JP2004204885A - 液体用管体の継手装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】食い込み部が管体の外周部に過度に食い込むのを防止することができる液体用管体の継手装置を提供する。
【解決手段】接続孔3の一部をなす筒体22の内周面には、右方へ向かって小径になるテーパ孔部22dを形成する。筒体22の内部には、係止部材4を筒体22の軸線方向へ移動可能に配置する。係止部材4は、「C」字状に形成することにより、拡縮径可能にする。係止部材4の内周面には、食い込み突条4cを形成する。食い込み突条4cは、二次側配管(管体)1のパイプ11の外周部に食い込み、係止部材4をパイプ11にそれと一緒に右方へ移動するように連結する。係止部材4は、パイプ11と共に右方へ移動すると、テーパ孔部22dの内周面によって縮径される。それに伴って食い込み突条4cがパイプ11の外周部に深く食い込む。しかし、係止部材4は、周方向の両端部が互いに突き当たるとそれ以上縮径しなくなる。
【選択図】 図6
【解決手段】接続孔3の一部をなす筒体22の内周面には、右方へ向かって小径になるテーパ孔部22dを形成する。筒体22の内部には、係止部材4を筒体22の軸線方向へ移動可能に配置する。係止部材4は、「C」字状に形成することにより、拡縮径可能にする。係止部材4の内周面には、食い込み突条4cを形成する。食い込み突条4cは、二次側配管(管体)1のパイプ11の外周部に食い込み、係止部材4をパイプ11にそれと一緒に右方へ移動するように連結する。係止部材4は、パイプ11と共に右方へ移動すると、テーパ孔部22dの内周面によって縮径される。それに伴って食い込み突条4cがパイプ11の外周部に深く食い込む。しかし、係止部材4は、周方向の両端部が互いに突き当たるとそれ以上縮径しなくなる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水道管、その他の液体用の管体を接続するための継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の継手装置は、接続孔が形成された継手本体と、この継手本体の接続孔内に固定されたリング状の係止部材とを有している。接続孔には、その一端開口部から管体が挿入される。この管体は、係止部材を貫通して所定の接続位置まで挿入される。係止部材は、薄い金属板からなるものであり、その内周面には、管体の挿入方向に向かうにしたがって内周側へ向かうように傾斜した多数の食い込み部が設けられている。この食い込み部は、その先端部が管体の外周面より小径である円周上に配置されているが、管体の挿入時には管体によって先端部が径方向外側へ変位するように弾性変形させられる。それによって、管体が係止部材を貫通することを許容する。その一方、接続位置まで挿入された管体が接続孔の一端開口部側へ移動しようとすると、食い込み部が管体の外周面から内部に食い込む。これにより、管体が係止部材に対して接続孔の一端開口部側へ移動不能に連結され、ひいては継手本体に抜け止め状態で接続されるようになっている。
【0003】
ところで、食い込み部は、管体の挿入方向へ向かうにしたがって径方向内側へ向かうように傾斜しているので、管体が接続孔の一端開口部から抜け出る方向へ強く引っ張られると、管体の外周部に深く食い込む。これにより、管体を強力に抜け止めするようになっているのであるが、食い込み部が過度に深く食い込むと、管体の強度が低下して食い込み部分から破断するおそれがある。そこで、食い込み部の両側に周方向に延びる規制部を形成している。この規制部は、食い込み部が所定の深さまで食い込むと管体の外周面に突き当たるようになっており、これによって食い込み部が管体に過度に食い込むのを防止している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−234692号公報(第3頁、図1及び図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の液体用管体の継手装置においては、係止部材が薄い金属板で構成されているため、規制部を形成したとしても、規制部自体が管体の外周面に食い込んでしまい、食い込み部の過度の食い込みを確実に防止することが困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、第1の発明は、一端開口部から管体が挿入される接続孔が形成された継手本体と、上記接続孔の内部に設けられ、上記管体によって貫通される係止部材とを備え、上記係止部材の内周面には、上記管体の外周面に食い込むことにより、上記係止部材を上記管体に上記接続孔の一端開口部側へ上記管体と一体に移動するように連結する食い込み部が設けられた液体用管体の継手装置において、上記接続孔の内周面には、上記接続孔の他端側から一端側へ向かうにしたがって小径になるテーパ孔部が形成され、上記係止部材が、それ自体の弾性によって拡縮径することができるよう、略C字状に形成され、上記食い込み部が、上記接続孔部の一端開口部側へ向かう方向への力に対して所定以上の強度を有し、上記係止部材は、上記テーパ孔部内を上記接続孔の一端開口部側へ移動したときに、上記テーパ孔部の内周面に摺接することによって縮径し、所定の限界位置まで移動したときには、上記係止部材の周方向の両端部が互いに突き当たるように構成されていることを特徴としている。
また、第2の発明は、一端開口部から管体が挿入される接続孔が形成された継手本体と、上記接続孔の内部に設けられ、上記管体によって貫通される係止部材とを備え、上記係止部材の内周面には、上記管体の外周面に食い込むことにより、上記係止部材を上記管体に上記接続孔の一端開口部側へ上記管体と一体に移動するように連結する食い込み部が設けられた液体用管体の継手装置において、上記接続孔の内周面には、上記接続孔の他端側から一端側へ向かうにしたがって小径になるテーパ孔部と、このテーパ孔部より上記接続孔の一端側に配置された当接面とが形成され、上記係止部材が、それ自体の弾性によって拡縮径することができるよう、略C字状に形成され、上記食い込み部が、上記接続孔部の一端開口部側へ向かう方向への力に対して所定以上の強度を有し、上記係止部材は、上記テーパ孔部内を上記接続孔の一端開口部側へ移動したときに、上記テーパ孔部の内周面に摺接することによって縮径し、上記当接面に突き当たることによって上記接続孔の一端開口部側への移動が阻止されることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1〜図7を参照して説明する。
図1〜図6は、この発明の一実施の形態を示している。この実施の形態は、例えば水道水の配管系を構成する際に用いられるものであり、上流側配管たる一次側配管(図示せず)に下流側配管たる二次側配管(管体)1を、この発明に係る継手装置2を介して接続するように構成されている。
【0008】
二次側配管1は、パイプ11とインナーコア12とを有している。ただし、二次側配管1は、インナーコア12を省き、パイプ11だけで構成してもよい。パイプ11は、断面円形をなしており、架橋ポリエチレン、ポリブテン等の適度の柔軟性と強度とを兼ね備えた合成樹脂によって構成されている。パイプ11を構成する樹脂としては、透明な合成樹脂を用いるのが望ましい。パイプ11のうち、その上流側の端面(図1において左端面。以下、左右は図における左右を意味するものとする。)から右側へ向かった所定の長さの挿入範囲は、後述する接続孔3に挿入することができるよう、ストレートに形成されるが、それより右側の部分(下流側の部分)はストレートであっても、曲がっていてもよい。
【0009】
一方、インナーコア12は、パイプ11を構成する合成樹脂より強度の強い合成樹脂、例えばポリフェニルサルフォン等の合成樹脂によって構成されており、互いに一体に形成された小径筒部12aと大径筒部12bとを有している。インナーコア12の少なくとも小径筒部12aの外周面は、有色であることが望ましい。この場合、パイプ11を構成する樹脂が無色透明であるならば、小径筒部12aの外周面の色はどのようなものであってもよいが、パイプ11が有色透明であるときには、パイプ11を構成する合成樹脂の色と異なる色であることが望ましい。
【0010】
小径筒部12aは、断面円形をなしており、パイプ11の内径より若干大きい外径を有している。そして、パイプ11の左端部内周に圧入されている。小径筒部12aの長さは、上記挿入範囲の長さとほぼ同一か、それより所定の若干量(例えば、2〜5mm程度)だけ長く設定されており、小径筒部12a全体がパイプ11に圧入されている。一方、大径筒部12bは、断面円形をなし、小径筒部12aと同芯に形成されている。大径筒部12bの外径は、パイプ11の外径と同一に設定されている。大径筒部12bの小径筒部12a側の端面12cは、パイプ11の左端面に突き当たっている。したがって、大径筒部12b全体がパイプ11から外部に露出している。
【0011】
大径筒部12bの外周面の右端部(端面12c側の端部)には、周方向に沿って環状に延びる係合凹部(凹部)12dが形成されている。この係合凹部12dの底面、つまり係合凹部12dを区画する壁面は、大径筒部12bの右端から左方へ向かってほぼ中央部まで延び、左方へ向かうにしたがって小径になるテーパ面12eと、このテーパ面12eの左端縁から大径筒部12bの径方向外側へ向かってその外周面まで延びる当接面12fとを有している。大径筒部12bの左端部には、左方へ向かうにしたがって小径になるテーパ状のガイド面12gが形成されている。ガイド面12gは、この実施の形態では、テーパ面12eと同一のテーパ度を有しているが、ガイド面12gのテーパ度は、テーパ面12eのテーパ度と異なるテーパ度にしてもよい。ガイド面12gの右端縁は、当接面12fの外側の端縁と交差しているが、当接面12fに対して左方へ離間させ、当接面12fとガイド面12gとの間の大径筒部12bの外周面に、一定の直径を有する円筒面を形成してもよい。ガイド面12gの左端縁は、曲率半径が小さい円弧面を介して大径筒部12bの左端面に連なっている。
【0012】
継手2は、継手本体21と筒体22とを有している。継手本体21の内部には、その一端面から他端面まで貫通する断面円形の貫通孔21aが形成されている。この貫通孔21aが形成されることにより、継手本体2が筒状になっている。貫通孔21aは、その軸線方向の左端部に形成された小径孔部21bと、中央部に形成された中径孔部21cと、右端部に形成された大径孔部21dとを有している。小径孔部21bの内径は、二次側配管1の外径(=パイプ11及び大径筒部12bの外径)より小径に設定されている。中径孔部21cの内径は、二次側配管1の外径より大径に設定されている。小径孔部21bと中径孔部21cとの間には、貫通孔21aの軸線と直交し、かつ右方を向く環状の位置規制面21eが形成されている。大径孔部21dは、中径孔部21cよりさらに大径であり、大径孔部21dと中径孔部21cとの間には、段差面21fが形成されている。大径孔部21dの内周面には、雌ねじ部21gが形成されている。継手本体21の左端部外周面には、テーパ雄ねじ部21hが形成されている。このテーパ雄ねじ部21hには、一次側配管が螺合固定される。そして、一次側配管から水道水が貫通孔21aに供給されるようになっている。
【0013】
筒体22は、その左端部が雌ねじ部21gに螺合されている。そして、筒体22の中間部外周面に形成された環状突出部22aが継手本体21の右端面に突き当たるまで筒体22が雌ねじ部21gにねじ込まれることにより、筒体22が継手本体21に固定されている。筒体22の外周面と大径孔部21dの内周面との間は、Oリング等のシール部材S1によって封止されている。筒体22の内部と貫通孔21aのうちの筒体22より左側の部分とによって継手2の内部を貫通する接続孔3が構成されている。この接続孔3には、その右端開口部(一端開口部)、つまり筒体22の右端開口部から二次側配管1がその大径筒部12bを先にして挿入される。二次側配管1は、大径筒部12bの左端面が位置規制面21eに突き当たるまで挿入される。位置規制面に突き当たると、二次側配管1はそれ以上接続孔3に挿入することができなくなる。以下、このときの二次側配管1の位置を接続位置と称する。二次側配管1の接続孔3に対する接続位置までの挿入長さは、大径筒部12bの長さとパイプ11の挿入範囲との合計長さとほぼ等しくなっている。したがって、二次側配管1が接続位置まで挿入されると、小径筒部12aの右端面が筒体22の右端面とほぼ同一平面上に位置するか、筒体22の右端面から所定の若干量だけ右側に突出する。ここで、パイプ11が透明であるから、小径筒部12aの右端面が筒体22の右端面とほぼ同一平面上に位置しているか、所定量だけ突出していることを目視することができる。これにより、二次側管体1が接続孔3に接続位置まで挿入されたことを確認することができる。
【0014】
筒体22の内部には、その右端部に小径孔部22bが形成され、左端部に大径孔部22cが形成され、小径孔部22bと大径孔部22cとの間にテーパ孔部22dが形成されている。小径孔部22bの内径は、その全長にわたって一定であり、二次側配管1の外径とほぼ同一に設定されている。小径孔部22bの内周面には、環状凹部22eが形成されている。この環状凹部22eには、Oリング等のシール部材S2が装着されている。このシール部材S2により、小径孔部22bの内周面と二次側配管1のパイプ11の外周面との間が封止されている。大径孔部22cは、小径孔部22bより大径であり、一定の内径を有している。テーパ孔部22dは、左方へ向かうにしたがって大径になっている。テーパ孔部22dの小径側の端縁、つまり右端縁は、小径孔部22bの左端縁と交差している。したがって、テーパ孔部22dの最小内径(右端縁の内径)は、小径孔部22bの内径と同一になっている。テーパ孔部22dの大径側の端縁、つまり左端縁は、大径孔部22cの右端縁と交差している。したがって、テーパ孔部22dの最大内径は、大径孔部22cの内径と同一になっている。
【0015】
筒体22の内部には、係止部材4が挿入されている。この係止部材4は、金属又は樹脂からなるものであり、図3に示すように、略「C」字状に形成されている。これにより、係止部材4が拡縮径可能になっている。係止部材4は、その左端面が後述するストップリング5に突き当たることによってそれ以上左方へ移動することが阻止されている。係止部材4の外周面の左端部には、ストレート部4aが形成されており、このストレート部4aを除く係止部材4の外周面の大部分がテーパ部4bになっている。ストレート部4aの外径は、係止部材4に外力が作用しない自然状態になっているとき、大径孔部22cの内径より若干小径になっている。一方、テーパ部4bは、ストレート部4aから右方へ向かうにしたがって小径になっており、そのテーパ度はテーパ孔部22dと同一のテーパ度に設定されている。しかも、テーパ部4bの軸線方向における各部の外径は、係止部材4がストップリング5に突き当たり、かつ係止部材4が自然状態になっているとき、テーパ孔部22dの対応する各部の内径より若干小径になっている。したがって、係止部材4は、ストップリング5に突き当たっているときには筒体22の内部において拡径可能な状態になっている。
【0016】
係止部材4の内周面には、その周方向の一端から他端まで延びる食い込み突条(食い込み部)4cが形成されている。食い込み突条4cは、この実施の形態では係止部材4の軸線方向に隣接して二つ形成されているが、一つだけ形成してもよく、三つ以上形成してもよい。食い込み突条4cは、接続孔3の軸線とのなす角が直角で、左方を向く垂直面4dと、この垂直面4dの内周縁から右方へ向かうにしたがって大径になるテーパ面4eとによって断面鋸刃状に形成されている。食い込み突条4cの内径は、二次側配管1の外径より若干小径に設定されている。したがって、二次側配管1が接続孔3にその右端開口部から挿入されると、二次側配管1の左端部(大径筒部12bのガイド面12gの左端部)が食い込み突条4cのテーパ面4eに突き当たる。このとき、係止部材4がストップリング5によって左方への移動を阻止されているので、係合部材4は、食い込み突条4cのテーパ面4eに突き当たる二次側配管1によって弾性的に拡径される。その結果、二次側配管1が係止部材4内を通過可能になる。
【0017】
二次側配管1は、係止部材4内を通過した後、接続位置まで挿入されると、大径筒部12bの左端面が位置規制面21eに突き当たることによって停止する。すると、係止部材4がそれ自体の弾性によって縮径し、食い込み突条4cが二次側配管1のパイプ11の外周面から内部に食い込む。この結果、二次側配管1が接続位置から右方へ移動しようとすると、それに追随して係止部材4が右方へ移動し、テーパ部4bがテーパ孔部22dの内周面に押圧接触する。これにより、係止部材4の右方への移動が阻止される。この状態では、パイプ11が継手2に係止部材4を介して右方へ移動不能に係止される。
【0018】
このように、二次側配管1のパイプ11は、係止部材4及びテーパ孔部22dの内周面によって継手2に係止されるが、パイプ11が所定の大きさを越える力で右方へ引っ張られると、パイプ11は、接続孔3から抜け出ることはないまでも、右方へ若干移動させられる。すなわち、二次側配管1が比較的強い力で右方へ引っ張られると、係止部材4がテーパ孔部22dの内周面によって縮径され、その分だけ食い込み突条4cがパイプ11に深く食い込むとともに、係止部材4が右方へ移動する。この結果、パイプ11も係止部材4が移動した分だけ右方へ移動する。ただし、係止部材4が「C」字状をなしているので、係止部材4の周方向の両端部が互いに突き当たるまで係止部材4が縮径すると、係止部材4はそれ以上縮径することができなくなる。この結果、係止部材4がテーパ孔部22dの内周面によって右方への移動が阻止され、ひいては二次側配管1の右方への移動が阻止される。このときの係止部材4の位置が限界位置である。換言すれば、係止部材4が右方へ向かって限界位置まで移動すると、テーパ孔部22dによって縮径されて係止部材4の周方向の両端部が突き当たるようになっている。
【0019】
係止部材4は、限界位置に達するとそれ以上右方へ移動しなくなるとともに、縮径しなくなるので、食い込み突条4cがパイプ11の外周部に過度に食い込むことが防止されるとともに、パイプ11(二次側配管1)が接続孔3から抜け出ることが阻止される。しかも、食い込み突条4cの厚さ(係止部材4の軸線方向における食い込み突条の寸法)は、係止部材4の径方向内側から外側へ向かうにしたがって厚くなっているので、接続孔3の右端開口部側に向かう力に対する食い込み突条4cの強度が高く、その強度は、食い込み突条4cがパイプ11に最も深く食い込んだ状態でパイプ11を引っ張ったとき、パイプ11が食い込み突条4cの食い込み部から切断する程度の力で引っ張ったとしても、食い込み突条4cが接続孔3の右端開口部側へ向かってほとんど変形することがないような強度に設定されている。したがって、パイプ11を強く引っ張ったとしても、食い込み突条4cが変形してパイプ11が係止部材4から抜け出し、ひいては接続孔3の右端開口部から抜け出るような事態が生じることはない。
【0020】
継手本体21の大径孔部21dの中径孔部21c側における端部には、ストップリング5が配置されている。このストップリング5は、当接面21fと筒体22の左端面とによってほぼ挟持されている。したがって、ストップリング5は、接続孔3の軸線方向に対してほぼ位置固定されている。ストップリング5の内径は、二次側配管1の外径より若干大径になっている。したがって、二次側配管1は、ストップリング5内を挿通可能である。なお、上記のように、ストップリング5の右端面には、接続孔3に挿入される二次側配管1によって左方へ押圧させられた係止部材4が突き当たるようになっている。
【0021】
継手本体21の中径孔部21cには、筒状をなす係合部材6が嵌合されている。係合部材6は、接続孔3の軸線方向へ移動可能であるが、その左端面が中径孔部21cの内周面の左端部に形成された環状の係止面21iに突き当たることにより、それ以上左方へ移動することが阻止されている。以下、このときの係合部材6の位置を初期位置と称する。係止部材6の内径は、二次側配管1の外径とほぼ同一か若干大径になっている。したがって、二次側配管1は、係止部材6内を挿通可能である。
【0022】
係合部材6の左端部には、左方へ向かって延びる係合片6aが形成されている(図2参照)。係合片6aは、周方向に等間隔をもって4つ形成されているが、1〜3つ又は5つ以上形成してもよい。係合片6aは、その先端部(左端部)が基端部(右端部)を中心として接続孔3の径方向へ回動変位することができるよう、弾性変形可能に形成されている。係合片6aは、左方へ向かうにしたがって係合部材6の内周面から径方向内側へ向かうように傾斜させられている。特に、係合片6aの内面(径方向内側を向く面)は、インナーコア12の大径筒部12bに形成された係合凹部12dのテーパ面12eの傾斜角度と同一の傾斜角度をもって傾斜させられている。しかも、係合片6aの内面の先端部と接続孔3の軸線との間の距離は、ガイド面12gの小径側端部の半径より小さくなっている。したがって、図4に示すように、二次側配管1を接続位置より若干手前の位置まで接続孔3に挿入すると、ガイド面12gが係合片6aの内面に突き当たる。その状態で二次側配管1をさらに左方へ移動させると、係合片6aの内面が係合部材6の内周面と同一の円周面上に位置するようになるまで係合片6aが接続孔3の径方向外側へ向かって弾性変形させられる。その後、二次側配管1を接続位置まで移動させると、係合片6aが係合凹部12dと対向する。すると、係合片6aがそれ自体の弾性によって元の状態に復帰する。そして、係合凹部12d内に入り込み、そのテーパ面12eに勢い良く衝突する。これによって、打撃音が発生するとともに、係合片6a及び大径筒部12bに振動が発生する。
【0023】
係合片6aが係合凹部12dに入り込むと、係合片6aの先端面が当接面12fに突き当たる。これにより、係合部材6が二次側配管1のインナーコア12に対して左方へ移動不能に係止される。換言すれば、係合部材6がインナーコア12に対しそれと一緒に右方向へ移動するように連結される。なお、係合片6aの先端面が当接面12fに突き当たった状態において、二次側配管1が右方へ移動させられると、係合片6aにはその先端部を接続孔3の径方向内側へ変位させるようとする力(モーメント)が作用するが、係合片6aの内面がテーパ面12eに突き当たっているので、係合片6aが径方向内側へ向かって弾性変形させられることがない。したがって、係合片6aは、係合部材6がインナーコア12と一緒に右方へ移動するように、係合部材6をインナーコア12に確実に連結する。
【0024】
ストップリング5と係合部材6との間には、Oリング等の弾性材からなる環状のシール部材7が設けられている。接続孔3の軸線方向(長手方向)におけるシール部材7の両側部は、ストップリング5の左端面と係合部材6の右端面とにそれぞれ押圧接触している。シール部材7は、それに外力が作用していない自然状態になっているとき、その外径が中径孔部21cの内径より大径になっている。したがって、シール部材7の外周部は、中径孔部21cの内周面に押圧接触している。一方、シール部材7の内径は、二次側配管1の外径より小径に設定されている。したがって、二次側配管1を接続孔3に接続位置まで挿入すると、シール部材7の内周部が二次側配管1(パイプ部11)の外周面に押圧接触する。これにより、中径孔部21cの内周面(接続孔3の内周面)と二次側配管1の外周面との間が封止されている。
【0025】
上記構成の継手装置Aにおいて、二次側配管1を継手2に接続する場合には、インナーコア12を先にして二次側配管1を接続孔3にその右端開口部から挿入する。インナーコア12の大径筒部12bがシール部材S2を通過した後、そのガイド面12gが係止部材4の食い込み突条4cのテーパ面4eの内周部に突き当たる。すると、係止部材4がストップリング5によって左方への移動を阻止されているので、ガイド面12gが係止部材4を弾性的に拡径させる。この結果、大径筒部12b及びパイプ11が係止部材4内を通過可能になる。大径筒部12b及びパイプ11が係止部材4を通過した後、二次側配管1を接続孔3にさらに挿入すると、図4に示すように、大径筒部12bのガイド面12gが係合部材6の係合片6aの先端部内面に突き当たる。このとき、係合部材6が係止面21iに突き当たることによって初期位置から左方への移動を阻止されているので、ガイド面12gは、二次側配管1の挿入に伴って係合片6aをその先端部が接続孔3の径方向外側へ変位するように弾性変形させる。これにより、ガイド面12gが係合片6aに摺接した状態で二次側配管1が左方へ移動可能になる。その後、図5に示すように、二次側配管1を接続孔3に接続位置まで挿入すると、係合片部6aが係合凹部12dと対向する。
【0026】
係合片部6aが係合凹部12dと対向すると、係合片部6aがそれ自体の弾性によって復帰変形し、テーパ面12eに勢い良く突き当たる。これにより、打撃音が発生するとともに、係合片部6a及びインナーコア12に振動が発生する。打撃音を聴覚で認識することにより、二次側配管1が接続位置まで挿入されたことを確認することができる。しかも、係合片部6aに発生した振動は、係合部材6を介して継手本体21に伝達され、インナーコア12に発生した振動は、パイプ11に伝達される。そして、継手本体21及びパイプ11に伝達された振動を、それらを持つ両手でそれぞれ感じることにより、二次側配管1が接続位置まで挿入されたことを確認することができる。したがって、二次側配管1の継手2への接続を暗闇中で行ったり、あるいは壁等に形成された小さい孔から手を差し込んで行う場合においても、二次側配管1が接続孔3の接続位置まで挿入されたことを確実に認識することができる。
【0027】
二次側配管1が接続位置まで挿入されると、大径筒部12bの左端面が位置規制面21eに突き当たる結果、それ以上二次側配管1を接続孔3に挿入することができなくなり、二次側配管1が停止する。すると、係止部材4の食い込み突条4cが係止部材4自体の弾性によってパイプ11の外周に食い込む。これにより、二次側配管1が接続孔3の右端開口部から抜け出ることが阻止される。つまり、二次側配管1が継手2に接続される。
【0028】
二次側配管1が継手2に接続された状態において、二次側配管1のパイプ11が右方へ強く引っ張られると、図6に示すように、係止部材4がパイプ11と一緒に右方へ移動する。すると、係止部材4がテーパ孔部22dによって縮径され、食い込み突条4cがパイプ11に深く食い込む。しかし、係止部材4が限界位置まで移動して所定の直径まで縮径すると、その周方向の両端部が互いに突き当たり、係止部材4がそれ以上縮径することができなる。この結果、係止部材4が右方へ移動することができなくなる。これにより、パイプ11が接続孔3から抜け出ることが確実に阻止されるとともに、食い込み突条4cがパイプ11に過度に食い込むことが防止されている。
【0029】
なお、パイプ11が接続孔3の右端開口部から抜け出る方向へ引っ張られると、上記のように、係止部材4がストップリング5から右方へ移動する距離の分だけパイプ11が右方へ移動する。しかるに、インナーコア12は、ストップリング5によりシール部材7及び係合部材6を介して右方への移動が規制されており、シール部材7が接続孔3の軸線方向に弾性的に圧縮変形する分だけしか右方へ移動することができない。この実施の形態の継手装置Aでは、シール部材7の圧縮変形によってインナーコア12が右方へ移動することができる距離が、パイプ11の移動距離より小さく設定されている。このため、係止部材4がその移動限界位置(係止部材4の周方向の両端部が互いに突き当たるようになる位置)まで右方へ移動させられると、インナーコア12の小径筒部12aの一部がパイプ11の左端開口部から抜け出る。しかし、これは二次側配管1の継手2に対する接続には何等問題になることがない。勿論、パイプ11の右方への移動距離とインナーコア12の右方への移動距離とを同一にすれば、インナーコア12がパイプ11から抜け出ることはない。
【0030】
図7は、この発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態の継手装置Bにおいては、筒体の内周面の小径孔部22bとテーパ孔部22dとの間に、接続孔3の軸線と直交し、かつテーパ孔部22d側を向く環状の当接面22fが形成されている。この当接面22fは、パイプ11が接続孔3の右端開口部から脱出するように引っ張られ、それに伴ってテーパ孔部22dの小径側へ移動する係止部材4に突き当たって停止させるためのものである。したがって、この継手装置Bにおいては、係止部材4の周方向の両端面が互いに突き当たることはない。その他の構成は、上記継手装置Aと同様である。
【0031】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、継手装置2の左端部外周面に形成されたテーパ雄ねじ部21hに一次側配管を螺合固定し、接続孔3の右端部に二次側配管1を接続しているが、テーパ雄ねじ部21hに固定される配管を二次側配管とし、接続孔3に接続される配管を一次側配管としてもよい。換言すれば、上記の実施の形態においては、接続孔3の左端部を上流側とし、右端部を下流側としているが、これとは逆に、接続孔3の左端部を下流側とし、右端部を上流側としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、第1当接部たるストップリング5を継手本体2と別体に形成しているが、貫通孔21aの内周面、つまり中径孔部21cの内周面又は大径孔部21dの内周面とのいずれかに一体に形成してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、食い込み部が管体の外周部に過度に食い込むのを確実に防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を、継手に二次側配管を接続する前の状態で示す断面図である。
【図2】同実施の形態において用いられている係合部材を示す図であって、図2(A)はその正面図、図2(B)はその背面図、図2(C)は図2(A)のC−C線に沿う断面図である。
【図3】同実施の形態において用いられている係止部材を示す図であって、図3(A)はその正面図、図3(B)は図3(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図4】同実施の形態を、継手に二次側配管を接続している途中の状態で示す断面図である。
【図5】同実施の形態を、継手に二次側配管の接続が完了した状態で示す断面図である。
【図6】同実施の形態を、係止部材が停止するまでパイプを引っ張った状態で示す断面図である。
【図7】この発明の他の実施の形態を示す図6と同様の断面図である。
【符号の説明】
1 二次側配管(管体)
2 継手装置
3 接続孔
4 係止部材
4c 食い込み突条(食い込み部)
22d テーパ孔部
22f 当接面
【発明の属する技術分野】
この発明は、水道管、その他の液体用の管体を接続するための継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の継手装置は、接続孔が形成された継手本体と、この継手本体の接続孔内に固定されたリング状の係止部材とを有している。接続孔には、その一端開口部から管体が挿入される。この管体は、係止部材を貫通して所定の接続位置まで挿入される。係止部材は、薄い金属板からなるものであり、その内周面には、管体の挿入方向に向かうにしたがって内周側へ向かうように傾斜した多数の食い込み部が設けられている。この食い込み部は、その先端部が管体の外周面より小径である円周上に配置されているが、管体の挿入時には管体によって先端部が径方向外側へ変位するように弾性変形させられる。それによって、管体が係止部材を貫通することを許容する。その一方、接続位置まで挿入された管体が接続孔の一端開口部側へ移動しようとすると、食い込み部が管体の外周面から内部に食い込む。これにより、管体が係止部材に対して接続孔の一端開口部側へ移動不能に連結され、ひいては継手本体に抜け止め状態で接続されるようになっている。
【0003】
ところで、食い込み部は、管体の挿入方向へ向かうにしたがって径方向内側へ向かうように傾斜しているので、管体が接続孔の一端開口部から抜け出る方向へ強く引っ張られると、管体の外周部に深く食い込む。これにより、管体を強力に抜け止めするようになっているのであるが、食い込み部が過度に深く食い込むと、管体の強度が低下して食い込み部分から破断するおそれがある。そこで、食い込み部の両側に周方向に延びる規制部を形成している。この規制部は、食い込み部が所定の深さまで食い込むと管体の外周面に突き当たるようになっており、これによって食い込み部が管体に過度に食い込むのを防止している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−234692号公報(第3頁、図1及び図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の液体用管体の継手装置においては、係止部材が薄い金属板で構成されているため、規制部を形成したとしても、規制部自体が管体の外周面に食い込んでしまい、食い込み部の過度の食い込みを確実に防止することが困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、第1の発明は、一端開口部から管体が挿入される接続孔が形成された継手本体と、上記接続孔の内部に設けられ、上記管体によって貫通される係止部材とを備え、上記係止部材の内周面には、上記管体の外周面に食い込むことにより、上記係止部材を上記管体に上記接続孔の一端開口部側へ上記管体と一体に移動するように連結する食い込み部が設けられた液体用管体の継手装置において、上記接続孔の内周面には、上記接続孔の他端側から一端側へ向かうにしたがって小径になるテーパ孔部が形成され、上記係止部材が、それ自体の弾性によって拡縮径することができるよう、略C字状に形成され、上記食い込み部が、上記接続孔部の一端開口部側へ向かう方向への力に対して所定以上の強度を有し、上記係止部材は、上記テーパ孔部内を上記接続孔の一端開口部側へ移動したときに、上記テーパ孔部の内周面に摺接することによって縮径し、所定の限界位置まで移動したときには、上記係止部材の周方向の両端部が互いに突き当たるように構成されていることを特徴としている。
また、第2の発明は、一端開口部から管体が挿入される接続孔が形成された継手本体と、上記接続孔の内部に設けられ、上記管体によって貫通される係止部材とを備え、上記係止部材の内周面には、上記管体の外周面に食い込むことにより、上記係止部材を上記管体に上記接続孔の一端開口部側へ上記管体と一体に移動するように連結する食い込み部が設けられた液体用管体の継手装置において、上記接続孔の内周面には、上記接続孔の他端側から一端側へ向かうにしたがって小径になるテーパ孔部と、このテーパ孔部より上記接続孔の一端側に配置された当接面とが形成され、上記係止部材が、それ自体の弾性によって拡縮径することができるよう、略C字状に形成され、上記食い込み部が、上記接続孔部の一端開口部側へ向かう方向への力に対して所定以上の強度を有し、上記係止部材は、上記テーパ孔部内を上記接続孔の一端開口部側へ移動したときに、上記テーパ孔部の内周面に摺接することによって縮径し、上記当接面に突き当たることによって上記接続孔の一端開口部側への移動が阻止されることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1〜図7を参照して説明する。
図1〜図6は、この発明の一実施の形態を示している。この実施の形態は、例えば水道水の配管系を構成する際に用いられるものであり、上流側配管たる一次側配管(図示せず)に下流側配管たる二次側配管(管体)1を、この発明に係る継手装置2を介して接続するように構成されている。
【0008】
二次側配管1は、パイプ11とインナーコア12とを有している。ただし、二次側配管1は、インナーコア12を省き、パイプ11だけで構成してもよい。パイプ11は、断面円形をなしており、架橋ポリエチレン、ポリブテン等の適度の柔軟性と強度とを兼ね備えた合成樹脂によって構成されている。パイプ11を構成する樹脂としては、透明な合成樹脂を用いるのが望ましい。パイプ11のうち、その上流側の端面(図1において左端面。以下、左右は図における左右を意味するものとする。)から右側へ向かった所定の長さの挿入範囲は、後述する接続孔3に挿入することができるよう、ストレートに形成されるが、それより右側の部分(下流側の部分)はストレートであっても、曲がっていてもよい。
【0009】
一方、インナーコア12は、パイプ11を構成する合成樹脂より強度の強い合成樹脂、例えばポリフェニルサルフォン等の合成樹脂によって構成されており、互いに一体に形成された小径筒部12aと大径筒部12bとを有している。インナーコア12の少なくとも小径筒部12aの外周面は、有色であることが望ましい。この場合、パイプ11を構成する樹脂が無色透明であるならば、小径筒部12aの外周面の色はどのようなものであってもよいが、パイプ11が有色透明であるときには、パイプ11を構成する合成樹脂の色と異なる色であることが望ましい。
【0010】
小径筒部12aは、断面円形をなしており、パイプ11の内径より若干大きい外径を有している。そして、パイプ11の左端部内周に圧入されている。小径筒部12aの長さは、上記挿入範囲の長さとほぼ同一か、それより所定の若干量(例えば、2〜5mm程度)だけ長く設定されており、小径筒部12a全体がパイプ11に圧入されている。一方、大径筒部12bは、断面円形をなし、小径筒部12aと同芯に形成されている。大径筒部12bの外径は、パイプ11の外径と同一に設定されている。大径筒部12bの小径筒部12a側の端面12cは、パイプ11の左端面に突き当たっている。したがって、大径筒部12b全体がパイプ11から外部に露出している。
【0011】
大径筒部12bの外周面の右端部(端面12c側の端部)には、周方向に沿って環状に延びる係合凹部(凹部)12dが形成されている。この係合凹部12dの底面、つまり係合凹部12dを区画する壁面は、大径筒部12bの右端から左方へ向かってほぼ中央部まで延び、左方へ向かうにしたがって小径になるテーパ面12eと、このテーパ面12eの左端縁から大径筒部12bの径方向外側へ向かってその外周面まで延びる当接面12fとを有している。大径筒部12bの左端部には、左方へ向かうにしたがって小径になるテーパ状のガイド面12gが形成されている。ガイド面12gは、この実施の形態では、テーパ面12eと同一のテーパ度を有しているが、ガイド面12gのテーパ度は、テーパ面12eのテーパ度と異なるテーパ度にしてもよい。ガイド面12gの右端縁は、当接面12fの外側の端縁と交差しているが、当接面12fに対して左方へ離間させ、当接面12fとガイド面12gとの間の大径筒部12bの外周面に、一定の直径を有する円筒面を形成してもよい。ガイド面12gの左端縁は、曲率半径が小さい円弧面を介して大径筒部12bの左端面に連なっている。
【0012】
継手2は、継手本体21と筒体22とを有している。継手本体21の内部には、その一端面から他端面まで貫通する断面円形の貫通孔21aが形成されている。この貫通孔21aが形成されることにより、継手本体2が筒状になっている。貫通孔21aは、その軸線方向の左端部に形成された小径孔部21bと、中央部に形成された中径孔部21cと、右端部に形成された大径孔部21dとを有している。小径孔部21bの内径は、二次側配管1の外径(=パイプ11及び大径筒部12bの外径)より小径に設定されている。中径孔部21cの内径は、二次側配管1の外径より大径に設定されている。小径孔部21bと中径孔部21cとの間には、貫通孔21aの軸線と直交し、かつ右方を向く環状の位置規制面21eが形成されている。大径孔部21dは、中径孔部21cよりさらに大径であり、大径孔部21dと中径孔部21cとの間には、段差面21fが形成されている。大径孔部21dの内周面には、雌ねじ部21gが形成されている。継手本体21の左端部外周面には、テーパ雄ねじ部21hが形成されている。このテーパ雄ねじ部21hには、一次側配管が螺合固定される。そして、一次側配管から水道水が貫通孔21aに供給されるようになっている。
【0013】
筒体22は、その左端部が雌ねじ部21gに螺合されている。そして、筒体22の中間部外周面に形成された環状突出部22aが継手本体21の右端面に突き当たるまで筒体22が雌ねじ部21gにねじ込まれることにより、筒体22が継手本体21に固定されている。筒体22の外周面と大径孔部21dの内周面との間は、Oリング等のシール部材S1によって封止されている。筒体22の内部と貫通孔21aのうちの筒体22より左側の部分とによって継手2の内部を貫通する接続孔3が構成されている。この接続孔3には、その右端開口部(一端開口部)、つまり筒体22の右端開口部から二次側配管1がその大径筒部12bを先にして挿入される。二次側配管1は、大径筒部12bの左端面が位置規制面21eに突き当たるまで挿入される。位置規制面に突き当たると、二次側配管1はそれ以上接続孔3に挿入することができなくなる。以下、このときの二次側配管1の位置を接続位置と称する。二次側配管1の接続孔3に対する接続位置までの挿入長さは、大径筒部12bの長さとパイプ11の挿入範囲との合計長さとほぼ等しくなっている。したがって、二次側配管1が接続位置まで挿入されると、小径筒部12aの右端面が筒体22の右端面とほぼ同一平面上に位置するか、筒体22の右端面から所定の若干量だけ右側に突出する。ここで、パイプ11が透明であるから、小径筒部12aの右端面が筒体22の右端面とほぼ同一平面上に位置しているか、所定量だけ突出していることを目視することができる。これにより、二次側管体1が接続孔3に接続位置まで挿入されたことを確認することができる。
【0014】
筒体22の内部には、その右端部に小径孔部22bが形成され、左端部に大径孔部22cが形成され、小径孔部22bと大径孔部22cとの間にテーパ孔部22dが形成されている。小径孔部22bの内径は、その全長にわたって一定であり、二次側配管1の外径とほぼ同一に設定されている。小径孔部22bの内周面には、環状凹部22eが形成されている。この環状凹部22eには、Oリング等のシール部材S2が装着されている。このシール部材S2により、小径孔部22bの内周面と二次側配管1のパイプ11の外周面との間が封止されている。大径孔部22cは、小径孔部22bより大径であり、一定の内径を有している。テーパ孔部22dは、左方へ向かうにしたがって大径になっている。テーパ孔部22dの小径側の端縁、つまり右端縁は、小径孔部22bの左端縁と交差している。したがって、テーパ孔部22dの最小内径(右端縁の内径)は、小径孔部22bの内径と同一になっている。テーパ孔部22dの大径側の端縁、つまり左端縁は、大径孔部22cの右端縁と交差している。したがって、テーパ孔部22dの最大内径は、大径孔部22cの内径と同一になっている。
【0015】
筒体22の内部には、係止部材4が挿入されている。この係止部材4は、金属又は樹脂からなるものであり、図3に示すように、略「C」字状に形成されている。これにより、係止部材4が拡縮径可能になっている。係止部材4は、その左端面が後述するストップリング5に突き当たることによってそれ以上左方へ移動することが阻止されている。係止部材4の外周面の左端部には、ストレート部4aが形成されており、このストレート部4aを除く係止部材4の外周面の大部分がテーパ部4bになっている。ストレート部4aの外径は、係止部材4に外力が作用しない自然状態になっているとき、大径孔部22cの内径より若干小径になっている。一方、テーパ部4bは、ストレート部4aから右方へ向かうにしたがって小径になっており、そのテーパ度はテーパ孔部22dと同一のテーパ度に設定されている。しかも、テーパ部4bの軸線方向における各部の外径は、係止部材4がストップリング5に突き当たり、かつ係止部材4が自然状態になっているとき、テーパ孔部22dの対応する各部の内径より若干小径になっている。したがって、係止部材4は、ストップリング5に突き当たっているときには筒体22の内部において拡径可能な状態になっている。
【0016】
係止部材4の内周面には、その周方向の一端から他端まで延びる食い込み突条(食い込み部)4cが形成されている。食い込み突条4cは、この実施の形態では係止部材4の軸線方向に隣接して二つ形成されているが、一つだけ形成してもよく、三つ以上形成してもよい。食い込み突条4cは、接続孔3の軸線とのなす角が直角で、左方を向く垂直面4dと、この垂直面4dの内周縁から右方へ向かうにしたがって大径になるテーパ面4eとによって断面鋸刃状に形成されている。食い込み突条4cの内径は、二次側配管1の外径より若干小径に設定されている。したがって、二次側配管1が接続孔3にその右端開口部から挿入されると、二次側配管1の左端部(大径筒部12bのガイド面12gの左端部)が食い込み突条4cのテーパ面4eに突き当たる。このとき、係止部材4がストップリング5によって左方への移動を阻止されているので、係合部材4は、食い込み突条4cのテーパ面4eに突き当たる二次側配管1によって弾性的に拡径される。その結果、二次側配管1が係止部材4内を通過可能になる。
【0017】
二次側配管1は、係止部材4内を通過した後、接続位置まで挿入されると、大径筒部12bの左端面が位置規制面21eに突き当たることによって停止する。すると、係止部材4がそれ自体の弾性によって縮径し、食い込み突条4cが二次側配管1のパイプ11の外周面から内部に食い込む。この結果、二次側配管1が接続位置から右方へ移動しようとすると、それに追随して係止部材4が右方へ移動し、テーパ部4bがテーパ孔部22dの内周面に押圧接触する。これにより、係止部材4の右方への移動が阻止される。この状態では、パイプ11が継手2に係止部材4を介して右方へ移動不能に係止される。
【0018】
このように、二次側配管1のパイプ11は、係止部材4及びテーパ孔部22dの内周面によって継手2に係止されるが、パイプ11が所定の大きさを越える力で右方へ引っ張られると、パイプ11は、接続孔3から抜け出ることはないまでも、右方へ若干移動させられる。すなわち、二次側配管1が比較的強い力で右方へ引っ張られると、係止部材4がテーパ孔部22dの内周面によって縮径され、その分だけ食い込み突条4cがパイプ11に深く食い込むとともに、係止部材4が右方へ移動する。この結果、パイプ11も係止部材4が移動した分だけ右方へ移動する。ただし、係止部材4が「C」字状をなしているので、係止部材4の周方向の両端部が互いに突き当たるまで係止部材4が縮径すると、係止部材4はそれ以上縮径することができなくなる。この結果、係止部材4がテーパ孔部22dの内周面によって右方への移動が阻止され、ひいては二次側配管1の右方への移動が阻止される。このときの係止部材4の位置が限界位置である。換言すれば、係止部材4が右方へ向かって限界位置まで移動すると、テーパ孔部22dによって縮径されて係止部材4の周方向の両端部が突き当たるようになっている。
【0019】
係止部材4は、限界位置に達するとそれ以上右方へ移動しなくなるとともに、縮径しなくなるので、食い込み突条4cがパイプ11の外周部に過度に食い込むことが防止されるとともに、パイプ11(二次側配管1)が接続孔3から抜け出ることが阻止される。しかも、食い込み突条4cの厚さ(係止部材4の軸線方向における食い込み突条の寸法)は、係止部材4の径方向内側から外側へ向かうにしたがって厚くなっているので、接続孔3の右端開口部側に向かう力に対する食い込み突条4cの強度が高く、その強度は、食い込み突条4cがパイプ11に最も深く食い込んだ状態でパイプ11を引っ張ったとき、パイプ11が食い込み突条4cの食い込み部から切断する程度の力で引っ張ったとしても、食い込み突条4cが接続孔3の右端開口部側へ向かってほとんど変形することがないような強度に設定されている。したがって、パイプ11を強く引っ張ったとしても、食い込み突条4cが変形してパイプ11が係止部材4から抜け出し、ひいては接続孔3の右端開口部から抜け出るような事態が生じることはない。
【0020】
継手本体21の大径孔部21dの中径孔部21c側における端部には、ストップリング5が配置されている。このストップリング5は、当接面21fと筒体22の左端面とによってほぼ挟持されている。したがって、ストップリング5は、接続孔3の軸線方向に対してほぼ位置固定されている。ストップリング5の内径は、二次側配管1の外径より若干大径になっている。したがって、二次側配管1は、ストップリング5内を挿通可能である。なお、上記のように、ストップリング5の右端面には、接続孔3に挿入される二次側配管1によって左方へ押圧させられた係止部材4が突き当たるようになっている。
【0021】
継手本体21の中径孔部21cには、筒状をなす係合部材6が嵌合されている。係合部材6は、接続孔3の軸線方向へ移動可能であるが、その左端面が中径孔部21cの内周面の左端部に形成された環状の係止面21iに突き当たることにより、それ以上左方へ移動することが阻止されている。以下、このときの係合部材6の位置を初期位置と称する。係止部材6の内径は、二次側配管1の外径とほぼ同一か若干大径になっている。したがって、二次側配管1は、係止部材6内を挿通可能である。
【0022】
係合部材6の左端部には、左方へ向かって延びる係合片6aが形成されている(図2参照)。係合片6aは、周方向に等間隔をもって4つ形成されているが、1〜3つ又は5つ以上形成してもよい。係合片6aは、その先端部(左端部)が基端部(右端部)を中心として接続孔3の径方向へ回動変位することができるよう、弾性変形可能に形成されている。係合片6aは、左方へ向かうにしたがって係合部材6の内周面から径方向内側へ向かうように傾斜させられている。特に、係合片6aの内面(径方向内側を向く面)は、インナーコア12の大径筒部12bに形成された係合凹部12dのテーパ面12eの傾斜角度と同一の傾斜角度をもって傾斜させられている。しかも、係合片6aの内面の先端部と接続孔3の軸線との間の距離は、ガイド面12gの小径側端部の半径より小さくなっている。したがって、図4に示すように、二次側配管1を接続位置より若干手前の位置まで接続孔3に挿入すると、ガイド面12gが係合片6aの内面に突き当たる。その状態で二次側配管1をさらに左方へ移動させると、係合片6aの内面が係合部材6の内周面と同一の円周面上に位置するようになるまで係合片6aが接続孔3の径方向外側へ向かって弾性変形させられる。その後、二次側配管1を接続位置まで移動させると、係合片6aが係合凹部12dと対向する。すると、係合片6aがそれ自体の弾性によって元の状態に復帰する。そして、係合凹部12d内に入り込み、そのテーパ面12eに勢い良く衝突する。これによって、打撃音が発生するとともに、係合片6a及び大径筒部12bに振動が発生する。
【0023】
係合片6aが係合凹部12dに入り込むと、係合片6aの先端面が当接面12fに突き当たる。これにより、係合部材6が二次側配管1のインナーコア12に対して左方へ移動不能に係止される。換言すれば、係合部材6がインナーコア12に対しそれと一緒に右方向へ移動するように連結される。なお、係合片6aの先端面が当接面12fに突き当たった状態において、二次側配管1が右方へ移動させられると、係合片6aにはその先端部を接続孔3の径方向内側へ変位させるようとする力(モーメント)が作用するが、係合片6aの内面がテーパ面12eに突き当たっているので、係合片6aが径方向内側へ向かって弾性変形させられることがない。したがって、係合片6aは、係合部材6がインナーコア12と一緒に右方へ移動するように、係合部材6をインナーコア12に確実に連結する。
【0024】
ストップリング5と係合部材6との間には、Oリング等の弾性材からなる環状のシール部材7が設けられている。接続孔3の軸線方向(長手方向)におけるシール部材7の両側部は、ストップリング5の左端面と係合部材6の右端面とにそれぞれ押圧接触している。シール部材7は、それに外力が作用していない自然状態になっているとき、その外径が中径孔部21cの内径より大径になっている。したがって、シール部材7の外周部は、中径孔部21cの内周面に押圧接触している。一方、シール部材7の内径は、二次側配管1の外径より小径に設定されている。したがって、二次側配管1を接続孔3に接続位置まで挿入すると、シール部材7の内周部が二次側配管1(パイプ部11)の外周面に押圧接触する。これにより、中径孔部21cの内周面(接続孔3の内周面)と二次側配管1の外周面との間が封止されている。
【0025】
上記構成の継手装置Aにおいて、二次側配管1を継手2に接続する場合には、インナーコア12を先にして二次側配管1を接続孔3にその右端開口部から挿入する。インナーコア12の大径筒部12bがシール部材S2を通過した後、そのガイド面12gが係止部材4の食い込み突条4cのテーパ面4eの内周部に突き当たる。すると、係止部材4がストップリング5によって左方への移動を阻止されているので、ガイド面12gが係止部材4を弾性的に拡径させる。この結果、大径筒部12b及びパイプ11が係止部材4内を通過可能になる。大径筒部12b及びパイプ11が係止部材4を通過した後、二次側配管1を接続孔3にさらに挿入すると、図4に示すように、大径筒部12bのガイド面12gが係合部材6の係合片6aの先端部内面に突き当たる。このとき、係合部材6が係止面21iに突き当たることによって初期位置から左方への移動を阻止されているので、ガイド面12gは、二次側配管1の挿入に伴って係合片6aをその先端部が接続孔3の径方向外側へ変位するように弾性変形させる。これにより、ガイド面12gが係合片6aに摺接した状態で二次側配管1が左方へ移動可能になる。その後、図5に示すように、二次側配管1を接続孔3に接続位置まで挿入すると、係合片部6aが係合凹部12dと対向する。
【0026】
係合片部6aが係合凹部12dと対向すると、係合片部6aがそれ自体の弾性によって復帰変形し、テーパ面12eに勢い良く突き当たる。これにより、打撃音が発生するとともに、係合片部6a及びインナーコア12に振動が発生する。打撃音を聴覚で認識することにより、二次側配管1が接続位置まで挿入されたことを確認することができる。しかも、係合片部6aに発生した振動は、係合部材6を介して継手本体21に伝達され、インナーコア12に発生した振動は、パイプ11に伝達される。そして、継手本体21及びパイプ11に伝達された振動を、それらを持つ両手でそれぞれ感じることにより、二次側配管1が接続位置まで挿入されたことを確認することができる。したがって、二次側配管1の継手2への接続を暗闇中で行ったり、あるいは壁等に形成された小さい孔から手を差し込んで行う場合においても、二次側配管1が接続孔3の接続位置まで挿入されたことを確実に認識することができる。
【0027】
二次側配管1が接続位置まで挿入されると、大径筒部12bの左端面が位置規制面21eに突き当たる結果、それ以上二次側配管1を接続孔3に挿入することができなくなり、二次側配管1が停止する。すると、係止部材4の食い込み突条4cが係止部材4自体の弾性によってパイプ11の外周に食い込む。これにより、二次側配管1が接続孔3の右端開口部から抜け出ることが阻止される。つまり、二次側配管1が継手2に接続される。
【0028】
二次側配管1が継手2に接続された状態において、二次側配管1のパイプ11が右方へ強く引っ張られると、図6に示すように、係止部材4がパイプ11と一緒に右方へ移動する。すると、係止部材4がテーパ孔部22dによって縮径され、食い込み突条4cがパイプ11に深く食い込む。しかし、係止部材4が限界位置まで移動して所定の直径まで縮径すると、その周方向の両端部が互いに突き当たり、係止部材4がそれ以上縮径することができなる。この結果、係止部材4が右方へ移動することができなくなる。これにより、パイプ11が接続孔3から抜け出ることが確実に阻止されるとともに、食い込み突条4cがパイプ11に過度に食い込むことが防止されている。
【0029】
なお、パイプ11が接続孔3の右端開口部から抜け出る方向へ引っ張られると、上記のように、係止部材4がストップリング5から右方へ移動する距離の分だけパイプ11が右方へ移動する。しかるに、インナーコア12は、ストップリング5によりシール部材7及び係合部材6を介して右方への移動が規制されており、シール部材7が接続孔3の軸線方向に弾性的に圧縮変形する分だけしか右方へ移動することができない。この実施の形態の継手装置Aでは、シール部材7の圧縮変形によってインナーコア12が右方へ移動することができる距離が、パイプ11の移動距離より小さく設定されている。このため、係止部材4がその移動限界位置(係止部材4の周方向の両端部が互いに突き当たるようになる位置)まで右方へ移動させられると、インナーコア12の小径筒部12aの一部がパイプ11の左端開口部から抜け出る。しかし、これは二次側配管1の継手2に対する接続には何等問題になることがない。勿論、パイプ11の右方への移動距離とインナーコア12の右方への移動距離とを同一にすれば、インナーコア12がパイプ11から抜け出ることはない。
【0030】
図7は、この発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態の継手装置Bにおいては、筒体の内周面の小径孔部22bとテーパ孔部22dとの間に、接続孔3の軸線と直交し、かつテーパ孔部22d側を向く環状の当接面22fが形成されている。この当接面22fは、パイプ11が接続孔3の右端開口部から脱出するように引っ張られ、それに伴ってテーパ孔部22dの小径側へ移動する係止部材4に突き当たって停止させるためのものである。したがって、この継手装置Bにおいては、係止部材4の周方向の両端面が互いに突き当たることはない。その他の構成は、上記継手装置Aと同様である。
【0031】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、継手装置2の左端部外周面に形成されたテーパ雄ねじ部21hに一次側配管を螺合固定し、接続孔3の右端部に二次側配管1を接続しているが、テーパ雄ねじ部21hに固定される配管を二次側配管とし、接続孔3に接続される配管を一次側配管としてもよい。換言すれば、上記の実施の形態においては、接続孔3の左端部を上流側とし、右端部を下流側としているが、これとは逆に、接続孔3の左端部を下流側とし、右端部を上流側としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、第1当接部たるストップリング5を継手本体2と別体に形成しているが、貫通孔21aの内周面、つまり中径孔部21cの内周面又は大径孔部21dの内周面とのいずれかに一体に形成してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、食い込み部が管体の外周部に過度に食い込むのを確実に防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を、継手に二次側配管を接続する前の状態で示す断面図である。
【図2】同実施の形態において用いられている係合部材を示す図であって、図2(A)はその正面図、図2(B)はその背面図、図2(C)は図2(A)のC−C線に沿う断面図である。
【図3】同実施の形態において用いられている係止部材を示す図であって、図3(A)はその正面図、図3(B)は図3(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図4】同実施の形態を、継手に二次側配管を接続している途中の状態で示す断面図である。
【図5】同実施の形態を、継手に二次側配管の接続が完了した状態で示す断面図である。
【図6】同実施の形態を、係止部材が停止するまでパイプを引っ張った状態で示す断面図である。
【図7】この発明の他の実施の形態を示す図6と同様の断面図である。
【符号の説明】
1 二次側配管(管体)
2 継手装置
3 接続孔
4 係止部材
4c 食い込み突条(食い込み部)
22d テーパ孔部
22f 当接面
Claims (2)
- 一端開口部から管体が挿入される接続孔が形成された継手本体と、上記接続孔の内部に設けられ、上記管体によって貫通される係止部材とを備え、上記係止部材の内周面には、上記管体の外周面に食い込むことにより、上記係止部材を上記管体に上記接続孔の一端開口部側へ上記管体と一体に移動するように連結する食い込み部が設けられた液体用管体の継手装置において、
上記接続孔の内周面には、上記接続孔の他端側から一端側へ向かうにしたがって小径になるテーパ孔部が形成され、
上記係止部材が、それ自体の弾性によって拡縮径することができるよう、略C字状に形成され、
上記食い込み部が、上記接続孔部の一端開口部側へ向かう方向への力に対して所定以上の強度を有し、
上記係止部材は、上記テーパ孔部内を上記接続孔の一端開口部側へ移動したときに、上記テーパ孔部の内周面に摺接することによって縮径し、所定の限界位置まで移動したときには、上記係止部材の周方向の両端部が互いに突き当たるように構成されていることを特徴とする液体用管体の継手装置。 - 一端開口部から管体が挿入される接続孔が形成された継手本体と、上記接続孔の内部に設けられ、上記管体によって貫通される係止部材とを備え、上記係止部材の内周面には、上記管体の外周面に食い込むことにより、上記係止部材を上記管体に上記接続孔の一端開口部側へ上記管体と一体に移動するように連結する食い込み部が設けられた液体用管体の継手装置において、
上記接続孔の内周面には、上記接続孔の他端側から一端側へ向かうにしたがって小径になるテーパ孔部と、このテーパ孔部より上記接続孔の一端側に配置された当接面とが形成され、
上記係止部材が、それ自体の弾性によって拡縮径することができるよう、略C字状に形成され、
上記食い込み部が、上記接続孔部の一端開口部側へ向かう方向への力に対して所定以上の強度を有し、
上記係止部材は、上記テーパ孔部内を上記接続孔の一端開口部側へ移動したときに、上記テーパ孔部の内周面に摺接することによって縮径し、上記当接面に突き当たることによって上記接続孔の一端開口部側への移動が阻止されることを特徴とする液体用管体の継手装置。
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JP2019120404A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-22 | 積水化学工業株式会社 | 管継手 |
-
2002
- 2002-12-24 JP JP2002372311A patent/JP2004204885A/ja active Pending
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JP7323288B2 (ja) | 2017-12-27 | 2023-08-08 | 積水化学工業株式会社 | 管継手 |
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