JP2004204622A - トンネル覆工用セグメント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セグメント主体1の端面に全周に亘って内外2条のシール材4、5を無端状に装着すると共にセグメント主体1の各端面にこれらのシール材4、5間を連結した仕切りシール材7を装着してあり、セグメント同士を互いに対向端面を接合させることにより上記シール材4、5同士と仕切りシール材7、7を圧着させてこれらの対向端面間の隙間8をシール材4、5と仕切りシール材7、7とで密封した構造にし、止水材がこの隙間8以外のセグメント周方向の隙間に浸入、拡散するのを防止して該隙間8のみに充填させるように構成している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトンネル築造時において、トンネル掘削壁面に施工するトンネル覆工用セグメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シールド掘削機によって掘削されたトンネル壁面を覆工するコンクリート製セグメントとしては、一般に平面矩形状のセグメントと六角形セグメントとが知られているが、いずれのセグメントにおいても、掘削壁面にこれらのセグメントを組み立てて覆工を構築する場合、セグメント同士を接合する継手面に予め、シール材を全周に亘って無端状に装着しておいて止水性を向上させることが行われている。
【0003】
一方、近年においてはトンネル掘削壁面に対してモルタル等による二次覆工を省略し、セグメントによるトンネル覆工のみでトンネル覆工の本体構造とするケースが増加してきており、このような場合には、特に、セグメントトンネルの止水性が重要となる。
【0004】
従って、セグメントの止水の信頼性を一層向上させるために、例えば、平面矩形状のセグメントにおいては、図14〜16に示すように、セグメント主体21の四方端面に、該セグメント主体21の厚み方向に一定間隔を存して内外2条の周溝22、23を全周に亘って無端状に形成し、これらの周溝22、23にそれぞれシール材24、25を装着することが行われている。
【0005】
同様に、平面六角形セグメントにおいても、図17〜19に示すように、セグメント主体31の周端面に、該セグメント主体31の厚み方向に一定間隔を存して内外2状の周溝32、33を全周に亘って無端状に形成し、これらの周溝32、33にシール材34、35を装着して二重の止水構造としている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
そして、隣接するセグメント同士の対向端面を、互いにその内外シール材24、25(34、35)の頂面同士を突き合わせ状に圧着させながら接合して、トンネル周方向及び長さ方向にセグメントを順次連結しながら組み立てていくことにより覆工を構築している。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−59397号公報(第4頁、第7、8図)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように構築されたトンネル覆工においては、隣接するセグメントの対向する端面に設けられている内外シール材の頂面同士を圧着させていても、これらのセグメントの端面同士は密接することなくその対向端面間には僅かな隙間が形成されてあり、この隙間が内外シール材間でセグメントの端面全周に亘って連続した状態となっている。
【0009】
このため、互いに接合したセグメント同士の継手部にクラックや目違い等の発生によって漏水が生じた時に、トンネル内側からその継手部に止水材を注入して止水処理を行うと、注入材が上記内外シール材間の隙間を通じてセグメントの接合端面間をトンネル長さ方向及び周方向に浸入していき、注入圧が生じることなく注入領域が隣接するセグメント側に次々と拡大していって必要以上に多量の注入材を注入することになり、不経済であるばかりでなく、止水の信頼性も低くなるという問題点があった。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは漏水が生じた時における止水材の注入量を必要最小限度にして且つ確実な止水が行える止水構造を有するトンネル覆工用セグメントを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のトンネル覆工用セグメントは、請求項1に記載したように、セグメント主体の端面に互いに平行な内外2条の周溝を全周に亘って無端状に形成し、これらの周溝にシール材を装着してなるセグメントであって、上記内外の周溝間に短い直状溝を設け、この直状溝に内外両端が上記内外シール材の対向面に連らなった仕切りシール材を装着してなる止水構造を有している。
【0012】
このように構成したトンネル覆工用セグメントにおいて、請求項2に係る発明は、矩形状のセグメントであって、そのセグメント主体の四方端面における少なくとも短辺側の端面に内外両端が内外2条のシール材間に連らなった仕切りシール材を装着してなる構造としている。さらに、この矩形状セグメントにおいて、請求項3に係る発明は、セグメント主体の短辺側の端面と長辺側の端面とに、内外両端が内外2条のシール材間に連なった仕切りシール材を装着した構造としている。
【0013】
一方、請求項4に係る発明は、上記セグメントはトンネル長さ方向に一定の間隔を存し且つトンネル周方向に互いに平行な前後端面と、これらの前後端面の両端からトンネル周方向に向かってV字状に突出した傾斜端面とからなる六角形セグメントであって、このセグメント主体の少なくとも上記傾斜端面に内外両端が内外2条のシール材間に連らなった仕切りシール材を装着している止水構造としている。さらに、請求項5に係る発明は、この六角形セグメントにおけるセグメント主体の上記前後端面と傾斜端面とに内外両端が内外2条のシール材間に連らなった仕切りシール材を装着した止水構造としている。
【0014】
【作用】
シールド掘削機によって掘削されたトンネル壁面に上記矩形状セグメント又は六角形セグメントをトンネル周方向及びトンネル長さ方向に組み立ててトンネル覆工を構築する。この際、隣接するセグメントの対向する端面を、互いにその端面に装着している内外シール材の頂面同士と、これらの内外シール材間を連続させている仕切りシール材の頂面同士とを圧着させながら接合し、この状態にしてセグメント同士をトンネル周方向及びトンネル長さ方向に順次一体に連結することによってトンネル覆工を構築していく。
【0015】
このように、隣接するセグメントの対向端面に設けている内外シール材同士と仕切りシール材同士とを圧着しても、これらの内外シール材及び仕切りシール材は、該シール材を装着している溝の深さよりもその厚みが大きくてセグメントの端面から突出しているので、これらのセグメントの対向端面同士は密着することなくその対向端面間に僅かな隙間が形成される。しかしながら、互いに圧着した内外シール材間で形成されている隙間、即ち、セグメントの周方向に連続する隙間は、互いに圧着した仕切りシール材によって遮断され、これらの内外シール材と仕切りシール材とによって上記隙間は密封された状態となっている。
【0016】
従って、セグメント間の継手部にクラックや目違い等が発生した時、その継手部の止水処理を行うために、該継手部に止水材を注入すると、止水性がセグメントの対向端面間における内外シール材によって囲まれた上記隙間をその端面の長さ方向に浸入していくが、仕切りシール材に達するとそれ以上、浸入するのを阻止され、内外シール材と仕切りシール材とによって囲まれた隙間内に充満し、注入圧が発生して必要最小限度の止水材が注入されたことを確認することができると共に確実な止水処理が行えるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1〜図3において、1はトンネル周方向に長い一定厚みを有する平面矩形状のコンクリート製セグメント主体で、その長さ方向をトンネル掘削壁面の周方向に沿うように円弧状に湾曲させていると共に、四方の端面には該セグメント主体1の厚み方向に一定間隔を存して互いに平行な内外2条の周溝2、3を全周に亘って無端状に形成してあり、これらの周溝2、3に一定の断面形状を有するゴム製の紐状ないしは棒状の内外シール材4、5をそれぞれ無端状に装着し、接着剤によって周溝2、3の溝底面に貼着している。なお、セグメント主体1においては、トンネル掘削壁面に面する側を外側とし、トンネル内に面する側を内側としている。
【0018】
さらに、セグメント主体1の四方端面において、短辺側の端面1a、1bでは、図2に示すように、これらの端面1a、1bのセグメント周方向の中間部に、内外両端がこれらの端面1a、1bに設けている上記内外周溝2、3の対向部分に連続した直状溝6、6をセグメント主体1の厚さ方向にそれぞれ形成していると共に、これらの直状溝6、6内に上記内外シール材4、5と同一材料で同一断面形状の短い仕切りシール材7、7をそれぞれ装着し、その両端を該端面1a、1b側に設けている上記内外シール材4、5部分の対向面に連続させた状態で直状溝6、6に貼着、固定している。
【0019】
一方、このセグメント主体1における長辺側の端面1c、1dにおいても、図3に示すように、これらの端面1c、1dの長さ方向の両側部に、内外両端がこれらの端面1c、1dに設けている上記内外周溝2、3の対向部分に連続した直状溝6'、6'をセグメント主体1の厚さ方向にそれぞれ形成していると共に、これらの直状溝6'、6'内に上記仕切りシール材7、7と同大、同形の仕切りシール材7'、7'を装着し、その両端を該端面1c、1d側に設けている上記内外シール材4、5部分の対向面に連続させた状態で接着剤によって貼着、固定している。なお、上記内外シール材4、5及び仕切りシール材7、7'の厚みは、これらのシール材を装着している内外周溝2、3や直状溝6、6'の深さよりも大きく(厚く)形成されている。
【0020】
このように構成した矩形状セグメントは、シールド掘削機によって掘削されたトンネル掘削壁面に沿って複数個、その短辺側の端面1a、1b同士を接合、連結することによってリング状に組み立てられてその短辺長さに等しい1リング分のトンネル覆工部を形成し、このトンネル覆工部をシールド掘削機の一定長のトンネル掘削毎にトンネル長さ方向に組み立てていくことによってトンネル覆工が構築される。
【0021】
この際、前後に隣接するリング状に組み立てられたセグメント間においては、リング間継手面である長辺側の端面1c、1d同士の接合は、図5に示すように、一方のリング状覆工部のセグメント主体1の端面1c、1dにおける長さ方向の中央部に、他方のリング状覆工部のセグメント主体1、1同士を連結しているピース間継手面である短辺側の端面1a(1b)が位置するように組み立てられている。
【0022】
そして、トンネル周方向及びトンネル長さ方向に隣接するセグメント同士を接合、連結する際に、セグメント主体1、1の対向端面1a、1b又は1c、1dに設けている上記内外シール材4、4、5、5の頂面同士を突き合わせて厚み方向に圧縮させながら圧着、接合させた場合、図4に示すように、互いに圧着した内外シール材4、5によってセグメント間が止水されると共に、シール材4、5が厚み方向に圧縮しても端面からは突出した状態となっているので、セグメント主体1、1の対向端面1a、1b間又は1c、1d間には隙間8が形成されている。
【0023】
さらに、セグメント主体1、1の対向端面と互いに圧着した内外シール材4、5によって囲まれている隙間8はセグメント主体1、1の周方向に連通しているが、セグメント主体1、1の対向端面間にはこれらの内外シール材4、5に対して直交するようにその両端を該内外シール材4、5に連続させた仕切りシール材7、7'を設けているので、これらの仕切りシール材同士の圧着によって上記内外シール材4、5間の隙間8が周方向に長く連続するのを遮断され、セグメント主体1の端面を一周する間には、周方向に隣接する仕切りシール材間で形成された複数の分割隙間8'が設けられている。
【0024】
即ち、このセグメント主体1には、短辺側の端面1a、1bにそれぞれ1条の仕切りシール材7が設けられ、長辺側の端面1c、1dにはそれぞれ長さ方向に所定間隔を存して2条の仕切りシール材7'、7'が設けられているので、図5に示すように、これらの6条の仕切りシール材7、7'によってセグメント主体1の四方の角部側と両長辺側における中央部との6個所に分割隙間8'が形成されている。なお、図5はトンネル掘削壁面に築造した覆工の展開図であって、横方向はトンネル周方向を示し、縦方向はトンネル長さ方向を示している。
【0025】
このように築造されたトンネル覆工において、例えば、図5に示すA点部分にクラック等による漏水が発生した場合、その部分にトンネル内から止水材を注入して止水処理を行う。この際、上記A点部分から止水材を注入すると、該止水材は、トンネル周方向にはセグメント主体1、1の長辺側の接合端面1c、1dにおける隙間8内を拡散するように浸入し、トンネル長さ方向には上記長辺側の端面の中央部から直角方向に連なったセグメント主体1、1の短辺側の接合端面1a、1bにおける隙間8内に浸入していくが、いずれの方向にも仕切りシール材7、7'が存在していてそれ以上、注入材がトンネル周方向及びトンネル長さ方向に浸入するのを阻止され、図5において斜線で示すように、これらの仕切りシール材7、7'間と内外シール材4、5で囲まれた分割隙間8'内にのみ充満する。
【0026】
従って、分割隙間8'内への止水材の注入、充満によって該分割隙間8'内の注入圧が上昇し、漏水部分に止水材が完全に注入されたことを確認し得ると共に、注入処理時間を短縮して能率のよい止水処理を行うことができ、その上、止水材の注入量を必要最小限度の量にすることができるものである。
【0027】
なお、矩形状セグメント主体1の長辺側端面1c、1dにはそれぞれ2条の仕切りシール材7'、7'を設けているが、長辺側端面1c、1dにはそれぞれ1個所のみに仕切りシール材7'を設けておいてもよく、この場合は、図6にハッチングで示すように分割隙間8'が多少拡がるが、漏水範囲が広い場合においては1個所のみからの止水材の注入によって止水処理を行える利点を有する。
【0028】
また、矩形状セグメント主体1の長辺側端面1c、1dに仕切りシール材7'を設けていなくても、止水材は前後に隣接するリング状に組み立てられた複数個の矩形状セグメント主体1、1の長辺側端面1c、1d間の隙間8をトンネル覆工の全周に亘って充填したのちは、それ以上の拡散が行われないが、短辺側端面1a、1bに仕切りシール材7が設けられていないと、止水材が図7にハッチングで示すように、トンネルの長さ方向にも無端状に注入、拡散することになるので、短辺側端面1a、1b側には必ず仕切りシール材7を設けておく必要がある。
【0029】
上記実施の形態においては矩形状セグメントの止水構造について述べたが、次に六角形セグメントにおける止水構造について説明する。図8〜図10において、11は一定厚みを有する平面六角形状のコンクリート製セグメント主体であって、トンネル長さ方向に一定の間隔を存し且つトンネル周方向に対しては互いに平行な前後端面11a 、11b と、これらの前後端面11a 、11b のトンネル長さ方向に対向する両端からトンネル周方向に向かってV字状に突出している前後傾斜端面11c 、11d とによって六角形状に形成されてあり、両側のV字状傾斜端面間に亘ってトンネル周方向に円弧状に湾曲した形状を有している。
【0030】
そして、このセグメント主体11の上記端面11a 〜11d には、上記矩形状セグメントの場合と同様に、該セグメント主体11の厚み方向に一定間隔を存して互いに平行な内外2条の周溝12、13を全周に亘って無端状に形成してあり、これらの周溝12、13に一定の断面形状を有するゴム製の紐状ないしは棒状の内外シール材14、15をそれぞれ無端状に装着し、接着剤によって周溝12、13の溝底面に貼着している。なお、セグメント主体11においては、トンネル掘削壁面に面する側を外側とし、トンネル内に面する側を内側としている。
【0031】
さらに、セグメント主体11の上記互いにV字状の端面を形成している前後傾斜端面11c 、11d には図9に示すように、その長さ方向の中間部に、内外両端がこれらの傾斜端面11c 、11d に設けている上記内外周溝12、13部分の対向面に連続した直状溝16、16をセグメント主体11の厚み方向にそれぞれ形成していると共に、これらの直状溝16、16内に上記内外シール材14、15と同一材料で同一断面形状の短い仕切りシール材17、17をそれぞれ装着し、その両端を上記内外シール材14、15の対向面に連続させた状態で直状溝16、16に貼着、固定している。
【0032】
同様に、このセグメント主体11における互いに平行な前後端面11a 、11b においても、図10に示すように、これらの前後端面11a 、11b の長さ方向の中間部に、内外両端がこれらの端面11a 、11b に設けている上記内外周溝12、13の対向部分に連続した直状溝16' 、16' をセグメント主体1の厚さ方向にそれぞれ形成していると共に、これらの直状溝16' 、16' 内に上記仕切りシール材17、17と同大、同形の仕切りシール材17' 、17' を装着し、その両端を該端面11a 、11b 側に設けている上記内外シール材14、15部分の対向面に連続させた状態にして接着剤によって貼着、固定している。なお、上記内外シール材14、15及び仕切りシール材17、17' の厚みは、これらのシール材を装着している内外周溝12、13や直状溝16、16' の深さよりも大きく(厚く)形成されている。
【0033】
このように構成した六角形セグメントは、シールド掘削機によって掘削されたトンネル掘削壁面に沿って組み立てられてトンネル覆工を築造しているが、この覆工構造は、図11の展開図で示すように、トンネル長さ方向(図においては縦方向)に対しては前後に隣接するセグメント主体11、11の前後端面11a 、11b 同士を、対向する内外シール材14、15及び仕切りシール材17' 、17' を圧着させながら接合し、トンネル周方向(図においては横方向)に対しては一方のセグメント主体11の前側傾斜端面11c に他方のセグメント主体11の後側傾斜端面11d 同士を、対向する内外シール材14、15及び仕切りシール材17、17を圧着させながら千鳥状に接合している。
【0034】
従って、隣接するセグメント主体11、11の対向端面に設けている互いに圧着した内外シール材14、15によって上記図4に示すようにセグメント間が止水されると共に、シール材14、15が厚み方向に圧縮しても端面からは突出した状態となっているので、セグメント主体11、11の対向端面間には上記矩形状セグメントと同様に隙間18が形成されている。
【0035】
さらに、セグメント主体11、11の対向端面と互いに圧着した内外シール材14、15によって囲まれている上記隙間18はセグメント主体11、11の周方向に連通しているが、セグメント主体11、11の対向端面間にはこれらの内外シール材14、15に対して直交するようにその両端を該内外シール材14、15に連続させた仕切りシール材17、17' を設けているので、これらの仕切りシール材同士の圧着によって上記内外シール材14、15間の隙間18が周方向に長く連続するのを遮断され、セグメント主体11の端面を一周する間には、周方向に隣接する仕切りシール材間で順次分割隙間18' が複数個所に設けられている。
【0036】
即ち、この六角形状のセグメント主体11においては、6方の端面にそれぞれ1条の仕切りシール材17、17' が設けられているので、図11に示すようにセグメント主体11の各角部を中間にしてこれらの角部を挟んだ両側方の端面に設けている仕切りシール材17、17’間によって上記分割隙間18' が形成されている。
【0037】
このように六角形状のセグメント主体11をトンネル周方向及びトンネル長さ方向に組み立てることによって築造されたトンネル覆工において、例えば、図11に示すB点部分にクラック等による漏水が発生した場合、その部分にトンネル内から止水材を注入して止水処理を行う。この際、上記B点部分から止水材を注入すると、該止水材は、トンネル周方向にはセグメント主体1、1の長辺側の互いに平行な前後接合端面11a 、11b における隙間18内を拡散するように浸入するが、これらの端面11a 、11b に設けている上記仕切りシール材17' によってそれ以上、トンネル周方向に拡散、浸入するのを阻止され、トンネル長さ方向には、隣接するセグメント主体11、11の互いに接合した前後傾斜端面11c 、11d における隙間18内に浸入するが、これらの前後傾斜端面11c 、11d に設けている上記仕切りシール材17によってそれ以上、トンネル長さ方向に拡散、浸入するのを阻止され、図11において斜線で示すように、これらの仕切りシール材17、17' 間と内外シール材14、15で囲まれた分割隙間18' 内にのみ充満する。
【0038】
従って、分割隙間18' 内への止水材の注入、充満によって該分割隙間18' 内の注入圧が上昇し、漏水部分に止水材が完全に注入されたことを確認し得ると共に、注入処理時間を短縮して能率のよい止水処理を行うことができ、その上、止水材の注入量を必要最小限度の量にすることができるものである。
【0039】
なお、止水材の注入量が多少、増大するが、図12にハッチングで示すように、六角形状のセグメント主体11におけるV字状の前後傾斜端面11c 、11d において、いずれか一方の傾斜端面に仕切りシール材17を設けいない止水構造としておいてもよく、この場合には、その一方の傾斜端面の隙間18には全長に亘って止水材が注入された状態となり、該止水材の拡散は、他方の傾斜端面と互いに平行な前後端面11a 、11b とに設けている仕切りシール材17、17' によって阻止されることになる。
【0040】
また、六角形状のセグメント主体11における上記前後傾斜端面11c 、11d に仕切りシール材17、17を設けておき、互いに平行な前後端面11a 、11b には仕切りシール材17' を設けていない止水構造としておいてもよく、この場合には、互いに接合している前後端面11a 、11b 側の隙間18には全長に亘って止水材が注入されるが、この端面の両側に連なる前後傾斜端面11c 、11d に設けている仕切りシール材17、17によって止水材がトンネル周方向及び長さ方向のいずれの方向にも拡散するのを阻止される。
【0041】
しかしながら、互いに平行な前後端面11a 、11b に仕切りシール材17' を設けておき、前後傾斜端面11c 、11d の両方に仕切りシール材17を設けていない止水構造にすると、図13にハッチングで示すように、止水材がトンネル覆工の長さ方向に無端状に浸入、拡散することになるので、前後傾斜端面11c 、11d の少なくとも一方には必ず仕切りシール材17を設けておく必要がある。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明のトンネル覆工用セグメントによれば、セグメント主体の端面に互いに平行な内外2条の周溝を全周に亘って無端状に形成し、これらの周溝にシール材を装着してなるセグメントにおいて、上記内外の周溝間に短い直状溝を設け、この直状溝に内外両端が上記内外シール材の対向面に連らなった仕切りシール材を装着しているので、このセグメントをトンネル掘削壁面に、トンネル周方向及び長さ方向に組み立てることによって覆工を構築した場合、互いに接合した端面に設けている内外2条のシール材同士が圧着して優れた止水構造を形成することができるのは勿論、互いに接合したセグメント主体の端面間における内外2条のシール材間で囲まれた隙間は、これらの内外2条のシール材間に両端部を連設している仕切りシール材によってセグメント主体の周方向に連続するのを遮断されて、これらの内外シール材と仕切りシール材とによって密封状態に分断された隙間を形成することができる。
【0043】
従って、セグメント間の継手部にクラックや目違い等が発生した時、その継手部の止水処理を行うために、該継手部に止水材を注入すると、止水性がセグメントの対向端面間における内外シール材によって囲まれた上記隙間をその端面の長さ方向に浸入していくが、仕切りシール材に達するとそれ以上拡散、浸入するのを阻止され、内外シール材と仕切りシール材とによって囲まれた隙間内に止水材を充満させることができ、そのため、注入圧が発生して上記隙間内に止水性が完全に注入、充填されたことを確認し得ると共に、注入量を必要最小限度に留めることができて経済的であると共に、注入作業が短時間で能率よく行え、且つ確実な止水処理が可能となるものである。
【0044】
請求項2に係る発明は、上記セグメントが矩形状のセグメントである場合であって、その四方端面における少なくとも短辺側の端面に内外両端が内外2条のシール材間に連らなった仕切りシール材を装着しているので、この仕切りシール材によって注入材が必要以上にセグメント主体同士の接合端面間に注入されるのを防止することができる。この際、請求項3に記載したように、セグメント主体の短辺側の端面と長辺側の端面とに、内外両端が内外2条のシール材間に連なった仕切りシール材を装着しておけば、一層、シール材の注入量を減らすことができると共に、止水処理が能率よく且つ確実に行うことができる。
【0045】
請求項4に係る発明は、上記セグメントが六角形セグメントであって、少なくともその互いにV字状に形成されている傾斜端面に内外両端が内外2条のシール材間に連らなった仕切りシール材を装着しているので、この仕切りシール材によって注入材が必要以上にセグメント主体同士の接合端面間に注入されるのを防止することができる。この際、請求項5に記載したように、セグメント主体における前後端面と傾斜端面とに内外両端が内外2条のシール材間に連らなった仕切りシール材を装着しておけば、上記矩形状のセグメントと同様に、一層、シール材の注入量を減らすことができると共に、止水処理が能率よく且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】矩形状セグメントの平面図、
【図2】その側面図、
【図3】その正面図、
【図4】セグメント同士を接合させた状態のシール部の拡大断面図、
【図5】セグメントにより築造された覆工の一部の展開図、
【図6】その止水構造の変形例を示す展開図、
【図7】好ましくない止水構造の例を示す展開図、
【図8】六角形セグメントの平面図、
【図9】その側面図、
【図10】その正面図、
【図11】六角形セグメントにより築造された覆工の一部の展開図、
【図12】その止水構造の変形例を示す展開図、
【図13】好ましくない止水構造の例を示す展開図、
【図14】矩形セグメントの従来例を示す平面図、
【図15】その側面図、
【図16】その正面図、
【図17】六角形セグメントの従来例を示す平面図、
【図18】その側面図、
【図19】その正面図。
【符号の説明】
1 セグメント主体
2、3 内外周溝
4、5 内外シール材
6、6' 直状溝
7、7' 仕切りシール材
Claims (5)
- セグメント主体の端面に互いに平行な内外2条の周溝を全周に亘って無端状に形成し、これらの周溝にシール材を装着してなるセグメントであって、上記内外の周溝間に短い直状溝を設け、この直状溝に内外両端が上記内外シール材の対向面に連らなった仕切りシール材を装着していることを特徴とするトンネル覆工用セグメント。
- セグメント主体は矩形状であって、その四方端面における少なくとも短辺側の端面に内外両端が内外2条のシール材間に連らなった仕切りシール材を装着していることを特徴とする請求項1に記載のトンネル覆工用セグメント。
- セグメント主体の短辺側の端面と長辺側の端面とに、内外両端が内外2条のシール材間に連なった仕切りシール材を装着していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネル覆工用セグメント。
- セグメント主体はトンネル長さ方向に一定の間隔を存し且つトンネル周方向に互いに平行な前後端面と、これらの前後端面の両端からトンネル周方向に向かってV字状に突出した傾斜端面とからなる六角形状に形成されてあり、少なくとも上記傾斜端面に内外両端が内外2条のシール材間に連らなった仕切りシール材を装着していることを特徴とする請求項1に記載のトンネル覆工用セグメント。
- 前後端面と傾斜端面とに内外両端が内外2条のシール材間に連らなった仕切りシール材を装着していることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載のトンネル覆工用セグメント。
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