JP2004204990A - 電気式ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦パッドのディスクロータへの押圧力を検知するセンサへの制動熱の影響を少なくして、センサの作動の正確性と耐久性を向上させる。また、このようなセンサを設けた押圧力の検知手段を、簡易な構成で容易に形成する。
【解決手段】電気式ディスクブレーキに於いて、摩擦パッド3、4を押圧摺動する進退動機構16のピストン38の先端側に、内部を液密とし、且つ摩擦パッド3、4のディスクロータ1への押圧力の発生時にその押圧力を受けて内部液圧を変化させる液圧室51を設ける。前記液圧室の液圧を液圧センサ48にて測定し、この測定した液圧により摩擦パッド3、4のディスクロータ1への押圧力を検知する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車や自動二輪車等の各種車両に搭載され、電動モータの駆動力で進退動する進退動機構により、ディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動して制動を行う電気式ディスクブレーキに係るものである。特に摩擦パッドによるディスクロータへの押圧力を検知可能なセンサを備えたものに関し、該センサを摩擦パッドに蓄積された制動熱に影響されにくいものとし、センサの作動の正確性と耐久性を向上させようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2000−62591号公報
【0003】
従来、自動車や自動二輪車等の各種車両に於いて、電動モータの駆動力により進退動機構を進退動させ、ディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動して制動を行う電気式ディスクブレーキが存在する。この摩擦パッドがディスクロータに押し付けられる際の押圧力を検知し、この押圧力に基づいて制動を制御するため、上記特許文献1に示す発明の如く、摩擦パッドの押圧部材の先端に、圧電素子、歪みゲージ等のロードセルで構成される圧力センサ等を設けたものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、摩擦パッドにてディスクロータを制動する際の摩擦熱は、摩擦パッドとディスクロータとの当接部分で500℃以上となるとともに、圧力センサが接触する摩擦パッドの裏面側に於いても、200℃に達する事があり、圧力センサは制動熱の影響を受け易かった。また、圧力センサを設けた装置内部は、電動モータ、進退作動機構等、多くの部材を組み付けて、閉鎖的な構造であるため、放熱性にも乏しく、冷却も容易ではなかった。従って、摩擦パッドの裏面に直に圧力センサを接触させる従来技術では、制動熱の影響で圧力センサの精度の低下を生じる虞があった。
【0005】
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、摩擦パッドの押圧力を検知するセンサを、摩擦パッドとディスクロータとの制動熱から保護して、センサの作動の正確性と耐久性を向上させ、センサによる摩擦パッドの押圧力の検知を高精度に行う事を可能とするものである。また、センサ、その他の摩擦パッドの押圧力を検知する手段を簡易な構成とし、組み付け性やメンテナンス性を向上させるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の如き課題を解決するため、電動モータの駆動力で進退動機構のピストンを進退動させ、ディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動させて制動を行うとともに、摩擦パッドの押圧力を検知するセンサを備えた電気式ディスクブレーキに於いて、摩擦パッドを押圧摺動する進退動機構のピストンの先端側に、内部を液密とし、且つ摩擦パッドによるディスクロータへの押圧力の発生時にその押圧力を受けて内部液圧を変化させる液圧室を設けるとともに前記センサは、前記液圧室の液圧を測定する液圧センサとし、該液圧センサで測定した液圧により摩擦パッドのディスクロータへの押圧力を検知して成るものである。
【0007】
また、液圧室は、ピストンの先端側に、直列に複数個設けるとともに、この複数の液圧室のうちディスクロータとは最も距離を置いた位置の液圧室に、液圧センサを設けても良い。
【0008】
また、直列に複数個設けた液圧室は、互いに隣接する液圧室間において、ディスクロータ側の液圧室の受圧面積を大きくしても良い。
【0009】
【作用】
本発明は上述の如く構成したものであり、進退動機構のピストンの先端側に設けた液圧室には、適宜の作動液が封入されている。この作動液は、ブレーキ液等、従来公知の何れのものを使用しても良いが、高沸点或いは熱伝導性の低い作動液を用いれば、液圧センサへの熱伝導を抑制可能となるとともに、制動熱による作動液の沸騰や膨張も抑制可能となる。そして、運転者がブレーキペダルを踏み込んでブレーキ操作を行うと、電動モータの駆動により進退動機構が作動し、摩擦パッドの押圧部材に押圧力を発生させる事で、該摩擦パッドがディスクロータに押圧摺動され制動が行われる。
【0010】
この制動時の反力が摩擦パッドに加わる事により、進退動機構のピストンの先端側に設けた液圧室内が加圧され、この加圧液圧が液圧センサにて測定される。従って、制御部では、液圧センサの測定値により、摩擦パッドによりディスクロータへの押圧力が発生した事を感知可能となるとともに、この摩擦パッドの押圧力は、前記液圧センサの液圧と、この液圧を受圧するピストンのシール面での受圧面積との乗算式により容易に演算する事ができる。
【0011】
そして、前記特許文献1の如き従来発明では、摩擦パッドに直に圧力センサを接触させていたので、摩擦パッドからの制動熱の影響を受け易く、圧力センサの精度や耐久性の低下を生じる虞があった。しかし、本発明では、摩擦パッドによるディスクロータへの押圧力の発生時に、その押圧力を受ける液圧室の液圧を測定する液圧センサを設け、摩擦パッドから離れた位置に液圧センサを配置可能となるので、摩擦パッドからの制動熱の影響を受けにくく、液圧センサの作動の正確性や耐久性を向上させる事ができ、液圧の測定を高精度に行う事が可能となる。また、ピストンの先端側に、液密に液圧室を設けて液圧センサを配置するだけなので、摩擦パッドの押圧力の検知手段を単純な構成で容易に形成可能となり、組み付け性やメンテナンス性が向上するものとなる。
【0012】
また、液圧室は、ピストンの先端側に、一個のみ設けても良いが、直列に複数個設けるとともに、この複数の液圧室のうちディスクロータと最も距離を置いた位置の液圧室に液圧センサを設ければ、摩擦パッドと液圧センサとの距離を大きくする事ができるとともに、複数の液圧室の介在により熱伝導性も低下し、液圧センサへの制動熱の影響を抑制する効果が高くなる。
【0013】
更に、上記の如く液圧室を直列に複数個設けた場合、互いに隣接する液圧室間において、ディスクロータ側の液圧室の受圧面積を大きく形成すれば、ディスクロータ側で受圧した押圧力を小さくして液圧センサ側の液圧室に伝達する事ができる。従って、この小さな液圧を測定すれば良いので、液圧センサを小型化する事ができ、更には電気式ディスクブレーキの小型化も可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の摩擦パッドの押圧力を検知するセンサを備えた電気式ディスクブレーキの一実施例を、図面に於いて詳細に説明する。図1は第1実施例の電気式ディスクブレーキの全体横断面図で、摩擦パッドの押圧力を受圧する液圧室を一個のみ設けている。図2は図3のA−A線断面図で、遊星腕、遊星歯車、太陽歯車の係合関係等を示している。図3は図1のバッグプレート側の拡大断面図である。図4は図1の液圧センサ付近の主要部拡大断面図で、液圧室、ピストン部材、シール部材等を詳細に示している。また、図5は第2実施例の電気式ディスクブレーキの全体横断面図で、2つ液圧室を直列に設けている。図6は図5の液圧センサ付近の主要部拡大断面図で、2つの液圧室と2つのピストン部材及びそれらのシール部材等を詳細に示している。
【0015】
そして、図1〜図4に示す第1実施例を詳細に説明すれば、(1)は自動車の車輪に接続して一体に回動するディスクロータで、両側の摩擦面(2)に臨ませて、図1に示す如く、タイヤホイール(5)の内側に於いて、一対の摩擦パッド(3)(4)を配置している。また、前記ディスクロータ(1)に臨ませて、車両本体にブラケット(6)を固定し、この固定側からディスクロータ(1)の外周を跨いで反対側に掛けて突設したキャリパ支持腕(7)に、前記摩擦パッド(3)(4)を摺動可能に配置している。
【0016】
また、前記ブラケット(6)のキャリパ支持腕(7)に、摩擦パッド(3)(4)をディスクロータ(1)に押し付けるキャリパボディ(8)を、図2に示す如く、一対のスライドピン(9)を介して進退可能に連結している。このキャリパボディ(8)は、図1に示す如く、ディスクロータ(1)を挟んで、一方の摩擦パッド(3)の背面に配置する作用部(10)と、他方の摩擦パッド(4)の背面に配置する反力爪(11)を設けた反作用部(12)と、ディスクロータ(1)の外周を跨いで作用部(10)及び反作用部(12)とを連結するブリッジ部(13)とで構成されている。
【0017】
そして、前記作用部(10)は、図1に示す如く、シリンダ(14)内に、ブラシレス型の電動モータ(15)と、摩擦パッド(3)(4)の押圧力を発生させる本発明の進退動機構としてのボールねじ機構(16)と、このボールねじ機構(16)に電動モータ(15)の駆動力を減速して伝達する減速ギア機構(17)とを収納している。この減速ギア機構(17)は、電動モータ(15)の駆動力により回動可能な遊星腕(18)と、この遊星腕(18)に回動可能に軸支した遊星歯車(23)と、この遊星歯車(23)を回動させる太陽歯車(26)とから構成されている。
【0018】
前記遊星腕(18)は、前記電動モータ(15)の回転子として作用するマグネット(39)を外周に配置した円筒状の円筒部(20)と、摩擦パッド(3)とは反対側の後部に設け、円筒部(20)よりも大径な大径部(21)とから成り、電動モータ(15)の駆動力により、軸受部(57)を介してシリンダ(14)内を回動可能としている。そして、大径部(21)の外周三ヶ所に、等間隔で遊星歯車(23)を回動可能に軸支し、図1〜図3に示す如く、各遊星歯車(23)を、大径部(21)外周に開口した切欠部(22)から外部に突出させている。また、大径部(21)は、図2に示す如く、隣接する遊星歯車(23)間の外周を三角形状にカットして、遊星腕(18)の軽量化を図るとともに、後述の回転角センサ(19)のロータとしての使用を可能としている。
【0019】
また、遊星歯車(23)は、第1歯車部(24)と、この第1歯車部(24)よりも歯数の少ない第2歯車部(25)とを、軸方向の前後に分離して一体に形成し、前記第1歯車部(24)を、キャリパボディ(8)に回動不能に固定された太陽歯車(26)に噛合し、この太陽歯車(26)により遊星歯車(23)の回動を可能としている。
【0020】
また、上記太陽歯車(26)の固定は、図1、図3に示す如く、キャリパボディ(8)の後部に配置したバックプレート(27)に、等間隔で挿通穴(29)を複数開口し、各挿通穴(29)に挿通した固定ピン(28)を、太陽歯車(26)の背面に凹設した固定穴(30)に挿入する事により行っている。前記固定ピン(28)は、バックプレート(27)の装着孔(32)に装着したキャップ(33)にて頭部を押圧され、固定穴(30)への挿入状態が保たれている。そして、キャップ(33)を外すと、固定ピン(28)の頭部とバックプレート(27)間に装着した押圧発条(31)の付勢力により、固定ピン(28)が固定穴(30)から離脱し、太陽歯車(26)の固定が解除可能となる。
【0021】
そして、前記遊星腕(18)内に、軸受部(58)を介してボールねじ機構(16)のボールねじナット(34)を、回動可能で進退不能に収納している。このボールねじナット(34)は、遊星腕(18)の大径部(21)側に配置した後端外周に、太陽歯車(26)よりも歯数の少ない減速歯車(35)を固定している。この減速歯車(35)を、前記遊星歯車(23)の第2歯車部(25)に噛合し、遊星歯車(23)の回動によってボールねじナット(34)の回動を可能としている。
【0022】
また、ボールねじナット(34)は、中央に設けたボール溝(36)に、複数のボール(37)を介して、ピストンとしてのボールねじ軸(38)を進退可能に螺着している。そして、このボールねじ軸(38)の先端側に、摩擦パッド(3)の押圧部材として、平板状のパッド押圧板(40)を互いに分離不能に接続している。このパッド押圧板(40)にて、摩擦パッド(3)を、広い面積で一部に押圧力を集中する事なく押圧して、ディスクロータ(1)に平行に押し付け可能としている。
【0023】
そして、上記ボールねじ軸(38)とパッド押圧板(40)との接続及び、後述の摩擦パッド(3)(4)の押圧力を検知のするため、図1に示す如く、ボールねじ軸(38)は、内部を貫通形成して中空部(41)を設け、この中空部(41)の先端にピストン部材(42)を接続固定している。そして、このピストン部材(42)を、パッド押圧板(40)の背面に凹設した液圧シリンダ(43)内に、シール部材(49)を外周に設けて進退動可能に挿入配置している。このような構成とする事で、パッド押圧板(40)の液圧シリンダ(43)の底部と、ピストン部材(42)との間に、前記シール部材(49)により液密に密閉され、ブレーキ液等の作動液を収納した液圧室(51)を形成している。そして、摩擦パッド(3)(4)によりディスクロータ(1)への押圧力が発生すると、その反力がパッド押圧板(40)に作用し、ピストン部材(42)が液圧シリンダ(43)内を液圧室(51)の容積の減少方向に相対移動して、液圧室(51)内が加圧されるものとなる。
【0024】
また、ピストン部材(42)の先端には、上下方向に複数のガイドピン(52)を接続固定し、このガイドピン(52)を、液圧シリンダ(43)の底部に凹設したガイド穴(53)に進退動可能に係合する事で、液圧シリンダ(43)内におけるピストン部材(42)の進退動をガイドするとともに、ボールねじ軸(38)の回り止め機能としている。
【0025】
そして、上記摩擦パッド(3)(4)によるディスクロータ(1)への押圧力を、液圧室(51)の液圧を基に演算するが、この液圧室(51)の液圧を測定する液圧センサ(48)を、ボールねじ軸(38)の中空部(41)に配置している。該液圧センサ(48)は、ピストン部材(42)を貫通して液圧室(51)内に、液圧の受圧面を配置して、液圧室(51)の液圧を測定可能としている。また、液圧センサ(48)と検知器本体(図示せず)とを接続するハーネス(50)を、図1に示す如く、ボールねじ軸(38)の中空部(41)に挿通させている。そして、制御部では、該液圧センサ(48)で測定した液圧室(51)の液圧と、この液圧を受圧するピストン部材(42)のシール部材(49)の受圧面積との乗算により、摩擦パッド(3)(4)に発生する押圧力を検知可能となる。
【0026】
また、キャリパボディ(8)には、遊星腕(18)の回転角を検知して、ブラシレス型の電動モータ(15)の駆動を制御したり、ボールねじ軸(38)の進退量を推定するための回転角センサ(19)を設けている。この回転角センサ(19)は、図1〜図3に示す如く、シリンダ(14)の内周面に、遊星腕(18)の三角形状の大径部(21)の外周に臨ませて、磁気コイルを円周状に配置してステータとし、遊星腕(18)の大径部(21)をロータとした構成である。この三角形状の大径部(21)が回転角センサ(19)の内周を回動する事により、波形の出力電圧を発生するので、遊星腕(18)の回転角を検知可能となるものである。このように、遊星腕(18)の大径部(21)をロータとして兼用できるので、遊星腕(18)とは別個に回転角センサ(19)用のロータを設ける必要がなく、部品点数や組み付け工数の増加を防ぐ事ができる。
【0027】
更に、図1、図3に示す如く、遊星腕(18)の大径部(21)の後端面に臨ませて、前記バックプレート(27)に、パーキング機構のソレノイド(54)を設けている。そして、車両の駐車時に、摩擦パッド(3)(4)をディスクロータ(1)に押し付けて制動を行った状態でソレノイド(54)を作動すると、係止ピン(55)が、遊星腕(18)の大径部(21)端面に設けた係止穴(56)に係合する。この係合により、遊星腕(18)が回動不能に固定され、摩擦パッド(3)(4)による制動を維持する事ができる。また、バックプレート(27)外周に、Oリング(60)を介して被覆カバー(44)を装着し、複数の固定ねじ(59)で固定している。この被覆カバー(44)により、ソレノイド(54)やバックプレート(27)、その他を外的衝撃から保護するとともに、シリンダ(14)内のバックプレート(27)側のシール性を高めている。
【0028】
また、パッド押圧板(40)の外周とシリンダ(14)の内周との間に、伸縮可能なダストシール(47)を接続して、シリンダ(14)の開口部(45)を閉塞し、開口部(45)側のシール性を高めて、シリンダ(14)内への塵埃や水分、小石等の侵入を抑制可能としている。
【0029】
また、キャリパボディ(8)は、電動モータ(15)の摩擦パッド(3)側と減速ギア機構(17)側で3分割可能に形成し、各パーツ間に、図1に示す如く、キャリパボディ(8)よりも熱伝導率の低い断熱材製の断熱リング部材(46)を挿入配置している。この断熱リング部材(46)の断熱効果により、摩擦パッド(3)(4)の制動熱が、キャリパボディ(8)の外表面を介して電動モータ(15)や減速ギア機構(17)に伝達されたり、電動モータ(15)の駆動熱が、減速ギア機構(17)に伝達されるのを抑制する事ができる。
【0030】
尚、前記断熱リング部材(46)は、キャリパボディ(8)の本体を分割形成して、各パーツ間に挿入配置しているので、キャリパボディ(8)内部の部品に設ける場合と比較して、組み付けが容易であり、生産性に影響を与える事はない。また、分割形成によりキャリパボディ(8)の内部への各種部品の組み付け性やメンテナンス性も向上するものとなる。
【0031】
上述の如く構成された電気式ディスクブレーキでは、車両の走行時にドライバがブレーキペダルを踏み込んで制動操作を行うと、この踏み込み量に応じて電動モータ(15)が駆動され、遊星腕(18)がシリンダ(14)内を回動する。この遊星腕(18)の回動により、大径部(21)に軸支され、太陽歯車(26)に第1歯車部(24)を噛合する遊星歯車(23)が、太陽歯車(26)の外周を回動する。この遊星歯車(23)の回動により、第2歯車部(25)に減速歯車(35)を噛合するボールねじナット(34)が回動される。
【0032】
そして、ボールねじ機構(16)の作用により、回動力がボールねじ軸(38)の摺動力に変換され、パッド押圧板(40)を介して作用部(10)側の摩擦パッド(3)を押圧摺動し、ディスクロータ(1)に押し付ける。更に、ボールねじ軸(38)の摺動の反力で、キャリパボディ(8)が後退し、反作用部(12)の反力爪(11)が、反作用部(12)側の摩擦パッド(4)を押圧摺動し、ディスクロータ(1)に押し付ける事により、制動が行われる。
【0033】
そして、上記制動時に摩擦パッド(3)(4)によるディスクロータ(1)への押圧力が発生すると、その反力でパッド押圧板(40)には、ボールねじ軸(38)方向に後退させようとする力が作用する。この作用により、ボールねじ軸(38)の先端に接続したピストン部材(42)が、パッド押圧板(40)の液圧シリンダ(43)内を、液圧室(51)の容積の減少方向に相対移動し、該液圧室(51)内が加圧される。この加圧された液圧を、液圧センサ(48)が測定すると、制御部では摩擦パッド(3)(4)によるディスクロータ(1)への押圧力が発生した事を認知するとともに、測定された液圧と、ピストン部材(42)のシール部材(49)の受圧面積との乗算により、摩擦パッド(3)(4)の押圧力を算出する。この算出された押圧力や、回転角センサ(19)で検知される回転角を基に、制御部ではブラシレス型の電動モータ(15)の駆動を制御したり、ボールねじ軸(38)の進退量を推定して、摩擦パッド(3)(4)とディスクロータ(1)とのクリアランスの調整等を行うものである。
【0034】
そして、ブレーキペダルの踏み込みを解除すると、電動モータ(15)の制御により遊星腕(18)が逆回転し、遊星歯車(23)を介してボールねじナット(34)が、先の回転とは逆方向に回転するので、ボールねじ軸(38)が後退し、摩擦パッド(3)の押圧が解除される。また、このボールねじ軸(38)後退の反力により、キャリパボディ(8)も復元方向に摺動し、反作用部(12)側の摩擦パッド(4)の押圧が解除されるので、制動が解除されるものである。
【0035】
また、上記第1実施例では、液圧室(51)を一個のみ設けているので、構成が単純で部品点数も少なく、組み付け性やメンテナンス性に優れている。これに対して、他の異なる第2実施例では、図5、図6に示す如く、液圧室(51)と直列に第2液圧室(61)を設けている。第2実施例の押圧力検知手段の構成は、ボールねじ軸(38)の中空部(41)の先端側に液圧シリンダ(43)を設け、パッド押圧板(40)の背面側を液圧シリンダ(43)方向に突設してピストン部材(42)とし、該ピストン部材(42)をシール部材(49)を介して進退動可能に液圧シリンダ(43)内に挿入配置している。
【0036】
そして、ピストン部材(42)とは別個に、液圧シリンダ(43)内に第2ピストン部材(62)を進退動可能に配置して液圧シリンダ(43)内を区画し、第2ピストン部材(62)を介してピストン部材(42)側の液密空間を液圧室(51)とし、反対側の液密空間を第2液圧室(61)とするとともに、該第2液圧室(61)内に、液圧センサ(48)を配置している。また、第2ピストン部材(62)は、液圧室(51)側を前記ピストン部材(42)の外径よりも小径とし、第2液圧室(61)側を大径とする段付きとし、小径側と大径側の外周に、各々シール部材(63)(64)を装着している。
【0037】
上記第2実施例の構成では、ブレーキ操作により、摩擦パッド(3)(4)のディスクロータ(1)への押圧力が発生すると、その反力が摩擦パッド(3)を介してパッド押圧板(40)に作用し、パッド押圧板(40)に突設したピストン部材(42)が液圧シリンダ(43)内を液圧室(51)方向に摺動し、液圧室(51)内が加圧される。この液圧室(51)の加圧により、第2ピストン部材(62)が第2液圧室(61)の容積の減少方向に摺動し、第2液圧室(61)が加圧される。この第2液圧室(61)の液圧を液圧センサ(48)が測定し、制御部に伝達する事で、該制御部では摩擦パッド(3)(4)によるディスクロータ(1)への押圧力が発生した事を認知し、その測定値を基に摩擦パッド(3)(4)の押圧力を算出するものである。
【0038】
このように、液圧室(51)と第2液圧室(61)を直列に配置して、複数設ける事により、液圧センサ(48)と摩擦パッド(3)との距離を長くする事ができる。そのため、液圧センサ(48)への制動熱の影響を、より少なくする事ができ、作動の正確性や耐久性を向上させる事ができる。また、ディスクロータ(1)からの反力を直に受圧するピストン部材(42)のシール部材(49)の受圧面積(図6のa)よりも、第2ピストン部材(62)の小径側のシール部材(63)の受圧面積(図6のb)を小さくしているので、液圧室(51)の液圧に比べて、液圧センサ(48)を配置した第2液圧室(61)の液圧が小さくなり、この小さな液圧を測定可能とすれば良いので、液圧センサ(48)を小型化する事ができる。この小型化により、液圧センサ(48)の導入コストを下げたり、電気式ディスクブレーキが大径となるのを抑制する事も可能となる。
【0039】
また、上述の如く、摩擦パッド(3)からの反力で加圧される液圧室(51)又は第2液圧室(61)の液圧を液圧センサ(48)で測定する事で、摩擦パッド(3)(4)の押圧力を得る検知手段は、図1〜図6に示す如き電気式ディスクブレーキに限らず、従来公知の何れの電気式ディスクブレーキでも実施する事ができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したもので、液圧センサが摩擦パッドに直に接触する事がなく、液圧センサを液圧室に配置して摩擦パッドと距離を置く事ができ、摩擦パッドに蓄熱された制動熱の液圧センサへの影響を抑制する事が可能となる。また、この制動熱の影響の低減により、液圧センサの作動の正確性を向上させ、高精度に液圧を測定可能となるとともに、液圧センサの耐久性も向上させる事ができる。また、ピストンの先端側に液圧室を設け、この液圧室に液圧センサを設けるだけなので、摩擦パッドの押圧力の検知手段を、単純な構造で簡易に形成でき、組み付け性やメンテナンス性に優れた製品を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電気式ディスクブレーキの横断面図。
【図2】図3のA−A線断面図で、太陽歯車の固定部材とハーネスとを省略したものである。
【図3】図1のバックプレート側の部分拡大断面図。
【図4】図1の液圧センサ付近の部分拡大断面図。
【図5】第2実施例の電気式ディスクブレーキの横断面図。
【図6】図5の液圧センサ付近の部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 ディスクロータ
3 摩擦パッド
4 摩擦パッド
15 電動モータ
16 ボールねじ機構(本発明の進退動機構)
38 ボールねじ軸(本発明のピストン)
48 液圧センサ
51 液圧室
61 第2液圧室

Claims (3)

  1. 電動モータの駆動力で進退動機構のピストンを進退動させ、ディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動させて制動を行うとともに、摩擦パッドの押圧力を検知するセンサを備えた電気式ディスクブレーキに於いて、摩擦パッドを押圧摺動する進退動機構のピストンの先端側に、内部を液密とし、且つ摩擦パッドによるディスクロータへの押圧力の発生時にその押圧力を受けて内部液圧を変化させる液圧室を設けるとともに前記センサは、前記液圧室の液圧を測定する液圧センサとし、該液圧センサで測定した液圧により摩擦パッドのディスクロータへの押圧力を検知する事を特徴とする電気式ディスクブレーキ。
  2. 液圧室は、ピストンの先端側に、直列に複数個設けるとともに、この複数の液圧室のうちディスクロータとは最も距離を置いた位置の液圧室に、液圧センサを設けた事を特徴とする請求項1の電気式ディスクブレーキ。
  3. 直列に複数個設けた液圧室は、互いに隣接する液圧室間において、ディスクロータ側の液圧室の受圧面積を大きくした事を特徴とする請求項2の電気式ディスクブレーキ。
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