JP2004138316A - 複合冷凍装置 - Google Patents

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横 山   武
Hirotsugu Ishino
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Abstract

【課題】冷熱を水で搬送する場合における各種問題点を解消することが出来て、温排水温度が低下しても対応することが出来る様な複合冷凍装置の提供。
【解決手段】温水焚吸収冷凍機(A)と圧縮式冷凍機(B)とを組み合わせ、該圧縮式冷凍機(B)は凝縮器を有しておらず、該圧縮式冷凍機(B)の圧縮機(11)と膨張弁(12B)とを連通する冷媒配管(LC)の領域が温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器(1)内に組み込まれ、圧縮式冷凍機(B)の冷媒配管内(LC)を流れる冷媒が温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器内(1)で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されており、前記圧縮式冷凍機(B)内を循環する冷媒はフロン32/125混合(R410A)である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空調機に関するものであり、より詳細には、吸収冷凍機と圧縮式冷凍機とを組み合わせて構成される複合冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸収冷凍機の場合、蒸発器で発生する冷熱を室内に搬送するため、通常は、冷水配管を経由する水により冷熱を搬送している。
しかし、室内への冷熱の搬送に冷水循環回路を用いているため、配管漏れがあると漏電が起き易く、OA化の進んだ建物では業務の停止にも繋がりかねない。
冷水配管の径は大きく、工事費も嵩む。
更に、温水駆動型吸収冷凍機の場合、高温の温水(85℃程度)でないと空調に必要な冷水温度を得られない、もしくは能力が大幅に低下してしまうという問題がある。
【0003】
また温水焚吸収冷凍機では、再生器に供給される温水(吸収冷凍機駆動用の温水)温度が低下すると、図7で示す様に、吸収溶液の濃度差が低下(C1→C2)し、冷媒発生量Qが減少するため、効率が低下してしまうという問題を有している。
そして、図8で示す様に、温水温度が70℃まで低下してしまうと、冷媒蒸気が発生しなくなり、冷房能力がゼロとなってしまう。
【0004】
また、温水焚吸収冷凍機は、例えば、ガスエンジンコージェネレーションシステム等において、ガスエンジン(内燃機関の一例)から発生する温排水を駆動用熱源とする場合が多い。
しかし、例えば図9で示す様に、かかる内燃機関(例えばガスエンジン)の温排水温度は、コージェネレーションの電力負荷や季節や建物の熱負荷の影響を受け、時刻により変動する。図9の例では、「コージェネ運転時間帯」として示される時間帯においても、80℃以上を保てるのは12〜17時までと限られている。即ち、温水温度が所望の特性を示さない、という不都合が存在する。
【0005】
さらに、水により冷熱を搬送する方式では、冷熱搬送媒体である水は配管を腐食するため、配管に腐食代を設ける必要があり、配管の厚肉及び重量増大の一因となっている。
【0006】
冷熱を室内に搬送するその他の方式としては、例えば、所謂「直膨式」の様に、冷却したい室内に対して冷媒を直接送る方式が存在する。
ここで、直膨式の場合、用いられる冷媒はハロゲン化炭化水素(フロン)が多く用いられており、かかるフロンの潜熱は160KJ/kg程度であり、冷水の顕熱輸送に比べて、単位体積当たり大量の冷熱を輸送可能である。すなわち、少ない流量で大量の冷熱の搬送が可能であり、その分、冷熱の搬送媒体が循環する配管を細くすることが出来る。
【0007】
この様な直膨式のメリットを、温水焚吸収冷凍機に活かすことが従来から望まれていたが、現時点では満足の行くものは提案されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、冷熱を水で搬送する場合における各種問題点を解消することが出来て、温排水温度が低下しても対応することが出来る様な複合冷凍装置の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合冷凍装置は、温水焚吸収冷凍機(A)と圧縮式冷凍機(B)とを組み合わせ、該圧縮式冷凍機(B)の圧縮機(1)と膨張弁(12B)とを連通する冷媒配管(LC)の領域が温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器(1A)内に組み込まれ、圧縮式冷凍機(B)の冷媒配管内(LC)を流れる冷媒が温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器内(61)で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されており(温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61が圧縮式冷凍機Bの凝縮器として機能する様に構成されており)、前記圧縮式冷凍機(B)内を循環する冷媒はフロン32/125混合(HFC−32とHFC−125との混合物。本明細書においては、「フロン32/125混合」或いは「R410A」と表記している)である(請求項1)。
ここで、前記圧縮式冷凍機(B)内を循環する冷媒は、HFC−32とHFC−125とが、それぞれ、重量%で50%ずつ含まれているのが好ましい。尚、HFC−32とHFC−125とがかかる混合比となっている冷媒を一般にR410Aと呼んでいる。
【0010】
また本発明の複合冷凍装置は、温水焚吸収冷凍機(A)と圧縮式冷凍機(B)とを組み合わせ、該圧縮式冷凍機(B)の圧縮機(1)と膨張弁(12B)とを連通する冷媒配管(LC)の領域が温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器(61)内に組み込まれ、圧縮式冷凍機(B)の冷媒配管内(LC)を流れる冷媒が温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器内(61)で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されており(温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61が圧縮式冷凍機Bの凝縮器として機能する様に構成されており)、前記圧縮式冷凍機(B)内を循環する冷媒は二酸化炭素である(請求項2)。
【0011】
かかる構成を具備する本発明の複合冷凍装置によれば、圧縮式冷凍機(B)の凝縮器としての作用を、温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器(61)が奏している。そのため、圧縮式冷凍機(B)の凝縮器圧力を、従来の空冷式や、(冷却塔で冷却された冷却水を用いる従来の)水冷式と比較して、大幅に低下させることが出来る。そして、圧縮機の所要動力を、大幅に削減することが可能となる。
【0012】
また、温水焚吸収冷凍機(A)で発生した冷熱は、冷水配管を流れる冷水ではなく、R410Aや二酸化炭素のような冷媒により潜熱搬送が為される。かかる冷媒は、単位体積当たり大量の冷熱を輸送可能であるため、小流量にて大量の冷熱の搬送が可能であり、その分、冷熱の搬送媒体が循環する配管(LC)を細くすることが出来る。
さらに、R410Aや二酸化炭素を冷媒として用いているので、仮に冷媒が漏れたとしても蒸発してしまうというメリットがある。そのため、漏電の心配が無く、OA化が進んだ建築物にも受け入れられ易い。
【0013】
これに加えて、温水焚吸収冷凍機(A)の駆動熱源である温排水の温度が下がった場合に、温水焚吸収冷凍機側の蒸発器温度が上昇し、それに伴って圧縮式冷凍機の凝縮温度が上昇するので、圧縮式冷凍機側の消費エネルギは増加するが、室内冷房に必要なレベルの冷凍能力を維持することが出来るのである。
従来の吸収冷凍機では、温水焚吸収冷凍機(A)の駆動熱源である温排水の温度が下がった場合に、例えば再生器にバーナ等の高質燃料による加熱手段を備え、該高質燃料の供給量を増加して、温水温度を高めることにより対処している。或いは、バックアップ用に別個の空調熱源機を備え、それを駆動させている。
これに対して、本発明の複合冷凍装置によれば、温排水の温度が下がった場合(図4においてT1→T2)に、温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器(61)温度が上昇(図4においてTs1→Ts2)して、温水焚吸収冷凍機(A)の動作ポイントを変更することにより対処している(得られる冷房能力Qを等しくする;図4参照)のである。かつ、圧縮式の凝縮器の温度もTs1→Ts2とし、圧縮動力は増加するものの、圧縮式の蒸発温度すなわち室温の冷却温度を維持している。
【0014】
本発明の実施に際して、温水焚吸収冷凍機(A)と圧縮式冷凍機(B)とを組み合わせ、該圧縮式冷凍機(B)の圧縮機(1)と膨張弁(12B)とを連通する冷媒配管(LC)の領域が温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器(A)内に組み込まれ、圧縮式冷凍機(B)の冷媒配管(LC)内を流れる冷媒が温水焚吸収冷凍機(A)の蒸発器(61)内で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されており(或いは、温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61が圧縮式冷凍機Bの凝縮器として機能する様に構成されており)、前記圧縮式冷凍器(B)内を循環する冷媒はR410Aまたは二酸化炭素である複合冷凍装置であって、前記圧縮式冷凍機(B)側で冷媒を圧縮する圧縮機(1)は、密閉容器(202)内に収容された固定スクロール(221)及び旋回スクロール(231)と、該固定スクロール(221)及び旋回スクロール(231)に設けられた渦巻き状の隔壁(223、233)とを有し、前記固定スクロール(221)及び旋回スクロール(231)と渦巻き状の隔壁(223、233)とが噛み合って構成される複数の圧縮空間(P)の吸込み側(202A)と吐出側(202B)との間の中間領域に存在する流体をバイパスするバイパス機構(240)とを有し、該バイパス機構は前記中間領域に連通しているバイパス通路(243、244)およびバイパス弁(246)を含み、該パイパス通路(243、244)およびバイパス弁(246)は、(案内管105を介して)圧縮機吐出口(224)に接続された吐出配管(209B)に連通する高圧側のバイパス通路(BH)と、圧縮機吸込口(290)に接続された吸込配管(209A)に連通する低圧側のバイパス通路(BL)とに分岐しており、前記高圧側のバイパス通路(BH)には高圧側開閉弁(107)が介装されており、前記低圧側のバイパス通路(BL)には低圧側開閉弁(106)が介装されていることを特徴とする複合冷凍装置、とすることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1を参照して、実施形態の複合冷凍装置は、吸収冷凍機Aと、圧縮冷凍機Bとによって構成されている。
該吸収冷凍機Aは、蒸発器61と、吸収器62と、再生器63と、凝縮器64と、前記吸収器62と前記再生器63との間に配置された溶液熱交換器65とを有している。
【0017】
蒸発器61と吸収器62とは回路L1で接続されている。吸収器62と再生器63とは回路L2と、該回路L2と逆向きの流れの回路L3とで接続されている。回路L2、回路L3はともに溶液熱交換器65を経由して流過する溶液の熱交換を行う。回路L2の吸収器62と溶液熱交換器65との間の領域には溶液の循環用ポンプ66が介装されている。また、回路L3の溶液熱交換器65と吸収器62との間の領域には減圧弁67が介装されている。
再生器63と凝縮器64とは回路L4で接続され、凝縮器64と蒸発器61とは減圧弁68を介装した回路L5で接続されている。
【0018】
尚、図1中、符号Wc2、Wh、Wc4は、符号順に吸収器62に冷熱を投入する冷却水のライン、再生器63に温熱を投入する温水ライン、凝縮器64に冷熱を投入する冷却水ラインを示す。
【0019】
圧縮式冷凍機Bは、圧縮機1と、膨張弁12Bと、蒸発器である室内機13Bと、圧縮機1と膨張弁12Bと蒸発器13Bとを循環する冷媒配管LCによって構成されている。
そして、圧縮機1と膨張弁12Bとの間の冷媒配管LCの領域が温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61内に組み込まれ、圧縮式冷凍機Aの冷媒回路(L1〜L5)内を流れる冷媒が温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61内で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されている。
【0020】
ここで、圧縮式冷凍器B内を循環する冷媒の一例として、R410Aが好ましい。
【0021】
また、圧縮式冷凍器B内を循環する冷媒のその他の例として、二酸化炭素が好ましい。
【0022】
本発明の実施に際しては、例えば低差圧状態で使用出来るスクロール式圧縮機を用いることが好ましい。
【0023】
該スクロール式圧縮機1の一例を図2及び図3を参照して説明する。
図2において、円筒状のケース203と、このケース203の上下両端部に被冠された上下両エンドキャップ204、205とで形成された密閉容器202内に電動要素210を軸支し、この電動要素210により駆動するスクロール圧縮要素220を密閉容器202内の上部に配置している。
【0024】
前記電動要素210のシャフト213で駆動される前記スクロール圧縮要素220は、上下に相対向する固定スクロール221と、前記シャフト213と結合して駆動される旋回スクロール231とから構成される。
固定スクロール221の下方に形成した渦巻状の隔壁223と、旋回スクロール231の上方に形成した渦巻状の隔壁233とを互いに噛み合わせることにより、複数の圧縮空間からなる圧縮室Pを形成している。
【0025】
前記旋回スクロール231は、その下方中央部に形成した軸受け部234が電動要素210のシャフト213の上端に設けた偏芯軸部214に結合している。電動要素210の駆動によるシャフト213が回転すると、旋回スクロール231は固定スクロール221に対して自転しないように公転して偏心運動を行う。そして、前記圧縮室Pを、半径方向外方の低圧側圧縮空間から半径方向内方の高圧圧縮空間に向かって次第に縮小させることにより、密閉容器202内の低圧室202A側に臨む吸入管209Aから流入して、吸入通路207を通して供給される冷媒ガスを圧縮する。
この圧縮された冷媒ガスを、固定スクロール221の中央部に形成した圧縮室Pの高圧側に連通する吐出ポート224から、吐出弁225を介して(開弁して)高圧室202B側に吐出させる。そして、高圧室202Bに連通する吐出管209Bから密閉容器202外に吐出させると共に、凝縮器(吸収冷凍機Aの蒸発器61;図1参照)内で凝縮、液化する。
【0026】
前記スクロール圧縮要素220に設けた圧縮途中の冷媒ガスを低圧側へバイパスさせて容量制御を行うバイパス機構240は、前記固定スクロール221の上方に設けたカバー241を備えている。このカバー241には、冷媒回路(図1のLC)からの高圧冷媒ガスや、低圧冷媒ガスが選択的に供給される案内管105と、この案内管105に連通するバイパス通路243とが形成されている。
このバイパス通路243にはバイパス通路244が連通しており、バイパス通路244は、バイパス弁246を介して圧縮室Pに連通している。
【0027】
前記パイパス通路243は、圧縮機吐出口224に接続された吐出配管209Bに連通する高圧側のバイパス通路BHと、圧縮機吸込口209に接続された吸入配管209Aに連通する低圧側のバイパス通路BLとに分岐している。
そして、前記高圧側のバイパス通路BHには高圧側開閉弁107が介装され、前記低圧側のバイパス通路BLには低圧側開閉弁106が介装されている。
【0028】
当該スクロール式圧縮機1では、図3で示すように、圧縮比の小さい運転条件では、図3の符号cで示す時点で所定圧力に到達したとしても、圧縮室が吐出弁と接続されていないため、過圧縮されて、無駄仕事となる。
この無駄仕事に対する対処方法及び容量制御について、以下に説明する。
【0029】
上述のスクロール冷凍機1の運転に関して通常時運転と、容量制御を行った場合に分けて説明する。
【0030】
通常運転の際には、低圧側のバイパス通路BLを閉塞し(低圧バイパス弁106を閉鎖し)、且つ、高圧側のバイパス通路BHを開放する(高圧バイパス弁107を開放する)。
【0031】
その結果、中間領域bで過圧縮が発生した場合、差圧によりバイパス弁246が開弁し、冷媒はバイパス通路244、バイパス弁246、バイパス通路243、案内管105、高圧側バイパス通路BHを介して、吐出配管209Bに送られて、吐出される。
【0032】
容量制御を行う際には、高圧側のバイパス通路BHは閉塞する(高圧バイパス弁107を閉鎖する)が、低圧側のバイパス通路BLは開放する(低圧バイパス弁106を開放する)。これにより、中間領域Bに存在する気相冷媒の一部は、差圧によりバイパス弁246が開弁し、バイパス通路244、バイパス弁246,バイパス通路243、案内管105、低圧側バイパス通路BLを介して、吸入配管209Aに送られて、圧縮機1内に再度吸い込まれる。
【0033】
かかる構成を具備した複合冷凍装置によれば、圧縮式冷凍機B側の冷媒に揮発性のR410A、又は、二酸化炭素を用いているため、水漏れの心配が無く、OA機器の多い現代の事務所では漏電及び漏電によるショートの心配もない。
【0034】
また、揮発性のR410A、又は、二酸化炭素を冷媒としているため、潜熱搬送となり、従来の水配管と比較して冷媒の循環量を削減出来、したがって配管径も細く出来、施工費を削減出来る。
【0035】
廃熱等を利用し、吸収冷凍機Aの再生器63に投入される廃熱Whの温度に変動がある場合(例えば図9で説明したようにコージェネ運転時間帯を外れた場合、或いはコージェネ運転時間帯でも排熱量が十分でない場合等で図4に示すように、温排水の温度がT1→T2に下がった場合)、前述したように、温水焚吸収冷凍機Aの蒸発器61の温度が上昇してTs1→Ts2となり、温水焚吸収冷凍機Aの動作ポイントを変更することにより冷房能力Qを同等とすることが可能である。かつ、圧縮式の凝縮器の温度もTs1→Ts2とし、圧縮動力は増加するものの、圧縮式の蒸発温度すなわち室温の冷却温度を維持している。
【0036】
圧縮式冷凍サイクルは、圧力比が極めて小さいサイクルとなり、そうした場合は圧縮機1の吸入/吐出の圧力差に対して配管における圧力損失の比率が大きくなる。
圧力損失を下げるために本実施形態では高圧で作動し(図5参照;飽和蒸気圧力が高い)、密度の高いR410A又は二酸化炭素を冷媒として用いることにより、従来業務用として用いられてきた冷媒HCFC22やR407Cと比較して、同じ口径の場合の圧力損失を低減出来、その結果圧縮機動力を軽減することが出来る。
このことは、図6に示すように、同一配管径、同一配管長において二酸化炭素(CO2)、R410Aの圧力損失を考慮した理論COPが高い、すなわち配管による圧力損失の影響を受け難いというデータからも証明される。
【0037】
ところが、圧縮式冷凍機Bは、温水温度の変動に伴い、圧力比が変動する。ここで前述のスクロール圧縮機1を使用する場合、低圧力比で過圧縮が発生し無駄仕事が増える。これを低減するため、圧縮室2の途中をバイパスする回路105、BH、107を設け、圧縮機1の吐出回路209Bに接続することで過圧縮を防ぐことが出来る。
また、圧縮機1の吸入側209Aにも開閉弁106を介してバイパスさせ、該開閉弁106を開放することにより容量制御も可能となる。
従来、圧縮式冷凍機で用いられていた圧縮機は、上述した様な過圧縮の防止構造と、容量制御のための構造とを簡易な構造で併せ持つものは存在しなかった。これに対して、図2で示す様なスクロール圧縮機であれば、簡易な構造で過圧縮の防止と容量制御とを、共に行うことが出来るので、本発明の複合冷凍装置において、極めて好適に用いることが出来る。
【0038】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
例えば、図示の実施形態では、スクロール圧縮機1の高圧側のバイパス通路BHにおいて、高圧バイパス弁として開閉に制御を要する制御弁107を用いているが、逆止弁を介装することも可能である。尚、逆止弁とした場合には、高圧側のバイパス通路BHに関する上述した制御は、事実上不要となる。
また、本発明の実施に際して、圧縮式冷凍機側の圧縮機として、図2で示す以外の圧縮機を用いることも可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明の作用効果を以下に列記する。
(1) 圧縮式冷凍機側の冷媒に揮発性のR410A、又は、二酸化炭素を用いているため、水漏れの心配が無く、OA機器の多い現代の事務所では漏電及び漏電によるショートの心配もない。
(2) 揮発性のR410A、又は、二酸化炭素を冷媒としているため、潜熱搬送となり、従来の水配管と比較して冷媒の循環量を削減出来、したがって配管径も細く出来、施工費を削減出来る。
(3) 温排水の温度が下がった場合、温水焚吸収冷凍機の蒸発器の温度が上昇して、温水焚吸収冷凍機の動作ポイントを変更することにより冷房能力を同等とすることが可能である。
(4) 圧縮式冷凍サイクルは、圧力比が極めて小さいサイクルとなり、そうした場合は圧縮機の吸入/吐出の圧力差に対して配管における圧力損失の比率が大きくなるが、圧力損失を下げるために高圧で作動し、密度の高いR410A又は二酸化炭素を冷媒として用いることにより、従来業務用として用いられてきた冷媒HCFC22やR407Cと比較して、同じ口径の場合の圧力損失を低減出来、その結果圧縮機動力を軽減することが出来る。
(5) スクロール圧縮機を使用する場合は圧力比が変動すると、特に低圧力比で過圧縮が発生し無駄仕事が増える。これを低減するため、圧縮室の途中をバイパスする回路を設け、圧縮機の吐出回路に接続することで過圧縮を防ぐことが出来る。
同時に、圧縮機の吸入側にも開閉弁を介してバイパスさせ、該開閉弁を開放することにより容量制御も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態で用いられる圧縮機の一例を示す断面図。
【図3】本発明の実施形態で用いられる圧縮機の指圧線図。
【図4】本発明の実施形態における複合式冷凍装置のサイクルを示す動作原理図。
【図5】冷媒の飽和蒸気圧特性図。
【図6】各冷媒の理論COPに対する圧力損失の影響を表した特性図。
【図7】排熱温水温度低下における吸収式サイクルの挙動を示す特性図。
【図8】従来技術での温水焚き吸収式冷凍機における冷房能力を示す排熱温度特性図。
【図9】夏季における事務所用エンジン発電機の排熱温水温度の推移を示すグラフ。
【符号の説明】
A・・・温水焚吸収冷凍機
B・・・圧縮式冷凍機
1・・・圧縮機
12B・・・減圧弁
13B・・・室内機
61・・・蒸発器
62・・・吸収器
63・・・再生器
64・・・凝縮器
65・・・溶液熱交換器
66・・・ポンプ
67、68・・・減圧弁

Claims (2)

  1. 温水焚吸収冷凍機と圧縮式冷凍機とを組み合わせ、該圧縮式冷凍機の圧縮機と膨張弁とを連通する冷媒配管の領域が温水焚吸収冷凍機の蒸発器内に組み込まれ、圧縮式冷凍機の冷媒配管内を流れる冷媒が温水焚吸収冷凍機の蒸発器内で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されており、前記圧縮式冷凍器内を循環する冷媒はフロン32/125混合であることを特徴とする複合冷凍装置。
  2. 温水焚吸収冷凍機と圧縮式冷凍機とを組み合わせ、該圧縮式冷凍機の圧縮機と膨張弁とを連通する冷媒配管の領域が温水焚吸収冷凍機の蒸発器内に組み込まれ、圧縮式冷凍機の冷媒配管内を流れる冷媒が温水焚吸収冷凍機の蒸発器内で滴下する低圧液相冷媒に気化熱を奪われる様に構成されており、前記圧縮式冷凍器内を循環する冷媒は二酸化炭素であることを特徴とする複合冷凍装置。
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