるように構成されており、前記冷媒回路(10)に介装されて冷媒を圧縮する圧縮機(1)は、密閉容器内に収容された固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)と、該固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)とを有し、前記固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間(P)の吸込み側(102A)と吐出側(102B)との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構(140)とを有し、該バイパス機構(140)は前記中間領域に連通しているバイパス通路(143、144)およびバイパス弁(146)を含み、該パイパス通路(143)は、圧縮機吐出口(124)に接続された吐出配管(109B)に連通する高圧側のバイパス通路(BH)と、圧縮機吸込口(109)に接続された吸込配管(109A)に連通する低圧側のバイパス通路(BL)とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路(BH)には高圧側開閉弁(157または158)が介装されており、前記低圧側のバイパス通路(BL)には低圧側開閉弁(156)が介装されていることを特徴としている(請求項2)。
【0013】
かかる構成による本発明の蓄熱式空気調和装置によれば、冷媒は、通常冷房運転においては高圧側開閉弁(158)を閉じることによりスクロール圧縮機(1)の本来の圧縮比で圧縮され、一方、蓄熱冷房運転においては低圧側開閉弁(156)を開くことにより低い凝縮圧力に見合った低圧縮比で圧縮される。そのため、蓄熱冷房運転においては、圧縮機(1)は、冷媒を過圧縮することがなく、無駄な圧縮仕事を行うことはない。
【0014】
また、本発明のスクロール圧縮機を用いた複合冷凍装置は、吸収冷凍機(A)と圧縮式冷凍機(B)とを組み合わせ、該圧縮式冷凍機(B)の圧縮機(1)と膨張弁(12B)とを連通する冷媒配管(LC)の領域が吸収冷凍機(A)の蒸発器内(61)に組み込まれ、圧縮式冷凍機(B)の冷媒配管(LC)内を流れる冷媒が吸収冷凍機(A)の蒸発器(61)内で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されており(或いは、吸収冷凍機Aの蒸発器61が、圧縮式冷凍機Bの凝縮器として機能する様に構成されており)、前記圧縮式冷凍機(B)側で冷媒を圧縮する圧縮機(1)は、密閉容器内に収容された固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)と、該固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)とを有し、前記固定スクロール(121)及び旋回スクロール(131)に設けられた渦巻き状の隔壁(123、133)が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間(P)の吸込み側(102A)と吐出側(102B)との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構(140)とを有し、該バイパス機構(140)は前記中間領域に連通しているバイパス通路(143、144)およびバイパス弁(146)を含み、該パイパス通路(143)は、圧縮機吐出口(124)に接続された吐出配管(109B)に連通する高圧側のバイパス通路(BH)と、圧縮機吸込口(109)に接続された吸込配管(109A)に連通する低圧側のバイパス通路(BL)とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路(BH)には高圧側開閉弁(157)が介装されており、前記低圧側のバイパス通路(BL)には低圧側開閉弁(156)が介装されていることを特徴としている(請求項3)。
【0015】
かかる構成の本発明のスクロール圧縮機(1)は、低圧縮比運転条件下でも過圧縮の発生を防止することが出来る上に、容量制御が可能であり、低負荷では省エネ運転が可能となる。
しかも、過圧縮制御用のバイパス管と、容量制御用のパイパス管とを部分的に同一の配管で構成することによって、加工費の削減に繋げることが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、スクロール式圧縮機1を説明する前に、本発明のスクロール圧縮機1が好適に利用できる蓄熱式空気調和装置について、図3を参照して説明する。
【0017】
図3は、氷蓄熱式空気調和装置の一実施形態の構成を示している。本空気調和装置90は、冷媒回路10と蓄熱回路20とより構成されており、そして、その冷媒回路10は、主冷媒回路10A及び蓄熱利用回路10Bを備えている。
【0018】
その主冷媒回路10Aは、圧縮機1、四路切換弁2、室外熱交換器3、電動膨張弁4、及び複数台の室内熱交換器6、6、・・・が冷媒配管7を介して順に接続されており、さらにその室内熱交換器6、6、・・・からは四路切換弁2に接続されて環状の閉回路に構成されている。また、電動膨張弁4と各室内熱交換器6、6、・・・との間、つまり各室内熱交換器6、6、・・・の上流側にはそれぞれ室内膨張弁5、5、・・・が設けられている。そして、室外熱交換器3と電動膨張弁4との間には、電磁弁から成る第1開閉弁9が設けられている。
その第1開閉弁9は、後述する第2開閉弁11やその他の弁15、17、18と共に、冷媒の循環経路を切り換えるための流路切換手段を構成している。
【0019】
また、前記蓄熱利用回路10Bは、一端が圧縮機1と四路切換弁2との間の冷媒配管7aに接続され、他端が第1開閉弁9と電動膨張弁4との間の冷媒配管7bに接続されており、即ち、前記主冷媒回路10Aの室外熱交換器3と並列に設けられたバイパス回路を形成している。
そして、その蓄熱利用回路10Bには、蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aが介装されており、また、冷媒配管7aとの接続箇所と蓄熱熱交換器8との間には、電磁弁から成る第2開閉弁11が設けられている。さらに、冷媒配管7bとの接続箇所と蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aとの間には、第1製氷電磁弁15と、その第1製氷電磁弁15に並列に設けられた製氷膨張弁16とが取り付けられている。
【0020】
また、第2製氷電磁弁17を有する補助回路10Dが設けられ、その一端が蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aと第2開閉弁11との間に接続され、他端が前記主冷媒回路10Aの圧縮機1吸入側49と四路切換弁2との間に接続されている。そして、温蓄熱運転用電磁弁18を有する補助回路10Eが、その一端が第1製氷電磁弁15と蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aとの間に接続され、他端が主冷媒回路10Aの電動膨張弁4と室内膨張弁5との間に接続されている。さらに、氷核生成部24を有する補助回路20Aが、蓄熱熱交換器8と並列に設けられている。
【0021】
一方、蓄熱回路20は、ポンプ21、蓄熱熱交換器8の水側熱交換部8B、氷核生成部24、過冷却解消部25、及び蓄熱槽22が水配管23によって順に接続されて構成されている。
その蓄熱熱交換器8、蓄熱槽22に冷熱を蓄える冷蓄熱運転時には、冷媒回路10を循環する冷媒と蓄熱回路20を循環する水とを熱交換させ、その水を過冷却状態まで冷却する。そして、冷蓄熱を冷熱源として利用する蓄熱冷房運転時には、冷蓄熱を冷媒回路10に供給する。
氷核生成部24では、冷蓄熱運転時に冷媒回路10を流れる冷媒を膨張させることによって蓄熱回路20を流れる水を冷却氷化し、水配管23内面に氷核を生成する。また、過冷却解消部25では、冷蓄熱運転時に過冷却状態の水を攪拌混合し、その過冷却状態を解消してスラリー状の氷を生成する。そして、蓄熱槽22は、蓄熱熱交換器8において冷却された水、及び過冷却状態を解消して生成されたスラリー状の氷を貯留するタンクである。
【0022】
冷媒回路10の圧縮機1およびその周辺回路において、後記にて説明する圧縮機バイパス通路(図1、143)からは、高圧側バイパス通路57(図1、BH)が逆止弁(または電磁弁)56(図1、158または157)を介して吐出管53(図1、109B)に、そして、低圧側バイパス通路(図1、BL)がバイパス弁58(図1、156)を介して吸入側49(図1、109A)にそれぞれ接続されている。
【0023】
次に、上記空気調和装置90の動作について説明する。なお、以下の説明においては、内容の理解を容易にするため、冷媒の圧力損失は無視することとする。
【0024】
本空気調和装置90では、四路切換弁2、第1開閉弁9及び第2開閉弁11を切り換えることにより、蓄熱回路20を使用しない通常冷房運転及び通常暖房運転と、蓄熱回路20を利用する蓄熱冷房運転及び蓄熱暖房運転とを任意に選択して運転することができる。もちろん、蓄熱回路20内の蓄熱槽22に冷熱又は温熱を蓄える冷蓄熱運転又は温蓄熱運転も可能である。ここでは、本発明の特徴である通常冷房運転及び蓄熱冷房運転についてのみ説明し、他の運転についての説明を省略する。
【0025】
通常冷房運転:まず、通常冷房運転を説明する。通常冷房運転は、蓄熱回路20を利用しない運転である。この運転では、冷媒回路10内の冷媒は、主冷媒回路10Aを循環し、蓄熱利用回路10Bには流れない。
【0026】
通常冷房運転においては、四路切換弁2は図3に示す実線側に設定されており、第1開閉弁9は開状態に、第2開閉弁11は閉状態に設定される。
【0027】
圧縮機1から吐出された冷媒ガスは、四路切換弁2を経た後、そのまま主冷媒回路10Aを流れ、室外熱交換器3に流入する。そして、室外熱交換器3において、室外空気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、第1開閉弁9を通過した後、電動膨張弁4で流量が調整され、その後、各室内ユニットU1、U1、・・・に分配されて流入し、室内膨張弁5、5、・・・で減圧膨張され、室内熱交換器6、6、・・・に流入する。その室内熱交換器6、6、・・・で冷媒は蒸発し、室内空気を冷却する。室内熱交換器6、6、・・・を流出した冷媒は、四路切換弁2を経て、圧縮機1に吸入される。そして、圧縮機1に吸入された冷媒は、圧縮され、再び上記循環動作を繰り返す。以上のようにして室内の冷房が行われる。
【0028】
蓄熱冷房運転:次に、蓄熱冷房運転を説明する。この運転は、蓄熱槽22に蓄えられた冷熱を利用する運転であり、夏場の電力ピークをカットするために利用される運転である。
【0029】
蓄熱冷房運転においては、四路切換弁2は図3に示す実線側に設定されており、第1開閉弁9は閉状態に、第2開閉弁11は開状態に設定される。蓄熱槽22内には、深夜電力等を用いて安価に製造したスラリー状の氷が、冷熱源として貯留されている。
【0030】
蓄熱回路20では、蓄熱槽22内の冷水がポンプ21によって搬送され、回路内を循環している。蓄熱槽22から流出してポンプ21を通過した冷水は、蓄熱熱交換器8の水側熱交換部8Bに流入する。水側熱交換部8B内の冷水は、蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aを流れる冷媒を冷却する。そして、冷媒によって加熱された水は、水側熱交換部8Bを流出し、蓄熱槽22に流入する。この水は、貯留されている氷と熱交換して冷却され、冷水となって再び蓄熱槽22から流出し、上記循環動作を繰り返す。
【0031】
一方、冷媒回路10では、圧縮機1から吐出された冷媒は、蓄熱利用回路10Bに流入し、第2開閉弁11を通過して蓄熱熱交換器8の冷媒側熱交換部8Aに流入する。ここで、冷媒は、蓄熱熱交換器8の水側熱交換部8Bを流れる冷水によって冷却され、凝縮する。凝縮した冷媒は、冷媒側熱交換部8Aを流出した後、電動膨張弁4で流量調整される。その後、各室内ユニットU1、U1、・・・に分配され、室内膨張弁5、5、・・・で減圧膨張し、室内熱交換器6、6、・・・に流入する。冷媒は、室内熱交換器6、6、・・・で蒸発して室内空気を冷却する。室内熱交換器6、6、・・・を流出した冷媒は、四路切換弁2を経て、圧縮機1に吸入される。圧縮機1に吸入された冷媒は、圧縮され、再び上記循環動作を繰り返す。以上のようにして、蓄熱槽22内の冷蓄熱を利用した冷房が行われる。
【0032】
次に、前記通常冷房運転における冷媒の圧縮機1への吸入及び吐出動作、及び圧縮機1内の循環動作を説明する。
【0033】
通常冷房運転では、比較的高温の室外空気が熱源となるため、冷媒の凝縮温度は比較的高温となる。そのため、圧縮機の吐出圧力は比較的高くなる。本形態の場合、後記にて詳述する圧縮機のバイパス弁(後記図1、146)は、吐出圧力によって押されて逆止弁の作用により閉じたままになる。そのため、冷媒はバイパス弁(後記図1、146)からバイパスされることなく、すべて吐出口から吐出される。その結果、スクロール圧縮機本来の圧縮比で圧縮された冷媒は、すべて吐出管53を通じて四路切換弁2に流入し、上記の循環動作を行う。
【0034】
これにより、本圧縮機1は、バイパス回路が設けられていないスクロール圧縮機と同様の動作を行う。
また、容量制御が必要な場合には、容量制御用バイパス弁58を開弁し、圧縮途中のガスを吸入側に戻し、吐出冷媒ガス量を減少させることで対応可能である。
【0035】
次に、上記蓄熱冷房運転における冷媒の圧縮機1への吸入及び吐出動作、及び圧縮機1内の循環動作を説明する。
【0036】
蓄熱冷房運転では、比較的低温の冷水が熱源となるため、冷媒の凝縮温度は比較的低温となる。そのため、凝縮圧力は、比較的低くなる。その結果、圧縮室において過圧縮が発生し、バイパス弁(後記図1、146)の作用により、バイパス通路57は開いた状態になる。そのため、圧縮機1は、冷媒をスクロール圧縮機1本来の圧縮比まで昇圧せずに、凝縮圧力まで昇圧する。凝縮圧力まで昇圧された冷媒の一部は、バイパス弁(後記図1、146)を通じてバイパス通路57から吐出される。バイパス管(後記図1、案内管115)から吐出されなかった他の一部の冷媒は、吐出管53を通じて吐出される。そして、バイパス管57を流れた冷媒と吐出管53を流れた冷媒とは合流し、上記の循環動作を行う。
以上の動作により、圧縮機1は、過圧縮を発生することなく、冷媒を蒸発圧力から凝縮圧力まで昇圧する。
【0037】
次に、複合冷房装置について、図4を参照して説明する。
図4において、実施形態の複合冷凍装置は、吸収冷凍機Aと、圧縮冷凍機Bとによって構成されている。
該吸収冷凍機Aは、蒸発器61と、吸収器62と、再生器63と、凝縮器64と、前記吸収器62と前記再生器63との間に配置された溶液熱交換器65とを有している。
【0038】
蒸発器61と吸収器62とは回路L1で接続されている。吸収器62と再生器63とは回路L2と、該回路L2と逆向きの流れの回路L3とで接続されている。回路L2、回路L3はともに溶液熱交換器65を経由して流過する溶液の熱交換を行う。回路L2の吸収器62と溶液熱交換器65との間の領域には溶液の循環用ポンプ66が介装されている。また、回路L3の溶液熱交換器65と吸収器62との間の領域には減圧弁67が介装されている。
再生器63と凝縮器64とは回路L4で接続され、凝縮器64と蒸発器61とは減圧弁6を介装した回路L5で接続されている。
【0039】
尚、図4中の符号Wc2、Wh、Wc4は、符号順に吸収器62に冷熱を投入する冷却水のライン、再生器63に温熱を投入する温水ライン、凝縮器64に冷熱を投入する冷却水ラインを示す。
【0040】
圧縮式冷凍機Bは、スクロール圧縮機1と、膨張弁12Bと、室内機である蒸発器13Bと、スクロール圧縮機1と膨張弁12Bと蒸発器13Bとを循環する冷媒配管LCによって構成されている。
そして、スクロール圧縮機1と膨張弁12Bとの間の冷媒配管LCの領域が温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61内に組み込まれ、圧縮式冷凍機Aの冷媒回路(L1〜L5)内を流れる冷媒が温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61内で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されている。
【0041】
次に、図1を参照して、本発明の第1実施形態のスクロール圧縮機1を説明する。
図1で示すスクロール圧縮機1において、円筒状のケース103と、このケース103の上下両端部に被冠された上下両エンドキャップ104、105とで形成された密閉容器102内の上部には、冷媒ガスを圧縮室P内に導く吸入経路107を形成する一方、その下部に電動要素110を軸支している。
この電動要素110にて駆動するスクロール圧縮要素120は、容器102の上部に配置されている。
【0042】
前記スクロール圧縮要素120は上下に相対向する固定スクロール121と、旋回スクロール131とから構成される。そして前記電動要素110は、シャフト113を介して、旋回スクロール131を駆動する。
また、固定スクロール121の下方には渦巻状の隔壁123が形成されており、旋回スクロール131の上方には渦巻状の隔壁133が形成されている。そして、渦巻状の隔壁123、133を交互に噛み合わせることにより、複数の圧縮空間からなる圧縮室Pを形成している。
【0043】
前記旋回スクロール131は、その下方中央に形成した軸受け部134を、電動要素110のシャフト113の上端に設けた偏芯軸部114に軸合させることにより、前記電動要素110の駆動によって自転せずに固定スクロール121に対して公転させ、偏心運動を行わせる。
そして、前記圧縮室Pを、半径方向外方の低圧側圧縮空間から半径内方の高圧側圧縮空間に向かって次第に縮小させることにより、密閉容器102内の低圧室102A側に連通する吸入管109Aから流入し、吸入通路107を通して供給される冷媒ガスが圧縮される。
圧縮された冷媒ガスは、固定スクロール121の中央部に形成された圧縮室Pの高圧側に連通する吐出ポート124から、吐出弁125を介して高圧室102B側に吐出される。そして、この高圧室102Bに連通する吐出管109Bから、密閉容器102外に吐出され、凝縮器(吸収冷凍機Aの蒸発器61:図4参照)内で凝縮され、液化する。
【0044】
前記スクロール圧縮要素120に設けられた圧縮途中の冷媒ガスをバイパスさせるバイパス機構140は、前記固定スクロール121の上方に設けたカバー141を備え、該カバー141には冷媒回路(図4のLC)からの高圧冷媒ガスや、低圧冷媒ガスが選択的に供給される案内管115と、案内管115に連通するバイパス通路143とが形成されている。
バイパス通路143はバイパス弁146を介してバイパス通路144と連通しており、バイパス通路144は、圧縮室Pに連通している。
【0045】
前記パイパス通路143は、圧縮機吐出口124に接続された吐出配管109Bに連通する高圧側のバイパス通路BHと、圧縮機吸入口109に接続された吸入配管109Aに連通する低圧側のバイパス通路BLとに分岐している。
そして、前記高圧側のバイパス通路BHには高圧側開閉弁157が介装され、前記低圧側のバイパス通路BLには低圧側開閉弁156が介装されている。
【0046】
ここで、スクロール式圧縮機1では、前述の従来技術で図2を用いて説明したように、圧縮比の小さい運転条件では途中の領域では吐出弁と接続されていないため過圧縮され、無駄仕事となる。
この無駄仕事に対する対処方法及び容量制御については以下に説明する。
【0047】
上述のスクロール冷凍機1の運転に関して通常時運転と、容量制御を行った場合に分けて説明する。
【0048】
通常運転の際には、低圧側のバイパス通路BLを閉塞し(低圧開閉弁156を閉鎖し)、且つ、高圧側のバイパス通路BHを開放する(高圧開閉弁157を開放する)。
【0049】
その結果、中間領域bで過圧縮が発生した場合、差圧によりバイパス弁146が開弁し、バイパス通路144、バイパス弁146、バイパス通路143、案内管105、高圧側バイパス通路BHを介して、吐出配管109Bに送られて吐出される。
これにより、図2に示すように圧縮室Pがバイパス通路144と接続されている間(図2のbの領域)において、圧縮室Pの圧力は吐出圧近くまで下がり、過圧縮を防止することが可能になる。
【0050】
容量制御を行う際には、高圧側のバイパス通路BHは閉塞する(高圧バイパス弁157を閉鎖する)が、低圧側のバイパス通路BLは開放する(低圧バイパス弁156を開放する)。これにより、差圧によってバイパス弁146が開弁し、中間領域b2等に存在する気相冷媒は、バイパス通路144、バイパス弁146、バイパス通路143、案内管115、低圧側バイパス通路BLを介して、吸入配管109Aに送られて圧縮機1内に再度吸い込まれる。
【0051】
このように構成された第1実施形態のスクロール圧縮機1は、スクロール圧縮要素120に設けた圧縮途中の冷媒ガスを低圧側へバイパスさせて容量制御を行うバイパス機構140によって、低圧縮比運転条件下でも過圧縮の発生を防止することが出来る上に、容量制御が可能であり、低負荷では省エネ運転が可能となる。
また、過圧縮制御用のバイパス管と、容量制御用のパイパス管とを部分的に同一の配管で構成することによって、加工費の削減に繋げることが出来る。
【0052】
次に、図5を参照して第2実施形態を説明する。
図5の第2実施形態におけるスクロール圧縮機1Gは、図1及び図2の第1実施形態に対して、高圧側のバイパス通路BHに介装した開閉弁157を、逆止弁158に置き換えた点で相違する。それ以外は全て第1実施形態と同様である。
【0053】
高圧側のバイパス通路BHにおいて、高圧バイパス弁として逆止弁158を介装することによって、第1実施形態で行った高圧側のバイパス通路BHに関する制御は不要となる。
【0054】
なお、以上図示した実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【0055】
【発明の効果】
本発明の作用効果を以下に列記する。
(1) スクロール圧縮要素に設けた圧縮途中の冷媒ガスを高圧側へバイパスさせるバイパス機構によって、低圧縮比運転条件下でも過圧縮の発生を防止することが出来る。
(2) スクロール圧縮要素に設けた圧縮途中の冷媒ガスを低圧側へバイパスさせるバイパス機構によって、容量制御が可能となり、低負荷では省エネ運転が可能となる。
(3) 過圧縮制御用のバイパス管と、容量制御用のパイパス管とを部分的に同一の配管で構成することによって、加工費の削減に繋げることが出来る。
(4) 高圧側のバイパス通路において、高圧バイパス弁として逆止弁を介装することによって、高圧側のバイパス通路に関する制御は不要となる。
(5) 電力ピークカット運転を行う蓄熱式空気調和装置において、圧縮機に本発明のスクロール圧縮機を使用することで、蓄熱冷房運転での過圧縮による無駄仕事をなくし、電力ピークカットを一層促進することができる。
(6) 圧縮式冷凍機の凝縮器を吸収式冷凍機で冷却する方式において、圧縮機に本発明のスクロール圧縮機を使用することで、高効率かつ容量制御運転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の指圧線図。
【図3】本発明のスクロール圧縮機が好適に利用できる蓄熱式空気調和装置の全体構成を示すブロック図。
【図4】本発明のスクロール圧縮機が好適に利用出来る複合冷房装置の全体構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図。
【図6】従来技術のスクロール圧縮機の一例を示す要部断面図。
【符号の説明】
A・・・温水焚吸収冷凍機
B・・・圧縮式冷凍機
1、1G・・・スクロール圧縮機
8・・・蓄熱熱交換器
10・・・冷媒回路
20・・・蓄熱回路
22・・・蓄熱槽
90・・・空気調和装置
102A・・・低圧室
102B・・・高圧室
109A・・・吸入管
109B・・・吐出管
112B・・・減圧弁
113B・・・室内機
161・・・蒸発器
120・・・スクロール圧縮要素
121・・・固定スクロール
123、133・・・隔壁
131・・・旋回スクロール
140・・・バイパス機構
143、144・・・バイパス通路
146・・・バイパス弁
156、157・・・開閉弁
Claims (3)
- 密閉容器内に収容された固定スクロール及び旋回スクロールと、該固定スクロール及び旋回スクロールに設けられた渦巻き状の隔壁とを有し、前記固定スクロール及び旋回スクロールに設けられた渦巻き状の隔壁が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間の吸込み側と吐出側との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構とを有し、該バイパス機構は前記中間領域に連通しているバイパス通路およびバイパス弁を含み、該パイパス通路は、圧縮機吐出口に接続された吐出配管に連通する高圧側のバイパス通路と、圧縮機吸込口に接続された吸込配管に連通する低圧側のバイパス通路とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路には高圧側開閉弁が介装されており、前記低圧側のバイパス通路には低圧側開閉弁が介装されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
- 蓄熱槽と蓄熱熱交換器とを備えて該蓄熱槽と蓄熱熱交換器との間で蓄熱媒体を循環させる蓄熱回路と、主冷媒回路および蓄熱利用回路を備えて圧縮機を介装し該圧縮機から吐出された冷媒を循環する冷媒回路とで構成され、前記主冷媒回路は室外熱交換器と室内熱交換器とを備えて該室外熱交換器で冷媒を凝縮させ室内熱交換器で蒸発させて循環させており、前記蓄熱利用回路は前記主冷媒回路の室外熱交換器と並列に設けられ循環経路を流路切替手段で切り換えて前記蓄熱熱交換器を介して蓄熱回路の蓄熱媒体と熱交換を行って冷媒を凝縮させて循環させるように構成され、前記冷媒回路に介装されて冷媒を圧縮する圧縮機は、密閉容器内に収容された固定スクロール及び旋回スクロールと、該固定スクロール及び旋回スクロールに設けられた渦巻き状の隔壁とを有し、前記固定スクロール及び旋回スクロールに設けられた渦巻き状の隔壁が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間の吸込み側と吐出側との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構とを有し、該バイパス機構は前記中間領域に連通しているバイパス通路を含み、該パイパス通路は、圧縮機吐出口に接続された吐出配管に連通する高圧側のバイパス通路と、圧縮機吸込口に接続された吸込配管に連通する低圧側のバイパス通路とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路には高圧側開閉弁が介装されており、前記低圧側のバイパス通路には低圧側開閉弁が介装されていることを特徴とする蓄熱式空気調和装置。
- 吸収冷凍機と圧縮式冷凍機とを組み合わせ、該圧縮式冷凍機の圧縮機と膨張弁とを連通する冷媒配管の領域が吸収冷凍機の蒸発器内に組み込まれ、圧縮式冷凍機の冷媒配管内を流れる冷媒が吸収冷凍機の蒸発器内で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されており、前記圧縮式冷凍機側で冷媒を圧縮する圧縮機は、密閉容器内に収容された固定スクロール及び旋回スクロールと、該固定スクロール及び旋回スクロールに設けられた渦巻き状の隔壁とを有し、前記固定スクロール及び旋回スクロールに設けられた渦巻き状の隔壁が互いに噛み合って構成される複数の圧縮空間の吸込み側と吐出側との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構とを有し、該バイパス機構は前記中間領域に連通しているバイパス通路およびバイパス弁を含み、該パイパス通路は、圧縮機吐出口に接続された吐出配管に連通する高圧側のバイパス通路と、圧縮機吸込口に接続された吸込配管に連通する低圧側のバイパス通路とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路には高圧側開閉弁が介装されており、前記低圧側のバイパス通路には低圧側開閉弁が介装されていることを特徴とする複合冷凍装置。
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